説明

流し台用ゴミ籠

【課題】掃除の手間が減り、ヌメリや臭いを抑えながら商品価値が損なわれにくくなる流し台用ゴミ籠を提供する。
【解決手段】キッチン流し台の排水口に装着されるゴミ籠3であって、ゴミ籠3の籠本体3aの底部31,側部32の外側面31aの一部のみに銅メッキを施し、銅メッキ部分によりヌメリ、臭いの発生を抑えて、掃除の手間を少なくすると共に、ゴミ籠3は、回転可能に回転装置に連繋させ、銅メッキ部分の銅イオンを、回転により外側に拡散させて、ゴミ籠全体および流し台の排水口のヌメリを抑えながら臭いの発生を防ぎ、また、回転による遠心力で良好な排水能力が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチン流し台の排水口に装着されるゴミ籠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、ゴミ籠(ゴミ受けすのこ)の少なくとも一部の表面側に、除菌・抗菌性金属被膜(銀,銅,亜鉛)を備えるものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3133905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているゴミ籠(ゴミ受けすのこ)では、表面側に金属被膜が形成されたものであり、水分が溜まり易いゴミ籠の底部裏側のヌメリを十分に抑制することはできないものであった。また、経年使用で表面側の金属被膜の見栄えが悪化して商品価値が損なわれてしまうという問題点があった。
なお、ゴミ籠のヌメリの発生は細かいゴミの付着の原因になり、掃除の手間を増やすものであり、さらに、ヌメリは臭いの元となるものであった。このようなヌメリを防止するためには、銅材が効果的であることが知られているが、銅材でゴミ籠を作るとなると高コストとなり、さらに経年使用で銅が硫黄成分と反応して斑状に黒変してしまい、見栄えが悪化して商品価値が損なわれてしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、掃除の手間が減り、ヌメリ,臭いを抑えながら商品価値が損なわれることのない流し台用ゴミ籠の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の流し台用ゴミ籠は、キッチン流し台の排水口に装着されるゴミ籠であって、該ゴミ籠の外側面のみに銅メッキが施されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の流し台用ゴミ籠では、外側面のみに銅メッキが施されているため、銅メッキにより、水分が溜まり易いゴミ籠の裏側のヌメリを抑えながら臭いの発生も抑制することができ、掃除の手間が減るゴミ籠となり、また、銅メッキの部分が経年使用で斑状に黒変しても、この黒変する部分はゴミ籠の外側面、即ち裏側の使用者からは見えない部分であるため、ゴミ籠の商品価値が損なわれにくいものとなる。
【0007】
また、本発明の流し台用ゴミ籠において、前記ゴミ籠の外側面の一部のみに銅メッキが施されているものとすることもできる。
こうすれば、銅メッキの施されている部分は外側面の一部のみであるため、黒変する部分が少なくなり、この黒変する部分を使用者が直視することはないために商品価値が損なわれにくくなる。しかも銅メッキ部分によりヌメリ,臭いの発生を抑えて、掃除の手間を少なくできるものである。
【0008】
また、ゴミ籠の外側面の一部のみに銅メッキが施されているゴミ籠において、ゴミ籠は回転可能に回転装置に連繋されているものとすることもできる。
こうすれば、ゴミ籠が回転装置を介して回転されることにより、一部のみに施されている銅メッキ部分の銅イオンを、回転により外側へ拡散させて、ゴミ籠全体および流し台の排水口にも銅イオンの作用を拡大させ、ゴミ籠全体および流し台の排水口のヌメリを抑えながら臭いの発生を防ぐことができ、掃除の手間がかからないものとなる。また、回転による遠心力で良好な排水能力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ゴミ籠を備えた排水トラップを流し台の排水口に設けた縦断面構成図である。
【図2】排水トラップの外観斜視図である。
【図3】ゴミ籠の縦断面構成図である。
【図4】ゴミ籠に形成されている透水穴の拡大構成図である。
【図5】従来の透水穴の拡大構成図である。
【図6】外側面の一部のみに銅メッキを施したゴミ籠の縦断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、ゴミ籠を装着した排水トラップの縦断面構成図であり、図2は、排水トラップの外観斜視図である。
キッチン流し台1の排水口1aには排水ボウル2が取り付けられ、この排水ボウル2内にゴミ籠3が内装されている。排水ボウル2の底側には垂下状に排水トラップ5が設けられており、この排水トラップ5内には同軸状に内筒6が垂設されて、排水トラップ5内に封水が形成され、封水の上方に、排水トラップ5から下傾状に排水管5aが設けられている。
【0011】
また、排水トラップ5の下端側には回転装置8が設けられている。
この回転装置8は、ケース9内に水車12が設けられて、水車12には水車側磁石13が固定されている。この水車側磁石13の上方には籠側磁石14が配置されており、この籠側磁石14は、ゴミ籠3の底面から内筒6内に垂設されたシャフト7の下端に固定されている。
なお、ケース9には、止水栓に接続される接続管10と、水栓に接続される接続管11が設けられている。
【0012】
このような構成において、止水栓側から接続管10を通りケース9内に水が流入されて水栓接続管11側に流出すると、ケース9内の水車12が水流により回転し、これに伴い水車側磁石13が回転して、これにつられて籠側磁石14が回転することにより、シャフト7を介してゴミ籠3が、排水ボウル2内で例えば400rpm程度の回転数で回転され、回転による遠心力でゴミ籠3内の水が脱水され、遠心力による良好な排水能力が確保される。
【0013】
前記ゴミ籠3は、図3の縦断面図で示すような構造となっており、籠本体3aの上面外周に樹脂フランジ3bが取り付けて構成されており、籠本体3aは、例えばステンレス製のパンチングメタルで構成されて、略水平な底部31から筒状に側部32が立ち上げられて、上面が開放された籠状に形成されている。
【0014】
この籠本体3aの底部31および側部32には、図4に拡大して示すような多数の透水穴31cが貫通形成されている。この透水穴31cの穴径は、例えば直径0.8mmであり、透水穴31cと透水穴31cの穴間隔は疎に設定されている。
即ち、図5に従来の透水穴を示すが、図5の従来の透水穴では、透水穴31cの穴径は直径1.2mmであり、穴と穴の間隔は密に設定されていた。
【0015】
このゴミ籠3の籠本体3aの外側面31a、即ち底部31および側部32の裏側の面31aには、銅メッキが施されており、表側の内周を形成する内側面31bには銅メッキは施されていない。
このように籠本体3aの外側面31aのみに銅メッキが施されており、銅メッキにより籠本体3aのヌメリの発生を抑えることができるものである。特に、籠本体3aの底部31には、水分やゴミが溜まるが、この水分やゴミによるヌメリを良好に銅メッキにより抑制することができる。
ヌメリを抑制することができるため臭いの発生も少なくすることができ、また、ゴミ籠3の掃除の手間を減らすことができるものとなる。
【0016】
また、経年使用により、銅メッキの部分は、硫黄成分と反応して斑状に黒変してくるが、この黒変する部分は籠本体3aの外側面31aであるため、使用者が上方側からゴミ籠3を見た場合に、この外側面31aの黒変は見えないものであり、銅メッキ部分の黒変による見栄えの悪化を直視することが少なく、ゴミ籠3の商品価値が損なわれにくいものとなる。
【0017】
なお、本例では、透水穴31cは図4のように穴径が小さく、穴間隔は疎で、穴数が少なく設定されているため、ゴミと排水が銅メッキの部分に接する面積が大で、良好にヌメリや臭いの発生を抑制することができるものである。
【0018】
なお、更に図6に示すゴミ籠3では、籠本体3aの底部31の中央付近の外側面31aの一部にのみ銅メッキ部分Pを形成させたものであり、底部31の中心付近の狭い面積に銅メッキを施して、安価に形成させたものである。
【0019】
このように銅メッキ部分Pの面積が小さくても、前述した如く、回転装置8を介してゴミ籠3を高速で回転させることにより、回転により銅メッキ部分Pの銅イオンは外側へ広がり、籠本体3a全体に銅イオンが拡散し、更に銅イオンは排水ボウル2の内周全体にも広がって、ゴミ籠3および排水ボウル2内周のヌメリの発生を良好に抑制することができるものとなる。
【0020】
また、回転による遠心力で良好な排水能力が確保され、排水はゴミ籠3の透水穴31cを抜けて良好に下方の排水トラップ5内に流れ、更に排水管5aから排水されるものである。
このようにゴミ籠3を回転装置8を介して回転させることにより、抗菌効果を向上させながら良好な排水能力を確保できるものである。
【符号の説明】
【0021】
1 キッチン流し台
1a 排水口
2 排水ボウル
3 ゴミ籠
3a 籠本体
3b 樹脂フランジ
5 排水トラップ
6 内筒
7 シャフト
8 回転装置
12 水車
13 水車側磁石
14 籠側磁石
31 底部
31a 外側面
31b 内側面
31c 透水穴
32 側部
P 銅メッキ部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチン流し台の排水口に装着されるゴミ籠であって、該ゴミ籠の外側面のみに銅メッキが施されていることを特徴とする流し台用ゴミ籠。
【請求項2】
前記ゴミ籠の外側面の一部のみに銅メッキが施されている請求項1に記載の流し台用ゴミ籠。
【請求項3】
前記ゴミ籠は、回転可能に回転装置に連繋されていることを特徴とする請求項2に記載の流し台用ゴミ籠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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