説明

流入接触位置案内装置

【課題】 生体試料が流入処理される流入器具に対する生体試料の流入接触位置を適確且つ迅速に案内する流入接触位置案内装置を提供する。
【解決手段】 便器1に取り付け自在で男性小水の流入接触位置を案内し、接触目標位置に可視赤色光線を集中照射する照射体3aを備え、接触目標位置に方向調整される可視光照射器3の動作で、流入接触目標位置に円形赤色の可視目標マークが形成され、便器1の利用者が接触目標位置の正確な調整状態で便器1を利用可能で、利用者の視覚に明確な可視目標マークに向け、簡単な段取りで男性小水を適確且つ迅速に流入可能になる。老齢者、子供、病弱者など周囲への配慮が十分でない利用者も、赤く輝く円形の可視目睫マークに男性小水を正確に放出することが可能で、利用者は、迅速に適確に便器1を利用でき、床に小水が飛散して汚れや異臭を残すことが無くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料が流入処理される流入器具に取り付け自在で、流入器具に対する生体試料の流入接触位置を適確且つ迅速に案内する流入接触位置案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体からの生体試料が流入処理される流入器具に対して、流入器具の所定の目標位置に生体試料を適確且つ迅速に流入することが要求されることがある。
例えば、便器に対して男性小水を生体試料として放出流入する場合には、便器蓋と便座を上方に開いた状態で、便器本体の底部の所定目標位置に生体試料が接触するように、生体試料を流入させることが要求される。
【0003】
この場合、便器本体の底部の所定位置との接触を外して、生体試料が便器本体に流入されると、生体試料が便器本体の外に飛散して床を汚すことがある。ここで、飛散した生体試料を直ちに拭き取る清掃が行なわれるとなんら問題はないが、例えば公衆トイレなどの場合には、清掃時間が予め定められていて、後々まで汚れが残ったり異臭が残存することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述したような生体試料の流入器具に対する生体試料の流入の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体試料が流入処理される流入器具に対する生体試料の流入接触位置を適確且つ迅速に案内する流入接触位置案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、請求項1記載の第1の発明は、生体試料の流入器具に取り付け自在で、前記流入器具に対する前記生体試料の流入接触位置を案内する流入接触位置案内装置であり、前記接触目標位置に光波を集中照射する照射手段と、前記接触目標位置を調整する調整手段と、前記照射手段の動作により、前記流入接触目標位置に可視目標マークを形成する可視目標マーク形成手段とを有することを特徴とするものである。
ここで光波とは、赤外線領域と紫外線領域を含む光の領域を示すものである。
【0006】
第1の発明に係る流入接触位置案内装置は、生体試料の流入器具に自在に取付け使用されるが、調整手段によって生体試料が流入接触する接触目標位置に方向が調整された状態で流入器具に取り付けられる。そして使用時には、流入される生体試料が接触する流入器具の流入接触位置に、照射手段によって赤外線領域と紫外線領域を含んだ光波が集中照射され、可視目標マーク形成手段によって、流入接触目標位置に可視目標マークが形成される。
このために、流入器具に生体試料を流入する利用者は、予め接触目標位置が正確に調整された状態で流入器具に取り付けられる流入接触位置案内装置に対して、流入接触目標位置に形成される可視目標マークに向けて、簡単な段取りで生体試料を適確に且つ迅速に流入する。
【0007】
同様に前記目的を達成するために、請求項2記載の第2の発明は、第1の発明において、流入器具が便器で生体試料が男性小水であることを特徴とするものである。
第2の発明によると、流入器具を便器とし生体試料を男性小水として第1の発明で得られる作用が実行される。
【0008】
同様に前記目的を達成するために、請求項3記載の第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、可視目標マークが円形の赤色マークであることを特徴とするものである。
第3の発明によると、可視目標マークを円形の赤色マークとして、第1の発明または第2の発明で得られる作用が実行される。
【0009】
同様に前記目的を達成するために、請求項4記載の第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明の何れかの発明において、可視目標マーク形成手段により、可視目標マークの外径が微変動することを特徴とするものである。
第4の発明によると、可視目標マーク形成手段により、可視目標マークの外径が微変動した状態で、第1の発明ないし第3の発明の何れかの発明で得られる作用が実行される。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明に係る流入接触位置案内装置は、生体試料の流入器具に自在に取付け使用されるが、調整手段によって生体試料が流入接触する接触目標位置に方向が正確に調整された状態で流入器具に簡単に取り付けることが可能である。そして接触目標位置に正確に方向が調整された状態で使用可能となり、使用時には流入器具に流入される生体試料が接触する流入接触位置は、照射手段によって赤外線領域と紫外線領域を含んだ光波が集中照射され、可視目標マーク形成手段によって、流入接触目標位置に可視目標マークが形成される。
【0011】
このために、第1の発明に係る流入接触位置案内装置では、流入器具に生体試料を流入しようとする利用者は、接触目標位置が正確に調整された状態で流入器具に取り付けられる流入接触位置案内装置を利用することが可能になり、流入接触目標位置に利用者の視覚で明確に確認される可視目標マークに向けて、簡単な段取りで生体試料を適確に且つ迅速に流入させることが可能になる。
【0012】
第2の発明に係る流入接触位置案内装置によると、流入器具を便器とし生体試料を男性小水として第1の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0013】
第3の発明に係る流入接触位置案内装置によると、可視目標マークを円形の赤色マークとして、暗闇でも視覚で明確に確認される赤色のマークにより、第1の発明または第2の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0014】
第4の発明に係る流入接触位置案内装置によると、可視目標マーク形成手段により、可視目標マークの外径が微変動するので、可視目標マークを視覚でより明確に確認した状態で、第1の発明ないし第3の発明の何れかの発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本発明の一実施例の使用状態を示す全体構成図である。
【図2】 同実施例の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明に係る流入接触位置案内装置が、流入器具である便器に取り付け使用される形態について、一実施例を取り上げ図1及び図2を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
本実施例としては、図1に示すように流入機器として便器1が用いられ、生体試料が男性小水で、可視目標マークが赤色マークである場合について説明する。
同図に示すように、便器1は床に固定配置される支持台7に本体6が一体に形成されており、この本体6は外周に沿ってほぼ楕円状に楕円環体が形成され、この楕円環体の内周から支持台7方向に外形が楕円状の凹面が形成されている。凹面の底部には流入凹部8が形成され、この流入凹部8の前方に連続して、生体試料である男性小水を流出する流出孔8aが形成されている。
本体6の前部には取付台10が取り付けられ、この取付台10に便座11と便座蓋13とが、それぞれ回動自在に軸支されており、図1では便座蓋13と便座11とが反時計回り方向に回動解放され、便器1に生体試料として男性小水が流入可能な状態が示されている。
【0018】
本体6の楕円環体の後端部面上に、流入接触位置案内装置2が貼付固定されている。この流入接触位置案内装置2は、図2に示すように、薄型長方形状に形成され底面の長手両端部近傍に接着剤が塗布され、この接着剤を覆って除去自在なカバーシート15が配設されている。また、流入接触位置案内装置2の長手方向の一側面からは、細径円柱状の可視光照射器3が突出配設され、可視光照射器3の先端には赤色光線を照射する照射体3aが取り付けられている。可視光照射器3は可塑性で、調整者によって照射体3aからの赤色光線が、本体6の底部内面の予め設定した目標接触位置に目標マーク5を照射形成するように、方向を位置決めするために変形可能になっている。
【0019】
また、照射体3aの近傍には操作釦3bが設けられ、この操作釦3bが操作されると、本体6の底部内面の目標接触位置に照射形成される目標マーク5の円形外縁部が点滅して、赤色円形の目標マーク5が強く印象付けられるように構成されている。
そして、便器1の後部の支持台7の近傍に位置マツト14が布設されており、利用者が位置マツト14を両足で踏んで位置マット14上に直立すると、位置マツト14から発せられる光信号によって、流入接触位置案内装置2が起動するように構成されている。
【0020】
このような構成の本実施例では、予め調整者が本体6の底部内面に男性小水が生体試料として流入された場合に、生体試料が本体6外に飛散放出して、床に汚れが残ったり異臭が残存することのないように、本体6の底部内面に目標接触位置が設定される。
この場合調整者は、図2に示す流入接触位置案内装置2のカバーシート15を剥がして、露出される接着剤により、流入接触位置案内装置2を、図1に示すように便器1後部の本体6の楕円環状の上面部に貼付固定する。この状態で調整者は、照射体3aからの赤色光線が、予め設定した目標接触位置に可視目標マークを形成するように、可塑性の可視光照射器3を調整変形する。そして、必要に応じて操作釦3bを操作して、目標マーク5の円形外縁部を点滅させることにより、目標マーク5の印象付けを強化する処理をする。
【0021】
このように流入接触位置案内装置2が装着された便器1の便座蓋13と便座11を開き、生体試料として男性小水を流入しようとする利用者が、便器1の後方の接触位置案内装置2に接近して敷かれた位置マット14の上に直立すると、位置マット14から発せられる光信号によって、流入接触位置案内装置2が起動する。そして、可視光照射器3の照射体3aから赤色可視光が、目標接触位置に円形に集中照射されて可視目標マークが形成される。さらに、操作釦3aが操作されている場合には、円形の可視目標マークの円形外縁部が点滅する。
【0022】
従って利用者が老齢者、子供或いは病弱者のように、周囲へ十分な配慮が行き届かない場合でも、赤く輝く円形の可視目標マークに対して、男性小水を放出するように簡単適切に指導教示することが可能になる。そして、このような指導教示を受けた利用者は、適確且つ迅速に簡単な操作により男性小水を放出することが可能になり、男性小水が床に飛散して後々まで汚れが残ったり異臭が残存することを防止することが可能になる。
【0023】
なお、上述の実施例では照射体3aから赤色可視光が集中照射される場合を説明したが、赤外線を使用して熱電対で赤外線を検出し、可視光ランプを点灯することも可能である。また、紫外線を使用し、光電管で紫外線を検出して可視光ランプを点灯することも可能である。
【0024】
さらに、上述の実施例では、流入器具が便器で生体試料が男性小水である場合を説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、例えば医療施設において、特定の病原菌が発生する口内炎の発生を確認するために、特定の医薬の混入水で一定時間の嗽を行なった後に、嗽水を病理判定器具に流入させる場合にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 便器
2 流入接触位置案内装置
3 可視光照射器
3a 照射体
3b 操作釦
5 目標マーク
6 本体
7 支持台
8 流入凹部
8a 流出孔
10 取付台
11 便座
12 便座ダンパ
13 便座蓋
14 位置マット
15 カバーシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料の流入器具に取り付け自在で、前記流入器具に対する前記生体試料の流入接触位置を案内する流入接触位置案内装置であり、
前記接触目標位置に光波を集中照射する照射手段と、
前記接触目標位置を調整する調整手段と、
前記照射手段の動作により、前記流入接触目標位置に可視目標マークを形成する可視目標マーク形成手段と
を有することを特徴とする流入接触位置案内装置。
【請求項2】
流入器具が便器で、生体試料が男性小水であることを特徴とする請求項1記載の流入接触位置案内装置。
【請求項3】
可視目標マークが円形の赤色マークであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の流入接触位置案内装置。
【請求項4】
可視目標マーク形成手段により、可視目標マークの外形が微変動することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の流入接触位置案内装置。

【図1】
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【図2】
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