説明

浴室用インターホン装置

【課題】浴室Bに設置されているインターホン子機2と、台所Kに設置されているインターホン子機Tの間で通話を行う場合、子機2側にマイクが取り付けられていると、浴室B内の音声を盗聴されるおそれが生じる。
【解決手段】浴室B内の子機2にはマイクを設けず、表示部22に表示されるメッセージを操作スイッチ23で選択するようにした。選択されたメッセージに対応する番号の信号がインターホン子機3に送信されると、制御部32はその番号に対応する音声データをメモリ31から呼び出してスピーカ33で再生して台所Kに発音させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内と浴室外との間で連絡を取り合うことのできる浴室用インターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のインターホン装置は、浴室内と浴室外との各々インターホン子機を設置しておき、双方にマイクとスピーカとを設け、双方のマイクで音声を電気信号に変換して相手側のスピーカで再生し発音している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−116830号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の構成では浴室内のインターホン子機にマイクが設けられているので、浴室内の音声を盗聴することが可能になる。なお、上記特許文献1は、この盗聴可能性に着目して、いくつかの盗聴防止手段をインターホン装置全体に施しているが、完全に盗聴を防止することはできない。
【0004】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、浴室内を盗聴されるおそれが全くない浴室用インターホン装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明による浴室用インターホン装置は、浴室内に設置したインターホン子機と浴室外に設置したインターホン子機との間で連絡を取り合うことのできる浴室用インターホン装置において、少なくとも浴室外のインターホン子機内に音声データが記憶された記憶手段を設け、浴室内のインターホン子機に対する操作により、この記憶手段に記憶されている音声データのうちの所望の音声データを再生し、浴室外のインターホン子機から発音させることを特徴とする。
【0006】
上記構成では、浴室内にマイクが設けられていない。従って、浴室側から浴室外に入浴者の音声信号を送信することができない。そこで、あらかじめいくつかの音声データを浴室外のインターホン子機内に記憶させておき、入浴者がそれら音声データの中から適宜のものを選択し、浴室外で再生させることとした。
【0007】
なお、浴室内のインターンインターホン子機にも記憶手段を設け、浴室外のインターホン子機に対する操作により、この記憶手段に記憶されている音声データのうちの所望の音声データを再生し、浴室内のインターホン子機から発音させるように構成すると、両インターホン子機間でやり取りされる信号のデータ量が、音声データを送受信する従来のインターホン装置に比べて大幅に少なくなる。
【0008】
あるいは、浴室外では浴室内から盗聴されることについて神経質になる必要がないので、浴室外のインターホン子機にマイクを内蔵させ、このマイクで集音した音声を浴室内のインターホン子機で発音させるように構成してもよい。
【0009】
なお、いずれの場合でも、上記記憶手段に記憶させる音声データは使用者が追加、削除、編集の少なくとも1つができることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明は、浴室内にマイクが設けられていないので、浴室外から浴室内を盗聴されるおそれが全くない。また、少なくとも浴室内のインターホン子機から浴室外のインターホン子機に対して音声信号が送信されないので、通信に要するデータ量が従来のインターホン装置に比べて大幅に少なくなる。また、このように音声信号を送信しなければ、インターホン子機内に音声信号用の通信回路が不要になり、コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1を参照して、1は屋外に設置された給湯装置であり、この給湯装置1には通信線4を介して連結された2台のインターホン子機2,3が接続されている。一方のインターホン子機2は浴室B内に設置されており、他方のインターホン子機3は台所Kに設置されている。
【0012】
これら両インターホン子機2,3は通常のリモコン機能のほかにインターホン機能を備えている。図2を参照して、台所のインターホン子機3内には予め複数のメッセージの音声データがメモリ31に格納されている。そして通信線4を介して、これら複数の音声データの中から1とを選択する信号が制御部32に入力されると、制御部32は受信した信号により選択された音声データをメモリ31から呼び出し、再生してスピーカ33から発音させるように構成されている。
【0013】
なお、メモリ31に記憶してある音声データは削除することができる。また、モードスイッチ34を操作して書き換え可能状態にして、記憶されている音声データをほかのメッセージの音声データに書き変えることができ、さらに新たなメッセージの音声データを追加することも可能である。
【0014】
音声データはマイク35で録音した音声データを用いることができるが、図外のパソコンや携帯電話などを編集装置として、インターホン子機31との間で通信をしてメモリ31内の音声データを編集できるようにしてもよい。
【0015】
上記構成で、浴室Bから台所Kにメッセージを送る場合には、浴室Bのインターホン子機2に設けられている表示部22に表示されるメッセージ一覧の中から、操作スイッチ23を操作して所望のメッセージを選択する。なお、表示部22に表示されるメッセージ一覧は台所Kのインターホン子機31から送られてくる。そして、操作スイッチ23により所望のメッセージを選択すると、制御部21は選択されたメッセージに割り当てられている番号を台所Kのインターホン子機3に送信する。
【0016】
すると上述のように、選択された番号のメッセージがスピーカ33から発音される。一方、そのメッセージを聞いた使用者が浴室Bに返事をする際には、通常のインターホン装置と同様に、通話ボタンを押しながらマイク35に向かってメッセージを話す。その返事のメッセージは電気信号に変換され、浴室Bのインターホン子機2に送信されて、スピーカ24で再生され浴室B内に発音される。
【0017】
次に、図3を参照して、台所Kに、浴室Bのインターホン子機2と同じ構成のインターホン子機5を設けてもよい。但し、インターホン子機2,5におのおのメモリ25,55を追加し、共に自らのインターホン子機で再生する音声データをメモリ25,55に記憶させるようにした。
【0018】
すなわち、インターホン子機5の表示部52に表示されるメッセージ一覧の中から所望のメッセージを操作スイッチ53により選択すると、その選択されたメッセージの番号が浴室Bのインターホン子機2に送信される。インターホン子機2は受信した番号に相当する音声データをメモリ25から呼び出し、スピーカ24で再生する。
【0019】
逆に、インターホン子機2側でメッセージが選択されると、制御部51はそのメッセージに対応する番号を受信してメモリ55からそのメッセージの音声データを呼び出し、スピーカ54で再生する。
【0020】
なお、図3に示した実施に形態でも、メモリ25,55に記憶されている音声データは図2に示した場合と同様に、自由に追加、削除、編集することができる。
【0021】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】第1の実施に形態におけるインターホン子機の構成を示す図
【図3】第2の実施に形態におけるインターホン子機の構成を示す図
【符号の説明】
【0023】
1 給湯装置
2 インターホン子機
3 インターホン子機
4 通信線
5 インターホン子機
25,31,55 メモリ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に設置したインターホン子機と浴室外に設置したインターホン子機との間で連絡を取り合うことのできる浴室用インターホン装置において、少なくとも浴室外のインターホン子機内に音声データが記憶された記憶手段を設け、浴室内のインターホン子機に対する操作により、この記憶手段に記憶されている音声データのうちの所望の音声データを再生し、浴室外のインターホン子機から発音させることを特徴とする浴室用インターホン装置。
【請求項2】
浴室内のインターンインターホン子機にも記憶手段を設け、浴室外のインターホン子機に対する操作により、この記憶手段に記憶されている音声データのうちの所望の音声データを再生し、浴室内のインターホン子機から発音させることを特徴とする請求項1に記載の浴室用インターホン装置。
【請求項3】
浴室外のインターホン子機にマイクを内蔵させ、このマイクで集音した音声を浴室内のインターホン子機で発音させることを特徴とする請求項1に記載の浴室用インターホン装置。
【請求項4】
上記記憶手段に記憶させる音声データは使用者が追加、削除、編集の少なくとも1つができることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の浴室用インターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−78225(P2007−78225A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264986(P2005−264986)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)
【Fターム(参考)】