説明

消火ポンプ装置

【課題】装置全体の設置スペースが小さくて済み、呼水槽、制御盤等を消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置の両方に設ける必要や、消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置の設置後、両装置での配線及び配管の必要がない、消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置を一体化した消火ポンプ装置を提供すること。
【解決手段】ベース11上に消火ポンプ14、電動機15を配置すると共に、消火ポンプ14の呼水を収容する呼水槽30と、該呼水槽30の水を消火ポンプ吐出配管18に導く呼水配管36、消火ポンプ逆止弁20、圧力タンク12、消火ポンプを運転制御する消火ポンプ制御盤43をベース11上に配置した消火ポンプ装置であって、ベース11上に、消火ポンプ逆止弁20の2次側に接続した補助加圧ポンプを備えた補助加圧ポンプ装置32を設け、ベース11上にある呼水槽30、及び消火ポンプ制御盤43の少なくとも1つは補助加圧ポンプと消火ポンプとで共用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物等の火災に備えて設けられるスプリンクラに給水するための消火ポンプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記消火ポンプ装置の多数のスプリンクラに給水する消火管及び圧力タンクは、通常使用しない間は、水で満たされており、圧力を維持する為に圧力タンクに空気を充満させて保持されている。ところが、火災発生以外の原因で、消火管内の水や空気が、長時間に自然に減少したり、配管等の金属腐食等による漏水等で圧力が減少することがあった。
【0003】
消火管内の圧力が低下すると、該消火管内圧力が消火ポンプ始動圧力まで低下し、消火ポンプが動作してしまう。消火ポンプの作動により、現場によって火災警報が発報するため、混乱状態を引き起こしかねない。このような誤動作がおきないようにする為、消火ポンプを作動させないで合理的に消火管内の圧力を保持する目的で、特許文献1に示すように補助加圧ポンプ装置が、消火ポンプと別に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3003174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように補助加圧ポンプ装置を備えた従来の消火ポンプ装置は、下記のような問題があった。
・消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置は別々に設置するため、個々の設置スペースが必用となる。
・消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置がそれぞれ給水用の呼水槽を積載しているため、個々に水源を設ける必要があり、更に運転制御・水位制御を個々のポンプが行うため制御盤も個々に設けなければならない。
【0006】
・消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置を設置後、両装置間で配線、配管する必要がある。
・吐出配管の逆止弁の2次側に消火ポンプ用圧力スイッチと補助加圧ポンプ用圧力スイッチを設けており、消火ポンプの始動(ON)する圧力値に対し、補助加圧ポンプを始動(ON)する圧力値をさらに高く設定する必要がある。圧力スイッチは、ON又はOFFの圧力値の差圧の設定だけしか行えず、それぞれのポンプに、圧力スイッチが必要であった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、装置全体の設置スペースが小さくて済み、呼水槽、制御盤等を消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置の両方に設ける必要や、消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置の設置後、両装置での配線及び配管の必要がない、消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置を一体化した消火ポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、ベース上に吸込配管と吐出配管とを接続した消火ポンプと該消火ポンプを駆動する電動機を配置すると共に、消火ポンプの呼水を収容する呼水槽と、該呼水槽の水を吐出配管に導く呼水配管と、吐出配管の途中に設けた逆止弁と、該逆止弁の2次側に接続された圧力タンクと、消火ポンプを運転制御する制御盤とをベース上に配置した消火ポンプ装置であって、ベース上に、逆止弁の2次側に接続した補助加圧ポンプを備えた補助加圧ポンプ装置を設け、ベース上にある呼水槽、及び制御盤の少なくとも1つは補助加圧ポンプと消火ポンプとで共用することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、補助加圧ポンプ装置のポンプ部を呼水槽内に浸漬して配置したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、呼水槽は、ベース上に配設された呼水槽架台上に配置されており、補助加圧ポンプ装置は呼水槽の下方に位置する補助加圧ポンプ装置架台上に配置されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、補助加圧ポンプ装置は呼水糟架台を消火ポンプ側若しくは電動機側に延長し又は延長したように設けた補助加圧ポンプ装置架台上に載置したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、呼水槽は、消火ポンプの呼水槽と補助加圧ポンプの呼水槽の両方を兼ねることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、呼水槽内には仕切りを設け、該仕切りで仕切られた一方を消火ポンプ用の呼水槽とし、他方を補助加圧ポンプ用の呼水槽とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、呼水槽内の水位を検出する水位センサーを1個設け、1個の水位センサーを消火ポンプ用水位センサーと補助加圧ポンプ用水位センサーとの両方を兼ねることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、呼水槽の側面壁上部に補助加圧ポンプに呼水を供給する補助加圧ポンプ呼水配管を設け、該側面壁下部に消火ポンプに呼水を供給する消火ポンプ呼水配管を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、消火ポンプの吐出配管、補助加圧ポンプの吐出配管、圧力タンク、逆止弁から2次側の配管のいずれかに、消火ポンプ用と補助加圧ポンプ用との両方を兼ねた圧力検出手段を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、圧力検出手段は、圧力センサーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、ベース上に、逆止弁の2次側に接続した補助加圧ポンプを備えた補助加圧ポンプ装置を設け、ベース上にある、呼水槽、及び制御盤の少なくとも1つは補助加圧ポンプと消火ポンプとで共用するので、消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置を別々に設置することなく、消火ポンプ装置の設置スペースが小さくなると共に、消火ポンプ装置の設置後に補助加圧ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置の間の配線及び配管の必要がなくなる。
【0019】
また、本発明は、補助加圧ポンプ装置のポンプ部を呼水槽内に浸漬、補助加圧ポンプ装置を呼水槽の下方に位置する補助加圧ポンプ装置架台上又は呼水槽架台を消火ポンプ側若しくは電動機側に延長又は延長したように設けた補助加圧ポンプ装置架台上に載置したので、消火ポンプ装置全体を小型化できる。
【0020】
また、本発明は、呼水槽は、消火ポンプの呼水槽と補助加圧ポンプの呼水槽の両方を兼ねるので、呼水槽が1個で済む。
【0021】
また、本発明は、呼水槽内には仕切りを設け、該仕切りで仕切られた一方を消火ポンプ用の呼水槽とし、他方を補助加圧ポンプ用の呼水槽とするので、呼水槽が1個で済む。
【0022】
また、本発明は、水槽内の水位を検出する水位センサーを1個設け、1個の水位センサーを消火ポンプ用水位センサーと補助加圧ポンプ用水位センサーとの両方を兼ねるので、水位センサー個数を削減できる。
【0023】
また、本発明は、呼水槽の側面壁上部に補助加圧ポンプ呼水配管を設け、該側面壁下部に消火ポンプ呼水配管を設けたことにより、補助加圧ポンプ呼水配管の設ける位置により、補助加圧ポンプへの呼水ができなくなっても呼水槽内に消火ポンプの呼水に必要な呼水量を確保できる。
【0024】
また、本発明は、上記消火ポンプ装置において、消火ポンプの吐出配管、補助加圧ポンプの吐出配管、圧力タンク、逆止弁から2次側の配管のいずれかに、消火ポンプ用と補助加圧ポンプ用との両方を兼ねた圧力検出手段を設けことにより、圧力センサー等の圧力検出手段の個数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1(a)】図1は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す正面図である。
【図1(b)】図1は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す平面図である。
【図1(c)】図1は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す左側面図である。
【図1(d)】図1は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す右側面図である。
【図2】図2は本発明に係る消火ポンプ装置の動作を説明するための図である。
【図3(a)】図3は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す正面図である。
【図3(b)】図3は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す平面図である。
【図3(c)】図3は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す左側面図である。
【図3(d)】図3は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す右側面図である。
【図4(a)】図4は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す正面図である。
【図4(b)】図4は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す平面図である。
【図4(c)】図4は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す左側面図である。
【図4(d)】図4は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す右側面図である。
【図5(a)】図5は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す正面図である。
【図5(b)】図5は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す平面図である。
【図5(c)】図5は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す左側面図である。
【図5(d)】図5は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す右側面図である。
【図6(a)】図6は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す正面図である。
【図6(b)】図6は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す平面図である。
【図7】図7は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図である。
【図8】図8は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図である。
【図9】図9は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図である。
【図10】図10は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図である。
【図11】図11は本発明に係る消火ポンプ装置の圧力タンクの圧力検出手段の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す図で、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図、図1(c)は左側面図、図1(d)は右側面図である。本消火ポンプ装置10はベース11上に圧力タンク12と、消火ポンプ14と、該消火ポンプ14を駆動する電動機15が配設されている。消火ポンプ14は消火ポンプ吸込み配管(図示せず)が接続される吸込み口14a、及び消火ポンプ吐出し配管18が接続される吐出し口14bが設けられ、電動機15を起動して消火ポンプ14を運転すると吸込み口14aから吸込まれた水は、吐出し口14bから消火ポンプ吐出し配管18に吐出される。なお、図1乃至図6において、同一符号を付した部分は同一の又は相当部分を示す。
【0027】
消火ポンプ吐出し配管18には消火ポンプ用逆止弁20、圧力タンク接続用短管22、フレキシブル配管23、仕切り弁25を介して、多数のスプリンクラ(図示せず)に給水するための消火管(図示せず)が接続されている。圧力タンク接続用短管22と圧力タンク12は圧力タンク配管27で接続されて、前記消火管内圧は該圧力タンク12内の圧力に維持されるようになっている。
【0028】
30は呼水槽であり、該呼水槽30はベース11上に設置された呼水槽架台31に支持(載置)されている。また、呼水槽30の側壁には、オーバーフロー穴30a、給水穴30bが設けられている。32は補助加圧ポンプ装置であり、該補助加圧ポンプ装置32は図示しない補助加圧ポンプと該補助加圧ポンプを駆動する電動機35で構成され、補助加圧ポンプは呼水槽30内の水中に浸漬配置されている。36は呼水槽30の水を消火ポンプ吐出し配管18に導く呼水配管である。37は補助加圧ポンプの吐出し口に補助加圧ポンプ用逆止弁48を介して接続された補助加圧ポンプ吐出し配管であり、該補助加圧ポンプ吐出し配管37は圧力タンク接続用短管22に接続されている。また、消火ポンプ吐出し配管18には、仕切弁39を介して試験用配管42及び仕切弁40が接続されている。
【0029】
43は消火ポンプ14の運転制御を行う消火ポンプ制御盤、45は補助加圧ポンプの運転制御を行う補助加圧ポンプ制御盤である。圧力タンク12には該圧力タンク12内の圧力が所定圧力値に低下したら作動(ON)する消火ポンプ用圧力スイッチ46が設けられ、該消火ポンプ用圧力スイッチ46の出力は消火ポンプ制御盤43に出力されるようになっている。また、補助加圧ポンプ吐出し配管37には配管内圧力が所定圧力値に低下したら作動(ON)する補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50が設けられ、該補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50の出力は補助加圧ポンプ制御盤45に出力されるようになっている。呼水槽30の上部には呼水槽30の水位を検出するための呼水槽電極(後に詳述する)51が設けられている。
【0030】
図2は本発明に係る消火ポンプ装置の動作を説明するためのフロー図である。図示するように、消火ポンプ装置を構成する圧力タンク12、消火ポンプ14、消火ポンプ用逆止弁20、消火ポンプ用仕切弁25、消火ポンプ用圧力スイッチ46等、及び補助加圧ポンプ装置を構成する補助加圧ポンプ34、呼水槽30、補助加圧ポンプ用逆止弁48、補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50等が同一のベース11上に搭載されている。なお、仕切弁25の2次側には多数のスプリンクラ(図示せず)に給水するための消火管53が接続されている。火災が発生しスプリンクラの止栓が溶けて開口されると、消火管53内の水がスプリンクラに供給され、該スプリンクラから水が噴出される。この水の噴出により消火管53及び圧力タンク12内の圧力が所定圧力に低下すると、消火ポンプ用圧力スイッチ46が動作(ON)し、消火ポンプ制御盤43により消火ポンプ14は自動的に始動し、消火水槽(図示せず)の水を消火管53内へ連続的に供給する。
【0031】
消火管53及び圧力タンク12の内は通常使用しない間、水で満たされており、所定圧力に維持する為に圧力タンクに空気を充満させている。火災発生以外の原因で、消火管53内の水や空気が、長時間に自然と減少したり、配管等の金属腐食等による漏水等で圧力が減少して、消火管53内の圧力が低下すると、消火ポンプ14が始動する前に補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50が動作(ON)し、補助加圧ポンプ制御盤45により補助加圧ポンプ装置32の補助加圧ポンプ34が始動し、補助加圧ポンプ34の吐出し口から吐き出された水は、補助加圧ポンプ吐出し配管37を通って消火管53内に送られると共に、圧力タンク配管27を通して、圧力タンク12に送られ、消火管内及び圧力タンク12の圧力を回復させるようになっている。即ち、消火管53内及び圧力タンク12内の圧力が低下すると、補助加圧ポンプ吐出し配管37に設けた補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50が動作(ON)し、補助加圧ポンプ34が始動する。圧力タンク12の圧力が上昇し、補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50が不動作(OFF)になると、補助加圧ポンプ34は停止する。
【0032】
上記のように、本消火ポンプ装置10はベース11上に吸込配管と消火ポンプ吐出し配管18とを接続した消火ポンプ14と該消火ポンプ14を駆動する電動機15を配置し、更に消火ポンプ14及び補助加圧ポンプ34の呼水を収容する呼水槽30と、該呼水槽30内の水を消火ポンプ吐出し配管18に導く呼水配管36と、消火ポンプ吐出し配管18の途中に設けた消火ポンプ用逆止弁20と、該消火ポンプ用逆止弁20の2次側に接続された圧力タンク12と、消火ポンプ14を運転制御する消火ポンプ制御盤43と補助加圧ポンプ制御盤45とをベース11上に配置する。更にベース11の上に、消火ポンプ用逆止弁20の2次側に接続した補助加圧ポンプ34を備えた補助加圧ポンプ装置32を設け、ベース11の上にある呼水槽30内に補助加圧ポンプ装置32の補助加圧ポンプ34を浸漬配置することにより、補助加圧ポンプ装置と消火ポンプ装置を一体化している。
【0033】
これにより、呼水槽30を補助加圧ポンプ34と消火ポンプ14の呼水槽として共用でき、その分消火ポンプ装置全体を小型化できる。更に、補助加圧ポンプ装置と消火ポンプ装置とを別々に設置することなく、また設置後に補助加圧ポンプ装置と消火ポンプ装置の間の配線及び配管作業を行なう必要がない。
【0034】
図3は本発明に係る消火ポンプ装置の他の構成例を示す図で、図3(a)は正面図、図3(b)は平面図、図3(c)は左側面図、図3(d)は右側面図である。図3に示す消火ポンプ装置10が図1に示す消火ポンプ装置10と異なる点は、呼水槽架台31の呼水槽30の下方位置に補助加圧ポンプ架台55が設けられ、該補助加圧ポンプ架台55に補助加圧ポンプ装置32が搭載されている。即ち、補助加圧ポンプ装置32は呼水槽架台31の下方に吊り下がったような状態で呼水槽架台31に取り付けられている。呼水槽30の底面から補助加圧ポンプ装置32の補助加圧ポンプ34に呼水配管36を通して呼び水を行っている。補助加圧ポンプ吐出し配管37には補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50、圧力計、補助加圧ポンプ用逆止弁48を設け、消火ポンプ吐出し配管18の消火ポンプ用逆止弁20の2次側に接続している。他は図1に示す消火ポンプ装置10と略同一であるのでその説明は省略する。
【0035】
図4は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す図で、図4(a)は正面図、図4(b)は平面図、図4(c)は左側面図、図4(d)は右側面図である。図4に示す消火ポンプ装置10が図1に示す消火ポンプ装置10と異なる点は、消火ポンプ14と電動機15の間に位置するように補助加圧ポンプ架台55を呼水槽架台31に取り付け、即ち、呼水槽架台31を消火ポンプ14の側に延長するように補助加圧ポンプ架台55を設け、該補助加圧ポンプ架台55に補助加圧ポンプ装置32を載置している。呼水槽30の側壁面から呼水配管36を補助加圧ポンプ装置32の補助加圧ポンプ34に接続している。補助加圧ポンプ吐出し配管37には補助加圧用ポンプ用圧力スイッチ50、圧力計、仕切弁、補助加圧ポンプ用逆止弁48を設け、消火ポンプ吐出し配管18の消火ポンプ用逆止弁20の2次側に接続している。他は図3に示す消火ポンプ装置10と略同一であるのでその説明は省略する。
【0036】
図5は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す図で、図5(a)は正面図、図5(b)は平面図、図5(c)は左側面図、図5(d)は右側面図である。図5に示す消火ポンプ装置10が図1に示す消火ポンプ装置10と異なる点は、呼水槽架台31を電動機15の反負荷側に延長したように補助加圧ポンプ架台55をベース11上に取り付け、該補助加圧ポンプ架台55に補助加圧ポンプ装置32を載置している。呼水槽30の側壁面から呼水配管36を補助加圧ポンプ装置32の補助加圧ポンプ34に接続している。補助加圧ポンプ吐出し配管37には補助加圧用ポンプ用圧力スイッチ50、圧力計、仕切弁、補助加圧ポンプ用逆止弁48を設け、消火ポンプ吐出し配管18の消火ポンプ用逆止弁20の2次側に接続している。他は図1に示す消火ポンプ装置10と略同一であるのでその説明は省略する。
【0037】
図6は本発明に係る消火ポンプ装置の構成例を示す図で、図6(a)は正面図、図6(b)は平面図である。図6に示す消火ポンプ装置10が図1に示す消火ポンプ装置10と異なる点は、消火ポンプ制御盤43の内部に補助加圧ポンプ制御盤45を設け、両制御盤を一体化したものである。他は図1に示す消火ポンプ装置10と略同一であるのでその説明は省略する。
【0038】
図7は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図で、図7(a)は一部断面正面図、図7(b)は平面図、図7(c)は右側面図である。図示するように、呼水槽30は呼水槽本体61を備え、該呼水槽本体61の内部に所定高さの仕切り板67を設けている。該仕切り板67で仕切った一方を補助加圧ポンプ用呼水槽61aとし他方を消火ポンプ用呼水槽61bとしている。そして補助加圧ポンプ用呼水槽61aの側壁には補助加圧ポンプ呼水配管(図示せず)を接続する補助加圧ポンプ呼水穴68を設け、補助加圧ポンプ用呼水槽61bの側壁には消火ポンプ呼水配管を接続する消火ポンプ呼水穴70を設けている。なお、図7乃至図11において、同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。
【0039】
呼水槽本体61の上部には補助加圧ポンプ用呼水槽61aの水位を検出するための複数の電極棒が接続される補助加圧ポンプ用電極64と、補助加圧ポンプ用呼水槽61bの水位を検出するための複数の電極棒が接続される補助加圧ポンプ用電極65が設けられている。62は給水用ボールタップであり、呼水槽本体61の水量が所定水位以下となったら、呼水槽本体61内に給水用ボールタップ62から給水し、所定水位以上となったら、給水を停止する。71はオーバーフロー管であり、呼水槽本体61内の水位が該オーバフロー管71の高さを越えて上昇した場合、呼水槽本体61内に水が越流するようになっている。また、仕切り板67の高さは、消火ポンプ用呼水槽61b内に消火ポンプ14の呼水に必要な水量を確保できる高さとする。これにより、補助加圧ポンプ34が始動して、補助加圧ポンプ用呼水槽61a内の水を使用尽くしても、消火ポンプ用呼水槽61b内には仕切り板67の高さ水位までの水が残り、消火ポンプ14の始動に必要な呼水量は確保できる。
【0040】
図8は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図で、図8(a)は一部断面正面図、図8(b)は平面図、図8(c)は右側面図である。本呼水槽30が図7に示す呼水槽30と異なる点は、呼水槽本体61内に仕切り板67を設けず、呼水槽30の上部に消火ポンプ用と補助加圧ポンプ用とを兼用した電極74を設け、呼水槽30の側壁に消火ポンプ用と補助加圧ポンプ用の兼用の呼水穴76を設けた点である。電極74には、消火ポンプ・補助加圧ポンプの満水警報用電極棒74aと、補助加圧ポンプ減水警報用電極棒74b、消火ポンプ減水警報用電極棒74cが接続され、消火ポンプ・補助加圧ポンプの満水、補助加圧ポンプ減水、消火ポンプ減水の各水位を検出できるようになっている。なお、図中Lは消火ポンプの呼水に必要な水量の水位を示す。
【0041】
図9は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図で、図9(a)は一部断面正面図、図9(b)は平面図、図9(c)は右側面図である。本呼水槽30が図8に示す呼水槽30と異なる点は、消火ポンプ用と補助加圧ポンプ用とを兼用した電極74に替えて、呼水槽本体61の側壁に、消火ポンプ・補助加圧ポンプ兼用満水警報用水位センサー78、補助加圧ポンプ減水警報用水位センサー80、消火ポンプ減水用水位センサー82を設けた点である。
【0042】
図10は本発明に係る消火ポンプ装置の呼水槽の構成例を示す図で、図10(a)は一部断面正面図、図10(b)は平面図、図10(c)は右側面図である。本呼水槽30が図8に示す呼水槽30と異なる点は、呼水槽本体61の側壁に該呼水槽本体61内に消火ポンプの呼水に必要な水量を確保する水位Lの位置に補助加圧用ポンプ呼び水配管77を接続し、呼水槽本体61の側壁下部に消火ポンプ呼水配管79を接続している。このようにすることにより、補助加圧用ポンプ呼び水配管77を通して補助加圧ポンプ34に呼水を行い、該呼水ができなくなっても、呼水槽本体61内には、消火ポンプ14の呼水に必要な水位Lの水量が残ることになり、消火ポンプ14の呼水に必要な量を確保できる。
【0043】
図11は本発明に係る消火ポンプ装置の圧力タンク内の圧力検出手段の構成例を示す図で、図11(a)は圧力スイッチを設けた例を、図11(b)は圧力検出手段として圧力センサーを設けた例を示す側面図である。図11(a)は消火ポンプ用圧力スイッチ46と補助加圧ポンプ用圧力スイッチ50を設けた例を、図11(b)は圧力スイッチに替え、一個の圧力センサー81を設けた例を示す。このように一個の圧力センサー81を設けることにより、消火ポンプ用と補助加圧ポンプ用との両方を兼ねる圧力検出手段となる。圧力センサー81の検出信号は、補助加圧ポンプ制御盤45、消火ポンプ制御盤43に出力される。補助加圧ポンプ制御盤45では検出圧力が低下し補助加圧ポンプ34の始動圧力になったら、補助加圧ポンプ34を始動し消火管53及び圧力タンク12内の圧力を回復させ、更に検出圧力が低下し消火ポンプ14の始動圧力になったら、消火ポンプ14を始動する。
【0044】
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ベース上に、逆止弁の2次側に接続した補助加圧ポンプを備えた補助加圧ポンプ装置を設け、ベース上にある圧力タンク、呼水槽、及び制御盤の少なくとも1つは補助加圧ポンプと消火ポンプとで共用するので、消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置を別々に設置することなく、消火ポンプ装置の設置スペースが小さくできる。また、従来の消火ポンプ装置と補助加圧ポンプ装置を一体化した構成を採用しているので、消火ポンプ装置の設置後に補助加圧ポンプ装置と消火ポンプ装置の間の配線及び配管の必要がない、消火ポンプ装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 消火ポンプ装置
11 ベース
12 圧力タンク
14 消火ポンプ
15 電動機
18 消火ポンプ吐出し配管
20 消火ポンプ用逆止弁
22 圧力タンク接続用短管
23 フレキシブル配管
24,25 仕切り弁
27 圧力タンク配管
30 呼水槽
31 呼水槽架台
32 補助加圧ポンプ装置
34 補助加圧ポンプ
35 電動機
36 呼水配管
37 補助加圧ポンプ吐出し配管
39 仕切弁
40 仕切弁
42 試験用配管
43 消火ポンプ制御盤
45 補助加圧ポンプ制御盤
46 消火ポンプ用圧力スイッチ
48 補助加圧ポンプ用逆止弁
50 補助加圧ポンプ用圧力スイッチ
51 呼水槽電極
53 消火管
55 補助加圧ポンプ架台
61 呼水槽本体
64 補助加圧ポンプ用電極
65 消火ポンプ用電極
67 仕切り板
68 補助加圧ポンプ呼水穴
70 消火ポンプ呼水穴
71 オーバフロー管
74 電極
76 呼水穴
77 補助加圧用ポンプ呼び水配管
78 消火ポンプ・補助加圧ポンプ兼用満水警報用水位センサー
79 消火ポンプ呼水配管
80 補助加圧ポンプ減水警報用水位センサー
81 圧力センサー
82 消火ポンプ減水用水位センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース上に吸込配管と吐出配管とを接続した消火ポンプと該消火ポンプを駆動する電動機を配置すると共に、前記消火ポンプの呼水を収容する呼水槽と、該呼水槽の水を前記吐出配管に導く呼水配管と、前記吐出配管の途中に設けた逆止弁と、該逆止弁の2次側に接続された圧力タンクと、前記消火ポンプを運転制御する制御盤とを前記ベース上に配置した消火ポンプ装置であって、
前記ベース上に、前記逆止弁の2次側に接続した補助加圧ポンプを備えた補助加圧ポンプ装置を設け、
前記ベース上にある、前記呼水槽、及び前記制御盤の少なくとも1つは前記補助加圧ポンプと前記消火ポンプとで共用することを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の消火ポンプ装置において、
前記補助加圧ポンプ装置のポンプ部を前記呼水槽内に浸漬して配置したことを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の消火ポンプ装置において、
前記呼水槽は、前記ベース上に配設された呼水槽架台上に配置されており、
前記補助加圧ポンプ装置は前記呼水槽下方に位置する補助加圧ポンプ装置架台上に配置されていることを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の消火ポンプ装置において、
前記補助加圧ポンプ装置は前記呼水槽架台を前記消火ポンプ側若しくは前記電動機側に延長し又は延長したように設けた補助加圧ポンプ装置架台上に載置したことを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項5】
請求項1に記載の消火ポンプ装置において、
前記呼水槽は、前記消火ポンプの呼水槽と前記補助加圧ポンプの呼水槽の両方を兼ねることを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の消火ポンプ装置において、
前記呼水槽内には仕切りを設け、該仕切りで仕切られた一方を前記消火ポンプ用の呼水槽とし、他方を前記補助加圧ポンプ用の呼水槽とすることを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項7】
請求項5に記載の消火ポンプ装置において、
前記呼水槽内の水位を検出する水位センサーを1個設け、
前記1個の水位センサーを前記消火ポンプ用水位センサーと前記補助加圧ポンプ用水位センサーとの両方を兼ねることを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項8】
請求項5に記載の消火ポンプ装置において、
前記呼水槽の側面壁上部に前記補助加圧ポンプに呼水を供給する補助加圧ポンプ呼水配管を設け、該側面壁下部に前記消火ポンプに呼水を供給する消火ポンプ呼水配管を設けたことを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項9】
請求項1に記載の消火ポンプ装置において、
前記消火ポンプの吐出配管、前記補助加圧ポンプの吐出配管、前記圧力タンク、
前記逆止弁から2次側の配管のいずれかに、
前記消火ポンプ用と前記補助加圧ポンプ用との両方を兼ねた圧力検出手段を設けたことを特徴とする消火ポンプ装置。
【請求項10】
請求項9に記載の消火ポンプ装置において、
前記圧力検出手段は、圧力センサーであることを特徴とする消火ポンプ装置。

【図1(a)】
image rotate

【図1(b)】
image rotate

【図1(c)】
image rotate

【図1(d)】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3(a)】
image rotate

【図3(b)】
image rotate

【図3(c)】
image rotate

【図3(d)】
image rotate

【図4(a)】
image rotate

【図4(b)】
image rotate

【図4(c)】
image rotate

【図4(d)】
image rotate

【図5(a)】
image rotate

【図5(b)】
image rotate

【図5(c)】
image rotate

【図5(d)】
image rotate

【図6(a)】
image rotate

【図6(b)】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−177449(P2011−177449A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47125(P2010−47125)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】