説明

消臭機能付尿受けシート並びに尿受け具

【課題】 紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッド等の尿受け具の使用時に出る尿臭を、BN菌を使用して尿臭の軽減を計る、消臭機能付尿受具を提供する。
【解決手段】 元来、消臭効果を持つBN菌あるいはBN菌を付着させた珪藻土を綿状パルプに高分子吸収剤と共に絡ませ全体に混入した高分子消臭吸収シートにより尿臭の軽減を計る。また、テープ止め型紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッドにおいては、陰部の当たる部分にBN菌あるいはBN菌を付着させた珪藻土を綿状パルプに絡めた適宜寸法の消臭シートを設置すると伴に、BN菌の溶解液を含浸させた化学繊維不織布で全体を覆うことにより尿臭の軽減を計る。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、特許番号第2553727BN菌バチラス・サブチリスBN1001を、紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッド等の尿受け具に配合することで、生物的消臭法により尿臭を軽減すると共に、体に安全な消臭機能付尿受け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の紙おむつ及び紙パンツは、高分子吸収シートにより悪臭を閉じ込めるという物理的脱臭法、ならびに芳香成分で消臭するという感覚的消臭法が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのために、次のような問題点があった。
高齢者の介護者や、赤ん坊の世話をする母親等、紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッド等の尿受け具を交換する者は、尿臭に対して我慢を強いられてきた。
本発明は、この問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
BN菌のアンモニア・硫化水素・トリメチルアルデヒド・酢酸エチル・メチルメルカプタン等の生物的消臭作用を利用し、これを紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッド等の尿受け具に配合することで尿臭の軽減を計る。
以上を特徴とする消臭機能付尿受具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、従来の紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッド等の尿受け具の機能に加えて、体に安全なバクテリアであるBN菌によって尿臭の元となる物質を分解消臭することで、尿臭を軽減することができる。また、本発明は科学的消去法ではなく、BN菌の分泌する種々の酵素により尿臭を分解・除去するという消臭法を用いているため、かぶれやアレルギーに対する安心度が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の第一実施形態について説明する。
まず、本発明の特徴である高分子消臭吸収シート(1)は、綿状パルプに高分子吸収材と、BN菌あるいはBN菌を付着させた綿状パルプ内に均等に混ざるように微粒子化した珪藻土を一様に絡ませて構成されたものである。
以下は、この高分子消臭吸収シート(1)をフラット型紙おむつとして使用する事例として説明する。
この紙おむつは、裏面に配置される防水素材であるバックシート(3)と、吸収体と、表面に配置される化学繊維不織布(4)とにより構成されている。バックシート(3)と化学繊維不織布はフラット型紙おむつを形成するための大きさよりなる長方形となっている。
吸収体は、これよりも各辺において短くなった長方形状のものである。この吸収体は、長方形状の高分子消臭吸収シート(1)を吸水紙(2)で包み込んだものである。なお、図示していないが吸水紙を巻き返し重なり部分は粘着材で接着し、この部分をバックシート側とする。この吸収体をバックシート(3)の中央に設置し、その上から化学繊維不織布(4)で覆い、バックシートと化学繊維不織布を粘着材等(5)で周辺を粘着あるいは溶着などの手段によりとりつけたものである。
これを使用するときは、おむつカバーと共に使用する。人体から排泄された尿は、化学繊維不織布を通して吸収紙に包まれた高分子消臭吸収シートへと浸透し拡散する。高分子消臭吸収シートに於いて休眠状態にあるBN菌に尿の水分が与えられることによりBN菌が活動を始める。また、体温によりBN菌が活発に活動しうる温度を保つことができるため、BN菌による消臭効果を受けることができる。
【0007】
以下、本発明の第二実施形態について説明する。
まず、本発明の消臭シートについて図3にて説明する。微粒子状、ゲル状等のBN菌(6)を、綿状パルプ(7a)の上面に一様に敷き詰め,これが偏り等を起こさないよう綿状パルプ(7b)で覆う。この際、BN菌は上下に配置された綿状パルプの繊維交絡部の隙間に絡みつき位置的安定が計られる。この積層素材を吸収紙(8)で包む。図示しないが吸水紙を巻き返し、重なり部分は粘着材で接着する。この消臭シート(9)は以上のように構成されたものとする。また、使用する尿受具の携帯によって消臭シートの大きさは異なる。また、BN菌に関しては、BN菌を付着させ微粒子化した珪藻土であっても良い。
図4は、この消臭シート(9)をテープ止め型紙おむつとして使用する事例で説明する。
この紙おむつは、裏面に配置される防水素材であるバックシート(15)と、表面に配置される化学繊維不織布(16)で挟み込まれる吸収シート(12)と、吸収シート中の陰部の当たる部分に設置される消臭シートにより構成される。また、陰部に密着しやすいように消臭シートの両側に筋押し加工(11)を施す。
次に、図5に、この消臭シート(9)が配置される部分の断面図を用いて説明する。
消臭シート(9)の裏面を粘着材(19a)で綿状パルプに高分子吸収材を均一に絡ませた高分子吸収シート(12)に接着固定する。これを吸収紙(13)に包む。なお、図示していないが吸水紙を巻き返し重なり部分は粘着材で接着する。BN菌を混入した水溶液を含浸させ、乾燥させた化学繊維不織を内面シート(14)とし、吸水紙(13)の裏面に巻き込み粘着19(b)で接着する。この積層素材をバックシート(15)の中央に配置しバックシート(15)と表面シート(16)である化学繊維不織布を周辺で粘着あるいは溶着などの手段により取り付けたものである。また、股間の部分については、表面シートに化学繊維不織布(17)を粘着あるいは溶着などの手段により立ち上げ伸縮材(18)を通してギャザーを寄せることにより尿漏れを防止する。尚、図示していないが、接着部分は粘着材等を用いて接着する。
本発明は、以上の構成よりなっている。
本発明を使用するときは、従来のテープ止め型紙おむつと同様に使用する。人体より排泄された尿の大半は化学繊維不織布を通して吸収紙に包まれた消臭シートへと到達する。到達した尿は休眠状態にあるBN菌に水分を与えることによりその活動を開始させる。また、体温によりBN菌が活発に活動しうる温度を保つことができるため、BN菌による消臭効果を受けることができる。BN菌は尿の広がりに伴い吸収体の中に広がる。また、尿は化学繊維不織布の上で多少の広がりを見せる。そのためにBN菌を含浸させた内面シートがこれを受け止めることで、より消臭能力を増すことができる。
本事例に於いては、高分子吸収シート(12)の上に消臭シート(9)を配置したものであるが、この消臭シートを外し、高分子吸収シート自体の少なくとも尿受部分にBN菌を混在させたものであってもよい。
この消臭シートは、紙パンツ、尿とりパッド等の尿受具に使用する。消臭シートの大きさは、それぞれの尿受具の形態によって異なる。
また、BN菌の混在混入方法としては、上記各事例で挙げた手法の他に、BN菌が生存可能でしかもBN菌を死滅させない範囲で乾燥可能な水溶液を利用するものも挙げられる。
上記水溶液を布おむつに噴霧することによって同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】フラット型紙おむつ分解図
【図2】フラット型紙おむつ断面図
【図3】消臭シート断面図
【図4】テープ止め型紙おむつ開平図
【図5】テープ止め型紙おむつ断面図
【符号の説明】
【0009】
1 高分子消臭吸収シート
2 吸水紙
3 バックシート
4 化学繊維不織布
5 粘着材
6 BN菌あるいはBN菌を付着させ微粒子化した珪藻土
7;7a;7b 綿状パルプ
8 吸水紙
9 消臭シート
10吸収体
11筋押し加工
12高分子吸収シート
13吸水紙
14内面シート
15バックシート
16化学繊維不織布
17化学繊維不敷布
18伸縮材
19;19a;19b 粘着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性を有するシート本体と、シート本体にほぼ均一に配在されたバチラス・サブチリスBN1001と、シート本体を覆う吸水性を有するカバー体とよりなる尿受けシート。
【請求項2】
紙おむつ、紙パンツ、尿取りパッド等の尿受け具の尿受け部に尿受けシートを設けた消臭機能付尿受け具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−136675(P2006−136675A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355981(P2004−355981)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(504418291)株式会社トップワン (1)
【Fターム(参考)】