説明

液位検出装置

【課題】作業負担の軽減及び放熱ロスによる出力低下の抑制が可能な水位制御装置3を提供すること。
【解決手段】容器内部の液位を検出する液位検出装置3であって、前記液位を検出する液位検出電極棒30と、内部に前記液位検出電極棒30を収容する液位制御筒7と、を備え、前記液位制御筒7は、その内径が前記液位検出電極棒30の外径の6倍以下の大きさに形成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内部の液位を検出する液位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ボイラにおいては、水管内部の水の水位制御は、ボイラの運転時における燃焼量、蒸気圧力、給水温度及び缶水の電気伝導度等に応じて行われている。そして、乾いた良質の蒸気を得るため、及び水管の破損を防止するためには、燃焼量、蒸気圧力、給水温度及び缶水の電気伝導度等に応じて、細かく水位を設定して制御することが望ましい。
【0003】
このようなことから、従来より、ボイラにおいては、燃焼量、蒸気圧力、給水温度及び缶水の電気伝導度等に応じて最適な水位を複数設定しておき、複数の水位検出電極棒によりそれぞれ最適な水位を検出しながら、ボイラの運転時における燃焼量、蒸気圧力、給水温度及び電気伝導度等に応じた水位となるように、水管内部への給水制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−178206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、特許文献1に記載のボイラの水位検出装置を含む従来の水位検出装置は、複数の水位を設定し、この設定された水位の中で水管内の水の水位制御を行っているが、1本の水位検出電極棒では1つの水位しか検出できない。そのため、水位を細かく制御しようとすると、水位制御筒は、その筒径を大きくして多数の水位検出電極棒をその内部に収容可能にしなければならなかった。
【0006】
しかしながら、かかる水位制御筒の筒径を大きくすると、水位制御筒の周面が大きくなり外気との接触面積が増加するため、水位制御筒の周面から外気への放熱量が増加する。そのため、ボイラが接地される設置場所における周辺温度が上昇し、作業者の負担が増加するおそれがあった。
また、水位制御筒から外気への放熱が増加すると水位制御筒内部の水の温度が低下するため、水管に供給される缶水の温度も低下してしまう。これにより、缶水の温度低下はボイラの出力を低下させるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、作業負担の軽減及び放熱ロスによる出力低下の抑制が可能な水位制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液位制御装置は、容器内部の液位を検出する液位検出装置であって、前記液位を検出する液位検出電極棒と、内部に前記液位検出電極棒を収容する液位制御筒と、を備え、前記液位制御筒は、その内径が前記液位検出電極棒の外径の6倍以下の大きさに形成されることを特徴とする。
【0009】
また、液位検出装置は、更に、特定の液位を検出する補助液位検出電極棒を備え、前記補助液位検出電極棒は、前記液位制御筒の周壁から前記液位制御筒の内部に装着されることが好ましい。
【0010】
また、前記液位制御筒には、前記液位制御筒の内部に流入される流体の圧力を抑制する圧損部が設けられることが好ましい。
【0011】
前記圧損部は、前記液位制御筒の下端部に設けられており、前記下端部に向かって筒径が細くなるように形成されることが好ましい。
【0012】
前記圧損部は、前記流体が流入される流入口と対向するように設けられる圧損プレートにより構成されることが好ましい。
【0013】
また、前記液位制御筒は、金属により形成され、前記液位検出電極棒には、絶縁皮膜が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業負担の軽減及び放熱ロスによる出力低下の抑制が可能な水位制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る水位検出装置が装着されたボイラ装置の概略構成を示す概略図である。
【図2】前記実施形態に係る水位検出装置の外観を示す外観斜視図である。
【図3】図2に示す水位検出装置のX−X断面図である。
【図4】前記実施形態に係る水位検出装置に装着された水位検出電極棒の装着状態を示す水位検出装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
まず、図1を参照して本実施形態に係る液位検出装置である水位検出装置3が装着されるボイラ装置1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る水位検出装置3が装着されたボイラ装置1の概略構成を示す概略図である。図1に示すように、ボイラ装置1は、容器であるボイラ本体2と、水位検出装置3と、給水ポンプ4と、気水分離器5と、を主体に構成されている。
【0018】
本実施形態に係るボイラ装置1は、ボイラ本体2の運転時における燃焼量、蒸気圧力、給水ポンプ4から給水される水の給水温度及びボイラ本体2に導入された水(以下、「缶水」という)の電気伝導度に応じて、給水ポンプ4による給水量を調整し、ボイラ本体2に収容されている後述の水管21の破損を防止すると共に、良質の蒸気が得られるようにボイラ本体2への給水制御を行っている。
【0019】
図1に示すように、ボイラ本体2は、ボイラ缶体20と、複数の水管21と、下部ヘッダ22と、上部ヘッダ23と、加熱バーナ24と、を備えて構成されている。
【0020】
ボイラ缶体20は、略円筒状に形成されており、ボイラ本体2の外観を構成する。複数の水管21は、ボイラ缶体20の内部に収容されており、ボイラ缶体20の円周方向に所定の間隔で立設されている。また、複数の水管21は、ボイラ缶体20の略中央部に設けられた燃焼室25を区画する。つまり、複数の水管21は、ボイラ缶体20の内部において、燃焼室25を囲むようにボイラ缶体20の円周方向に所定間隔で立設されている。
【0021】
加熱バーナ24は、燃焼室25の上方に設けられている。加熱バーナ24は、複数の水管21の内部に導入された缶水を加熱して、気水混合気(蒸気)を生成させる。また、加熱バーナ24は、燃料ライン24aを介して燃料タンク(図示せず)と接続されている。燃料ライン24aには流量調整弁24bが設けられている。加熱バーナ24の燃焼量は、流量調整弁24bの開度を調整することにより、連続的又は段階的に調整されるように構成されている。例えば、加熱バーナ24は、流量調整弁24bの開度が100%の高燃焼、開度が50%の低燃焼及び開度が0%の停止等に調整可能に構成されている。
【0022】
下部ヘッダ22は、ボイラ缶体20の下部に設けられ、複数の水管21の下端に連結されている。下部ヘッダ22には、給水ライン4aの一方側が接続されており、給水ライン4aの他方側には、給水ポンプ4が接続されている。給水ポンプ4には、給水タンク(図示せず)が接続されており、下部ヘッダ22には、給水タンクに貯留された水が給水ポンプ4によって給水ライン4aを介して導入される。下部ヘッダ22に導入された水は、更に下部ヘッダ22に連結された複数の水管21に導入される。このように、本実施形態に係るボイラ装置1は、いわゆる貫流ボイラを構成している。
【0023】
また、下部ヘッダ22には、ブローライン22aが接続されている。ブローライン22aにはブローバルブ22bが設けられている。下部ヘッダ22は、ブローバルブ22bを開放することにより、給水ポンプ4により導入された水及び/又は下部ヘッダ22に導入された缶水を全量又は所定量排出可能に構成されている。
【0024】
上部ヘッダ23は、ボイラ缶体20の上部に設けられ、複数の水管21の上端に連結されている。上部ヘッダ23には、気水ライン23aの一方側が接続されており、気水ライン23aの他方側には気水分離器5が接続されている。上部ヘッダ23は、加熱バーナ24により複数の水管21で生成された気水混合気(蒸気)を集め、気水ライン23aを介して気水分離器5へ送り出す。
【0025】
気水分離器5は、気水ライン23aを介して上部ヘッダ23と接続されている。気水分離器5は、加熱バーナ24により生成され、上部ヘッダ23から送り出された気水混合気(蒸気)から乾き蒸気と水分とに分離させる。また、気水分離器5は、所定の機器(図示せず)に接続された蒸気連絡ライン51aに接続されている。気水分離器5により分離された乾き蒸気は、蒸気連絡ライン51aを介して所定の機器に送り出される。なお、所定の機器への乾き蒸気の送り出しの量は、蒸気連絡ライン51aに設けられる開閉バルブ51bの開閉により調整される。
【0026】
一方、気水分離器5により分離された水分は、気水分離器5と下部ヘッダ22とを連結する降水ライン52を介して下部ヘッダ22に送り出される。ここで、降水ライン52には、濃縮ブローライン53aが接続されている。濃縮ブローライン53aには、濃縮ブローバルブ53bが設けられている。ボイラ装置1は、濃縮ブローバルブ53bを開放することにより気水分離器5により分離された所定の水(高濃度缶水等)及び/又はボイラ装置1の起動時における水等を排水可能に構成されている。
【0027】
また、降水ライン52における濃縮ブローライン53aの下流側には、電気伝導度測定センサ54が設けられている。電気伝導度測定センサ54は、ボイラ装置1の起動時に給水する水の電気伝導度及びボイラ装置1の長時間運転等により濃縮した缶水の濃縮度等を測定する。
【0028】
給水ポンプ4は、給水ライン40を介して下部ヘッダ22と接続されている。また、給水ライン40には、逆止弁46が設けられており、逆止弁46は下部ヘッダ22から給水ポンプ4側へ水が逆流することを防止する。なお、給水ポンプ4と給水タンクとの間には、薬注タンク(図示せず)が薬注ポンプ(図示せず)を介して接続されており、缶水の電気伝導度に応じて所定の薬剤が注入される構成となっている。
【0029】
制御部6は、回線6aを介して、給水ポンプ4、ブローバルブ22b、濃縮ブローバルブ53b及び電気伝導度測定センサ54に接続されている。制御部6は、給水ポンプ4の起動及び停止、ブローバルブ22bの開閉、及び電気伝導度測定センサ54により入力される電気伝導度に基づく濃縮ブローバルブ53bの開閉等の制御を行う。例えば、電気伝導度測定センサ54が測定した数値が電気伝導度測定センサ54において予め設定した数値に達すると、電気伝導度測定センサ54は、所定の制御信号を制御部6に送信する。制御部6は、電気伝導度測定センサ54から送信された制御信号を受信すると、濃縮ブローバルブ53bを開弁させて高濃度缶水等を外部に排水させ、同時に給水ポンプ4を起動させて下部ヘッダ22に給水を開始する。そして、缶水全体の濃縮度が低下し、電気伝導度測定センサ54が測定した数値が規定値以下の数値になると、制御部6は濃縮ブローバルブ53bを閉弁させて、制御を終了する。
【0030】
次に、図2から図4を参照して本実施形態に係る水位検出装置3について説明する。図2は、本実施形態に係る水位検出装置の外観を示す外観斜視図である。図3は、図2に示す水位検出装置のX−X断面図である。図4は、本実施形態に係る水位検出装置に装着された水位検出電極棒の装着状態を示す水位検出装置の断面図である。
【0031】
図2から図4に示すように、水位検出装置3は、液位制御筒である水位制御筒7と、液位検出電極棒である水位検出電極棒30と、補助液位検出電極棒である第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32と、水位制御筒7をボイラ缶体20に固定支持する固定支持部35と、を主体に構成されている。
【0032】
本実施形態に係る水位検出装置3は、ボイラ缶体20の内部に配置される上部ヘッダ23及び下部ヘッダ22を介して、上部ヘッダ23及び下部ヘッダ22に連結される複数の水管21それぞれと水位制御筒7とを連通させることにより、複数の水管21に導入される缶水と同様の水位を水位制御筒7の内部に実現させている。そして、水位検出電極棒30を用いて水位制御筒7内部の缶水の水位を検出することにより、水管21内部の缶水の特定の水位を検出可能に構成されている。
【0033】
図2に示すように、水位制御筒7は、円筒状に形成された本体部70と、本体部70の軸方向における下端に設けられる圧損部71と、本体部70の軸方向における上部側に設けられる連通部72と、本体部70の周壁に設けられる第1校正部73及び第2校正部74と、を備えて構成されている。
【0034】
本体部70は、導通可能な金属により形成されており、軸方向における上端には挿入部70aが設けられている。挿入部70aは、水位検出電極棒30を軸方向内部に挿入可能に形成されると共に、本体部70の内部に挿入された水位検出電極棒30を保持する。
【0035】
また、図3に示すように、本体部70は、その内径が水位検出電極棒30の外径の6倍以下の大きさに形成されている。言い換えると、本体部70は、本体部70の内径に対して水位検出電極棒30の外径が26.4%以下の大きさになるように形成されている。本実施形態においては、外径の大きさがφ14mmの水位検出電極棒30に対して、内径がφ52.9mmの鋼管、いわゆる50Aの鋼管を用いて本体部70が形成されている。
【0036】
なお、本体部70の軸方向の長さは、装着するボイラ装置1の大きさ、水位検出電極棒30の長さ等により、適宜、変更可能である。
【0037】
圧損部71は、本体部70の軸方向における下端に設けられている。また、圧損部71は、連通パイプ71aにより下部ヘッダ22に連結されており(図1参照)、下部ヘッダ22に導入された缶水は、連通パイプ71aを介して、圧損部71から本体部70に導入されるように構成されている。なお、圧損部71は、水位制御筒7の筒径が本体部70側から連通パイプ71a側に向かって細くなるように形成されている。言い換えると、圧損部71は、軸方向における下端側の口径が上端側の口径よりも小さくなるように形成されている。これにより、圧損部71は、例えば、本体部70への缶水の急速な流入を抑制させることが可能になる。
【0038】
連通部72は、本体部70の軸方向における上部側の周壁において、周壁から本体部70の内部に貫通するように形成されている。また、連通部72は、連通パイプ72aにより上部ヘッダ23に連結されており(図1参照)、連通部72の内部と上部ヘッダ23の内部とは、連通パイプ72aにより連通されている。
【0039】
このように、水管21と水位制御筒7とは、上部ヘッダ23及び下部ヘッダ22と圧損部71及び連通部72とが連通パイプ71a,72aを介して連結されることにより水管21の内部と水位制御筒7の内部とが連通されるように構成されている。
【0040】
図4に示すように、第1校正部73は、本体部70の周壁において、周壁から本体部70の内部に貫通するように形成されている。第1校正部73には、第1補助電極棒31が装着される。具体的には、第1校正部73は、第1補助電極棒31が本体部70の周壁から本体部70の内部に本体部70の軸方向と直交する方向に挿入可能に形成されている。同様に、第2校正部74は、本体部70の周壁において、周壁から本体部70の内部に貫通するように形成されている。第2校正部74には、第2補助電極棒32が装着される。具体的には、第2校正部74は、第2補助電極棒32が本体部70の周壁から本体部70の内部に本体部70の軸方向と直交する方向に挿入可能に形成されている。
【0041】
なお、第1校正部73及び第2校正部74は、本体部70側の口径が挿入口側の口径よりも大きくなるように略円錐形状に形成されている。そのため、第1校正部73及び第2校正部74の内部は、挿入口73a,74a側から本体部70側に向かって傾斜する形状になる(図4参照)。これにより、第1校正部73及び第2校正部74は、挿入口73a,74a側から本体部70側の途中に水たまりができることを防止することが可能になる。これにより、第1校正部73及び第2校正部74において、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32が不要な水と接触することがなくなり、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32の不要な水との接触により生じる誤作動を防止することが可能になる。
【0042】
水位検出電極棒30は、一端側に設けられる外部接続端子30aと、他端側に設けられる水位検出電極部30bと、を備えて構成されている。水位検出電極棒30は、外部接続端子30aが水位制御筒7の外部に突出し、水位検出電極部30bが水位制御筒7の内部に収容されるように配置されており、筒状の絶縁体33により水位制御筒7の挿入部70aに保持されている。
【0043】
水位検出電極部30bは、棒状に形成されたステンレスにより構成されており、その表面は、エンジニアプラスチックによる絶縁皮膜に覆われている。絶縁皮膜としては、例えば、耐熱性、耐高圧性及び耐薬品性の高いエンジニアプラスチックが好ましく、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリルエーテルケトン等のケトン系合成樹脂材料、又は耐熱性の高いポリエーテルエーテルケトンが例示できる。
【0044】
また、水位検出電極部30bは、水位制御筒7内部に導入される缶水の特定の水位を検出可能に所定の長さに形成されている。つまり、水位検出電極部30bは、水位制御筒7の内部において、特定の水位を満たすように導入された缶水と接触可能な長さを有するものであればよい。
【0045】
上記のように構成された水位検出電極棒30は、外部接続端子30aを所定の電源部(図示せず)の一方側に接続し、電源部の他方側を金属製の水位制御筒7に接続させて通電することにより、水位制御筒7の内部において缶水と接触した水位検出電極部30bの接触部分がコンデンサとなり、水位検出電極部30bの表面に被覆された絶縁皮膜を誘電体として、水位検出電極部30bと水位制御筒7との間の静電容量を測定可能となる。そして、測定された静電容量により、水位制御筒7の内部における缶水の水位を検出することが可能となると共に、測定された静電容量の変化によって水位制御筒7の内部の缶水の水位の変化を検知することが可能なる。
【0046】
第1補助電極棒31は、一端側に設けられる外部接続端子31aと、他端側に設けられる第1補助電極部31bと、を備えて構成されている。第1補助電極棒31は、外部接続端子31aが第1校正部73の外部に突出し、第1補助電極部31bが第1校正部73の内部に収容されるように配置されており、筒状の絶縁体34により第1校正部73の端部に保持されている。
【0047】
同様に、第2補助電極棒32は、一端側に設けられる外部接続端子32aと、他端側に設けられる第2補助電極部32bと、を備えて構成されている。第2補助電極棒32は、外部接続端子32aが第2校正部74の外部に突出し、第2補助電極部32bが第2校正部74の内部に収容されるように配置されており、筒状の絶縁体34により第2校正部74の端部に保持されている。
【0048】
上記のように構成された第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32は、外部接続端子31a及び外部接続端子32aが所定の電源部(図示せず)の一方側に接続され、電源部の他方側が水位制御筒7に接続されている。これにより、第1補助電極部31b及び第2補助電極部32bが水に接触すると、外部接続端子31a及び外部接続端子32aと水位制御筒7との間の通電状態が変化し、水位制御筒7内の水が特定の水位に達したことを検出することが可能になる。そして、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32が検出した特定の水位と、静電容量を測定して検出した水位検出電極棒30の特定の水位との差を求め、この差を基に、静電容量を測定して検出した水位検出電極棒30による特定の水位を適正に補正することが可能になる。
【0049】
固定支持部35は、矩形板状の接合板35aと、一対の脚部35bと、を備えて構成されている。接合板35aは、長手方向が本体部70の軸方向と一致するように一対の脚部35bにより本体部70の周壁に接合されている。また、接合板35aは、水位制御筒7(本体部70)の軸方向がボイラ缶体20の軸方向と一致するようにボイラ缶体20の周壁に接合される(図1参照)。水位検出装置3は、接合板35aをボイラ缶体20に接合することにより、ボイラ缶体20に固定支持される。
【0050】
以上のような構成を有する本実施形態に係る水位検出装置3によれば、以下の効果を奏する。
【0051】
本実施形態に係る水位検出装置3は、水位制御筒7の内径が水位検出電極棒30の外径に対して6倍以下の大きさに形成されているため、例えば、80A以下の鋼管を用いて水位制御筒7を製造することが可能になる。つまり、従来よりも管径の細い鋼管を用いることが可能になる。これにより、例えば、水位制御筒7の製造コストを抑制することが可能になる。
【0052】
また、本実施形態に係る水位検出装置3は、80A以下の水位制御筒7を用いることにより、従来の水位制御筒7よりも外気と接触する周面の面積を小さくすることが可能になる。そのため、周囲に対する水位制御筒7からの放熱を抑制することが可能になる。これにより、例えば、ボイラ装置1の設置場所における周辺温度の上昇を抑制させることが可能になり、作業者等の負担を軽減させることが可能になる。
【0053】
また、本実施形態に係る水位検出装置3は、周囲に対する水位制御筒7からの放熱を抑制することにより、水位制御筒7からの放熱ロスを軽減させることが可能になる。そのため、水管21に供給される缶水の温度低下を抑制することが可能になる。これにより、ボイラ装置1の出力の低下を抑制することが可能になる。
【0054】
また、本実施形態に係る水位検出装置3は、水位制御筒7が金属により形成され、水位検出電極棒30には絶縁皮膜が設けられている。つまり、水位検出装置3は、絶縁皮膜を介して水位制御筒7と水位検出電極棒30との間の静電容量を測定することにより、水位を検知することが可能になる。そのため、一本の水位検出電極棒30で複数の水位を検知することが可能になる。これにより、例えば、水位を細かく制御する場合においても複数本の水位検出電極棒を用いる必要がなくなり、水位検出電極棒30を装着する水位制御筒7を小さくすることが可能になる。
【0055】
また、本実施形態に係る水位検出装置3は、水位検出電極棒30を校正するための第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32を水位制御筒7の周壁から内部に装着するように構成されている。つまり、従来のように水位制御筒7の頂部から取り付け及び取り外しを行うのではなく、周壁から取り付け及び取り外しを行う構成としている。そのため、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32の取り付け及び取り外し位置を従来よりも低い位置に設けることが可能になる。これにより、例えば、メンテナンス時における安全性を向上させることが可能になる。
【0056】
また、本実施形態に係る水位検出装置3は、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32それぞれを個別に取り付ける構成としているため、例えば、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32の個別の点検が容易となる。
【0057】
更に、本実施形態に係る水位検出装置3は、水位検出電極棒30が静電容量を測定することにより水位を検知する構成としているため、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32は、特定の水位の検知のみで足りる。そのため、例えば、水位制御筒7の軸方向における所定の校正位置に第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32を周壁から装着することにより、水位検出電極棒30の校正が可能になる。また、特定の水位の検知のみで足りるため、長さの長い第1補助電極部31b及び第2補助電極部32bも必要としない。これにより、水位制御筒7の筒径を大きくすることなく第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32を装着させることが可能になる。
【0058】
また、本実施形態に係る水位検出装置3は、水位制御筒7の下端部に水位制御筒7の筒径が連通パイプに向かって細くなる圧損部71が設けられている。そのため、連通パイプ71aからの水の進入が抑制される。これにより、例えば、水の進入時に生成されうる気泡(泡立ち)の発生を抑制させることが可能になると共に、水面の波打ちも抑制させることが可能になる。
【0059】
なお、本発明の実施形態は、上記実施形態になんら限定されることはなく、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、複数の水管21をボイラ缶体20の円周方向に所定の間隔で立設させると共に、略中央部に燃焼室25を設け、燃焼室25の上方に加熱バーナ24を配置させる構成としたが本発明においてはこれに限らない。例えば、ボイラ缶体20の周面に加熱バーナ24を配置させ、立設される複数の水管21の側方からそれぞれの水管21を加熱する構成としてもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、外径がφ14mmの水位検出電極棒30に対して、内径がφ52.9mmの鋼管、いわゆる50Aの鋼管を用いて本体部70を形成したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、本体部70は、内径がφ80.7mm以下の鋼管、いわゆる80A以下の鋼管を用いることができる。言い換えると、本体部70は、水位検出電極棒30の外径の6倍以下の内径を有する鋼管であればよい。更に言い換えると、本体部70は、本体部70の内径に対して水位検出電極棒30の外径が17.3%以下の大きさの鋼管であればよい。なお、本体部70としては、50Aから25Aの鋼管を用いることが好ましい。
【0061】
また、本実施形態においては、補助水位検出電極棒として第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32の2つの電極棒を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、1本又は多数本の補助水位検出電極棒を用いる構成としてもよい。補助水位検出電極棒は、校正する水位の数により、適宜、変更してもよい。
【0062】
また、本実施形態においては、圧損部71は、水位制御筒7の筒径が本体部70側から連通パイプ71a側に向かって細くなるように先細り形状に形成したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、圧損部71の少なくとも一部に筒径が細くなる細径部を設けてもよい。また、例えば、圧損部71は、連通パイプ71a、72aそれぞれの連通穴と対向するように圧損プレートを設ける構成としてもよい。つまり、本体部70への缶水の急速な流入を抑制可能な圧損部を有する構成であればよい。
【0063】
また、本実施形態においては、水位検出電極棒として、静電容量を測定することにより水位を検知する水位検出電極棒30を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。水位検出電極棒は、例えば、第1補助電極棒31のように第1補助電極部31bと水位制御筒7との間の通電状態の変化により水位を検出する構成のものであってもよい。つまり、水位検出電極棒は、水位制御筒7の内部の水の水位を検出可能な構成であればよい。
【0064】
また、本実施形態においては、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32を本体部70の軸方向と直交する方向に挿着するように第1挿着部8及び第2挿着部9を形成したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32は、本体部70の軸方向における下部側に向かって傾斜するように挿着させてもよい。また、例えば、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32を本体部70の軸方向に挿着させてもよい。本発明においては、第1補助電極棒31及び第2補助電極棒32を本体部70の周壁から内部に挿着する構成であればよい。
【0065】
また、本実施形態においては、連通部72が連通パイプ71aにより上部ヘッダ23に連結された水位制御筒7を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、水位制御筒7は、連通部72が連通パイプ71aにより気水分離器5に連結される構成であってもよい。
【0066】
また、本実施形態においては、ボイラ装置を用いて説明したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、ボイラ装置は、再生機等の液体加熱装置であればよく、例えば、吸収冷却機であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 ボイラ装置
2 ボイラ本体(容器)
3 水位検出装置(液位検出装置)
4 給水ポンプ
5 気水分離器
6 制御部
7 水位制御筒
20 ボイラ缶体
21 水管
22 下部ヘッダ
23 上部ヘッダ
24 加熱バーナ
30 水位検出電極棒(液位検出電極棒)
31 第1補助電極棒(補助液位検出電極棒)
32 第2補助電極棒(補助液位検出電極棒)
71 圧損部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内部の液位を検出する液位検出装置であって、
前記液位を検出する液位検出電極棒と、
内部に前記液位検出電極棒を収容する液位制御筒と、を備え、
前記液位制御筒は、その内径が前記液位検出電極棒の外径の6倍以下の大きさに形成されることを特徴とする液位検出装置。
【請求項2】
更に、特定の液位を検出する補助液位検出電極棒を備え、
前記補助液位検出電極棒は、前記液位制御筒の周壁から前記液位制御筒の内部に装着されることを特徴とする請求項1に記載の液位検出装置。
【請求項3】
前記液位制御筒には、前記液位制御筒の内部に流入される流体の圧力を抑制する圧損部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の液位検出装置。
【請求項4】
前記圧損部は、前記液位制御筒の下端部に設けられており、
前記下端部に向かって筒径が細くなるように形成されることを特徴とする請求項3に記載の液位検出装置。
【請求項5】
前記圧損部は、前記流体が流入される流入口と対向するように設けられる圧損プレートにより構成されることを特徴とする請求項3に記載の液位検出装置。
【請求項6】
前記液位制御筒は、金属により形成され、
前記液位検出電極棒には、絶縁皮膜が形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液位検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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