説明

液体容器

【課題】 充填される液体内容物に対応して効率よく取り出すことができる液体容器を提供する。
【解決手段】 ガゼット部2と両面部分3を有する袋状容器4と、口部6と接合部8を有し接合部8を袋状容器4の開口端に固着した取出具5と、特定形の取出口を有し取出具5の口部6に装着された内装体7とを備え、口部6の内面と内装体7の外面の対向する面の一方に凹部10を設け、他方に凹部10に係止する凸部12を設けて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填される内容物の性質に対応して効率よく取り出すことができる液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツドリンクやオレンジジュースのような液体飲料を充填する液体容器として、フィルム素材により成形された袋状容器と、口部および接合部を有し接合部を袋状容器本体の開口端に固着した取出装置とから構成されたものは、たとえば、特許文献1に記載されている。
【0003】
この種の液体容器は、缶やビンに比較して軽量で開封性がよいので、液体飲料の外にうどんのめんつゆや焼き肉のたれあるいはマヨネーズやチョコレートの収納容器としてそのままの形態で用いられている。
【0004】
しかしながら、上記液体容器は、充填される内容物を液体飲料として取出装置の口部の口径を画一的に規定して作られているので、そのままの取出装置の口部では、充填される内容物がマヨネーズやチョコレートのような粘性の高い内容物であると、適切に取り出すことができない場合がある。このような場合には、液体容器に取り付けられる取出装置の口部をチョコレートやマヨネーズを取り出すのに適した口径に変更することが必要である。
【特許文献1】実開昭62−134826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、液体容器に取り付けられる取出装置の口部の口径を充填される内容物に適応させるためには、口部の口径の異なる取出装置を有する液体容器を多種類製作し、充填される内容物に応じて在庫した多種類の液体容器から適切なものを選定しなければならず、液体容器の製作および在庫管理に相当の労力を必要とするという問題がある。 本発明は、上記した点を考慮してなされたもので、多種類の液体容器を製作することなく、充填される液状内容物に対応して効率よく取り出すことができる液体容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体容器は、ガゼット部と両面部分を有する袋状容器と、口部と接合部を有し接合部を袋状容器の開口端に固着した取出具と、特定形の取出口を有し取出具の口部に装着された内装体とを備え、口部の内面と内装体の外面の一方に凹部を設け、他方に凹部に係止する凸部を設けて構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液体容器の取出具の口部に特定形の取出口を有する内装体を装着することで、充填される内容物に応じて多種類の液体容器を製作する必要がなく、充填される内容物を効率よく取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明による液体容器の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1において符号1は、本発明による液体容器を示し、この液体容器1は、内側に折り込まれるガゼット部2,2と両面部分3,3を有する袋状容器4と、袋状容器4の開口端に固着された取出具5と、取出具5の口部6に装着された内装体7(図2)から構成される。
【0009】
上記取出具5は、図3に示すように、たとえば、高密度ポリエチレン樹脂のような合成樹脂材料を用いて一体成形された口部6と接合部8と導管部9とを有する。取出具5の口部6の開口端に近い部位に内装体7を固定するための環状溝10が形成されている。また、取出具5の導管部9には内容物を取り出すための開口11が形成されている。取出具5の口部6の開口端に近い部位に設けた環状溝10は、不連続であってもよく、場合によって直径線上に位置する2つの凹部であってもよい。
【0010】
上記内装体7は、取出具5の口部6の内径に対応した外径をなし、充填される液体を取り出すのに適した適当形状の長手方向に延びる貫通孔を有する。たとえば、内装体7の貫通孔は、図4(a)に示す円形孔7aであり、図4(b)に示す十文字孔7bであり、図4(c)に示す2つ孔7cである。上記内装体7に設けた貫通孔は星形や多角形の孔であってもよい。
【0011】
また、内装体7の外面には、口部6に設けた環状溝10に嵌合する環状凸部12が形成されている。内装体7に設けた環状凸部12は、内装体7を固定することができるものであれば不連続の凸部あつてもよい。また、内装体7の外面に設けた凸部は、取出具5の口部6に設けた凹部が直径線上に位置する2つてあれば、これに対応した2つである。
【0012】
上記内装体7は、エバール(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィンやポリエステルのようなガスバリヤー性樹脂により成形することができる。内装体7を構成する樹脂材料に酸素吸収剤を混入することもできる。これは充填される内容物をガスあるいは酸素から保護するためである。内装体7の材料は、充填される内容物に応じて適宜選定される。
【0013】
上記内装体7は、ガスバリヤー性樹脂により作られた取出具5の口部6の内径に対応した外径の筒状体とし、取出具5の口部6に装着することでして、取出具5の口部6にガスバリヤー性を付与することもできる。
【0014】
上記袋状容器4を構成するラミネートフィルム13は、図6に示すように、厚さ12μmのポリエステルフィルム14と厚さ9μmのアルミホイル15と厚さ15μmのポリアミドフィルム16と厚さ40μm〜120μmのポリエチレンフィルム17をラミネートすることで形成される。
【0015】
本発明による液体容器1は、図示しない充填装置により取出具5を通して内部空間に内容物が充填する場合には、内装体7を取り付けない状態で、取出具5を通して内部空間に内容物が充填し、そのた後に充填した内容物の特性に応じて特定形の取出口を有する内装体7を選定し、選定した内装体7を取出具5の口部6に環状凸部12を手前側にして挿入し、内装体7に設けた環状凸部12を口部6に設けた環状溝10に嵌合する。これにより、内装体7は取出具5の口部6に固定される。液体容器1に充填された内容物は、内装体7に設けた特定形状の貫通孔を通して効率よく取り出すことができる。
【0016】
また、本発明による液体容器1は、図示しない充填装置により袋状容器4の下端開口部から内部空間に内容物が充填する場合には、内装体7として充填される内容物の特性に応じて特定形の取出口を有する内装体7を選定し、選定した内装体7を取出具5の口部6に環状凸部12を手前側にして挿入し、内装体7に設けた環状凸部12を口部6に設けた環状溝10に嵌合し、内装体7を取出具5の口部6に固定する。これに続いて、図示しない充填装置により袋状容器4の下端開口部から内部空間に内容物が充填し、袋状容器4の下端開口部をヒートシール加工して閉じる。液体容器1に充填された内容物は、内装体7に設けた特定形状の貫通孔を通して効率よく取り出すことができる。
【0017】
なお、上記実施の形態では、袋状容器4は、ガゼット部2,2と両面部分3,3を有するいわゆるガゼット形袋状容器であるが、この袋状容器4は、両面部分と底部を有する自立形袋状容器であってよい。
【0018】
両面部分と底部を有する自立形袋状容器を有する液体容器は、自立形袋状容器を除いて上記実施の形態のガゼット形袋状容器を有する液体容器と同様な作用効果を奏するものあるので説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による液体容器の一部を破いて示す斜視図である。
【図2】本発明による液体容器の取出具の部分を示す図である。
【図3】本発明による液体容器の取出具の部分から内装体を取り除いて示す図である。
【図4】本発明による液体容器に組み込まれる内装体を示す図である。
【図5】本発明による液体容器の開口端部分の断面図である。
【図6】本発明による液体容器の素材となるラミネートフィルムを示す図である。
【符号の説明】
【0020】
1 液体容器
2 ガゼット部
3 両面部分
4 袋状容器
5 取出具
6 口部
7 内装体
8 接合部
10 環状溝
12 環状凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガゼット部と両面部分を有する袋状容器と、口部と接合部を有し接合部を袋状容器の開口端に固着した取出具と、特定形の取出口を有し取出具の口部に装着された内装体とを備え、口部の内面と内装体の外面の一方に凹部を設け、他方に凹部に係止する凸部を設けたことを特徴とする液体容器。
【請求項2】
口部の内面に凹部を設け、内装体の外面に凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
【請求項3】
内装体は、ガスバリヤー性合成樹脂により成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体容器。
【請求項4】
内装体は、酸素吸収剤を混入した合成樹脂により成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体容器。
【請求項5】
両面部分と底部を有する袋状容器と、口部と接合部を有し接合部を袋状容器の開口端に固着した取出具と、特定形の取出口を有し取出具の口部に装着された内装体とを備え、口部の内面と内装体の外面の一方に凹部を設け、他方に凹部に係止する凸部を設けたことを特徴とする液体容器。
【請求項6】
口部の内面に凹部を設け、内装体の外面に凸部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の液体容器。
【請求項7】
内装体は、ガスバリヤー性合成樹脂により成形されていることを特徴とする請求項5または6に記載の液体容器。
【請求項8】
内装体は、酸素吸収剤を混入した合成樹脂により成形されていることを特徴とする請求項5または6に記載の液体容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−327651(P2006−327651A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−155770(P2005−155770)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】