説明

液体密封容器内のガスの量の測定方法及び装置

炭酸飲料のようなガス混合物が溶解した液体の密封容器内の測定対象のガス、特に酸素の量を測定する方法であって、前記密封容器を穿孔するステップと、前記密封容器に入っているガス混合物を放出するステップと、前記放出されたガス混合物中の前記測定対象のガスの量を測定するステップと、前記測定に基づいて、前記密封容器の前記測定対象のガスの初期量を決定するステップと、を含み、前記ガス放出ステップの前、及び/又は、その間に、消泡材を前記穿孔された容器へ注入するステップを、さらに含むことを特徴とする測定対象のガスの量を測定する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス混合物が溶解している液体の密封容器内のガス、特に酸素の量の測定方法及び装置に関する。液体は典型的には炭酸飲料である。
【背景技術】
【0002】
炭酸飲料には、一般的に、主に3種のガス、すなわち、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)、窒素(N2)が存在する。二酸化炭素は所望のガスである。酸素は望まれていない。液相中のガスの量の直接測定は可能であるが、或る欠点を有する。欠点のひとつは、液相と気相の間の平衡状態が得られるまで、測定前に液体を振動させる必要性である。他の欠点は、測定を行うために、液体を様々なセンサを通さなければならず、このことがセンサの信頼性に影響を及ぼすことである。このため、密封液体容器内の測定対象のガス、特に酸素の量を測定するための他の方法が、米国特許第5220513号明細書、米国特許第5426593号明細書、及び、米国特許第5604297号明細書で、提案されている。これらの方法では、密封液体容器が穿孔され、超音波又は他のガス抜き方法を使ってこの穿孔された容器はガス抜きして液相からガスを放出させ、放出されたガスを試験チャンバーに流入させ、試験チャンバー内の放出されたガス中の測定対象のガスの量が特殊なセンサによって測定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この方法の問題は、ガス抜きにより、特にビールのような炭酸飲料の中の液体とガスの界面に泡を生じさせ、この泡がセンサのプローブを濡らし、かくして、測定に影響を及ぼすということである。この問題を改善するために、上述の特許文献では、液体容器と試験チャンバーとの間に泡を吸収させる泡チャンバーを使用することが提案されている。しかし、この解決方法には、いくつかの課題がある。このような泡チャンバーの使用は、液体から抽出されたガス混合物を、酸素で汚染するリスクを増す。実際、チャンバーは、ガス回路の導管よりも大変大きなサイズであるため、浄化に抵抗する汚染物質を収容しやすい。ガス回路が浄化された後にチャンバー内に残る酸素は、測定に影響を及ぼすことがある。他の欠点は、密封容器の穿孔後、測定をすることができるまでの待ち時間が、泡が泡チャンバー内に沈むまで、待機しなければならないため、長くなることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の課題を解決することを目的とし、このため、本発明は、ガス混合物が溶解した液体を収容する密封容器内の測定対象のガスの量を測定する方法であって、
密封容器を穿孔するステップと、
穿孔した容器からガス混合物を放出するステップと、
放出したガス混合物中の測定対象のガスの量を測定するステップと、
前記測定に基づいて密封容器内の測定対象のガスの初期量を決定するステップと、を含む上記方法において、ガス混合物を放出するステップ中、かつ/又は、ステップ前に消泡剤を注入するステップをさらに含むことを特徴とする方法を提供する。
本発明の方法の詳細な実施形態は、従属する請求項2〜14に記載されている。
【0005】
また、本発明は、ガス混合物が溶解した液体を収容する密封容器の測定対象のガスの量の測定装置であって、
密封容器を穿孔する手段と、
穿孔した容器からガス混合物を放出する手段と、
放出したガス混合物中の測定対象のガスの量を測定する手段と、
前記測定に基づいて、密封容器内の測定対象のガスの初期量を決定する手段と、を含む上記装置において、穿孔した容器内に消泡剤を注入する手段をさらに含むことを特徴とする装置を提供する。
本発明の装置の詳細な実施形態は、従属する請求項16〜21に記載されている。
【0006】
本発明の他の特徴や効果は、添付図面を参照してなされる好適な実施形態の以下の詳細な説明を読むとき明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による方法の異なる段階で発明の装置を概略的に示す(その1)。
【図2】本発明による方法の異なる段階で発明の装置を概略的に示す(その2)。
【図3】本発明による方法の異なる段階で発明の装置を概略的に示す(その3)。
【図4】本発明による方法の異なる段階で発明の装置を概略的に示す(その4)。
【図5】本発明による装置の穿孔針の先端を正面図で示す。
【図6】本発明による装置の穿孔針の先端を図5のVI−VI線に沿った断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、「量」という用語は、例えば、質量、体積、又は分圧などの全ての量に関係した大きさを参照するものとして、広い意味で理解されるべきである。
図1を参照して、液体密封容器1、すなわち、典型的には、ビールなどの炭酸飲料のボトル又はカン内の酸素量を測定するための本発明の装置は、液体容器1を支持するための支持体2と、液体容器1を穿孔するための穿孔機構3と、穿孔機構3に接続され、かつ、容器1内の酸素及び他のガスの量を測定するための導管及び機器を含むガス回路4と、を含む。
【0009】
容器1に収容される液体を、参照番号5で示す。液体5の上方には、ガスのみにより占められた空間6が設けられる。このような空間は、一般的に容器のヘッドスペースと称される。容器1は、キャップ7により密封されている。支持体2は、容器1内の液体を加振するための、かくして液体5からガスを抽出するための、周知のタイプの振動装置、例えば、超音波装置を内部に有する。以下の説明において、振動装置もまた、参照番号2で示す。
【0010】
穿孔機構3は、容器1のキャップ7の上部に垂直に延び、かつ、スリーブ部材9内に取り外し可能に設けられた針8を含む。スリーブ部材9は、針8が密封状態で挿通する孔を有する上部壁10と、上部壁10から下方に延び、針8を取り囲む円筒壁11と、を有する。スリーブ部材9の、上部壁10の反対の下端は、針8の先端12を自由にするように開口している。図1では針8は、引込み位置で示されている。この引込み位置から、針8は、容器のキャップ7に孔を穿つため、長手方向下方に移動されるのがよい。後の記述で明らかになるように、針8とスリーブ部材9は、また、ともに上下に移動できるのがよい。スリーブ部材9の開口端には、円筒状のゴム製ガスケットが取付けられている。針8とスリーブ部材9及びガスケット13の夫々の内壁面との間には、ガス流路を構成するわずかな環状の自由空間14が設けられている。自由空間14は、一方の側ではスリーブ部材9の開口端と、また、他方の側では円筒壁11に設けられた孔15と、連通している。
【0011】
針8は中空であり、その内部空間に針8の長手方向に延びるチューブ16を収容し、電線(図示せず)がこのチューブの中を通る。電線は、一端が針8の先端12に設けられた温度センサ17に接続され、他端が、制御ユニット19、典型的には処理装置、に接続されている。かくして、制御ユニットは、温度センサ17から温度表示信号を受信する。円筒状の自由空間20がチューブ16と針8の内壁との間に設けられている。この自由空間20は、消泡剤23の通路を構成するため、針8の上端で針8の壁面に設けられた第1の貫通孔21と、又、針8の下端で針8の壁面に設けられた第2の貫通孔22と連通している。第1の貫通孔21は、消泡剤23を収容する槽25aに連結されたポンプ25と、導管24を介して連通している。穿孔機構3に接続されたガス回路4は、スリーブ部材9の円筒壁11の貫通孔15にガス導管27を介して接続された第1のバルブ26と、浄化ガス、例えば、二酸化炭素の流入口28aに接続された第2のバルブ28と、ガス基準容器30に接続された第3のバルブ29と、圧力センサ31と、第4のバルブ32と、第4のバルブ32の下流の、酸素センサ33、二酸化炭素センサ34及び、流量計35とを備える。導管36は、ガス回路4の各種要素を相互に連結する。圧力センサ31は、ガス回路4の全ガス圧を測定する。酸素センサ33、二酸化炭素センサ34、及び流量計35は、大気圧下にある。酸素センサ33は酸素の分圧を測定する。二酸化炭素センサ34は、二酸化炭素の純度、より正確には容器1からバルブ32を通して放出されたガス混合物中の二酸化炭素の体積のパーセンテージを測定する。バルブ32は、ガスの流量が一定となるように既知の方法で流量計35により調整されているのが好ましい。
【0012】
振動装置2、ポンプ25、穿孔機構3の移動及びバルブ26、28、29、32は、すべて制御ユニット19によって、後述する自動シーケンスに従って制御される。センサ31、33、34及び流量計35も、以下に記載する様々な計算を行わせることができる測定信号を制御ユニット19に提供するため、制御ユニット19に接続されている。
今、本発明による装置の操作を説明する。第1のステップ(図1)において、バルブ26、28、29を開き(バルブ32は閉じたままである)、流入口28aから流れる浄化ガスが、ガス回路4の導管36に流入し、穿孔機構3のガス流路14に流入してそれらを浄化する。そのため、このステップの終わりに、容器30は浄化ガスで満たされ、バルブ29を閉じて容器30内に浄化ガスを封入し、センサ31により測定された圧力は記憶される。この記憶された圧力は、封入された浄化ガスの圧力である。これは、シーケンスの終りに、流量計35を較正するのに用いられる。
【0013】
第2のステップ(図2)において、ゴム製のガスケット13が容器のキャップ7に気密に接するまで、ガス流路14を流入口28aから流れる浄化ガスで浄化しながら、針8及びスリーブ部材9をともに下方に移動させる。ガスケット13とキャップ7とが封接着が確立される瞬間に、気圧センサ31によって測定される圧力の急速な変化が起きる。この急速な変化が検出されたら、すぐに、バルブ28が閉じられる。
【0014】
第3のステップ(図3)において、針8をスリーブ部材9及び液体容器1に対して下方へ移動させ、そのために、キャップ7が穿孔され、針8の先端12はヘッドスペース6に突っ込まれる。針8の先端12は、完全に円形の断面を有しておらず、むしろ、針8の残部が有していない半径方向突出部(図1〜図4には図示せず)を有し、これは、キャップ7に穿孔された孔の周囲に、針8が穿孔された孔の中を通るにもかかわらず、容器1の内部を穿孔機構3のガス流路と、かくして、ガス回路4と連通させる流路を作るためである。このような半径方向突出部を有する先端形状の例を図5及び図6に示す。この第3のステップの間、ガス通路14及びガス回路4の浄化ガス圧は、容器1の内部のガス圧よりも大きく、かくして、容器1に収容されたガスが漏れ出すのを防止する。
【0015】
第4のステップにおいて、針8が図3に示す位置にあるとき、1滴又は複数滴の消泡剤23が、ポンプ25によって中空の針8を通してヘッドスペース6に注入される。各種の商業的に入手できる消泡剤を本発明に使用することができる。しかし、好ましい消泡剤は、シリコン油/水エマルション中のシリカ粉末の懸濁液を含む。1滴以上の消泡剤23は、容器1内の気−液の界面に堆積して、容器を支持体2の上に置く前に容器1を意図的に又は意図せずに加振することによってすでに形成された泡、及び、以下説明する本工程の連続するステップで形成された泡を破壊し、これにより、泡がセンサ31、33,34に到達せず、かくして、測定に影響を及ぼさない。このような消泡剤の使用により、泡吸収チャンバーの必要性がなくなることが予想される。
【0016】
第5のステップは、ヘッドスペース6内の酸素の量を測定することを含む。この趣意で、泡が容器1内で消滅するのに十分長い所定時間後、バルブ32を開いて、ヘッドスペース6のガス抜きを開始し、すなわち、ヘッドスペース6に入っていたガス混合物は、ガス通路14及びガス回路4を通って、酸素センサ33に向かって流れる。センサ33によって測定された酸素の分圧は、天井値に達するまで上昇する。天井値に到達したと思われるとすぐに、バルブ32を閉じる。酸素の分圧のこの測定天井値と、ヘッドスペース6の既知体積と、理想ガスの法則と、に基づいて、ヘッドスペース6内の初期酸素体積、すなわち、キャップ7が穿孔される前のヘッドスペース6内の酸素体積が決定される。第5ステップの間に、流量計35により測定されたガスの流量と、センサ33により測定された酸素の分圧との積の、時間積分を計算する。この積分計算を行う目的を、第7ステップの記載の中で説明する。さらに、第5のステップの間にバルブ32から逃げる二酸化炭素の量をも、二酸化炭素センサ34の測定値と、ガスの流量の値とを用いて計算する。
【0017】
第6のステップでは、容器1内の二酸化炭素の初期量を計算する。この意味で、ガスの流れを止めたまま(バルブ32を閉じたまま)にして振動装置2を駆動する。この振動装置2の駆動により、容器1内に泡を形成させるが、泡が形成されているので、泡は消泡剤23によって破壊される。容器1内で、液相と気相との平衡状態に相応する圧力平衡と温度平衡とに達する。これらの平衡圧力及び温度は圧力センサ31及び温度センサ17によって夫々測定される。この第6のステップでは、図4に示すように、針8は、その先端12、それゆえに温度センサ17が液体5に突っ込まれるように位置している。当業者に知られている数式によって、また、測定した平衡圧力及び気温を用いて、平衡状態での液体5の中の酸素の質量及びヘッドスペース6の中の酸素の質量を決定する。既知の公式では、圧力センサ31により本発明で測定された如き全圧力を必要とする。精度の向上のため、本発明は、既知の公式では、全平衡圧力を、全平衡圧力と、以下に記載する第7のステップで、バルブ32の再開後に二酸化炭素センサ34によって測定された如き二酸化炭素のパーセンテージとの積で置き換える。容器1内の二酸化炭素の初期の全質量は、平衡状態での液体5中の二酸化炭素の質量、平衡状態でのヘッドスペース6内の二酸化炭素の質量、及び、第5のステップの間に逃げた二酸化炭素の質量の合計に等しい。ヘッドスペース6内の二酸化炭素の初期質量は、ガス抜きが開始された(第5のステップでバルブ32の開放)瞬間に、センサ31、17によって夫々測定された圧力及び温度と、測定された二酸化炭素のパーセンテージと、ヘッドスペースの容積とを用いて計算されるのがよい。液体5内の二酸化炭素の初期質量は、容器1内の二酸化炭素の全初期質量から、ヘッドスペース6内の二酸化炭素の初期質量を減算することで、導き出すのがよい。
【0018】
本発明の利点は、容器1内の二酸化炭素の量を決定するため、液相と気相とを平衡にする作業が、容器1内の圧力が比較的に低い(第5ステップの間、実際には、ガスが容器1から流出するので圧力は低下する)瞬間より行われることである。かくして、その圧力と平衡圧力との差は大きい。この結果、より急速に平衡に到達し、従って、平衡圧力と温度のより正確な値が得られる。
【0019】
第7のステップは、容器1内の酸素の初期質量の測定からなる。振動装置2がヘッドスペース6ばかりでなく液体5からもガス抜きするように作動している間、バルブ32を再び開く。液体5内に溶解していたガスは液体から逃げ、ヘッドスペース6に入っていたガスと混合して、酸素センサ33に向かって流れる。容器1内の酸素の初期の全体積は、流量計35によって測定されたガス流量とセンサ33によって測定された酸素の分圧との積の時間積分を計算することによって、及び、第5のステップでの積分計算を、得られた結果に加えることによって決定される。本発明で行なわれているように、ガス流量と酸素の分圧の積の時間積分を計算することで、容器1内の酸素の初期の全量の正確な値を得ることが可能となる。
第5及び第7のステップ中に二酸化炭素純度センサ34により提供された値を使用して、容器1内の空気(酸素+窒素)及び窒素の初期量を計算してもよい。
【0020】
既に説明したように、本発明の利点は、酸素と二酸化炭素の測定が、センサ33、34に泡が達することにより乱されないことである。一般的に容器1のガス抜きを開始する前に、消泡剤23をコンテナ1に注入することは十分ある。しかしながら、本発明は、ガス抜きの間も、間だけに消泡剤23を添加することを排除しない。容器1から泡が出るのを避けるために満たされるべき1つの条件は、流量が高すぎないことである。実際、流量が高すぎる場合には、消泡剤23は、泡が形成されているとき、泡を破壊するのに十分な時間を有しないだろう。
【0021】
有利には、本発明では、予期しない泡の溢れを検出するため、安全装置が設けられている。この安全装置は、夫々図4に概略示されているように、例えば、バルブ26の上流で導管27に、及び穿孔機構3のガス通路14に、夫々設置された第1及び第2の電気接点45、46を含む。これら電気接点45、46は、導電率計を含む電気回路(図示せず)に接続されている。導電率計は、第1の接点45と第2の接点46の間の導電率又は抵抗を測定する。泡の導電率は高いため、もし、泡が第1の接点45に到達すると、接点45,46間の導電率は、素早く上昇する。このような上昇が検出されると、バルブ32を閉じ、浄化注入口28を開いて、泡を容器1の中へ押し戻し、ガスの流路を乾燥、且つ、清潔に保つ。
【0022】
時々、流量計35の較正が必要である。このような較正は、既知の圧力で基準容器30に入れられた空気が逃げるように、バルブ29、32を開くことによって行われる。所定時間間隔内でセンサ31によって測定された圧力の(容器30内のガスの既知の初期の圧力に対する)低下の測定により流量を計算する。計算された流量を、流量計35によって測定された流量と比較し、必要ならば、流量計35に補正係数を適用する。
【0023】
本発明は、例示としてのみ上で説明した。添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、変更ができることは明らかである。特に、測定の順序を変えてもよい。例えば、酸素の量の測定、より正確には、ヘッドスペース6内の酸素の量及び密封容器1内の酸素の総量の測定を、二酸化炭素の量の測定後に一工程で行ってもよい。本発明の他の修正は、例えば、アルコールの量を検出するセンサ及び/又は、液体5に溶解した他の揮発性成分を検知するための赤外線分光センサのようなさらなるセンサを加えることからなってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス混合物が溶解した液体(5)を収容している密封容器(1)内の測定対象のガスの量の測定方法であって、
前記密封された容器を穿孔するステップと、
前記穿孔された容器からガス混合物を放出するステップと、
前記放出されたガス混合物の中の前記測定対象のガスの量を測定するステップと、
前記測定に基づいて、前記密封容器内の前記測定対象のガスの初期量を決定するステップと、を含む測定方法において、
ガス混合物の放出ステップの前、及び/又は、間に、前記穿孔された容器に消泡剤(23)を注入するステップを更に含むことを特徴とするガス量の測定方法。
【請求項2】
前記注入ステップは、
前記消泡剤を、前記密封容器(1)を穿孔するための前記穿孔部材(8)内に設けられた流路(20)を通して、前記穿孔部材(8)の穿孔先端部(12)の近傍に設けられた、前記穿孔部材(8)の開口(22)まで通すステップからなることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
消泡剤(23)は、シリコン油/水エマルションへのシリカ粉末の懸濁液からなることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記決定するステップは、放出されたガス混合物の測定された流量と、放出されたガス混合物中の測定対象のガスの測定された分圧との積を時間積分することを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
前記ガス混合物の放出ステップは、穿孔された容器のヘッドスペース(6)からガス混合物を放出することを含む第1のステップを含み、
前記測定ステップは、前記ヘッドスペース(6)から放出されたガス混合物中の測定対象のガスの量を測定することを含み第1のステップを含み、
前記決定ステップは、前記測定に基づいて、前記ヘッドスペース(6)内の前記測定対象のガスの初期量を決定することからなる第1のステップを含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
前記ガス混合物放出ステップは、液体(5)に溶解したガス混合物を放出することからなる前記第1のステップに続く第2のステップを含み、
前記測定ステップは、前記ガス混合物放出ステップの第1及び第2のステップ中に放出されたガス混合物中の前記測定対象のガスの量を測定することを含む第2のステップを含み、
前記決定ステップは、前記測定に基づいて、前記密封容器(1)内の前記測定対象であるガスの初期総量を決定することを含む第2のステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記決定ステップの前記第2のステップは、前記放出されたガス混合物の測定された流量と、前記放出されたガス混合物中の測定対象のガスの測定された分圧との積を時間積分することを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ガス混合物放出ステップの第2のステップの間に、前記液体(5)からガス混合物を放出するため、前記液体(5)は振動(2)を受けることを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記ガス混合物放出ステップの第1及び第2のステップの間に、前記ガス混合物の放出は、決まった時間間隔の間中断され、前記方法は、さらに、前記時間間隔の間に、前記容器(1)内の液相と気相との平衡状態を得るステップ、及び、前記平衡温度と容器(1)内の前記平衡全圧力を測定することで、前記容器(1)内の他のガスの量を決定するステップを含むことを特徴とする請求項6から8のうち何れかに記載の方法。
【請求項10】
前記他のガスの量を決定するステップは、
前記測定された平衡温度と、前記測定された平衡全圧力と、前記放出されたガス混合物中の前記他のガスの測定されたパーセンテージとを伴う計算を行うことを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記他のガスは二酸化炭素であることを特徴とする請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
泡が前記穿孔された容器(1)に接続されたガス放出回路(4)の所定の箇所にいつ到達したかを検出するステップと、前記検出が起きるときに、ガス混合物の放出を停止させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の方法。
【請求項13】
前記測定対象のガスは酸素であることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の方法。
【請求項14】
前記液体(5)は炭酸飲料であることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
ガス混合物が溶解した液体を収容する密封容器内の測定対象のガスの量を測定する装置であって、
前記密封容器を穿孔する手段と、
前記穿孔された容器から前記ガス混合物を放出する手段(2,14,15,26,27,32,35,36)と、
前記放出されたガス混合物中の前記測定対象のガスの量を測定する手段(33)と、
前記測定に基づいて、前記密封容器内の前記測定対象のガスの初期量を決定する手段と、を含む上記装置において、
前記穿孔された容器へ消泡剤(23)を注入する手段(25、20)をさらに含むことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記注入手段は、
前記穿孔手段(8)に設けられた第1の開口(21)と、
前記第1の開口(21)よりも前記穿孔手段(8)の穿孔先端部(12)近くで
前記穿孔手段(8)に設けられた第2の開口(22)と、
前記穿孔手段内の第1及び第2の開口(21、22)を連結する流路(20)と、
前記消泡剤(23)を供給するための、前記第1の開口(21)に接続されたポンプ(25)と、
を含むことを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記決定手段(19)は、前記ガス混合物を放出する手段(2,14,15,26,27,32,35,36)を制御する制御ユニットの形態をなしていることを特徴とする請求項15又は16記載の装置。
【請求項18】
前記制御ユニット(19)は、請求項4〜10のうち何れかに記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
泡が、前記ガス混合物放出手段(14,15,26,27,32,35,36)の所定の個所にいつ到達したかを検出する手段をさらに含み、
前記制御ユニット(19)は、前記検出が起きるとき、前記ガス混合物の放出を停止するように構成されていることを特徴とする請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
前記穿孔手段(8)は、前記密封容器(1)に穿孔された孔の周囲に少なくとも一のガス流路を形成し、前記穿孔手段(8)が穿孔された孔に挿通されているにもかわらず、前記ガス混合物が前記穿孔された容器から抜け出るのを可能とする少なくとも一つの半径方向突起(40)を有する穿孔先端部(12)を含むことを特徴とする請求項15〜19の何れかに記載の方法。
【請求項21】
温度センサ(17)は穿孔先端部(12)内に設けられていることを特徴とする請求項20記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−501148(P2011−501148A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529463(P2010−529463)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003079
【国際公開番号】WO2009/050530
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(510105640)
【Fターム(参考)】