液体注出容器
【課題】詰め替え作業を簡単に行うことができるとともに、カートリッジ内の液体を十分に使い切ることが可能な液体注出容器を提供する。
【解決手段】液体注出容器１Ａは、液体を収納するカートリッジ５と、カートリッジ５を囲繞する本体容器２および本体蓋３と、本体蓋３に取り付けられるポンプ４とを備えている。カートリッジ５は、液体が充填される収容体５１と、この収容体５１の開口をシールするシール体５２とを有し、本体蓋３は、カートリッジ５のシール体５２を突き破る突き刺し管３３を有し、ポンプ４は、突き刺し管３３内に挿入されることにより当該突き刺し管３３を通じてカートリッジ５に差し込まれる吸い上げ管４３を有している。
【解決手段】液体注出容器１Ａは、液体を収納するカートリッジ５と、カートリッジ５を囲繞する本体容器２および本体蓋３と、本体蓋３に取り付けられるポンプ４とを備えている。カートリッジ５は、液体が充填される収容体５１と、この収容体５１の開口をシールするシール体５２とを有し、本体蓋３は、カートリッジ５のシール体５２を突き破る突き刺し管３３を有し、ポンプ４は、突き刺し管３３内に挿入されることにより当該突き刺し管３３を通じてカートリッジ５に差し込まれる吸い上げ管４３を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、内容物を詰め替え可能な液体注出容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えばシャンプー、リンス、ハンドソープ、ボディーソープ等を所定量注出するポンプ式の液体注出容器や、例えば液体洗剤等を噴霧状にして注出するスプレー式の液体注出容器が知られている。これらの液体注出容器においては、内容物である液体が充填された自立型の包装袋（スタンディングパウチ）が別途用意されていて、容器内が空になったときには、これを用いて内容物の詰め替えが行われるようになっている。
【０００３】
前記包装袋は、包装袋自体にこしがなく、形状が安定しない。このため、包装袋を用いた詰め替え作業では、容器に液体を注ぎ難く、場合によっては包装袋から容器に液体を移し替える際に液体を零してしまうことがある。
【０００４】
そこで、この問題点を解決する対策として、例えば特許文献１には、本体を本体容器とポンプ機能を有したねじ蓋とに二分割するとともに、液体を収納するカートリッジを前記本体容器とねじ蓋とで形成される空間内に収容するようにして、カートリッジの取り替えによって内容物の詰め替えができるようにした液体注出容器が開示されている。
【０００５】
前記カートリッジは、液体が充填された収容体がシール体で密閉されたものである。前記シール体には、中央に穴が設けられていて、この穴がタブテープで塞がれている。また、前記収容体の上部には、シール体を覆うようにキャップが被せられている。そして、詰め替え作業を行う際には、カートリッジのキャップを取り外すとともにタブテープを剥がしてシール体に設けられた穴を出現させ、このカートリッジを空になったカートリッジと取り替えた後に、ねじ蓋の吸い上げ管をカートリッジのシール体に設けられた穴に差し込みながらねじ蓋を本体容器に取り付けるようにする。
【特許文献１】特開平１０−２９６５４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記のような構成では、詰め替え作業を行う際に、キャップを取り外す作業とタブテープを剥がす作業を行う必要があり、作業が煩雑である。
【０００７】
そこで、カートリッジのシール体に予め穴を設けずに、ねじ蓋の吸い上げ管の先端を鋭利な形状にし、ねじ蓋を本体容器に取り付ける際に吸い上げ管でカートリッジのシール体に穴を開けることも考えられる。しかしながら、このようにすると、吸い上げ管の先端でカートリッジの収容体の底面を傷つけないようにするために、吸い上げ管の先端が収容体の底面に接しない程度に吸い上げ管の長さを短く設定する必要がある。そうすると、収容体の底に残る液体を吸い上げることができず、カートリッジ内の液体を十分に使い切ることができない。
【０００８】
本発明は、このような事情に鑑み、詰め替え作業を簡単に行うことができるとともに、カートリッジ内の液体を十分に使い切ることが可能な液体注出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に係る発明は、液体を収納するカートリッジと、このカートリッジが装填される本体容器と、この本体容器に着脱可能に取り付けられて、当該本体容器とで前記カートリッジを囲繞する本体蓋と、前記カートリッジ内の液体を注出するために前記本体蓋に着脱可能に取り付けられる注出器とを備え、前記カートリッジは、前記液体が充填される収容体と、この収容体の開口をシールするシール体とを有し、前記本体蓋は、前記本体容器に取り付けられる際に、前記カートリッジのシール体を突き破る突き刺し管を有し、前記注出器は、前記本体蓋に取り付けられる際に、前記突き刺し管内に挿入されることにより当該突き刺し管を通じて前記カートリッジに差し込まれる吸い上げ管を有していることを特徴とする液体注出容器である。
【００１０】
請求項２に係る発明は、請求項１に記載の液体注出容器において、前記カートリッジの収容体は、紙材で構成されていることを特徴とするものである。
【００１１】
請求項３に係る発明は、請求項１または２に記載の液体注出容器において、前記カートリッジのシール体の裏面には、ねじ穴を有するねじ部材が取り付けられていて、このねじ部材のねじ穴に前記シール体を突き破った前記突き刺し管が挿通されるようになっているとともに、前記突き刺し管には、前記ねじ穴に螺合可能なねじ部が設けられていることを特徴とするものである。
【００１２】
請求項４に係る発明は、請求項１〜３のいずれか１項に記載の液体注出容器において、前記本体容器の底部には、当該本体容器の内外を連通する貫通穴が設けられていることを特徴とするものである。
【００１３】
請求項５に係る発明は、請求項１または２に記載の液体注出容器において、前記本体蓋は、前記突き刺し管に一体に設けられ、前記突き刺し管が前記シール体を突き破った状態で、前記突き刺し管と前記シール体との隙間を水密に覆うように前記収容体と係合するカートリッジ蓋を有していることを特徴とするものである。
【００１４】
請求項６に係る発明は、請求項５に記載の液体注出容器において、前記本体蓋は、前記本体容器に着脱可能に取り付けられるドーム状の容器側蓋部材と、前記突き刺し管および前記カートリッジ蓋を含むとともに前記容器側蓋部材に着脱可能に取り付けられるカートリッジ側蓋部材とにより構成され、前記カートリッジ側蓋部材は、当該液体注出容器の非使用状態で、前記容器側蓋部材に対して離脱するとともに前記突き刺し管の突き刺し端を前記容器側蓋部材に臨ませる姿勢で前記容器側蓋部材と前記カートリッジのシール体との間に収容可能に構成されたことを特徴とするものである。
【００１５】
請求項７に係る発明は、請求項５または６に記載の液体注出容器において、前記収容体の上端部には、外方に突出するフランジが設けられ、前記カートリッジ蓋は、前記突き刺し管の外周面から外側下方に向かって傘状に延設されており、当該カートリッジ蓋の内面下部には、前記フランジに密接状態で嵌合する凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【００１６】
請求項８に係る発明は、請求項５〜７のいずれか１項に記載の液体注出容器において、前記カートリッジ蓋と前記カートリッジとの間に介在するパッキンをさらに備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１７】
請求項１に係る発明によれば、本体蓋が本体容器に取り付けられる際に、本体蓋の突き刺し管でカートリッジのシール体が突き破られるようになっているので、カートリッジのシール体に予め穴を設けておかなくても、カートリッジを装填した本体容器に本体蓋を取り付ける工程でカートリッジのシール体に穴を開けることができる。また、注出器の吸い上げ管が突き刺し管を通じてカートリッジに差し込まれるようになっているので、本体蓋を本体容器に取り付けた後に、吸い上げ管を突き刺し管内に差し込みながら注出器を本体蓋に取り付ければ、吸い上げ管の先端がカートリッジ内の液体中に浸されて、注出器による液体の注出が可能な状態になる。すなわち、空になったカートリッジを新しいカートリッジに取り替えた後に本体蓋および注出器を順次取り付けるだけの簡単な作業で詰め替え作業を行うことができる。また、突き刺し管がカートリッジのシール体を突き破る機能を有しているので、吸い上げ管の先端を鋭利な形状に形成する必要がない。従って、吸い上げ管の長さを当該吸い上げ管が収容体の底面に接する程度に設定することが可能になり、カートリッジ内の液体を十分に使い切ることができるようになる。
【００１８】
請求項２に係る発明によれば、カートリッジの収容体が紙材で構成されているので、使用済みのカートリッジを焼却処分することができる。
【００１９】
請求項３に係る発明によれば、カートリッジのシール体に取り付けられたねじ部材のねじ穴と突き刺し管のねじ部との螺合によって、シール体と突き刺し管との間がシールされるようになるため、カートリッジからの液漏れを防ぐことができる。
【００２０】
請求項４に係る発明によれば、本体容器の底部に設けられた貫通穴によって水抜きの効果が得られるとともに、カートリッジを取り替える際には、貫通穴からカートリッジを押し出してカートリッジを容易に取り外すことができる。
【００２１】
請求項５に係る発明によれば、突き刺し管とシール体との隙間を水密に覆うようなカートリッジ蓋を収容体に係合させたので、突き刺し管をシール体に突き刺すことによって生じた突き刺し管とシール体との隙間からカートリッジ内の液体が漏れ出たとしても、カートリッジ蓋によって当該液体が本体容器内にまで漏れ出すのを防ぐことができる。
【００２２】
また、本体蓋の突き刺し管に一体に設けたカートリッジ蓋によって、突き刺し管とシール体との隙間を水密に覆ったので、カートリッジの構造をほとんど変化させることなく、液漏れを防ぐことができる。これにより、詰め替え用のカートリッジのコストが上昇するのを抑えることができる。
【００２３】
また、カートリッジ蓋を突き刺し管に一体に設けることによって、突き刺し管がシール体を突き破った状態でカートリッジ蓋が収容体に係合するという構成を容易に実現することができる。
【００２４】
請求項６に係る発明によれば、店頭販売時等の非使用状態において、未開封のカートリッジを本体容器内に収容させる場合に、突き刺し管の突き刺し端がカートリッジのシール体に臨んでいないので、誤ってシール体が破れて液が漏れ出すといった不都合の発生を防ぐことができる。
【００２５】
請求項７に係る発明によれば、カートリッジの上方を傘状のカートリッジ蓋で覆いつつ、当該カートリッジ蓋の内面下部に形成した凹部をフランジに密接状態で嵌合させる構成としたので、容易に、突き刺し管とシール体との隙間を水密に覆うことができる。
【００２６】
請求項８に係る発明によれば、水密性をさらに向上させることができるので、本体容器内への液漏れを確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【００２８】
まず、図１〜図４を参照して、本発明の第１実施形態に係る液体注出容器１Ａを説明する。
【００２９】
液体注出容器１Ａは、図１および図２に示すように、液体を収容するカートリッジ５と、このカートリッジ５が装填される本体容器２と、この本体容器２に取り付けられる本体蓋３と、この本体蓋３に取り付けられるポンプ（注出器）４とを備えている。
【００３０】
前記カートリッジ５は、図４に示すように、紙材で構成された紙コップからなる収容体５１と、この収容体５１の開口をシールするシール体５２とを有している。シール体５２は、収容体５１に液体が充填された後に、当該収容体５１の開口を塞ぐように収容体５１の上端部に接合されて、収容体５１の内部を密閉するものである。このシール体５２の材質としては、例えばアルミ、紙、またはプラスチック等の後述する突き刺し管３３が容易に突き刺し可能なものを使用する。
【００３１】
前記本体容器２は、円形板状の底壁２２と、この底壁２２の外周縁部から拡径しながら上方に延びる筒状の周壁２１とを有していて上方に開口しており、内部に前記カートリッジ５が装填可能となっている。底壁２２の略中央には、図３に示すように、直径１０〜２０ｍｍの円形の貫通穴２２ａが設けられていて、この貫通穴２２ａによって本体容器２の内外が連通している。また、周壁２１の上端部の外周面には、雄ねじ部２１ａが形成されている。
【００３２】
前記本体蓋３は、前記本体容器２とで前記カートリッジ５を囲繞するためのものであり、下方に開口する略半球収容体状のドーム部３１を有している。このドーム部３１の下端部の内周面には、雌ねじ部（図示せず）が形成されていて、この雌ねじ部を本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させることにより、本体蓋３が本体容器２に着脱可能に取り付けられるようになっている。なお、本体蓋３を本体容器２に着脱可能に取り付ける構造としては、ねじ構造以外にも例えばフック等による係合構造も採用可能である。
【００３３】
また、前記ドーム部３１の頂部の外側面には、外周面に雄ねじ部が形成された筒状のポンプ取付部３２が突設されている一方、ドーム部３１の頂部の内側面には、下方に延びる突き刺し管３３が設けられている。なお、ポンプ取付部３２の内部と突き刺し管３３の内部とは、ドーム部３１の頂部に設けられた図略の貫通穴を通じて連通している。
【００３４】
前記突き刺し管３３は、本体蓋３を本体容器２に取り付ける際に前記カートリッジ５のシール体５２を突き破るためのものであり、前記ドーム部３１の下端部よりも下側の位置まで延びていて、その先端は軸心に対して所定角度をなす鋭利な形状に形成されている。
【００３５】
前記ポンプ４は、内周面に雌ねじ部（図示せず）が形成された筒状の固定部４１、吸い上げ管４３、および押し下げヘッド４２を有している。そして、吸い上げ管４３を本体蓋３のポンプ取付部３２および突き刺し管３３内に挿入した状態で、固定部４１の雌ねじ部をポンプ取付部３２の雄ねじ部に螺合させることにより、ポンプ４が本体蓋３に着脱可能に取り付けられるようになっている。
【００３６】
前記吸い上げ管４３は、軟質ホースからなっており、その長さは、ポンプ４が本体蓋３に取り付けられたときに、吸い上げ管４３の先端がカートリッジ５の収容体５１の底面に接し、吸い上げ管４３が若干弧状に撓む程度に設定されている。なお、吸い上げ管４３の長さを、ポンプ４が本体蓋３に取り付けられたときに、吸い上げ管４３の先端とカートリッジ５の収容体５１の底面との間に僅かな隙間が形成される程度に設定する場合には、吸い上げ管４３を硬質ホースで構成してもよい。
【００３７】
次に、液体注出容器１Ａの使用要領を説明する。
【００３８】
まず、本体容器２の内部にカートリッジ５を装着する。次いで、本体蓋３の突き刺し管３３をカートリッジ５のシール体５２の中央に突き刺して、シール体５２に穴を開ける。なお、カートリッジ５のシール体５２の中央に印を付けておけば、突き刺し管３３を簡単にシール体５２の中央に突き刺すことができる。そして、そのまま本体蓋３を押し込むとともに、本体蓋３のドーム部３１の雌ねじ部を本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させて、本体蓋３を本体容器２に取り付ける。このとき、本体蓋３の突き刺し管３３によって、ポンプ取付部３２からカートリッジ５の内部に至るまでのポンプ４の吸い上げ管４３を通すための軌道が確保される。
【００３９】
本体蓋３を本体容器２に取り付けた後は、ポンプ４の吸い上げ管４３をポンプ取付部３２および突き刺し管３３内に挿入するとともに、固定部４１をポンプ取付部３２に螺合させて、ポンプ４を本体蓋３に取り付ける。上記のように、突き刺し管３３によって吸い上げ管４３を通すための軌道が確保されているので、吸い上げ管４３を突き刺し管３３内に挿入することにより、吸い上げ管４３が突き刺し管３３を通じてカートリッジ５に差し込まれる。これにより、吸い上げ管４３の先端がカートリッジ５内の液体中に浸されて、ポンプ４による液体の注出が可能な状態になる。そして、押し下げヘッド４２を押し下げれば、ポンプ４からカートリッジ５内の液体が所定量注出される。
【００４０】
カートリッジ５が空になって、詰め替え作業を行う際には、ポンプ４および本体蓋３を順次取り外して空になったカートリッジ５を新しいカートリッジ５に取り替えた後に、上記と同様に本体蓋３およびポンプ４を順次取り付ければよい。
【００４１】
このように、第１実施形態に係る液体注出容器１Ａでは、空になったカートリッジ５を新しいカートリッジ５に取り替えた後に本体蓋３およびポンプ４を順次取り付けるだけの簡単な作業で詰め替え作業を行うことができる。また、本体蓋３の突き刺し管３３がカートリッジ５のシール体５２を突き破る機能を有しているので、ポンプ４の吸い上げ管４３の先端を鋭利な形状に形成する必要がない。従って、吸い上げ管４３の長さを当該吸い上げ管４３がカートリッジ５の収容体５１の底面に接する程度に設定することが可能になり、カートリッジ５内の液体を十分に使い切ることができるようになる。
【００４２】
さらには、本体容器２の底壁２２には貫通穴２２ａが設けられているので、使用時等に本体容器２内に水が入ったとしても貫通穴２２ａから排出されるようになり、貫通穴２２ａによって水抜きの効果が得られる。また、カートリッジ５を取り替える際には、この貫通穴２２ａに指を入れてカートリッジ５を下方から上方に押し出すことができるため、カートリッジ５を容易に取り外すことができる。
【００４３】
なお、カートリッジ５の収容体５１としては、紙コップ以外にもプラスチック製の容器を採用することが可能である。ただし、カートリッジ５の収容体５１が紙コップであれば、使用済みのカートリッジ５を焼却処分することができる。
【００４４】
次に、図５〜図７を参照して、本発明の第２実施形態に係る液体注出容器１Ｂを説明する。なお、第１実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【００４５】
第２実施形態に係る液体注出容器１Ｂでは、図５および図６に示すように、カートリッジ５のシール体５２の裏面の略中央にねじ部材６が取り付けられている。このねじ部材６は、中央にねじ穴６１を有する上下方向に延びる筒状の部材である。
【００４６】
一方、本体蓋３の突き刺し管３３の中間部分には、図７に示すように、前記ねじ穴６１に螺合可能な雄ねじからなるねじ部３４が設けられている。そして、本体蓋３が本体容器２に取り付けられる際には、突き刺し管３３がカートリッジ５のシール体５２の中央に突き刺されることにより、シール体５２を突き破った突き刺し管３３がねじ部材６のねじ穴６１に挿通されるようになる。さらに、そのままねじ部３４がねじ部材６に当たるまで本体蓋３を押し込み、ねじ部３４がねじ部材６に当たった後に本体蓋３を所定方向に回せば、ねじ部３４をねじ部材６のねじ穴６１に螺合させることができるとともに、これと同時に本体蓋３のドーム部３１の雌ねじ部を本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させて、本体蓋３を本体容器２に取り付けることができる。
【００４７】
このような構成であれば、カートリッジ５のシール体５２に取り付けられたねじ部材６のねじ穴６１と突き刺し管３３のねじ部３４との螺合によって、シール体５２と突き刺し管３３との間がシールされるようになるため、カートリッジ５からの液漏れを防ぐことができる。
【００４８】
次に、図８〜図１０を参照して、本発明の第３実施形態に係る液体注出容器１Ｃを説明する。なお、第１実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【００４９】
第３実施形態に係る液体注出容器１Ｃは、図８〜図１０に示すように、第１実施形態とは異なる構成の本体蓋７およびカートリッジ１０を備えている。
【００５０】
本体蓋７は、ドーム状の容器側蓋部材８、および、この容器側蓋部材８に着脱可能に取り付けられるカートリッジ側蓋部材９の２つのパーツにより構成されている。
【００５１】
容器側蓋部材８は、本体容器２に着脱可能に取り付けられており、図９に示すように、第１実施形態と同様の構成のドーム部３１およびポンプ取付部３２を有するのに加え、管状の支持部８１を有している。上記ドーム部３１の下端部の内周面には、雌ねじ部３１ａが形成されている。
【００５２】
支持部８１は、ドーム部３１の頂部の内面から下方に延設されている。この支持部８１の内部とポンプ取付部３２の内部とは、ドーム部３１の頂部に設けられた貫通穴を通じて連通しており、ここに吸い上げ管４３が挿通されるようになっている。支持部８１の内面下端部には、雌ねじ部８１ａが形成されている。
【００５３】
カートリッジ側蓋部材９は、突き刺し管９１と、この突き刺し管９１に一体に形成されるカートリッジ蓋９２とを有している。また、第３実施形態の液体注出容器１Ｃでは、店頭販売時等の非使用状態において、図１０に示すように、カートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に対して離脱させて、突き刺し管９１の突き刺し端が容器側蓋部材８に臨むような姿勢で容器側蓋部材８とカートリッジ１０のシール体５２との間の空間に収容可能なようになっている。
【００５４】
突き刺し管９１は、第１実施形態の突き刺し管３３と同様の機能を有するものである。この突き刺し管９１の突き刺し端と反対側の端部外面には、上記した支持部８１の雌ねじ部８１ａと螺合してカートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に取り付けるための雄ねじ部９１ａが形成されている。
【００５５】
また、突き刺し管９１は、その外径が支持部８１の内径よりも僅かに小さくなるように構成されている。従って、カートリッジ側蓋部材９を反転させて容器側蓋部材８とシール体５２との間に収容する際には、突き刺し管９１が支持部８１の内側に入り込んで互いに干渉し合わないので、コンパクトに収容することができるようになっている。
【００５６】
また、突き刺し管９１の突き刺し端と反対側の端縁は、当該突き刺し管９１の軸心と直交する面上に揃っている。この端縁は、図１０に示すように、カートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８とカートリッジ１０との間に収容した状態でシール体５２と対向する部位である。
【００５７】
カートリッジ蓋９２は、突き刺し管９１がシール体５２を突き破ることによって生じる突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓ（図８参照）を水密に覆うように収容体５１と係合するように構成されている。
【００５８】
より具体的には、カートリッジ蓋９２は、突き刺し管９１の外周面から外側下方（突き刺し端の方向）に向かって傘状に拡がるように延設されており、凹部９２ａと、肉厚部９２ｂと、溝部９２ｃとを有している。
【００５９】
凹部９２ａは、当該カートリッジ蓋９２の内面下部に全周に亘って形成されており、次述するカートリッジ１０のフランジ５１ａに密接状態で嵌合するものである。このような凹部９２ａをカートリッジ蓋９２に設けることによって、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓから漏れ出た液体が本体容器２内にまで漏れ出すのを防ぐことができる。
【００６０】
肉厚部９２ｂは、凹部９２ａの内側に設けられており、その下端は平坦面となっている。そして、肉厚部９２ｂは、カートリッジ蓋９２をカートリッジ１０に取り付けた際には、シール体５２と略密接状態となるように構成されている。この肉厚部９２ｂによって、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓから漏れ出た液体が凹部９２ａに達するのをある程度阻止することが可能であり、これによっても液体の本体容器２内への液漏れを防いでいる。
【００６１】
溝部９２ｃは、肉厚部９２ｂの内側の突き刺し管９１に隣接する部位に設けられている。この溝部９２ｃを設けることによって、カートリッジ蓋９２をカートリッジ１０に取り付ける際に、カートリッジ蓋９２の下端縁が径外方向に容易に撓み変形するようになるので、カートリッジ蓋９２のカートリッジ１０への取付けが容易になる。また、カートリッジ蓋９２を、天地を反転させて容器側蓋部材８とカートリッジ１０との間の空間に収容する際には、容器側蓋部材８の支持軸８１が溝部９２ｃに入り込むことによって、液体注出容器１Ｃ全体をコンパクトにすることが可能になっている。
【００６２】
また、第３実施形態のカートリッジ１０の収容体５１の上端部には、外方に突出するフランジ５１ａが形成されている。このようなカートリッジ１０は、フランジ５１ａの強度を考慮すると、紙容器よりもプラスチック容器の方が好ましい。なお、プラスチック容器に、その側周面および底面を包み込むような形状の紙材からなるカバー体を被せた２重構造の容器であってもよい。
【００６３】
また、第３実施形態では、吸い上げ管４３がポンプ４本体に対して着脱可能に構成されている。これによって、店頭販売時等の非使用状態（図１０参照）では、吸い上げ管４３をポンプ４本体から離脱させ、カートリッジ１０を本体容器２に収容した形態とすることが可能となる。吸い上げ管４３は、本体容器２内の内側面に沿わせて収容されている。なお、吸い上げ管４３を本体容器２の外周面に貼り付ける等してもよい。
【００６４】
また、図示は省略したが、カートリッジ１０を固定的に保持するための保持部が本体容器２内の下部に設けられている。また、第３実施形態においても、第１実施形態と同様、本体容器２の底壁２２に貫通穴を設けることができる。
【００６５】
次に、液体注出容器１Ｃの使用要領を説明する。
【００６６】
液体注出容器１Ｃは、店頭販売時等の使用前の状態（図１０参照）では、カートリッジ１０が本体容器２内に収容されており、カートリッジ側蓋部材９が天地を反転された姿勢で容器側蓋部材８とカートリッジ１０との間の空間に収容されている。また、吸い上げ管４３は、本体容器２内の内側面に沿わせて収容されている。
【００６７】
そして、使用に際しては、本体蓋７を本体容器２から取り外し、カートリッジ側蓋部材９を、その突き刺し管９１の突き刺し端が下方を向くような姿勢で容器側蓋部材８に取り付ける。
【００６８】
次いで、本体蓋７のドーム部３１の雌ねじ部３１ａを本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させ、本体蓋７を本体容器２に取り付ける。このとき、突き刺し管９１が、本体容器２の内部に装着されているカートリッジ１０のシール体５２の中央に突き刺さり、シール体５２に穴が開く。これによって、ポンプ取付部３２からカートリッジ１０の内部に至るまでのポンプ４の吸い上げ管４３を通すための軌道が確保される。また、このとき、カートリッジ蓋９２の凹部９２ａが、カートリッジ１０の収容体５１のフランジ５１ａに密接状態で係合する。これによって、突き刺し管９１をシール体５２に突き刺すことで生じた突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓが水密に覆われるようになる。
【００６９】
本体蓋７を本体容器２に取り付けた後は、吸い上げ管４３をポンプ４本体に取り付け、ポンプ４の吸い上げ管４３をポンプ取付部３２および突き刺し管９１内に挿入するとともに、固定部４１をポンプ取付部３２に螺合させて、ポンプ４を本体蓋７に取り付ける。上記のように、突き刺し管９１によって吸い上げ管４３を通すための軌道が確保されているので、吸い上げ管４３を突き刺し管９１内に挿入することにより、吸い上げ管４３が突き刺し管９１を通じてカートリッジ１０に差し込まれる。これにより、吸い上げ管４３の先端がカートリッジ１０内の液体中に浸されて、ポンプ４による液体の注出が可能な状態になる。そして、押し下げヘッド４２を押し下げれば、ポンプ４からカートリッジ１０内の液体が所定量注出される。
【００７０】
カートリッジ１０が空になって、詰め替え作業を行う際には、ポンプ４および本体蓋７を順次取り外し、カートリッジ１０とカートリッジ側蓋部材９との係合状態を解除し、新しいカートリッジ１０を本体容器２内に装着した後に、上記と同様に本体蓋７およびポンプ４を順次取り付ければよい。
【００７１】
このように、第３実施形態に係る液体注出容器１Ｃでは、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓを水密に覆うようなカートリッジ蓋９２を収容体５１に係合させたので、突き刺し管９１をシール体５２に突き刺すことによって生じた突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓからカートリッジ１０内の液体が漏れ出たとしても、カートリッジ蓋９２によって当該液体が本体容器２内にまで漏れ出すのを防ぐことができる。
【００７２】
また、本体蓋７の突き刺し管９１に一体に設けたカートリッジ蓋９２によって、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓを水密に覆ったので、カートリッジ１０の構造をほとんど変化させることなく、液漏れを防ぐことができる。これにより、詰め替え用のカートリッジ１０のコストが上昇するのを抑えることができる。
【００７３】
また、カートリッジ蓋９２を突き刺し管９１に一体に設けることによって、突き刺し管９１がシール体５２を突き破った状態でカートリッジ蓋９２が収容体５１に係合するという構成を容易に実現することができる。
【００７４】
また、店頭販売時等の非使用時において、未開封のカートリッジ１０を本体容器２内に収容させる場合に、突き刺し管９１の突き刺し端がカートリッジ１０のシール体５２に臨んでいないので、誤ってシール体５２が破れて液が漏れ出すといった不都合の発生を防ぐことができる。
【００７５】
また、カートリッジ１０の上方を傘状のカートリッジ蓋９２で覆いつつ、当該カートリッジ蓋９２の内面下部に形成した凹部９２ａをフランジ５１ａに密接状態で嵌合させたので、容易に、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓを水密に覆うことができる。
【００７６】
なお、前記第１、第２および第３実施形態では、注出器として液体を所定量注出するポンプ４を採用した形態を示したが、注出器としては、例えば液体を噴霧状にして注出するスプレー等を採用することも可能である。
【００７７】
また、第３実施形態の変形例として、図１１に示すように、カートリッジ蓋９２とカートリッジ１０との間に円環状のパッキン１１を介在させてもよい。このように構成すれば、水密性をさらに向上させることができるので、本体容器２内への液漏れを確実に防ぐことができる。また、この場合、パッキン１１によって容易に水密性を確保することができるので、カートリッジ蓋の下端に周方向に間欠的に切欠き部を形成して、カートリッジ蓋とカートリッジ１０との係合性をより容易にするように構成してもよい。
【００７８】
また、第３実施形態では、各ねじ部８１ａ，９１ａの螺合によりカートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に取り付ける（固定する）ように構成したが、これに限らず、フック構造によりカートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に取り付けるようにしてもよい。なお、フック構造による取付けでは、カートリッジ側蓋部材９が容器側蓋部材８と共回りしない構成とすることもできる。この場合には、本体蓋７（容器側蓋部材８）を回転させて本体容器２に取り付ける際に、カートリッジ側蓋部材９が回転を伴うことなく下方に移動する。そして、突き刺し管９１がシール体５２を突き破るとともにカートリッジ蓋９２がカートリッジ１０に係合し、これによって突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓが水密に覆われることになる。
【００７９】
また、第３実施形態では、容器側蓋部材８とカートリッジ側蓋部材９とを別部材で構成する例について示したが、これに限らず、両者が一体に成形されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【００８０】
【図１】本発明の第１実施形態に係る液体注出容器の側面図である。
【図２】液体注出容器の分解側面図である。
【図３】本体容器の斜視図である。
【図４】カートリッジの斜視図である。
【図５】本発明の第２実施形態に係る液体注出容器の側面図である。
【図６】（ａ）はカートリッジの斜視図、（ｂ）は（ａ）のＩ−Ｉ線断面図である。
【図７】本体蓋の側面図である。
【図８】本発明の第３実施形態に係る液体注出容器の側面断面図である。
【図９】図８に示した液体注出容器の分解側面図である。
【図１０】図８に示した液体注出容器の使用前の態様を示した側面断面図である。
【図１１】第３実施形態の変形例に係る液体注出容器を部分的に示した分解側面断面図である。
【符号の説明】
【００８１】
１Ａ，１Ｂ，１Ｃ 液体注出容器
２ 本体容器
３，７ 本体蓋
３３，９１ 突き刺し管
３４ ねじ部
４ ポンプ（注出器）
４３ 吸い上げ管
５，１０ カートリッジ
５１ 収容体
５１ａ フランジ
５２ シール体
６ ねじ部材
６１ ねじ穴
８ 容器側蓋部材
９ カートリッジ側蓋部材
９２ カートリッジ蓋
９２ａ 凹部
１１ パッキン
Ｓ 隙間
【技術分野】
【０００１】
本発明は、内容物を詰め替え可能な液体注出容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、例えばシャンプー、リンス、ハンドソープ、ボディーソープ等を所定量注出するポンプ式の液体注出容器や、例えば液体洗剤等を噴霧状にして注出するスプレー式の液体注出容器が知られている。これらの液体注出容器においては、内容物である液体が充填された自立型の包装袋（スタンディングパウチ）が別途用意されていて、容器内が空になったときには、これを用いて内容物の詰め替えが行われるようになっている。
【０００３】
前記包装袋は、包装袋自体にこしがなく、形状が安定しない。このため、包装袋を用いた詰め替え作業では、容器に液体を注ぎ難く、場合によっては包装袋から容器に液体を移し替える際に液体を零してしまうことがある。
【０００４】
そこで、この問題点を解決する対策として、例えば特許文献１には、本体を本体容器とポンプ機能を有したねじ蓋とに二分割するとともに、液体を収納するカートリッジを前記本体容器とねじ蓋とで形成される空間内に収容するようにして、カートリッジの取り替えによって内容物の詰め替えができるようにした液体注出容器が開示されている。
【０００５】
前記カートリッジは、液体が充填された収容体がシール体で密閉されたものである。前記シール体には、中央に穴が設けられていて、この穴がタブテープで塞がれている。また、前記収容体の上部には、シール体を覆うようにキャップが被せられている。そして、詰め替え作業を行う際には、カートリッジのキャップを取り外すとともにタブテープを剥がしてシール体に設けられた穴を出現させ、このカートリッジを空になったカートリッジと取り替えた後に、ねじ蓋の吸い上げ管をカートリッジのシール体に設けられた穴に差し込みながらねじ蓋を本体容器に取り付けるようにする。
【特許文献１】特開平１０−２９６５４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記のような構成では、詰め替え作業を行う際に、キャップを取り外す作業とタブテープを剥がす作業を行う必要があり、作業が煩雑である。
【０００７】
そこで、カートリッジのシール体に予め穴を設けずに、ねじ蓋の吸い上げ管の先端を鋭利な形状にし、ねじ蓋を本体容器に取り付ける際に吸い上げ管でカートリッジのシール体に穴を開けることも考えられる。しかしながら、このようにすると、吸い上げ管の先端でカートリッジの収容体の底面を傷つけないようにするために、吸い上げ管の先端が収容体の底面に接しない程度に吸い上げ管の長さを短く設定する必要がある。そうすると、収容体の底に残る液体を吸い上げることができず、カートリッジ内の液体を十分に使い切ることができない。
【０００８】
本発明は、このような事情に鑑み、詰め替え作業を簡単に行うことができるとともに、カートリッジ内の液体を十分に使い切ることが可能な液体注出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に係る発明は、液体を収納するカートリッジと、このカートリッジが装填される本体容器と、この本体容器に着脱可能に取り付けられて、当該本体容器とで前記カートリッジを囲繞する本体蓋と、前記カートリッジ内の液体を注出するために前記本体蓋に着脱可能に取り付けられる注出器とを備え、前記カートリッジは、前記液体が充填される収容体と、この収容体の開口をシールするシール体とを有し、前記本体蓋は、前記本体容器に取り付けられる際に、前記カートリッジのシール体を突き破る突き刺し管を有し、前記注出器は、前記本体蓋に取り付けられる際に、前記突き刺し管内に挿入されることにより当該突き刺し管を通じて前記カートリッジに差し込まれる吸い上げ管を有していることを特徴とする液体注出容器である。
【００１０】
請求項２に係る発明は、請求項１に記載の液体注出容器において、前記カートリッジの収容体は、紙材で構成されていることを特徴とするものである。
【００１１】
請求項３に係る発明は、請求項１または２に記載の液体注出容器において、前記カートリッジのシール体の裏面には、ねじ穴を有するねじ部材が取り付けられていて、このねじ部材のねじ穴に前記シール体を突き破った前記突き刺し管が挿通されるようになっているとともに、前記突き刺し管には、前記ねじ穴に螺合可能なねじ部が設けられていることを特徴とするものである。
【００１２】
請求項４に係る発明は、請求項１〜３のいずれか１項に記載の液体注出容器において、前記本体容器の底部には、当該本体容器の内外を連通する貫通穴が設けられていることを特徴とするものである。
【００１３】
請求項５に係る発明は、請求項１または２に記載の液体注出容器において、前記本体蓋は、前記突き刺し管に一体に設けられ、前記突き刺し管が前記シール体を突き破った状態で、前記突き刺し管と前記シール体との隙間を水密に覆うように前記収容体と係合するカートリッジ蓋を有していることを特徴とするものである。
【００１４】
請求項６に係る発明は、請求項５に記載の液体注出容器において、前記本体蓋は、前記本体容器に着脱可能に取り付けられるドーム状の容器側蓋部材と、前記突き刺し管および前記カートリッジ蓋を含むとともに前記容器側蓋部材に着脱可能に取り付けられるカートリッジ側蓋部材とにより構成され、前記カートリッジ側蓋部材は、当該液体注出容器の非使用状態で、前記容器側蓋部材に対して離脱するとともに前記突き刺し管の突き刺し端を前記容器側蓋部材に臨ませる姿勢で前記容器側蓋部材と前記カートリッジのシール体との間に収容可能に構成されたことを特徴とするものである。
【００１５】
請求項７に係る発明は、請求項５または６に記載の液体注出容器において、前記収容体の上端部には、外方に突出するフランジが設けられ、前記カートリッジ蓋は、前記突き刺し管の外周面から外側下方に向かって傘状に延設されており、当該カートリッジ蓋の内面下部には、前記フランジに密接状態で嵌合する凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【００１６】
請求項８に係る発明は、請求項５〜７のいずれか１項に記載の液体注出容器において、前記カートリッジ蓋と前記カートリッジとの間に介在するパッキンをさらに備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１７】
請求項１に係る発明によれば、本体蓋が本体容器に取り付けられる際に、本体蓋の突き刺し管でカートリッジのシール体が突き破られるようになっているので、カートリッジのシール体に予め穴を設けておかなくても、カートリッジを装填した本体容器に本体蓋を取り付ける工程でカートリッジのシール体に穴を開けることができる。また、注出器の吸い上げ管が突き刺し管を通じてカートリッジに差し込まれるようになっているので、本体蓋を本体容器に取り付けた後に、吸い上げ管を突き刺し管内に差し込みながら注出器を本体蓋に取り付ければ、吸い上げ管の先端がカートリッジ内の液体中に浸されて、注出器による液体の注出が可能な状態になる。すなわち、空になったカートリッジを新しいカートリッジに取り替えた後に本体蓋および注出器を順次取り付けるだけの簡単な作業で詰め替え作業を行うことができる。また、突き刺し管がカートリッジのシール体を突き破る機能を有しているので、吸い上げ管の先端を鋭利な形状に形成する必要がない。従って、吸い上げ管の長さを当該吸い上げ管が収容体の底面に接する程度に設定することが可能になり、カートリッジ内の液体を十分に使い切ることができるようになる。
【００１８】
請求項２に係る発明によれば、カートリッジの収容体が紙材で構成されているので、使用済みのカートリッジを焼却処分することができる。
【００１９】
請求項３に係る発明によれば、カートリッジのシール体に取り付けられたねじ部材のねじ穴と突き刺し管のねじ部との螺合によって、シール体と突き刺し管との間がシールされるようになるため、カートリッジからの液漏れを防ぐことができる。
【００２０】
請求項４に係る発明によれば、本体容器の底部に設けられた貫通穴によって水抜きの効果が得られるとともに、カートリッジを取り替える際には、貫通穴からカートリッジを押し出してカートリッジを容易に取り外すことができる。
【００２１】
請求項５に係る発明によれば、突き刺し管とシール体との隙間を水密に覆うようなカートリッジ蓋を収容体に係合させたので、突き刺し管をシール体に突き刺すことによって生じた突き刺し管とシール体との隙間からカートリッジ内の液体が漏れ出たとしても、カートリッジ蓋によって当該液体が本体容器内にまで漏れ出すのを防ぐことができる。
【００２２】
また、本体蓋の突き刺し管に一体に設けたカートリッジ蓋によって、突き刺し管とシール体との隙間を水密に覆ったので、カートリッジの構造をほとんど変化させることなく、液漏れを防ぐことができる。これにより、詰め替え用のカートリッジのコストが上昇するのを抑えることができる。
【００２３】
また、カートリッジ蓋を突き刺し管に一体に設けることによって、突き刺し管がシール体を突き破った状態でカートリッジ蓋が収容体に係合するという構成を容易に実現することができる。
【００２４】
請求項６に係る発明によれば、店頭販売時等の非使用状態において、未開封のカートリッジを本体容器内に収容させる場合に、突き刺し管の突き刺し端がカートリッジのシール体に臨んでいないので、誤ってシール体が破れて液が漏れ出すといった不都合の発生を防ぐことができる。
【００２５】
請求項７に係る発明によれば、カートリッジの上方を傘状のカートリッジ蓋で覆いつつ、当該カートリッジ蓋の内面下部に形成した凹部をフランジに密接状態で嵌合させる構成としたので、容易に、突き刺し管とシール体との隙間を水密に覆うことができる。
【００２６】
請求項８に係る発明によれば、水密性をさらに向上させることができるので、本体容器内への液漏れを確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【００２８】
まず、図１〜図４を参照して、本発明の第１実施形態に係る液体注出容器１Ａを説明する。
【００２９】
液体注出容器１Ａは、図１および図２に示すように、液体を収容するカートリッジ５と、このカートリッジ５が装填される本体容器２と、この本体容器２に取り付けられる本体蓋３と、この本体蓋３に取り付けられるポンプ（注出器）４とを備えている。
【００３０】
前記カートリッジ５は、図４に示すように、紙材で構成された紙コップからなる収容体５１と、この収容体５１の開口をシールするシール体５２とを有している。シール体５２は、収容体５１に液体が充填された後に、当該収容体５１の開口を塞ぐように収容体５１の上端部に接合されて、収容体５１の内部を密閉するものである。このシール体５２の材質としては、例えばアルミ、紙、またはプラスチック等の後述する突き刺し管３３が容易に突き刺し可能なものを使用する。
【００３１】
前記本体容器２は、円形板状の底壁２２と、この底壁２２の外周縁部から拡径しながら上方に延びる筒状の周壁２１とを有していて上方に開口しており、内部に前記カートリッジ５が装填可能となっている。底壁２２の略中央には、図３に示すように、直径１０〜２０ｍｍの円形の貫通穴２２ａが設けられていて、この貫通穴２２ａによって本体容器２の内外が連通している。また、周壁２１の上端部の外周面には、雄ねじ部２１ａが形成されている。
【００３２】
前記本体蓋３は、前記本体容器２とで前記カートリッジ５を囲繞するためのものであり、下方に開口する略半球収容体状のドーム部３１を有している。このドーム部３１の下端部の内周面には、雌ねじ部（図示せず）が形成されていて、この雌ねじ部を本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させることにより、本体蓋３が本体容器２に着脱可能に取り付けられるようになっている。なお、本体蓋３を本体容器２に着脱可能に取り付ける構造としては、ねじ構造以外にも例えばフック等による係合構造も採用可能である。
【００３３】
また、前記ドーム部３１の頂部の外側面には、外周面に雄ねじ部が形成された筒状のポンプ取付部３２が突設されている一方、ドーム部３１の頂部の内側面には、下方に延びる突き刺し管３３が設けられている。なお、ポンプ取付部３２の内部と突き刺し管３３の内部とは、ドーム部３１の頂部に設けられた図略の貫通穴を通じて連通している。
【００３４】
前記突き刺し管３３は、本体蓋３を本体容器２に取り付ける際に前記カートリッジ５のシール体５２を突き破るためのものであり、前記ドーム部３１の下端部よりも下側の位置まで延びていて、その先端は軸心に対して所定角度をなす鋭利な形状に形成されている。
【００３５】
前記ポンプ４は、内周面に雌ねじ部（図示せず）が形成された筒状の固定部４１、吸い上げ管４３、および押し下げヘッド４２を有している。そして、吸い上げ管４３を本体蓋３のポンプ取付部３２および突き刺し管３３内に挿入した状態で、固定部４１の雌ねじ部をポンプ取付部３２の雄ねじ部に螺合させることにより、ポンプ４が本体蓋３に着脱可能に取り付けられるようになっている。
【００３６】
前記吸い上げ管４３は、軟質ホースからなっており、その長さは、ポンプ４が本体蓋３に取り付けられたときに、吸い上げ管４３の先端がカートリッジ５の収容体５１の底面に接し、吸い上げ管４３が若干弧状に撓む程度に設定されている。なお、吸い上げ管４３の長さを、ポンプ４が本体蓋３に取り付けられたときに、吸い上げ管４３の先端とカートリッジ５の収容体５１の底面との間に僅かな隙間が形成される程度に設定する場合には、吸い上げ管４３を硬質ホースで構成してもよい。
【００３７】
次に、液体注出容器１Ａの使用要領を説明する。
【００３８】
まず、本体容器２の内部にカートリッジ５を装着する。次いで、本体蓋３の突き刺し管３３をカートリッジ５のシール体５２の中央に突き刺して、シール体５２に穴を開ける。なお、カートリッジ５のシール体５２の中央に印を付けておけば、突き刺し管３３を簡単にシール体５２の中央に突き刺すことができる。そして、そのまま本体蓋３を押し込むとともに、本体蓋３のドーム部３１の雌ねじ部を本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させて、本体蓋３を本体容器２に取り付ける。このとき、本体蓋３の突き刺し管３３によって、ポンプ取付部３２からカートリッジ５の内部に至るまでのポンプ４の吸い上げ管４３を通すための軌道が確保される。
【００３９】
本体蓋３を本体容器２に取り付けた後は、ポンプ４の吸い上げ管４３をポンプ取付部３２および突き刺し管３３内に挿入するとともに、固定部４１をポンプ取付部３２に螺合させて、ポンプ４を本体蓋３に取り付ける。上記のように、突き刺し管３３によって吸い上げ管４３を通すための軌道が確保されているので、吸い上げ管４３を突き刺し管３３内に挿入することにより、吸い上げ管４３が突き刺し管３３を通じてカートリッジ５に差し込まれる。これにより、吸い上げ管４３の先端がカートリッジ５内の液体中に浸されて、ポンプ４による液体の注出が可能な状態になる。そして、押し下げヘッド４２を押し下げれば、ポンプ４からカートリッジ５内の液体が所定量注出される。
【００４０】
カートリッジ５が空になって、詰め替え作業を行う際には、ポンプ４および本体蓋３を順次取り外して空になったカートリッジ５を新しいカートリッジ５に取り替えた後に、上記と同様に本体蓋３およびポンプ４を順次取り付ければよい。
【００４１】
このように、第１実施形態に係る液体注出容器１Ａでは、空になったカートリッジ５を新しいカートリッジ５に取り替えた後に本体蓋３およびポンプ４を順次取り付けるだけの簡単な作業で詰め替え作業を行うことができる。また、本体蓋３の突き刺し管３３がカートリッジ５のシール体５２を突き破る機能を有しているので、ポンプ４の吸い上げ管４３の先端を鋭利な形状に形成する必要がない。従って、吸い上げ管４３の長さを当該吸い上げ管４３がカートリッジ５の収容体５１の底面に接する程度に設定することが可能になり、カートリッジ５内の液体を十分に使い切ることができるようになる。
【００４２】
さらには、本体容器２の底壁２２には貫通穴２２ａが設けられているので、使用時等に本体容器２内に水が入ったとしても貫通穴２２ａから排出されるようになり、貫通穴２２ａによって水抜きの効果が得られる。また、カートリッジ５を取り替える際には、この貫通穴２２ａに指を入れてカートリッジ５を下方から上方に押し出すことができるため、カートリッジ５を容易に取り外すことができる。
【００４３】
なお、カートリッジ５の収容体５１としては、紙コップ以外にもプラスチック製の容器を採用することが可能である。ただし、カートリッジ５の収容体５１が紙コップであれば、使用済みのカートリッジ５を焼却処分することができる。
【００４４】
次に、図５〜図７を参照して、本発明の第２実施形態に係る液体注出容器１Ｂを説明する。なお、第１実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【００４５】
第２実施形態に係る液体注出容器１Ｂでは、図５および図６に示すように、カートリッジ５のシール体５２の裏面の略中央にねじ部材６が取り付けられている。このねじ部材６は、中央にねじ穴６１を有する上下方向に延びる筒状の部材である。
【００４６】
一方、本体蓋３の突き刺し管３３の中間部分には、図７に示すように、前記ねじ穴６１に螺合可能な雄ねじからなるねじ部３４が設けられている。そして、本体蓋３が本体容器２に取り付けられる際には、突き刺し管３３がカートリッジ５のシール体５２の中央に突き刺されることにより、シール体５２を突き破った突き刺し管３３がねじ部材６のねじ穴６１に挿通されるようになる。さらに、そのままねじ部３４がねじ部材６に当たるまで本体蓋３を押し込み、ねじ部３４がねじ部材６に当たった後に本体蓋３を所定方向に回せば、ねじ部３４をねじ部材６のねじ穴６１に螺合させることができるとともに、これと同時に本体蓋３のドーム部３１の雌ねじ部を本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させて、本体蓋３を本体容器２に取り付けることができる。
【００４７】
このような構成であれば、カートリッジ５のシール体５２に取り付けられたねじ部材６のねじ穴６１と突き刺し管３３のねじ部３４との螺合によって、シール体５２と突き刺し管３３との間がシールされるようになるため、カートリッジ５からの液漏れを防ぐことができる。
【００４８】
次に、図８〜図１０を参照して、本発明の第３実施形態に係る液体注出容器１Ｃを説明する。なお、第１実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【００４９】
第３実施形態に係る液体注出容器１Ｃは、図８〜図１０に示すように、第１実施形態とは異なる構成の本体蓋７およびカートリッジ１０を備えている。
【００５０】
本体蓋７は、ドーム状の容器側蓋部材８、および、この容器側蓋部材８に着脱可能に取り付けられるカートリッジ側蓋部材９の２つのパーツにより構成されている。
【００５１】
容器側蓋部材８は、本体容器２に着脱可能に取り付けられており、図９に示すように、第１実施形態と同様の構成のドーム部３１およびポンプ取付部３２を有するのに加え、管状の支持部８１を有している。上記ドーム部３１の下端部の内周面には、雌ねじ部３１ａが形成されている。
【００５２】
支持部８１は、ドーム部３１の頂部の内面から下方に延設されている。この支持部８１の内部とポンプ取付部３２の内部とは、ドーム部３１の頂部に設けられた貫通穴を通じて連通しており、ここに吸い上げ管４３が挿通されるようになっている。支持部８１の内面下端部には、雌ねじ部８１ａが形成されている。
【００５３】
カートリッジ側蓋部材９は、突き刺し管９１と、この突き刺し管９１に一体に形成されるカートリッジ蓋９２とを有している。また、第３実施形態の液体注出容器１Ｃでは、店頭販売時等の非使用状態において、図１０に示すように、カートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に対して離脱させて、突き刺し管９１の突き刺し端が容器側蓋部材８に臨むような姿勢で容器側蓋部材８とカートリッジ１０のシール体５２との間の空間に収容可能なようになっている。
【００５４】
突き刺し管９１は、第１実施形態の突き刺し管３３と同様の機能を有するものである。この突き刺し管９１の突き刺し端と反対側の端部外面には、上記した支持部８１の雌ねじ部８１ａと螺合してカートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に取り付けるための雄ねじ部９１ａが形成されている。
【００５５】
また、突き刺し管９１は、その外径が支持部８１の内径よりも僅かに小さくなるように構成されている。従って、カートリッジ側蓋部材９を反転させて容器側蓋部材８とシール体５２との間に収容する際には、突き刺し管９１が支持部８１の内側に入り込んで互いに干渉し合わないので、コンパクトに収容することができるようになっている。
【００５６】
また、突き刺し管９１の突き刺し端と反対側の端縁は、当該突き刺し管９１の軸心と直交する面上に揃っている。この端縁は、図１０に示すように、カートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８とカートリッジ１０との間に収容した状態でシール体５２と対向する部位である。
【００５７】
カートリッジ蓋９２は、突き刺し管９１がシール体５２を突き破ることによって生じる突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓ（図８参照）を水密に覆うように収容体５１と係合するように構成されている。
【００５８】
より具体的には、カートリッジ蓋９２は、突き刺し管９１の外周面から外側下方（突き刺し端の方向）に向かって傘状に拡がるように延設されており、凹部９２ａと、肉厚部９２ｂと、溝部９２ｃとを有している。
【００５９】
凹部９２ａは、当該カートリッジ蓋９２の内面下部に全周に亘って形成されており、次述するカートリッジ１０のフランジ５１ａに密接状態で嵌合するものである。このような凹部９２ａをカートリッジ蓋９２に設けることによって、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓから漏れ出た液体が本体容器２内にまで漏れ出すのを防ぐことができる。
【００６０】
肉厚部９２ｂは、凹部９２ａの内側に設けられており、その下端は平坦面となっている。そして、肉厚部９２ｂは、カートリッジ蓋９２をカートリッジ１０に取り付けた際には、シール体５２と略密接状態となるように構成されている。この肉厚部９２ｂによって、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓから漏れ出た液体が凹部９２ａに達するのをある程度阻止することが可能であり、これによっても液体の本体容器２内への液漏れを防いでいる。
【００６１】
溝部９２ｃは、肉厚部９２ｂの内側の突き刺し管９１に隣接する部位に設けられている。この溝部９２ｃを設けることによって、カートリッジ蓋９２をカートリッジ１０に取り付ける際に、カートリッジ蓋９２の下端縁が径外方向に容易に撓み変形するようになるので、カートリッジ蓋９２のカートリッジ１０への取付けが容易になる。また、カートリッジ蓋９２を、天地を反転させて容器側蓋部材８とカートリッジ１０との間の空間に収容する際には、容器側蓋部材８の支持軸８１が溝部９２ｃに入り込むことによって、液体注出容器１Ｃ全体をコンパクトにすることが可能になっている。
【００６２】
また、第３実施形態のカートリッジ１０の収容体５１の上端部には、外方に突出するフランジ５１ａが形成されている。このようなカートリッジ１０は、フランジ５１ａの強度を考慮すると、紙容器よりもプラスチック容器の方が好ましい。なお、プラスチック容器に、その側周面および底面を包み込むような形状の紙材からなるカバー体を被せた２重構造の容器であってもよい。
【００６３】
また、第３実施形態では、吸い上げ管４３がポンプ４本体に対して着脱可能に構成されている。これによって、店頭販売時等の非使用状態（図１０参照）では、吸い上げ管４３をポンプ４本体から離脱させ、カートリッジ１０を本体容器２に収容した形態とすることが可能となる。吸い上げ管４３は、本体容器２内の内側面に沿わせて収容されている。なお、吸い上げ管４３を本体容器２の外周面に貼り付ける等してもよい。
【００６４】
また、図示は省略したが、カートリッジ１０を固定的に保持するための保持部が本体容器２内の下部に設けられている。また、第３実施形態においても、第１実施形態と同様、本体容器２の底壁２２に貫通穴を設けることができる。
【００６５】
次に、液体注出容器１Ｃの使用要領を説明する。
【００６６】
液体注出容器１Ｃは、店頭販売時等の使用前の状態（図１０参照）では、カートリッジ１０が本体容器２内に収容されており、カートリッジ側蓋部材９が天地を反転された姿勢で容器側蓋部材８とカートリッジ１０との間の空間に収容されている。また、吸い上げ管４３は、本体容器２内の内側面に沿わせて収容されている。
【００６７】
そして、使用に際しては、本体蓋７を本体容器２から取り外し、カートリッジ側蓋部材９を、その突き刺し管９１の突き刺し端が下方を向くような姿勢で容器側蓋部材８に取り付ける。
【００６８】
次いで、本体蓋７のドーム部３１の雌ねじ部３１ａを本体容器２の雄ねじ部２１ａに螺合させ、本体蓋７を本体容器２に取り付ける。このとき、突き刺し管９１が、本体容器２の内部に装着されているカートリッジ１０のシール体５２の中央に突き刺さり、シール体５２に穴が開く。これによって、ポンプ取付部３２からカートリッジ１０の内部に至るまでのポンプ４の吸い上げ管４３を通すための軌道が確保される。また、このとき、カートリッジ蓋９２の凹部９２ａが、カートリッジ１０の収容体５１のフランジ５１ａに密接状態で係合する。これによって、突き刺し管９１をシール体５２に突き刺すことで生じた突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓが水密に覆われるようになる。
【００６９】
本体蓋７を本体容器２に取り付けた後は、吸い上げ管４３をポンプ４本体に取り付け、ポンプ４の吸い上げ管４３をポンプ取付部３２および突き刺し管９１内に挿入するとともに、固定部４１をポンプ取付部３２に螺合させて、ポンプ４を本体蓋７に取り付ける。上記のように、突き刺し管９１によって吸い上げ管４３を通すための軌道が確保されているので、吸い上げ管４３を突き刺し管９１内に挿入することにより、吸い上げ管４３が突き刺し管９１を通じてカートリッジ１０に差し込まれる。これにより、吸い上げ管４３の先端がカートリッジ１０内の液体中に浸されて、ポンプ４による液体の注出が可能な状態になる。そして、押し下げヘッド４２を押し下げれば、ポンプ４からカートリッジ１０内の液体が所定量注出される。
【００７０】
カートリッジ１０が空になって、詰め替え作業を行う際には、ポンプ４および本体蓋７を順次取り外し、カートリッジ１０とカートリッジ側蓋部材９との係合状態を解除し、新しいカートリッジ１０を本体容器２内に装着した後に、上記と同様に本体蓋７およびポンプ４を順次取り付ければよい。
【００７１】
このように、第３実施形態に係る液体注出容器１Ｃでは、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓを水密に覆うようなカートリッジ蓋９２を収容体５１に係合させたので、突き刺し管９１をシール体５２に突き刺すことによって生じた突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓからカートリッジ１０内の液体が漏れ出たとしても、カートリッジ蓋９２によって当該液体が本体容器２内にまで漏れ出すのを防ぐことができる。
【００７２】
また、本体蓋７の突き刺し管９１に一体に設けたカートリッジ蓋９２によって、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓを水密に覆ったので、カートリッジ１０の構造をほとんど変化させることなく、液漏れを防ぐことができる。これにより、詰め替え用のカートリッジ１０のコストが上昇するのを抑えることができる。
【００７３】
また、カートリッジ蓋９２を突き刺し管９１に一体に設けることによって、突き刺し管９１がシール体５２を突き破った状態でカートリッジ蓋９２が収容体５１に係合するという構成を容易に実現することができる。
【００７４】
また、店頭販売時等の非使用時において、未開封のカートリッジ１０を本体容器２内に収容させる場合に、突き刺し管９１の突き刺し端がカートリッジ１０のシール体５２に臨んでいないので、誤ってシール体５２が破れて液が漏れ出すといった不都合の発生を防ぐことができる。
【００７５】
また、カートリッジ１０の上方を傘状のカートリッジ蓋９２で覆いつつ、当該カートリッジ蓋９２の内面下部に形成した凹部９２ａをフランジ５１ａに密接状態で嵌合させたので、容易に、突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓを水密に覆うことができる。
【００７６】
なお、前記第１、第２および第３実施形態では、注出器として液体を所定量注出するポンプ４を採用した形態を示したが、注出器としては、例えば液体を噴霧状にして注出するスプレー等を採用することも可能である。
【００７７】
また、第３実施形態の変形例として、図１１に示すように、カートリッジ蓋９２とカートリッジ１０との間に円環状のパッキン１１を介在させてもよい。このように構成すれば、水密性をさらに向上させることができるので、本体容器２内への液漏れを確実に防ぐことができる。また、この場合、パッキン１１によって容易に水密性を確保することができるので、カートリッジ蓋の下端に周方向に間欠的に切欠き部を形成して、カートリッジ蓋とカートリッジ１０との係合性をより容易にするように構成してもよい。
【００７８】
また、第３実施形態では、各ねじ部８１ａ，９１ａの螺合によりカートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に取り付ける（固定する）ように構成したが、これに限らず、フック構造によりカートリッジ側蓋部材９を容器側蓋部材８に取り付けるようにしてもよい。なお、フック構造による取付けでは、カートリッジ側蓋部材９が容器側蓋部材８と共回りしない構成とすることもできる。この場合には、本体蓋７（容器側蓋部材８）を回転させて本体容器２に取り付ける際に、カートリッジ側蓋部材９が回転を伴うことなく下方に移動する。そして、突き刺し管９１がシール体５２を突き破るとともにカートリッジ蓋９２がカートリッジ１０に係合し、これによって突き刺し管９１とシール体５２との隙間Ｓが水密に覆われることになる。
【００７９】
また、第３実施形態では、容器側蓋部材８とカートリッジ側蓋部材９とを別部材で構成する例について示したが、これに限らず、両者が一体に成形されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【００８０】
【図１】本発明の第１実施形態に係る液体注出容器の側面図である。
【図２】液体注出容器の分解側面図である。
【図３】本体容器の斜視図である。
【図４】カートリッジの斜視図である。
【図５】本発明の第２実施形態に係る液体注出容器の側面図である。
【図６】（ａ）はカートリッジの斜視図、（ｂ）は（ａ）のＩ−Ｉ線断面図である。
【図７】本体蓋の側面図である。
【図８】本発明の第３実施形態に係る液体注出容器の側面断面図である。
【図９】図８に示した液体注出容器の分解側面図である。
【図１０】図８に示した液体注出容器の使用前の態様を示した側面断面図である。
【図１１】第３実施形態の変形例に係る液体注出容器を部分的に示した分解側面断面図である。
【符号の説明】
【００８１】
１Ａ，１Ｂ，１Ｃ 液体注出容器
２ 本体容器
３，７ 本体蓋
３３，９１ 突き刺し管
３４ ねじ部
４ ポンプ（注出器）
４３ 吸い上げ管
５，１０ カートリッジ
５１ 収容体
５１ａ フランジ
５２ シール体
６ ねじ部材
６１ ねじ穴
８ 容器側蓋部材
９ カートリッジ側蓋部材
９２ カートリッジ蓋
９２ａ 凹部
１１ パッキン
Ｓ 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項１】
液体を収納するカートリッジと、このカートリッジが装填される本体容器と、この本体容器に着脱可能に取り付けられて、当該本体容器とで前記カートリッジを囲繞する本体蓋と、前記カートリッジ内の液体を注出するために前記本体蓋に着脱可能に取り付けられる注出器とを備え、
前記カートリッジは、前記液体が充填される収容体と、この収容体の開口をシールするシール体とを有し、前記本体蓋は、前記本体容器に取り付けられる際に、前記カートリッジのシール体を突き破る突き刺し管を有し、前記注出器は、前記本体蓋に取り付けられる際に、前記突き刺し管内に挿入されることにより当該突き刺し管を通じて前記カートリッジに差し込まれる吸い上げ管を有していることを特徴とする液体注出容器。
【請求項２】
前記カートリッジの収容体は、紙材で構成されていることを特徴とする請求項１に記載の液体注出容器。
【請求項３】
前記カートリッジのシール体の裏面には、ねじ穴を有するねじ部材が取り付けられていて、このねじ部材のねじ穴に前記シール体を突き破った前記突き刺し管が挿通されるようになっているとともに、前記突き刺し管には、前記ねじ穴に螺合可能なねじ部が設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の液体注出容器。
【請求項４】
前記本体容器の底部には、当該本体容器の内外を連通する貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の液体注出容器。
【請求項５】
前記本体蓋は、前記突き刺し管に一体に設けられ、前記突き刺し管が前記シール体を突き破った状態で、前記突き刺し管と前記シール体との隙間を水密に覆うように前記収容体と係合するカートリッジ蓋を有していることを特徴とする請求項１または２に記載の液体注出容器。
【請求項６】
前記本体蓋は、前記本体容器に着脱可能に取り付けられるドーム状の容器側蓋部材と、前記突き刺し管および前記カートリッジ蓋を含むとともに前記容器側蓋部材に着脱可能に取り付けられるカートリッジ側蓋部材とにより構成され、
前記カートリッジ側蓋部材は、当該液体注出容器の非使用状態で、前記容器側蓋部材に対して離脱するとともに前記突き刺し管の突き刺し端を前記容器側蓋部材に臨ませる姿勢で前記容器側蓋部材と前記カートリッジのシール体との間に収容可能に構成されたことを特徴とする請求項５に記載の液体注出容器。
【請求項７】
前記収容体の上端部には、外方に突出するフランジが設けられ、
前記カートリッジ蓋は、前記突き刺し管の外周面から外側下方に向かって傘状に延設されており、当該カートリッジ蓋の内面下部には、前記フランジに密接状態で嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項５または６に記載の液体注出容器。
【請求項８】
前記カートリッジ蓋と前記カートリッジとの間に介在するパッキンをさらに備えることを特徴とする請求項５〜７のいずれか１項に記載の液体注出容器。
【請求項１】
液体を収納するカートリッジと、このカートリッジが装填される本体容器と、この本体容器に着脱可能に取り付けられて、当該本体容器とで前記カートリッジを囲繞する本体蓋と、前記カートリッジ内の液体を注出するために前記本体蓋に着脱可能に取り付けられる注出器とを備え、
前記カートリッジは、前記液体が充填される収容体と、この収容体の開口をシールするシール体とを有し、前記本体蓋は、前記本体容器に取り付けられる際に、前記カートリッジのシール体を突き破る突き刺し管を有し、前記注出器は、前記本体蓋に取り付けられる際に、前記突き刺し管内に挿入されることにより当該突き刺し管を通じて前記カートリッジに差し込まれる吸い上げ管を有していることを特徴とする液体注出容器。
【請求項２】
前記カートリッジの収容体は、紙材で構成されていることを特徴とする請求項１に記載の液体注出容器。
【請求項３】
前記カートリッジのシール体の裏面には、ねじ穴を有するねじ部材が取り付けられていて、このねじ部材のねじ穴に前記シール体を突き破った前記突き刺し管が挿通されるようになっているとともに、前記突き刺し管には、前記ねじ穴に螺合可能なねじ部が設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の液体注出容器。
【請求項４】
前記本体容器の底部には、当該本体容器の内外を連通する貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の液体注出容器。
【請求項５】
前記本体蓋は、前記突き刺し管に一体に設けられ、前記突き刺し管が前記シール体を突き破った状態で、前記突き刺し管と前記シール体との隙間を水密に覆うように前記収容体と係合するカートリッジ蓋を有していることを特徴とする請求項１または２に記載の液体注出容器。
【請求項６】
前記本体蓋は、前記本体容器に着脱可能に取り付けられるドーム状の容器側蓋部材と、前記突き刺し管および前記カートリッジ蓋を含むとともに前記容器側蓋部材に着脱可能に取り付けられるカートリッジ側蓋部材とにより構成され、
前記カートリッジ側蓋部材は、当該液体注出容器の非使用状態で、前記容器側蓋部材に対して離脱するとともに前記突き刺し管の突き刺し端を前記容器側蓋部材に臨ませる姿勢で前記容器側蓋部材と前記カートリッジのシール体との間に収容可能に構成されたことを特徴とする請求項５に記載の液体注出容器。
【請求項７】
前記収容体の上端部には、外方に突出するフランジが設けられ、
前記カートリッジ蓋は、前記突き刺し管の外周面から外側下方に向かって傘状に延設されており、当該カートリッジ蓋の内面下部には、前記フランジに密接状態で嵌合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項５または６に記載の液体注出容器。
【請求項８】
前記カートリッジ蓋と前記カートリッジとの間に介在するパッキンをさらに備えることを特徴とする請求項５〜７のいずれか１項に記載の液体注出容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２００８−５００５８（Ｐ２００８−５００５８Ａ）
【公開日】平成２０年３月６日（２００８．３．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１９１０９２（Ｐ２００７−１９１０９２）
【出願日】平成１９年７月２３日（２００７．７．２３）
【出願人】（３０１０６５３６４）日栄産業株式会社 (4)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年３月６日（２００８．３．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年７月２３日（２００７．７．２３）
【出願人】（３０１０６５３６４）日栄産業株式会社 (4)
【Ｆターム（参考）】
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