説明

液体状種菌接種機

【課題】液体状の種菌を栽培瓶内の培地表面全体に供給させることができる液体状種菌接種機を提供する。
【解決手段】きのこの栽培容器22内の培地に種菌を接種する種菌接種機30において、液体状の種菌が充填された種菌容器から液体状の種菌を吐出して栽培容器22内に種菌を供給するノズル40と、ノズル40と栽培容器22とを相対的に接離動させる接離動手段と、接離動手段によってノズル40と栽培容器22とが接近した後、ノズル40が種菌を吐出しつつ栽培容器22内の培地表面に対して相対的に平行に移動するように駆動する移動手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、きのこを栽培する栽培容器内に液体状の種菌を接種する液体状種菌接種機に関する。
【背景技術】
【0002】
きのこの人工栽培では、栽培瓶や栽培袋等の栽培容器内に充填されたおが屑等の培地にきのこの種菌を接種し、栽培容器内できのこの栽培を行うようにしている。
また、栽培容器に接種する種菌としては、種菌容器内のおが屑等の培地に繁殖させた種菌が用いられることが一般的である。栽培容器に種菌を接種する場合には、種菌容器内の種菌を掻き出し、掻き出した種菌を落下させて栽培容器に接種する。
【0003】
しかし、種菌瓶から種菌を掻き出して落下させる場合には、掻き出した種菌粒子の大きさにばらつきがあり、栽培瓶に接種される種菌の量が一定にならないという課題があった。また栽培瓶1本につき、種菌瓶が1本必要であり、装置が大がかりになりすぎてしまい、接種作業の準備にも手間がかかっていた。
そこで、種菌を掻き出して接種するのではなく、液体状の種菌を栽培瓶に接種する接種機が従来から開発されている(例えば、特許文献1参照、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平2−57124号公報
【特許文献2】特開2000−175559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の液体状種菌接種機では、ノズルから液体状の種菌を噴霧させているが、ノズルの形状等によっては噴霧範囲に限界があり、栽培瓶内の培地表面全体に種菌を供給することができず種菌の確実な接種が行えない場合もあるといった課題があった。
【0006】
すなわち、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、液体状の種菌を栽培瓶内の培地表面全体に供給させることができる液体状種菌接種機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成すべく、以下の構成を備える。
すなわち、本発明の液体状種菌接種機によれば、きのこの栽培容器内の培地に種菌を接種する種菌接種機において、液体状の種菌が充填された種菌容器から液体状の種菌を吐出して栽培容器内に種菌を供給するノズルと、該ノズルと前記栽培容器とを相対的に接離動させる接離動手段と、該接離動手段によってノズルと栽培容器とが接近した後、ノズルが種菌を吐出しつつ栽培容器内の培地表面に対して相対的に平行に移動するように駆動する移動手段とを具備することを特徴としている。
この構成を採用することによって、ノズルは液体状の種菌を吐出しながら培地表面に対して相対的に平行に移動するので、ノズルから吐出される液体状の種菌が瓶口内の培地表面の広い面積にわたって吹き付けられ培地表面に十分に液体状種菌が供給される。
【0008】
また、前記移動手段は、ノズルまたは栽培瓶を所定の方向に直線的に移動させることを特徴としてもよく、ノズルまたは栽培瓶を円弧を描くように移動させることを特徴としてもよい。
【0009】
さらに、前記移動手段は、ノズルまたは栽培瓶を、所定の方向に直線的に移動させて瓶口の内壁近傍の位置に移動させた後、該位置から瓶口内壁の内側に沿って円弧を描くように移動させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、栽培瓶の培地に植菌孔が複数形成されている場合、すべての植菌孔内および培地表面全体に隙間なく液体状種菌を供給することができる。
【0010】
なお、栽培瓶が複数収納されたコンテナを間欠送りする搬送装置と、搬送装置によって種菌接種位置まで間欠送りされたコンテナ内の各列ごとの複数の栽培瓶に対して同時に液体状の種菌を接種すべく複数のノズルが取り付けられ、前記接離動手段によって上下方向に移動可能なノズル用ベース部とを具備し、前記移動手段は、前記接離動手段が各栽培瓶の各瓶口内に各ノズルが収納されるようにノズル用ベース部を下降させた後、ノズル用ベース部を移動させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、複数のノズルを瓶口内で一度に移動させることができ、液体状の種菌の吐出を効率よく行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる液体状種菌接種機によれば、栽培瓶内の培地表面の全体、また培地に植菌孔が穿設している場合には植菌孔の内部まで十分に液体状の種菌を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に液体状種菌接種機の全体構成の平面図を示し、図2に側面図を示す。本実施形態の液体状種菌接種機(以下、単に接種機と称する場合がある)30は、液体状の種菌を噴霧するノズル40が直線移動しつつ種菌を噴霧する構成である。本実施形態では、ノズル40は、コンテナ20(栽培瓶22)の搬送方向に沿って種菌を噴霧しつつ移動する。
【0013】
本実施形態における接種機30は、複数の栽培瓶22が収納されたコンテナ20を定寸送りする搬送装置32を有している。搬送装置32は、複数のローラ33,33・・から成るコンベアであり、コンベア上にコンテナ20が載置される。本実施形態のコンテナ20は縦横4列ずつの栽培瓶22を収納している。栽培瓶22は、瓶口にキャップ24がはめ込まれた状態でコンテナ20内に収納される。
【0014】
接種機30は、コンテナ20内の搬送方向に直交する列の4本の栽培瓶22に同時に種菌を接種するように設けられている。
接種機30は、コンテナ20が種菌接種位置に到着すると、搬送方向に直交する列の栽培瓶22の各キャップ24を栽培瓶から取り外す動作、ノズル40を各栽培瓶22瓶口近傍へ接近させる動作、ノズル40から液体状の種菌を吐出させつつノズル40をコンテナ20の搬送方向に沿って移動させる動作、ノズル40を各瓶口から離間させる動作、および各キャップ24を瓶口へ被せる動作を各列ごとに自動的に実行する。
【0015】
以下、接種機の各構成について動作と共に説明していく。
接種機30の搬送装置32を跨ぐようにして基台34が取り付けられており、基台34の側面には接種機30の動作を制御するようにユーザが操作可能に各種スイッチ等が設けられた制御盤35が設けられている。
【0016】
次に、液体状の種菌の送り込み構造について図2に基づいて説明する。
液体状の種菌は、図示しない種菌容器内に充填されており、種菌容器は図示しない搬送チューブを介してポンプ36に接続されている。ポンプ36は、液体状の種菌が直接接触しないように、搬送チューブを押しつぶすことで搬送させるチューブポンプを用いると好適である。
【0017】
ポンプ36の吐出側には、ノズル40に向けて液体状の種菌を液送する搬送チューブ37が接続されている。搬送チューブ37は中途部に設けられた分岐部38で4本の搬送チューブ39に分岐されており、分岐された各搬送チューブ39が各ノズル40に接続されている。
【0018】
また、基台34には、エアコンプレッサ41が設けられており、エアを発生させて各ノズル40に供給している。エアコンプレッサ41にはエアチューブ44が接続されており、エアチューブ44の中途部には、エアバルブ42が設けられている。エアバルブ42を経由したのち、エアチューブ44は分岐されて各ノズル40に接続されている。
エアチューブ44からノズル40に供給されたエアは、ノズル40内のバルブ(弁体54)をオン−オフするために用いられる。
【0019】
ノズル40の構造を図3〜図7に示す。図3はノズルの平面図であり、図4および図5は図3のA−A断面図、図6および図7は図3のB−B断面図である。
ノズル40は、基体45に、液体状の種菌が供給される種菌供給ポート46、オン−オフ用のエアが供給される第1のエア供給ポート48、液体状の種菌に混入させるエアが供給される第2のエア供給ポート49が設けられて構成されている。
種菌供給ポート46と第2のエア供給ポート49とはノズル40を上下方向に貫く中心線に対して対向するように配置されており、この種菌供給ポート46と第2のエア供給ポート49とを結ぶ直線に対して、第1のエア供給ポート46は90度直交する方向に配置されている。
【0020】
基体45の下端部には、吐出口50が形成されており、液体状の種菌は吐出口50から下方に向けて吐出される。
種菌供給ポート46から吐出口50に向けて種菌流通路51が形成されている。また、第2のエア供給ポート49から吐出口50へ向けてエア供給路57が形成されている。エア供給路57と種菌流通路51とは、液体状の種菌にエアを混合させるための混合室52に連結されている。
混合室52から吐出口50へは混合体通路59が形成されており、エアと混合した液体状の種菌は、混合体通路59を通って吐出口50から噴霧される。
【0021】
種菌供給ポート46から種菌流通路51へ連通する部位は、弁体54のロッド55によって閉塞できるように設けられている。
弁体54は、上下方向に延びる小径のロッド55と、ロッド55の中途部よりも上方に位置してロッド55よりも大径に形成されたフランジ部53とを有している。フランジ部53は、第1のエア供給ポート48に連通孔69を介して連通する空間である弁体配置部56内に配置されている。
また、弁体配置部56の上方は、カバー61で覆われている。
【0022】
弁体54のフランジ部53の上面とカバー61の下面との間には弁ばね58が配置されており、弁ばね58が弁体54のフランジ部53を押し下げるように作用する。したがって、弁体54は、弁ばね58によって常時下方に付勢されている。
弁体54のロッド55の先端部は先鋭に形成されており、種菌流通路51の内壁に設けられたシールスリーブ65にロッド55の先鋭先端部が当接することによって種菌流通路51が閉塞され、液体状の種菌が吐出されない状態とすることができる。
【0023】
第1のエア供給ポート48にエアが供給されていないときは、弁体54が弁ばね58に付勢されて下降し、ロッド55の先端部が種菌流通路51を閉塞する(図4,図6の状態)。このため、液体状の種菌は吐出口50から吐出されない。
第1のエア供給ポート48にエアが供給されているときは、エアが弁体配置部56内に進入し、エアによって弁体54が弁ばね58の付勢力に抗して押し上げられ、ロッド55の先端部が種菌流通路51の種菌供給ポート46を開放する(図5,図7の状態)。このため、液体状の種菌は吐出口50から吐出される。
【0024】
なお、ノズル40の構成としては、第2のエア供給ポート49にエアを供給しない構成とし、液体状の種菌にエアを混入させず、液体状の種菌のみを吐出させるような構成としてもよい。
【0025】
次に、ノズル40を移動させる機構、ノズル40を栽培瓶22に対して接離動させる機構について説明する。
なお、図8および図9はコンテナ20内の栽培瓶22の先頭列が種菌接種位置に到着したところを示し、図10はベース部の往復直線運動を実行する構成について示し、図11および図12はノズル40が種菌接種位置まで搬送方向に沿って移動しているところを示し、図13はノズル40を下降させて栽培瓶22の瓶口に接近させて種菌を吐出させたところを示し、図14および図15はノズル40を種菌を吐出させながら搬送方向に沿って移動させたところを示す。
なお、本実施形態では、コンテナの搬送方向とノズルの移動方向とは180度逆向きとなっており、以下の説明では、ノズルの移動方向を前後方向として説明する場合もある。
【0026】
基台34には、1列分の栽培瓶22に対して同時に液体状の種菌を接種できるように4つのノズル40を取り付けたベース部60が設けられている。
ベース部60は、栽培瓶22の整列方向である横方向に長尺となるように、平面視すると長方形状に形成されている。
【0027】
ベース部60の横方向の両端部のそれぞれは、基台34の側面に設けられたスライドアーム62の先端部に固定されている。
スライドアーム62は、コンテナ20の搬送方向に沿って延びる部材であって、スライドベアリング63を介して回動アーム64に取り付けられている。スライドベアリング63は、スライドアーム62が前後方向に移動可能となるように保持する部材である。
【0028】
回動アーム64は、後端部が回動軸64aを介して回動可能に基台34に取り付けられた、前後方向に沿って延びる部材であり、回動軸64aを中心に鉛直面内で回動する。回動アーム64とスライドアーム62は平行に配置されている。
このような構成を採用することにより、ベース部60は、回動アーム64に前後動可能に保持されたスライドアーム62によって前後動可能となり、且つ回動アーム64の後端部の回動軸を中心とした回動によって上下動可能となる。
【0029】
スライドアーム62のそれぞれには、モータ取り付け用スライドベアリング66が設けられており、2つのモータ取り付け用スライドベアリング66にわたってモータ取り付け板68が固定されている。モータ取り付け板68には、モータ73が固定されている。
モータ73は、ベース部60を往復動させるための駆動源として設けられており、本実施形態ではスコッチヨーク機構によって、モータ73の円運動をベース部60の往復直線運動に変換している。
【0030】
スコッチヨーク機構について、図10に基づいて具体的に説明する。
モータ73の回転軸71はクランクアーム72の一端部の上面に固定されている。クランクアーム72の他端部には下方に向けてピン74が突出して設けられている。
ピン74は、ベース部60の後端側に固定された駆動板76に形成された長穴78内に挿入されている。駆動板76に形成された長穴78は横方向に延びるように形成され、ピン74は長穴78内を摺動する。
モータ73の駆動によってピン74がクランクアーム72の長さを半径とする円運動を行うように動作することにより、ピン74に押動された駆動板76および駆動板76に連結しているベース部60は、前後方向に往復動する。
【0031】
また、モータ取り付け板68には、キャップ脱着機構82に連結された連結ロッド70の後端部が連結されている。連結ロッド70がキャップ脱着機構82の動作(後述する)に基づいて前方へ移動することにより、モータ取り付け板68が牽引され、モータ73に連結されたピン74によって駆動板76およびベース部60がスライドアーム62と共に前方に移動する。
【0032】
回動アーム64の先端部には、上下方向に延びる上下動ロッド80の上端部が接続されている。
上下動ロッド80が上下動することによって、回動アーム64の先端部が上下動する。これにより、回動アーム64に対して前後動可能に取り付けられたスライドアーム62や、スライドアーム62に取り付けられているモータ73や、ベース部60が上下動する。ベース部60が上下動することによって、ノズル40が栽培瓶22に対して上下方向に接離動する。
【0033】
次に、キャップ脱着機構82について、図16〜図20に基づいて説明する。
キャップ脱着機構82は、コンテナ20の所定の栽培瓶列が種菌接種位置に到着した際にキャップ24を栽培瓶22から取り外して種菌を接種可能な状態とし、種菌接種後の栽培瓶22に再びキャップ24を被せる動作を行う。
【0034】
キャップ脱着機構82には、キャップ脱着時に栽培瓶22が動かないように押さえる瓶押さえ機構84が設けられている。瓶押さえ機構84は、押さえ板85を有しており、種菌接種位置まで移送されてきた栽培瓶22の肩部を押さえ板85が下方に押しつけて栽培瓶22を支持する。
押さえ板85は、隣り合った栽培瓶22,22の間に配置され、1枚の押さえ板85で両側に配置された栽培瓶22の肩部の双方を押さえる。列の外側の栽培瓶22については、押さえ板85をそれぞれの外側に1枚ずつ設け、いずれの栽培瓶22もその両側において押さえ板85によって押さえられる。
【0035】
押さえ板85は、スプリング86を介して回動板体88に取り付けられている。回動板体88は、支持枠体に横方向に延びるように設けられた支持軸89に回動自在となるように取り付けられており、上下動する駆動ロッド90に連結されたアーム92が固定されている。駆動ロッド90が上下動すると、アーム92を介して回動板体88が支持軸89を中心に回動し、これによって回動板体88に取り付けた押さえ板85が上下動する。
なお、押さえ板85はスプリング86を介して回動板体88に取り付けられているので、栽培瓶22の肩部をある程度の弾性力を持って押さえることができる。
【0036】
キャップ脱着機構84には、押さえローラ94が1列中の栽培瓶22の数だけ設けられている。押さえローラ94は、栽培瓶22のキャップ上面を押さえるために設けられており、滑り防止のためにゴムローラを用いている。
【0037】
各押さえローラ94は、横方向に延びる1本の支持軸95に回転可能に装着されている。支持軸95の両端部は、支持枠体に回動可能に取り付けた反転アーム96に軸支されている。反転アーム96は、一端側が駆動ロッド90に取り付けられ、鉛直面内で回動する。
支持アーム98は押さえローラ94の前後方向の両側に配置されており、支持アーム98の両端部は反転アーム96に固定されている。
すなわち、押さえローラ94は、支持軸95および支持アーム98に支持されて搬送面から所定高さ位置で搬送面を横断するように設置される。
【0038】
支持軸95は、支持アーム98の上端面に横架された連結板99に取り付けられたスプリング100により常時下方に付勢されている。支持軸95の両端部は、反転アーム96に取り付けられるが、反転アーム96の取り付け位置で支持軸95は長孔によって支持されており、スプリング100に支持されつつ長孔の範囲内で若干可動するように支持されている。
【0039】
キャップ24を外すために支持アーム98が若干持ち上がった状態(図19参照)では、スプリング100が支持軸95を付勢したことによって、支持アーム98の上動に対して相対的に押さえローラ94が下がりキャップ24の上面を押さえる。
【0040】
支持アーム98の栽培瓶22の間の下面には、下方に突出する押さえ爪102が設けられている。押さえ爪102は、隣り合う栽培瓶22のキャップ間に位置するように配置されている。
押さえ爪102は、栽培瓶22からキャップを外す際に、キャップ24の側面において段差状に形成され側方に張り出したキャップの上縁部24aの下面に当接してキャップ24を外すように作用する。
【0041】
種菌接種位置まで移動してきた栽培瓶22は、キャップ24の上面が押さえローラ94で押さえられると共に、キャップ24の両側に押さえ爪102が位置したところで停止し、この状態から支持アーム98が反転アーム96の反転開始に伴って上昇し始める。なお、押さえローラ94の回転は、コンテナ20の搬送と連動しており、種菌接種の状態でコンテナ20が停止している際には、押さえローラ94の回転は停止している。
【0042】
支持アーム98が上昇し、押さえ爪102がキャップ24の上端縁24aの下面に当接すると、押さえローラ94がキャップ24の上面を押圧し、押さえローラ94と押さえ爪102とでキャップ24が挟圧保持される。
キャップ24を押さえローラ94と押さえ爪102とで挟んだ状態でさらに支持アーム98を上昇させることにより、栽培瓶22はその肩部で押さえ板85によって押さえられているから、栽培瓶22の本体がコンテナ20上に残ってキャップ24が外される。
【0043】
反転アーム96は搬送面の側面に設けた支持枠体に回動軸104を支点として回動可能に軸支される。駆動ロッド90は支持アーム98を取り付けた側と反対側の反転アーム96の端部に取り付けられる。駆動ロッド90が下方に移動することによって、反転アーム96の支持アーム98を取り付けた側が上昇するように反転する。
反転アーム96が反転することにより、押さえローラ94と押さえ爪102によって保持されたキャップ24は、キャップ24がはずされた栽培瓶22の前方側へ退避し、栽培瓶22の瓶口上方に空きスペースが設けられる。この空きスペースを利用してノズル40による種菌接種が行われる。
【0044】
また、反転アーム96の支持アーム98を取り付けた側には、連結ロッド70の端部が取り付けられている。
したがって、反転アーム96の支持アーム98を取り付けた側が上昇することによって連結ロッド70が前方に移動し、連結ロッド70に連結されたモータ取り付け板68、モータ73およびノズル40が取り付けられたベース部60が前方に移動する。
このように、反転アーム96が反転してキャップ24が外されると同時に、ノズル40が栽培瓶22の瓶口の上方にあいた空きスペースに移動することができる。
【0045】
続いて、ノズルを栽培瓶に接近させるための構成および動作について説明する。
上述したように、回動アーム64の先端部には、上下方向に延びる上下動ロッド80の上端部が接続されている。
上下動ロッド80は、上端部が回動アーム64に連結されるとともに、下端部がアーム106の一端部に連結されている。アーム106は、カムフォロアとしてアーム106の一端部を回動させるカム108に当接している。
【0046】
上下動ロッド80の中途部には、上下動ロッド80を常に上方に付勢する付勢手段110が接続されている。
付勢手段110は、アーム112と、スプリング114とを有している。アーム112の一端部は上下動ロッド80の中途部の所定位置に取り付けられており、アーム112の中途部にはこの中途部を中心に回動可能に設けた回動軸116が設けられている。アーム112の他端部には、アーム112の他端部を常時下方に付勢するためのスプリング114の上端部が接続されている。このように、アーム112の他端部が下方に付勢されることにより、アーム112の一端部が常時上昇するように付勢され、一端部に連結されている上下動ロッド80を常時押し上げている。
【0047】
次に、カムフォロアであるアーム106とカム108について説明する。
アーム106のほぼ中央には、アーム106を回動させるための円形のカム当接部118が設けられている。カム当接部118には、カム108のカム面109が当接する。カム108はほぼ扇状に形成されており、円弧状に形成された部位がカム面109として機能する。
カム108は、スプロケット120の回転シャフト121に取り付けられている。スプロケット120には、モータ124の出力軸との間をかけわたすようにチェーン125が掛け渡されており、モータ124の駆動によってスプロケット120が回転する。
【0048】
カム108がモータ124の駆動により回転すると、カム108のカム面109が間欠的にアーム106のカム当接部118に当接する。すると、カム面109のアーム106への当接によってアーム106の一端部が押し下げられて上下動ロッド80が下降する。
このように、上下動ロッド80が下降すると、回動アーム64の先端部が下降し、これに伴ってノズル40が、キャップが外された栽培瓶22の瓶口近傍に接近する。
【0049】
なお、本実施形態では、ノズル40の栽培瓶22への接近は、ノズル40の下端部が栽培瓶22の瓶口内へ進入せずに、瓶口近傍の上方に位置する程度に行われるものである。
しかし、本発明としては、このようなものに限定するものではなく、ノズル40の下端部が栽培瓶22の瓶口内に進入するようにしてもよい。ただし、かかる場合には、ノズル40の下端部が培地表面に当接しないようにする必要がある。
【0050】
以下、接種機30の全体動作について説明する。
まず、コンテナ20の所定の栽培瓶列が種菌接種位置に到着すると、図示しないセンサが栽培瓶列の到着を検出し、搬送装置32が停止する。
すると、駆動ロッド90が下降し、キャップ24の上面が押さえローラ94で押さえられると共に、キャップの両側に押さえ爪102が位置し、反転アーム96の反転が開始される。反転アーム96の支持アーム98を取り付けた側が上昇する反転動作によって、キャップ24が栽培瓶22から取り外される。また反転アーム96の反転動作によって反転アーム96に設けられている連結ロッド70が前方に移動する。連結ロッド70の移動によって、連結ロッド70の後端部に連結されているモータ73や、複数のノズル40が設けられたベース部60は、スライドベアリング63を介してスライドアーム62が回動アーム64に対して前方に移動することによって前方に移動する。
【0051】
ノズル40は、種菌接種位置で停止している栽培瓶列の瓶口の上方であって、瓶口の後方側に位置する箇所まで連結ロッド70によって移動させられる。そして、反転アーム96の反転動作の終了に伴い、連結ロッド70によって移動させられたノズル40の前方への移動も終了する。
その後、上下動ロッド80が下降することによって、回動アーム64の先端部が下降し、これによりノズル40が栽培瓶22の瓶口近傍まで接近する。
【0052】
続いて、図21、図22に基づいてノズルの直線移動動作を説明する。
ノズル40が栽培瓶22へ接近後、エアバルブ42の制御により液体状の種菌をノズル40から吐出させる。
種菌を吐出開始後、モータ73が駆動する。すると、モータ73の回転運動がベース部60の往復直線運動に変換され、ベース部60が前方に移動する。
【0053】
種菌を吐出しながらベース部60が前方に移動すると、種菌の吐出範囲が狭いノズル40であっても種菌の供給を瓶口内の培地表面全体に施すことができる。また、培地に植菌孔10が形成されている場合、ノズル40が種菌を吐出しながら植菌孔10の上方を通過することにより、植菌孔10の内壁面にまで確実に種菌が供給される。
【0054】
ノズル40は、種菌を吐出しつつ瓶口の前方側の端部に到着すると再度瓶口の後方側の近傍に移動する。
そしてノズル40が瓶口の後方側の近傍に到着すると、エアバルブ42の制御により種菌の吐出を停止する。そして、上下動ロッド80が上昇することにより回動アーム64が上昇し、ノズル40が栽培瓶22から離間する。
【0055】
本実施形態においては、ノズル40は種菌を吐出しながら前後方向に往復動する構成であった。しかし、種菌を吐出しながら直線的に移動するノズル40の動作については、このような動作に限定されることはない。
すなわち、後方側から前方側に移動するだけであってもよいし、前方側から後方側に移動するだけであってもよい。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、接種機30の第2の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態の接種機30では、ノズル40が種菌を吐出しつつ直線運動した後、種菌を吐出しつつ瓶口に沿って円弧運動する動作を実行する。
【0057】
本実施形態では、ノズル40が設けられたベース部の構造が第1の実施形態と異なるので、これについて図23に基づいて説明する。なお、図23ではノズル40は省略して図示している。
各ノズル40はベース部130に取り付けられている。ベース部130は、栽培瓶22の整列方向である横方向に長尺となるように、平面視すると長方形状に形成されている。
【0058】
ベース部130は、クランク134を介してモータ取り付け板68に連結されている。モータ取り付け板68は、その横方向の両端部がスライドアーム62に取り付けられて固定されている。ベース部130は、クランク134を介してのみ他の部材に連結されており、クランク134の回転動作によって、水平面内で回転するように動作する。
モータ取り付け板68には、ベース部130を水平面内で回転させるモータ73が取り付けられている。モータ73の回転軸132は、モータ取り付け板68を貫通して下方に向けて突出し、クランク134の一方側の端部の上面に固定されている。
【0059】
クランク134の他方側の端部の下面には、下板136に回動可能に保持されているピン138が接続されている。
下板136は、モータ取り付け板68の下方に位置し、ベース部130の後方側の端部に固定されており、ベース部130と一体となって動作する部材である。また、下板136とモータ取り付け板68とは、モータ73と連結されていないクランク135によっても連結されている。クランク135は、モータ73によって動作するクランク134に追従する。
【0060】
モータ73が駆動して回転軸132が回転すると、クランク134が回転軸132を中心とした円運動を行う。クランク134の円運動により、クランク134の他方側の端部に設けられたピン138が下板136とベース部130を水平面内で円運動させる。
【0061】
以下、本実施形態の種菌接種動作について、図24〜図31に基づいて説明する。図24および図25はコンテナ20内の栽培瓶22の先頭列が種菌接種位置に到着したところを示し、図26および図27はノズル40が種菌接種位置まで移動しているところを示し、図28は種菌接種位置に到着したノズル40が種菌の吐出を開始したところを示し、図29はノズル40を種菌を吐出させながら搬送方向に沿って移動させているところを示し、図30はノズル40が栽培瓶の瓶口の前方側端部に到着したところを示している。図31は、ノズル40が設けられたべース部130がモータ73によって回転駆動しているところを示している。
【0062】
コンテナ20が搬送装置32によって種菌接種位置へ搬送されてくると、図示しないセンサが栽培瓶列の到着を検出し、搬送装置32が停止する。
そして、駆動ロッド90が下降することにより、キャップ24の上面が押さえローラ94で押さえられると共に、キャップの両側に押さえ爪102が位置し、反転アーム96の反転が開始される。
反転アーム96の反転によって、キャップが押さえローラ94と押さえ爪102とで挟み込まれて、栽培瓶22から外される。
【0063】
なお反転アーム96が反転することにより、反転アーム96の上昇する側に取り付けられている連結ロッド70が前方に移動する。連結ロッド70の移動によって、連結ロッド70の後端部に連結されたモータ取り付け板68、モータ73、ノズル40が取り付けられたベース部130は、スライドベアリング63を介してスライドアーム62が回動アーム64に対して前方に移動することによって前方に移動する。
【0064】
ノズル40が取り付けられたベース部130が前方に移動することによって、ノズル40は、種菌接種位置で停止している栽培瓶列の瓶口の上方であって、瓶口の後方側に位置する箇所まで移動する。
そして、ノズル40が瓶口の後方側の上方に位置した後、上下動ロッド80が下降することによって、回動アーム64の先端部が下降し、ノズル40が栽培瓶22の瓶口近傍に下降する。
ノズル40が瓶口近傍に下降した後、エアバルブ42の制御により液体状の種菌がノズル40から吐出される。
【0065】
なお、ノズル40が瓶口近傍に下降したとき、第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態では反転アーム96は完全に反転しておらず、まだ反転中である。したがって、反転アーム96の反転動作によって連結ロッド70はまだ前方に移動中であり、反転アーム96の反転動作により、ノズル40は種菌を吐出しながら前方に移動する。
この動作は、反転アーム96を動作させる駆動ロッド90の下降スピードを、第2の実施形態では第1の実施形態の下降スピードよりも遅くすることで実施することができる。
【0066】
ノズル40が前方に移動して瓶口の内周側端部に接近したところで、反転アーム96の反転動作が終了し、ノズル40の前方への移動が終了する。
続いて、モータ73が駆動を開始する。すると、モータ73の回転軸132の回転駆動により、ベース部130が円運動するように動作する(図31参照)。ベース部130の動作により、ノズル40も種菌を吐出しつつ円運動するように動作する。
ノズル40の円運動は、栽培瓶22の瓶口の内周側を1周するようにして行われる。すなわち、モータ取り付け板68と下板136との間に設けられているクランク134、135の長さは、ノズル40が栽培瓶22の瓶口の内周側を1周するような長さに設定される。
【0067】
図32および図33に、種菌を吐出しながら移動するノズル40の動作について示す。
このように、接種機30は、種菌を吐出させながらノズル40を栽培瓶の瓶口の後方側から前方側に移動させ、その後も種菌を吐出させながらノズルを瓶口の内周に沿って円運動をさせる。
このため、種菌の吐出範囲が狭いノズル40であっても、種菌の供給を瓶口内の培地表面全体に施すことができる。特に、ノズル40の前後方向の移動を栽培瓶の中心を通るように設定することで、植菌孔10が栽培瓶22の中心に形成されている場合でも、中心に形成された植菌孔10内壁面にも確実に種菌を供給できる。
また、植菌孔10が複数形成されている場合でも、ノズル40が円運動することによって、複数形成された各植菌孔10の内壁面に確実に種菌を供給することができる。
【0068】
なお、ベース部130は、ワンタッチで脱着可能な構成を採用すると好適である。ベース部130の構造を図34および図35に示す。
すなわち、ベース部130は、ノズル40が設けられていて脱着可能な脱着板140と、脱着板140の両側に配置されて下板136に固定されており、脱着板140の両端部を保持する保持部142とを有している。2つの保持部142を連結して横方向に掛け渡された円柱状の棒材146が設けられている。
【0069】
脱着板140の上面には後端側に向けて脱着板140から突出する板ばね144が設けられている。板ばね144の脱着板140から突出している部位には、棒材146の外周面を収納するように棒材146側に凹む湾曲部148が形成されている。
保持部142の内側には、脱着板140の両端部を前方側より進入させることができる溝部150が形成されている。
【0070】
脱着板140をベース部130から取り外す場合には、単に脱着板140を前方に引っ張るだけでよい。すると、板ばね144が棒材146を乗り越えるようにして変形し板ばね144と棒材146との係合が解除される。
脱着板140をベース部130に取り付ける場合には、脱着板140の両端部を保持部142の溝部150に進入させ、後方に押動する。すると、棒材146に板ばね144が当接し、板ばね144が上方に変形する。さらに、脱着板140を後方に押動すると、板ばね144の湾曲部148が棒材146の外周面に密着し、板ばね144と棒材146とが係合して、脱着板140がベース部130に固定される。
このような構成を採用することで、ベース部130を接種機30から容易に取り外すことができ、また容易に取り付けることができるので、ベース部130の殺菌消毒を手軽に行う事ができる。
【0071】
なお、ベース部をワンタッチで脱着可能な構成は、本実施形態に採用することに限定するものではなく、第1の実施形態のようにベース部60を直線運動のみさせる構成の接種機30に採用してもよい。
【0072】
また、本実施形態では、種菌を吐出させながらノズル40を直線運動させた後に、さらに種菌を吐出させながらノズル40を栽培瓶22の瓶口の内周に沿って円運動させる動作を実行する。
しかし、本発明としては、この実施形態の動作に限定されることはなく、最初に種菌を吐出させながらノズル40を栽培瓶22の瓶口の内周に沿って円運動させた後に、種菌を吐出させながらノズル40を直線運動させるように動作させてもよい。
また、ノズル40の直線運動をせずに、種菌を吐出させながらノズル40を円弧運動のみさせるように動作させてもよい。
【0073】
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、ノズルが栽培瓶に接近し、ノズルが液体状の種菌を吐出させつつ培地表面に対して平行に移動する構成を採用した。
しかし、本発明としてはこのような構成に限定されるものではなく、栽培瓶がノズルに対して接近し、栽培瓶の培地表面がノズルに対して平行に移動するように動作する構成を採用してもよい。
【0074】
以上本発明につき好適な実施形態を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】液体状種菌接種機の第1の実施形態の平面図である。
【図2】液体状種菌接種機の第1の実施形態の側面図である。
【図3】ノズルの構造を説明ずる平面図である。
【図4】ノズルが閉状態を示す図3のA−A断面図である。
【図5】ノズルが開状態を示す図3のA−A断面図である。
【図6】ノズルが閉状態を示す図3のB−B断面図である。
【図7】ノズルが開状態を示す図3のB−B断面図である。
【図8】栽培瓶の先頭列が種菌接種位置に到着したところを示す側面図である。
【図9】栽培瓶の先頭列が種菌接種位置に到着したところを示す平面図である。
【図10】ベース部を往復直線運動させる構成について説明する説明図である。
【図11】ノズルが種菌接種位置まで移動しているところを示す側面図である。
【図12】ノズルが種菌接種位置まで移動しているところを示す平面図である。
【図13】ノズルを栽培瓶の瓶口に接近させて種菌を吐出させたところを示す側面図である。
【図14】種菌を吐出させながらノズルを直線運動させているところを示す側面図である。
【図15】種菌を吐出させながらノズルを直線運動させているところを示す平面図である。
【図16】押さえ板の構造を説明する平面図である。
【図17】押さえ板の構造を説明する側面図である。
【図18】キャップ脱着機構について説明する正面図である。
【図19】キャップ脱着機構がキャップを外そうとしているところを示す正面図である。
【図20】キャップ脱着機構について説明する平面図である。
【図21】ノズルが種菌を吐出しながら直線運動するところを示す側面図である。
【図22】ノズルが種菌を吐出しながら直線運動するところを示す平面図である。
【図23】液体状種菌接種機の第2の実施形態のベース部について説明する正面図である。
【図24】栽培瓶の先頭列が種菌接種位置に到着したところを示す側面図である。
【図25】栽培瓶の先頭列が種菌接種位置に到着したところを示す平面図である。
【図26】ノズルが種菌接種位置まで移動しているところを示す側面図である。
【図27】ノズルが種菌接種位置まで移動しているところを示す平面図である。
【図28】ノズルを栽培瓶の瓶口に接近させて種菌を吐出させたところを示す側面図である。
【図29】種菌を吐出させながらノズルを直線運動させているところを示す側面図である。
【図30】ノズルが栽培瓶の瓶口の前方側端部に到着したところを示す側面図である。
【図31】ノズルの円弧状運動について示す説明図である。
【図32】ノズルが種菌を吐出しながら直線運動し、その後円弧運動をするところを示す側面図である。
【図33】ノズルが種菌を吐出しながら直線運動し、その後円弧運動するところを示す平面図である。
【図34】ベース部の脱着構造を示す平面図である。
【図35】ベース部の脱着構造を示す側面図である。
【符号の説明】
【0076】
10 植菌孔
20 コンテナ
22 栽培瓶
24 キャップ
30 接種機
32 搬送装置
33 ローラ
34 基台
35 制御盤
36 ポンプ
37 搬送チューブ
38 分岐部
39 搬送チューブ
40 ノズル
41 エアコンプレッサ
42 エアバルブ
44 エアチューブ
45 基体
46 種菌供給ポート
48 第1のエア供給ポート
49 第2のエア供給ポート
50 吐出口
51 種菌流通路
52 混合室
53 フランジ部
54 弁体
55 ロッド
56 弁体配置部
57 エア供給路
58 弁ばね
59 混合体通路
60 ベース部
61 カバー
62 スライドアーム
63 スライドベアリング
64 回動アーム
64a 回動軸
65 シールスリーブ
66 モータ取り付け用スライドベアリング
68 モータ取り付け板
69 連通孔
70 連結ロッド
71 回転軸
72 クランクアーム
73 モータ
74 ピン
76 駆動板
78 長穴
80 上下動ロッド
82 キャップ脱着機構
84 瓶押さえ機構
85 押さえ板
86 スプリング
88 回動板体
89 支持軸
90 駆動ロッド
92 アーム
94 押さえローラ
95 支持軸
96 反転アーム
98 支持アーム
99 連結板
100 スプリング
102 押さえ爪
104 回動軸
106 アーム
108 カム
109 カム面
110 付勢手段
112 アーム
114 スプリング
116 回動軸
118 カム当接部
120 スプロケット
121 回転シャフト
124 モータ
125 チェーン
130 ベース部
132 回転軸
134 クランク
135 クランク
136 下板
138 ピン
140 脱着板
142 保持部
146 棒材
148 湾曲部
150 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
きのこの栽培容器内の培地に種菌を接種する種菌接種機において、
液体状の種菌が充填された種菌容器から液体状の種菌を吐出して栽培容器内に種菌を供給するノズルと、
該ノズルと前記栽培容器とを相対的に接離動させる接離動手段と、
該接離動手段によってノズルと栽培容器とが接近した後、ノズルが種菌を吐出しつつ栽培容器内の培地表面に対して相対的に平行に移動するように駆動する移動手段とを具備することを特徴とする液体状種菌接種機。
【請求項2】
前記移動手段は、
ノズルまたは栽培瓶を所定の方向に直線的に移動させることを特徴とする請求項1記載の液体状種菌接種機。
【請求項3】
前記移動手段は、
ノズルまたは栽培瓶を円弧を描くように移動させることを特徴とする請求項1記載の液体状種菌接種機。
【請求項4】
前記移動手段は、
ノズルまたは栽培瓶を、所定の方向に直線的に移動させて瓶口の内壁近傍の所定位置に移動させた後、該所定位置から瓶口内壁の内側に沿って円弧を描くように移動させることを特徴とする請求項1記載の液体状種菌接種機。
【請求項5】
栽培瓶が複数収納されたコンテナを間欠送りする搬送装置と、
搬送装置によって種菌接種位置まで間欠送りされたコンテナ内の各列ごとの複数の栽培瓶に対して同時に液体状の種菌を接種すべく複数のノズルが取り付けられ、前記接離動手段によって上下方向に移動可能なノズル用ベース部とを具備し、
前記移動手段は、前記接離動手段が各栽培瓶の各瓶口内に各ノズルが収納されるようにノズル用ベース部を下降させた後、ノズル用ベース部を移動させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項記載の液体状種菌接種機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2008−54514(P2008−54514A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232042(P2006−232042)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(391047880)オギワラ精機株式会社 (6)
【Fターム(参考)】