説明

液体現像剤及び液体現像剤の製造方法

【課題】担体液にメチルフェニルシリコーンオイルを使用すると、現像液中に空気を巻き込む動作時に、現像液が発泡してしまうものがある。本発明は安定的に発泡を抑制、または消泡し、高品質な画像を形成することができる液体現像剤を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は消泡剤としてのフッ素含有ポリシロキサンが担体液のメチルフェニルシリコーンオイルに対して消泡効果を十分に発揮するように、フッ素原子含有基ポリシロキサンがわずかに可溶し、さらに、メチルフェニルシリコーンオイルに対しても可溶性を示す環状ポリシロキサンをフッ素含有ポリシロキサンの希釈剤として利用したことをその要旨とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー粒子を用いた液体現像剤およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の印字装置は、感光体などの潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーと呼ばれる帯電した着色微粒子で現像することにより印字する。用いられる現像剤として、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを電気絶縁性の担体液に分散した液体現像剤が知られている。
担体液として求められる特性としては、高絶縁性(1011Ωcm以上)であること、無色透明であること、無臭であること等が上げられる。このような観点から液体現像剤用、担体液としてはイソパラフィン系、パラフィン系、ミネラルスピリット、ナフサ、ケロシン、植物油、シリコーンオイル等が用いられている。
【0003】
特にシリコーンオイルは高い透明性、高い化学的安定性、高絶縁性をもつことから担体液として検討されている。しかし、シリコーンオイルを担体液とした液体現像剤の中には使用条件下で発泡するものがある。この泡の影響により膜の均一性が損なわれ、潜像担持体上(感光体)の画像に濃度ムラや欠陥を生じさせてしまう。また、粉砕法による現像液作製時に着色固体をシリコーンオイル中で粉砕する場合や、ケミカル造粒トナーを用いた現像液作製時における、シリコーンオイル中で粒子同士の凝集体をほぐしていく解砕過程において泡が緩衝材となってしまい解砕効率が落ち生産効率の低下につながる。
【0004】
発泡を防ぐ手段として消泡剤の利用が考えられる。消泡剤は、泡の表面の表面張力を局所的に低下させ、泡と空気の界面に並んでいる界面活性物質の配列を乱すことにより、消泡する効果を有する。発泡する前に添加しておけば、発泡を防ぐ抑泡効果を示し、発泡後に添加すれば消泡効果を示す。液体現像剤では、高速電気泳動を実現するために添加されている電荷制御剤などの添加剤、分散状態を安定化させるために添加されている分散剤、もしくは上記目的でトナー表面に処理剤として用いられている物質等が担体液中に遊離し、泡表面に配列することによって発泡し、泡が安定化すると考えられる。消泡剤によってこれら添加剤の配列を乱すことにより、抑泡効果、消泡効果が得られる。
【0005】
シリコーンオイルは、消泡剤として利用されるほど表面張力が低いため、シリコーンオイルに対する有効な消泡剤が少ない。特許文献1に記載の液体現像剤ではフッ素ポリシロキサンを用いているが、フッ素ポリシロキサンと担体液のシリコーンオイルとの相溶性が低いため十分な消泡効果が得られない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−38963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はメチルフェニルシリコーンオイルを用いた液体現像剤において、安定的に発泡を抑制し、高品質な画像を形成することができる液体現像剤およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するように以下の形態として実現される。
〔適用例1〕表面にポリアルキレンイミンおよびアニオン性シリコーンエマルジョンが付着したトナー粒子と、メチルフェニルシリコーンオイルと、フッ素原子含有基をもつポリシロキサンと、環状ポリシロキサンと、を含むことを特徴とする液体現像剤。
【0009】
上記適用例では消泡剤としてのフッ素含有ポリシロキサンがメチルフェニルシリコーンオイルに対して消泡効果を十分に発揮するように、少なくともひとつのフッ素原子含有基をもつポリシロキサン(以下フッ素含有ポリシロキサン)がわずかに可溶し、さらに、メチルフェニルシリコーンオイルに対しても可溶性を示す環状ポリシロキサンをフッ素含有ポリシロキサンの希釈剤として利用したことをその要旨とする。
上記適用例の液体現像剤は高絶縁性を有し、無色透明、無臭、耐候性に優れるという特徴を持つメチルフェニルシリコーンオイルに消泡剤として用いられる下記一般式(1)(n、m、xは整数)で示されるフッ素含有ポリシロキサンを、下記一般式(2)(nは3以上の整数)で示される環状ポリシロキサンで希釈したものを添加してなることを特徴とする担体液と粒子表面をポリアルキレンイミンによって改質されたのち、アニオン性シリコーンエマルジョンによって改質されたトナー粒子からなる。
【0010】
【化1】

【0011】
【化2】

【0012】
ポリアルキレンイミンによる表面改質はこれにより、トナー粒子の正帯電の帯電特性および分散安定性が長期にわたって特に優れたものとなる。カチオン性のポリアルキレンイミンによりトナー粒子の表面改質を行ったあと、アニオン性のシリコーンエマルジョンを吸着させることで、長期安定な分散の機能を付与することができる。
現像液に、分子内にわずかな極性を示す、フェニル基を持つメチルフェニルシリコーンオイルを用いることにより、後に示す電荷制御剤(CCA)の溶解度を上げることができる。このためトナー粒子に効果的に電荷を与えることができ、高移動度なトナー粒子を含む液体現像剤を提供することができる。しかし、本適用例においては分散安定化のために、粒子表面に処理されているアニオン性シリコーンエマルジョンの構成成分が担体液のメチルフェニルシリーンオイルがもつわずかな極性によりわずかに遊離する。遊離した構成成分が現像液と空気の界面に配列することにより発泡する。
フッ素含有ポリシロキサンは、他の消泡剤と比べて低い表面張力を有しているため、消泡剤として作用する能力を持っている。しかし、本適用例の液体現像剤の構成では担体液の主成分であるメチルフェニルシリコーンオイルに対して相溶性が低いため、十分な消泡効果を得ることができない。そこで、担体液の主成分であるメチルフェニルシリコーンオイルに可溶性を示し、フッ素含有ポリシロキサンも可溶性を示す環状ポリシロキサンとを併用すると、フッ素含有ポリシロキサンがわずかに担体液の主成分であるメチルフェニルシリコーンオイルに可溶化し消泡効果を得ることができた。これにより、感光体上の画像にムラ、欠陥を生じさせることなく鮮明な画像を形成することができた。
【0013】
〔適用例2〕本適用例の液体現像剤の製造方法は、樹脂と顔料とを含むトナー粒子を準備する第1ステップと、前記トナー粒子を液体中に分散する第2ステップと、前記液体中にポリアルキレンイミンを添加する第3ステップと、さらに、アニオン性シリコーンエマルジョンを添加する第4ステップと、さらに、ポリアルキレンイミンおよびアニオン性シリコーンエマルジョンが添加された液体を濾過し、乾燥させることで粉体を得る第5ステップと、さらに、前記粉体をメチルフェニルシリコーンオイルに分散させる第6ステップと、を含む液体現像剤の製造方法であって、前記第6ステップの際にフッ素原子含有基をもつポリシロキサンと環状ポリシロキサンと、を添加する第7ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
本適用例に記載の液体現像剤の製造方法によれば、上記適用例1に記載の液体現像剤を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の液体現像剤が適用される画像形成装置の形態を示す模式図。
【図2】図2は、図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明では後述する方法でこの発泡を抑制、消泡することにより鮮明な画像を形成することが可能となった。以下、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【0017】
(担体液について)
本実施形態の液体現像剤は、担体液としてメチルフェニルシリコーンオイルを含み、さらに、フッ素含有ポリシロキサンと環状ポリシロキサンとを含んでいる。メチルフェニルシリコーンオイルは後述するような適度な高絶縁性を示すが、極性を持つフェニル基を持つことにより、後述するようなCCAが汎用性の高いジメチルシリコーンオイルによりも高い可溶性を示す。そのため、トナー粒子に対して効果的に電荷を与えることができる。メチルフェニルシリコーンオイルとしては以下のもの、例えば、信越化学工業製、KF50、KF54、KF56、Wacker Chemie AG製APシリーズ、ARシリーズ、ASシリーズ、東レ・ダウコーニング製SH510、SH550、SH710などがあげられる。
【0018】
本実施形態のフッ素含有ポリシロキサンは少なくともひとつのフッ素原子含有基をもつシリコーンオイルであり、前記一般式1のような構造である。例として信越化学工業製FA630、Wacker Chemie AG製AF98、東レ・ダウコーニング製FS1265などがあげられる。
環状ポリシロキサンは前記一般式2のような構造であり、例として信越化学工業製KF994、KF995、東レ・ダウコーニング製SH245、DC246、DC345などがあげられる。
【0019】
フッ素含有ポリシロキサンの添加量は担体液重量に対して10〜500ppm程度が好ましい。これ以上であると、後述する画像形成装置の塗布ローラー上で、はじき等の原因となることがある。また、フッ素含有ポリシロキサンの環状ポリシロキサンでの希釈液中のフッ素含有ポリシロキサンの含有量は1〜5wt%であることがこのましい。この範囲であればフッ素含有ポリシロキサンは環状ポリシロキサンに可溶し、消泡効果を得ることができる。フッ素含有ポリシロキサンの環状ポリシロキサンでの希釈液の担体液全重量の0.1〜1wt%程度が好ましい。これより少ないと十分な消泡効果が得られず、多いと前述のはじきの原因となる。また、フッ素含有ポリシロキサンの環状ポリシロキサンでの希釈液はトナーの解砕工程時に添加してもよく、解砕工程の後に添加してもよい。泡の発生をおさえる抑泡効果と泡を消す消泡効果を得ることができる。
【0020】
担体液の粘度は、特に限定されないが、5mPa・s以上1000mPa・s以下であるのが好ましく、50mPa・s以上800mPa・s以下であるのがより好ましく、50mPa・s以上500mPa・s以下であるのがさらに好ましい。担体液の粘度が前記範囲内の値であると、液体現像剤が現像剤容器から塗布ローラーにくみ出された場合において、適量の担体液がトナー粒子に付着し、トナー画像の現像性、転写性を特に優れたものにできる。また、トナー粒子の分散性をより高いものとすることができるとともに、後述するような画像形成装置において、塗布ローラーに液体現像剤をより均一に供給することができ、また、塗布ローラー等からの液体現像剤の液だれ等をより効果的に防止することができる。加えて、トナー粒子の凝集、沈降をより効果的に防止でき、担体液中におけるトナー粒子の分散性をより高いものとすることができる。これに対し、担体液の粘度が前記下限値未満であると、後述するような画像形成装置において、塗布ローラー等からの液体現像剤の液だれ等の問題が起こる可能性がある。一方、担体液の粘度が前記上限値を超えると、トナー粒子の分散性を十分高くできず、後述するような画像形成装置において、塗布ローラーに液体現像剤をより均一に供給することができない場合がある。ただし、本明細書における粘度とは25℃において測定した値を指すものとする。
また、このような担体液の室温(20℃)での電気抵抗は、1011Ωcm以上のものであるのが好ましく、1012Ωcm以上のものであるのがより好ましく、1013Ωcm以上のものであるのがさらに好ましい。担体液の電気抵抗が上記範囲であると、粒子に対して効果的に電界を与えることができる。
【0021】
(トナー粒子について)
トナー粒子は、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。トナーを構成する結着樹脂は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択する。具体的には、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、などが使用される。本実施形態においては特にポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、透明性が高く、結着樹脂として用いた場合、得られる画像の発色性を高いものとすることができる。また、本実施形態において、トナー粒子は、樹脂材料としてロジン系樹脂を含むものである。
【0022】
ロジン系樹脂は、定着基材である紙との親和性(相溶性)の高い成分である。したがって、このようなロジン系樹脂を有するトナー粒子は、紙への定着性が特に高い物となる。
トナー粒子の作成方法は、特に限定されるものではなく、結着樹脂を含む着色固体を粉砕して粒子を作製する粉砕法、化学的に粒子ひとつひとつ造粒するケミカル法がある。本実施形態においては後述する、乳化合一法による粒子を用いることが好ましい。乳化合一法を用いることにより、平均粒径分布をシャープにすることができ、さらに、水系溶媒中で帯電、分散を向上させるための表面処理をすることができる。
【0023】
(ポリアルキレンイミン処理)
構成されたトナー粒子は、ポリアルキレンイミンにより改質されているのが好ましい。なお、ポリアルキレンイミンによる改質とは、ポリアルキレンイミンのアミノ基の少なくとも一部と、トナー粒子の表面の樹脂材料に由来する酸性基(主にカルボキシル基)の少なくとも一部とが化学反応し、共有結合(アミド結合)をなしていること、または、樹脂材料の酸性基とポリアルキレンイミンのアミノ基とがイオン結合をなしていることをいう。
【0024】
また、ポリアルキレンイミンは、アミノ基がカチオンを引きつけることにより、高い正帯電性を示すことができる。
また、このようなポリアルキレンイミンは、化学的にトナー粒子表面に付着しているので、トナー粒子表面から脱離しづらく、トナー粒子の正帯電の帯電特性を長期にわたって優れたものとすることができる。
【0025】
ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン、ポリイソプロピレンイミン等が挙げられる。中でも、ポリエチレンイミンを用いるのが好ましい。これにより、トナー粒子の表面を、より好適に改質することができ、トナー粒子の長期分散安定性、正帯電の帯電特性をより優れたものとすることができる。
ポリアルキレンイミンの重量平均分子量は、10000以上70000以下であるのが好ましい。ポリアルキレンイミンの重量平均分子量がこのような範囲であると、トナー粒子表面をより効果的に改質(化学修飾)することができるとともに、ポリアルキレンイミンの比較的長い分子鎖による立体障害によって、トナー粒子同士の凝集を効果的に防止することができ、トナー粒子の分散安定性を効果的に向上させることができる。
【0026】
(アニオン性シリコーンエマルジョンによる高分散化)
トナー粒子は上記ポリアルキレンイミン処理を実施されたあと、アニオン性シリコーンエマルジョンにより改質されていることが好ましい。アルカリ性の液体中において、トナー粒子に対し、アニオン性のシリコーンエマルジョンによる処理を施しトナー粒子を得る。これによりトナー粒子の表面に、シリコーンエマルジョンの構成材料が付着し、最終的に得られる液体現像剤中におけるトナー粒子の長期分散安定性を確保することができる。特に、エマルジョン処理工程で用いられるトナー粒子が、ポリアルキレンイミン処理が施されたものであると、シリコーンエマルジョンの構成材料が静電的に粒子表面に付着し、シリコーンエマルジョンの構成材料の結合強度を特に優れたものにすることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤中におけるトナー粒子の分散安定性を特に優れたものにすることができる。
【0027】
また、後述するような画像形成装置において、現像部等で回収された液体現像剤を再利用する際に、回収された液体現像剤内のトナー粒子を容易に再分散させることができ、容易に再利用することができる。
シリコーンエマルジョンとは液状のシリコーン系材料が分散液中に分散してなるものであり、アニオン性のものであれば、いかなるものをもちいてもよい。
また、市販されているアニオン性シリコーンエマルジョンとしては、信越化学社製KM−9717、Polon MNST、KM−9737、KM−9738、Polon MF−32、X−52−8001、X−52−1264、X−51−1302M、東レ・ダウコーニング社製BY22−826EX、BY22−744EX、SH7024、SM7060EX、SM7036EX等が挙げられる。中でもKM−9717が特に好ましい。
【0028】
(ロジン樹脂以外の樹脂の熱特性規定)
トナー粒子中に含まれるロジン系樹脂以外の樹脂材料の軟化点は、50〜130℃であると低温で定着ができるため好ましく、60〜115℃であると低温で、より速い速度での定着が可能となるため、より好ましい。これにより、トナー粒子の低温定着特性を特に優れたものとすることができる。
【0029】
(L体、H体樹脂の存在定義)
また、トナー粒子がエステル結合を有する樹脂を含む場合、エステル結合を有する樹脂として、重量平均分子量が異なる2種以上の樹脂成分を含むことが好ましい。具体的には、トナー粒子は、エステル結合を有する樹脂として、重量平均分子量が比較的小さい第1の樹脂成分と、第1の樹脂成分よりも重量分子量が大きな第2の樹脂成分とを含むことが好ましい。このように、複数種の樹脂成分を含むことにより、以下のような効果が得られる。
【0030】
(L体:第一の樹脂成分、H体:第二の樹脂成分の規定)
比較的重量平均分子量が小さな第1の樹脂成分は、比較的低い温度であっても容易に溶融できる。このため、トナー粒子はこのような第1の樹脂成分を含むことにより、定着時においてトナー画像を加熱する場合に、定着温度が比較的低温(例えば、100〜140℃)であっても、第1の樹脂成分がロジン系樹脂とともに溶融することができ、トナー粒子が容易に軟化して記録媒体に強固に定着することができる。また、このようにトナー粒子が比較的容易に溶融することで、定着時において複数の異なる着色剤を有するトナー粒子同士が容易に溶融、混合され、得られるトナー画像の発色性が優れたものとなる。
【0031】
一方で、比較的重量平均分子量が大きな第2の成分は、比較的高い温度環境下であっても溶融、軟化しにくい。このため、トナー粒子がこのような第2の樹脂成分を含むことにより、液体現像剤が画像形成装置内等に未使用の状態で保存されている際に、液体現像剤が比較的高温(例えば40〜80℃)になった場合であっても、トナー粒子が溶融したり、トナー粒子が変形したりすることが防止される。特に、第1の樹脂成分やロジン系樹脂がこのような環境下で軟化し始めた場合であっても、このような第2の樹脂成分がトナー粒子の骨格として作用する。この結果、液体現像剤中の複数のトナー粒子が上記のような高温環境下で互いに付着し合って凝集したり、変形したりすることがより確実に防止される。
【0032】
以上より、トナー粒子がロジン系樹脂に加え、上記のような第1の樹脂成分と第2の樹脂成分とを含むことにより、液体現像剤の高い低温定着特性トナー粒子の長期分散安定性を両立出来るものとなる。
このような場合、第1の樹脂成分の重量平均分子量は、3000〜12000であるとロジン樹脂による定着性を阻害しない、4000〜10000であると定着性の向上に加え、長期保存安定性もより高く維持することが出来るようになるためより好ましく、5000〜7000であるとより高い定着性とより高い長期保存安定性が得られるためさらに好ましい。また、第2の樹脂成分の重量平均分子量は、20000〜400000であると長期保存安定性が得られるため好ましく、10000〜250000であると長期保存安定性と低温定着性が向上するため、さらに好ましい。
【0033】
また、トナー粒子を構成する樹脂材料中の第1の樹脂成分の含有量は、30〜80wt%であると十分な低温定着性が得られるために好ましく、40〜75wt%であると低温定着性と長期保存安定性が高い次元で両立できるためにより好ましい。トナー粒子を構成する樹脂材料中の第2の樹脂成分の含有量は、5〜40wt%であると長期保存安定性が得られるために好ましく、10〜30wt%であると低温定着性と長期保存安定性が高い次元で両立できるため、より好ましい。
【0034】
(着色剤について)
本実施形態の液体現像剤に用いられる着色剤としては、特に限定されず、公知の多くの無機および/有機顔料・染料をしようすることができる。ブラック顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。イエロー顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。シアン顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
【0035】
(トナー粒子の形状について)
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.5〜3μmであるのが好ましく、1〜2.5μmであるのがより好ましく、1〜2μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での特性のばらつきを小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を高いものとしつつ、液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度を十分に高いものとすることができる。また、トナー粒子の担体液への分散を良好にし、液体現像剤の保存性を高いものとできる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
【0036】
液体現像剤中におけるトナー粒子の含有率は、10〜60wt%であるのが好ましく、15〜35wt%であるのがより好ましい。この範囲内であると十分な色濃度を確保でき、高画質現像に必要な薄膜を形成することが可能となる。
【0037】
また、トナー粒子に電荷を与え、その極性を安定に保つ役割を持つ電荷制御剤(CCA)を添加してもよい。電荷制御剤は無機および有機顔料、有機染料、分子内に極性基を持つ樹脂および芳香族カルボン酸、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、およびアミン等が使用され、さらにこれに含むポリマーもこの目的に使用される。また、各種金属石ケン例えばオクチル酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト等も使用される。
【0038】
≪液体現像剤の製造方法≫
次に、上述したような液体現像剤の製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法は、上述したトナー粒子を構成する樹脂材料等が有機溶媒に溶解した樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製工程と、調製した樹脂溶液中に水系液体を添加することにより、W/O乳化液を経由して、O/W乳化液を調製するO/W乳化液調製工程と、調製したO/W乳化液中に含まれる分散質を合一させ、合一粒子を得る合一工程(乳化合一法)と、合一粒子中に含まれる有機溶媒を除去し、トナー粒子を形成する有機溶媒除去工程と、得られたトナー粒子の表面をポリアルキレンイミンで改質する表面改質工程と、さらに、アニオン性シリコーンエマルジョンで改質する表面改質工程とトナー粒子をメチルフェニルシリコーンを含む絶縁性液体中に分散させる分散工程とを有する。
【0039】
以下、液体現像剤の製造方法を構成する各工程について詳細に説明する。
[樹脂溶液調製工程]
まず、樹脂材料等を有機溶媒に溶解させた樹脂溶液を調製する。
調製された樹脂溶液は、前述したようなトナー粒子の樹脂材料や着色剤(ポリアルキレンイミン、アニオン性シリコーンエマルジョン以外の材料)、および、次に述べるような有機溶媒(有機溶剤)等を含むものである。
有機溶媒としては、樹脂材料の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、後述する水系液体よりも沸点が低いものを用いるのが好ましい。これにより、有機溶媒を容易に除去することができる。
また、有機溶媒は、後述する水系液体(水系分散媒)との相溶性が低いもの(例えば、25℃における水系液体100gに対する溶解度が30g以下のもの)であるのが好ましい。これにより、後述するO/W乳化液(水系乳化液)中において、粒子材料で構成された分散質を安定した状態で微分散させることができる。
また、有機溶媒の組成は、例えば、前述したような樹脂材料、着色剤の組成や、水系液体(水系分散媒)の組成等に応じて適宜選択することができる。
このような有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、MEK等のケトン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0040】
樹脂溶液は、例えば、樹脂材料、着色剤、有機溶媒等を、攪拌機等により混合することにより得ることができる。樹脂溶液の調製に用いることのできる攪拌機としては、例えば、DESPA(浅田鉄工社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼(プライミクス社製)等の高速攪拌機が挙げられる。
また、攪拌時における材料温度は、20℃以上60℃以下であるのが好ましく、30℃以上50℃以下であるのがより好ましい。
樹脂溶液中における固形分の含有率は、特に限定されないが、40wt%以上75wt%以下であるのが好ましく、50wt%以上73wt%以下であるのがより好ましく、50wt%以上70wt%以下であるのがさらに好ましい。固形分の含有率が前記範囲内の値であると、後述する分散液(水系分散液)を構成する分散質を、より球形度の高いもの(真球に近い形状もの)とすることができ、最終的に得られるトナー粒子の形状を、より確実に好適なものとすることができる。
また、樹脂溶液の調製においては、調製すべき樹脂溶液の構成成分をすべて同時に混合してもよいし、予め、調製すべき樹脂溶液の構成成分のうち一部を混合して混合物(マスター)を得、その後、当該混合物(マスター)を、他の成分と混合してもよい。
また、得られる樹脂溶液において、着色剤等の一部の材料は、有機溶媒に溶解せず、有機溶剤中に分散していてもよい。
【0041】
[O/W乳化液調製工程]
次に、上記樹脂溶液中に水系液体を添加することにより、W/O乳化液を経由して、O/W乳化液を調製する。
水系液体としては、主として水で構成されたものを用いることができる。
水系液体中には、例えば、水との相溶性に優れる溶媒(例えば、25℃での100重量部の水に対する溶解度が、50重量部以上である溶媒)を含むものであってもよい。
また、水系液体には、必要に応じて乳化分散剤を添加してもよい。乳化分散剤を添加することにより、より容易に水系乳化液を調製することができる。乳化分散剤としては、特に限定されず、例えば、公知の乳化分散剤を用いることができる。
【0042】
また、O/W乳化液の調製に際して、例えば、塩基性物質を用いてもよい。これにより、例えば、樹脂材料が有する官能基(例えば、カルボキシル基等)を中和することができ、調製されるO/W乳化液中における分散質の形状、大きさの均一性、分散質の分散性を特に優れたものとすることができ。このため、得られるトナー粒子は、粒度分布が特にシャープなものとなる。塩基性物質は、例えば、樹脂溶液に添加されるものであってもよいし、水系液体に添加されるものであってもよい。また、塩基性物質は、O/W乳化液の調製において、複数回に分けて添加されるものであってもよい。
【0043】
塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、塩基性物質の使用量は、樹脂材料が有する全カルボキシル基を中和するために必要な量の1倍以上3倍以下に相当する量(1当量以上3当量以下)が好ましく、1倍以上2倍以下に相当する量(1当量以上2当量以下)がより好ましい。これにより、異形の分散質が形成されるのを効果的に防止することができ、また、後に詳述する合一工程において得られる粒子の粒度分布を、よりシャープなものとすることができる。
【0044】
樹脂溶液への水系液体の添加は、いかなる方法で行うものであってもよいが、樹脂溶液を撹拌しつつ、樹脂溶液に水を含む水系液体を添加することが好ましい。すなわち、攪拌機等により樹脂溶液に剪断を加えつつ、樹脂溶液中に水系液体を徐々に添加(滴下)することにより行い、W/O型の乳化液(W/O乳化液)からO/W型の乳化液(O/W乳化液)に転相させるのが好ましい。これにより、O/W乳化液に含まれる分散質の大きさ、形状の均一性を特に高いものとすることができ、最終的に得られる液体現像剤中に含まれるトナー粒子の粒度分布を非常にシャープなものとすることができ、トナー粒子間での特性のばらつきを特に小さいものとすることができる。
O/W乳化液の調製に用いることのできる攪拌機としては、例えば、DESPA(浅田鉄工社製)、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼(プライミクス社製)、スラッシャ(三井鉱山社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)等の高速攪拌機、あるいは高速分散機等が挙げられる。
【0045】
また、樹脂溶液への水系液体の添加時には、翼先端速度が10m/秒以上20m/秒以下となるように撹拌を行うことが好ましく、12m/秒以上18m/秒以下となるように撹拌を行うことがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、O/W乳化液を効率良く得ることができるとともに、O/W乳化液中における分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができ、過剰に微細な分散質、粗大粒子の発生を防止しつつ、分散質の均一分散性を特に優れたものとすることができる。
【0046】
O/W乳化液中における固形分の含有率は、特に限定されないが、5wt%以上55wt%以下であるのが好ましく、10wt%以上50wt%以下であるのがより好ましい。これにより、O/W乳化液中における分散質同士の不本意な凝集をより確実に防止しつつ、液体現像剤の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、本処理における材料温度は、20℃以上60℃以下であるのが好ましく、20℃以上50℃以下であるのがより好ましい。
【0047】
[合一工程]
次に、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る。分散質の合一は、通常、有機溶媒を含む分散質が衝突することにより、これらが一体化して進行する。
複数個の分散質の合一は、O/W乳化液を撹拌しながら、O/W乳化液に電解質を添加することにより行う。これにより、容易かつ確実に合一粒子を得ることができる。また、電解質の添加量を調節することにより、容易かつ確実に、合一粒子の粒径、粒度分布を制御することができる。
【0048】
電解質としては、特に限定されず、公知の有機、無機の水溶性の塩等を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、電解質は、1価のカチオンの塩であることが好ましい。これにより、得られる合一粒子の粒度分布を特にシャープなものとすることができる。また、1価のカチオンの塩を用いることで、本工程において、粗大粒子が発生することを確実に防止することができる。
また、上述した中でも、電解質は、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム)または炭酸塩であることが好ましく、硫酸塩であることが特に好ましい。これにより、特に容易に合一粒子の粒径を制御できる。
【0049】
本工程で添加される電解質の量は、電解質が添加されるO/W乳化液に含まれる固形分:100重量部に対し、0.5重量部以上3重量部以下であるのが好ましく、1重量部以上2重量部以下であるのがより好ましい。これにより、特に容易かつ確実に合一粒子の粒径を制御できるとともに、粗大粒子の発生を確実に防止することができる。
【0050】
また、電解質は、水溶液の状態で添加されるのが好ましい。これにより、速やかにO/W乳化液全体に、電解質を拡散させることができるとともに、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。この結果、所望の粒径で、粒度分布が非常にシャープな合一粒子を得ることができる。
【0051】
また、電解質を水溶液の状態で添加する場合、水溶液中における電解質の濃度は、2wt%以上10wt%以下であることが好ましく、2.5wt%以上6wt%以下であることがより好ましい。これにより、特に速やかにO/W乳化液全体に、電解質を拡散させることができ、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。また、このような水溶液を加えることにより、電解質を加え終えた際におけるO/W乳化液中の水の含有量が、好適なものとなる。このため、電解質添加後における合一粒子の成長速度を、生産性が落ちない程度に、適度に遅いものとすることができる。結果として、粒径をより確実に制御できる。また、不本意な合一粒子の合一を確実に防止することができる。
【0052】
また、電解質を水溶液で添加する場合、電解質水溶液の添加の速度は、電解質水溶液が添加されるO/W乳化液に含まれる固形分:100重量部に対し、0.5重量部/分以上10重量部/分以下であるのが好ましく、1.5重量部/分以上5重量部/分以下であるのがより好ましい。これにより、O/W乳化液中で、電解質の濃度のむらが発生することを防止することができ、粗大粒子が発生することを確実に防ぐことができる。また、合一粒子の粒度分布はさらにシャープなものとなる。さらに、このような速度で電解質を添加することで、合一の速度を特に容易に制御でき、合一粒子の平均粒径を制御することが特に容易になるとともに、液体現像剤の生産性を特に優れたものとすることができる。
【0053】
電解質の添加は、複数回に分けて行ってもよい。これにより、容易かつ確実に、所望の大きさの合一粒子を得ることができるとともに、得られる合一粒子の円形度を確実に、十分に大きいものとすることができる。
また、本工程は、O/W乳化液を攪拌した状態で行う。これにより、粒子間での形状、大きさのばらつきが特に小さい合一粒子を得ることができる。
O/W乳化液の撹拌には、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月翼等の攪拌翼を用いることができるが、中でも、マックスブレンド翼、フルゾーン翼が好ましい。これにより、添加した電解質をすばやく均一に分散、溶解させて、電解質の濃度むらが発生することを確実に防止することができる。また、分散質を効率良く合一させつつ、一旦形成された合一粒子が崩壊するのをより確実に防止することができる。その結果、粒子間での形状、粒径のばらつきの小さい合一粒子を効率良く得ることができる。
【0054】
攪拌翼の翼先端速度は、0.1m/秒以上10m/秒以下であるのが好ましく、0.2m/秒以上8m/秒以下であるのがより好ましく、0.2m/秒以上6m/秒以下であるのがさらに好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、添加した電解質を均一に分散、溶解させて、電解質の濃度むらが発生することを確実に防止することができる。また、分散質をより効率良く合一させつつ、一旦形成された合一粒子が崩壊するのをさらに確実に防止することができる。
得られる合一粒子の平均粒径は、0.5μm以上5μm以下であるのが好ましく、1.5μm以上3μm以下であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナー粒子の粒径を、より確実に適度なものとすることができる。
【0055】
[有機溶媒除去工程]
その後、O/W乳化液中(特に、分散質中)に含まれる有機溶媒を除去する。これにより、トナー粒子が水系分散媒中に分散した分散液(水系分散液)が得られる。
有機溶媒の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、例えば、減圧により行うことができる。これにより、樹脂材料等の構成材料の変性等を十分に防止しつつ、効率良く有機溶媒を除去することができる。
また、本工程での処理温度は、合一粒子を構成する樹脂材料のガラス転移点(Tg)よりも低い温度であるのが好ましい。
また、本工程は、O/W乳化液(分散液)に、消泡剤を添加した状態で行ってもよい。これにより、効率良く有機溶媒を除去することができる。
【0056】
消泡剤としては、例えば、鉱物油系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤のほか、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、リン酸エステル類等を用いることができる。
消泡剤の使用量は、特に限定されないが、O/W乳化液中に含まれる固形分に対して、重量比で、20ppm以上300ppm以下であるのが好ましく、30ppm以上100ppm以下であるのがより好ましい。
また、本工程においては、有機溶媒とともに、少なくとも一部の水系液体が除去されてもよい。
【0057】
なお、本工程においては、必ずしも全ての有機溶媒(分散液中に含まれる有機溶媒の全量)が除去されなくてもよい。このような場合であっても、後述する工程において、残存する有機溶媒を十分に除去することができる。
【0058】
[洗浄工程(第1の洗浄工程)]
次に、上記のようにして得られたトナー粒子の洗浄を行う。これにより、洗浄されたトナー粒子を含む分散液(水系分散液)を得ることができる。
本工程を行うことにより、不純物として、有機溶媒等が含まれる場合であっても、これらを効率良く除去することができる。また、本工程を行うことにより、上述した工程で用いた電解質、塩基性物質、酸性物質や、酸塩基反応により生じた塩を効率良く除去することができる。その結果、最終的に得られるトナー粒子中における、揮発性有機化合物(TVOC)量を特に少ないものとすることができる。また、絶縁性液体の電気抵抗を特に高いものとすることができるとともに、トナー粒子の特性の安定性も向上する。
【0059】
本工程は、例えば、固液分離(水系液体からの分離)によりトナー粒子を分離し、さらにその後、固形分(トナー粒子)を水系液体(水系分散媒)中に再分散することにより行うことができる。固液分離、および、固形分の水中への再分散は、複数回、繰り返し行ってもよい。なお、洗浄は、固形分(トナー粒子)を水系液体(水系分散媒)中に再分散した分散液(スラリー)の上澄み液の導電度が20μS/cm以下となるまで行うのが好ましい。これ以下であれば現像液の抵抗を下げることはなく
【0060】
[ポリアルキレンイミンによる表面改質(第1の表面改質工程)]
次に、上述したようなトナー粒子を含む分散液(水系分散液)とポリアルキレンイミンとを混合し、上述したようなトナー粒子をポリアルキレンイミンで表面改質する。
本工程は、水系分散液とポリアルキレンイミンとの混合により行うものであればよいが、分散液(水系分散液)の水素イオン指数(pH)を2以上8以下に調整した状態で行うのが好ましい。これにより、トナー粒子の構成材料の不本意な変質等を確実に防止しつつ、トナー粒子の表面に存在する酸性基とポリアルキレンイミンとの反応をより効率よく進行させることができ、ポリアルキレンイミンをトナー粒子表面により強固に結合させることができる。その結果、トナー粒子の長期分散安定性、帯電特性の安定性を特に優れたものとすることができる。上記のように、本工程における分散液(水系分散液)の水素イオン指数(pH)は、2以上8以下であるのが好ましいが、2.5以上6.5以下であるのがより好ましく、4以上5以下であるのがさらに好ましい。これにより、上記のような効果がさらに顕著に発揮される。
【0061】
上述した分散液のpH調整は、例えば、1Nの塩酸等を添加することにより行うことができる。
また、上記分散液とポリアルキレンイミンとの混合後、混合液を1時間以上3時間以下攪拌するのが好ましい。これにより、トナー粒子表面をより均一に改質(化学修飾)することができる。
また、攪拌は、常温下で行ってもよいし、混合液を30℃以上40℃以下に加温しつつ行ってもよい。加温して行うことにより、トナー粒子表面をより効率よく改質(化学修飾)することができる。
【0062】
本工程でのポリアルキレンイミンの使用量は、樹脂材料:100重量部に対し、0.02重量部以上2.0重量部以下であるのが好ましく、0.06重量部以上1.2重量部以下であるのがより好ましく、0.1重量部以上0.6重量部以下であるのがさらに好ましい。特に、樹脂材料がロジン系樹脂を含む場合、本工程でのポリアルキレンイミンの使用量は、ロジン系樹脂:100重量部に対し、0.1重量部以上10重量部以下であるのが好ましく、0.3重量部以上6.0重量部以下であるのがより好ましく、0.5重量部以上3.0重量部以下であるのがさらに好ましい。ポリアルキレンイミンの使用量の使用量が前記範囲内の値であると、最終的に得られる液体現像剤において、過剰のポリアルキレンイミンが絶縁性液体中に溶出する等の不都合を確実に防止しつつ、トナー粒子の長期分散安定性、正帯電の帯電特性を特に優れたものとすることができる。
【0063】
[洗浄工程(第2の洗浄工程)]
次に、上記のようにして得られたトナー粒子の洗浄を行う。これにより、ウェットケーキ状の洗浄されたトナー粒子を得ることができる。
本工程を行うことにより、本工程を行うことにより、上述した工程で用いた余分なポリアルキレンイミン、電解質、酸塩基反応により生じた塩等を効率良く除去することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤において、絶縁性液体の電気抵抗を特に高いものとすることができるとともに、トナー粒子の特性の安定性も向上する。
【0064】
本工程は、例えば、固液分離(水系液体からの分離)によりトナー粒子を分離し、さらにその後、固形分(トナー粒子)を水系液体(水系分散媒)中に再分散することにより行うことができる。固液分離、および、固形分の水中への再分散は、複数回、繰り返し行ってもよい。なお、洗浄は、固形分(トナー粒子)を水系液体(水系分散媒)中に再分散した分散液(スラリー)の上澄み液の導電度が20μS/cm以下となるまで行うのが好ましい。
なお、上記のようにポリアルキレンイミンは、ロジン系樹脂を含むトナー粒子に強固に結合している。このため、従来の液体現像剤で用いられている分散剤等とは異なり、洗浄処理を施しても、トナー粒子から脱離・脱落することが確実に防止されている。
本工程は、例えば、固液分離(水系液体からの分離)によりトナー粒子を分離し、さらにその後、固形分(トナー粒子)の水系液体(水系分散媒)中への再分散および固液分離(水系液体からのトナー粒子の分離)をすることにより行うことができる。固形分の水中への再分散および固液分離は、複数回、繰り返し行ってもよい。
【0065】
[シリコーンエマルジョンによる表面改質(第2の表面改質工程)]
次に、アルカリ性の液体中において、トナー粒子に対し、アニオン性のシリコーンエマルジョンによる処理を施しトナー粒子を得る。本工程はポリアルキレンイミンによる処理が施されたトナー粒子を含む水系分散液とアニオン性のシリコーンエマルジョンとの混合により行うことができ、例えば、混合後に、水素イオン指数(pH)を調整してもよいが、トナー粒子を含む水系分散液がアルカリ性となるようにpHを調整した状態でトナー粒子を含む水系分散液とアニオン性のシリコーンエマルジョンとを混合することが好ましい。これにより、シリコーンエマルジョンの構成材料をトナー粒子表面により強固に付着させることができる。
【0066】
また、本工程は、トナー粒子を含む水系分散液をシリコーンエマルジョンに添加するようにして行うものであってもよいが、シリコーンエマルジョンを、トナー粒子を含む水系分散液に添加するようにして行うほうが好ましい。
本工程は、アルカリ性液体中においてトナー粒子に対しアニオン性のシリコーンエマルジョンにより処理を施すものであればよいが、水系分散液のpHを7.3以上13.0以下に調整して行うのが好ましく、水系分散液のpHを8.5以上11.5以下に調整して行うのがさらに好ましい。これに対し、水系分散液のpHが前記下限値未満であると、本工程においてシリコーンエマルジョンの構成材料をトナー粒子表面に強固に結合させることが困難になる。一方、水系分散液のpHが前記上限値を超えると、アルカリ性液体とする効果が飽和するとともに、後述する洗浄工程(第3の洗浄工程)に際して洗浄液の使用量が多くなり、液体現像剤の生産性が低下する。
【0067】
トナー粒子が上述したようなポリアルキレンイミンによる処理が施されたものである場合、通常、十分な洗浄を行うことにより、水系分散液のpHを前記範囲内の値とすることができる。
また、上記水系分散液とシリコーンエマルジョンとの混合後、混合液を1時間以上撹拌することが好ましい。これによりトナー粒子表面をより均一に改質することができる。また、撹拌は常温下で行ってもよいし混合液を30℃以上40℃以下に加温しつつ行ってもよい。加温して行うことにより、トナー粒子の表面をより効率よく改質することができる。
【0068】
本工程でのシリコーンエマルジョンの使用量は、トナー粒子を構成する結着樹脂100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下であることが好ましく、0.5以上6.0重量部以下であることがさらに好ましい。シリコーンエマルジョンの使用量が前記範囲内であると最終的に得られる液体現像剤において、過剰のシリコーンエマルジョンが絶縁性液体に溶出する等の不具合を確実に防止しつつ、トナー粒子の長期分散安定性を特に優れたものとする事ができる。
【0069】
[洗浄工程(第3の洗浄工程)]
次に、上記の第2の洗浄工程と同様の洗浄を行う。得られたトナー粒子の洗浄を行うことにより、ウェットケーキ状の洗浄されたトナー粒子を得ることができる。
本工程を行うことにより、上述した工程で用いた余分なシリコーンエマルジョン、ポリアルキレンイミン、電解質、酸塩基反応により生じた塩等を効率良く除去することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤において、絶縁性液体の電気抵抗を特に高いものとすることができるとともに、トナー粒子の特性の安定性も向上する。
本工程は、例えば、固液分離(水系液体からの分離)によりトナー粒子を分離し、さらにその後、固形分(トナー粒子)を水系液体(水系分散媒)中に再分散することにより行うことができる。固液分離、および、固形分の水中への再分散は、複数回、繰り返し行ってもよい。なお、洗浄は、固形分(トナー粒子)を水系液体(水系分散媒)中に再分散した分散液(スラリー)の上澄み液の導電度が20μS/cm以下となるまで行うのが好ましい。
【0070】
[乾燥工程]
その後、乾燥処理を施すことにより、乾燥したトナー粒子を得ることができる。このような工程を行うことにより、確実にトナー粒子中の水分量を十分に低いものとすることができ、最終的に得られる液体現像剤の保存性、特性の安定性を特に優れたものとすることができる。
乾燥工程は、例えば、真空乾燥機(例えば、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウター(ホソカワミクロン社製)等)、流動層乾燥機(大川原製作所社製)等を用いて行うことができる。
【0071】
[絶縁性液体中分散工程]
次に、上記のようにして得られたトナー粒子を、メチルフェニルシリコーンとフッ素含有ポリシロキサンと環状ポリシロキサンとを含む絶縁性液体中に分散する。これにより、液体現像剤が得られる。
トナー粒子の絶縁性液体への分散は、いかなる方法を用いてもよく、例えば、絶縁性液体とトナー粒子とをビーズミル、ボールミル等で混合することにより行うことができる。
また、トナー粒子の絶縁性液体への分散は、最終的に得られる液体現像剤を構成する絶縁性液体の全量を用いて行うものであってもよく、絶縁性液体の一部を用いて行うものであってもよい。本実施形態においては、ポリプロピレン容器(アイボーイ)250mlに下記の通り、トナー粒子、メチルフェニルシリコーンオイル、フッ素含有ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、分散メディアを調合し、ロッキングミルRM−05S(セイワ技研)により、振動数設定50Hzで60分の分散処理を行った。得られた現像液を分散メディア分離工程で液体部と分散メディアを分離し、得られた液体をSUS製のふるい(目開き150マイクロメートル)によりゴミや粗大粒子を除去し、液体現像剤サンプルを得た。
【0072】
以上説明したような方法により液体現像剤を製造した場合、トナー粒子間での形状、特性のばらつきが小さいものとなる。
【0073】
≪画像形成装置≫
次に、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について説明する。本実施形態の画像形成装置は、上述したような本実施形態の液体現像剤を用いて記録媒体上にカラー画像を形成するものである。
【0074】
図1は、本実施形態の液体現像剤が適用される画像形成装置の形態を示す模式図、図2は、図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図である。
画像形成装置1000は、図1、図2に示すように、4つの現像部30Y、30M、30C、30Kと、中間転写部40と、2次転写ユニット(2次転写部)60と、定着部(定着装置)F40と、4つの液体現像剤補給部90Y、90M、90C、90Kとを有している。
現像部30Y、30M、30Cは、それぞれ、イエロー系液体現像剤(Y)、マゼンダ系液体現像剤(M)、シアン系の液体現像剤(C)で、潜像を現像し、各色に対応したカラーの単色像を形成する機能を有している。また、現像部30Kは、ブラック系液体現像剤(K)で、潜像を現像し、ブラック(黒)の単色像を形成する機能を有している。
現像部30Y、30M、30C、30Kの構成は同様であるので、以下、現像部30Yについて説明する。
【0075】
現像部30Yは、図2に示すように、像担持体の一例としての感光体10Yと、感光体10Yの回転方向に沿って、帯電ローラー11Yと、露光ユニット12Yと、現像ユニット100Yと、感光体スクイーズ装置101Yと、1次転写バックアップローラー51Yと、除電ユニット16Yと、感光体クリーニングブレード17Yと、現像剤回収部18Yとを有している。
【0076】
感光体10Yは、円筒状の基材とその外周面に形成され、例えばアモルファスシリコン等の材料で構成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施形態においては、図2中の矢印で示すように時計回りに回転する。
感光体10Yは、後述する現像ユニット100Yにより液体現像剤が供給され、表面に液体現像剤の層が形成されるものである。
【0077】
帯電ローラー11Yは、感光体10Yを帯電するための装置であり、露光ユニット12Yは、レーザーを照射することによって帯電された感光体10Y上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット12Yは、半導体レーザー、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー等の不図示のホストコンピューターから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザーを帯電された感光体10Y上に照射する。
【0078】
現像ユニット100Yは、感光体10Y上に形成された潜像を、本実施形態の液体現像剤を用いて現像するための装置である。なお、現像ユニット100Yの詳細については後述する。
感光体スクイーズ装置101Yは、現像ユニット100Yより回転方向下流側に、感光体10Yに対向して配置されており、感光体スクイーズローラー13Yと、該感光体スクイーズローラー13Yに押圧摺接して表面に付着した液体現像剤を除去するクリーニングブレード14Yと、除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部15Yとで構成される(図2中の13M、14M、15Mはマゼンタ系現像装置のもの)。感光体スクイーズ装置101Yは、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア(絶縁性液体)および本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
1次転写バックアップローラー51Yは、感光体10Yに形成された単色像を、後述する中間転写部40に転写するための装置である。
【0079】
除電ユニット16Yは、1次転写バックアップローラー51Yによって中間転写部40上に単色像が転写された後に、感光体10Y上の残留電荷を除去する装置である。
感光体クリーニングブレード17Yは、感光体10Yの表面に当接されたゴム製の部材で、1次転写バックアップローラー51Yによって中間転写部40上に単色像が転写された後に、感光体10Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部18Yは、感光体クリーニングブレード17Yにより除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
【0080】
中間転写部40は、エンドレスの弾性ベルト部材であり、図示しないモータの駆動力が伝達されるベルト駆動ローラー41および一対の従動ローラー44、45に張架されている。また、中間転写部40は、1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラー41により反時計回りに回転駆動される。
さらに、中間転写部40は、テンションローラー49によって所定のテンションが付与されて、たるみが除去されるようになっている。このテンションローラー49は、一方の従動ローラー44より中間転写部40の回転(移動)方向下流側でかつ他方の従動ローラー45より中間転写部40の回転(移動)方向上流側に配設されている。
【0081】
この中間転写部40に、1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kにより、現像部30Y、30M、30C、30Kで形成された各色に対応した単色像が順次転写され、各色に対応した単色像が重ね合わされる。これにより、中間転写部40にフルカラー現像剤像(中間転写像)が形成される。
中間転写部40には、このように複数の感光体10Y、10M、10C、10Kに形成した単色像を順次2次転写して重ね合わせて担持し、後述する2次転写ユニット60において一括して紙、フィルム、布等の記録媒体F5に2次転写する。そのため、2次転写行程において記録媒体F5にトナー像を転写するに当たって、記録媒体F5表面が繊維質などによって平滑でないシート材であっても、この非平滑なシート材表面に倣って2次転写特性を向上させる手段として、弾性ベルト部材を採用している。
また、中間転写部40には、中間転写部クリーニングブレード46、現像剤回収部47、非接触式バイアス印加部材48からなるクリーニング装置が配置されている。
中間転写部クリーニングブレード46および現像剤回収部47は、従動ローラー45側に配されている。
【0082】
中間転写部クリーニングブレード46は、2次転写ユニット(2次転写部)60によって記録媒体F5上に中間転写像が転写された後に、中間転写部40上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部47は、中間転写部クリーニングブレード46により除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
【0083】
非接触式バイアス印加部材48はテンションローラー49に対向する位置に中間転写部40から離間して配設されている。この非接触式バイアス印加部材48は、二次転写後に中間転写部40上に残留する液体現像剤のトナー(固形分)に、このトナーと逆極性のバイアス電圧を印加するものである。これにより、トナーが除電されて中間転写部40へのトナーの静電付着力が低減されるようにしている。この例では、非接触式バイアス印加部材48として、コロナ帯電器が用いられている。
【0084】
なお、非接触式バイアス印加部材48は、必ずしもテンションローラー49に対向する位置に配設する必要はなく、例えば従動ローラー44とテンションローラー49との間の位置等、従動ローラー44より中間転写部40の移動方向下流側で、かつ、従動ローラー45より中間転写部40の移動方向上流側の任意の位置に配設することができる。また、非接触式バイアス印加部材48はコロナ帯電器以外の公知の非接触式帯電器を用いることもできる。
また、1次転写バックアップローラー51Yより中間転写部40の移動方向下流側に、中間転写部スクイーズ装置52Yが配されている。
【0085】
この中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40上に転写された液体現像剤が望ましい分散状態に至っていない場合に、転写された液体現像剤から余剰の絶縁性液体を除去する手段として設けられている。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部スクイーズローラー53Yと、中間転写部スクイーズローラー53Yに押圧摺接して表面をクリーニングする中間転写部スクイーズクリーニングブレード55Yと、中間転写部スクイーズクリーニングブレード55Yで除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部56Yとから構成される。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40に1次転写された現像剤から余剰な絶縁性液体を回収し、像内のトナー粒子比率を上げると共に、本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。
【0086】
2次転写ユニット60は、互いに転写材移動方向に沿って所定間隔離間して配置された一対の2次転写ローラーを備えている。これらの一対の2次転写ローラーのうち、中間転写部40の移動方向の上流側に配置される2次転写ローラーが上流側2次転写ローラー64である。この上流側2次転写ローラー64は、ベルト駆動ローラー41に中間転写部40を介して圧接可能となっている。
また、一対の2次転写ローラーのうち、転写材の移動方向の下流側に配置される2次転写ローラーが下流側2次転写ローラー65である。この下流側2次転写ローラー65は、従動ローラー44に中間転写部40を介して圧接可能となっている。
すなわち、上流側2次転写ローラー64、下流側2次転写ローラー65は、それぞれ、ベルト駆動ローラー41および従動ローラー44に掛けられた中間転写部40に記録媒体F5を当接させて、中間転写部40上に色重ねして形成された中間転写像を記録媒体F5に2次転写する。
【0087】
この場合、ベルト駆動ローラー41および従動ローラー44は、それぞれ上流側2次転写ローラー64、下流側2次転写ローラー65のバックアップローラーとしても機能する。すなわち、ベルト駆動ローラー41は、2次転写ユニット60において従動ローラー44より記録媒体F5の移動方向上流側に配置される上流側バックアップローラーとして兼用される。また、従動ローラー44は、2次転写ユニット60においてベルト駆動ローラー41より記録媒体F5の移動方向下流側に配置される下流側バックアップローラーとして兼用される。
したがって、2次転写ユニット60に搬送されてきた記録媒体F5は、上流側2次転写ローラー64とベルト駆動ローラー41との圧接開始位置(ニップ開始位置)から下流側2次転写ローラー65と従動ローラー44との圧接終了位置(ニップ終了位置)までの転写材の所定の移動領域で中間転写部40に密着される。これにより、中間転写部40上のフルカラーの中間転写像が、中間転写部40に密着した状態の記録媒体F5に所定時間にわたって2次転写されるので、良好な2次転写が行われる。
【0088】
また、2次転写ユニット60は、上流側2次転写ローラー64に対して、2次転写ローラークリーニングブレード66と、現像剤回収部67とを備えている。また、2次転写ユニット60は、下流側2次転写ローラー65に対して、2次転写ローラークリーニングブレード68と、現像剤回収部69とを備えている。各2次転写ローラークリーニングブレード66、68は、それぞれ2次転写ローラー64、65に当接されて2次転写後に各2次転写ローラー64、65の表面に残留する液体現像剤を掻き落として除去する。また、各現像剤回収部67、69は、それぞれ各2次転写ローラークリーニングブレード66、68によって各2次転写ローラー64、65から掻き落とされた液体現像剤を回収して貯留する。
【0089】
2次転写ユニット60により記録媒体F5上に転写されたトナー画像(中間転写像)は、定着部(定着装置)F40に送られ、加熱および加圧されて、記録媒体F5上に定着される。
なお、定着温度は、具体的には、80〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましく、100〜140℃であることがさらに好ましい。
【0090】
次に、現像ユニット100Y、100M、100C、100Kについて、詳細に説明する。なお、以下の説明では、代表的に、現像ユニット100Yについて説明する。
現像ユニット100Yは、図2に示すように、液体現像剤貯留部31Yと、塗布ローラー32Yと、規制ブレード33Yと、現像剤攪拌ローラー34Y、連通部35Yと、回収スクリュー36Yと、現像ローラー20Yと、現像ローラークリーニングブレード21Yとを有している。
【0091】
液体現像剤貯留部31Yは、感光体10Yに形成された潜像を現像するための液体現像剤を貯留する機能を備えており、液体現像剤を現像部に供給する供給部31aYと、供給部31aY等で発生した余剰の液体現像剤を回収する回収部31bYと、供給部31aYと回収部31bYとを仕切る仕切31cYとを備えている。
【0092】
供給部31aYは、液体現像剤を塗布ローラー32Yに供給する機能を有し、現像剤撹拌ローラー34Yを設置した凹状の部分を有する。また、供給部31aYには、液体現像剤混合槽93Yから連通部35Yを通じて液体現像剤が供給される。
【0093】
回収部31bYは、供給部31aYに過剰に供給された液体現像剤や現像剤回収部15Y、24Yで生じた余剰な液体現像剤を回収するものである。回収された液体現像剤は、液体現像剤混合槽93Yに搬送され、再利用される。また、回収部31bYは、凹状の部分を有し、その底付近に回収スクリュー36Yが設置されている。
【0094】
供給部31aYと回収部31bYとの境界には、壁状の仕切31cYが設けられている。仕切31cYは、供給部31aYと回収部31bYとを仕切り、回収された液体現像剤の新鮮な液体現像剤への混入を防ぐことができる。また、供給部31aYに過剰の液体現像剤が供給された際に、過剰分の液体現像剤は、仕切31cYを超えて供給部31aYから回収部31bYへあふれ出ることができる。このため、供給部31aYの液体現像剤の量が一定に保持されることができ、塗布ローラー32Yに供給される液体現像剤の液量を一定に維持することができる。このため、最終的に形成される画像の画質が安定したものとなる。
また、仕切31cYには、切欠部が設けられており、切欠部を通じて液体現像剤が供給部31aYから回収部31bYへあふれ出ることができる。
塗布ローラー32Yは、液体現像剤を現像ローラー20Yへ供給する機能を備えたものである。
【0095】
この塗布ローラー32Yは、鉄等金属性のローラーの表面に溝が均一かつ螺旋状に形成されニッケルメッキが施された、いわゆるアニロクスローラーを呼称されるものであり、その直径は約25mmである。本実施形態では、塗布ローラー32Yの回転方向に対して斜めに複数の溝が、いわゆる切削加工や転造加工等によって形成されている。この塗布ローラー32Yは、反時計回りに回転しながら液体現像剤に接触することによって、溝に、供給部31aY内の液体現像剤を担持して、該担持した液体現像剤を現像ローラー20Yへ搬送する。
【0096】
規制ブレード33Yは、塗布ローラー32Yの表面に当接して、塗布ローラー32Y上の液体現像剤の量を規制する。すなわち、当該規制ブレード33Yは、塗布ローラー32Y上の余剰液体現像剤を掻き取って、現像ローラー20Yに供給する塗布ローラー32Y上の液体現像剤を計量する役割を果たす。この規制ブレード33Yは、弾性体としてのウレタンゴムからなり、鉄等金属製の規制ブレード支持部材より支持されている。また、規制ブレード33Yは、塗布ローラー32Yが回転して液体現像剤から進出する側(すなわち、図2中右側)に設けられている。なお、規制ブレード33Yのゴム硬度は、JIS−Aで約77度であり、規制ブレード33Yの、塗布ローラー32Y表面への当接部の硬度(約77度)は、後述する現像ローラー20Yの弾性体の層の塗布ローラー32Y表面への圧接部の硬度(約85度)よりも低くなっている。また、掻き取られた余剰の液体現像剤は、供給部31aYに回収され、再利用される。
【0097】
現像剤攪拌ローラー34Yは、液体現像剤を一様分散状態に攪拌する機能を備えたものである。これにより、複数個のトナー粒子が凝集した場合であっても、トナー粒子同士を好適に分散させることができる。特に、本実施形態の液体現像剤は、分散安定性に優れるとともに再分散性にも優れているため、再利用した液体現像剤であっても、容易に分散させることができる。
供給部31aY内において、液体現像剤の中のトナー粒子はプラスの電荷を有し、液体現像剤は、現像剤撹拌ローラー34Yにより撹拌されて一様分散状態になり、塗布ローラー32Yが回転することによって、液体現像剤貯留部31Yから汲み上げられ、規制ブレード33Yによって液体現像剤量が規制されて現像ローラー20Yに供給される。また、現像剤攪拌ローラー34Yによって攪拌されることにより、仕切31cYを超えて回収部31bY側に液体現像剤を安定して溢れさせることができ、液体現像剤が滞留し圧縮することを防ぐことができる。
【0098】
さらに、現像剤攪拌ローラー34Yは、連通部35Y付近に設けられている。このため、連通部35Yから供給された液体現像剤が素早く拡散することができ、液体現像剤が供給部31aYに補給されている場合であっても、供給部31aYの液面を安定したものとすることができる。このような現像剤攪拌ローラー34Yが連通部35Y付近に設けられることにより、連通部35Yが負圧になり、自然に液体現像剤が吸い上げられることができる。
連通部35Yは、現像剤攪拌ローラー34Y鉛直下方に対して設けられ、液体現像剤貯留部31Yと連通し、液体現像剤混合槽93Yから液体現像剤を供給部31aYへ吸い上げる部分である。
連通部35Yを現像剤攪拌ローラー34Yの下方に設けることにより、連通部35Yから供給される液体現像剤は、現像剤攪拌ローラー34Yに止められることになり、吹き出しによる液上面の盛り上がりがなく、液上面がほぼ一定に保持され、塗布ローラー32Yに安定して現像剤を供給できる。
【0099】
また、回収部31bYの底部付近に設けられた回収スクリュー36Yは、円筒状の部材からなり、外周に螺旋状のリブを有し、回収した液体現像剤が流動性を保つ機能を有するとともに、液体現像剤の液体現像剤混合槽93Yへの搬送を促進させる機能を有している。
現像ローラー20Yは、感光体10Yに担持された潜像を液体現像剤により現像するために、液体現像剤を担持して感光体10Yと対向する現像位置に搬送する。
現像ローラー20Yは、その表面に、前述した塗布ローラー32Yから液体現像剤を供給することにより、液体現像剤層を形成するものである。
この現像ローラー20Yは、鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性を有する弾性体の層を備えたものであり、その直径は約20mmである。また、弾性体の層は、二層構造になっており、その内層として、ゴム硬度がJIS−A約30度で、厚み約5mmのウレタンゴムが、その表層(外層)として、ゴム硬度がJIS−A約85度で、厚み約30μmのウレタンゴムが備えられている。そして、現像ローラー20Yは、前記表層が圧接部となって、弾性変形された状態で塗布ローラー32Yおよび感光体10Yのそれぞれに圧接している。
【0100】
また、現像ローラー20Yは、その中心軸を中心として回転可能であり、当該中心軸は、感光体10Yの回転中心軸よりも下方にある。また、現像ローラー20Yは、感光体10Yの回転方向(図2において時計方向)と逆の方向(図2において反時計方向)に回転する。なお、感光体10Y上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラー20Yと感光体10Yとの間に電界が形成される。
【0101】
なお、現像ユニット100Yにおいて、塗布ローラー32Yと現像ローラー20Yとは、異なる動力源(図示せず)によって、別駆動している。そして、塗布ローラー32Yと現像ローラー20Yと回転速度(線速度)比を変えることで、現像ローラー20Y上に供給される液体現像剤の量を調整することができる。
また、現像ユニット100Yは、現像ローラー20Yの表面に当接されたゴム製の現像ローラークリーニングブレード21Yと、現像剤回収部24Yとを有している。この現像ローラークリーニングブレード21Yは、前記現像位置で現像が行われた後に、現像ローラー20Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去するための装置である。現像ローラークリーニングブレード21Yにより除去された液体現像剤は、現像剤回収部24Y内に回収される。
また、図1、図2に示すように、画像形成装置1000は、液体現像剤を現像部30Y、30M、30C、30Kに補給する液体現像剤補給部90Y、90M、90C、90Kを備えている。これらの液体現像剤補給部90Y、90M、90C、90Kは、それぞれ、液体現像剤タンク91Y、91M、91C、91Kと、絶縁性液体タンク92Y、92M、92C、92Kと、液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kとを備えている。
【0102】
各液体現像剤タンク91Y、91M、91C、91Kには、それぞれ各色に対応した高濃度の液体現像剤が収納されている。また、各絶縁性液体タンク92Y、92M、92C、92Kには、それぞれ絶縁性液体が収納されている。さらに、各液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kには、各液体現像剤タンク91Y、91M、91C、91Kからの所定量の各高濃度液体現像剤と、各絶縁性液体タンク92Y、92M、92C、92Kからの所定量の各絶縁性液体とが供給されるようになっている。
【0103】
そして、各液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kは、それぞれ、供給された各高濃度液体現像剤および各絶縁性液体をそれぞれ備え付けられた攪拌装置により混合撹拌して、各供給部31aY、31aM、31aC、31aKで使用する各色に対応した液体現像剤を作製する。各液体現像剤混合槽93Y、93M、93C、93Kでそれぞれ作製された各液体現像剤は、それぞれ各供給部31aY、31aM、31aC、31aKに供給されるようになっている。
【0104】
また、液体現像剤混合層93Yには、回収部31bYで回収された液体現像剤が回収され、再利用される。液体現像剤混合槽93M、93C、93Kも同様である。
以上、本発明の好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本実施形態の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。また、本発明の液体現像剤は、前述したような製造方法により製造されたものに限定されない。
また、前述した実施形態では、水系乳化液を得、該水系乳化液に電解質を添加することにより合一粒子を得るものとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、合一粒子は、水系液体に、着色剤とモノマーと界面活性剤と重合開始剤とを分散させ、乳化重合により、水系乳化液を調製し、該水系乳化液に電解質を添加して会合させる乳化重合会合法を用いて調製されたものであってもよいし、得られた水系乳化液を噴霧乾燥することにより合一粒子を得るものであってもよい。
また、前述した実施形態では、画像形成装置として、コロナ放電器を有する構成について説明したが、コロナ放電器は無くてもよい。
【0105】
(実施例)
下記の粒子を基に、第2の表面改質、担体液を変更しそれぞれ現像液を上述の方法で作製し、作製時における泡の有無を調べた。
【0106】
<粒子組成>
ポリエステル樹脂1:DL−90(Mw=7600、酸価10)/DIC株式会社
ポリエステル樹脂2:DZ−200(Mw=423000、酸価13)/DIC株式会社ロジン変性マレイン酸樹脂:マルキード(登録商標)No.1(Mw=3100、軟化点120〜130℃、酸価25以下)/荒川化学
シアン顔料:PB13:5/山陽色素
【0107】
<トナー粒子の作製>
トナー粒子の作製方法は、乳化合一法を用いた。トナー構成要素は以下の通りとした。トナー粒子は水分散体の時点で平均粒径2.5マイクロメートルとした(ベックマンコールター)。乾燥工程と解砕工程を経ることによりトナー粉体を得た。
【0108】
<表面改質>
第1の表面改質:ポリエチレンイミン(Mw=70000)/日本触媒
【0109】
<消泡剤希釈>
フッ素含有ポリシロキサン量が1.0wt%となるように環状ポリシロキサンで希釈。
【0110】
<現像液化>
現像液中の上記消泡剤希釈液量が1wt%になるように添加。
現像剤中固形分(トナー粒子)含有比率:固形分20wt% 担体液 80wt%
ロッキングミルRM−05S(セイワ技研)により、振動数設定50Hzで60分の分散処理を行った。
【0111】
消泡性確認試験:
現像液作製直後、現像機の貯留部に現像液を入れ現像試験を行った。現像剤撹拌ローラー、塗布ローラーの回転による泡の発生と現像ローラー上のムラの有無を目視で評価を行った。
泡の有無/発泡なし ○(現像ローラー上にムラなし)、発泡あり ×(現像ローラー上にムラあり)
【0112】
消泡性経時変化試験:
上記、現像液を作製した日から30日後にもう一度、ロッキングミルRM−05S(セイワ技研)により、振動数設定50Hzで60分の撹拌を行ったところ全てのサンプルにおいて発泡は見られなかった。
以上の結果を表1に示す。
【0113】
【表1】

【0114】
(比較例)
条件は実施例と同じで希釈剤なし。
【0115】
【表2】

【符号の説明】
【0116】
1000…画像形成装置 10、10Y、10M、10C、10K…感光体 11Y…帯電ローラー 12Y、12M、12C、12K…露光ユニット 13M、13Y…感光体スクイーズローラー 14M、14Y…クリーニングブレード 15M、15Y…現像剤回収部 16Y…除電ユニット 17Y…感光体クリーニングブレード 18Y…現像剤回収部 20Y、20M、20C、20K…現像ローラー 21Y…現像ローラークリーニングブレード 24Y…現像剤回収部 30Y、30M、30C、30K…現像部 31Y…液体現像剤貯留部 31aY…供給部 31bY…回収部 31cY…仕切 32Y…塗布ローラー 33Y…規制ブレード 34Y…現像剤撹拌ローラー 35Y…連通部 36Y…回収スクリュー 40…中間転写部 41…ベルト駆動ローラー 44、45…従動ローラー 46…中間転写部クリーニングブレード 47…現像剤回収部 48…非接触式バイアス印加部材 49…テンションローラー 51Y、51M、51C、51K…1次転写バックアップローラー 52Y、52M、52C、52K…中間転写部スクイーズ装置 53Y…中間転写部スクイーズローラー 55Y…中間転写部スクイーズクリーニングブレード 56Y…現像剤回収部 60…2次転写ユニット 64…上流側2次転写ローラー 65…下流側2次転写ローラー 66、68…2次転写ローラークリーニングブレード 67、69…現像剤回収部 90Y、90M、90C、90K…液体現像剤補給部 91Y、91M、91C、91K…液体現像剤タンク 92Y、92M、92C、92K…絶縁性液体タンク 93Y、93M、93C、93K…液体現像剤混合槽 100Y…現像ユニット 101Y…感光体スクイーズ装置 F40…定着部(定着装置) F5…記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にポリアルキレンイミンおよびアニオン性シリコーンエマルジョンが付着したトナー粒子と、
メチルフェニルシリコーンオイルと、
フッ素原子含有基をもつポリシロキサンと、
環状ポリシロキサンと、
を含むことを特徴とする液体現像剤。
【請求項2】
樹脂と顔料とを含むトナー粒子を準備する第1ステップと、
前記トナー粒子を液体中に分散する第2ステップと、
前記液体中にポリアルキレンイミンを添加する第3ステップと、
さらに、アニオン性シリコーンエマルジョンを添加する第4ステップと、
さらに、ポリアルキレンイミンおよびアニオン性シリコーンエマルジョンが添加された液体を濾過し、乾燥させることで粉体を得る第5ステップと、
さらに、前記粉体をメチルフェニルシリコーンオイルに分散させる第6ステップと、
を含む液体現像剤の製造方法であって、
前記第6ステップの際にフッ素原子含有基をもつポリシロキサンと環状ポリシロキサンと、を添加する第7ステップと、を含む、ことを特徴とする液体現像剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−170065(P2011−170065A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33244(P2010−33244)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】