説明

液晶表示装置用バックライト装置

【課題】一般ユーザがより容易にランプを交換することができる液晶表示装置用バックライト装置を提供する。
【解決手段】ランプ1がランプユニット2に装着されている状態では、ランプユニット2内のスプリング41の近傍において、ランプ1は、他の部材に保持されたり他の部材と接触していない。すなわち、ランプユニット2内のスプリング41の近傍において、ランプ1はフリー(他の部材(スプリング41を除く)に拘束されていない状態)である。よって、爪部22によるランプ1とランプユニット2との固定を解除すると、所望の反発力を有するスプリング41の反発力が無駄なくランプ1に加わり、ランプ1は、確実にランプユニット2から飛び出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に適用される液晶表示装置用バックライト装置に関し、特に、光源となるランプを交換可能な液晶表示装置用バックライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、特許文献1に記載されたエッジライト方式の液晶表示装置用バックライト装置(以下、バックライト装置という。)を示す平面図である。図4に示すバックライト装置は、バックライトフレーム12に設けられているランプユニット12aに、光源となるランプ11が挿入された構造を有する。ランプ11として、例えば、冷陰極管(cold-cathode fluorescent lamp (CCFL)、CCTともいう。)等の蛍光管が用いられる。図4には、2本のランプ11が用いられた構造が示されているが、2本のランプ11の間には、アクリル樹脂等による導光板14が配設されている。導光板14の上側(液晶表示パネル側)には、拡散シートやレンズシート等が設置される。導光板14の下側には、反射シートが設置されている。
【0003】
ランプユニット12aには、ランプ11からの光を導光板14の側に反射するランプリフレクタが設けられている。
【0004】
一般に、光源となる蛍光管の寿命は、液晶表示パネルの寿命に比べて短い。よって、液晶表示パネルは十分使用できるのに、ランプ11の輝度が低下したり発光不能になったりして、結果として、液晶表示装置が使用不能になるということがあり得る。
【0005】
そこで、ランプ11の交換が可能な構造を有するバックライト装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。図5は、特許文献2に記載されたバックライト装置におけるランプユニットの部分を示す断面図である。図5に示すバックライト装置では、ランプ11は、ガラス管11aと電極端子部11b,11cで構成されている。ランプ11がランプユニット10に装着された状態では、電極端子部11bは、ランプユニット10に設置されている電極18に接し、電極端子部11cは、ランプユニット10に設置されている電極19に接する。
【0006】
電極18の下部には、スプリング(ばね)15が設けられている。ランプ11をランプユニット10に装着するときには、図5における右方からランプ11が挿入され、ランプ11の下部(図5における左側)がスプリング15を押し込む。ランプユニット10の内部において、ランプ11の挿入側(図5における右側)には、雌ねじ16が形成されている。また、ランプ11の上部(図5における右側)には雄ねじ17が設けられている。そして、ランプ11の下部がスプリング15を押し込んでいる状態で、ランプ11を装着する者が、スクリュードライバ等で雄ねじ17を雌ねじ16にねじ止めする。
【0007】
ランプ11を交換する等の目的で、ランプ11をランプユニット10から引き出すときには、ランプ11の交換等を行う者が、スクリュードライバ等で雄ねじ17と雌ねじ16とのねじ止めを解放する。すると、スプリング15への付勢が解かれて、ランプ11は、図5おける左側から右側に飛び出す。
【0008】
【特許文献1】特開2001−281658号公報(図1)
【特許文献2】特開2000−284283号公報(段落0018−0022、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2に記載された構造では、雄ねじ17と雌ねじ16とのねじ止めが解放されれば、スプリング15によってランプ11はランプユニット10から飛び出すとされている。しかし、一般ユーザがスクリュードライバ等の扱いに慣れているとは限らない。慣れていない者がランプ11を交換しようとすると、ねじ山を破損して、ランプ11をランプユニット10から取り出せなくなってしまうという事態になることも考えられる。従って、スプリング15によってランプ11を飛び出させるような機構を備えていても、その機構が有効に活用されないという課題がある。
【0010】
また、特許文献2に記載された構造では、電極端子部11bはランプユニット10に設置されている電極端子部11bに接している。すると、スプリング15への付勢が解かれても、電極端子部11bに邪魔されて、ランプ11が図5における左側から右側に飛び出さないことも考えられる。
【0011】
そこで、本発明は、一般ユーザがより容易にランプを交換することができる液晶表示装置用バックライト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による液晶表示装置用バックライト装置は、少なくとも1本の棒状のランプがランプユニットに挿入されることによって装着される構造を有し、ランプに、ランプユニットの開口部の近傍でランプユニットに嵌まるキャップであって押圧されると下降し押圧が解除されると復帰する部分(例えば、爪部22)を含むキャップが設けられ、ランプユニットの底部にスプリング材が設置され、ランプユニットに装着された状態で、ランプユニット内部におけるスプリング材の近傍でランプを拘束する部材が存在しないようにランプユニットが形成されていることを特徴とする。
【0013】
ランプは、ランプユニットの長さ(R)から非圧縮状態におけるスプリング材の長さ(S)を引いた長さ(P)よりも長く形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ランプをランプユニットから引き出す際の作業容易性をより向上させることができる。すなわち、一般ユーザがより容易にランプを交換することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(A)は、本発明によるバックライト装置におけるランプ1を示す説明図である。図1(B)は、バックライト装置におけるランプユニット2を示す説明図である。なお、ここでは、ランプ1としてCCFL(CCT)が用いられる場合を例にする。
【0016】
また、図4に示されたような2本の棒状のランプ1を用いたエッジライト方式のバックライト装置を例にする。すなわち、バックライト装置の全体的な構成は、図4に示されたような構成である。ただし、図4に示された従来のバックライト装置におけるランプ11に代えて、本実施の形態では、図1(A)に示すようなランプ1を用いる。また、図4に示された従来のランプユニット12aに代えて、図1(B)に示すようなランプユニット2を用いる。なお、バックライト装置において、図4に示すように、2本のランプ1の間に、アクリル樹脂等による導光板14が配設されている。導光板14の上側(液晶表示パネル側)には、拡散シートやレンズシート等が設置される。導光板14の下側には、反射シートが設置されている。
【0017】
図1(A)に示すように、ランプ1の上部(図1(A)では右側)にキャップ21が設けられている。キャップ21は合成樹脂製である。ランプ1の内部において、2つの電極端子24,25に接続されるケーブル23は、キャップ21の内部を通過する。ケーブル23には、電極端子24に接続される配線と電極端子25に接続される配線とが含まれている。ケーブル23は、インバータ装置などの電源(図示せず)に接続される。
【0018】
キャップ21には、押下すると下降する爪部22が設けられている。ただし、具体的には、爪部22は、キャップ21と別体に形成されていてもよいし、爪部22を、合成樹脂製のキャップ21の一部としてキャップ21と一体に形成することもできる。爪部22は、一種の弾性体であり、押圧されると押圧された面が下降するが、押圧が解除されると押圧されていた面が元の状態(下降する前の状態)に復帰するように上昇する。
【0019】
管状のランプユニット2の形状は例えば円筒形であり、その断面形状は、例えば円形である。ただし、ランプユニット2の形状は円筒形に限定されず、断面形状が楕円形であったり、略矩形であってもよい。ランプユニット2は、底部31を有し、底部の反対面である上部(図1(B)では右側)に開口部32を有する。そして、図1(B)に示すように、底部31にスプリング41が取り付けられている。また、図1(B)では記載省略されているが、ランプユニット2の内部において、開口部32の近傍には、爪部22を受ける凹部が形成されている。
【0020】
また、図1(A)に示すように、ランプ1のスプリング41と当接する裏面27の形状はほぼ平面形状である。
【0021】
図1(B)に示す状態では、スプリング41には力が加えられていない。この状態を、非圧縮状態とする。ランプ1の長さQは、ランプユニット2の長さRから非圧縮状態におけるスプリング41の圧縮方向における長さ(高さ)Sを引いた長さPよりも長い(Q>P)。なお、図1(A)において破線は、ランプ1がランプユニット2に装着されたときに開口部32に対応する位置を示し、その位置からランプ1の裏面27までの長さをランプ1の長さQとする。また、ランプ1の長さQは、ランプユニット2の長さRよりも短い(R>Q)。
【0022】
ランプ1は交換可能であるが、まず、図2の説明図を参照して、ランプ1をランプユニット2に装着するときの装着の仕方を説明する。ランプ1をランプユニット2に装着する者(作業者)は、キャップ21の爪部22を押下しながら、ランプユニット2の開口部32から底部31に向けてランプ1を挿入する(図2(A),(B)参照)。
【0023】
ランプユニット2の内部において、ランプ1の裏面27がスプリング41に接触する時点以降では、作業者は、ランプ1を相対的に強く押し込んで、ランプ1でスプリング41を押圧させる。キャップ21の爪部22がランプユニット2の凹部に嵌り込んだ時点で、作業者は押圧を解除するが、キャップ21の爪部22がランプユニット2の凹部に受け止められて、ランプ1がランプユニット2に装着される。つまり、作業者によって押圧されていた爪部22に対する押圧が解除されると、爪部23が上昇(押圧の方向とは逆の方向に移動)しようとし、ランプ1の内部を押す力が働くので、ランプ1はランプユニット2に保持される。
【0024】
図2(C)には、ランプ1がランプユニット2に装着された様子が示されているが、スプリング41は付勢されている。すなわち、力が加えられて圧縮している。この状態を圧縮状態とする。
【0025】
次に、図2および図3の説明図を参照して、ランプ1をランプユニット2から外すときの外し方を説明する。なお、図3において、ケーブル23は記載省略されている。作業者は、ランプユニット2の開口部32から外部にはみ出している爪部22の部分(図2(C)参照)を押下しながら、ランプユニット2からランプ1を引き出す方向に力を加える(図3(A)参照)。
【0026】
すると、図3(A)に示すように、ランプ1における爪部22の大部分がランプユニット2の開口部32から抜け出す。この時点では、スプリング41はまだ圧縮状態にある。また、この時点では、爪部22において、ランプユニット2に受け止められている部分は小さい。すなわち、ランプユニット2が爪部22を保持している力は弱い。従って、スプリング41が圧縮状態から非圧縮状態に戻ろうとする力によってランプ1が押され、ランプ1はランプユニット2から飛び出す(図3(B)参照)。換言すれば、図3(A)に示された状態において、ランプユニット2が爪部22を保持している力よりも、スプリング41によるランプ1を押し出す力が強くなるように、圧縮状態におけるスプリング41の反発力(具体的には、図3(A)に示された状態における反発力)が設定される。なお、スプリング41の反発力を設定するということは、具体的には、設定される反発力を有するスプリング41を選定するということである。また、スプリング41の近傍でランプ1を拘束する部材が存在しないので、爪部22の保持力を解除すると、ランプ1は容易にランプユニット2から引き出される。
【0027】
本実施の形態では、ランプ1がランプユニット2に装着されている状態では、ランプユニット2内のスプリング41の近傍において、ランプ1は、他の部材に保持されたり他の部材と接触していない。すなわち、ランプユニット2内のスプリング41の近傍において、ランプ1はフリー(他の部材(スプリング41を除く)に拘束されていない状態)である。よって、爪部22によるランプ1とランプユニット2との固定を解除すると、所望の反発力を有するスプリング41の反発力が無駄なくランプ1に加わり、ランプ1は、確実にランプユニット2から飛び出す。また、ランプ1をランプユニット2に装着する際に、作業者は、爪部22を押下しつつランプ1をランプユニット2に挿入するだけでよく、特定の工具を使用する必要はない。また、ランプ1をランプユニット2から引き出す際に、作業者は、爪部22を押下しつつランプ1をランプユニット2から少しだけ引き出すだけでよい。
【0028】
つまり、本実施の形態では、ランプ1をランプユニット2に装着する際、およびランプ1をランプユニット2から引き出す際の作業容易性を維持しつつ、ランプユニット2内でランプ1がフリーになるような構造のランプ1を使用し、かつ、ランプユニット2の底部31にスプリング41を設置することによって、ランプ1をランプユニット2から引き出す際の作業容易性をより向上させている。
【0029】
なお、本実施の形態では、2本のランプ1を用いるバックライト装置を例にしたが、1本のランプ1を用いるバックライト装置に対して本発明を適用することもできる。さらに、2本よりも多い数のランプ1を用いるバックライト装置に対して本発明を適用することもできる。また、本実施の形態では、ランプ1としてCCFL(CCT)を例示したが、キセノンランプなど他の種類のランプを使用する場合にも本発明を適用することもできる。さらに、本実施の形態では、スプリング41としてコイル状のスプリングを示したが、板状のスプリングであってもよいし、ゴム弾性を示す柱状のスプリングであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、液晶表示装置において用いられるエッジライト方式のバックライト装置に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(A)は本発明によるバックライト装置におけるランプを示す説明図、(B)はバックライト装置におけるランプユニットを示す説明図。
【図2】ランプをランプユニットに装着するときの装着の仕方を示す説明図。
【図3】ランプをランプユニットから外すときの外し方を示す説明図。
【図4】エッジライト方式のバックライト装置を示す平面図。
【図5】従来のバックライト装置におけるランプユニットの部分を示す断面図。
【符号の説明】
【0032】
1 ランプ
2 ランプユニット
21 キャップ
22 爪部
23 ケーブル
24,25 電極端子
27 ランプの裏面
31 底部
32 開口部
41 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本の棒状のランプがランプユニットに挿入されることによって装着される構造を有する液晶表示装置用バックライト装置において、
前記ランプに、前記ランプユニットの開口部の近傍で前記ランプユニットに嵌まるキャップであって押圧されると押圧された面が下降し押圧が解除されると押圧されていた面が復帰する部分を含むキャップが設けられ、
前記ランプユニットの底部にスプリング材が設置され、
前記ランプユニットに装着された状態で、前記ランプユニット内部における前記スプリング材の近傍で前記ランプを拘束する部材が存在しないように前記ランプユニットが形成されている
ことを特徴とする液晶表示装置用バックライト装置。
【請求項2】
ランプは、ランプユニットの長さから非圧縮状態におけるスプリング材の長さを引いた長さよりも長く形成されている
請求項1記載の液晶表示装置用バックライト装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−216361(P2008−216361A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50381(P2007−50381)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】