説明

液状体塗布装置

【課題】液状体を付着させ、塗付対象部材への塗付面となるローラー表面部即ち表面材に相当する部材を極めて簡単に新しい部材と取り替えると共に、新しい表面部材のストック管理を極簡単に行なえる液状体塗布装置を安価に提供する。
【解決手段】長尺のロッド状或いはパイプ状部材を屈曲加工して、所定の形状に成形したアーム部材1の一方端部を軸部8とし、該軸部8には塗付ローラー3を回転可能且つ長手方向移動を規制するよう枢支し、他方端部にはグリップ2を取付けるようにしたローラータイプの塗付装置であって、前記塗布ローラ3ーをテープ状ローラーとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤や塗料等の液状体を所定部分に塗布するローラータイプの液状体塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
接着剤や塗料を、ある部材に塗付する場合、従来より広く行なわれている方法は、刷毛塗り或いは吹き付けというものであった。然し、液状体の粘度が大きい場合は、刷毛塗りでは塗り難く、吹き付けでは液状体が広範囲に飛散して不要な部分まで塗付してしまうので、それを避けるために養生が必要であった。このような問題点を解消するものとして、近年ではローラータイプの塗付装置が種々開発され、使用されている。ローラータイプ塗付装置の基本構造は、アーム部材の一方端部を軸部とし、該軸部にローラーを回転可能に枢支し、他方端部にグリップを取り付けるものであって、使用する場合は、グリップを手に持ち、ローラー表面に液状体を付け、塗布を必要とする部材に前記ローラー表面を当てて、一定の力をかけた状態でローラーを回転させながら移動させるというものであった。この様な方法によって、刷毛塗りでは難しかった粘度の大きな液状体であっても、ある程度良好に塗布することが可能になり、塗付範囲がローラーの巾に限定されるので、吹き付けの様に飛散することが無いので、養生を施さなくても必要な部分にある程度正確に塗布することが可能になった。ローラータイプ塗布装置によって、塗り難い接着剤や塗料等の液状体を簡単に且つ確実に塗布出来るようになり、更に塗付対象部材の必要とする部分に正確に塗布することが出来るようになったのは事実であるが、使用後のローラーの処置が大きな難点となっていた。即ち、使用後のローラーに付着した液状体の処置である。その処置方法として、洗浄するという方法があり、使用後すぐに洗浄することになるが、非常に面倒な作業である。液状体は放置して置くと固まってしまうので、固まってしまった後の洗浄は更に面倒な作業となる。こうした面倒な作業を回避する為、使用出来なくなった時は、多くはローラーそのものを新しいものに交換しているのが現状である。
【0003】
この様な現状の問題点を解消するものとして、ローラー表面材をローラー本体から取り外し可能とし、新しい表面材に付け替えられるようして、ローラー本体を繰り返し利用出来るものが提案されている。その構造は、チューブ状ローラー芯材(ローラー本体)の表面を面ファスナーの雄材機能を有するものとし、このローラー芯材の回りに、裏面が面ファスナーの雌材機能を有する表面材を雌雄係合させるようにしたものであり、これによって、今までのローラータイプ塗布装置の問題点を解消出来ることになる。何故なら。表面材が簡単に取り外せ、新しいものに付け替えられるので、ローラーを洗浄する必要も無く、ローラー全体を交換する場合と比較すると、安価で簡単な作業で対応することが出来ることになる。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2005−118665
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、チューブ状ローラー芯材の表面を面ファスナーの雄材機能を有するものとし、このローラー芯材の回りに配設させる表面材の裏面を面ファスナーの雌材機能を有するものとして、表面材と前記チューブ状ローラー芯材を雌雄係合させるようにした場合、使用後の表面材を取り外した後、当然のことながら、新しい表面材を取り付けることになり、取り外すという作業と取り付けるという二つの作業が必要となる。そして取付け作業を速やかに行なう為には、多量の新しい表面材を予め用意をし、ストックして置くことになり、その為の管理も必要となってくる。
【0005】
本発明は、こうした従来技術の問題点に鑑み、ローラー本体を繰り返し利用出来るようにするのは勿論、液状体を付着させ、塗付対象部材への塗付面となるローラー表面部即ち表面材に相当する部材を極めて簡単に新しい部材と取り替えると共に、新しい表面部材のストック管理を極簡単に行なえる液状体塗布装置を安価に提供することを目的としている。更に、塗付面積の制御が容易に行なえるようにし、それに伴い、接着剤の節約が図れる液状体塗布装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、長尺のロッド状或いはパイプ状部材を屈曲加工して、所定の形状に成形したアーム部材の一方端部を軸部とし、該軸部には塗付ローラーを回転可能且つ長手方向移動を規制するよう枢支し、他方端部にはグリップを取付けるようにしたローラータイプの塗付装置であって、前記塗布ローラーをテープ状ローラーとしたものである。この様に構成したことにより、塗付ローラーに於ける表面部分を取り剥がすことが可能となり、塗付作業で付着した前記塗布ローラー表面部の液状体を洗浄することなく、単に表面部分を取り剥がすという極めて簡単な方法で新しい表面部分が得られ、しかもテープ状ローラーは、テープ部材を捲回して形成してあることから、テープ部材が無くなるまで使用可能であり、取り剥がす度に、新たな表面部材を取り付けるという作業も必要なく、液状体が付着した塗付作業終了後の塗付ローラー表面部の処置を極めて簡単に行うことが出来る。又、テープ状ローラーがテープ部材を捲回して形成されていることから、表面部の処置を行なう度に新たな表面部材を用意する必要が無く、多頻度の処置に対応可能であることから、ストックする表面部材(テープ状ローラー)の数量が少なくなり、数量等管理の効率化を図ることが出来る。
【0007】
請求項2記載の発明は、塗付ローラーを、アーム部材の軸部に枢支した回転ローラーと該回転ローラーの外周面に装着した塗付ローラークランプ部材と該塗付ローラークランプ部材の外周面に装着したテープ状ローラーの組合せとし、前記塗付ローラークランプ部材を弾力性のあるゴム等で形成したものである。この様に構成したことにより、回転ロ−ラーとテープ状ローラーの間に弾力性のあるゴム等で形成した塗付ローラークランプ部材が介在することになり、相互の摩擦抵抗によって、特別な手段や方法を講じなくても相互のズレや空回りを防止することが出来る。更に、塗付ローラークランプ部材の弾力性により、最も外側に位置するテープ状ローラー(塗布ローラー)が軸部に対して揺動するから、塗付作業時に於けるテープ状ローラーへの押圧力が一定でなくとも、良好に塗付することが出来る。
【0008】
請求項3記載の発明は、テープ状ローラーの巾を該テープ状ローラーが装着される相手部材の長さより小さくし、巾の異なったテープ状ローラーを装着可能としたものである。この様に構成したことにより、塗付対象部材に於ける塗付部分の必要巾(或いは面積)が異なる場合でも、それぞれの必要巾に合わせた巾のテープ状ローラー(塗付ローラー)をセットすることが可能となり、塗付巾(或いは面積)を制御することが出来る。そして、それに伴い、液状体を節約することが出来る。
【0009】
請求項4記載の発明は、テープ状ローラーに於けるテープ材を紙テープ或いはマスキングテープそして不織布等液状体(接着剤等)が浸透しないものとしたことである。この様に構成したことにより、テープ状ローラーに於ける表面側のテープ部材が液状体(接着剤等)の付着で汚れても下側(2枚目)のテープ部材の汚れを防止することが出来る。
【0010】
請求項5記載の発明は、テープ状ローラーに於けるテープの裏面に剥離性の良い接着剤を塗布し、接着剤塗布部を設けたものである。この様に構成したことにより、テープ状ローラーは、塗付作業時には、剥がれることなく塗付ローラーとしての機能を果たし、作業終了後に於いては、液状体が付着した表面部を簡単に取り剥がすことが出来る。
【0011】
請求項6記載の発明は、テープ状ローラーに於けるテープの表面を粗面としたものである。この様に構成したことにより、綺麗な面の場合と比較し、液状体が付着し易くなり、その分比較的多くの液状体を保持することが可能となり、塗付対象部材への塗付作業の効率化が図れるばかりでなく、塗付対象部材の状態(低い凹凸状態或いは緩い波状)が少々悪くても良好に塗付することが出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上説明したように構成されているので、下記に説明するような効果を奏する。
【0013】
請求項1記載の液状体塗布装置に於いては、長尺のロッド状或いはパイプ状部材を屈曲加工して、所定の形状に成形したアーム部材の一方端部を軸部とし、該軸部には塗付ローラーを回転可能且つ長手方向移動を規制するよう枢支し、他方端部にはグリップを取付けるようにしたローラータイプの塗付装置であって、前記塗布ローラーをテープ状ローラーとしたので、テープ状ローラーに於けるテープ部材が無くなるまで使用可能であり、取り剥がす度に、新たな表面部材を取り付けるという作業も必要なく、液状体が付着した塗付作業終了後の塗付ローラー表面部の処置を極めて簡単に行うことが出来る。又、表面部の処置を行なう度に新たな表面部材を用意する必要が無く、多頻度の処置に対応可能であることから、ストックする表面部材(テ−プ状ローラー)の数量が少なくなり、数量等管理の効率化を図ることが出来、結果としてトータルコストを安くすることが出来る。
【0014】
請求項2記載の液状体塗布装置に於いては、塗付ローラーを、アーム部材の軸部に枢支した回転ローラーと該回転ローラーの外周面に装着した塗付ローラークランプ部材と該塗付ローラークランプ部材の外周面に装着したテープ状ローラーの組合せとし、前記塗付ローラークランプ部材を弾力性のあるゴム等で形成したので、特別な手段や方法を講じなくても相互のズレや空回りを防止することが出来る。更に、塗付ローラークランプ部材の弾力性により、テープ状ローラーが軸部に対して揺動するから、塗付作業時に於けるテープ状ローラーへの押圧力が一定でなくとも、良好に塗付することが出来る。
【0015】
請求項3記載の液状体塗布装置に於いては、テープ状ローラーの巾を該テープ状ローラーが装着される相手部材の長さより小さくし、巾の異なったテープ状ローラーを装着可能としたので、塗付対象部材に於ける塗付部分の必要巾に合わせた巾のテープ状ローラーをセットすることが可能となり、塗付巾(或いは面積)を制御することが可能となり、それに伴い、液状体を節約することが出来る。
【0016】
請求項4記載の液状体塗布装置に於いては、テープ状ローラーに於けるテープ材を紙テープ或いはマスキングテープそして不織布等液状体(接着剤等)が浸透しないものとしたので、テープ状ローラーに於ける表面側のテープ部材が液状体の付着で汚れても下側(2枚目)のテープ部材の汚れを防止することが出来る。
【0017】
請求項5記載の液状体塗布装置に於いては、テープ状ローラーに於けるテープの裏面に剥離性の良い接着剤を塗布し、接着剤塗布部を設けたので、テープ状ローラーは、塗付作業時には、剥がれることなく塗付ローラーとしての機能を果たし、作業終了後に於いては、液状体が付着した表面部を簡単に取り剥がすことが出来る。
【0018】
請求項6記載の液状体塗布装置に於いては、テープ状ローラーに於けるテープの表面を粗面としたので、比較的多くの液状体を保持することが可能となり、塗付対象部材への塗付作業の効率化が図れるばかりでなく、塗付対象部材の表面がある程度粗面であっても良好に塗付することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明による液状体塗布装置の一実施形態を示す平面図であって、図2は図1のX矢視図、図3は図1のA−A断面図である。図4は本発明による液状体塗布装置の他の実施形態(塗布ローラーの部分)を示すもので、図1のA−A断面に相当する断面図であり、図5は本発明による液状体塗布装置の一実施形態に於ける塗布ローラーの概要図、図6は図5のB−B断面図であって、テープ部材の説明図であり、図7はテープ部材の他の実施形態を示し、図5のB−B断面に相当する断面図である。
【0020】
それでは、図1と図2そして図3を参照しながら本発明による液状体塗布装置の全体的な構成に付いて説明する。1はアーム部材であって、例えば長尺のロッド状或いはパイプ状の金属製部材を所定の形状に屈曲加工して、一方端部を筒状の塗付ローラー3が回転する為の軸部8とし、他方端部をグリップ2取付け用部分とするものである。勿論アーム部材1は金属製部材に限定されるものではなく、合成樹脂製であっても良いのであるが、その場合は射出成形が効果的である。図1に示すように、軸部8には塗布ローラー3が回転可能に枢支されており、該塗布ローラー3は軸部8に形成した図示しない貫通孔に挿入嵌着したクリップ10によって、軸部8に於ける長手方向の移動を規制されている。9はワッシャーであって、塗付ローラー3の端面とクリップ10の間に介装され、塗付ローラー3を軸部8に対して良好に回転させる為にあり、ワッシャーに変えてカラーとしても支障は無い。木製や合成樹脂製等適切な材料で形成されたグリップ2は、前述したように、アーム部材1の軸部8とは反対側端部に取り付けられ、塗付作業時の取っ手として機能するのであるが、アーム部材1とグリップ2共に合成樹脂製とした場合は、同時に射出成形するのが得策である。5は筒状のテープ状ローラー芯材であって、本実施形態に於いては、回転ローラーとしての機能も併せ持っていて、該テープ状ローラー芯材5には、テープ状ローラー4が捲回された状態で装着されている。従って、前記塗付ローラー3はテープ状ローラー4とテープ状ローラー芯材5との組合せで構成されているのである。
【0021】
続いて、図3を主に参照しながら、塗付ローラー3について説明する。塗付ローラー3に於けるテープ状ローラー4は、セロテープ形式に、所定の巾で長尺に形成したテープをテープ状ローラー芯材5に捲回したものであり、テープ材としては、液状体(接着剤等)が浸透しない、例えば紙テープやマスキングテープ或いは不織布テープ等が用いられ、その裏面には、後で詳述するように、剥離性の良い接着剤が塗付加工されている。塗付ローラー3の巾L1は変更可能であり、塗付対象部材に於ける塗付部分の必要巾が異なる場合は、それぞれの必要巾に合わせて塗付ローラー3を用意し、使用することが出来るようになっている。故に、アーム部材1の軸部8の長さは、予め長めに設定されており、クリップ10を挿入嵌着する貫通孔も限定した巾にのみ対応するのではなく、それぞれの巾に対応して複数対形成されているのは云うまでも無いことである。尚、塗付ローラー3の軸部8長手方向の移動を規制する方法として、クリップを使用するとして説明したが、この方法に限定されるものではなく、如何なる方法であっても良いので、念のため付言して置くこととする。又、クリップ以外の方法を採用した場合でも塗付ローラー3の巾L1の変更を受け入れる方法であるのは云うまでもない。
【0022】
次に、図4を基に、図1を参照しながら、本発明による液状体塗付装置の他の実施形態に付いて説明する。13は塗付ローラーであって、軸部8に枢支している回転ローラー17と該回転ローラー17の外周面に装着した塗付ローラークランプ部材16と該塗付ローラークランプ部材16の外周面に装着したテープ状ローラー14から成っている。尤も、テープ状ローラー14の中心部にはテープ状ローラー芯材15が存在しており、前記テープ状ローラー14がテープ状ローラー芯材15に捲回されて構成されているのは云うまでも無いことである。塗付ローラークランプ部材16は、エラスチックな弾力性のあるゴムや合成樹脂等で筒状に形成したもので、その内径は、回転ローラー17の外径より僅かに小さくなっていて、回転ローラー17への装着に際しては、内径を押し広げるようにして行われる。換言すれば圧入状態で装着されているので、その摩擦抵抗により、回転ローラー17に対するズレ等の発生は起こらず、確実に装着されることになる。テープ状ローラー芯材15を含むテープ状ローラー14は、塗付ローラークランプ部材16の外周面に装着される。この時、テープ状ローラー芯材15の内径を塗付ローラークランプ部材16の外径より小さく設定してあることから、相互間のズレ等の発生は無くなる。従って、本発明による液状体塗布装置の塗付ローラー13に於いては、回転ローラー17と塗付ローラークランプ部材16そしてテープ状ローラー14は、特別な装着或いは嵌着手段を講じなくとも組み付けることが可能となっているのである。尚、回転ローラー17等相互の接触面を粗面とすれば、より確実に組み付けることが可能となるのは云うまでもないことであるので、念のため付言して置く。更に、本発明は、前述した組付け方法に限定されるものではなく、他の方法も採用出来るのは勿論である。
【0023】
引き続き、塗付ローラー13について説明する。回転ローラー17に塗付ローラークランプ部材16とテープ状ローラー芯材15とを介して一体的に組みつけられた塗付ローラー13は、前記回転ローラー17の内径部分で軸部8に枢支されて回転可能となり、且つ軸部8長手方向の移動は、前述した塗付ローラー3と同様に規制されている。
【0024】
ここで、テープ状ローラー14を含む塗付ローラー13各部材の巾に関して説明を加えることにする。回転ローラー17の巾の長さMとテープ状ローラー芯材16の巾の長さNそしてテープ状ローラー14の巾の長さL2との関係は、L2<N≦Mを基本としている。しかも、L2<Nの関係は、比較的大きく設定していて、テープ状ローラー14の巾が変化しても使用(装着)出来るように、自由度を持たせている。これによって、塗付対象部材に於ける塗付部分の必要巾が異なる場合でもそれぞれの必要巾に合わせてテープ状ローラー14を用意し、取り替えて使用ことが出来るようになっている。
【0025】
図5は塗布ローラー3に於けるテープ状ローラー4の概要図で、図6は図5のB−B断面図であって、いずれもテープ状ローラー4の詳細を説明する為のものであり、以下説明する。尚、テープ状ローラー14はテープ状ローラー4と基本的に同一であるので、説明は省略することにする。6はテープ状ローラー芯材5に於ける軸部8への枢支用の回転孔である。テープ状ローラー芯材5には、長尺状のテープ部材7が捲回されていてテープ状ローラー4を形成している。テープ部材7は、紙テープやマスキングテープ或いは不織布テープ等液状体(接着剤等)が浸透しない材料で作られたテープ11と剥離性の良い接着剤を塗付した接着剤塗布部12から成り、該接着剤塗布部12によって、確実にテープ状ローラー4が捲回形成されると共に、捲回されたテープ部材7を比較的容易に引き剥がすことが可能となっている。
【0026】
本発明による液状体塗布装置に用いるテープ部材には、図7に示すように他の実施形態もあるので、図面に基づき説明することにする。テープ部材18は、テープ21と接着剤塗布部22から成り、その内容は、接着剤塗布部22とは反対側の面(表面)即ち塗付対象部材に所定の液状体を塗付する場合に液状体を付着させる側の面を除いて、前述したテープ部材7と全く同一である。接着剤塗布部22とは反対側の面即ち表面は、凹部19と凸部20の凹凸状に形成されており、これにより、液状体が付着し易くなり、塗付対象部材への塗付作業の効率化が図れる。尚、凹凸状に変えて波状としても良く、要は粗面加工するということであるので付言して置く。
【0027】
それでは続いて、使用方法について説明する。使用するに当たっては、塗付対象部材に於ける液状体塗付必要部分(面積)に合わせた巾の塗付ローラー3をセットした塗布装置を使用することになる。そして後グリップ2を持って塗付ローラー3のテープ状ローラー4外周部に所定の液状体を付着させる。次いで、塗付対象部材の液状体塗付必要部分にテープ状ローラー4の外周部を前記必要部分にあてがい一定の押圧力でもって、塗付ローラーを回転させながら、所定範囲移動させることで塗付作業は終了する。然し、塗付ローラー3のテープ状ローラー4の巾を塗付対象部材の液状体塗付必要部分に全て合わせるのは、返って効率が悪くなる場合があるので、その様な時には必要な範囲を移動させて塗布することになる。従って、不必要な部分まで液状体を塗付することが無くなり、それに伴い液状体の節約にもつながる。そして作業終了後汚れた塗付ローラー3表面部即ちテープ状ローラー4表面部は、テープ状ローラー4を形成しているテープ部材の表面部を引き剥がすことで、瞬時に新しいものとすることが出来るのである。勿論毎回表面部を引き剥がす必用はなく、使用出来る間は、そのまま保管すれば良いし、仮に使用したまま放置して、液状体が硬化して、結果として使用出来なくなっても、テープ部材の表面部を引き剥がせば、新しい表面部が得られ、すぐ作業に掛かることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による液状体塗布装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のX矢視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】本発明による液状体塗布装置の他の実施形態(塗布ローラーの部分)を示すもので、図1のA−A断面に相当する断面図である。
【図5】本発明による液状体塗布装置の一実施形態に於ける塗布ローラーの概要図である。
【図6】図5のB−B断面図であって、テープ部の説明図である。
【図7】テープ部の他の実施形態を示し、図5のB−B断面に相当する断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 アーム部材 21 テープ
2 グリップ 22 接着剤塗布部
3、13 塗付ローラー L1,L2 巾の長さ
4、14 テープ状ローラー M 巾の長さ
5、15 テープ状ローラー芯材 N 巾の長さ
6 回転孔
7 テープ部材
8 軸部
9 ワッシャー
10 クリップ
11 テープ
12 接着剤塗布部
16 塗付ローラークランプ部材
17 回転ローラー
18 テープ部材
19 凹部
20 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺のロッド状或いはパイプ状部材を屈曲加工して、所定の形状に成形したアーム部材の一方端部を軸部とし、該軸部には塗付ローラーを回転可能且つ長手方向移動を規制するよう枢支し、他方端部にはグリップを取付けるようにしたローラータイプの塗付装置であって、前記塗布ローラーをテープ状ローラーとしたことを特徴とする液状体塗布装置。
【請求項2】
塗付ローラーを、アーム部材の軸部に枢支した回転ローラーと該回転ローラーの外周面に装着した塗付ローラークランプ部材と該塗付ローラークランプ部材の外周面に装着したテープ状ローラーの組合せとし、前記塗付ローラークランプ部材を弾力性のあるゴム等で形成したことを特徴とする請求項1記載の液状体塗布装置。
【請求項3】
テープ状ローラーの巾を該テープ状ローラーが装着される相手部材の長さより小さくし、巾の異なったテープ状ローラーを装着可能としたことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の液状体塗布装置。
【請求項4】
テープ状ローラーに於けるテープ材を紙テープ或いはマスキングテープそして不織布等液状体が浸透しないものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項3記載の液状体塗布装置。
【請求項5】
テープ状ローラーに於けるテープの裏面に剥離性の良い接着剤を塗布し、接着剤塗布部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4記載の液状体塗布装置。
【請求項6】
テープ状ローラーに於けるテープの表面を粗面としたことを特徴とする請求項1〜請求項5記載の液状体塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−152333(P2007−152333A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380810(P2005−380810)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セロテープ
【出願人】(301038438)株式会社ケーエス商会 (7)
【Fターム(参考)】