説明

清掃方法

【課題】顧客及び業者の両者に満足感を与えると共に品質を維持保障した清掃方法を提供する。
【解決手段】建物内の汚れ状況を顧客に提示する現地確認工程1と、この現地確認工程1に基づいて品質を保証した個別の清掃設計を行い仕様を確立する工程2と、この確立された仕様に基づいて受注を確定した後、建物竣工当時の状況に近づけるまでの集中清掃作業を行う集中清掃工程5と、清掃前と清掃後の比較写真等を顧客に提示して初回清掃を終了する結果報告工程6と、前記集中清掃工程5の後、必要に応じ臨時的な清掃を行う巡回清掃工程7と清掃品質の維持を目的とした定期清掃を行う定期清掃工程8とから構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建物を清掃する場合の清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルの清掃を行う場合、床面の汚れに重点をおいて、顧客が見て汚れていると判断した後、施工業者を呼び、この予算内で清掃して欲しいと依頼し、施工業者は、予算に見合えば清掃品質を保障することなくその提示に応じた受注を行い、その提示個所のみの清掃を行うのが一般的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、顧客から提示された個所のみの清掃の場合、清掃が終了しても他の個所が汚れていると、例えば、壁面等の立面的、立体的な範囲が清掃されていないため、顧客としては清掃して頂いたという実感を味わうことができないばかりか、清掃した施工業者も作業をしたという満足感を得ることできないという問題があった。
【0004】
また、従来の方法では、顧客から見て汚れていると判断した個所であるばかりか、その時の予算内の清掃ということから、汚れを除去する程度の清掃であるため、数ヶ月後には同様の作業が必要となり、品質の保証されない清掃を繰り返すだけの清掃作業となっていた。
【0005】
本発明は、上述した従来技術における実情に鑑みなされたもので、その目的は、顧客及び業者の両者に満足感を与えると共に品質を維持保障した清掃方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、現地確認と仕様確立後、清掃作業を行うようにした清掃方法において、建物内の汚れ状況を顧客に提示する現地確認工程と、この現地確認工程に基づいて品質を保証した個別の清掃設計を行い仕様を確立する工程と、この確立された仕様に基づいて受注を確定した後、建物竣工当時の状況に近づけるまでの集中清掃作業を行う集中清掃工程と、清掃前と清掃後の比較写真等を顧客に提示して初回清掃を終了する結果報告工程と、前記集中清掃工程の後、必要に応じ臨時的な清掃を行う巡回清掃工程と清掃品質の維持を目的とした定期清掃を行う定期清掃工程とからなることを特徴とする。
【0007】
このように構成した本発明によれば、現地確認を経験豊富な施工業者が行うため清掃すべき個所を確実に指摘することができ、また、品質を保証した適切な見積りを提案できる。この見積りに従って受注した場合、建物竣工当時の状況に近づけるまでの集中清掃作業を行う。この時、品質を維持向上するため、壁面など立面的、立体的な範囲を清掃し、清潔感をだすようにする。更に、顧客に対して清掃前と清掃後の比較写真等の提示がなされるため、顧客を大いに満足させることができると共に施工業者両者にとっても満足のいく清掃を行うことができる。更に、前記集中清掃作業工程後は、必要に応じ臨時的な清掃を行う巡回清掃と清掃品質の維持を目的とした定期清掃を順次繰り返し行うだけで竣工時の状態に近い品質を維持することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顧客を大いに満足させることができると共に施工業者両者にとっても満足のいく清掃を行うことができると共に、品質を維持保障した清掃方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る清掃方法の実施形態を図に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態になる清掃方法のフロー構成図、図2は清掃方法を確立する時のマトリックス図、図3は従来の清掃方法で行った場合と本発明の方法で行った場合の綺麗度を示した比較図である。
【0011】
図1において、現地確認と仕様確立後、清掃作業を行うようにした清掃方法の一実施の形態は、建物内の汚れ状況を顧客に提示する現地確認工程1で、汚染場所チェックリストを用いることで汚染場所をもれなく抽出し、各汚染部の状態を確認・撮影する。ここで、汚染部の状態とは、清掃対象物の外観形状、材質、汚染原因や原因物質、汚染の度合いなどのことを指す。この現地確認工程1に基づいて品質を保証した個別の清掃設計を行い仕様を確立する工程2では、図2で示すマトリックス図のような判定方法を用いて、先に確認した汚染部の状態から、使用する清掃道具、洗浄する力や時間、薬品の種類や量、養生部位や養生の種類などの清掃方法や清掃仕様を決定する。その他、同様の判定方法を用いて、見積り金額なども算出・決定する。そして、見積り提案工程3で、例えば、被洗浄面である母材がコンクリで汚染物の種類が油である場合、アルカリ性の洗剤でジェット水流洗浄の強度が中圧の洗浄水で洗浄することを決定する。また、土砂、粘土の場合は、普通水で中圧のジェット水流で、黒色汚損の場合は、普通の水道水で、こけ、カビの場合は高温水蒸気を用いた高圧のジェット水流で洗浄することを決定する。
【0012】
この確立された仕様に基づいて受注工程4で顧客との協議に基づき、個別設計を見直しながら清掃仕様を最終的に決定し、この受注工程4で受注を確定した後、集中清掃工程5で建物竣工当時の状況に近づけるまでの集中清掃作業を行う。次に、結果報告工程6で清掃前と清掃後の比較写真等を結果報告として顧客に提示して初回の集中清掃を終了する。前記集中清掃工程5が終了してから所定期間例えば、3ヶ月或いは6ヶ月後に必要に応じ臨時的な清掃を行う巡回清掃工程7と清掃品質の維持を目的とした定期清掃工程を順次繰り返し行う。
【0013】
前記集中清掃工程5では、個別清掃設計工程2のマトリックスに従い、主に高圧の水またはお湯を噴射するジェット水流洗浄機を用い、被洗浄面の材質や構造およびその経過年数も勘案した判定基準に従って最適な水圧を決定する。その他、土砂、粘土、排気ガスや煤煙、油類、苔やカビなどの汚染物の種類に応じて薬品や蒸気や防汚・防苔・防カビ剤の使用有無などについても判定する。
【0014】
結果報告の工程6では、主要な作業風景を写真や映像で提示するほか、清掃の効果を分かり易くするために、清掃前後の比較写真などを提示する。
【0015】
巡回清掃工程7では、巡回点検しながら必要に応じて特に汚れた部分を臨時的に清掃する。また、定期清掃工程8では、清掃品質を維持するために定期的に清掃を行う。この巡回清掃工程7と定期清掃工程8を順次繰り返し行い、また適宜集中作業工程4を受注することで、図3の本発明の清掃効果曲線Aで示したように、従来の定期清掃のみを繰り返す清掃効果曲線Bよりも高い品質すなわち綺麗度を顧客に提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態になる清掃方法のフロー構成図である。
【図2】清掃方法を確立する時のマトリックス図である。
【図3】従来の清掃方法で行った場合と本発明の方法で行った場合の綺麗度を示した比較図である。
【符号の説明】
【0017】
1 現地確認工程
2 個別清掃設計工程
3 見積り・提案工程
4 受注の工程
5 集中清掃工程
6 結果報告工程
7 巡回清掃工程
8 定期清掃工程
A 本発明の清掃効果曲線
B 従来の清掃効果曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現地確認と仕様確立後、清掃作業を行うようにした清掃方法において、
建物内の汚れ状況を顧客に提示する現地確認工程と、この現地確認工程に基づいて品質を保証した個別の清掃設計を行い仕様を確立する工程と、この確立された仕様に基づいて受注を確定した後、建物竣工当時の状況に近づけるまでの集中清掃作業を行う集中清掃工程と、清掃前と清掃後の比較写真等を顧客に提示して初回清掃を終了する結果報告工程と、前記集中清掃工程の後、必要に応じ臨時的な清掃を行う巡回清掃工程と清掃品質の維持を目的とした定期清掃を行う定期清掃工程とからなることを特徴とする清掃方法。
【請求項2】
前記仕様確立時或いは集中清掃時、被洗浄面の軟弱さと汚れの強さから清掃方法を判定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の清掃方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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