説明

温水暖房マット

【課題】取扱いが簡単で、しかも安全性が高く、性能的にも良好で、且つ浴室マット自体に求められる機能を併せ持った温水暖房マットを安価に提供する。
【解決手段】発泡ウレタン等独立気泡のプラスチックでシート状に形成したマット基材3を間に挟んで、ゴム或いはプラスチックでシート状に形成した表皮部材1,2を、前記マット基材3の表面側と裏面側に積層させ、表面側の表皮部材1とマット基材3の間には、シート状の均熱板5を介在させ、積層された表皮部材1,2と均熱板5そしてマット基材3を接着剤等により固着し、前記マット基材3表面側には、ナイロン等のプラスチックで形成されたフレキシブルな伝熱管4を埋設する溝部20を形成すると共に前記表面側と裏面側の表皮部材1,2には、凸状部18,19を形成して表皮部材1,2表面部を凹凸状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お湯を利用して昇温させ、暖房用としても使用可能な暖房マットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
寒い冬の季節や寒冷地に於ける寒さ対策としては、従来より、ストーブや炬燵そしてエアコン等が広く使用されている。勿論暖房装置は、ストーブやエアコンそして炬燵ばかりでなく、床暖房装置もあり、かなり以前から使用されているものの、設置費用が高く、誰にでもというわけにはいかなかったが、最近では、床暖房装置も比較的低価格で設置可能となり、かなり普及して来ている。こうした現状から寒さ対策が非常に充実して来ていることは確かである。然し、良く検証すると、充実しているのは、一般家庭では、居間等の家族が長時間過ごす部屋とか、お客様を迎える応接間等であり、リハビリセンター等では空間の温度コントロールに於いてであって、浴室や使用する頻度の少ない空間、特に浴室は、必ずしも充実しているとは云えず、寒さ対策がなされていないといっても過言でない。入浴する場合、云うまでもないことであるが、寒い浴室内の洗い場で簡単に身体を洗ってから浴槽に入る。この時、洗い場にマットが敷設してあっても、足元がヒャっとして非常な寒さを感じるものである。この寒さは、居間等浴室以外の寒さ対策が充実していればいるほど、大きく感じるものである。こうした状況は、健康に悪影響を及ぼし、特に高齢者にとっては危険なものである。
【0003】
近年、寒さ対策がトータル的に考えられるようになり、浴室等にも目が向けられて来ている。その一環として、浴室マットの暖房化が考慮されるようになり、開発が進められ、商品化されている。例えば、鉄板とパイプからなる温水マットで、鉄板の背面に縦パイプとU形パイプと縦パイプと横パイプからなるパイプを配管して、縦パイプには吸入管を、横パイプには吐出管を接続し、シャワーからの温水を吸水ホースと吸入管を介してマット内に送り、マットを昇温させ、マットを昇温させた温水を、吐出管と吐出ホースを介して浴槽内に戻すというものがある。(特許文献1参照)又、放熱マットに導入口と排出口を設け、前記導入口に逆流防止弁付吐水口取付け具が設けられた導入管を取り付け、固定用吸盤が設けられた排出管を排出口に取り付けたものがある。(特許文献2参照)
【特許文献1】特開平8−117128
【特許文献2】特開2002−102090
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、鉄板とパイプからなる温水マットに於いては、鉄板を使用することから、取扱いが面倒であるばかりでなく、鉄板表面をマットとして直接使用する訳にはいかず、ゴムやプラスチック等の軟質材のカバー部材を必要とし、価格的に見て、安価に提供することは出来ない。そして、吐出ホースの先端にシャワーノズルが取り付けられるようになっているが、シヤワーは身体の一部分だけに使用するのではなく、全身に使用する場合が多々あり、しかも、ノズルを手に持って使用するばかりでなく、ノズル係止具にセットした状態で使う場合がある。ノズル係止具は、使用者が立って使う場合を考慮して、比較的高い位置に取り付けられていることから、吸水ホースにしても吐出ホースにしても、より長いものが必要となり、その分ホース代が高くなり、使い勝手も、通常のシャワーと比較して悪くなる。又、放熱マットの導入口に逆流防止弁付吐水口取付け具を取り付け、排出口に固定用吸盤を設けた排出管を取り付けたものに於いては、放熱マットの昇温に利用したお湯を浴槽内へ入れるようになっていて、経済的であるが、逆流防止弁を使用するようになっているので、その分高価なものにならざるを得ない。更に、浴室マットには、マット自体に求められる機能があり、その1つは、マット上に乗ったときに滑りにくくすることである。寒い時期には、誰も身体の運動能力が下がっており、特に高齢者では顕著であり、ちょっと滑っただけで転び大怪我につながりかねない。そして他の1つは、洗い場に対しマットが滑りにくくするのと同時に、マット下面の水はけを良くすることである。温水マットの従来技術に於いては、マットを昇温させることに重点が置かれ、マット自体の機能を併せ持たせた技術の開示はなされていない。
【0005】
本発明は、こうした従来技術の問題点に鑑み、取扱いが簡単で、しかも安全性が高く、性能的にも良好で、且つ浴室マット自体に求められる機能を併せ持った温水暖房マットを安価に提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、発泡ウレタン等独立気泡のプラスチックでシート状に形成したマット基材を間に挟んで、ゴム或いはプラスチックでシート状に形成した表皮部材を、前記マット基材の表面側と裏面側に積層させ、表面側の表皮部材とマット基材の間には、シート状の均熱板を介在させ、積層された表皮部材と均熱板そしてマット基材を接着剤等により固着し、前記マット基材表面側には、ナイロン等のプラスチックで形成されたフレキシブルな伝熱管を埋設する溝部を形成すると共に前記表面側と裏面側の表皮部材には、凸状部を形成して表皮部材表面部を凹凸状としたものである。この様に構成したことにより、表面側表皮部材の凸状部により発生する大きな摩擦抵抗により、マット上に足を乗せた時のすべりを防止したので安全性が向上し、裏面側表皮部材の凸状部により、安定して洗い場に配設され、それに伴う摩擦抵抗により、洗い場に対するすべりを防止し、且つ水はけを良好に行うことが出来る。又、各構成部品をプラスチック等比較的軽いものを使用したので、取扱いが簡単であり、更にポンプ等他の動力源や設備を使わず、蛇口部材からのお湯の水圧(水道圧)のみで、お湯を送り込んでいるので、構造的にも簡素なものとなっている。
【0007】
請求項2記載の発明は、マット基材の表面側と裏面側に接着剤等で固着される表皮部材を一体的なものとして、前記マット基材全体を包み込むようし、前記表皮部材の端面突合せ部を溶着したものである。この様に構成したことにより、表皮部材がマット基材と均熱板を完全に包被することになり、併せて水を通しにくいゴム或いはプラスチックで形成されていることにより、マット基材や均熱板側への水の浸入(水の浸透)が防止され、マットとしての性能を長く良好に維持することが出来る。
【0008】
請求項3記載の発明は、均熱板を、エラストマー材にアルミや銅等の熱伝導性の良い金属の粉末を混練りさせ、柔軟性を持たせたシート状としたものである。この様に構成したことにより、比較的柔らかいマット基材と表皮部材の間に均熱板を介在積層させても、柔軟性を持たせている為、自在に馴染み、確実に安定して積層され、均熱板の性能引いてはマットの性能を長く良好に維持することが出来る。
【0009】
請求項4記載の発明は、発泡ウレタン等独立気泡のプラスチックでシート状に形成したマット基材を間に挟んで、ゴム或いはプラスチックでシート状に形成した表皮部材を、前記マット基材の表面側と裏面側に積層させ、表面側の表皮部材とマット基材の間には、シート状の均熱板を介在させ、積層された表皮部材と均熱板そしてマット基材を接着剤等により固着し、前記マット基材表面側には、ナイロン等のプラスチックで形成されたフレキシブルな伝熱管を埋設する溝部を形成すると共に前記表面側と裏面側の表皮部材には、凸状部を形成して表皮部材表面部を凹凸状としたマットであって、浴室に於ける蛇口部材から給湯ホースを介して前記伝熱管の給湯口側にお湯を引き入れ、マットを昇温させた後、排水口から排水ホースを介し、給湯側水圧により、浴槽内にお湯を流れ込ませるようにしたものである。この様に構成したことにより、蛇口部材からのお湯の流れが、給湯ホースからマット内伝熱管に入り、マットを昇温させ、そして後排水ホースにより湯槽内に送り込まれるので、お湯のムダが防止出来て経済的である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以上説明したように構成されているので、下記に説明するような効果を奏する。
【0011】
請求項1記載の温水暖房装置に於いては、マットを昇温させて、浴室に入った時の寒さを和らげるのと併せ、表面側と裏面側の表皮部材に形成した凸状部による大きな摩擦抵抗により、足を乗せた時のすべりを防止し、併せてマットを洗い場に配設した時の洗い場に対する安定性が向上して、すべりが防止されるので、入浴者が転倒することがなくなり、安全性を向上させることが出来る。そして裏面側に於いては、凸状部により、マット下面の水はけを良好に行うことが出来る。そして、各構成部品をプラスチック等比較的軽いものを使用したので、簡単に取り扱うことが出来る。更に蛇口部材からのお湯の水圧(水道圧)のみで、お湯を送り込むようにしてあるので、構造的にも簡素なものとなっており、安価に提供することが出来る。
【0012】
請求項2記載の温水暖房装置に於いては、表皮部材がマット基材と均熱板を完全に包被することになり、併せて水を通しにくいゴム或いはプラスチックで形成されていることにより、マット基材や均熱板側への水の浸入(水の浸透)が防止され、マットとしての性能を長く良好に維持することが出来る。
【0013】
請求項3記載の温水暖房装置に於いては、比較的柔らかいマット基材と表皮部材の間に均熱板を介在積層させても、自在に馴染むので、箔状のアルミ板等の金属製均熱板のように、曲がったり、その繰り返しで発生する亀裂による性能への悪影響がなく、確実に安定して積層され、均熱板の性能引いてはマットの性能を長く良好に維持することが出来る。
【0014】
請求項4記載の温水暖房装置に於いては、蛇口部材からのお湯の流れが、給湯ホースからマット内伝熱管に入り、マットを昇温させ、そして後排水ホースにより湯槽内に送り込まれるので、お湯のムダが防止出来て経済的である。又、使用するお湯を湯槽用の蛇口部材からとしているので、シャワーのお湯を使用する場合の煩わしさも無くなり、自由にシャワーが使え、使い勝手が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づき詳細に説明する。図1は、本発明による温水暖房マットの一実施態様を示す平面図、図2は、本発明による温水暖房マットの細部構造を示す図1のA−A断面図、図3は、図1のC矢視図、図4は、図2のD矢視図である。図5は、本発明による温水暖房マットの伝熱管の詳細を示す図1のB−B断面図であって、図6は、本発明による温水暖房マットに使用する給湯ホースの詳細図、図7は、本発明による温水暖房マットを浴室に利用した状態を示す斜視図、図8は、本発明による温水暖房マットをマッサージベットに利用した状態を示す斜視図である。
【0016】
それでは、図1〜図5を参照しながら、本発明による温水暖房マットの構成を説明する。本発明による温水暖房マットは、発泡ウレタン等独立気泡のプラスチックでシート状に形成したマット基材3を間に挟んで、水を通しにくい(水を通さない)ゴム或いはプラスチックでシート状に形成した表皮部材1,2を積層させたものである。そして、マットとして表面側となる表皮部材1とマット基材3の間には、エラストマー材にアルミや銅等の熱伝導性の良い金属の粉末を混練りさせ、且つ柔軟性を持たせたシート状の均熱板5を介在させている。積層された表皮部材1と均熱板5そしてマット基材3と表皮部材2は、接着剤等により固着されている。マット基材3には、図1及び図2に示すように、溝部20が形成されていて、該溝部20には、ナイロン等のプラスチックで形成されたフレキシブルな伝熱管4が埋設されている。凸状部18は、表皮部材1(図1に於ける上面側でマットとしての表面側)に一体的に設けられ、表皮部材1表面を凹凸状とし、滑り防止を図る為のものである。凸状部19は、表皮部材2(図1に於ける下面側でマットとしての裏面側)に一体的に設けられ、表皮部材2表面を凹凸状とし、凸状部18と同様に滑り防止を行なう役目と同時に温水暖房マット下面の水はけを良くする役目を負っている。尚、均熱板5を箔状のアルミ板としても、それ相応の効果があることを付言して置く。
【0017】
尚、本実施形態に於いては、凸状部18、19を同じ円柱状として示しているが、山状としても良いし、又凸状部18、19の凸状の大きさを変えても良い。要は滑り防止効果(凸状部19に於いては滑り防止効果に加えて水はけ効果)を考慮して、必要に応じて変えることが出来るものであり、例えば、縦横に直線状の溝を形成することで凹凸状としても良い。又、本発明による温水暖房マットは、図1に示すように、平面視長方形を基本とし、その大きさは、敷設する場所の大きさによりまちまちであるが、一般家庭の浴室に使用する場合は、横巾が800mm、縦の長さが600mm、厚さが20mmが標準的なサイズとなる。更に、伝熱管4は、給湯口と排水口を開放した状態でマット基材3に埋設しているのであるが、その埋設状態は、図1に示す如く、4列となっていて、給湯口と排水口を除く各列の端部がR状に連接され(蛇行状に連接)、給湯口の反対側端部が排水口となっている。7は、給湯口に取付け固定されたカプラー、8は、排水口に取付け固定されたカプラーで、後述する給湯ホース13と排水ホース14にそれぞれ連結させる連結具である。念のため付言すれば、伝熱管4は、必ずしも4列にする必要はなくマットの大きさ等により改変することが出来るのは云うまでもない。
【0018】
次に、図3により、表皮部材1,2とマット基材3の構成に付いて更に詳しく説明する。表皮部材1,2とマット基材3が、表皮部材1とマット基材3の間に均熱板5を介在させた状態で積層され、それぞれが接着剤等適切な手段で固着されていることは、既に述べた通りである。ここでは、表皮部材1と表皮部材2を別部材として説明しているが、一体的に構成することも可能である。図3は、表皮部材1と表皮部材2を一体のものとした場合を示しており、均熱板5とマット基材3を表皮部材1及び表皮部材2で包み込んだ状態となっている。水を通しにくい材料で形成した表皮部材1及び表皮部材2で包み込むことで、均熱板5とマット基材3側への水の浸透が無くなり、マットとしてより良い性能を確保することが出来る。尚、包み込んだ表皮部材の端部突合せ部分は、溶着により密封してあるので、突合せ部分から水が浸入することは無い。更に、表皮部材1と表皮部材2を別部材のままで、均熱板5とマット基材3側への水の浸透を防止する方法として、図1に於ける上下左右端面を水を通しにくいゴム或いはプラスチックの紐状シートで蓋をして溶着する方法もあるので、念のため付言して置く。
【0019】
図4は、図2に於けるD矢視図であって、表皮部材2側の凸状部19を平面的に見たときの詳細を示すもので、円柱状を呈し、本実施態様に於いては、表皮部材1側の凸状部18も同様の形状としている。然し、種々改変可能であることは、既に述べた通りである。
【0020】
続いて図5は、伝熱管4の給湯側端部の埋設状態を示し、伝熱管4は、マット基材3の溝部20端部近傍に形成した凹部26に接着剤等で固定したカプラー固定具6に、その端部が嵌着されていて、先端の給湯口には、カプラー7が取り付け固定されている。カプラー固定具6は、比較的硬いプラスチック等で形成されているので、伝熱管5そしてカプラー7は、安定した状態で固定されることになる。伝熱管4の排水側端部の埋設状態も同様であるので説明は省略する。
【0021】
それでは次に、図6を参照して給湯ホース13と排水ホース14について説明する。柔軟性のあるゴム或いはプラスチック製の給湯ホース13は、一方端部にカプラー9を、他方端部に湯蛇口接続金具11を有していて、カプラー9は、温水暖房マットの給湯側カプラー7と接続され、湯蛇口接続金具11は、後述する蛇口部材17に接続される。給湯ホース13と同様に柔軟性のあるゴム或いはプラスチックで作られた排水ホース14の一方端部には、カプラー10が取り付けられ、他方端部には、排水金具12が取り付けられている。前記カプラー10が温水暖房マットの排水側カプラー8と接続されることで、給湯ホース13と伝熱管4そして排水ホース14が連接されることになる。
【0022】
図7は、本発明による温水暖房マットを浴室に利用した状態を示す斜視図であり、本図を用いて、使用方法を説明する。浴槽15は、通常浴室内の一方コーナー部に配設されていて、壁面適所には蛇口部材17が取り付け固定されている。そして、お湯の沸かし方としては、湯槽内に水を貯めてから、ガスや灯油により釜を加熱するものと、沸かしたお湯を直接蛇口部材17から湯槽内に送り込むものがある。尚、湯槽内に水を貯めてから沸かすタイプのものでも、瞬間湯沸し器等が接続されていて、自由にお湯が使用出来るようになっているのは勿論である。温水暖房マットM1は、洗い場16の適所に敷設され、該温水暖房マットM1の給湯口には、カプラー7とカプラー9を介して給湯ホース13が接続され、該給湯ホースの他端側は、湯蛇口接続金具11を介して蛇口部材17に接続される。一方、排水口は、カプラー8とカプラー10を介して排水ホース14が接続されていて、排水口との接続側とは反対側の排水ホース14端部即ち排水口金12は、湯槽内に入り込んだ状態となっている。
【0023】
この様に配設された温水暖房マットM1の使用方法を説明する。蛇口部材17を開くと、お湯が給湯ホース13内を通り、伝熱管4に入り込み、お湯の熱でもってマット基材3を昇温させ、均熱板5により、表皮部材1(及び表皮部材2)即ち温水暖房マットM1表面を一様に昇温させる。その後お湯は、給湯側の水圧(水道圧)によって、排水ホース14内を通って湯槽15内に流れ込む。これを一定時間継続させることで、温水暖房マットM1は、適切な温度まで昇温する。
【0024】
図8は、本発明による温水暖房マットを浴室以外に使用する一例として取り上げたもので、マッサージベットに利用した状態を示している。マッサージを受ける場合、裸或いは極薄いものだけを身にまとうのが普通である。暖房により室内が暖かくなっているといっても、マッサージ台に横たわる時はヒャっとするものである。マッサージ台21上面に載置された温水暖房マットM2は、浴室に使用する場合と同様に、給湯口には、カプラー24と給湯ホース22の図示しないカプラーを介して給湯ホース22が接続され、該給湯ホース22の他端側は、図示しない温水器或いはマッサージ室近くに準備された温水配管に接続される。一方、排水口は、カプラー25と排水ホース23の図示しないカプラーを介して排水ホース23が接続されていて、排水口との接続側とは反対側の排水ホース23端部は、予め設定された部位に接続されている。この場合、温水暖房マットM2を昇温させ終えたお湯即ち排水ホース23に送り込まれたお湯を温水器等温水発生機器へ戻すようにし、循環させると効果的である。
【0025】
この様に配設された温水暖房マットM2の使用方法を説明する。温水器等温水発生機器を操作し、お湯を給湯ホース22に送り込むと、お湯は温水暖房マットM1と同様に伝熱管を通り、温水暖房マットM2を昇温させてから排水ホース23に流れ込み、温水器等温水発生機器に戻る。これを一定時間継続することで、温水暖房マットM2を適切な温度に昇温させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による温水暖房マットの一実施態様を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のC矢視図である。
【図4】図2のD矢視図である。
【図5】図1のB−B断面図である。
【図6】本発明による温水暖房マットに使用する給湯及び排水ホースの詳細図である。
【図7】本発明による温水暖房マットを浴室に利用した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明による温水暖房マットをマッサージベットに利用した状態を示す斜視図である。
【符合の説明】
【0027】
1、2 表皮部材
3 マット基材
4 伝熱管
5 均熱板
6 カプラー固定版
7、8 カプラー
9,10 カプラー
11 湯蛇口接続金具
12 排水口金
13 給湯ホース
14 排水ホース
15 湯槽
16 洗い場
17 蛇口部材
18,19 凸状部
20 溝部
21 マッサージベット
22 給湯ホース
23 排水ホース
24、25 カプラー
26 凹部
M1、M2 温水暖房マット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡ウレタン等独立気泡のプラスチックでシート状に形成したマット基材を間に挟んで、ゴム或いはプラスチックでシート状に形成した表皮部材を、前記マット基材の表面側と裏面側に積層させ、表面側の表皮部材とマット基材の間には、シート状の均熱板を介在させ、積層された表皮部材と均熱板そしてマット基材を接着剤等により固着し、前記マット基材表面側には、ナイロン等のプラスチックで形成されたフレキシブルな伝熱管を埋設する溝部を形成すると共に前記表面側と裏面側の表皮部材には、凸状部を形成して表皮部材表面部を凹凸状としたことを特徴とする温水暖房マット。
【請求項2】
マット基材の表面側と裏面側に接着剤等で固着される表皮部材を一体的なものとして、前記マット基材全体を包み込むようし、前記表皮部材の端面突合せ部を溶着したことを特徴とする請求項1記載の温水暖房マット。
【請求項3】
均熱板を、エラストマー材にアルミや銅等の熱伝導性の良い金属の粉末を混練りさせ、柔軟性を持たせたシート状としたことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の温水暖房マット。
【請求項4】
発泡ウレタン等独立気泡のプラスチックでシート状に形成したマット基材を間に挟んで、ゴム或いはプラスチックでシート状に形成した表皮部材を、前記マット基材の表面側と裏面側に積層させ、表面側の表皮部材とマット基材の間には、シート状の均熱板を介在させ、積層された表皮部材と均熱板そしてマット基材を接着剤等により固着し、前記マット基材表面側には、ナイロン等のプラスチックで形成されたフレキシブルな伝熱管を埋設する溝部を形成すると共に前記表面側と裏面側の表皮部材には、凸状部を形成して表皮部材表面部を凹凸状としたマットであって、浴室に於ける蛇口部材から給湯ホースを介して前記伝熱管の給湯口側にお湯を引き入れ、マットを昇温させた後、排水口から排水ホースを介し、給湯側水圧により、浴槽内にお湯を流れ込ませるようにしたことを特徴とする温水暖房マット

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−183981(P2006−183981A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382761(P2004−382761)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(301038438)株式会社ケーエス商会 (7)
【Fターム(参考)】