測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を計算する方法
【課題】 本発明は、物体の速度、方向、スピン及び配向を測定し、斯かるデータから前記物体の打ち出し条件を算出する。
【解決手段】 物体が所定の視野内を移動している間に打ち出し監視装置で測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を計算する方法において、電子シャッターからなるカメラユニットを使用して、物体が所定の視野内にある間に、物体の少なくとも1つのイメージを撮影する段階と、少なくとも1つのイメージから、所定の視野内にある物体の位置及び配向を決定する段階と、物体の位置及び配向から物体の打ち出し条件を算出する段階と、算出した打ち出し条件から物体の軌道を算出する段階と、物体の軌道を表示する段階を備える物体の軌道を計算する方法。
【解決手段】 物体が所定の視野内を移動している間に打ち出し監視装置で測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を計算する方法において、電子シャッターからなるカメラユニットを使用して、物体が所定の視野内にある間に、物体の少なくとも1つのイメージを撮影する段階と、少なくとも1つのイメージから、所定の視野内にある物体の位置及び配向を決定する段階と、物体の位置及び配向から物体の打ち出し条件を算出する段階と、算出した打ち出し条件から物体の軌道を算出する段階と、物体の軌道を表示する段階を備える物体の軌道を計算する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の打ち出し条件(launch condition)を測定する装置に関する。より詳細には、本発明は、ゴルフ用具と共に使用するマルチシャッターカメラ装置に関する。更に、本発明は、測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を算出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールの打ち出し条件を測定する装置は、公知であり、米国特許第4,063,259号、4,375,887号、4,158,853号及び4,136,387号に開示されている。フラッシュを焚いてゴルフクラブヘッドの写真をとるのを可能にする光電装置を使用してゴルフクラブヘッドの位置及びクラブにて打った直後のゴルフボールの位置を検出する技術が開示されている(米国特許第4,063,259号、及び、4,375,887号)。ゴルフボールまたはゴルフクラブヘッドの動きは、ゴルフボールに反射領域を設置し且つ電子光学センサーを使用して決定されてきた(米国特許第4,136,387号)。ゴルファーの身体及びクラブ上の光源を電子光学的に感知することは、米国特許第4,137,566号に開示されている。更に、ゴルファー及び振られるゴルフクラブの監視装置も開示されている(米国特許第4,137,566号)。
【特許文献1】米国特許第4,063,259号
【特許文献2】米国特許第4,063,259号
【特許文献3】米国特許第4,136,387号
【特許文献4】米国特許第4,136,387号
【特許文献5】米国特許第4,137,566号
【特許文献6】米国特許第4,137,566号
【特許文献7】米国特許第4,158,853号
【特許文献8】米国特許第4,375,887号
【0003】
ゴルフボールの打ち出し条件を測定する過去の装置の1つの特に問題となる側面は携帯性にかけることである。この点では、従来の装置は、全体として、ゴルファーの周りの様々な位置にカメラ、センサー及びストロボライトを設置しなければならないことである。更に、過去の装置は、屋外では使用できず、ゴルフをするのに理想的でも且つ現実的でもない状態屋内状態で設置しなければならなかったことである。従来のゴルフボール及び/またはゴルフクラブ監視装置は、携帯できず、また、実際に屋外で使用することが出来なかったことから、斯かる装置を例えばゴルフ練習場等の最も望ましいレッスンまたはクラブ調整現場で使用できなかった。
【0004】
過去のゴルフボール打ち出し監視装置が十分に取り組めなかったもう1つの領域は、ゴルフボールの異なる物性及び/または打ち出し監視装置により試験した後でゴルファーが遭遇する可能性のある異なる周囲条件に基づいた飛行路の相違の予測である。従って、特定の構造、例えば、ツーピース構造等を有したゴルフボールの理想的な周囲条件下における打ち出しまたは打ち出し条件を測定する装置を提供することが望ましい。次いで、異なる物性(例えば、スリーピースゴルフボール)及び異なる周囲条件(例えば、高射角、高湿度または風の悪影響をかなり受ける状態)のゴルフボールのコンピュータによる予測に基づいた修正したゴルフボールの飛行結果をゴルファーに提供することである。
【0005】
その他の装置は、譬え携行が可能であっても、1つのフレームに物体の多数のイメージを取るのにストロボライトを使用する必要があった。ストロボライトは、シャッター手段として使用して1つのフレーム中で物体を幾度となく停止する手段として使用される。また、少なくとも3つの逆反射材料のマーカーを物体上に使用してストロボライトからの光を反射させてカメラで画像を撮影する。この逆反射材料マーカーは、その厚さから、ゴルフボールの運動分析結果に影響を及ぼす可能性がある。更に、斯かるマーカーを物体の正確な位置に配置することが求められる。これには労力がかかるし、困難でもある。
【0006】
従って、改善されたマルチシャッターカメラ装置が所望となる。
【発明の概要】
【0007】
広義には、本発明は、物体の速度、方向、スピン及び配向を測定し、斯かるデータから前記物体の打ち出し条件を算出する方法及び装置から成る。
【0008】
特に、本発明は、ゴルフボールが所定の視野にあるときに取り出したデータからゴルフボールの打ち出し特性を測定する打ち出し監視装置に関する。斯かる装置は、光源及び電子シャッターを有した少なくとも1つのカメラを含むのが好適である。従来の装置とは違い、光源は、少なくとも物体が視野にある時は、光の源を提供する。電子シャッターがストロボライトに取って代わることから、画像撮影にストロボライトは必要ではない。更に、電子シャッター及び非フラッシュ光源を使用することから、逆反射材料マーカーは必要ではない。
【0009】
1実施例では、スライドパッド、車輪、または、双方の組合せを含むことが可能である。支持要素は、高さ調整が自在となって、装置及び、特に、カメラユニットの向き及び装置の視野方向を変動することが可能となる。本発明の追加の態様として、距離校正装置を設けて、カメラユニットまたは複数のカメラユニットと所定の視野との間の距離を校正することが可能となる。
【0010】
更に、本発明は、所定の視野内で移動する物体の測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を算出する方法に関する。特に、斯かる方法は、物体が視野内にある間に少なくとも1つの斯かる物体の画像を撮影し、且つ、それから打ち出し条件を算出することを含む。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の好適な第1の実施例を図示しており、斯かる実施例は、携帯可能な打ち出し監視装置10の形態を取っており、ベースまたは支持構造体12及び該支持構造体に取り付けた支持要素14、16を含む。支持要素14、16は、スライドパッドとして明確に図示されており、各々、V字上の切欠き18、20を含んでおり、該切欠きによりパッド14、16がロッド22に沿って摺動するのが可能にされる。監視装置10の後部に取り付けた別のスライドパッド24(図3に図示)は、同様にロッド26に沿って摺動する。1つ以上のスライドパッド14、16及び24を異なる構成または車輪等の異なる移動方法を備えたその他の支持要素により置き換えることが可能である。「スライドパッド」なる用語は、装置10が所定の視野に対して前後にまたは物体の飛行パターンに平行に摺動または移動するのを可能にする任意の要素を意味する。スライドパッド14、16は、装置10の前側コーナーを上下させて水平にするのを可能にする高さ調整特徴を含む。特に、各スライドパッド14、16は各ねじの切ったロッド28、30及び支持構造体に固定したナット32、34により支持構造体12へ取り付けられる。ロッド28、30は、各々駆動部28a、30aを含み、該駆動部を使用してパッド14、16の調整が可能となる。
【0012】
図1、図2乃至図2A及び図3を参照すると、打ち出し監視装置10は、更に、第1及び第2のカメラユニット36、38、中央に配置したコントロールボックス40、及び光源42を含む。第1及び第2のカメラユニット36、38は、カリフォルニア州サニーベールのプルニックス・アメリカ社により製造されたパルニックスTM−6075ANカメラ(Pulnix America,Inc.in Sunnyvale,California)が好適である。このパルニックスTM−6075カメラは、方形ピクセルのVGA形式の白黒フルフレームシャッターカメラである。このカメラの特徴は、電子シャッターであり、1フレーム内で多数のシャッター露光を行って、高速事象を捉えるのを可能にする。該カメラは、小型、軽量で堅牢なデザインであり、携行自在の装置には理想的なものである。電荷結合素子またはCCDカメラが好適である。2台のカメラの視線角度は、約10°乃至30°が好適であり、約22°がより好適である。カメラ36、38の各々は、また、受光開口及び光感知シリコンパネル39(図4を見ると、シリコンパネルを図示してあり、カメラにより捕捉され且つ装置により使用される画像に概ね対応する)を有する。カメラは、ゴルフボールが移動すると共にイメージされる所定の視野に指向されると共に該視野に焦点を合わせる。好適には、光源42は、DC光源であって、光が点滅しないようにされる。光源は、光、更には、太陽等の任意の光源とすることが可能である。
【0013】
図5の3次元の所定の直線視野(仮想線で図示)で図示される如く、ゴルフボール41には、少なくとも3つの、反射する隔置されたマークまたはドット41a乃至fが取り付けられているのが好適である。ゴルフボール41は、2つの位置IおよびIIに図示されて、好適な実施例を例示しており、この位置は、装置によりイメージされる時のゴルフボール41の位置に対応する。I及びIIの位置では、ゴルフボールは、打ち出し後の状態で図示される。位置Iで取られるイメージは第1の時間に発生し、位置IIで取られるイメージは第2の時間に発生する。丸いドット41aの好適な径は、10分の1インチ乃至8分の1インチであるが、その他のサイズ及び形状の領域を使用することも可能である。電子シャッターを使用することから、パネル39(図4に図示する如く)は、機械的なシャッターを使用したときより著しく短い時間で露光される。従って、ストロボ光源で使用した逆反射材料のマーカーを使用する必要はない。
【0014】
ドット41a乃至fは、好適には、目視のできない蛍光マーカーであり、ゴルフボール上にパッド印刷または塗装される。蛍光マーカーを使用するときには、カメラに干渉フィルターが搭載されるのが好適である。干渉フィルタは、当業者には公知の所望の範囲の光をろ波する。赤外線マーキングは、適切な波長の光源で照射すると反射し、斯かる赤外線マーキングも使用することができる。赤、緑または青等のカラーマーカーをゴルフボールの上に使用することができる。カラーマーカーを使用した場合には、干渉フィルターをカメラに使用して選定した色のコントラストがより強くなる。これらの色のうち、赤は、CCDカメラは、赤と使用するとコントラストが最も大きくなることから最も好適である。逆反射マーカーは、ガラスビーズで製造され、ゴルフボール上に塗装することができる。下記に説明する如く、塗装した逆反射マーカーを使用した時には反射パネル48、50(図2Aに図示する如く)が必要である。
【0015】
各ドットまたは領域が、図5に図示した双方の位置にあるとき、ゴルフボールからの光を反射するとすれば、ドットまたは領域の数は、ゴルフボールでは、最低3個で、最大でも6個以上である。好適には、ゴルフボールには6個のドットがあるのは好適である。図1乃至図3及び図5を参照すると、カメラ36、38及びドット41a乃至fの配置の結果、双方のカメラ36、38は、シャッターが起動されると、光を受光することができる。受光された光は、ドット41a乃至fにより反射され、シリコンパネル39(図4に図示する如く)上に明るい領域39a乃至fとして現れる。或いは、ドットを反射しないようにして、シリコンパネル上に暗領域として現れるようにすること可能である。
【0016】
反射材料は、ゴルフボールの被覆表面と比べると、明るさが900倍であり、ドット41a乃至fに打ち当る光線と斯かるドットからカメラ開口へ向かう光線との開き角度は、ゼロかゼロに近い。この開き角度が大きくなると、前記ドット41a乃至fと背景との明るさの比が低下する。また、可視光線の範囲外の例えば赤外線等の電磁波を光源42中に使用し光源42をゴルファーに見えないようにすることも可能である。
【0017】
図1を参照すると、コントロールボックス40は、非同期プロトコルを介してカメラユニット36、38と連絡してカメラの起動を制御し、マルチシャッター用の電子部品を使用してボールの写真を何度か撮る。好適には、マサチューセッツ州はビレリカ(Billerica,Massachusetts)のMuTech社が製造するMV1000PCIバスフレームグラバー(Bus Frame Grabber)を取り付けるためのPCIスロットを備えた586インテル(Intel)ベースのプロセッサを使用する。このフレームグラバーは、Pulnix TM−6705ANカメラと繋がって、各カメラに対して写真の撮影を指示する。図2に図示する如く、光源42は、好適には、2つのカメラ36、38の間に配置されて、光源が物体の飛行路に対して垂直となるようにする。光源は、ストロボタイプの光源よりは一定している。カメラ36、38は、支持構造体56、58上に固定され、レンズ60、62を所定の視野へ向けて配置される。ビデオ回線64、66は、ビデオ信号をコントロールボックス40内へ送信してその後に使用される。
【0018】
図2Aを参照すると、装置10'の第1の実施例の代替例が図示される。この装置10'は、窓44、46及びビームスプリッタ45(仮想線で図示)を有したボックス47を含むように変形されてある。この装置10'は、印刷した逆反射マーカーをゴルフボール上に使用する場合に使用する。これらのマーカーを使用する時には、ビームスプリッタ45及びリフレクターパネル48、50が必要である。光源42は、好適には、2台のカメラ36、38の間に配置される。光源42は、ストロボタイプの光源より安定している。光源42、ビームスプリッタ45、反射要素48、50及びカメラ36、38は、光源42から指向された光が視野に入射し、反射ドットにより、ボールから反射されてカメラレンズ60、62へ戻るのを可能にする。
【0019】
図2Bを参照すると、打ち出し監視装置10"の第1の実施例の代替例が図示される。装置10"は、単一のカメラユニット236、隣接して中央に配置されたコントロールボックス240及び光源242を含むように修正されてある。カメラは、好適には、上記に説明した如く、Pulnix TM−6075ANカメラである。このカメラは、所定の視野に向けて指向されると共に該視野に焦点を合わせてあり、該視野において物体が移動し且つイメージされる。光源242は、物体が視野内にあるとオンになる。好適には、4つ以上のマーカーが1台のカメラ236を使用した装置10"のゴルフボール上で使用される。ドット241a乃至dは、図5A及び図5Bにおいてゴルフボール41上に図示する如く配置することが可能であり、ゴルフボール41上の反射マーカー241a乃至dが3次元の所定の直線視野(仮想線にて図示)内に図示される。好適には、蛍光マーカーが使用される。2台のカメラを使用した装置と同様に、ゴルフボール上に逆反射塗装マーカーを使用する場合には、光源は、上記の如くビームスプリッタを使用して窓を介して光反射要素またはパネルへ光を指向することができる。
【0020】
図2Bに図示する如く、カメラ236は、支持構造体256上に固定され、レンズ260を所定の視野へ向けて指向するようにして配置される。装置の機能は、2台のカメラを使用した実施例と同じである。コントロールボックス240は、非同期プロトコールを介してカメラ236と連絡する。このように、カメラ236の起動を制御すると共に、マルチシャッター用の電子部品を使用して物体の写真を何度となく撮る。ビデオ回線264によりコントロールボックス240にビデオ信号が入力されて、それ以後に使用される。このように、1台のカメラで物体の打ち出し条件を監視する。本実施例は、2台のカメラを有した第1の実施例に関しては、下記に説明する如く、更に修正または拡張することができる。
【0021】
図2を参照すると、好適には、入れ子式距離校正装置または部材68、70を支持構造体12に固着する。この距離校正装置は、監視する物体から適切な距離にある打ち出し監視装置10を校正するのに使用される。距離校正装置68、70は、伸長自在の部材であり、例えば、従来のラジオアンテナを使用することができる。校正装置68、70は、校正固定具170(図11に図示)と関連して使用され、第2の実施例を参照して下記に詳細に説明する。同一の校正固定具は、好適には、第1及び第2の実施例の双方と共に使用することが出来る。少なくとも、1台の距離校正装置を使用することを薦める。
【0022】
第1の実施例では、マイク72を使用して装置10の操作を開始する。好適には、第2のトリガ回路がカメラ36及び38を非同期的にトリガして、カメラのマルチシャッター用の電子部品を使用してボールの写真を幾度か撮る。ゴルフクラブでゴルフボールを打った時には、マイク72により装置10に伝達されつつある音に応答して位置Iにて図5に図示の如く、所定の視野内にあるゴルフボール41の最初のイメージが撮られる。図5の位置Iのゴルフボールで例示する如く、一旦クラブでゴルフボールを打つと、2つのイメージの中第1のイメージのみを撮影する必要がある。好適には、装置10は、ゴルフクラブを監視するのにも使用することができるが、ゴルフボールのみを監視する。
【0023】
レーザーまたはその他の装置を使用して装置を始動することができる。例えば、イニシエーターまたは起動装置は光線及びセンサーを含むことが出来る。移動するゴルフボールが、光線を通過すると、センサーが信号を装置へ送信する。レーザーを使用する場合には、ゴルフクラブがゴルフボールに接触した直後(または、接触時)にゴルフクラブがレーザービームを中断するようにする。即ち、レーザーをティーに載せたゴルフボールの直ぐ前に整列させ、ゴルフボールがティーから離れる時または直後に最初のイメージを撮影する。第1の実施例の動作は、第2の実施例の説明の後に詳細に説明する。
【0024】
図6乃至図10は、第2の実施例の装置100を例示し、第2の実施例では、装置が第1の実施例のものより小型化される。打ち出し監視装置100は、ベースまたは支持構造体112を含み、該支持構造体112がカバー113(仮想線で図示する)を有することが可能である。スライド部材またはパッド114、116は支持構造体112の下部前部位置で使用され、該パッド114、116が沿って摺動されるロッド190を収容する切欠き118、120を含む。
【0025】
図7乃至図8を参照すると、車輪122、124が図1乃至図3に図示した第1の実施例について開示されたパッド24にとって替わる。車輪122、124は支持構造体112に装着されて回動すると共に、オペレータがグランドに沿って打ち出し監視装置100を前後左右に移動するのを可能にするハンドル126を含む。
【0026】
第1の実施例と同様に、第2の実施例の装置100も、また、ねじの切られたロッド128、130及びそれぞれのナット132、134を含んで、打ち出し監視装置100の前部で高さ調整が可能なようにされる。車輪もまた支持構造体112に対して高さ調整をすることができ、装置100を装置が配置される地形に応じて調整できるようにされる。第2の実施例では図示していないが、装置100は、また、コンピュータ及び該コンピュータに電子的に接続されたモニター43(図1に図示する如く)を有する。コンピュータ及びモニターは、単一の要素に組み合わせても、または、別体の要素にすることも可能である。コンピュータは、幾つかのアルゴリズム及びプログラムを有し、装置100が、斯かるアルゴリズム及びプログラムを使用して下記に説明する決定を行う。
【0027】
更に図6及び図7に図示する如く、第1及び第2のカメラユニット136、138を支持構造体112へ取り付ける。カメラは、また、第1の実施例と同様な光感知シリコンパネルを有する。カメラ136、138は、各々視線を有し、それらを図9において実線で図示してあり、所定の視野に向けて指向されると共に、焦点が該視野に合わされる。図9に破線で図示する如く、カメラの視野は、単に単一のゴルフボール182のみをイメージするのに必要なものより大きくされる。従って、所定の視野は、カメラの視線が交差する部位でのカメラの視野である。
【0028】
図10に図示する如く、コントロールボックス140が設けられると共に、光源142をその前部に含む。光源142は、物体が視野にあると起動され、ゴルフボール上に使用されるマーカーのタイプにより赤外線を使用するか、または、異なる波長にすることが可能である。図示する如く、光源142は、好適には、2台のカメラ136、138の間に配置される。
【0029】
図6Aを参照すると、塗装した逆反射マーカーを使用する場合には、反射要素またはパネル146、148を第1の実施例に関して上記に説明した向きと同じ向きで支持構造体112に取り付ける。図6A及び図7Aを参照すると、反射パネル146、148がそれぞれの開口150、152を画定する。カメラ136、138は、レンズ137、139が反射パネル146、148内のそれぞれの開口150、152を通して所定の視野に向けて指向される。図6Aを参照すると、第3の光反射パネル164は、光源からの光の2分の1をパネル146へ反射する。第4の光反射パネル166は、前記光の他の2分の1を光反射パネル148内へ反射させる。反射要素またはパネル146、148、164及び166へ指向される光の量を増大するために、別の共通して譲渡された出願(1998年9月18日に出願された出願番号第09/156,611号)に開示される如く、装置100は、光学またはフレスネル(Fresnel)レンズ168を使用することが出来る。
【0030】
図7乃至図7Aに図示される如く、ビデオ回線154、156が光学ユニット136、138からコントロールボックス140へ伸びる。第1の実施例と同様に、装置100は、同様にアンテナ158、160の形態にされた距離校正装置及びマイク162を含み、該マイクは装置の作動を開始するのに使用される。ここでも、装置を起動するレーザーまたはその他の方法が使用することができる。装置100の校正モード及び作動モードの双方に使用されるそれぞれのセットアップを、それぞれ、図7乃至図8及び図9に図示する。距離校正装置は、カメラユニットの視線の交差点または視野までのびる。
【0031】
図11に図示する如く且つ図7乃至図8の装置と共に使用されると、校正固定具170が設けられて装置100の校正をする。本説明では装置100について説明するが、第1の実施例の装置10、10'及び10"にも等しく適用される。固定具170は、距離校正装置158、160(図6に図示する如く)の端部を収容する外側脚176、178から外側へ伸長した収容要素またはタブ172、174を含む。距離校正装置158、160に従ってこの部位に配置されると、固定具170の中央脚180は、図9に図示する如く、打ち出し監視操作に使用されるゴルフボール182の適切な位置に配置される。ゴルフボール182は、第1の実施例のゴルフボール41(図5に図示する如く)の反射ドット41a乃至fパターンを有する。
【0032】
校正固定具170は、更に、該固定具の頂面に光学レベルインディケータ184を含んで、該固定具が、校正手順の前に水平にされるのを可能にする。最後に、固定具170の底部から伸びたスパイク186、188(図8に図示する如く)が芝生に差し込まれて校正手順中の固定具170を安定させる。
【0033】
固定具170は、図11に図示した如き反射ドット170a乃至oのパターンを有する。15ドットが良い。2つのイメージ(図4を参照)間の時間におけるゴルフボールの水平移動は、垂直移動より大きくなることから、装置の校正は、垂直方向のカバー距離は短くなる。従って、校正固定具上の垂直方向でのドット数は、装置を校正するのに必要な十分な数に少なくされる。ドットは約2.54cm(約1インチ)間隔で、約3.81cm(1.5インチ)の間隔にされた3つの別のX平面上に配置されるのが良い。
【0034】
図12及び図13に図示する如く、ロッド190(装置10のロッド22と同じ物とすることが可能である)は、搬送する時には容易に分解され、開示した打ち出し監視装置の何れかが操作される前に現場で容易に再組み付けが可能となる。特に、ロッド190は、複数のセクション190a乃至dを備えることが可能である。好適には、ロッド190の斯かるセクションの各々は、該ロッド190の両端に取り付けられた単一の弾性紐192を含んだ中空の管を備える。斯かる紐192は、ロッド190の全長より伸びた長さを有しており、前記セクション190a乃至dを一体に保持するようにされる。セクション190a、190b、及び190cは、それぞれ縮径部194、196、198を有し、該縮径部は、セクション190b、190c、190dのそれぞれの端部内に嵌合する。ピン200、202がロッド190の両端に設けられて、ロッド190が芝生内で確実に保持されるようにされる。
【0035】
双方の装置10及び100の使用を全体として図14に図示する。
【0036】
ステップS101で、装置が始動して、該装置の使用が最初のものであるか否かが決定される。誤って、装置は、該装置が最初に起動された時は、最終の校正を使用する。従って、装置は、移動及び/またはスイッチを入れる度に校正をするのが好適である。
【0037】
ステップS102で、装置の校正を行い、装置の使用する座標系が画定される。校正を下記により詳細に説明する。
【0038】
装置が校正された後で、装置の作動パラメータがステップS103で画定される。これは、試験するゴルファーにより異なるが、左利きまたは右利き用の向きに関する装置の設定を含む。左利き用の向きを選択するには、左利きゴルファー用の座標組が必要となり、右利き用装置には右利きゴルファー用の別の座標組を必要とする。同時に、装置は、また、テストモードまたはデモモードの何れかに設定される。テストモードを選択すると、装置はテストデータをセーブする。デモモードでは、装置は、データをセーブしない。
【0039】
ステップS103で、テスト位置及びゴルファーに特定の追加のデータが入力される。特に、オペレータは、温度、湿度、風速及び方向、高さ及び芝生の種類等のゴルフボールの飛行、ロール及び総距離の計算に使用する大気、環境または周囲条件のデータを入力する。オペレータは、また、ゴルファーの個人データを入力する。この個人データは、名前、年齢、ハンディ、性、ゴルフボールのタイプ(下記に説明する軌道計算に使用される)及び使用されるゴルフクラブ(タイプ、クラブヘッド、シャフト、特性)を含む。異なるタイプのゴルフボールは、リフト及びドラッグ情報を備えた異なる所定のデータファイルを有する。ボールタイプを指定すると、リフト及びドラッグ情報のどちらのデータファイルを計算に使用するのかを示す情報が提供される。従って、ボールの選択は、計算に使用するリフトCLの係数及びドラッグCd係数データを変更する。
【0040】
このデータが入力されると、装置は、使用の準備が成り、ステップS104へ進む。ステップS104では、装置は、マイクからの音のトリガを待つ。十分なレベル及びタイプの音が出ると、装置は、カメラ136,138(図6乃至図6Aに図示する如く)の電子シャッターを使用して、好適には、2000マイクロ秒未満で所定の視野にあるゴルフボールの2つのイメージ(図4に図示する如く)を撮る。イメージはシリコンパネル39により記録されて、装置が、斯かる記録されたイメージを使用してゴルフボールの打ち出し条件を決定する。
【0041】
ステップS105乃至S107では、装置は、コンピュータに格納した幾つかのアルゴリズムを使用してモニターに対するゴルフボールの位置を決定する。イメージからコンピュータがゴルフボールの位置を決定すると、装置(及びコンピュータアルゴリズム)は、打ち出し条件を決定する。これらの決定は、ステップS105、S106及びS107に対応し、イメージ中の明るい領域の位置決め、斯かる明るい領域中のどれがゴルフボールのドットに対応するかの決定、及び、斯かる情報を使用してのイメージからのゴルフボールの位置の決定を含み、且つ、それぞれの打ち出し条件を算出する。特に、装置は、ステップS105で、イメージ中の明るい領域の位置決めを行うことで、カメラで記録したイメージの分析を行う。ゴルフボールは、好適には、6つのドットを有するから、装置は、各カメラからのイメージ中のドットを表す12の明るい領域を探す(6つのドットを備えたゴルフボールの2つのイメージ)。装置は、次いで、これらの明るい領域のどれがゴルフボールのそれぞれのドットに対応するのかをステップS106で決定する。下記に詳細に述べる如く、このことは幾つかの方法で行うことができる。
【0042】
イメージ中に12のドットのみを見つけた場合には、装置はステップS107へ進んで、イメージ中のドットから、第1及び第2のイメージ中でのゴルフボールの位置及び向きを決定する。しかしながら、イメージ中に見つかったドットまたは明るい領域が12前後であれば、次に、ステップS108で、オペレータは、装置を手動にて使用してイメージの編集をすることができる。位置決めされた明るい領域の数が少なすぎる場合には、オペレータは、イメージの輝度を調整し、多すぎる場合には、オペレータは、多すぎる分の明るい領域を消去する。ある例では、イメージ中の明るい領域は、ゴルフボールの他の部分からのまたはゴルフクラブヘッドからの反射であることもある。輝度の調整を十分に出来ない場合や、誤った明るい領域の削除が十分に出来ない場合には、装置は、オペレータにステップS104へ戻るように指示をし、別のゴルフボールを打たせるようにする。しかしながら、手動による領域の編集が成功すれば、装置は、ステップS107へ復帰する。
【0043】
ステップS107で、装置は、ステップS106でのドットの識別を使用して、2つのイメージの各々の12のドットの各々の中心に位置を決定する。ドットの各々の中心の位置が分かると、装置は、ゴルフボールのスピン軸線の向き、速度及び方向情報または打ち出し角度及び方位角(即ち、ゴルファーの打ち出し条件)の少なくとも1つを算出することができる。方位角は、ボールが示した飛行路からの横方向へのずれである。
【0044】
ステップS109で、装置は、スピン軸線の向き、速度及び方向情報及びステップS103で入力した環境条件及びゴルフボール情報を使用して、ショット中のゴルフボールの軌道を算出する。装置は、ゴルフボールの着地またはキャリーを推定し、および、どれくらい遠くまで転がって、斯かるショットでの総距離を算出する。装置は、3次元に校正されることから、装置は、また、方位角またはゴルフボールが、スライスされたか、または、フックされたか、及び、ボールがどれくらいまでオフラインするかを算出することが可能になる。
【0045】
この情報(即ち、ゴルファーの打ち出し条件)は、次いで、ステップS110でゴルファーに数値及び/または図方式により提示される。ステップS111で装置は、異なるゴルフボール(例えば、ゴルフボールのスピン速度が高いより寧ろ低い)が使用されたとして同一の情報を計算することができる。打ち出し条件(ゴルフボール速度、回転スピン軸線、打ち上げ角度または方位角)のいずれかを変更することで結果が受ける影響を決定することができる。
【0046】
ゴルファーは、また、ステップS112でオプションを与えられ、装置をステップS104へ戻してより多くの撮影をする。ステップS103でプレーヤーがテストモードを選択して、幾つかの異なる写真が撮れると、ステップS113で装置は、試験中に蓄積された全てのデータの平均を算出して提示する。ステップS114で、装置はゴルファーに、該ゴルファー特有の能力に合った理想的な打ち出し条件を提示し、これにより、プレーヤーは、変更を行って、距離を最大限にする。装置は、ゴルファーが、新たなゴルフクラブを使用して、新たなテストを例えば、ステップS115で開始し、斯かるセッションをステップS116で終了するのを可能にする。
【0047】
校正ステップS102に戻って詳細に説明すると共に、図15を参照すると、装置の校正は、ステップS120で装置の設定及び水平を出すことで開始する。装置は、好適には、練習用ティーまたは水平で広いフィールド等の水平の地面に設定される。また、試験はネットへ向けて打つことにより屋内でも行えるのが明らかなことである。図6乃至図8を参照すると、装置100を水平にするために、オペレータは、ねじの切られたロッド128、130及びナット132、134を使用する。図7乃至図8に戻ると、装置100は、事象が最もよく見えるよう且つ視野が所定と成るように位置決めされる。
【0048】
図15及び図7を参照すると、ステップS121で、校正固定具170は、適切な位置に配置され、斯かる適切な位置とは、距離校正装置158、160の端部である。校正固定具170は、装置に対して水平且つ平行にされて、これにより、光源142(図10に図示の如く)からの光が最もよく反射するようにされる。校正固定具を距離校正装置158、160の端部に配置すれば、試験中、校正固定具170及びゴルフボールがどのカメラからも全景が見える。双方のカメラで校正固定具の写真を撮り、ステップS122でバッファ内へイメージを送信する。
【0049】
ステップS123で、校正アルゴリズムを含めて、装置は、校正固定具の反射ドットに対応する各イメージのスポットの中心に位置を決定する。1実施例では、装置は、光の強度が所定の閾値より大きいバッファの画素の位置を識別して斯かるスポットの中心の位置決めをする。イメージは、2次元であるから、画素の位置は2つの要素(x、y)を有する。装置は、イメージの明るい領域を探し出し、明るい領域の各々の際を見つける。次いで、装置は、明るい領域の各々の中心を大まかに推定する。明るい領域の各々の明るい画素は、平均化され、15の領域全部について正確なドットの位置及びサイズが算出される。最小より小さな領域を備えたものは無視する。
【0050】
一旦校正固定具上のドットの各々のカメラに対する位置が決定されると、装置は、校正固定具上のドットの真の間隔を知ることとなる。図11に図示する如く、校正固定具170は、3行、5列に配列されたドット170a乃至oを有する。各ドット170a乃至oの中心のX、Y、及びZの座標は、3次元パターンに配列されており、デジタル化用の表上で少なくとも千分の1インチの精度で事前に測定されて、コンピュータに格納されてある。装置は、校正固定具上のドットの互いに対する3次元位置を事前に格納したデータを呼び出す。呼び出したデータは、右利き用(ゴルファーに向かってX軸線ポイント)の装置が使用されるのか、左利き用(ゴルファーから離間するX軸線ポイント)の装置が使用されるのかを決定する。双方の組のデータを格納すると共に、ステップS124でオペレータにより選択ができる。15のドットを備えた校正固定具の右利き校正用のこれらの3次元X、Y、Z位置の代表的な組を下記に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
15のドットを備えた校正固定具の左利き校正用のこれらの3次元X、Y、Z位置の代表的な組を下記に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
ステップS125で、装置は、校正固定具のイメージを使用して、校正固定具上の公知の15のX、Y、及びZ位置に対するイメージ間隔座標U及びVに関する11の定数を決定する。U1j、V1jイメージ点を備えた、校正されたX(I)、Y(I)、及びZ(I)の隔置された点に関する式を下記に示す:
【0055】
【数1】
【0056】
【数2】
【0057】
但し、iは、1、15であり、jは、1、2である。
カメラ136(図6乃至図7に図示する如く)の11の定数、Di1(I=1、11)及びカメラ138(図6乃至図7に図示する如く)の11の定数、Di2(I=1、11)は、15の位置におけるX(I)、Y(I)、Z(I)及び2つのカメラの校正写真で測定した15のU1j、V1jの座標を知ることで解かれる。
【0058】
別の実施例では、イメージ分析中に、装置が、標準ランレングス符号化(RLE)技術を使用して明るい領域を位置決めする。RLE技術は、従来の技術であって、当業者には公知である。イメージ分析は、校正中または実際のショット中に行うことができる。一旦明るい領域がRLE技術を使用して位置決めされると、次いで、装置は、イメージ中の全ての明るい領域の縦横比を算出して、斯かる明るい領域のどれが反射マーカーなのかを決定する。どの明るい領域がドットなのかを決定する技術は図16を参照して詳細に述べる。
【0059】
上記に述べた如く、図14を参照すると、一旦装置がステップS102で校正されると、オペレータは、ステップS103でデータの入力ができる。
【0060】
次いで、ゴルフボールが、校正固定具が固定されてあったティーの上に設定され、ゴルファーがスウィングを行う。ゴルフボールを打つクラブからの音響トリガがマイクを介して装置に送信されると、装置がトリガされる。電子シャッターが起動されて、双方のカメラにより第1のイメージが記録される。好適には1000ミリ秒未満の介在所定時間遅延が、電子シャッターが再度起動される前にある。斯かる時間の遅延が長すぎると、視野が十分に大きくならずに、カメラの視野内にあるゴルフボールを捕捉して双方のイメージを結像するのが出来なくなる。装置10及び100に使用されるカメラは双方のイメージ(第1及び第2の電子シャッター起動の間に起きる)を1つのイメージフレーム内に記録することができなくなる。イメージは、電子シャッターが起動されて記録されるものであるから、シャッター起動は、必要に応じて共に近づけることができるようになる。
【0061】
カメラの各感光パネル上の印刷ドットからの光の反射のイメージが上記の順番で生成される。各イメージ々のドットの位置は、好適には、校正固定具に関して述べたRLE技術で決定される。
【0062】
光る領域のどれがドットなのかを決定する縦横比を決定するのに使用する技術を図16と関連して説明する。ステップS130に示す如く、イメージは、選択した適切な輝度閾値レベルを有する。イメージの正しい閾値レベルを所定のレベルに設定することで、イメージの全ての画素が黒または白のどちらかで示される。ステップS131で、イメージは、各イメージにおける明るい領域に対応する別個のセグメントへセグメントされる。ステップS132で、装置は、最初にセグメントの各々における下記の総和を下記の式を用いて計算することで各領域の中心を決定する。
【0063】
【表3】
【0064】
これの合計は明るい領域の合計であるが、これらの合計が一旦イメージのセグメントの各々に対して累積されると、x軸及びy軸の周りのモーメントが下記の式を使用して計算される。
【0065】
【数3】
【0066】
【数4】
【0067】
【数5】
【0068】
但し、AREAは、各明るい領域の画素数である。
ステップS133で、装置は、所定の範囲外の領域を有するイメージの明るい領域を削除する。従って、大きすぎる、または、小さすぎる領域は、排除される。好適な実施例では、ゴルフボール上のドットは、約0.635cm乃至0.3175cm(1/4インチ乃至1/8インチ)であり、カメラは753×244個の画素を有して、ドットがイメージ中に約105個の画素から成る領域を持つようにされる。しかしながら、クラブヘッド及びその他の物体からのグレアを含んだ正反射によるグレアにより各イメージにおいて追加の明るい領域が現れることがる。従って、領域の画素が105個より大幅に少ないまたは多い場合には、それらはゴルフボールのマーカーであるはずはないとして装置は、斯かる領域を無視することができる。
【0069】
多くも少なくもない領域(即ち、画素が約105である)に関しては、装置は、下記の方法で、どれが正しい12個なのかを決定する。装置は、ドットが丸いと言う事実及び電子シャッターが起動される時間中のゴルフボールの動きによりドットはイメージ中で楕円形を残すと考える。従って、ステップS134で、装置は、次いで、下記の式を使用して主慣性モーメントを算出する。
【0070】
【数6】
【0071】
【数7】
【0072】
次に、装置は、ゴルフボール座標系中のドットの位置(図16のステップS135で決定される)を次の行列式を使用して校正されたカメラ136、138の基準大域系(reference global system)へ変換する。
【0073】
【数8】
【0074】
但し、Xg、Yg、Zgは、ゴルフボール中心の大域座標(global coordinates)である。列ベクトルTx、Ty、Tzは大域座標系におけるゴルフボール中心の位置である。行列要素Mij(i=1,3;j=1,3)は、大域系に対するゴルフボール座標系の向きを画定する方向余弦である。3つの角度a1、a2、a3は、周期関数で行列Mijの要素を説明する。各レフレクターの大域位置の行列式を上記に示した1組の4つの一次方程式に代えると、6つの不明の変数(Tx、Ty、Tz、a1、a2、a3)については1組24の方程式ができる。同様な組の24の方程式をゴルフボールの第2のイメージについて解く。典型的には、回転行列Mを説明する3つの変数Tx、Ty、Tz及び3つの角度a1、a2、a3の解は、同時に満たされる24の方程式の4つの交互作用において可解となる。
【0075】
大域座標系の運動変数、並進速度の3つの成分及び角速度の3つの成分は、ゴルフボールが2つのイメージ位置間で行う質量中心の相対的並進及び相対回転角度から算出される。
【0076】
大域座標系の3本の軸線に沿った質量Vx、Vy、Vzの中心の速度成分は、次の式により与えられる。即ち、
【0077】
【数9】
【0078】
(それぞれ式14、15及び16)、但し、tは、Tx、Ty、Tzの第1の電子シャッター測定の時間であり、ΔTは、イメージ間の時間である。
【0079】
大域軸線系(global axis system)のスピン速度成分は、逆配向行列の積、MT(t)及びM(t+ΔT)を求めることから得られる。結果として生じる相対配向行列A、A(t、t+ΔT)=M(t+Δt)MT(t)は、2つの電子シャッターゴルフボールイメージの角度差を測定する。
【0080】
時間増分ΔT間のスピン軸線を中心とした回転角度の大きさΘは、下記により与えられる。即ち、
【0081】
【数10】
【0082】
【数11】
【0083】
スピン速度の3つの直交成分Wx、Wy、Wzは下記の式により与えられる。即ち、
【0084】
【表4】
【0085】
最後に、ステップS136で、縦横比を下記の式を使用して算出する。即ち、
【0086】
【数12】
【0087】
そして、ドットは、縦横比が4または5より大きい場合には、ステップS137で拒絶される。
【0088】
図14に戻ると、ドットの位置が一旦決定されると、装置は、ゴルフボールの中心の並進速度及びゴルフボールの角速度(スピン速度)をステップS107で次の方法で算出する。最初に、装置は、カメラのデータから三角形分割を使用してゴルフボール表面上の6つのドットの位置を位置決めする。特に、装置は、下記に示した1組4つの一次方程式を解いて、ゴルフボール表面上の各ドットのゴルフボール座標系における位置(x、y、z)を決定する。
【0089】
【表5】
【0090】
但し、Dijは、ステップS102(図14)及びS125(図15)で校正方法により決定される11の定数であり、iは定数を識別すると共に、jはイメージを識別する。
【0091】
図14のステップS109で、装置は、コンピュータアルゴリズムを含めて、ステップS107で算出した初速度及び初スピン速度を使用して試験の軌道を算出する。各時間増分については、装置は時間Tでのゴルフボール上の力を補間すると共に、時間T+1での速度をゴルフボールの速度及び時間Tでのゴルフボール上の力から算出する。次に、装置は、平均速度及びレイノルズ数(Reynol's number)を算出する。斯かるレイノルズ数は時間Tから時間T+1への時間間隔中の流れの慣性力と流の粘着力との比である。装置は、平均力を補間し、該平均力から時間T+1での速度を算出する。斯かる力は、抗力、ゴルフボールのスピンによる揚力、及び重力を含む。時間T+1での速度を使用して装置は時間T+1での位置を算出する。最後に、装置は、時間T+1でのスピン速度を算出する。好適な実施例では、時間間隔の長さは、0.1秒である。この計算は、ボルフボールが着地するまで行われる。
【0092】
装置は、下記の式を使用してこれらの計算を行う。ゴルフボールの抗力を求めるには、力は下記の如く算出される。即ち、
【0093】
【数13】
【0094】
但し、 Cdは、事前に算出された抗力係数であり、ゴルフボールのタイプを選択した時に呼び出されるデータファイル中に格納される、 ρは、試験の開始時にステップS103で入力した空気密度、 |VBf|は、ゴルフボールの速度の大きさ、及び Aは、ゴルフボールの選定時に決定される、ゴルフボールの断面積である。
【0095】
ゴルフボールのスピンにより生じる揚力は、速度方向及びスピン方向に対して直交し、且つ、下記により与えられる。即ち、
【0096】
【数14】
【0097】
但し、nL、Nω及びnVBは、それぞれ、揚力の方向余弦、ゴルフボールの角回転及びゴルフボールの速度である。
【0098】
揚力の大きさは、下記により与えられる。即ち、
【0099】
【数15】
【0100】
但し、CLは、揚力係数であり、その他の項は、上記で画定される。
【0101】
従って、ゴルフボール上で加えられた空力(aerodynamic force)は下記となる。即ち、
【0102】
【数16】
【0103】
次いで、ゴルフボールの速度及びスピンがX、Y、及びZ方向に変換されて、下記により一般化された速度及び回転速度が与えられる。即ち、
【0104】
【数17】
【0105】
【数18】
【0106】
但し、u9、u10及びu11は、X、Y及びZ方向の速度であり、u12、u13及びu14は、X、Y及びZ方向のスピン速度である。
【0107】
式26乃至式30を使用して、装置は、次の二階微分方程式を求める。即ち、
【0108】
【数19】
【0109】
但し、nlx、nly、nlzは、それぞれ、X、Y及びZ方向の方向余弦であり、 nvbx、nvby、及びnvbzは、それぞれ、X、Y及びZ方向の速度ベクトルであり、 mBは、ボールの質量であり、且つ mB*gは、ゴルフボール上でZ方向にかかる重力である。
【0110】
式32乃至式34の二階微分方程式は、各時間ステップ毎、好適には、0.1秒毎に、データファイルまたはその他の源からの抗力及び揚力係数(Cd及びCL)を使用して、それらの時間ステップ各々の速度(VBf)及び角速度(ωBf)に基づいて解かれる。
【0111】
軌道方法は、以後の時間間隔についてゴルフボール位置の算出された高さ成分が、通常は、ゼロまたは地面の高さである所定の高さ未満になるまでこの手順を繰り返す。図17を参照すると、ゴルフボールが地面に到達すると、前記方法で補間をして最終速度、軌道時間、インパクト角度及びスピン速度を含めた地面インパクト条件を算出する。試験的データに基づいたロールモデル及びオペレータが入力したゴルフボールデータを使用して、装置が算出したばかりの地面インパクト条件を使用してゴルフボールの最終載置位置を算出する。従って、装置は、ゴルフボールのティーから最終載置位置までの総距離を算出する。データファイルに軌道方法により算出されて結果を格納する。
【0112】
ステップS112(図14に図示)で、次いで、装置が追加の試験を実施する必要があるか否かを決定する。追加の試験をする必要がある場合には、上記に説明した工程、即ち、音響トリガで開始されるステップS104で始まり、軌道方法でゴルフボールの軌道を算出すると共に表示するステップS110までの工程を繰り返し行う。
【0113】
全ての試験が完了すると、分析方法で試験に使用した各ゴルフボールタイプの統計を算出すると共に、算出結果をオペレータへ提示する。各ゴルフボールのタイプ毎に実施された1群の試験では、コンピュータにより平均値及び平均からの標準偏倚を算出して速度、打ち出し角度、側面角度、バックスピン、サイドスピン及びキャリー及びロール等の幾つかの打ち出し特性を求める。総スピン速度は、3つの直交成分を回転軸線上に有する。バックスピン及びサイドスピンは、前に述べたスピン速度の成分中の2つの成分、Wx及びWyである。
【0114】
異なる係数が、ゴルフボールの圧縮及びレジリエンスの変動、ゴルフボール上のドットの位置決めの変動、感光パネルの画素解像度及び校正固定具上の事前測定ドットの精度を含んだ測定の標準偏倚に寄与する。ばらつきの主たる源は典型的なゴルファーのスウィング変動にある。
【0115】
オペレータからのリクエストがあると同時に、装置は、試験結果を様々な形態で表示する。例えば、装置は、オペレータが選択したゴルフボールのタイプに関する個々の結果を表示する。
【0116】
同様に、ステップS113で、装置は、また、オペレータが選択したゴルフボールのタイプの軌道を表上に表すことができる。この表状提示は、距離、高さ、速度、スピン及び打ち出し角度を含んだ軌道情報を提示する。同様に、分析方法は、オペレータが選択したゴルフボールのタイプの軌道の図形表示を行う。装置は、各ゴルフボールタイプ毎に算出した平均打ち出し条件から図形軌道を算出する。
【0117】
ステップS113で、装置は、ゴルファーの各ショットの平均を表示する。結果は、表状及び/または図形様式で表示される。斯かる表示結果は、総距離、スピン速度、打ち出し角度、キャリー及びゴルフボール速度を含む。この情報から、ステップS114で、装置は、ゴルフボールの打ち出し角度及びスピン速度が若干変更されていれば、ゴルファーに結果を表示して、ゴルファーが装備及び/またはスウィングを最適化するのが可能となる。図18に図示する如く、ゴルフボールが移動する距離は、ゴルフボール速度が一定であれば、初期のスピン速度及び打ち出し角度により決定される。ゴルファーは、ゴルフボールの速度を上げることが出来ず、ゴルフボールの速度は、クラブヘッド速度で決定される。著しくゴルフボール及びクラブヘッドの速度を上げる1つの方法は、クラブシャフト長を伸ばすことである。しかしながら、シャフト長を長くすると、打ち出し角度、打ち出し角度及びスピン速度その他の変数を代えてしまう場合があり、従って、新たな組の試験を行うべきである。
【0118】
図14のステップ114では、装置は、斯かるゴルファーの打ち出し角度やスピン速度に近い様々な打ち出し角度及びスピン速度で打ち出されたゴルフボールの距離を算出する。オペレータは、また、距離を算出するのにどの打ち出し角度及びスピン速度を使用するかを選択することができる。1例を図18に図示する。本例では、装置は、初速度が約208km/h(130mph)で打ち出し角度が0°乃至15°でスピン初速度が2000rpm乃至4000rpmで移動するゴルフボールの距離を算出した。この特定のデータを表示するために、装置は、上記に説明した軌道計算を約50乃至100回(幾つかの所定値の打ち出し角度及び幾つかの所定値のスピン初速度)実施する。オペレータは、装置が使用する打ち出し角度及びスピン速度の範囲及び装置が計算に使用する各々の値の数を決定することができる。図18の図形データから、ゴルファーは、上記2つの変数の中どちらを変更して距離を伸ばすかを決定することができる。
【0119】
図18を使用して、ゴルファーの打ち出し角度がL2°であり、スピン速度がS2rpmである場合、ゴルファーの得る距離は220乃至225ヤードの範囲となる。スピン速度をS2rpmからS1rpmへ落とした場合には、得られる距離は225乃至230ヤードの範囲へと増大する。同様に、スピン速度がS1で、打ち出し角度をL1°からL2°へ変更すると、距離は伸びる。スピン速度及び打ち出し角度を同時に変更して距離を変えることもできる。この情報を知れば、ゴルファーは適切な調整を行って距離の増大を達成することが出来る。
【0120】
ゴルファーのデータはセーブできるから、装置がテストモードにある時には、ゴルファーのデータをこれもまたセーブされてある他のゴルファーのデータと比較することができる。このように、ゴルファー達がそれぞれのデータ(打ち出し角度、ゴルフボールの初速度、スピン速度等)を比較しあうことが可能となる。この比較は表状または図形様式で行うことが可能である。同様に、装置は、一連のクラブ(例えば、5番アイアンから6番アイアン、6番アイアンから7番アイアンへと)からのデータを比較して、クラブ(各クラブ間での距離の調和に欠ける)にギャップがあるか否かを決定することも可能である。或いは、2人の異なるゴルファーを、同一または異なるクラブを使用して、または、同一または異なるボールを使用して比較することが可能である。
【0121】
本発明を特定の好適な実施例を参照して説明してきたが、本発明の範囲は斯かる実施例に限定されるものではない。例えば、第2の実施例で説明した装置に類似の装置に1台のカメラを使用することが可能である。当業者であれば、これらの好適な実施例に様々な変形例を見出すことが可能であり、斯かる変形例であっても本発明の趣旨に入るものであり、その範囲は以下に記載する特許請求の範囲により画定されるものである。
【0122】
従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨及び範囲に入る全ての斯かる修正例及び実施例を網羅するようにされたものである。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図面を簡単に説明するが、斯かる図面は本発明のマルチシャッターカメラ装置の幾つかの実施例を例示するためのものである。
【図1】本発明のマルチシャッターカメラ装置の第1の実施例の斜視図である。
【図2】斯かる装置の頂面図である。
【図2A】第1の実施例の類例の頂面図である。
【図2B】第1の実施例の別の類例の頂面図である。
【図3】図1及び図2に図示した装置の側面図である。
【図4】各カメラに配置した受光及び感光グリッドの立面図である。
【図5】2つの異なる位置I及びIIにおける様々なゴルフボールを図示した3次元直線フィールドの斜視図である。
【図5A】2つの異なる位置I及びIIにおける様々なゴルフボールを図示した3次元直線フィールドの斜視図である。
【図5B】2つの異なる位置I及びIIにおける様々なゴルフボールを図示した3次元直線フィールドの斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施例の2つの類例の斜視図である。
【図6A】本発明の第2の実施例の2つの類例の斜視図である。
【図7】装置の校正を概ね図示した図6乃至図6Aに図示した装置の頂面図である。
【図7A】装置の校正を概ね図示した図6乃至図6Aに図示した装置の頂面図である。
【図8】図7に図示した校正中の装置の側面図である。
【図9】動作状態に配置されたゴルフボールを図示した図6乃至図8に図示した装置の頂面図である。
【図10】図6乃至図9に図示した装置の一部破断頂面図である。
【図11】15の照明領域を備えた校正固定具の斜視図である。
【図12】装置の移動を可能にするのに利用可能な図7乃至図7Aのロッドであって、組み付けられていないロッドの例である。
【図13】組み付けた状態に図示した図12のロッドの立面図である。
【図14】装置の作動を説明したフローチャートである。
【図15】装置の校正を説明したフローチャートである。
【図16】画像中のマーカーの決定を説明するフローチャートである。
【図17】装置で算出したゴルフボールの軌道を図示したグラフである。
【図18】特定の条件下にあるゴルフボールの総移動距離の輪郭マップの例である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の打ち出し条件(launch condition)を測定する装置に関する。より詳細には、本発明は、ゴルフ用具と共に使用するマルチシャッターカメラ装置に関する。更に、本発明は、測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を算出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールの打ち出し条件を測定する装置は、公知であり、米国特許第4,063,259号、4,375,887号、4,158,853号及び4,136,387号に開示されている。フラッシュを焚いてゴルフクラブヘッドの写真をとるのを可能にする光電装置を使用してゴルフクラブヘッドの位置及びクラブにて打った直後のゴルフボールの位置を検出する技術が開示されている(米国特許第4,063,259号、及び、4,375,887号)。ゴルフボールまたはゴルフクラブヘッドの動きは、ゴルフボールに反射領域を設置し且つ電子光学センサーを使用して決定されてきた(米国特許第4,136,387号)。ゴルファーの身体及びクラブ上の光源を電子光学的に感知することは、米国特許第4,137,566号に開示されている。更に、ゴルファー及び振られるゴルフクラブの監視装置も開示されている(米国特許第4,137,566号)。
【特許文献1】米国特許第4,063,259号
【特許文献2】米国特許第4,063,259号
【特許文献3】米国特許第4,136,387号
【特許文献4】米国特許第4,136,387号
【特許文献5】米国特許第4,137,566号
【特許文献6】米国特許第4,137,566号
【特許文献7】米国特許第4,158,853号
【特許文献8】米国特許第4,375,887号
【0003】
ゴルフボールの打ち出し条件を測定する過去の装置の1つの特に問題となる側面は携帯性にかけることである。この点では、従来の装置は、全体として、ゴルファーの周りの様々な位置にカメラ、センサー及びストロボライトを設置しなければならないことである。更に、過去の装置は、屋外では使用できず、ゴルフをするのに理想的でも且つ現実的でもない状態屋内状態で設置しなければならなかったことである。従来のゴルフボール及び/またはゴルフクラブ監視装置は、携帯できず、また、実際に屋外で使用することが出来なかったことから、斯かる装置を例えばゴルフ練習場等の最も望ましいレッスンまたはクラブ調整現場で使用できなかった。
【0004】
過去のゴルフボール打ち出し監視装置が十分に取り組めなかったもう1つの領域は、ゴルフボールの異なる物性及び/または打ち出し監視装置により試験した後でゴルファーが遭遇する可能性のある異なる周囲条件に基づいた飛行路の相違の予測である。従って、特定の構造、例えば、ツーピース構造等を有したゴルフボールの理想的な周囲条件下における打ち出しまたは打ち出し条件を測定する装置を提供することが望ましい。次いで、異なる物性(例えば、スリーピースゴルフボール)及び異なる周囲条件(例えば、高射角、高湿度または風の悪影響をかなり受ける状態)のゴルフボールのコンピュータによる予測に基づいた修正したゴルフボールの飛行結果をゴルファーに提供することである。
【0005】
その他の装置は、譬え携行が可能であっても、1つのフレームに物体の多数のイメージを取るのにストロボライトを使用する必要があった。ストロボライトは、シャッター手段として使用して1つのフレーム中で物体を幾度となく停止する手段として使用される。また、少なくとも3つの逆反射材料のマーカーを物体上に使用してストロボライトからの光を反射させてカメラで画像を撮影する。この逆反射材料マーカーは、その厚さから、ゴルフボールの運動分析結果に影響を及ぼす可能性がある。更に、斯かるマーカーを物体の正確な位置に配置することが求められる。これには労力がかかるし、困難でもある。
【0006】
従って、改善されたマルチシャッターカメラ装置が所望となる。
【発明の概要】
【0007】
広義には、本発明は、物体の速度、方向、スピン及び配向を測定し、斯かるデータから前記物体の打ち出し条件を算出する方法及び装置から成る。
【0008】
特に、本発明は、ゴルフボールが所定の視野にあるときに取り出したデータからゴルフボールの打ち出し特性を測定する打ち出し監視装置に関する。斯かる装置は、光源及び電子シャッターを有した少なくとも1つのカメラを含むのが好適である。従来の装置とは違い、光源は、少なくとも物体が視野にある時は、光の源を提供する。電子シャッターがストロボライトに取って代わることから、画像撮影にストロボライトは必要ではない。更に、電子シャッター及び非フラッシュ光源を使用することから、逆反射材料マーカーは必要ではない。
【0009】
1実施例では、スライドパッド、車輪、または、双方の組合せを含むことが可能である。支持要素は、高さ調整が自在となって、装置及び、特に、カメラユニットの向き及び装置の視野方向を変動することが可能となる。本発明の追加の態様として、距離校正装置を設けて、カメラユニットまたは複数のカメラユニットと所定の視野との間の距離を校正することが可能となる。
【0010】
更に、本発明は、所定の視野内で移動する物体の測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を算出する方法に関する。特に、斯かる方法は、物体が視野内にある間に少なくとも1つの斯かる物体の画像を撮影し、且つ、それから打ち出し条件を算出することを含む。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の好適な第1の実施例を図示しており、斯かる実施例は、携帯可能な打ち出し監視装置10の形態を取っており、ベースまたは支持構造体12及び該支持構造体に取り付けた支持要素14、16を含む。支持要素14、16は、スライドパッドとして明確に図示されており、各々、V字上の切欠き18、20を含んでおり、該切欠きによりパッド14、16がロッド22に沿って摺動するのが可能にされる。監視装置10の後部に取り付けた別のスライドパッド24(図3に図示)は、同様にロッド26に沿って摺動する。1つ以上のスライドパッド14、16及び24を異なる構成または車輪等の異なる移動方法を備えたその他の支持要素により置き換えることが可能である。「スライドパッド」なる用語は、装置10が所定の視野に対して前後にまたは物体の飛行パターンに平行に摺動または移動するのを可能にする任意の要素を意味する。スライドパッド14、16は、装置10の前側コーナーを上下させて水平にするのを可能にする高さ調整特徴を含む。特に、各スライドパッド14、16は各ねじの切ったロッド28、30及び支持構造体に固定したナット32、34により支持構造体12へ取り付けられる。ロッド28、30は、各々駆動部28a、30aを含み、該駆動部を使用してパッド14、16の調整が可能となる。
【0012】
図1、図2乃至図2A及び図3を参照すると、打ち出し監視装置10は、更に、第1及び第2のカメラユニット36、38、中央に配置したコントロールボックス40、及び光源42を含む。第1及び第2のカメラユニット36、38は、カリフォルニア州サニーベールのプルニックス・アメリカ社により製造されたパルニックスTM−6075ANカメラ(Pulnix America,Inc.in Sunnyvale,California)が好適である。このパルニックスTM−6075カメラは、方形ピクセルのVGA形式の白黒フルフレームシャッターカメラである。このカメラの特徴は、電子シャッターであり、1フレーム内で多数のシャッター露光を行って、高速事象を捉えるのを可能にする。該カメラは、小型、軽量で堅牢なデザインであり、携行自在の装置には理想的なものである。電荷結合素子またはCCDカメラが好適である。2台のカメラの視線角度は、約10°乃至30°が好適であり、約22°がより好適である。カメラ36、38の各々は、また、受光開口及び光感知シリコンパネル39(図4を見ると、シリコンパネルを図示してあり、カメラにより捕捉され且つ装置により使用される画像に概ね対応する)を有する。カメラは、ゴルフボールが移動すると共にイメージされる所定の視野に指向されると共に該視野に焦点を合わせる。好適には、光源42は、DC光源であって、光が点滅しないようにされる。光源は、光、更には、太陽等の任意の光源とすることが可能である。
【0013】
図5の3次元の所定の直線視野(仮想線で図示)で図示される如く、ゴルフボール41には、少なくとも3つの、反射する隔置されたマークまたはドット41a乃至fが取り付けられているのが好適である。ゴルフボール41は、2つの位置IおよびIIに図示されて、好適な実施例を例示しており、この位置は、装置によりイメージされる時のゴルフボール41の位置に対応する。I及びIIの位置では、ゴルフボールは、打ち出し後の状態で図示される。位置Iで取られるイメージは第1の時間に発生し、位置IIで取られるイメージは第2の時間に発生する。丸いドット41aの好適な径は、10分の1インチ乃至8分の1インチであるが、その他のサイズ及び形状の領域を使用することも可能である。電子シャッターを使用することから、パネル39(図4に図示する如く)は、機械的なシャッターを使用したときより著しく短い時間で露光される。従って、ストロボ光源で使用した逆反射材料のマーカーを使用する必要はない。
【0014】
ドット41a乃至fは、好適には、目視のできない蛍光マーカーであり、ゴルフボール上にパッド印刷または塗装される。蛍光マーカーを使用するときには、カメラに干渉フィルターが搭載されるのが好適である。干渉フィルタは、当業者には公知の所望の範囲の光をろ波する。赤外線マーキングは、適切な波長の光源で照射すると反射し、斯かる赤外線マーキングも使用することができる。赤、緑または青等のカラーマーカーをゴルフボールの上に使用することができる。カラーマーカーを使用した場合には、干渉フィルターをカメラに使用して選定した色のコントラストがより強くなる。これらの色のうち、赤は、CCDカメラは、赤と使用するとコントラストが最も大きくなることから最も好適である。逆反射マーカーは、ガラスビーズで製造され、ゴルフボール上に塗装することができる。下記に説明する如く、塗装した逆反射マーカーを使用した時には反射パネル48、50(図2Aに図示する如く)が必要である。
【0015】
各ドットまたは領域が、図5に図示した双方の位置にあるとき、ゴルフボールからの光を反射するとすれば、ドットまたは領域の数は、ゴルフボールでは、最低3個で、最大でも6個以上である。好適には、ゴルフボールには6個のドットがあるのは好適である。図1乃至図3及び図5を参照すると、カメラ36、38及びドット41a乃至fの配置の結果、双方のカメラ36、38は、シャッターが起動されると、光を受光することができる。受光された光は、ドット41a乃至fにより反射され、シリコンパネル39(図4に図示する如く)上に明るい領域39a乃至fとして現れる。或いは、ドットを反射しないようにして、シリコンパネル上に暗領域として現れるようにすること可能である。
【0016】
反射材料は、ゴルフボールの被覆表面と比べると、明るさが900倍であり、ドット41a乃至fに打ち当る光線と斯かるドットからカメラ開口へ向かう光線との開き角度は、ゼロかゼロに近い。この開き角度が大きくなると、前記ドット41a乃至fと背景との明るさの比が低下する。また、可視光線の範囲外の例えば赤外線等の電磁波を光源42中に使用し光源42をゴルファーに見えないようにすることも可能である。
【0017】
図1を参照すると、コントロールボックス40は、非同期プロトコルを介してカメラユニット36、38と連絡してカメラの起動を制御し、マルチシャッター用の電子部品を使用してボールの写真を何度か撮る。好適には、マサチューセッツ州はビレリカ(Billerica,Massachusetts)のMuTech社が製造するMV1000PCIバスフレームグラバー(Bus Frame Grabber)を取り付けるためのPCIスロットを備えた586インテル(Intel)ベースのプロセッサを使用する。このフレームグラバーは、Pulnix TM−6705ANカメラと繋がって、各カメラに対して写真の撮影を指示する。図2に図示する如く、光源42は、好適には、2つのカメラ36、38の間に配置されて、光源が物体の飛行路に対して垂直となるようにする。光源は、ストロボタイプの光源よりは一定している。カメラ36、38は、支持構造体56、58上に固定され、レンズ60、62を所定の視野へ向けて配置される。ビデオ回線64、66は、ビデオ信号をコントロールボックス40内へ送信してその後に使用される。
【0018】
図2Aを参照すると、装置10'の第1の実施例の代替例が図示される。この装置10'は、窓44、46及びビームスプリッタ45(仮想線で図示)を有したボックス47を含むように変形されてある。この装置10'は、印刷した逆反射マーカーをゴルフボール上に使用する場合に使用する。これらのマーカーを使用する時には、ビームスプリッタ45及びリフレクターパネル48、50が必要である。光源42は、好適には、2台のカメラ36、38の間に配置される。光源42は、ストロボタイプの光源より安定している。光源42、ビームスプリッタ45、反射要素48、50及びカメラ36、38は、光源42から指向された光が視野に入射し、反射ドットにより、ボールから反射されてカメラレンズ60、62へ戻るのを可能にする。
【0019】
図2Bを参照すると、打ち出し監視装置10"の第1の実施例の代替例が図示される。装置10"は、単一のカメラユニット236、隣接して中央に配置されたコントロールボックス240及び光源242を含むように修正されてある。カメラは、好適には、上記に説明した如く、Pulnix TM−6075ANカメラである。このカメラは、所定の視野に向けて指向されると共に該視野に焦点を合わせてあり、該視野において物体が移動し且つイメージされる。光源242は、物体が視野内にあるとオンになる。好適には、4つ以上のマーカーが1台のカメラ236を使用した装置10"のゴルフボール上で使用される。ドット241a乃至dは、図5A及び図5Bにおいてゴルフボール41上に図示する如く配置することが可能であり、ゴルフボール41上の反射マーカー241a乃至dが3次元の所定の直線視野(仮想線にて図示)内に図示される。好適には、蛍光マーカーが使用される。2台のカメラを使用した装置と同様に、ゴルフボール上に逆反射塗装マーカーを使用する場合には、光源は、上記の如くビームスプリッタを使用して窓を介して光反射要素またはパネルへ光を指向することができる。
【0020】
図2Bに図示する如く、カメラ236は、支持構造体256上に固定され、レンズ260を所定の視野へ向けて指向するようにして配置される。装置の機能は、2台のカメラを使用した実施例と同じである。コントロールボックス240は、非同期プロトコールを介してカメラ236と連絡する。このように、カメラ236の起動を制御すると共に、マルチシャッター用の電子部品を使用して物体の写真を何度となく撮る。ビデオ回線264によりコントロールボックス240にビデオ信号が入力されて、それ以後に使用される。このように、1台のカメラで物体の打ち出し条件を監視する。本実施例は、2台のカメラを有した第1の実施例に関しては、下記に説明する如く、更に修正または拡張することができる。
【0021】
図2を参照すると、好適には、入れ子式距離校正装置または部材68、70を支持構造体12に固着する。この距離校正装置は、監視する物体から適切な距離にある打ち出し監視装置10を校正するのに使用される。距離校正装置68、70は、伸長自在の部材であり、例えば、従来のラジオアンテナを使用することができる。校正装置68、70は、校正固定具170(図11に図示)と関連して使用され、第2の実施例を参照して下記に詳細に説明する。同一の校正固定具は、好適には、第1及び第2の実施例の双方と共に使用することが出来る。少なくとも、1台の距離校正装置を使用することを薦める。
【0022】
第1の実施例では、マイク72を使用して装置10の操作を開始する。好適には、第2のトリガ回路がカメラ36及び38を非同期的にトリガして、カメラのマルチシャッター用の電子部品を使用してボールの写真を幾度か撮る。ゴルフクラブでゴルフボールを打った時には、マイク72により装置10に伝達されつつある音に応答して位置Iにて図5に図示の如く、所定の視野内にあるゴルフボール41の最初のイメージが撮られる。図5の位置Iのゴルフボールで例示する如く、一旦クラブでゴルフボールを打つと、2つのイメージの中第1のイメージのみを撮影する必要がある。好適には、装置10は、ゴルフクラブを監視するのにも使用することができるが、ゴルフボールのみを監視する。
【0023】
レーザーまたはその他の装置を使用して装置を始動することができる。例えば、イニシエーターまたは起動装置は光線及びセンサーを含むことが出来る。移動するゴルフボールが、光線を通過すると、センサーが信号を装置へ送信する。レーザーを使用する場合には、ゴルフクラブがゴルフボールに接触した直後(または、接触時)にゴルフクラブがレーザービームを中断するようにする。即ち、レーザーをティーに載せたゴルフボールの直ぐ前に整列させ、ゴルフボールがティーから離れる時または直後に最初のイメージを撮影する。第1の実施例の動作は、第2の実施例の説明の後に詳細に説明する。
【0024】
図6乃至図10は、第2の実施例の装置100を例示し、第2の実施例では、装置が第1の実施例のものより小型化される。打ち出し監視装置100は、ベースまたは支持構造体112を含み、該支持構造体112がカバー113(仮想線で図示する)を有することが可能である。スライド部材またはパッド114、116は支持構造体112の下部前部位置で使用され、該パッド114、116が沿って摺動されるロッド190を収容する切欠き118、120を含む。
【0025】
図7乃至図8を参照すると、車輪122、124が図1乃至図3に図示した第1の実施例について開示されたパッド24にとって替わる。車輪122、124は支持構造体112に装着されて回動すると共に、オペレータがグランドに沿って打ち出し監視装置100を前後左右に移動するのを可能にするハンドル126を含む。
【0026】
第1の実施例と同様に、第2の実施例の装置100も、また、ねじの切られたロッド128、130及びそれぞれのナット132、134を含んで、打ち出し監視装置100の前部で高さ調整が可能なようにされる。車輪もまた支持構造体112に対して高さ調整をすることができ、装置100を装置が配置される地形に応じて調整できるようにされる。第2の実施例では図示していないが、装置100は、また、コンピュータ及び該コンピュータに電子的に接続されたモニター43(図1に図示する如く)を有する。コンピュータ及びモニターは、単一の要素に組み合わせても、または、別体の要素にすることも可能である。コンピュータは、幾つかのアルゴリズム及びプログラムを有し、装置100が、斯かるアルゴリズム及びプログラムを使用して下記に説明する決定を行う。
【0027】
更に図6及び図7に図示する如く、第1及び第2のカメラユニット136、138を支持構造体112へ取り付ける。カメラは、また、第1の実施例と同様な光感知シリコンパネルを有する。カメラ136、138は、各々視線を有し、それらを図9において実線で図示してあり、所定の視野に向けて指向されると共に、焦点が該視野に合わされる。図9に破線で図示する如く、カメラの視野は、単に単一のゴルフボール182のみをイメージするのに必要なものより大きくされる。従って、所定の視野は、カメラの視線が交差する部位でのカメラの視野である。
【0028】
図10に図示する如く、コントロールボックス140が設けられると共に、光源142をその前部に含む。光源142は、物体が視野にあると起動され、ゴルフボール上に使用されるマーカーのタイプにより赤外線を使用するか、または、異なる波長にすることが可能である。図示する如く、光源142は、好適には、2台のカメラ136、138の間に配置される。
【0029】
図6Aを参照すると、塗装した逆反射マーカーを使用する場合には、反射要素またはパネル146、148を第1の実施例に関して上記に説明した向きと同じ向きで支持構造体112に取り付ける。図6A及び図7Aを参照すると、反射パネル146、148がそれぞれの開口150、152を画定する。カメラ136、138は、レンズ137、139が反射パネル146、148内のそれぞれの開口150、152を通して所定の視野に向けて指向される。図6Aを参照すると、第3の光反射パネル164は、光源からの光の2分の1をパネル146へ反射する。第4の光反射パネル166は、前記光の他の2分の1を光反射パネル148内へ反射させる。反射要素またはパネル146、148、164及び166へ指向される光の量を増大するために、別の共通して譲渡された出願(1998年9月18日に出願された出願番号第09/156,611号)に開示される如く、装置100は、光学またはフレスネル(Fresnel)レンズ168を使用することが出来る。
【0030】
図7乃至図7Aに図示される如く、ビデオ回線154、156が光学ユニット136、138からコントロールボックス140へ伸びる。第1の実施例と同様に、装置100は、同様にアンテナ158、160の形態にされた距離校正装置及びマイク162を含み、該マイクは装置の作動を開始するのに使用される。ここでも、装置を起動するレーザーまたはその他の方法が使用することができる。装置100の校正モード及び作動モードの双方に使用されるそれぞれのセットアップを、それぞれ、図7乃至図8及び図9に図示する。距離校正装置は、カメラユニットの視線の交差点または視野までのびる。
【0031】
図11に図示する如く且つ図7乃至図8の装置と共に使用されると、校正固定具170が設けられて装置100の校正をする。本説明では装置100について説明するが、第1の実施例の装置10、10'及び10"にも等しく適用される。固定具170は、距離校正装置158、160(図6に図示する如く)の端部を収容する外側脚176、178から外側へ伸長した収容要素またはタブ172、174を含む。距離校正装置158、160に従ってこの部位に配置されると、固定具170の中央脚180は、図9に図示する如く、打ち出し監視操作に使用されるゴルフボール182の適切な位置に配置される。ゴルフボール182は、第1の実施例のゴルフボール41(図5に図示する如く)の反射ドット41a乃至fパターンを有する。
【0032】
校正固定具170は、更に、該固定具の頂面に光学レベルインディケータ184を含んで、該固定具が、校正手順の前に水平にされるのを可能にする。最後に、固定具170の底部から伸びたスパイク186、188(図8に図示する如く)が芝生に差し込まれて校正手順中の固定具170を安定させる。
【0033】
固定具170は、図11に図示した如き反射ドット170a乃至oのパターンを有する。15ドットが良い。2つのイメージ(図4を参照)間の時間におけるゴルフボールの水平移動は、垂直移動より大きくなることから、装置の校正は、垂直方向のカバー距離は短くなる。従って、校正固定具上の垂直方向でのドット数は、装置を校正するのに必要な十分な数に少なくされる。ドットは約2.54cm(約1インチ)間隔で、約3.81cm(1.5インチ)の間隔にされた3つの別のX平面上に配置されるのが良い。
【0034】
図12及び図13に図示する如く、ロッド190(装置10のロッド22と同じ物とすることが可能である)は、搬送する時には容易に分解され、開示した打ち出し監視装置の何れかが操作される前に現場で容易に再組み付けが可能となる。特に、ロッド190は、複数のセクション190a乃至dを備えることが可能である。好適には、ロッド190の斯かるセクションの各々は、該ロッド190の両端に取り付けられた単一の弾性紐192を含んだ中空の管を備える。斯かる紐192は、ロッド190の全長より伸びた長さを有しており、前記セクション190a乃至dを一体に保持するようにされる。セクション190a、190b、及び190cは、それぞれ縮径部194、196、198を有し、該縮径部は、セクション190b、190c、190dのそれぞれの端部内に嵌合する。ピン200、202がロッド190の両端に設けられて、ロッド190が芝生内で確実に保持されるようにされる。
【0035】
双方の装置10及び100の使用を全体として図14に図示する。
【0036】
ステップS101で、装置が始動して、該装置の使用が最初のものであるか否かが決定される。誤って、装置は、該装置が最初に起動された時は、最終の校正を使用する。従って、装置は、移動及び/またはスイッチを入れる度に校正をするのが好適である。
【0037】
ステップS102で、装置の校正を行い、装置の使用する座標系が画定される。校正を下記により詳細に説明する。
【0038】
装置が校正された後で、装置の作動パラメータがステップS103で画定される。これは、試験するゴルファーにより異なるが、左利きまたは右利き用の向きに関する装置の設定を含む。左利き用の向きを選択するには、左利きゴルファー用の座標組が必要となり、右利き用装置には右利きゴルファー用の別の座標組を必要とする。同時に、装置は、また、テストモードまたはデモモードの何れかに設定される。テストモードを選択すると、装置はテストデータをセーブする。デモモードでは、装置は、データをセーブしない。
【0039】
ステップS103で、テスト位置及びゴルファーに特定の追加のデータが入力される。特に、オペレータは、温度、湿度、風速及び方向、高さ及び芝生の種類等のゴルフボールの飛行、ロール及び総距離の計算に使用する大気、環境または周囲条件のデータを入力する。オペレータは、また、ゴルファーの個人データを入力する。この個人データは、名前、年齢、ハンディ、性、ゴルフボールのタイプ(下記に説明する軌道計算に使用される)及び使用されるゴルフクラブ(タイプ、クラブヘッド、シャフト、特性)を含む。異なるタイプのゴルフボールは、リフト及びドラッグ情報を備えた異なる所定のデータファイルを有する。ボールタイプを指定すると、リフト及びドラッグ情報のどちらのデータファイルを計算に使用するのかを示す情報が提供される。従って、ボールの選択は、計算に使用するリフトCLの係数及びドラッグCd係数データを変更する。
【0040】
このデータが入力されると、装置は、使用の準備が成り、ステップS104へ進む。ステップS104では、装置は、マイクからの音のトリガを待つ。十分なレベル及びタイプの音が出ると、装置は、カメラ136,138(図6乃至図6Aに図示する如く)の電子シャッターを使用して、好適には、2000マイクロ秒未満で所定の視野にあるゴルフボールの2つのイメージ(図4に図示する如く)を撮る。イメージはシリコンパネル39により記録されて、装置が、斯かる記録されたイメージを使用してゴルフボールの打ち出し条件を決定する。
【0041】
ステップS105乃至S107では、装置は、コンピュータに格納した幾つかのアルゴリズムを使用してモニターに対するゴルフボールの位置を決定する。イメージからコンピュータがゴルフボールの位置を決定すると、装置(及びコンピュータアルゴリズム)は、打ち出し条件を決定する。これらの決定は、ステップS105、S106及びS107に対応し、イメージ中の明るい領域の位置決め、斯かる明るい領域中のどれがゴルフボールのドットに対応するかの決定、及び、斯かる情報を使用してのイメージからのゴルフボールの位置の決定を含み、且つ、それぞれの打ち出し条件を算出する。特に、装置は、ステップS105で、イメージ中の明るい領域の位置決めを行うことで、カメラで記録したイメージの分析を行う。ゴルフボールは、好適には、6つのドットを有するから、装置は、各カメラからのイメージ中のドットを表す12の明るい領域を探す(6つのドットを備えたゴルフボールの2つのイメージ)。装置は、次いで、これらの明るい領域のどれがゴルフボールのそれぞれのドットに対応するのかをステップS106で決定する。下記に詳細に述べる如く、このことは幾つかの方法で行うことができる。
【0042】
イメージ中に12のドットのみを見つけた場合には、装置はステップS107へ進んで、イメージ中のドットから、第1及び第2のイメージ中でのゴルフボールの位置及び向きを決定する。しかしながら、イメージ中に見つかったドットまたは明るい領域が12前後であれば、次に、ステップS108で、オペレータは、装置を手動にて使用してイメージの編集をすることができる。位置決めされた明るい領域の数が少なすぎる場合には、オペレータは、イメージの輝度を調整し、多すぎる場合には、オペレータは、多すぎる分の明るい領域を消去する。ある例では、イメージ中の明るい領域は、ゴルフボールの他の部分からのまたはゴルフクラブヘッドからの反射であることもある。輝度の調整を十分に出来ない場合や、誤った明るい領域の削除が十分に出来ない場合には、装置は、オペレータにステップS104へ戻るように指示をし、別のゴルフボールを打たせるようにする。しかしながら、手動による領域の編集が成功すれば、装置は、ステップS107へ復帰する。
【0043】
ステップS107で、装置は、ステップS106でのドットの識別を使用して、2つのイメージの各々の12のドットの各々の中心に位置を決定する。ドットの各々の中心の位置が分かると、装置は、ゴルフボールのスピン軸線の向き、速度及び方向情報または打ち出し角度及び方位角(即ち、ゴルファーの打ち出し条件)の少なくとも1つを算出することができる。方位角は、ボールが示した飛行路からの横方向へのずれである。
【0044】
ステップS109で、装置は、スピン軸線の向き、速度及び方向情報及びステップS103で入力した環境条件及びゴルフボール情報を使用して、ショット中のゴルフボールの軌道を算出する。装置は、ゴルフボールの着地またはキャリーを推定し、および、どれくらい遠くまで転がって、斯かるショットでの総距離を算出する。装置は、3次元に校正されることから、装置は、また、方位角またはゴルフボールが、スライスされたか、または、フックされたか、及び、ボールがどれくらいまでオフラインするかを算出することが可能になる。
【0045】
この情報(即ち、ゴルファーの打ち出し条件)は、次いで、ステップS110でゴルファーに数値及び/または図方式により提示される。ステップS111で装置は、異なるゴルフボール(例えば、ゴルフボールのスピン速度が高いより寧ろ低い)が使用されたとして同一の情報を計算することができる。打ち出し条件(ゴルフボール速度、回転スピン軸線、打ち上げ角度または方位角)のいずれかを変更することで結果が受ける影響を決定することができる。
【0046】
ゴルファーは、また、ステップS112でオプションを与えられ、装置をステップS104へ戻してより多くの撮影をする。ステップS103でプレーヤーがテストモードを選択して、幾つかの異なる写真が撮れると、ステップS113で装置は、試験中に蓄積された全てのデータの平均を算出して提示する。ステップS114で、装置はゴルファーに、該ゴルファー特有の能力に合った理想的な打ち出し条件を提示し、これにより、プレーヤーは、変更を行って、距離を最大限にする。装置は、ゴルファーが、新たなゴルフクラブを使用して、新たなテストを例えば、ステップS115で開始し、斯かるセッションをステップS116で終了するのを可能にする。
【0047】
校正ステップS102に戻って詳細に説明すると共に、図15を参照すると、装置の校正は、ステップS120で装置の設定及び水平を出すことで開始する。装置は、好適には、練習用ティーまたは水平で広いフィールド等の水平の地面に設定される。また、試験はネットへ向けて打つことにより屋内でも行えるのが明らかなことである。図6乃至図8を参照すると、装置100を水平にするために、オペレータは、ねじの切られたロッド128、130及びナット132、134を使用する。図7乃至図8に戻ると、装置100は、事象が最もよく見えるよう且つ視野が所定と成るように位置決めされる。
【0048】
図15及び図7を参照すると、ステップS121で、校正固定具170は、適切な位置に配置され、斯かる適切な位置とは、距離校正装置158、160の端部である。校正固定具170は、装置に対して水平且つ平行にされて、これにより、光源142(図10に図示の如く)からの光が最もよく反射するようにされる。校正固定具を距離校正装置158、160の端部に配置すれば、試験中、校正固定具170及びゴルフボールがどのカメラからも全景が見える。双方のカメラで校正固定具の写真を撮り、ステップS122でバッファ内へイメージを送信する。
【0049】
ステップS123で、校正アルゴリズムを含めて、装置は、校正固定具の反射ドットに対応する各イメージのスポットの中心に位置を決定する。1実施例では、装置は、光の強度が所定の閾値より大きいバッファの画素の位置を識別して斯かるスポットの中心の位置決めをする。イメージは、2次元であるから、画素の位置は2つの要素(x、y)を有する。装置は、イメージの明るい領域を探し出し、明るい領域の各々の際を見つける。次いで、装置は、明るい領域の各々の中心を大まかに推定する。明るい領域の各々の明るい画素は、平均化され、15の領域全部について正確なドットの位置及びサイズが算出される。最小より小さな領域を備えたものは無視する。
【0050】
一旦校正固定具上のドットの各々のカメラに対する位置が決定されると、装置は、校正固定具上のドットの真の間隔を知ることとなる。図11に図示する如く、校正固定具170は、3行、5列に配列されたドット170a乃至oを有する。各ドット170a乃至oの中心のX、Y、及びZの座標は、3次元パターンに配列されており、デジタル化用の表上で少なくとも千分の1インチの精度で事前に測定されて、コンピュータに格納されてある。装置は、校正固定具上のドットの互いに対する3次元位置を事前に格納したデータを呼び出す。呼び出したデータは、右利き用(ゴルファーに向かってX軸線ポイント)の装置が使用されるのか、左利き用(ゴルファーから離間するX軸線ポイント)の装置が使用されるのかを決定する。双方の組のデータを格納すると共に、ステップS124でオペレータにより選択ができる。15のドットを備えた校正固定具の右利き校正用のこれらの3次元X、Y、Z位置の代表的な組を下記に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
15のドットを備えた校正固定具の左利き校正用のこれらの3次元X、Y、Z位置の代表的な組を下記に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
ステップS125で、装置は、校正固定具のイメージを使用して、校正固定具上の公知の15のX、Y、及びZ位置に対するイメージ間隔座標U及びVに関する11の定数を決定する。U1j、V1jイメージ点を備えた、校正されたX(I)、Y(I)、及びZ(I)の隔置された点に関する式を下記に示す:
【0055】
【数1】
【0056】
【数2】
【0057】
但し、iは、1、15であり、jは、1、2である。
カメラ136(図6乃至図7に図示する如く)の11の定数、Di1(I=1、11)及びカメラ138(図6乃至図7に図示する如く)の11の定数、Di2(I=1、11)は、15の位置におけるX(I)、Y(I)、Z(I)及び2つのカメラの校正写真で測定した15のU1j、V1jの座標を知ることで解かれる。
【0058】
別の実施例では、イメージ分析中に、装置が、標準ランレングス符号化(RLE)技術を使用して明るい領域を位置決めする。RLE技術は、従来の技術であって、当業者には公知である。イメージ分析は、校正中または実際のショット中に行うことができる。一旦明るい領域がRLE技術を使用して位置決めされると、次いで、装置は、イメージ中の全ての明るい領域の縦横比を算出して、斯かる明るい領域のどれが反射マーカーなのかを決定する。どの明るい領域がドットなのかを決定する技術は図16を参照して詳細に述べる。
【0059】
上記に述べた如く、図14を参照すると、一旦装置がステップS102で校正されると、オペレータは、ステップS103でデータの入力ができる。
【0060】
次いで、ゴルフボールが、校正固定具が固定されてあったティーの上に設定され、ゴルファーがスウィングを行う。ゴルフボールを打つクラブからの音響トリガがマイクを介して装置に送信されると、装置がトリガされる。電子シャッターが起動されて、双方のカメラにより第1のイメージが記録される。好適には1000ミリ秒未満の介在所定時間遅延が、電子シャッターが再度起動される前にある。斯かる時間の遅延が長すぎると、視野が十分に大きくならずに、カメラの視野内にあるゴルフボールを捕捉して双方のイメージを結像するのが出来なくなる。装置10及び100に使用されるカメラは双方のイメージ(第1及び第2の電子シャッター起動の間に起きる)を1つのイメージフレーム内に記録することができなくなる。イメージは、電子シャッターが起動されて記録されるものであるから、シャッター起動は、必要に応じて共に近づけることができるようになる。
【0061】
カメラの各感光パネル上の印刷ドットからの光の反射のイメージが上記の順番で生成される。各イメージ々のドットの位置は、好適には、校正固定具に関して述べたRLE技術で決定される。
【0062】
光る領域のどれがドットなのかを決定する縦横比を決定するのに使用する技術を図16と関連して説明する。ステップS130に示す如く、イメージは、選択した適切な輝度閾値レベルを有する。イメージの正しい閾値レベルを所定のレベルに設定することで、イメージの全ての画素が黒または白のどちらかで示される。ステップS131で、イメージは、各イメージにおける明るい領域に対応する別個のセグメントへセグメントされる。ステップS132で、装置は、最初にセグメントの各々における下記の総和を下記の式を用いて計算することで各領域の中心を決定する。
【0063】
【表3】
【0064】
これの合計は明るい領域の合計であるが、これらの合計が一旦イメージのセグメントの各々に対して累積されると、x軸及びy軸の周りのモーメントが下記の式を使用して計算される。
【0065】
【数3】
【0066】
【数4】
【0067】
【数5】
【0068】
但し、AREAは、各明るい領域の画素数である。
ステップS133で、装置は、所定の範囲外の領域を有するイメージの明るい領域を削除する。従って、大きすぎる、または、小さすぎる領域は、排除される。好適な実施例では、ゴルフボール上のドットは、約0.635cm乃至0.3175cm(1/4インチ乃至1/8インチ)であり、カメラは753×244個の画素を有して、ドットがイメージ中に約105個の画素から成る領域を持つようにされる。しかしながら、クラブヘッド及びその他の物体からのグレアを含んだ正反射によるグレアにより各イメージにおいて追加の明るい領域が現れることがる。従って、領域の画素が105個より大幅に少ないまたは多い場合には、それらはゴルフボールのマーカーであるはずはないとして装置は、斯かる領域を無視することができる。
【0069】
多くも少なくもない領域(即ち、画素が約105である)に関しては、装置は、下記の方法で、どれが正しい12個なのかを決定する。装置は、ドットが丸いと言う事実及び電子シャッターが起動される時間中のゴルフボールの動きによりドットはイメージ中で楕円形を残すと考える。従って、ステップS134で、装置は、次いで、下記の式を使用して主慣性モーメントを算出する。
【0070】
【数6】
【0071】
【数7】
【0072】
次に、装置は、ゴルフボール座標系中のドットの位置(図16のステップS135で決定される)を次の行列式を使用して校正されたカメラ136、138の基準大域系(reference global system)へ変換する。
【0073】
【数8】
【0074】
但し、Xg、Yg、Zgは、ゴルフボール中心の大域座標(global coordinates)である。列ベクトルTx、Ty、Tzは大域座標系におけるゴルフボール中心の位置である。行列要素Mij(i=1,3;j=1,3)は、大域系に対するゴルフボール座標系の向きを画定する方向余弦である。3つの角度a1、a2、a3は、周期関数で行列Mijの要素を説明する。各レフレクターの大域位置の行列式を上記に示した1組の4つの一次方程式に代えると、6つの不明の変数(Tx、Ty、Tz、a1、a2、a3)については1組24の方程式ができる。同様な組の24の方程式をゴルフボールの第2のイメージについて解く。典型的には、回転行列Mを説明する3つの変数Tx、Ty、Tz及び3つの角度a1、a2、a3の解は、同時に満たされる24の方程式の4つの交互作用において可解となる。
【0075】
大域座標系の運動変数、並進速度の3つの成分及び角速度の3つの成分は、ゴルフボールが2つのイメージ位置間で行う質量中心の相対的並進及び相対回転角度から算出される。
【0076】
大域座標系の3本の軸線に沿った質量Vx、Vy、Vzの中心の速度成分は、次の式により与えられる。即ち、
【0077】
【数9】
【0078】
(それぞれ式14、15及び16)、但し、tは、Tx、Ty、Tzの第1の電子シャッター測定の時間であり、ΔTは、イメージ間の時間である。
【0079】
大域軸線系(global axis system)のスピン速度成分は、逆配向行列の積、MT(t)及びM(t+ΔT)を求めることから得られる。結果として生じる相対配向行列A、A(t、t+ΔT)=M(t+Δt)MT(t)は、2つの電子シャッターゴルフボールイメージの角度差を測定する。
【0080】
時間増分ΔT間のスピン軸線を中心とした回転角度の大きさΘは、下記により与えられる。即ち、
【0081】
【数10】
【0082】
【数11】
【0083】
スピン速度の3つの直交成分Wx、Wy、Wzは下記の式により与えられる。即ち、
【0084】
【表4】
【0085】
最後に、ステップS136で、縦横比を下記の式を使用して算出する。即ち、
【0086】
【数12】
【0087】
そして、ドットは、縦横比が4または5より大きい場合には、ステップS137で拒絶される。
【0088】
図14に戻ると、ドットの位置が一旦決定されると、装置は、ゴルフボールの中心の並進速度及びゴルフボールの角速度(スピン速度)をステップS107で次の方法で算出する。最初に、装置は、カメラのデータから三角形分割を使用してゴルフボール表面上の6つのドットの位置を位置決めする。特に、装置は、下記に示した1組4つの一次方程式を解いて、ゴルフボール表面上の各ドットのゴルフボール座標系における位置(x、y、z)を決定する。
【0089】
【表5】
【0090】
但し、Dijは、ステップS102(図14)及びS125(図15)で校正方法により決定される11の定数であり、iは定数を識別すると共に、jはイメージを識別する。
【0091】
図14のステップS109で、装置は、コンピュータアルゴリズムを含めて、ステップS107で算出した初速度及び初スピン速度を使用して試験の軌道を算出する。各時間増分については、装置は時間Tでのゴルフボール上の力を補間すると共に、時間T+1での速度をゴルフボールの速度及び時間Tでのゴルフボール上の力から算出する。次に、装置は、平均速度及びレイノルズ数(Reynol's number)を算出する。斯かるレイノルズ数は時間Tから時間T+1への時間間隔中の流れの慣性力と流の粘着力との比である。装置は、平均力を補間し、該平均力から時間T+1での速度を算出する。斯かる力は、抗力、ゴルフボールのスピンによる揚力、及び重力を含む。時間T+1での速度を使用して装置は時間T+1での位置を算出する。最後に、装置は、時間T+1でのスピン速度を算出する。好適な実施例では、時間間隔の長さは、0.1秒である。この計算は、ボルフボールが着地するまで行われる。
【0092】
装置は、下記の式を使用してこれらの計算を行う。ゴルフボールの抗力を求めるには、力は下記の如く算出される。即ち、
【0093】
【数13】
【0094】
但し、 Cdは、事前に算出された抗力係数であり、ゴルフボールのタイプを選択した時に呼び出されるデータファイル中に格納される、 ρは、試験の開始時にステップS103で入力した空気密度、 |VBf|は、ゴルフボールの速度の大きさ、及び Aは、ゴルフボールの選定時に決定される、ゴルフボールの断面積である。
【0095】
ゴルフボールのスピンにより生じる揚力は、速度方向及びスピン方向に対して直交し、且つ、下記により与えられる。即ち、
【0096】
【数14】
【0097】
但し、nL、Nω及びnVBは、それぞれ、揚力の方向余弦、ゴルフボールの角回転及びゴルフボールの速度である。
【0098】
揚力の大きさは、下記により与えられる。即ち、
【0099】
【数15】
【0100】
但し、CLは、揚力係数であり、その他の項は、上記で画定される。
【0101】
従って、ゴルフボール上で加えられた空力(aerodynamic force)は下記となる。即ち、
【0102】
【数16】
【0103】
次いで、ゴルフボールの速度及びスピンがX、Y、及びZ方向に変換されて、下記により一般化された速度及び回転速度が与えられる。即ち、
【0104】
【数17】
【0105】
【数18】
【0106】
但し、u9、u10及びu11は、X、Y及びZ方向の速度であり、u12、u13及びu14は、X、Y及びZ方向のスピン速度である。
【0107】
式26乃至式30を使用して、装置は、次の二階微分方程式を求める。即ち、
【0108】
【数19】
【0109】
但し、nlx、nly、nlzは、それぞれ、X、Y及びZ方向の方向余弦であり、 nvbx、nvby、及びnvbzは、それぞれ、X、Y及びZ方向の速度ベクトルであり、 mBは、ボールの質量であり、且つ mB*gは、ゴルフボール上でZ方向にかかる重力である。
【0110】
式32乃至式34の二階微分方程式は、各時間ステップ毎、好適には、0.1秒毎に、データファイルまたはその他の源からの抗力及び揚力係数(Cd及びCL)を使用して、それらの時間ステップ各々の速度(VBf)及び角速度(ωBf)に基づいて解かれる。
【0111】
軌道方法は、以後の時間間隔についてゴルフボール位置の算出された高さ成分が、通常は、ゼロまたは地面の高さである所定の高さ未満になるまでこの手順を繰り返す。図17を参照すると、ゴルフボールが地面に到達すると、前記方法で補間をして最終速度、軌道時間、インパクト角度及びスピン速度を含めた地面インパクト条件を算出する。試験的データに基づいたロールモデル及びオペレータが入力したゴルフボールデータを使用して、装置が算出したばかりの地面インパクト条件を使用してゴルフボールの最終載置位置を算出する。従って、装置は、ゴルフボールのティーから最終載置位置までの総距離を算出する。データファイルに軌道方法により算出されて結果を格納する。
【0112】
ステップS112(図14に図示)で、次いで、装置が追加の試験を実施する必要があるか否かを決定する。追加の試験をする必要がある場合には、上記に説明した工程、即ち、音響トリガで開始されるステップS104で始まり、軌道方法でゴルフボールの軌道を算出すると共に表示するステップS110までの工程を繰り返し行う。
【0113】
全ての試験が完了すると、分析方法で試験に使用した各ゴルフボールタイプの統計を算出すると共に、算出結果をオペレータへ提示する。各ゴルフボールのタイプ毎に実施された1群の試験では、コンピュータにより平均値及び平均からの標準偏倚を算出して速度、打ち出し角度、側面角度、バックスピン、サイドスピン及びキャリー及びロール等の幾つかの打ち出し特性を求める。総スピン速度は、3つの直交成分を回転軸線上に有する。バックスピン及びサイドスピンは、前に述べたスピン速度の成分中の2つの成分、Wx及びWyである。
【0114】
異なる係数が、ゴルフボールの圧縮及びレジリエンスの変動、ゴルフボール上のドットの位置決めの変動、感光パネルの画素解像度及び校正固定具上の事前測定ドットの精度を含んだ測定の標準偏倚に寄与する。ばらつきの主たる源は典型的なゴルファーのスウィング変動にある。
【0115】
オペレータからのリクエストがあると同時に、装置は、試験結果を様々な形態で表示する。例えば、装置は、オペレータが選択したゴルフボールのタイプに関する個々の結果を表示する。
【0116】
同様に、ステップS113で、装置は、また、オペレータが選択したゴルフボールのタイプの軌道を表上に表すことができる。この表状提示は、距離、高さ、速度、スピン及び打ち出し角度を含んだ軌道情報を提示する。同様に、分析方法は、オペレータが選択したゴルフボールのタイプの軌道の図形表示を行う。装置は、各ゴルフボールタイプ毎に算出した平均打ち出し条件から図形軌道を算出する。
【0117】
ステップS113で、装置は、ゴルファーの各ショットの平均を表示する。結果は、表状及び/または図形様式で表示される。斯かる表示結果は、総距離、スピン速度、打ち出し角度、キャリー及びゴルフボール速度を含む。この情報から、ステップS114で、装置は、ゴルフボールの打ち出し角度及びスピン速度が若干変更されていれば、ゴルファーに結果を表示して、ゴルファーが装備及び/またはスウィングを最適化するのが可能となる。図18に図示する如く、ゴルフボールが移動する距離は、ゴルフボール速度が一定であれば、初期のスピン速度及び打ち出し角度により決定される。ゴルファーは、ゴルフボールの速度を上げることが出来ず、ゴルフボールの速度は、クラブヘッド速度で決定される。著しくゴルフボール及びクラブヘッドの速度を上げる1つの方法は、クラブシャフト長を伸ばすことである。しかしながら、シャフト長を長くすると、打ち出し角度、打ち出し角度及びスピン速度その他の変数を代えてしまう場合があり、従って、新たな組の試験を行うべきである。
【0118】
図14のステップ114では、装置は、斯かるゴルファーの打ち出し角度やスピン速度に近い様々な打ち出し角度及びスピン速度で打ち出されたゴルフボールの距離を算出する。オペレータは、また、距離を算出するのにどの打ち出し角度及びスピン速度を使用するかを選択することができる。1例を図18に図示する。本例では、装置は、初速度が約208km/h(130mph)で打ち出し角度が0°乃至15°でスピン初速度が2000rpm乃至4000rpmで移動するゴルフボールの距離を算出した。この特定のデータを表示するために、装置は、上記に説明した軌道計算を約50乃至100回(幾つかの所定値の打ち出し角度及び幾つかの所定値のスピン初速度)実施する。オペレータは、装置が使用する打ち出し角度及びスピン速度の範囲及び装置が計算に使用する各々の値の数を決定することができる。図18の図形データから、ゴルファーは、上記2つの変数の中どちらを変更して距離を伸ばすかを決定することができる。
【0119】
図18を使用して、ゴルファーの打ち出し角度がL2°であり、スピン速度がS2rpmである場合、ゴルファーの得る距離は220乃至225ヤードの範囲となる。スピン速度をS2rpmからS1rpmへ落とした場合には、得られる距離は225乃至230ヤードの範囲へと増大する。同様に、スピン速度がS1で、打ち出し角度をL1°からL2°へ変更すると、距離は伸びる。スピン速度及び打ち出し角度を同時に変更して距離を変えることもできる。この情報を知れば、ゴルファーは適切な調整を行って距離の増大を達成することが出来る。
【0120】
ゴルファーのデータはセーブできるから、装置がテストモードにある時には、ゴルファーのデータをこれもまたセーブされてある他のゴルファーのデータと比較することができる。このように、ゴルファー達がそれぞれのデータ(打ち出し角度、ゴルフボールの初速度、スピン速度等)を比較しあうことが可能となる。この比較は表状または図形様式で行うことが可能である。同様に、装置は、一連のクラブ(例えば、5番アイアンから6番アイアン、6番アイアンから7番アイアンへと)からのデータを比較して、クラブ(各クラブ間での距離の調和に欠ける)にギャップがあるか否かを決定することも可能である。或いは、2人の異なるゴルファーを、同一または異なるクラブを使用して、または、同一または異なるボールを使用して比較することが可能である。
【0121】
本発明を特定の好適な実施例を参照して説明してきたが、本発明の範囲は斯かる実施例に限定されるものではない。例えば、第2の実施例で説明した装置に類似の装置に1台のカメラを使用することが可能である。当業者であれば、これらの好適な実施例に様々な変形例を見出すことが可能であり、斯かる変形例であっても本発明の趣旨に入るものであり、その範囲は以下に記載する特許請求の範囲により画定されるものである。
【0122】
従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨及び範囲に入る全ての斯かる修正例及び実施例を網羅するようにされたものである。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図面を簡単に説明するが、斯かる図面は本発明のマルチシャッターカメラ装置の幾つかの実施例を例示するためのものである。
【図1】本発明のマルチシャッターカメラ装置の第1の実施例の斜視図である。
【図2】斯かる装置の頂面図である。
【図2A】第1の実施例の類例の頂面図である。
【図2B】第1の実施例の別の類例の頂面図である。
【図3】図1及び図2に図示した装置の側面図である。
【図4】各カメラに配置した受光及び感光グリッドの立面図である。
【図5】2つの異なる位置I及びIIにおける様々なゴルフボールを図示した3次元直線フィールドの斜視図である。
【図5A】2つの異なる位置I及びIIにおける様々なゴルフボールを図示した3次元直線フィールドの斜視図である。
【図5B】2つの異なる位置I及びIIにおける様々なゴルフボールを図示した3次元直線フィールドの斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施例の2つの類例の斜視図である。
【図6A】本発明の第2の実施例の2つの類例の斜視図である。
【図7】装置の校正を概ね図示した図6乃至図6Aに図示した装置の頂面図である。
【図7A】装置の校正を概ね図示した図6乃至図6Aに図示した装置の頂面図である。
【図8】図7に図示した校正中の装置の側面図である。
【図9】動作状態に配置されたゴルフボールを図示した図6乃至図8に図示した装置の頂面図である。
【図10】図6乃至図9に図示した装置の一部破断頂面図である。
【図11】15の照明領域を備えた校正固定具の斜視図である。
【図12】装置の移動を可能にするのに利用可能な図7乃至図7Aのロッドであって、組み付けられていないロッドの例である。
【図13】組み付けた状態に図示した図12のロッドの立面図である。
【図14】装置の作動を説明したフローチャートである。
【図15】装置の校正を説明したフローチャートである。
【図16】画像中のマーカーの決定を説明するフローチャートである。
【図17】装置で算出したゴルフボールの軌道を図示したグラフである。
【図18】特定の条件下にあるゴルフボールの総移動距離の輪郭マップの例である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の軌道を計算する方法であって、
前記物体が所定の視野内を移動している間に打ち出し監視装置で測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を計算する方法において、
電子シャッターからなるカメラユニットを使用して、前記物体が前記所定の視野内にある間に、前記物体の少なくとも1つのイメージを撮影する段階と、
前記少なくとも1つのイメージから、前記所定の視野内にある前記物体の位置及び配向を決定する段階と、
前記物体の前記位置及び配向から前記物体の打ち出し条件を算出する段階と、
前記算出した打ち出し条件から前記物体の軌道を算出する段階と、
前記物体の軌道を表示する段階とを備える物体の軌道を計算する方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、更に、環境条件をコンピュータに入力する段階と、
前記物体の軌道を表示する前に、前記環境条件を前記軌道の算出に組み入れる段階とを備える方法。
【請求項3】
請求項1又は2の方法であって、前記軌道を算出する段階が、更に、前記物体の1組の所定の揚力係数及び抗力係数を使用することを備える方法。
【請求項4】
請求項1又は2の方法であって、前記物体の少なくとも1つのイメージを撮影する段階が、
飛行路に沿って前記物体を監視する段階と、
前記物体の動きに応答して前記打ち出し監視装置に信号を送信する段階と、
前記送信された信号に応答して前記電子シャッターを起動させて、前記送信された信号に応答して少なくとも1つのイメージを撮影する段階とを備える方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、少なくとも1つのイメージを撮影する段階が、更に、
前記物体の前記少なくとも1つのイメージを撮影した後で、所定の時間間隔を待つ段階と、
前記所定の時間間隔の後で、前記電子シャッターを2度目に起動する段階と、
少なくとも1つの追加のイメージを撮影する段階とを備える方法。
【請求項6】
請求項1又は5の方法であって、
前記カメラユニットが第1のカメラと第2のカメラとを備え、
少なくとも1つのイメージを撮影する段階が、前記所定の視野へ向けて指定された2つの異なるカメラである第1のカメラと第2のカメラによって同時に撮影され、前記第1のカメラと第2のカメラが、所定の視野に向いた異なる配向を有している方法。
【請求項7】
請求項5又は6の方法であって、前記所定の時間間隔が、プログラム自在である方法。
【請求項8】
請求項5又は6の方法であって、更に、打ち出し条件を決定する段階を備え、前記打ち出し条件が、回転スピン軸線、速度、打ち出し角度または方位角の少なくとも1つを含んでいる方法。
【請求項9】
請求項1の方法であって、更に、物体の種類を前記コンピュータに入力する段階を備える方法。
【請求項10】
請求項8の方法であって、
前記物体が所定の揚力係数及び抗力係数を備えるゴルフボールであり、
軌道を算出する手段が、更に、所定の揚力係数及び抗力係数を使用する段階を備える方法。
【請求項11】
請求項1の方法であって、
前記少なくとも1つのイメージから、前記所定の視野内にある前記物体の位置及び配向を決定する段階が、
前記少なくとも1つのイメージに複数の明るい領域を配置する段階と、
前記複数の明るい領域から物体の位置を決定する段階とを備える方法。
【請求項1】
物体の軌道を計算する方法であって、
前記物体が所定の視野内を移動している間に打ち出し監視装置で測定した打ち出し条件に基づいて物体の軌道を計算する方法において、
電子シャッターからなるカメラユニットを使用して、前記物体が前記所定の視野内にある間に、前記物体の少なくとも1つのイメージを撮影する段階と、
前記少なくとも1つのイメージから、前記所定の視野内にある前記物体の位置及び配向を決定する段階と、
前記物体の前記位置及び配向から前記物体の打ち出し条件を算出する段階と、
前記算出した打ち出し条件から前記物体の軌道を算出する段階と、
前記物体の軌道を表示する段階とを備える物体の軌道を計算する方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、更に、環境条件をコンピュータに入力する段階と、
前記物体の軌道を表示する前に、前記環境条件を前記軌道の算出に組み入れる段階とを備える方法。
【請求項3】
請求項1又は2の方法であって、前記軌道を算出する段階が、更に、前記物体の1組の所定の揚力係数及び抗力係数を使用することを備える方法。
【請求項4】
請求項1又は2の方法であって、前記物体の少なくとも1つのイメージを撮影する段階が、
飛行路に沿って前記物体を監視する段階と、
前記物体の動きに応答して前記打ち出し監視装置に信号を送信する段階と、
前記送信された信号に応答して前記電子シャッターを起動させて、前記送信された信号に応答して少なくとも1つのイメージを撮影する段階とを備える方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、少なくとも1つのイメージを撮影する段階が、更に、
前記物体の前記少なくとも1つのイメージを撮影した後で、所定の時間間隔を待つ段階と、
前記所定の時間間隔の後で、前記電子シャッターを2度目に起動する段階と、
少なくとも1つの追加のイメージを撮影する段階とを備える方法。
【請求項6】
請求項1又は5の方法であって、
前記カメラユニットが第1のカメラと第2のカメラとを備え、
少なくとも1つのイメージを撮影する段階が、前記所定の視野へ向けて指定された2つの異なるカメラである第1のカメラと第2のカメラによって同時に撮影され、前記第1のカメラと第2のカメラが、所定の視野に向いた異なる配向を有している方法。
【請求項7】
請求項5又は6の方法であって、前記所定の時間間隔が、プログラム自在である方法。
【請求項8】
請求項5又は6の方法であって、更に、打ち出し条件を決定する段階を備え、前記打ち出し条件が、回転スピン軸線、速度、打ち出し角度または方位角の少なくとも1つを含んでいる方法。
【請求項9】
請求項1の方法であって、更に、物体の種類を前記コンピュータに入力する段階を備える方法。
【請求項10】
請求項8の方法であって、
前記物体が所定の揚力係数及び抗力係数を備えるゴルフボールであり、
軌道を算出する手段が、更に、所定の揚力係数及び抗力係数を使用する段階を備える方法。
【請求項11】
請求項1の方法であって、
前記少なくとも1つのイメージから、前記所定の視野内にある前記物体の位置及び配向を決定する段階が、
前記少なくとも1つのイメージに複数の明るい領域を配置する段階と、
前記複数の明るい領域から物体の位置を決定する段階とを備える方法。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−15157(P2006−15157A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204830(P2005−204830)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【分割の表示】特願2001−519276(P2001−519276)の分割
【原出願日】平成12年7月20日(2000.7.20)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【分割の表示】特願2001−519276(P2001−519276)の分割
【原出願日】平成12年7月20日(2000.7.20)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
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