説明

測定装置

【課題】単一的な手段による、かつ連続的に一連のマーカ操作により、ゾーンマーカの所定幅と測定波形の表示範囲との相対的な大きさの調整をスムースに行う。
【解決手段】表示部12において所定表示範囲に波形が表示されている表示部12上において、操作者によるマーカ操作により指針150を縦軸方向へ移動させたときは、スパン制御部65は、指針が移動した相対距離を検知しその相対距離に対応した所定表示範囲を変更し、次に横軸方向へ指針が移動されたときの移動量を検知し、ゾ−ンマーカ生成部64が、変更された所定表示範囲に所定幅のゾーンマーカを検知された移動量に応じた位置に移動させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば被測定物或いは被測定信号を測定し、その測定データを表示する測定装置に関する。特に、本発明は、例えば、測定データに基づく測定波形を表示するとともに、その測定波形上の目標点を波形マーカ等で指定して、その特定点の測定波形の特性値を求める場合に、その波形マーカを目標点に容易に設定できる測定装置に係る。
【背景技術】
【0002】
操作者が、表示画面を観測しながら操作部、例えば、マウス等を手操作して、波形マーカ(或いは、マーカ、カーソル等と呼ばれている。)を表示画面の目標点の位置に一致させようとして移動させようとすると、目標点を通り過ぎてしまう等、微調整が困難な面がある。それを解決するための技術として、特許文献1の技術がある。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、キー入力部から波形マーカの移動速度が設定可能にされており、その設定された移動速度と表示画面の表示データ数とから、波形マーカの移動量を求めて、その求めた移動量だけ表示画面における波形マーカの位置を移動させて、調整するものである。
【0004】
特許文献1の技術によれば、波形マーカの移動速度が任意に設定できるので、目標点にカーソルを設定しやすくすることができる。
【0005】
又、特許文献2のように、所定幅を有するゾーンマーカを生成して、その所定幅のゾーン内の波形のピーク位置をサーチし、自動でその波形のピーク位置にピークマーカを付して表示する技術があった。これは、ピーク位置等の特徴部分をサーチするのに便利であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−142262号公報
【特許文献2】特許第2880711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記、特許文献1の技術は、波形マーカの移動速度がキー入力部で切り替え、設定しなければならない。一般に、画面上で波形マーカを目標点へ移動させるとき、操作者は目で画面を直視しながら、手でマウス等を操作して波形マーカを移動させる。その波形マーカを移動させているとき操作者が微調整を望んだとき、特許文献1では、操作者が、マウス等による波形マーカの移動操作とは異なる、キー操作により、移動速度を変更させなければならないので、スムースに流れるような感覚で波形マーカの位置調整ができない恐れがあった。特に、移動速度を複数段階に切り替える場合は、一層、調整のスムースさを欠く欠点があった。
【0008】
特許文献2の技術は、ピーク点がゾーン内に複数ある場合に、希望するピーク点ではない他のピーク点にマーカが表示される可能性があった。
【0009】
本発明の目的は、単一的な手段による、かつ連続的に一連のマーカ操作の中で粗調整、微調整を切り替え可能にして、波形マーカの位置(移動)調整がスムースに行える技術を提供することである。
【0010】
さらに、ピーク点をサーチする場合は、測定データが表示される表示範囲と,サーチしたい範囲であるゾーンマーカの所定幅との相対的な大きさを容易に変更できるようにすることで、複数のピーク点を分離して観測し易い技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここで、本発明における「マーカ操作」とは、操作者による波形マーカを移動させるための操作であって、直接的(例えばタッチパネルで指(指針)で操作)或いは間接的な(タッチパネルでペン(指針)で操作、或いは表示画面に指の代わりになる指針マーカ(指針)を出してそれをマウス等で操作、等の態様)な操作を言う。
【0012】
上記目的を達成するために具体的には、請求項1に記載の発明は、操作部(12)と表示部(11)とを有するユーザI/F部(10)と、被測定物又は被測定信号を測定する測定部(30)と、前記測定部により得られた測定データに基づいて前記表示部に所定表示範囲の測定データを測定波形として表示させるデータ表示制御部(61)、表示される該測定波形上に前記ユーザI/F部からのマーカ操作に応じて所定幅のゾーンマーカの位置を移動させて表示させるゾーンマーカ生成部(64)、及び該所定幅のゾーン内における波形の最大位置にピークマーカを表示させるピークマーカ生成部(61b)を有する表示制御部(60B)と、を備えた測定装置であって、前記マーカ操作は、前記表示部の前記測定波形を表示している波形表示領域に指針を置いて該指針を移動させる構成にされており、さらに、前記表示制御部は、前記マーカ操作の開始時の該指針の前記幅方向と異なる他の方向の位置から該マーカ操作により該他の方向へ移動した該指針の位置までの相対距離を検知して、前記データ表示制御部に対して該検知された該相対距離に応じて前記所定表示範囲を変更して表示させるとともに、該指針が幅方向へ移動したときの幅方向移動量を検知するスパン制御部(65)を備え、前記ゾーンマーカ生成部は、該スパン制御部が変更した該所定表示範囲の測定波形上に、検知された前記指針の前記幅方向移動量にしたがった位置に移動させて表示させ、前記ピークマーカ生成部は、変更された該所定表示範囲で、かつ移動して表示された前記ゾーンマーカの前記所定幅のゾーン内における波形の最大位置に前記ピークマーカを表示させる構成とした。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スパン制御部は、さらに前記ゾーンマーカの所定幅の中心位置を検知し、前記測定部は、該指示位置検出手段が検知した該ゾーンマーカの中心位置を中心に、前記所定表示範囲を検知された前記相対距離に対応する表示範囲に変更して表示させる構成とした。
【発明の効果】
【0014】
上記、請求項1、2に記載の本発明の構成によれば、操作者は、表示部の表示上で、指針を連続的に移動操作する中でゾーンマーカの所定幅と測定データの表示範囲との相対的な大きさを変更することでゾーンマーカの相対的なかつ実効的な分解能が調整できるので、複数あるピーク点を分離してゾーンマーカで捉えやすくなる。
また、マーカを連続的に移動操作するなかでゾーンマーカの相対的なかつ実効的な分解能がスムースに調整できるので、操作がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の機能・構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図であって、一表示例である。
【図3】図2と同じ表示例であって、第1の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図4】図2と同じ表示例であって、第1の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図であって、指針の初期位置の違いによる操作の違いを説明するための図である。
【図6】第1の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図であって、指針の初期位置の違いによる操作の違いを説明するための図である。
【図7】第1の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図であって、他の一表示例である。
【図8】第1の実施形態における動作フローを示す図である。
【図9】第2の実施形態の機能・構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態における波形マーカを操作するための表示形態を示す図である。
【図11】第2の実施形態における動作フローを示す図である。
【図12】第3の実施形態の機能構成を示す図である。
【図13】第4の実施形態の機能構成を示す図である。
【図14】第3の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図15】第3の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図16】第3の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図17】第3の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図18】第5の実施形態の機能構成を示す図である。
【図19】第6の実施形態の機能構成を示す図である。
【図20】第5の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図21】第5の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【図22】第5の実施形態における波形マーカについての動作・操作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここでは、マーカの移動量のコンロールに係る本発明について、測定装置の表示部の画面にセンサ機能を有するタッチパネルを用いた第1の実施形態、画面にセンサ機能の無い通常の表示装置を用いた第2の実施形態に分けて説明する。また、ゾーン内のピークマーカを複数のピークを分離して設定しやすくする本発明については、ゾーン幅を変更する例を第3、4の実施形態で、測定データ(測定部30で測定された測定波形)を表示する範囲である表示範囲を変更する例を第5、6の実施形態で説明する。
【0017】
請求項で記載のマーカ操作の対象は、第1、2の実施形態では指針(マーカ)を介して波形マーカを移動させることであり、第3〜第6実施形態では、指針(マーカ)を介してゾーンマーカを移動させることである。そして、第3〜第6実施形態では、自動的にゾーン内の波形の最大位置にピークマーカを位置させる。
【0018】
[第1の実施形態]
図1を基に第1の実施形態について説明する。測定部30は、ここでは、例えば、移動体通信機器等の被試験機器に信号発生部30aから実際の無線システムで規定される信号を送り、被試験機器からの信号を信号解析部30bで受信して、解析することにより、被試験機器を検査するものである。そのとき、受信した信号を時間領域で解析したり、周波数領域でその信号の周波数スペクトラムを解析することがある。そのような解析を行うとき、受信した信号、或いはそれらを変換した信号を表示部11に横軸を時間、縦軸をその時間におけるレベル(つまり測定波形の大きさ)とした時間領域座標で表される時間領域の測定波形100、或いは横軸を周波数、縦軸をその周波数におけるレベル(測定波形の大きさ)とした周波数領域座標で表されるスペクトラムの測定波形100として表示制御部20へ送り、表示制御部20でそれらを表示部11に表示させる。なお、本発明が適用可能な測定装置としては、上記の移動体通信機器を検査する測定部30を有するものに限らず、測定(撮影等も含む)して得られたデータを画像として表示し、その中に波形マーカ110を挿入して、その波形マーカ110の位置における画像特性を取得するもの、例えば、形状測定、流量測定、医用測定等の測定分野に適用可能である(第1〜第6の実施形態とも同じ)。但し、以下の説明では、測定波形を、横軸を解析の基準とする時間、周波数等、縦軸をそれらにおける測定波形の大きさで表される座標で展開されるデータとして説明する。
【0019】
表示制御部20内のデータ表示制御部21は、測定データ記憶部21aに、測定部30からの測定波形100を、測定されたときの横軸情報(例えば、横軸の時間、周波数等)をアドレスとしてその波形の大きさ(縦軸の位置に相当)を記憶する。そして、測定データ記憶部21aに記憶された測定波形100を、表示部11上の画面上に横軸―縦軸の座標とともに表示させる。
【0020】
マーカ生成部21bは、図2に示すような形態の波形マーカ110を生成するとともに、後記する指示量検知部22及び相対距離検知部23から得られる情報を基に横軸位置X1を決定し、かつその決定した横軸位置に相当するアドレスにある波形の大きさ(Y1)を測定データ記憶部21aから読み出し、表示部11に表示されている横軸―縦軸の座標上であって測定波形の上に、つまり座標(X1,Y1)に波形マーカ110を表示させる。図2(A)がその表示例である。なお、指示量検知部22からの情報が無い初期状態では、マーカ生成部21bが横軸の特定の初期位置を与えておく。この波形マーカ110の移動指示は、指針150によって行われる。波形マーカ110は、この例では指針150の横軸と平行な方向への移動に追随して、移動する。そして、指針150の縦軸方向への移動距離(相対距離)によって、波形マーカ110が指針150の移動に追随する距離(速度)が変わる。詳細を以下に説明する。
【0021】
指示量検知部22は、図2(A)に示すように表示部11の画面(測定波形100を表示する表示領域、つまり横軸―縦軸で示される座標が表示される領域、以下同様の意味である。)で指針150が横軸と平行な方向へ操作されたときの操作量(指針の移動量でもある)、例えば、操作者が指で画面のタッチパネルに触れてその触れる位置を横軸方向へ移動させるときはその指(指針)の移動量(操作量:以下、単に「移動量」と言ったときは、横軸方向への移動距離を示す。)と移動方向、或いは操作者がペン等で表示部11のタッチパネルに触れてその触れる位置を移動させるときはそのペン等の移動量と移動方向を検知する。この検知は指針150の移動時間に比較して速い処理サイクルで行われる。なお、第1の実施形態では、指、ペン等を指針150で説明する。
【0022】
規定情報記憶部24は、上記の指針150の移動量の大小に対して実際に波形マーカ110を移動させる波形マーカ110の移動変化量(以下「移動量」と言う。)の大小を表示部11の画面の縦軸方向の距離(後記する「相対距離」に該当)に対応づけて複数段階nに分けて規定し、その規定情報を記憶しておく。例えば、波形マーカ移動量=k×(指針移動量)/N;kは比例定数、Nは自然数、として、その自然数Nを複数段階nに分ける。規定情報記憶部24は、相対距離もn段階に分け、規定情報としての変化量H(N)=(波形マーカ移動量)/(指針移動量)=k/NのNに対する値を記憶しておく。以下では、k=1として説明する。例えば、1段階はH=1、2段階目はH=1/2、3段階目=1/3、・・と言うように記憶しておく(この例では、n=Nであるが、これに限らない)。
【0023】
相対距離検知部23は、表示部11の画面上で指針150の縦軸方向の初期位置を検知し、その後は、縦軸方向の上記複数段階のいずれかの段階にあるか検知する。初期位置の検知にあたって、相対距離検知部23は、指針150が最初に置かれたものであるかどうか検知し、最初におかれたときの縦軸方向の位置を基準位置として検知する。そして、基準位置に上記の複数段階nのいずれかの段階を割り当てる。例えば、基準位置に1段階目(変化量H=1)を割り当てる。その様子を図示したのが図5,図6の例である。図5では、相対距離検知部23は、指針150の基準位置(初期位置)を(図5の[1]の位置)が画面の上の方にあるのを検知したとき、その基準位置を1段階目(H=1)とし、それより下の位置になるにつれ、2段階目(H=1/2)、3段階目(H=1/3)、・・、6段階目まで、変化量Hを割当て規定する。図6では指針150の基準位置が低いため、基準位置から下位の3段回目まで規定される。なお、図5,図6で各段階が区分160で区分して示されているが、実際はこの区分160は、表示されない(表示しても良い)。相対距離検知部23は、指針150が最初に置かれたものであるかどうかの検知は、例えば、波形マーカ110をオン・オフするスイッチがあって、そのスイッチのオン後に最初に配された指針150を最初の指針150であると認識することができる。なお、指針150の縦軸方向への移動時の各段階の区切りの認識は、例えば、連続した縦軸方向への移動したときをk段階目とし、次に、横軸方向への連続した移動の後の連続した縦軸方向への移動をk+1段階目の移動と認識しても良いし、連続した縦軸方向への移動をk段階目とし、所定時間経過後或いは所定時間停止後(例えば、0.2秒後)の連続した縦軸方向への移動をk+1段階目の移動と認識するようにしても良い。
【0024】
相対距離検知部23は、基準位置に上記の複数段階nのいずれかの段階を割り当てた後、相対距離検知部23は指針150が基準位置より縦軸方向へどの程度移動したかを検知する。つまり相対距離を検知する。そして、相対距離が複数段階nのいずれに相当するか検知し、その段階に対応する変化量Hを規定情報記憶部24から読み出し、マーカ生成部21bへ送る。例えば、図5の指針150が図5の[1]の位置から[2]の位置へ下がった時の相対距離YLの段階nが3段階目であるからこの段階(n=3)での変化量Hを規定情報記憶部24からH=1/3を読み出し、これをマーカ生成部21bへ送る。なお、図5,図6の例では、指針150の初期位置から下部方向だけ、変化量が減衰する方向へ割り当てているが、併せて初期位置から上部方向へ増加するようにしてもよい。ただ、一般に、波形マーカ110を目標点に合わせるためには、減衰する方向を規定するだけで十分であろう。また、上部方向の相対距離に応じて減衰させることもできるが、指針150の位置が下がるにつれ、変化量Hの減衰が大きくなる方が操作上の違和感が少ないであろう。
【0025】
再び、上記マーカ生成部21bに戻って説明する。マーカ生成部21bは、現在の波形マーカ110の横軸位置を記憶している。そして、指針150が相対距離(縦軸の位置)を変えないまま(例えば、上記n=3の段階)で横軸方向へ移動したとき(図5の指針150の位置[1]、[2]、[3]の動きを参照)、その指針150の移動量と移動方向を指示量検知部22から受けて、その移動量と相対距離で定まる変化量Hとから波形マーカ移動量を求める。つまり、波形マーカ110の横軸位置を波形マーカ移動量=H(例えば、n=3とすれば1/3)×(指針150の移動量)と決定する。そして、指針150が移動した方向に、その求めた波形マーカ移動量だけ、上記の現在の波形マーカ位置の移動させた横軸位置であって、その横軸位置の測定データ記憶部21aにある波形の大きさで示される縦軸位置に、波形マーカ110を表示する。
【0026】
上記した、一連の動作「指針150の縦軸方向への移動―相対距離の検知―変化量の決定、及び指針150の横軸方向へ移動―指示量検知部22による指針150の移動量の検知―マーカ生成部21bによる波形マーカ110の位置決定及びその表示」は、指針150の移動中に上記した速い処理サイクルで行われて、波形マーカ110の位置が順次更新される。したがって、指針150の移動と波形マーカ110の移動とは、移動量(距離)が異なるものの時間差は少なく、操作によって波形マーカ110を違和感無く移動させることができる。
【0027】
したがって、見方変えれば、同じ時間に指針150の移動量(距離)が大きく、波形マーカ110の移動量(距離)が少ないので、指標150の複数段階は、波形マーカ110の移動速度を複数段階に区分けし、相対距離検知部23及びマーカ生成部21bは、波形マーカ110の移動速度を決定しているとも言える。つまり、それぞれの移動量(距離)を速度(Vm、Vs)で表せば、波形マーカ移動量=Vm・t、指針移動量=Vs・tになる。したがって、上記変化量H(N)=(波形マーカ移動量)/(指針移動量)=Vm・t/Vs・t=Vm/Vs=k/Nで表せる。このような理由で、特許請求の範囲における「移動量」には、距離的、速度的、双方の概念を含む表現をしている。ただし、各実施形態の説明には、距離としての移動量で説明する。
【0028】
実際の、第1の実施形態の一連の動作及び波形マーカ110の動きを、図8及び図2〜図4を基に、図8のステップ順に説明する。
【0029】
ステップS1;タッチパネル構造の表示部11に、測定部30で測定された測定波形100を生成して表示させ、かつ規定情報記憶部24は、例えば予め6段階の変化量Hを、相対距離を区分けした段階n=1、2、3、4、5、6に応じて、例えば、変化量H=1、1/2、1/3、1/4、1/5、1/6、を記憶している。
ステップS2;波形マーカ110を設定するマーカ用スイッチがオン(Marker on)になっている状態で、マーカ生成部21bは、波形マーカ110を生成して予め決めた初期位置に表示させる。
【0030】
データ表示制御部21は、マーカ生成部21bが波形マーカ110の位置に相当する測定波形100の横軸の値(例えば、時間又は周波数)と縦軸の値(例えば、その時間における波形の大きさ、又はその周波数における波形の大きさ)を読み出して、表示する。図2(A)の測定値140を参照。以下、波形マーカ110の位置が更新される毎に測定値140も更新される。
【0031】
ステップS3;操作者は指針(指)150を図2(A)のように画面上部の位置[1]に配し、横軸方向へ移動させる。
ステップS4;相対距離検知部23は、マーカ用スイッチがオン後に最初に配された最初の指針であるかどうかを判断する。最初の指針150の場合は、ステップS5の動作を行った後にステップS6の動作を行う。最初の指針150であると検知した後、次に検知される指針150は、最初の指針150でないものとして、ステップS6の動作を行う。
ステップS5;最初の指針150の縦軸方向の初期位置[1]を基準位置(図3の(A)の初期位置(基準位置)Y0を参照)として記憶するとともに、その位置[1]にn=1の段階を割当て、規定情報記憶部24から変化量H=1を読み出してマーカ生成部21bへ送る。
ステップS6;相対距離検知部23は、指針150の移動が縦軸方向であるか、横軸方向であるかを検知し、前者であればステップS7へ、後者であれば、ステップS8へ進む。図2(A)では、横軸方向へ移動しているのでステップS8へ進み指示量検知部22が指針150の移動量を検出している。
ステップS7;相対距離検知部23は指針150が縦軸方向のへ移動しておればその基準位置からの相対位置を求め、その相対距離に対応した段階の変化量を規定情報記憶部24から読み出して、先の変化量H=1に代えてマーカ生成部21bへ送り、ステップS6へ戻って次の横軸方向への移動がくるのを待つ。図2(A)では横方向の移動であるからこのステップS7は行われないので、変化量H=1のままである。
ステップS8;マーカ生成部21bは、図2(A)のような横軸方向への指針150の移動量を指示量検知部22から受け、かつ、そのときの変化量H=1を相対距離検知部23から受けて、波形マーカ移動量=(指針150の図2(A)の位置[1]から図2(B)の位置[2]までの移動量)×H(=1)を求めて、その求めた横軸位置に波形マーカ110を移動させる(図2(B)の波形マーカ110の位置を参照)。
2巡目ステップS2、S3、S4,S6;図2(B)では波形マーカ110が目標点130を超えて行き過ぎてしまった例である。そこで、図2(B)のように波形マーカ110が表示されているとき(2巡目ステップS2)、図3(A)のように指針150を[2]の位置から[3]の位置へ下げる(2巡目ステップS3)。この操作による指針150は最初の指針150ではなく(2巡目ステップS4―No)、かつ縦軸方向への移動である(2巡目ステップS6―縦)から相対距離検知部23は指針150の基準位置(初期位置Y0)からの相対位置YL1を求め、その相対距離YL1に対応した段階の変化量を規定情報記憶部24から読み出す。位置[3]が相対距離の3段階(n=3)に相当するとすれば、読み出した変化量H=1/3を先の変化量H=1に代えてマーカ生成部21bへ送り、ステップS6へ戻って横軸方向への移動を待つ(2巡目ステップS7)。
3巡目ステップS3、S4、S6、S8;更に操作により波形マーカ110を目標点130日に近づけるため、次に指針150を図3(A)の位置[3]から図3(B)の位置[4]へ横軸方向へ移動したとき(3巡目ステップS3)、これは最初の指針150ではなく(3巡目ステップS4―No)、かつ縦軸方向への移動である(3巡目ステップS6―横)から、指示量検知部22は、指針150の横軸方向の移動量を検知する。そして、マーカ生成部21bは、横軸方向への移動量を指示量検知部22から受け、かつ、そのときの変化量H=1/3を相対距離検知部23から受けて、波形マーカ移動量=(指針150の位置[3]から位置[4]までの移動量)×H(=1/3)を求めて、その求めた横軸位置に波形マーカ110を移動させる(図3(B)の波形マーカ110の位置を参照)。
以降の多巡回ステップS2〜S8;さらに、指針150を図4(A)の位置[4]から位置[5]へ、さらに図4(B)の位置[6]へ移動させた場合、上記の2巡目ステップ、3巡目ステップを繰り返す。この場合図4(A)の位置[5]が相対距離YL2が5段階目(n=5)であれば、波形マーカ110の波形マーカ移動量=(位置5から位置[6]への移動量)×変化量H(=1/5)となる。このようにして、指針150の操作量に対する波形マーカ移動量を1/1、1/3、1/5と、順に変更できるので、目標点130へ波形マーカ110を容易に合わせることができる(図4(B)を参照)。そして、波形マーカ110の位置におけるレベル、時間等の測定値140が読み出される。上記のように、その単一的に指針150の操作方向を変えることで、ギヤチェンジが可能なので、非常に操作しやすい。
【0032】
上記の各ステップの動作は、ステップS3による指針150の移動中に所定の速い処理サイクルで動作する。したがって、指針150の移動と波形マーカ110の移動とは即座に対応しているように視覚できる。
【0033】
上記動作を簡単に纏めると、例えば、図2(A)で指針150を移動させた結果、波形マーカ110を指針150の移動量に対して1/1の速度(移動量)で移動させ、その結果、波形マーカ110が図2(B)のように目標点を通り過ぎた位置に表示されたとする。次に、操作者は、指針150を下げて図3(A)のように基準点から3段階目に置いて、目標点側へ移動させる。そうすると波形マーカ110は指針の移動量に対して1/3の速度(移動量)で、図3(B)のように移動することになる。1/1の移動速度(移動量)に比べより調整しやすくなる。さらに、細かく微調整したい場合は、図4(A)のように指針150をさらに5段階目に位置させた状態で移動させることで、波形マーカ110を指針150の移動量に対して1/5の速度(移動量)で、図4(B)のように目標点130に合わせることができる。
【0034】
[第2の実施形態]
ここでは、図1の第1の実施形態がタッチパネルを用いていたのに対して、図9の構成による第2の実施形態は、画面にセンサ機能の無い通常の表示装置を用いた形態の場合である。タッチパネルの場合はタッチパネルそのものが操作者の指やペンでの操作をセンシングでき、かつ操作内容が視認できる構成であるが、第2の実施形態の場合は、操作者の指やペンの代わりに画面で視認できる指針マーカ150aを表示させるとともに、その指針マーカ150aを操作部42からの操作で移動可能にすることで、第1の実施形態と同様の機能、効果を得ようとするものである。
【0035】
以下、図9を基に第1の実施形態と異なった点を中心に説明する。図9で図1と同一符号の構成は同一機能を有する。
【0036】
図9のユーザI/F部40と表示制御部50が、それぞれ、図1のユーザI/F部10と表示制御部20に該当するが、一部において異なる。
【0037】
図9の実施形態では、ユーザI/F部40の表示部41が、図1の表示部11の指針150の代わりなるものとして指針マーカ150aを表示する。その指針マーカ150aを移動させるのは、操作者が操作する操作部42におけるマウス等である。表示制御部50の指針マーカ生成部25が、指針マーカ150aを生成するとともに、操作部42におけるマウス等の動きをエンコーダでコード化した操作量として受けて、その操作量に応じて指針マーカ150aを移動させる(図10の矢羽マークを参照)。
【0038】
図9の指示量検知部22は、操作部42のマウス等の操作量を指針マーカ生成部25から画面の横軸方向への移動量を受けて検知することになる。指針マーカ生成部25が指針マーカ150aを画面上で横軸方向へ移動させる量がそのまま指針マーカ150aの移動量となる場合は、必ずしも指示量検知部22は必要ではない(図9の指示量検知部22が点線枠で囲んである理由)。また、図9の表示制御部50の相対距離検知部23は、指針マーカ生成部25がマウス等の移動操作による操作量だけ画面の縦軸方向へ移動させた指針マーカ150aの位置情報を受けて相対距離(段階)を検知して、規定情報記憶部24からその検知した相対距離(段階)に対応した変化量Hを特定してマーカ生成部21bへ送る。
【0039】
その他の構成は、第1の実施形態と同じである。第1の実施形態の説明における指針150を指針マーカ150aと言い換えれば、構成・動作は同じであるので、他の説明を省略する。
【0040】
第1の実施形態の表示例である図2(A)に対応して、第2の実施形態の表示例を図10に示す。指針150が指針マーカ150aに代わっただけである。
【0041】
また、第2の実施形態の一連の動作を示すフローを図11に示す。図11と図8とは、図8における「指針」を「指針マーカ」に読み替えている点、及び、ステップS2aで指針マーカ150aを表示し、移動させる点で、異なる。図11でその他ステップの動作は、図8と同じなので、説明を省略する。
【0042】
(変形例1)
上記の場合は、いずれも表示部11の画面の座標の縦軸に平行方向に相対距離を設定し、指針(マーカ)の基準位置からの相対距離に応じて変化量Hを設定しておき、指針(マーカ)の横軸方向の移動量を変化量Hで規定した量で波形マーカ110を移動させる構成としていたが、変形例としては、その縦軸、横軸の関係を逆にしても良い。つまり、図7に示すように、画面の横軸に平行な方向に基準点からの相対距離YLを設定し、縦軸方向への移動量を相対距離に対応する変化量Hで規定した量で波形マーカ110を移動させる構成であっても良い。これは、上記の第1、第2の実施形態のいずれにも適用できる。
【0043】
(変形例2)
上記第1の実施形態で基準位置を、指針150がマーカ用スイッチがオンされた後に最初に配された位置としてきたが、表示部11がタッチパネルの場合、指針150がタッチパネルから離れた後に、次にタッチパネルに接触した位置を基準位置とすることもできる。つまり指針150がタッチパネルから離脱し、再タッチするごとに、基準位置をリセット、更新する構成としても良い。この場合は、相対距離検知部23が、指針150の離脱、再タッチを検出して都度、基準位置を更新することで、対応できる。
【0044】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、幅が可変なゾーンマーカ170を有し、第1の実施形態における波形マーカ110をそのゾーンマーカ170内の測定波形100のピーク点に表示されるピークマーカ180としての機能を持たせたものである。ただし、直接に操作者が操作対象とするのは、上記のようにゾーンマーカ170である。
【0045】
図12を基に第3の実施形態について説明する。図12で、図1,図9と同一符号を付した要部は、同一機能を有する。
【0046】
表示制御部60内のデータ表示制御部61は、測定データ記憶部61aに、測定部30からの測定波形100を、測定されたときの測定時間範囲における時間情報(横軸の位置に相当)をアドレスとしてその波形の大きさ(縦軸の位置に相当)を記憶する。そして、測定データ記憶部61aに記憶された波形データを、表示部11上の画面上に横軸―縦軸の座標とともに測定波形100として表示させる(図14を参照)。なお、表示部11は、タッチパネルで構成されているとして説明する。そして、マーカ操作(後記する170の移動操作)は第1の実施形態と同様に指針として指を用いる形態で説明する。
【0047】
ゾーンマーカ生成部64は、装置がスイッチオンされたときはデフォルトの位置と幅で、その後は後記する位置検知部63aからの指示に従った位置(以下、「ゾーン位置」と言う。)と幅(以下「ゾーン幅」と言うことがある。)のゾーンマーカ170を生成して、表示部11に表示させる。この場合、指定されたゾーン位置(ゾーンのセンター位置)を中心にゾーン幅を変更する。図14に所定幅のゾーン幅を有する棒状のゾーンマーカ170の例を示す。
【0048】
ピークマーカ生成部61bは、位置検知部63aから(或いはゾーンマーカ生成部64から)ゾーン位置とゾーン幅の情報を受けて、そのゾーン位置とゾーン幅の情報に該当する時間位置及び時間幅を算出して、その時間位置及び時間幅における測定波形100の測定データを測定データ記憶部61aから読み出して、そのゾーン幅内における測定波形100のピーク値を求める。そして、その測定波形100のピーク位置にピークマーカ180を生成して表示させる(図14の▽印を参照)。なお、データ表示制御部61は、その測定時間範囲を表示部11の表示面の物理的なフルスケール範囲(例えば、512ドット)に割り振って表示させる。一方で、ゾーン位置及びゾーン幅は、表示部11の表示面の物理的な位置、範囲であるので、ピークマーカ生成部61bは、ゾーン位置及びゾーン幅を受けて、測定データ記憶部61aに記憶されている測定時間範囲を参照して時間の位置及び幅に換算している。
【0049】
規定情報記憶部63bには、出荷前、或いは測定前に、予め、指針150の縦方向への複数段階n(後記する、相対距離に相当する。)に分けて、ゾーン幅の変化量Hw(変化の割合)を記憶しておく。例えば、第1の実施形態における段階と同様に、6段階に分け、指針150の位置が下がる程、変化量Hw=1/1、1/2、1/3、1/4、1/5、1/6というようにゾーン幅が狭くなる値を記憶しておく(6段階に限らない。連続的であっても良い。又、段階的に識別表示しても良い。さらにゾーン幅の広狭方向は、上記と逆であっても良い。)。また、割合である変化量Hwで規定しているが絶対値、例えば、1段階目は、(横軸の物理的フルスケール範囲)/10(例えば50ドット)、2段階目は(横軸の物理的フルスケール範囲)/20(例えば、25ドット)、・・・というように決めても良い。以下では、変化量Hwで説明する。
【0050】
ゾーン制御部63の位置検知部63aは、図14に示すようにタッチパネルの表示部11の画面(波形データを表示する表示領域、つまり横軸―縦軸で示される座標が表示される領域、以下同様の意味である。)上の、上記ゾーンマーカ170を移動させるために、指針150が操作されたときのゾーン幅方向への移動量(横軸方向の移動量;以下「幅方向移動量」と言う。)と縦軸方向の位置とを検知する。例えば、操作者が指で画面のタッチパネルに触れてその触れる位置(指針150の位置)を移動させるときのその指(指針)の幅方向移動量と縦軸位置とを検知する。この検知は指針150の移動時間に比較して速い処理サイクルで行われる。なお、第3の実施形態では、指、ペン等を指針150で説明する。
【0051】
そして、位置検知部63aによる縦軸位置の検知にあたっては、第1の実施形態の相対距離検知部23と同様に、表示部11の画面上で指針150の縦軸方向の初期位置を検知し、その後は、上記複数段階のいずれかの段階にあるか検知する。つまり、次のような処理を行う。位置検知部63aは、指針150が最初に置かれたものであるかどうか検知し、最初におかれたときの縦軸位置を基準位置として検知し記憶する。そして、基準位置に上記の複数段階nのいずれかの段階を割り当てる。例えば、基準位置に1段階目(変化量H=1)を割り当てる(図5,6を参照。図5,6は、第1の実施形態用の図であるが、変化量の割当のしかたは第3実施形態でも同じ)。図5の場合では、指針150の初期位置(図5の[1]の位置)を基準位置として1段階目(変化量Hw=1)とし、それより下の位置になるにつれ、2段階目(Hw=1/2)、3段階目(Hw=1/3)、・・、6段階目までの相対位置(段階n)を割り当てることによって、ゾーン幅の変化量Hwを割当て規定する。図6の場合では指針150の初期位置が低いため、初期位置から下位の3段回目まで規定される。位置検知部63aは、指針150が最初に置かれたものであるかどうかの検知方法、縦軸位置の検知方法は、第1の実施形態の相対距離検知部23による検知と同様である。
【0052】
初期位置を検知後、位置検知部63aは、初期位置を基準位置として上記の複数段階nのいずれかの段階を割り当てた後、相対距離検知部23は指針150が基準位置より縦軸方向へどの程度移動したかを検知する。つまり相対距離を検知する。そして、相対距離が複数段階nのいずれに相当するか検知し、その段階に対応する移動の変化量(割合)Hwを規定情報記憶部63bから読み出し、ゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。このとき、位置検知部63aは、指針150の幅方向移動量も検知し、上記の変化量Hwとともにこの幅方向移動量を、ゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。例えば、図5の場合では、指針150が図5の[1]の位置から[2]の位置へ下がった時の相対距離YLの段階nが3段階目であるからこの段階(n=3)での変化量Hwとして規定情報記憶部63bからHw=1/3を読み出し、これをゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。そして、指針150の横軸方向の幅方向移動量も検知し、上記の変化量Hwとともにこの幅方向移動量を、ゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。
【0053】
そうすることにより、ゾーンマーカ生成部64は、表示部11上で、上記したように位置検知部63aからデフォルトのゾーン幅に指示された変化量Hwをかけたゾーン幅のゾーンマーカ170を生成し、位置検知部63aから指示された幅方向移動量に対応するゾーン位置に配置する。一方、ピークマーカ生成部61bは、位置検知部63aから指示された幅方向移動量に対応するゾーン位置で決定される時間位置(横軸位置)を中心に、デフォルトのゾーン幅に指示された変化量Hwをかけたゾーン幅に相当する時間幅内の測定波形100の波形データを測定データ記憶部61aから読みだして、その読みだされた波形データの中から最大値を示す波形位置を求めて、その波形位置にピークマーカ180を付して表示させる。
【0054】
なお、指針150で変更指示してから、ゾーンマーカ170及びピークマーカ180が変更された位置に表示される迄の時間は、速いスピードで処理されるので、操作者は、ゾ−ンマーカ170のゾーン幅及びゾーン位置の変更をし、その結果を違和感無く(スムースに)知ることができる。
【0055】
次に図14から図17の表示例を参照しながら、使用方法を含む一連の動作を説明する(一部は、上記説明と重なる)。
【0056】
図14は横軸が測定時間で縦軸が測定波形100の大きさを示す。ここでは、図14のゾーンマーカ170の位置から測定したい目標点130(○印)にセットするまでの動作を説明する。図14は、ゾーンマーカ生成部64がデフォルトとして所定のゾーン位置に所定幅のゾーン幅を有するゾーンマーカ170を表示し、ピークマーカ生成部61bがそのゾーン位置及びゾーン幅内の測定波形100のデータのピーク位置をサーチして、その位置にピークマーカ180を表示している状態である。
【0057】
操作者が、図14において、指針150(指)を表示面(図14の[1]位置)に置いて、目標点130に向けて移動させる。位置検知部63aは、置かれたその指針150の縦軸位置を検知しその位置を基準位置(1段階目)として記憶するとともに、指針150の横軸方向へ幅方向移動量を検知する。そして、1段階目の変化量Hw=1/1を規定情報記憶部63bから読み出して、ゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。ゾーンマーカ生成部64は変化量Hw=1/1であるからゾーンマーカ170の幅をデフォルトのゾーン幅のままにし、次に指針150が横軸方向へ移動したとき、位置検知部63aが検知した幅方向移動量に応じたゾーン位置(図15の[2]の位置)へゾーンマーカ170を移動させる。ピークマーカ生成部61bは移動先のゾーン位置(図15の[2]の位置)でデフォルトのゾーン幅に相当する時間幅内の測定波形100の波形データを測定データ記憶部61aから読みだして、その読みだされた波形データの中から最大値を示す波形位置を求めて、その位置にピークマーカ180を付して表示させる(図15の▽印)。
【0058】
図15では、ピークマーカ180が目標点の隣のピーク位置にあり、未だ目標点130へ行かないので、さらにゾーン幅を狭める必要がある。そこで操作者は、図15の指針150を[2]の位置から、図16の[3]の位置へ、つまり縦軸方向に2段階目(相対距離)に下げる。そうすると、位置検知部63aは、指針150の縦軸位置を検知し基準位置(1段階目)から2段階目の位置(相対距離)に在ることを検知する。そして、2段階目の変化量Hw=1/2を規定情報記憶部63bから読み出して、やはり検知した移動量に対応するゾーン位置(この場合、横軸方向の移動は行われていないのでゾーン位置は[2]と同じ。)と共にゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。ゾーンマーカ生成部64はデフォルトのゾーン幅に変化量Hw=1/2を掛けたゾーン幅にし、ゾーン位置(図15の[2]の位置)はそのままとする。ピークマーカ生成部61bはデフォルトのゾーン幅の1/2に相当する時間幅内の測定波形100の波形データを測定データ記憶部61aから読みだして、その読みだされた波形データの中から最大値を示す波形位置を求めて、その位置にピークマーカ180を付して表示させる(図16の▽印)。
【0059】
さらに操作者は、図16のように、指針150の横軸位置を移動させることで、ゾーン位置[3]([2]も同じ)の位置から、[4]の位置へ移動させ、ゾーン幅内に目標点130が入るように移動させる。この場合は、図5と同様に2段階目の変化量Hw=1/2そのままである。そうすることにより、ピークマーカ生成部61bは、新しいゾーン位置(図16の[4]の位置)におけるデフォルトのゾーン幅の1/2に相当する時間幅内の測定波形100の波形データを測定データ記憶部61aから読みだして、その読みだされた波形データの中から最大値を示す波形位置を求めて、その位置にピークマーカ180を付して表示させる(図17の▽印)。
【0060】
上記構成により、ゾーンマーカ170の幅をスムースに変更しながら移動させることができるので、目標点130近くにあるピーク点をスムースに分離して、ゾーンマーカ170により目標点130を捉えることができる。
【0061】
なお、上記第3の実施形態では、変化量Hwをデフォルト値に対する相対値である倍率示したが、絶対値であっても良い。倍率であれば、5段階で、Hw=1/1、1/2、・・・・、1/6と言うように、絶対値の場合は、横軸の測定時間幅(表示時間幅)に関係なく、横軸の物理的な表示ポイントがNポイントであれば、例えば、5段階として1段階目の幅Hws=N/10、2段階目の幅Hws=N/20、・・・、6段階目の幅Hws=N/60と言うようにして規定情報記憶部63bに記憶して置けば良い。
【0062】
[第4の実施形態]
図13を基に第4の実施形態について説明する。図13で、図1、図9、図12と同一符号を付した要部は、同一機能を有する。
【0063】
第4の実施形態は、第3の実施形態において、図13におけるユーザIF部40の表示部41をタッチパネルではない通常の表示部に変更したものである。それにしたがって、第3の実施形態で指針150を指として説明していたが、その指に代わるマーカとしての指針マーカ150aを操作部42から操作できる構成にしたものである。つまり、図13の表示制御部60A内の指針マーカ生成部67が、操作部42からのエンコーダ等(例えば、マウス)により操作者による操作量、方向を示す情報を受けて、その情報に沿った移動方向、位置に指針マーカ150aを生成して表示部42に表示させるとともに、その指針マーカ150aの移動方向、位置を位置検知部63aに知らせる。その他の動作は、第3の実施形態と同じなので説明を省略する。
【0064】
[第5の実施形態]
図18を基に第5の実施形態について説明する。図18で、図1、図9、図12、図13と同一符号を付した要部は、同一機能を有する。なお第5の実施形態も横軸が時間、縦軸がレベルで測定した例をもって説明する。
【0065】
第3の実施形態が、指針150の縦位置に応じてゾーンマーカ170の幅を変えて、測定波形100に対する指示分解能を変更していたのに対して、第5の実施形態は、ゾーンマーカ170の幅を一定幅にしたまま測定波形100を表示するときの表示範囲(「表示時間範囲」とも言える。)を変更することで、ゾーンマーカ170の測定波形100に対する指示分解能を変更することで、目標点130をピークマーカ180で捉えやすくしたものである。したがって、第3の実施形態と第5の実施形態では、指示分解能を良くするために制御する対象が異なるものの、相対的に、かつ実効的に同じ思想である。
【0066】
ただし、測定部30は、後記するように測定波形100を表示するときの横軸の表示時間幅の拡大/縮小に対応できるように、横軸の時間の細かさのデータ数を取得して、測定波形100の測定データとして測定データ記憶部61aに記憶させておくものとする。例えば、横軸を物理的な表示ポイント数をLとしたときの、表示時間幅を最小に縮小時(この場合、表示画像の横方向は拡大表示される。)の時間幅ΔTを表示するとし、最大Max倍に時間幅を拡大可能(画像としては縮小)にするためには、(ΔT/L)÷Maxより細かい細かさで、L×Max個以上のデータ数を取得しておく。上記の例で、表示時間幅が1/1から1/6まで6段階で変化するとすれば、Maxの時間幅が1段階目で、最小縮小時の時間幅が6段階目に相当する。
【0067】
また、表示部11をタッチパネルで構成した例が、第5の実施形態であり、通常の表示部で構成した例が、後記する第6の実施形態である。
【0068】
図18において、以下、図12との差違を中心に説明する。図18の表示制御部60B内のスパン制御部65内の規定情報記憶部65bには、出荷前、或いは測定前に、予め、上記の指針150(指)の縦軸位置に対応した、表示させるために測定データ記憶部61aから読み出す時間範囲(横軸における表示時間幅になる。スパン幅とも言われる。)を記憶しておく。例えば、縦軸位置の高い方から低い方にn段階に分け、指針150の位置が下がる程、表示時間幅が短くなる値(表示される画像の横軸方向が拡大される方向)を記憶しておく。規定情報記憶部65bに記憶される表示時間幅は、第3の実施形態と同様に、表示時間幅の変化量Hw(倍率)で規定しても良いし、絶対値(横軸の物理的な表示ポイント数)で規定しても良い。ここでは、変化量Hwで説明する。また、これらは表示時間幅で規定したが、画像の拡大/縮小で規定してもよい。この場合は、変化率Hwは1段階目6倍、2段階目が2倍、・・、6段階目が1倍というように、表示時間幅とは逆の関係になる。
【0069】
図18のスパン制御部65の位置検知部65aは、第3の実施形態の位置検知部63aがゾーンマーカ170の幅を決定する代わりに、表示時間幅(スパン)を決定する違いはあるが、他の動作は同じである。以下、簡単に説明する。図15に示すようにタッチパネルの表示部11の画面上で指針150が操作されたときの横軸方向の幅方向移動量と縦軸方向の位置とを検知する。例えば、操作者が指で画面のタッチパネルに触れてその触れる位置(指針150の位置)を移動させるときのその指(指針)の幅方向移動量と縦位置とを検知する。
【0070】
詳しくは次の通りである。位置検知部65aは、指針150が最初に置かれたものであるかどうか検知し、最初におかれたときの縦軸位置を基準位置として検知し記憶する。そして、基準位置に上記の規定情報記憶部65bに記憶されている複数段階nのいずれかの段階を割り当てる。例えば、基準位置に1段階目(変化量Hw=1)を割り当てる。その後、位置検知部65aは、指針150が基準位置より縦軸方向へどの程度移動したかを検知する。つまり相対距離を検知する。そして、相対距離が複数段階nのいずれに相当するか検知し、その段階に対応する変化量(割合)Hwを規定情報記憶部65bから読み出し、ピークマーカ生成部61bへ送る。このとき、位置検知部65aは、指針150の横軸方向の幅方向移動量も検知し、ゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。例えば、図21の指針150が[2]の位置から図22の[3]の位置へ下がった時の相対距離YLの段階nが3段階目であるからこの段階(n=3)での変化量Hwとして規定情報記憶部65bからHw=1/3を読み出し、これをゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。このとき、位置検知部65aは、指針150の横軸方向の幅方向移動量も検知し、上記の変化量Hwとともにこの幅方向移動量を、ゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部21bへ送る。
【0071】
ゾーマーカ生成部64は、一定の幅の縦長の棒状のゾーンマーカ170を生成し、位置検知部65aから指示された幅方向移動量だけ移動したゾーン位置(ゾーンマーカ170のセンターの位置)に表示する。一方、ゾーマーカ生成部64は、一定の幅の情報をピークマーカ生成部61bに送る。
【0072】
データ表示制御部61は、位置検知部65aが検知したゾーン位置に該当する時間位置を中心に、横軸を、デフォルトの表示時間幅を基に上記の位置検知部65aから受けた変化量Hwに相当する表示時間幅に変更し、縦軸を測定波形100の大きさとする座標と、測定データ記憶部61aに記憶されている測定波形100を表示部11に表示させる。ゾーンマーカ生成部64で生成された最新のゾーンマーカ170はこの表示部11に表示されている測定波形100上に表示される。データ表示制御部61は、例えば、上記のように変化量Hw=1/1〜1/6の範囲を採るとき、変化量Hw=1/1の場合はデフォルトの幅であって最大表示の時間幅6×ΔT(変化量Hw=1/1は、変化量Hw=1/6に対して6倍)で表示し、変化量Hw=1/6のとき最小表示の時間幅ΔTで表示する。
【0073】
ピークマーカ生成部61bは、測定データ記憶部61aから位置検知部65aが検知した移動量に対応したゾーン位置に該当する時間位置を中心(ゾーンマーカ170の中心位置)にゾーンマーカ生成部64から指示されたゾーンマーカ170の幅の時間範囲に該当するデータを読み出して、ゾーン幅内で最大値を示す波形位置をサーチし、その表示部11上のサーチした波形位置にピークマーカ180を表示させる。
【0074】
指針150(指)が移動してから、その指針150の縦軸位置、幅方向移動量を検知して最新のゾーンマーカ170及びピークマーカ180が表示されるまでの処理時間は短いので、操作者は違和感なく観察できる。
【0075】
次に図20〜22を基に、操作方法と併せて、一連の動作を説明する。
図20は横軸が測定時間で縦軸が測定波形100の大きさを示す。ここでは、図20のゾーンマーカ170の位置から測定したい目標点130(○印)にセットするまでの動作を説明する。図20は、ゾーンマーカ生成部64がデフォルトとして所定のゾーン位置に一定幅のゾーン幅のゾーンマーカ170を表示し、ピークマーカ生成部61bがそのゾーン位置及びゾーン幅内の測定波形100のデータのピーク位置をサーチして、その位置におけるピークマーカ180を表示している状態として説明する。
【0076】
操作者が、図20において、指針150(指)を表示面に置いて、目標点130に向けて移動させる。そのとき位置検知部65aは、指針150が最初に置かれたものであるかどうか検知し、最初におかれたときの縦軸位置を基準位置(図20の[1]の縦軸位置)として検知し記憶する。そして、基準位置に上記の規定情報記憶部65bに記憶されている複数段階nの1段階目(変化量Hw=1)を割り当てる。そして、操作者が、指針150(指)を図20の[1]位置から、目標点130に向けて横軸方向へ移動させている間、1段階目の変化量Hw=1/1を規定情報記憶部65bから読み出して、同時に検知している指針150の幅方向の移動量と共にゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。
【0077】
データ表示制御部61は、変化量Hw=1/1であるからデフォルトの時間幅のまま測定波形100を表示させる。ゾーンマーカ生成部64はデフォルトのゾーン幅で、指定された幅方向移動量に対応するゾーン位置(図21の[2]に相当する位置)へゾーンマーカ170を移動させる。ピークマーカ生成部61bは指定された位置(図21の[2]の位置)に相当する位置におけるデフォルトの時間幅内の測定波形100の波形データを測定データ記憶部61aから読みだして、その読みだされた波形データの中から最大値を示す波形位置を求めて、その位置にピークマーカ180を付して表示させる(図21の▽印)。
【0078】
図21では、ピークマーカ180が未だ目標点130へ行かないので、さらに表示時間幅を広める必要がある。そこで操作者は、図21の指針150を[2]の位置から、図22の[3]の位置へ、つまり縦軸方向に2段階目(相対距離)に下げる。そうすると、位置検知部65aは、指針150の縦軸位置を検知し基準位置(1段階目)から2段階目の位置(相対距離)に在ることを検知する。そして、2段階目の変化量Hw=1/2を規定情報記憶部65bから読み出して、検知した幅方向移動量に対応するゾーン位置(この場合、横軸方向のゾーン位置は[2]と同じ。)と共に、ゾーンマーカ生成部64及びピークマーカ生成部61bへ送る。データ表示制御部61は、デフォルトの時間幅(Hw=1/1の時の時間幅)に変化量Hw=1/2を掛けた時間幅(1/2倍)に相当する測定波形100の波形データを測定データ記憶部61aから読みだして表示させる(図22の波形、横軸の時間幅を参照)。ゾーンマーカ生成部64はゾーン位置(図22の[2]の位置)はそのままとする。ピークマーカ生成部61bはデフォルトの時間幅の1/2倍の時間幅内の測定波形100の波形データを測定データ記憶部61aから読みだして、その読みだされた測定波形100の中から最大値を示す波形位置を求めて、その位置にピークマーカ180を付して表示させる(図22の▽印)。図22では、目標点130にピークマーカ180が表示され、そのピークの波形位置における測定値が、画面の右サイドに数値として表示される。
【0079】
上記構成により、測定波形100の表示範囲をスムースに変更しながら移動させることができるので、相対的にゾーンマーカ170の指示解能を上げることにより、目標点130近くにあるピーク点をスムースに分離して、ゾーンマーカ170により目標点130を捉えることができる。
【0080】
[第6の実施形態]
図19を基に第6の実施形態について説明する。図19で、図1、図9、図12、図13、図18と同一符号を付した要部は、同一機能を有する。
【0081】
第6の実施形態は第5の実施形態において、図19におけるユーザIF部40の表示部41をタッチパネルではない通常の表示部に変更したものである。それにしたがって、第5の実施形態で指針150を指として説明していたが、その指に代わるマーカとしての指針マーカ150aを操作部42から操作できる構成にしたものである。つまり、図19の表示制御部60C内の指針マーカ生成部67が、操作部42からのエンコーダ等により操作者による操作量、方向を示す情報を受けて、その情報に沿った移動方向、位置に指針マーカ150aを生成して表示部41に表示させるとともに、その指針マーカ150aの移動方向、位置を位置検知部65aに知らせる。その他の動作は、第5の実施形態と同じなので説明を省略する。
【0082】
上記の第1〜第6の実施形態の各表示制御部は、上記説明の機能動作を行うプログラム及びそれを実行するCPU、及びデータを記憶するメモリを含んで構成される。各表示制御部は機能動作毎にブロック分けして説明しているが、各機能動作及びブロックを集合・離散させて動作させることも可能である。いずれにしても、本発明の主旨を実行する機能動作を実行する構成を有する限り、本発明の範疇である。
【0083】
なお、最後に、全実施形態を纏めると次のような構成にまとめることができる。つまり、操作部と表示部とを有するユーザI/F部と、被測定物又は被測定信号を測定する測定部と、前記測定部により得られた測定データに基づいて前記表示部に所定表示範囲の測定データを測定波形として表示させるデータ表示制御部、該測定波形上に前記ユーザI/F部からのマーカ操作に応じて所定方向に移動可能な波形マーカを重ねて表示するマーカ表示制御部を有する表示制御部とを備えた測定装置において、
前記表示制御部は、
前記波形マーカの前記表示範囲上での移動方向への実効的移動量(実効的変化量)を規定する規定情報を、前記マーカ操作による前記移動方向と異なる他の方向への第1の操作量に対応づけて記憶する規定情報記憶部と、
前記マーカ操作がなされたとき、該マーカ操作による前記移動方向とは異なる他の方向への第1の操作量、及び前記マーカ操作による前記移動方向への第2の操作量を検知する検知部とを備え、
検知された第1の操作量に対応する規定情報を読み出し、該読み出した規定情報で規定された前記実効的移動量と第2の操作量を基に、前記波形マーカを移動させることを特徴とする測定装置。
【0084】
この構成で、実効的移動量(実効的変化量)とは、第1、2の実施形態では、波形マーカ110の移動量(移動速度)であり、第3、4の実施形態では、表示時間範囲に対するゾーンマーカの幅であり、第5、6の実施形態では、ゾーンマーカの幅に対する表示時間範囲である。言い換えれば、第1、2の実施形態では、操作量に対する波形マーカ110の移動量(移動速度)の大小で、第3、4、5、6の実施形態では、表示時間範囲とゾーンマーカの幅の相対的な範囲(幅)の大小で、微調整、粗調整をコントロールしている。又、更に言い換えれば、実効的移動量(実効的変化量)とは、マーカ(波形マーカ、ゾーンマーカ)を移動して目標点へ設定するときの細かさ(いわば設定分解能)であるということもできる。
【符号の説明】
【0085】
10 ユーザI/F部
11 表示部
12 操作部
20 表示制御部
21 データ表示制御部
21a 測定データ記憶部
21b マーカ生成部
22 指示量検知部
23 相対距離検知部
24 規定情報記憶部
25 指針マーカ生成部
30 測定部
30a 信号発生部
30b 信号解析部
40 ユーザI/F部
41 表示部
42 操作部
50 表示制御部
60 表示制御部
60A 表示制御部
60B 表示制御部
60C 表示制御部
61 データ表示制御部
61a 測定データ記憶部
61b ピークマーカ生成部
63 ゾーン制御部
63a 位置検知部
63b 規定情報記憶部
64 ゾーンマーカ生成部
65 スパン制御部
65a 位置検知部
65b 規定情報記憶部
67 指針マーカ生成部
100 測定波形
110 波形マーカ
130 目標点
140 測定値
150 指針
150a 指針マーカ
160 区分線
170 ゾーンマーカ
180 ピークマーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部(12)と表示部(11)とを有するユーザI/F部(10)と、被測定物又は被測定信号を測定する測定部(30)と、前記測定部により得られた測定データに基づいて前記表示部に所定表示範囲の測定データを測定波形として表示させるデータ表示制御部(61)、表示される該測定波形上に前記ユーザI/F部からのマーカ操作に応じて所定幅のゾーンマーカの位置を移動させて表示させるゾーンマーカ生成部(64)、及び該所定幅のゾーン内における波形の最大位置にピークマーカを表示させるピークマーカ生成部(61b)を有する表示制御部(60B)と、を備えた測定装置であって、
前記マーカ操作は、前記表示部の前記測定波形を表示している波形表示領域に指針を置いて該指針を移動させる構成にされており、さらに、
前記表示制御部は、前記マーカ操作の開始時の該指針の前記幅方向と異なる他の方向の位置から該マーカ操作により該他の方向へ移動した該指針の位置までの相対距離を検知して、前記データ表示制御部に対して該検知された該相対距離に応じて前記所定表示範囲を変更して表示させるとともに、該指針が幅方向へ移動したときの幅方向移動量を検知するスパン制御部(65)を備え、
前記ゾーンマーカ生成部は、該スパン制御部が変更した該所定表示範囲の測定波形上に、検知された前記指針の前記幅方向移動量にしたがった位置に移動させて表示させ、
前記ピークマーカ生成部は、変更された該所定表示範囲で、かつ移動して表示された前記ゾーンマーカの前記所定幅のゾーン内における波形の最大位置に前記ピークマーカを表示させることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記スパン制御部は、さらに前記ゾーンマーカの所定幅の中心位置を検知し、前記測定部は、該指示位置検出手段が検知した該ゾーンマーカの中心位置を中心に、前記所定表示範囲を検知された前記相対距離に対応する表示範囲に変更して表示させることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate

【図19】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−18195(P2012−18195A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235184(P2011−235184)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【分割の表示】特願2009−175874(P2009−175874)の分割
【原出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)