説明

湾曲したゴルフパター

【課題】パットの意図したラインが見えやすく且つ機械的属性が向上するようゴルフパターを提供する。
【解決手段】ゴルフパターは、湾曲した本体(22)及び背丈が高く設計されたトウ(12)を有する。パターヘッド(1)は、ヒール(11)及びトウ(12)を備えたフェース部材(10)と、本体部材(20)とを有する。本体部材は、フェース部材に連結された状態でこれから後方へ延びる。本体部材の少なくとも一部は、クラブヘッドのヒールに向かって湾曲している。フェース部材は好ましくは、トウがヒールよりも大きな高さ寸法を有するよう傾斜している。本体部材も同様に、傾斜しているのがよい。本体部材は、フェース部材を貫通し、クラブヘッドの打撃フェース(17)の少なくとも一部を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブに関し、特に、本発明は、湾曲した本体及び背丈の高いトウを備えたゴルフパターに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドは、多種多様な形態及び作り、例えば、ウッドタイプ又はメタルタイプ、アイアンタイプ(ウエッジタイプクラブヘッドを含む)、ユーティリティタイプ、ハイブリッドタイプ、特別仕様タイプ及びパタータイプのスタイルで売られている。これらスタイルは各々、規定された機能及び構造を有している。本発明は主として、典型的にはゴルフボールを打ち、これに転がりながら進む経路を与えるために用いられるパターに関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パターには多くのスタイルがあり、かかるスタイルとしては、ブレード、槌型、ヒール−トウ重付け型及びTライン型パターが挙げられる。互いに異なるタイプのパターでは、互いに異なる利点が得られる。例えば、Tライン型パターは典型的には、フェースから後方へ延びる本体部材を有する。これは、ゴルファが、パットの意図したラインを見るのを助けると共に向上した機械的属性をもたらすことができる。さらに、公知のパターは、フェースの長さに沿って(ソールからトップラインまで)全体として一定の高さを有する。しかしながら、湾曲した本体部材又は、背丈の高いトウを備えた公知のパターは存在していない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、湾曲した本体及び背丈が高く設定されたトウを有するゴルフパターに関する。パターヘッドは、ヒール及びトウを備えたフェース部材と本体部材とを有している。本体部材は、フェース部材に連結された状態でこれから後方へ延びている。本体部材の少なくとも一部は、ゴルフクラブヘッドのヒールに向かって湾曲している。本体部材は、湾曲していない真っ直ぐな部分を有するのがよく、この真っ直ぐな部分は好ましくは、フェース部材のすぐ後方に0.5〜3インチ(1.255〜7.62cm)の距離にわたって延び、そしてこの真っ直ぐな部分は、湾曲した部分に移行している。変形例として、フェース部材の後方へ延びる本体部材は、全体が湾曲している。本体部材は、フェース部材を貫通して延び、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの少なくとも一部を形成している。
【0005】
本体部材の湾曲部分は、種々の手法で定量化できる。かかる一手法は、曲率半径によるものであり、この曲率半径は好ましくは、0.5インチ〜10インチ(1.255cm〜25.4cm)である。別のかかる手法は、フェース部材に垂直な第1の線と、本体部材の最も後方の端のところで本体部材の湾曲部分に接する第2の線のなす角度によるものである。この本体部材の角度は好ましくは、1°〜10°である。湾曲本体部分は、曲率半径が1つだけ存在するように一様に湾曲しているのがよく、或いは、湾曲本体部分は、多数の曲率半径が存在するように複合湾曲パターンを有してもよい。
【0006】
フェース部材は好ましくは、トウがヒールよりも大きな高さを有するよう傾斜している(角度がつけられている)。フェース部材の頂面と通常のアドレス位置のところでの水平面のなす角度は、好ましくは、1°〜10°である。本体部材は、好ましくは同様に傾斜しているのがよい。これら角度は好ましくは、互いから1/2度(0.5°)の範囲内、フェース部材角度から1/2度の範囲内、及びゴルフクラブヘッドのロフト角から1/2度の範囲内にある。
【0007】
本体部材は、好ましくは、フェース部材角度から1/2度の範囲内の角度でテーパしている。このテーパは、本体部材の下方又は後方部分又はこれら両方の部分のところにおいて、本体部材がヒールに向かう高さ寸法よりも本体部材がトウに向かう高さ寸法が大きいように頂面に沿って設けられているのがよい。
【0008】
ゴルフクラブは、ホーゼルを介してクラブヘッドに連結可能なシャフトを有する。ホーゼルは、フェース部材に対し、ロフト角、本体部材角度及び(又は)フェース部材角度から1/2度(0.5°)の範囲内にある角度をなすようフェース部材の頂面に対して傾斜しているのがよい。
【0009】
フェース部材は、好ましくはステンレス鋼で作られ、本体部材は、好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金で作られる。望ましいようにプレーする特性を達成するため、ゴルフクラブヘッドは、属性として重量を変更できるようになっているのがよい。例えば、フェース部材には重量を減少させる凹部を設けるのがよく、本体部材を少なくとも部分的に貫通して重量を減少させる穴を設けるのがよい。ウエイト部材をフェース部材、本体部材又はこれら両方に設けるのがよい。かかる空所、穴及びウエイト部材により、ゴルフクラブヘッド設計者は、所望の全体的クラブヘッド重量並びに所望の慣性モーメント及び望ましい重心の位置を達成することができる。
【0010】
添付の図面を参照して本発明を説明する。図中、同一の参照符号は、同一の要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施例の場合以外において又は別段の指定がなければ、数値による範囲、量、値及び百分率の全ては、「約」という用語が値、量、又は範囲に明記して併記されていない場合であっても、あたかも「約」という用語がその前に付けられているものとして読まれるのがよい。従って、相反する指定がなければ、以下の説明及び特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じてばらつきのある近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に制限しようとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁の数に照らして且つ通常の丸め法を適用することにより解釈されるべきである。
【0012】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、任意特定の例において記載された数値は、できるだけ正確に報告されている。しかしながら、どのような数値であっても、必然的にこれらそれぞれの試験測定に見られる標準偏差に起因した或る程度の誤差を本来的に含む。さらに、変化する範囲の数値範囲が本明細書に記載されている場合、列記した値を含むこれら値の任意の組合せを使用できることが想定されている。
【0013】
図1及び図3はそれぞれ、本発明のゴルフクラブヘッド1の上から見た斜視図及び下から見た斜視図であり、図2及び図4は、それぞれその分解組立て図である。クラブヘッド1は、2つの主要な構成要素、すなわち、フェース部材10及び本体部材20を有している。フェース部材10と本体部材20は、本体部材20がフェース部材10から後方へ延びるように互いに連結されている。図5で分かるように、本体部材20はクラブヘッド1のヒール11に向かって湾曲している。これにより、ゴルファは、適正なスイング経路を用いるための位置合わせツールが得られる。パッティングのストロークは、他のゴルフストロークと同様、ゴルファの体回りに旋回すべきである。スイングの円弧は、クラブライ角度(シャフトとクラブヘッドとの間の距離)によって定められ、ライが平らであればあるほどそれだけ一層スイング経路円弧が大きくなる。本体部材20が、湾曲しているので、ゴルファは、正確なスイング経路を用いることが促される。
【0014】
湾曲本体部材20は、種々の仕方で定量化できる。例えば、本体部材は、曲率半径Rを有するのがよく、この曲率半径は、0.5インチ〜10インチ(1.255cm〜25.4cm)であるのがよく、3インチ〜7インチ(7.62cm〜17.78cm)がより好ましい。代替的に又は追加的に、本体部材の曲率をフェース部材10に垂直な第1の線L1と湾曲本体部材20に接した第2の線L2とのなす角度αによって説明できる。線L1,線L2は、種々の位置に配置することができる。図示の実施形態では、第1の線L1は、本体部材20がフェース部材10と接合した本体部材の最も後方の部分のところで本体部材20の中点を通り、第2の線L2は、本体部材20の最も後方の端部のところで本体部材20に接している。線L1,線L2のなす本体部材の角度αは、1°〜10°であるのがよく、3°〜7°がより好ましい。この曲率の量により、ゴルファは適正なスイング経路に沿ってパットを行うのが促進されると共にクラブヘッド1に対する見栄えがよく且つ有益な外観が与えられたままになる。本体部材の曲率を定量化するこれら例示の手法のうちの1つが本明細書において用いられているが、当業者であれば、他の例示の手法並びに追加の手法を同様に用いることができることは認識されよう。
【0015】
本体部材20の少なくとも一部は、ヒール11に向かって湾曲している。すなわち、本体部材20は、湾曲部分22に加えて真っ直ぐな部分21を有するのがよい。真っ直ぐな部分21は、湾曲しておらず、好ましくは、フェース部材10のすぐ後方に延びている。フェース部材10の後方に向かって本体部材20沿いのある箇所で、真っ直ぐな部分21は、湾曲部分22に移行しており、それにより、上述した特徴が得られる。好ましくは、本体部材20の残部は、湾曲している。すなわち、好ましくは、フェース部材10の後方へ延びる本体部材20の全体は、真っ直ぐな部分21と湾曲した部分22の結合により形成されている。真っ直ぐな部分21がフェース部材10から後方へ延びる距離D1は好ましくは、0.5インチ〜3インチ(1.255cm〜7.62cm)であるのがよい。湾曲部分22が真っ直ぐな部分21を越えて延びる距離D2は、本体部材20の全長の関数であり、好ましくは、2〜4.5インチ(5.08〜11.43cm)であるのがよい。フェース部材10から後方へ延びる本体部材20の全長は好ましくは、2〜5インチ(5.08〜12.7cm)であるのがよい。注目されるべきこととして、熟練したゴルフクラブデザイナーは、本明細書において開示した利点を保ちながら、上述した寸法形状とは別の寸法形状を選択することができる。
【0016】
変形例として、フェース部材10から後方へ延びる本体部材20は全体が湾曲していてもよい。換言すると、真っ直ぐな部分21がフェース部材10から後方へ延びる距離D1は、0〜3インチ(0〜7.62cm)であるのがよい。本体部材20の曲率は、これは本体部材の全長の全てであるにせよその一部に過ぎないものであるにせよ、いずれにせよ、好ましくは一定の曲率を有する。すなわち、フェース部材10から後方へ本体部材20の全長に沿って延びるのがよい本体部材20の湾曲部分22は、一定の曲率半径Rを有する。これは、クラブヘッド1に美的に優れていて流れるような見た目を与えるのを助ける。しかしながら、変形実施形態は、本体部材の湾曲した部分22に沿って多数の曲率半径を備えた本体部材20を有してもよい。一例として、フェース部材10の最も近くに位置する湾曲部分22の第1の領域は、フェース部材10から遠くに位置する湾曲部分22の第2の領域よりも曲率半径が大きいのがよい。
【0017】
公知のパターは、フェースの長さに沿ってほぼ一定の高さ(ソールからトップラインまで)を有するが、大抵のアイアンタイプのゴルフクラブは、トウの高さがヒールの高さよりも大きいように傾斜したトップラインを有している。この不一致により、ゴルファは、アイアンの場合とほぼ同じアドレスにおける見た目をパターで達成するようパターのトウを持ち上げることができるものと思われる。しかしながら、このトウの持ち上げにより、パットのパットラインのねらいは、実際には、標的の左側に向けられる(これは、右利きのゴルファの場合であり、左利きのゴルファの場合は、パットラインのねらいは標的の右側に向けられる)。この現象は、パターのロフト角の結果である。この位置合わせ不良を無くすため、本発明の一実施形態は、フェース部材10が傾斜した頂面13を備えたパタータイプのゴルフクラブヘッド1を提供する。図6に示すように、フェース部材10は、トウ12のところの高さHTがヒール11のところの高さHHよりも大きいように傾斜した頂面又は上面13を有する。フェース部材10が傾斜していることによりパタートウ12がアイアンタイプのゴルフクラブヘッドと似た外観を有するので、ゴルファがアドレスでトウを持ち上げる可能性は低い。かくして、結果として得られたパットは、より正確であり、所望の結果を達成する可能性が高い。ヒールからトウへの方向におけるフェース部材10の全長は好ましくは、2〜5インチ(5.08〜12.7cm)である。
【0018】
図6に示すように、線L3は、表面13の延長線を示し、線L4は、水平面(クラブヘッド1がアドレス1にある場合)を示している。これらの線L3,線L4は、フェース部材角度βを形成し、このフェース部材角度βは、1°〜10°であるのがよく、3°〜7°がより好ましい。一実施形態では、フェース部材角度βはパターヘッドのロフト角(すなわち、アドレスでのクラブヘッドの打撃面と鉛直面との間に形成される角度)と調和(マッチ)し、フェース部材角度βはロフト角のプラス、マイナス1/2度(±0.5°)の範囲内にある。本体部材角度αとフェース部材角度βは、これらの角度が互いの1/2度以内にあるように、また、オプションとして、ロフト角の1/2度以内にあるように、調和しても良い。この角度調和により、クラブヘッドは流れるような、美感に優れた形状、外観を有する。
【0019】
図6に最も明確に示されているように、本体部材20も又、フェース部材10と同様に傾斜し又はテーパしているのがよい。すなわち、本体部材20の頂面は、トウ側がヒール側よりも大きな高さを有するように傾斜しているのがよい。好ましくは、本体部材20は、フェース部材10と同じ角度(フェース部材角度β)で傾斜している。本体部材20の下方後方部分も又テーパしているのがよい。例えば、図示のように、本体部材20の下方後方部分は、フェース部材10から遠ざかる方向に本体部材の頂面に向かって上方にテーパし又は傾斜しているのがよい(すなわち、テーパ角の水平成分は好ましくは、フェース部材10に実質的に垂直である)。これら本体のテーパ角は各々好ましくは、1°〜10°であり、ロフト角、本体部材角度α及び(又は)フェース部材角度βから1/2度の範囲内にあるのがよい。
【0020】
フェース部材10の好ましい構成材料としては、ステンレス鋼、例えば8802ステンレス鋼が挙げられ、本体部材20の好ましい構成材料としては、アルミニウム又はアルミニウム合金が挙げられる。所望の慣性モーメント(MOI)特性を達成するため、ウエイト部材を本体部材20及び(又は)フェース部材10内に設けるのがよい。例えば、ウエイト部材30を本体部材20の後方部分内に位置決めするのがよい。好ましい場所の1つは、フェース部材10の下方側部のうちで上述したテーパ領域である。ウエイト部材30の質量は、5〜30グラムであるのがよい。好ましくは、質量が次第に変わる複数個のウエイト部材30を設け、特定のゴルファの要望に応じて特定のウエイト部材30をこれらから選択する。例えば、質量が5グラム又は10グラムだけ異なるウエイト部材30を設けるのがよく、特定のゴルファにとって適した質量をクラブデザイナ又はクラブ仕上げ工によって選択される。このように、クラブヘッド1(及び結果として得られるゴルフクラブ)をゴルファの個々の要望に合わせて自由に設定できる。用いられる特定のウエイト部材30は、公知の仕方で、好ましくは、これが使用中容易には調節できないように取り付けられる。クラブヘッド1に対してしっかりとした感触が得られるようガスケット又はOリング31をウエイト部材30と共に設けるのがよい。同様に、1つ又は2つ以上のウエイト部材32をフェース部材10に設けるのがよい。
【0021】
フェース部材10がテーパしているために、本来的にトウ12により多くの材料が存在している。同じ理由で、クラブヘッド1の重心は、トウ12寄りに偏っており、これにより、ゴルファにはアイアンタイプのクラブと同様な感触を与えることができ、更に、適正なスイング面及び経路の達成が促進される。クラブヘッド1の全重量/質量を制御する手段として、クラブヘッドの設計にウエイト調節手段を組み込むのがよい。例えばトウ12から材料を除去するのがよく、それにより重量を減少させる凹部14が形成される。ウエイト部材32は、凹部14の少なくとも一部の中に位置決めされる。これら重量の抑制を一段と達成するため、ウエイト部材32は、ウエイトではなく質量の小さなインサートの形態を取ってもよい。この場合、フェース部材10それ自体の質量は、所望のMOIをもたらす。別の例示の重量減少手段としては、フェース部材10と本体部材20の接合部のところのフェース部材10の内面から材料を除去することが挙げられる。かくして、重量減少凹部15が、図2に示されている。注目されるべきこととして、フェース部材10と本体部材20との間の適正な連結を保証するのに十分な材料がフェース部材10に提供される。
【0022】
適当な全クラブヘッド重量を達成するのを一段と保証するため、重量を減少させる穴23を本体部材20に設けるのがよい。これら穴23は、本体部材20を完全に貫通してもよく、或いは、これら穴が空所を形成するよう本体部材20を部分的に通るに過ぎないものであってもよい。後者の場合、一対又は複数対をなす鏡像関係にあるキャビティが、本体部材20の各側に設けられる。2つのかかる穴(又は、キャビティの対)23は、図示の実施形態に示されている。これよりも多い数又は少ない数の穴23を使用してもよい。穴23の数はパタータイプの関数であるのがよい。例えば、標準型のパターには2つのかかる穴23を設けるのがよく、ベリー(belly )タイプのパターに関してはかかる穴23を1つ設けるのがよく、ロングパターについてはかかる穴23を設けないのがよい。ウエイト部材30,32は又、少なくとも1つにはパタータイプに基づいて選択されるのがよい。
【0023】
クラブヘッド1は、適正なスイング及びその結果としての所望のゴルフショットを一段と促進する標識を有するのがよい。例えば頂面13に又はこれに沿って照準又はねらい付けライン16を設けるのがよい。図示の実施形態では、ねらい付けライン16は、ヒールからトウの方向に延び、パットの意図した経路に実質的に垂直である。これは、ゴルファが所望の結果を目で見て達成するのを助ける。追加の例として、本体部材20の頂面に又はこれに沿ってスイング経路ライン24を設けるのがよい。スイング経路ライン24は、ゴルファが適正なスイング面及び経路を目で見て達成するのを助け、このスイング経路ラインは好ましくは、本体部材20の中央に位置決めされる。これら標識16,24が太い黒の線として図示されているが、当業者であれば、標識16,24は、種々の他の形態を取りうることは認識されよう。例えば、標識は、薄い線、互いに異なる色、線ではなくドットであってもよいことなどである。
【0024】
本体部材20は、クラブヘッドの打撃フェース又は打撃面17の少なくとも一部を形成するようフェース部材10を貫通して延びるのがよい。例えば図6に示すように、本体部材20は、最も前方の部分がフェース部材10の最も前方の部分と面一をなし、共同して打撃フェース17を形成するようフェース部材10に結合されている。これは、パターに対してしっかりとした感触及び結果としての所望のパットを確実にするのを助ける。防振材料の層35を打撃フェース17の付近でフェース部材10と本体部材20との間に位置決めするのがよい。この層35は、フェース部材10と本体部材20を結合するために用いられる接着剤又はエポキシの形態をしているのがよい。変形例として、層35は、フェース部材10と本体部材20の両方に結合された別個独立の部品、例えば、エラストマー、ポリウレタンなどであってもよい。
【0025】
ホーゼル40及びシャフト42を、公知の仕方で、クラブヘッド、フェース部材10又は本体部材20に取り付けるのがよい。かかるホーゼル40及び(又は)シャフト42を任意の仕方で、例えば真っ直ぐな状態、傾斜した状態又はずれた状態でクラブヘッド1に取り付けることができる。これについては、米国特許第6,334,818号及び米国特許出願第10/946,394号明細書を参照されたい。なお、これら特許文献を参照により引用し、これらの開示内容を本明細書の一部とする。傾斜状態のホーゼル40を用いる場合、このホーゼルは好ましくは、頂面13に対し、ロフト角、本体部材角度α及び(又は)フェース部材角度βから1/2度の範囲内の角度γをなす。ホーゼルに結合されているシャフトの角度を必要に応じて変更することができる。シャフト及び(又は)ホーゼルは、貫通設計のものであるのがよく、或いは、変形例として、クラブヘッドソールまで完全に貫通していなくてもよい。
【0026】
クラブヘッド構成部品は、公知の仕方で、例えばフライス加工により形成される。他の製造方法も又使用できる。これら構成部品は、公知の仕方で、例えば、機械的接続、接着剤又はこれらの組合せによって組み立てられる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態を上述したが、これら実施形態は例示として与えられているに過ぎず、本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、これら実施形態の形態及び細部における種々の変更例を想到できる。かくして、本発明は上述の例示の実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲の本発明の範囲及びこれらの均等範囲によってのみ定められるべきである。さらに、本発明の或る特定の利点を本明細書において説明したが、本発明の任意の特定の実施形態に従ってかかる利点を必ずしも全て達成できるとは限らないことは理解されるべきである。かくして、例えば、当業者であれば、本発明は、本明細書において教示され又は示唆された他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示された1つの利点又は利点の組合せを達成し又は最適化する仕方で具体化でき又は実施できることは認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のゴルフクラブヘッドの上から見た斜視図である。
【図2】図1のゴルフクラブヘッドの分解組立て図である。
【図3】図1のゴルフクラブヘッドの下から見た斜視図である。
【図4】図3のゴルフクラブヘッドの分解組立て図である。
【図5】図1のゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図6】図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ゴルフクラブヘッド
10 フェース部材
11 ヒール
12 トウ
13 頂面又は上面
16 照準又はねらい付けライン
17 打撃フェース
20 本体部材
21 真っ直ぐな部分
22 湾曲部分
30 ウエイト部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パタータイプのゴルフクラブヘッドであって、
ヒール及びトウを備えたフェース部材と、
前記フェース部材に結合され、前記フェース部材から後方に延びる本体部材とを有し、前記本体部材の少なくとも一部が前記ヒールに向かって湾曲されている、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記本体部材の前記湾曲部分は、0.5インチ〜10インチ(1.255cm〜25.4cm)の曲率半径を有する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記曲率半径は、3インチ〜7インチ(7.62cm〜17.78cm)である、請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記曲率半径は、前記湾曲部分全体を通じて一定である、請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記湾曲部分は、複数の曲率半径を有する、請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記フェース部材に対して垂直な第1の線と、前記本体部材の最後方端で前記本体部材の前記湾曲部分に接する第2の線とが、1°〜10°の角度をなす、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記角度が3°〜7°である、請求項6記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記フェース部材から後方に延びる前記本体部材は、全体が湾曲されている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記本体部材は、湾曲されていない真っ直ぐな部分を有し該真っ直ぐな部分は、前記フェース部材から後方に延び、前記湾曲部分は、前記真っ直ぐな部分から後方に延びる、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記真っ直ぐな部分は、前記フェース部材から0.5インチ〜3インチ(1.255cm〜7.62cm)の距離にわたって延びる、請求項9記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記フェース部材の上面は、前記トウが前記ヒールよりも大きな高さを有するように、角度がつけられている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記上面は、アドレス位置において、水平面に対して1°〜10°のフェース部材角度を形成する、請求項11記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記フェース部材に対して垂直な第1の線と、前記本体部材の最後方端で前記本体部材の前記湾曲部分に接する第2の線とが、前記フェース部材角度の0.5°以内にある本体部材角度を形成する、請求項12記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記本体部材角度及び前記フェース部材角度の0.5°以内にあるロフト角を有する、請求項13記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記フェース部材又は前記本体部材に結合されたホーゼルを有し、前記ホーゼルは、前記フェース部材に対して、前記ロフト角、前記本体部材角度及び前記フェース部材角度の0.5°以内にある角度を形成する、請求項14記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記本体部材の少なくとも一部は、前記フェース部材角度の0.5°以内の角度でテーパされている、請求項12記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記本体部材を少なくとも部分的に貫通して重量を減少させる穴が形成されている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記本体部材の後方部分に結合されたウエイト部材を有する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記ウエイト部材の質量が5グラム〜30グラムである、請求項18記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記本体部材が、前記フェース部材を通って延び、前記ゴルフクラブヘッドの打撃フェースの少なくとも一部を形成する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
前記フェース部材がステンレス鋼で作られ、前記本体部材がアルミニウム又はアルミニウム合金で作られている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項22】
前記フェース部材は、重量を減少させる1つ又は2つ以上の凹部を有する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−181708(P2007−181708A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−23532(P2007−23532)
【出願日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
【Fターム(参考)】