説明

漏電防止部

【課題】 結露による漏電を防止することができるようにする。
【解決手段】 本発明の漏電防止部1は、噴霧対象の液体をノズル2から液滴Dにして噴出させるとともに前記液体に対する相対的な高電圧が印加された電極3により該液滴Dを誘導帯電させるように構成された静電噴霧装置に設けられるものであり、電極3に電気的に接続された部分である高電位側部分としての防水用シール12と、該防水用シール12に繋がる沿面を通じての漏電に対して保護しようとする部分である漏電保護側部分としてのノズル2との間に設けられる。防水用シール12及びノズル2を繋ぐ沿面を分断するように延設された溝状の環状凹部35と、該環状凹部35の開口に対峙して該開口を狭める蓋状部36と、該環状凹部35における内面に設けられ、該環状凹部35の内部空間を加熱するヒータ34とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気を利用して薬液等の液体の噴霧を行う誘導帯電型・静電噴霧装置に設けられる漏電防止部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の静電噴霧装置における漏電防止部としては、特許文献1に記載された漏電防止部128,129を例示する(図7参照)。これらの漏電防止部128,129の作用は同様であるため、以下、漏電防止部128の作用についてのみ詳細に説明する。この漏電防止部128は、電極ホルダ104の底壁部内面から噴霧ノズル部102の周囲を囲うように突設された円環部131と、円環部131の開口部に対峙して該開口部の開口を狭めるように設けられた鍔部132を備えている。鍔部132は、噴霧ノズル部102の外周全体にわたって径方向へ突出したフランジ状に形成されてなっている。
【0003】
このように、円環部131内には、該噴霧ノズル部102の外周の全周にわたる環状凹部133がそれぞれ形成されている。この環状凹部133の内側には、液滴Dが入り込み難いので、環状電極103、電極ホルダ104等への液滴Dの付着による連続膜を環状凹部133で途切れさせるようにすることができる。このような作用により、漏電防止部128,129によれば、導電性を有する液滴Dを通じて環状電極103の高電位が噴霧ノズル部102や高電圧ケーブル112を伝って噴管111側に伝わることを防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−136289号公報(段落0022〜0024、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ビニールハウスなどの室内で噴霧作業を行っていると、漏電防止部128,129を備えているにも関わらず、漏電防止部128,129において漏電が発生することがある。そこで、本願の発明者らは、この原因について調査した結果、次のように、環状凹部133の内面に生じた結露が原因であることを突き止めた。
【0006】
環状凹部133の内面に結露が発生するパターンとしては、種々のものが想定されるが、例えば、室外の低温な場所から高温多湿な室内に静電噴霧装置を持ち込んだときに、高温多湿な空気が環状凹部133内に流れ込んで該環状凹部133の内面に結露が生じるパターンがある。しかも、室内で噴霧作業を開始すると、その時間の経過とともに、室内の湿度が上昇し、結露がより発生し易い状態になって行く。そして、この環状凹部133内の結露が成長すると、漏電防止部128の両側の連続膜を該結露が相互に連結し、漏電が発生するのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の漏電防止部は、
噴霧対象の液体をノズルから液滴にして噴出させるとともに前記液体に対する相対的な高電圧が印加された電極により該液滴を誘導帯電させるように構成された静電噴霧装置に設けられるものであり、
前記電極又はそれに電気的に接続された部分である高電位側部分と、該高電位側部分に繋がる沿面を通じての漏電に対して保護しようとする部分である漏電保護側部分との間に設けられる漏電防止部であって、
前記高電位側部分及び前記漏電保護側部分を繋ぐ沿面を分断するように延設された溝状の凹部と、
該凹部の開口に対峙して該開口を狭める蓋状部と、
該凹部における内面又は該蓋状部における前記開口への対峙面に設けられ、該凹部の内部空間を加熱するヒータと
を備えたものである。
【0008】
前記電気的に接続された部分とは、電気的に絶縁されていない部分であれば特に限定されず、導電性材料や半導電性材料で電気的に接続された部分を例示する。
【0009】
この構成によれば、前記ヒータで前記内部空間を加熱することにより、該空間を形成する表面(該環状凹部における内面や蓋状部における前記開口への対峙面)の表面温度を上げ、該表面に結露が発生することを防止でき、該結露による漏電の発生を防止することができる。
【0010】
前記漏電防止部としては、
前記ヒータは、前記凹部の略全長に渡って加熱するように構成された態様を例示する。
【0011】
この構成によれば、前記環状凹部の略全周に渡って結露の発生を防止することができ、結露による漏電の発生をより確実に防止することができる。
【0012】
前記ヒータは、次のように作動するように構成された態様を例示する。
(a)前記電極に高電圧が供給されているときに作動するように構成された態様。
(b)前記静電噴霧装置の周囲の湿度が所定値を超えているときに作動するように構成された態様。
(c)前記(a)及び前記(b)を組み合わせた態様。即ち、前記電極に高電圧が供給されているときであって、前記静電噴霧装置の周囲の湿度が所定値を超えているときに作動するように構成された態様。
【0013】
これらの構成によれば、消費電力を低減することができる。
【0014】
前記漏電防止部としては、次の態様を例示する。
(A)前記漏電保護側部分は、前記電極を支持する電極ホルダを介して前記高電位側部分に接続された前記ノズル又は/及びそれに前記液体を供給する噴管である態様。
(B)前記漏電保護側部分は、前記電極に対して高電圧を供給する高電圧ケーブルにおける反電極側である態様。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る漏電防止部によれば、結露による漏電を防止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態に係る静電噴霧装置における漏電防止部を示す断面図である。
【図2】同漏電防止部の斜視図である。
【図3】同漏電防止部のヒータを示す図であり、(a)は展開した状態の平面図、(b)は同状態の側面図である。
【図4】同漏電防止部の変更例を示す断面図である。
【図5】本発明を具体化した第二実施形態に係る静電噴霧装置における漏電防止部を示す断面図である。
【図6】本発明を具体化した第三実施形態に係る静電噴霧装置における漏電防止部を示す断面図である。
【図7】従来の漏電防止部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜図4は本発明を具体化した第一実施形態を示している。本例の静電噴霧装置は、噴霧対象の液体を液滴Dにして噴出するノズル2と、液滴Dの拡散範囲の外周に内周が近接するように配設された略環状の電極3と、ノズル2の基端側に対して電極3を支持する電極ホルダ4と、漏電防止部1とを備えている。なお、以下において、漏電防止部を含む静電噴霧装置の方向に関して「先端側」又は「基端側」というときは、特に断らない限り、ノズル2における液滴の噴出口側を先端側、その反対側を基端側とし、これらを基準にした方向を意味するものとする。
【0018】
ノズル2は、継手16を介して噴管9に接続されるように構成されており、該噴管9を通じて供給される噴霧対象の液体を液滴Dにして噴出するように構成されている。ノズル2は、非導電性材料又は導電性材料のいずれからなっていても構わない。本例のノズル2は、重量を軽量化するために樹脂製となっている。ノズル2の側面には、その径方向に突出するホルダ取付部15が設けられている。
【0019】
噴管9は、その一部が導電性材料からなるとともにアースされており、これにより前記液体がアースされるようになっている。前記液体をアースする態様としては、これに限定されず、該液体に接する他の導電性部位(後述するノズル2や、導電性材料で形成された、該液体の収容タンク等)や該液体中に浸けられた電極等をアースすることによる態様を例示する。
【0020】
電極3は、本例では円環状に形成され、ノズル2から噴出される液滴Dの拡散範囲の外側に近接するように配設されており、被覆導電体としての高電圧ケーブル5を介して電源部8から供給される高電圧(本例では約+6.3kV)が印加されるようになっている。高電圧ケーブル5は非導電性材料で被覆されている。電極3の形状は、略円環状であれば特に限定されず、一箇所が破断したC字状に形成された態様や、互いに導電体で接続された複数の部材を略円環状に配設してなる態様を例示する。
【0021】
電極ホルダ4は、電極3を防水状に密閉収容するように構成されるとともに、該電極3に接触した内面12aと、噴霧時に液滴Dが該電極3の電界により吸引されて付着し得る位置にある外面12bとを有した半導電性の部材としての防水用シール12を構成要素として備え、該防水用シール12以外の構成要素が非導電性の部材からなっている。そして、防水用シール12の外面に付着した液滴Dの電荷を、防水用シール12を介して電極3へ逃がすように構成されている。電極ホルダ4の基端側にはホルダ支持部31が突設されており、該ホルダ支持部31はホルダ取付部15を介してノズル2に取り付けられている。
【0022】
ホルダ支持部31は、ノズル2の中心軸と略平行に延びる筒状の支持体32と、該支持体32の外周に該支持体32と同軸に形成され、基端側が開口した有底の筒状部33と、該筒状部33内における支持体32の外周に装着された筒状のヒータ34とを備えている。このように、筒状部33内には、支持体32の外周の全周に渡って溝状の環状凹部35が設けられている。環状凹部35は、その奥行きが支持体32の長さ方向へ延びており、その開口部が支持体の長さ方向へ向いている。支持体32の基端側は、ノズル2のホルダ取付部15に形成された取付凹部15aに挿着されている。ホルダ取付部15には、環状凹部35の開口に対峙して該開口を狭める蓋状部36が設けられている。
【0023】
本発明の漏電防止部1は、高電位側部分と、該高電位側部分からの漏電に対して保護しようとする部分である漏電保護側部分とを繋ぐ沿面の途中部に設けられている。本例では、高電位側部分は、電極3に接触した内面12aと、噴霧時に液滴Dが該電極3の電界により吸引されて付着し得る位置にある外面12bとを備えた半導電性の防水用シール12であり、漏電保護側部分は、ノズル2である。そして、本例の漏電防止部1は、防水用シール12及びノズル2を繋ぐ沿面を分断するように延設された溝状の環状凹部35と、該環状凹部35の開口に対峙して該開口を狭める蓋状部36と、環状凹部35の内部空間を加熱するヒータ34とにより構成されており、これらの構成部材の少なくとも表面は、電気絶縁性材料からなっている。
【0024】
ヒータ34は、環状凹部35の略全周を加熱し、乾燥させるように構成されている。本例のヒータ34は、図3に示すように、金属(例えば、アルミニウム)で形成されたヒータ層34aと、該ヒータ層34aの両面に設けられた保護層34bとを備えたシートヒータが利用されている。ヒータ層34aは、屈曲線の繰り返しからなる金属膜のパターンを有しており、エッチングしたり、厚膜印刷したりすることによって形成されている。保護層34bは、耐熱フィルムからなっており、ヒータ層34aの両面を接着被覆するラミネート構造となっている。このシートヒータの厚さとしては、特に限定されないが、0.2〜1mm程度にすることを例示する。
【0025】
ヒータ34の実装方法としては、特に限定されないが、次の方法を例示する。
(1)直接型
図1に示すように、ヒータ34の表面が加熱すべき部分に直接露出するようにして、直接的に伝熱する実装する方法である。同図の構成では、ホルダ取付部15への取付前のホルダ支持部31の支持体32にヒータ34を巻き付け、接着固定するようにすると、組立時の作業性がよい。
(2)間接型
図4に示すように、ヒータ34をカバー38で密封し、該カバー38を介して間接的に伝熱する実装する方法である。前記直接型に比べ、ヒータ34が加熱すべき部分に直接露出していないので伝熱効果はやや劣るが、防水効果が高いという利点がある。同図に示すように、ヒータ34とカバー38との隙間に熱伝導性材料39を充填することにより、該隙間に空気層がない構造とすると、伝熱効果をより向上させることができる。
【0026】
ヒータ34に電力を供給するケーブル41は、ヒータ34の基端側に接続されるとともに、噴管側へ引き出されている。図1に示す態様では、ホルダ取付部15に貫通穴15bが設けられ、該貫通穴15bを経由して噴管側へ引き出されている。ケーブル41と貫通穴15bの隙間はシール剤又はシール部材(図示略)により防水シールされている。これに加え、図4に示す態様では、カバー38におけるケーブル41の引き出し部分も、シール剤又はシール部材(図示略)により防水シールされている。
【0027】
このヒータ34の制御方法としては、(a)電極3に対する高電圧の供給と連動して作動させる方法、(b)静電噴霧装置の周囲の湿度を検知する湿度センサを設けるとともに該湿度センサで検知した湿度が所定値を超えているときに作動させる方法、(c)これらの方法を組み合わせた方法を例示する。こららの方法によれば、ヒータ34の消費電力を低減することができる。
【0028】
以上のように構成された本例の漏電防止部1によれば、ヒータ34で前記内部空間を加熱することにより、該空間を形成する表面(該環状凹部35における内面や、蓋状部36における環状凹部35の開口への対峙面)の表面温度を上げ、該表面に結露が発生することを防止でき、該結露による漏電の発生を防止できる。
【0029】
また、ヒータ34は、環状凹部35の略全周を加熱するように構成されているので、環状凹部35の略全周に渡って結露の発生を防止することができ、結露による漏電の発生をより確実に防止することができる。
【0030】
次に、図5は本発明を具体化した第二実施形態を示している。この漏電防止部19,20は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
【0031】
本例の電極ホルダ4は、ノズル2の先端側の外周を覆う略円筒状に形成されており、電極ホルダ4の内外には、漏電防止部19,20が設けられている。
【0032】
電極ホルダ4の内側の漏電防止部19は、防水用シール12の外面12bとノズル2との沿面の途中部に設けられており、ノズル2の周囲を囲うように突設された円環部22と、円環部22の開口部に対峙して該開口部の開口を狭めるように設けられた蓋状部21とを備えている。そして、ノズル2及び円環部22の間に形成される溝状の環状凹部22aは、防水用シール12の外面12bに形成される連続膜を途切れさせることにより、外面12bとノズル2の間の漏電を防止するように構成されている。
【0033】
電極ホルダ4の外側の漏電防止部20は、ノズル2から防水用シール12の外面12bまでの沿面の途中部に設けられており、ノズル2の周囲を囲うように突設された4重の円環部23と、円環部23の開口部に対峙して該開口部の開口を狭めるように設けられた2重の蓋状部24,26を備えている。そして、ノズル2及び円環部23の間に形成される溝状の環状凹部23aは、防水用シール12の外面12bに形成される連続膜を途切れさせることにより、ノズル2及び該外面12b間の漏電を防止するように構成されている。
【0034】
以上のように構成された静電噴霧装置において、漏電防止部19又は/及び漏電防止部20における二点鎖線で示す部位(環状凹部22a内の全周又は/及び環状凹部23a内の全周)に、第一実施形態と同様のヒータ34を装備させることを例示する。ヒータ34の実装方法としては、第一実施形態における直接型又は間接型のいずれの型でも採用できる。本例の漏電防止部によっても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
次に、図6は本発明を具体化した第三実施形態を示している。この漏電防止部51は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
【0036】
本例の漏電防止部51において、高電位側部分は電極又はそれに電気的に接続された部分であり、漏電保護側部分は該高電位側部分に対して高電圧を供給する高電圧ケーブル5における反電極側である。本例の漏電防止部51は、高電圧ケーブル5の長さ方向における前記高電位側部分と前記漏電保護側部分との間に取り付けられ、高電圧が該高電圧ケーブル5の表面を伝って他の部位へ漏電することを防止するためのものである。この漏電防止部51は、筒穴内に高電圧ケーブル5が挿通されるように構成された筒状の支持体52と、該支持体52の外周に該支持体52と同軸に形成され、一端側が開口した有底の筒状部53と、該筒状部53内における支持体52の外周に装着された筒状のヒータ34と、支持体52の両端側において、該支持体52の内周面と該高電圧ケーブル5の外周面との隙間をそれぞれシールするシール部材55,55とを備えており、漏電防止部51を構成するこれらの部材は、少なくとも表面が電気絶縁性材料からなっている。
【0037】
支持体52における漏電保護側部分側の端部は、取付部材58を介して噴管等に取り付けられている。筒状部53により支持体52の外周にその全周に渡る溝状の環状凹部56が形成されており、取付部材58には環状凹部56の開口に対峙して該開口を狭める蓋状部57が一体的に形成されている。ヒータ34に電力を供給するケーブル41は、ヒータ34における漏電保護側部分側に接続されている。図6に示す態様では、取付部材58に貫通穴58aが設けられ、該貫通穴58aを経由して漏電保護側部分側へ引き出されている。ケーブル41と貫通穴58aの隙間はシール剤又はシール部材(図示略)により防水シールされている。
【0038】
なお、本例では、ヒータ34の実装方法として、第一実施形態における直接型を採用した場合を例示したが、同実施形態における間接型(図4参照)を採用することもできる。
【0039】
本例の漏電防止部51によっても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)漏電保護側部分として、前記実施形態に例示していない部分を採用すること。
(2)ヒータ34を、環状凹部22a,23a,35における前記実施形態に例示していない部分に設けたり、蓋状部21,24,26,36,57における開口への対峙面に設けたりすること。
(3)電極が高電位側部分となる構成における静電噴霧装置に対して、本発明を用いること。このような構成の静電噴霧装置としては、第一又は第二実施形態において、電極3が電極ホルダ4によって防水状に密閉収容されておらず、しかも、電極3が漏電保護側部分に繋がる沿面を有した構成のものを例示する。
【符号の説明】
【0041】
1 漏電防止部
2 ノズル
3 電極
4 電極ホルダ
5 高電圧ケーブル
8 電源部
9 噴管
12 防水用シール
12a 内面
12b 外面
15 ホルダ取付部
15a 取付凹部
15b 貫通穴
16 継手
19 漏電防止部
20 漏電防止部
21 蓋状部
22 円環部
22a 環状凹部
23 円環部
23a 環状凹部
24 蓋状部
26 蓋状部
31 ホルダ支持部
32 支持体
33 筒状部
34 ヒータ
34a ヒータ層
34b 保護層
35 環状凹部
36 蓋状部
38 カバー
39 熱伝導性材料
41 ケーブル
51 漏電防止部
52 支持体
53 筒状部
55 シール部材
56 環状凹部
57 蓋状部
58 取付部材
D 液滴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧対象の液体をノズルから液滴にして噴出させるとともに前記液体に対する相対的な高電圧が印加された電極により該液滴を誘導帯電させるように構成された静電噴霧装置に設けられるものであり、
前記電極又はそれに電気的に接続された部分である高電位側部分と、該高電位側部分に繋がる沿面を通じての漏電に対して保護しようとする部分である漏電保護側部分との間に設けられる漏電防止部であって、
前記高電位側部分及び前記漏電保護側部分を繋ぐ沿面を分断するように延設された溝状の凹部と、
該凹部の開口に対峙して該開口を狭める蓋状部と、
該凹部における内面又は該蓋状部における前記開口への対峙面に設けられ、該凹部の内部空間を加熱するヒータと
を備えた漏電防止部。
【請求項2】
前記ヒータは、前記凹部の略全長に渡って加熱するように構成された、請求項1記載の漏電防止部。
【請求項3】
前記ヒータは、前記電極に高電圧が供給されているときに作動するように構成された、請求項1又は2記載の漏電防止部。
【請求項4】
前記ヒータは、前記静電噴霧装置の周囲の湿度が所定値を超えているときに作動するように構成された請求項1又は2記載の漏電防止部。
【請求項5】
前記漏電保護側部分は、前記電極を支持する電極ホルダを介して前記高電位側部分に接続された前記ノズル又は/及びそれに前記液体を供給する噴管である請求項1〜4のいずれか一項に記載の漏電防止部。
【請求項6】
前記漏電保護側部分は、前記電極に対して高電圧を供給する高電圧ケーブルにおける反電極側である請求項1〜4のいずれか一項に記載の漏電防止部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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