説明

濾過装置モジュール及び同モジュールを製造する方法

本発明は、巻かれたシート材料の層からなる本体を具備する濾過装置モジュールであって、シート材料は、本体における巻かれたシート材料層の内部に2つの種類のチャネルを形成する、そのシート材料の中に形成された複数の開口を有し、チャネルは、内周表面から外周表面に向かう方向へ延び、第1の種類のチャネルは、一方の端部が本体の外周表面で開口し、かつ内周表面に隣接して位置する他方の端部が閉鎖され、第2の種類のチャネルは、一方の端部が本体の内周表面で開口し、かつ外周表面に隣接して位置する他方の端部が閉鎖され、一方の種類のチャネルは、シート材料の一部によって他方の種類のチャネルから分離されており、少なくとも一方の種類のチャネルの表面がプレコートを支持する、濾過装置モジュールと、このような濾過装置モジュールの製造方法とを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は濾過装置モジュール及び同モジュールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物薬剤学の分野及び他の、例えば、酵素生産過程における予備濾過及び精密濾過の分野における数多くの用途では、特定の要求に合わせて濾過性能を向上及び/又は適合させる必要性が生じるが、その要求は、通常、粉体又は懸濁液の形態にある濾過助剤を入口流に追加することによってしばしば満たすことができる。濾過助剤は、濾過装置の濾過特性を高める様態で、濾過装置材料の表面上及び構造内部で回収された、得られる大部分の固体の特徴を変える。この改良が、処理されるべき処理流体に濾過助剤を追加することによって実現されるとき、それはボディフィード法と呼ばれる。この改良が、処理流体の導入前に濾過装置に通して案内される流体に濾過助剤を追加することによって実現されるとき、それはプレコート法と呼ばれる。プレコート法は、ボディフィード法を利用して処理流体を濾過する前に実行可能であり、プレコート法に使用される流体は、処理流体と異なっても又は同じでもよい。
【0003】
既存の装置、例えば、レンズ状濾過装置又はプレートアンドフレーム型濾過装置では、プレコート及び/又はボディフィード法の利用は、相対的に費用がかかり、及び/又は装置の多くの手作業を伴う。このような濾過方法が、例えば、欧州特許第1345667(B1)号明細書に説明されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、妥当な費用で生物薬剤学的な濾過用途の特定の要求を満たす濾過装置モジュール及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、巻かれたシート材料の層からなる本体を具備する濾過装置モジュールであって、前記本体は、内周及び外周表面と、巻き軸と、前記本体の巻き軸に沿って延び、前記内周表面と流体連通する通路とを有する濾過装置モジュールを提案する。シート材料は、その中に形成された複数の開口を有し、前記開口は、前記本体における巻かれたシート材料の層の内部に少なくとも2つの種類のチャネルを形成し、前記チャネルは、内周表面から外周表面に向かう方向へ延びる。
【0006】
前記本体の中に形成された第1の種類のチャネルは、一方の端部が本体の外周表面で口を開け、かつ内周表面に隣接して位置する他方の端部が閉鎖される。第2の種類のチャネルは、一方の端部が本体の内周表面で口を開けて前記通路と流体連通し、かつ外周表面に隣接して位置する他方の端部が閉鎖される。
【0007】
異なる種類のチャネルは、濾過されるべき及び一方の種類のチャネルに進入する流体が、他方の種類のチャネルに到達して、これらの異なる種類のチャネルを分離する、シート材料によって形成された前記本体の一部を通り抜けて流動することによってのみ濾過装置モジュールを退出できるように、シート材料の一部によって相互に分離される。
【0008】
一方の種類のチャネルは、前記濾過装置モジュールの流体入口と連通している。この種類のチャネルは、以下に入口チャネルと呼ばれ、もう一方の種類のチャネルは、前記濾過装置モジュールの出口と連通しており、これらのチャネルは以下に出口チャネルと呼ばれる。
【0009】
上で定義された濾過装置モジュールは、前述の濾過技術によって提供され得るものを遥かに上回る、単位容積当たり濾過容量を示す小型本体を提供する。
【0010】
本濾過装置モジュールは、その最も簡素な構成では、1つの入口チャネル及び1つの出口チャネルを有することができる。しかし、実用目的では、そのほとんどの用途で、本濾過装置モジュールの本体は、複数の入口及び出口チャネルを有することになる。
【0011】
本発明の以下の説明は複数のチャネルを有する構成に言及するが、その説明は先に説明の最も簡素な構成にもほとんど該当するものである。
【0012】
様々な生物薬剤学的な用途の特定の要求に対する適合は、少なくとも一方の種類のチャネルのチャネル表面をプレコートで被覆することによって容易に行われる。
【0013】
驚くべきことに、この種類の濾過装置モジュールは、特に、生物薬剤学の分野における困難で高度な濾過用途で使用するのに十分に安定的でかつ均一なプレコートの堆積を可能とする。
【0014】
要約すると、本発明は、この種類の用途に関して十分に容認される濾過装置シート材料を利用できる、費用対効果に優れかつ完全に密封された濾過システムを提供する。さらには、濾過装置シート材料の小型本体を具備する濾過装置モジュールの取り扱いが大幅に簡素化される。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、濾過装置モジュールが少なくとも1つの種類のチャネルを具備するが、そこではチャネル表面が、有孔性の、好ましくは本質的に連続的な層の形態にあるプレコートを支持する。このような種類のチャネルは、ほとんどの場合に入口チャネルとなる。
【0016】
他の好ましい実施形態では、随意選択的に連続的な有孔層を形成するプレコートが2つ以上の成分を含む。これは、前記材料の特性を特定の作業に適合させるためのさらなる可能性を与える。
【0017】
材料の成分の少なくとも1つは、粒子形態にあることが好ましい。
【0018】
特定の用途では、プレコートが有孔性の粒子成分を含む。有孔性の粒子成分は、濾過されるべき流体の処理及び/又は非濾過液の特定の成分の捕獲を行うための特定の目的に役立ち得る。
【0019】
同様に、プレコートが、特定の用途では成分として濾過助剤を含み得る。
【0020】
別の実施形態では、プレコートが、成分として処理剤及び/又は反応剤を含み得る。
【0021】
さらに別の実施形態では、プレコートが、成分として吸収又は吸着剤を含み得る。
【0022】
本質的に連続的な有孔層を一方の種類のチャネルの表面上に、随意選択的に形成するプレコートに関する前述の成分の例は以下の通りである。即ち、
【0023】
珪藻土、パーライト、ベントナイト、活性炭、ゼオライト、微晶質セルロース、及びPVPP。
【0024】
プレコートに特定の成分を選択する態様が、例示的に以下に列挙される。
【0025】
PVPPは、それがポリフェノールの除去を可能とするので、ビールの安定化に使用されることが好ましい。
【0026】
活性炭は、例えば、処理されるべき流体からタンパク質、着色剤、発熱性物質等を除去するために使用される。
【0027】
珪藻土及び微晶質セルロースは、微細粒子に関する除去率を向上させる。微晶質セルロースは、添加剤から濾過液への鉱物質の放出が関心事であり得る用途で推奨される。
【0028】
パーライトは、いわゆるトルーブラウム(trubraum)を生成するために使用可能であり、それによって集塵容量を向上させる。
【0029】
ゼオライトは、その特定の構造及び組成に応じて、結合金属イオン、水、及び同様物のための適切で汎用性のある添加剤である。
【0030】
ベントナイトはワインの清澄に有用な添加剤である。
【0031】
上の例は、本発明の濾過装置モジュールが使用可能である広範な用途を同様に証明する。
【0032】
上に説明された濾過装置モジュールは、特に、生物薬剤学的な濾過過程又は酵素生産過程における精密濾過の分野で、数多くの特定の要求に応える汎用手段を特定的に提供する。
【0033】
本体の少なくとも一方の種類のチャネルの表面上における、特に連続層の形態にあるプレコートの堆積は、濾過性能をさらに高める経済的な手段を提供する。これは、本発明の濾過装置モジュールの本体の特定の構造に特に該当する。
【0034】
開口は、それらの最小の態様における寸法が、濾過されるべき流体と接触しても膨潤しないシート材料を除いて、約0.5mmを下回るべきではない。別様であれば、圧力降下の過剰な増大が観察される恐れがある。好ましくは、最小の態様は約1mm以上である。円形開口の場合には、この態様は開口の直径に対応する。開口の最大の態様は大きく異なり得る。
【0035】
開口の形状は円、楕円、長円の形態又は細穴状の長方形に限定されるものではなく、開口は任意の多角形の形態、例えば、長方形又は正方形形状を有してもよいことが容易に分かる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、濾過装置モジュールが、入口チャネルを形成する開口の縁部に領域を有するシート材料から製造され、この領域の厚さは、これらの開口から遠隔のシート材料の厚さよりも小さい。
【0037】
入口チャネルを形成する開口の近傍におけるシート材料のこのような構造は、入口チャネル側面上の表面積を増大させ、濾過装置モジュールの濾過容量を高め、それによって濾過装置モジュールの使用寿命を増加させる手段を設ける。
【0038】
入口チャネルを形成する開口の縁部における既定のより小さい厚さのシート材料の領域は、変形されること、より特定的には、予め画定された厚さに圧縮されることが好ましい。
【0039】
原理上、入口チャネルを形成する開口の縁部におけるシート材料の厚さを、例えば、機械加工作業によって低減するために様々な作業が利用されてもよいが、材料を予め画定された厚さに変形又は圧縮することが推奨される。これは、それ自体が圧縮性であるシート材料が使用されるときに特に該当する。
【0040】
シート材料のより小さい厚さの領域は、出口チャネルを形成する開口に向かう方向へ延びることが好ましい。当然のことであるが、濾過処理が悪影響を受けない様態でのみ当該方向に延びる。そうする際に、この領域は、濾過装置モジュールの入口領域から、シート材料の本体を通り抜けて、最も近い出口チャネルに至る流体の流動経路の長さを最適化する手段を設ける。
【0041】
本発明の他の好ましい実施形態では、より小さい厚さの領域が同じ種類の隣接する開口の方向へ延びるが、このように1つ又は複数の連続的な流路を形成する領域は、シート材料の巻き方向に沿って延びる。
【0042】
このような実施形態は、プレコーティングに利用できる入口チャネル表面積を最適化し、したがって濾過装置モジュールの使用ライフを最適化する。
【0043】
低減した厚さの領域によって、又はより特定的には開口の縁部における圧縮された領域によって創出された連続的な流路が存在する場合には、このような流路もプレコートを支持する表面を有することが好ましい。
【0044】
濾過装置モジュールの本体を形成するためにシート材料を巻く前に、同材料を変形又は圧縮することに対する別法として、マクロ孔質材料の第1の条帯様要素が、入口チャネルを形成する開口を備えるシート材料領域を覆うために、シート材料と一緒に巻かれてもよい。条帯様形態のマクロ孔質材料を一緒に巻くことによって、入口チャネルを形成する開口を備える領域内におけるシート材料の圧縮が自動的に実現され、材料のマクロ孔質特徴により、シート材料の表面領域は、流体が濾過装置モジュールの入口側面上のシート材料表面に本質的に接触するのを妨害することなく、濾過されるべき流体に依然として到達可能である。随意選択的に、条帯様要素は、シート材料の開口と本質的に一致する開口を備えてもよい。
【0045】
マクロ孔質の条帯様要素を使用してより小さい厚さの領域を設ける場合には、マクロ孔質の条帯様要素によって設けられた表面もプレコートをその表面に有するか、又はプレコート材料の本質的に連続的な有孔層によって被覆されることが好ましい。
【0046】
本文脈で使用されるマクロ孔質という用語は、顕著には濾過効果に寄与しないが、入口チャネル中の流体の流れを本質的に制約しないことが好ましい任意の3次元開放孔構造を意味する。
【0047】
この場合も、ラップロールに使用されたシート材料を最大限に利用する、濾過装置モジュールの入口側面上に増大した表面積が設けられる。さらには、マクロ孔質材料の条帯様要素の使用は、濾過装置モジュールのための画定された圧力抵抗構造を設け、しかも濾過装置モジュールの本体を補強する役割も果たし得る。したがって、このような種類の濾過装置モジュールは、高荷重の用途にも使用可能である。
【0048】
追加的な材料としてシート材料と一緒に巻かれたマクロ孔質材料は、入口チャネルを形成する開口の領域内におけるシート材料の圧縮に既につながっているが、マクロ孔質材料は、条帯様要素のマクロ孔質構造が、完成した濾過装置モジュールの中で維持されることを保証するために、少なくともシート材料よりも圧縮性が低いことが推奨される。マクロ孔質材料は本質的に非圧縮性であることがより好ましい。本質的に非圧縮性とは、濾過装置モジュールの製造に必要な圧縮力が印加されるとき、マクロ孔質材料が、そのマクロ孔質構造を本質的に変えないことを意味する。
【0049】
一方では、増大した表面積を最大限に利用するために、他方では、濾過装置モジュールの構造全体を乱さないために、条帯様要素はテーパ付き縁部又はくさび形状断面を備える縁部を有することが推奨される。
【0050】
このような構成では、シート材料の圧縮が、入口チャネルを形成する開口の領域内で最大になる一方で、その圧縮は、これらの開口から出口チャネルに向かう方向に延びる方向へ次第に低減される。
【0051】
これは、条帯様要素を濾過装置モジュールに滑らかに組み込むことを可能にし、それは同時にシート材料の隣接層間における迂回路の回避に関して追加的な安全性を与える。
【0052】
迂回路問題に関してさらなる安全性を与えるために、第2の条帯様要素が、出口チャネルを形成する開口を備えるシート材料領域を覆うようにシート材料と一緒に巻かれてもよい。第2の条帯様要素は、第1の条帯様要素と一緒に又は同要素とは別個に使用されてもよい。第2の条帯様要素は、出口チャネルの領域内においてシート材料を圧縮して、出口チャネルを形成する開口の周囲にシート材料を緊密に接触させる役割を果たすが、それは望ましくない迂回路に対する追加的な安全性を与える。
【0053】
第2の条帯様要素は、シート材料の開口と本質的に整合する開口を有することが好ましい。
【0054】
第2の条帯様要素が作製される材料が必ずしも非圧縮性である必要がないので、第2の条帯様要素が作製される材料は、シート材料と同じであってもよい。第2の条帯様要素の主機能は、迂回路に対するさらなる安全性を与えるように、出口チャネルの領域内に追加的な圧縮力を及ぼすことである。
【0055】
したがって、第2の条帯様要素は、デプス式濾過装置材料から作製可能であるが、いくつかの用途では、本質的に非有孔材料からも作製可能である。さらには、第2の条帯様要素は、本質的に非圧縮性である材料から作製されてもよい。
【0056】
第1の条帯様要素の場合と同様に、第2の条帯様要素もテーパ付き又はくさび形状断面の縁部を有する帯の形態を好ましくは有する。第1の条帯様要素のように、ここでも、くさび形状断面は、第2の条帯様要素をシート材料と一緒に滑らかに巻くことを可能にする。くさび形状の条帯様要素によって及ぼされる圧縮も、出口チャネルを形成する開口の縁部で最大であり、前記帯の縁部の方向へ次第に低減する。
【0057】
本発明の別の態様によれば、入口チャネルを形成するシート材料の層(又は1巻き)の開口の大多数が、シート材料の隣接層の対応する開口と不完全に整合する。
【0058】
入口チャネルを形成する、シート材料中の開口の特定の形状、及び/又は配置によって、1つの層の開口が、本体中に設けられた入口チャネルの形成に同様に寄与する隣接層の開口とただ不完全に整合するように、増大した表面積が設けられる。驚くべきことに、開口のこのような不完全な整合は表面積を劇的に増大させることができるが、しかし同時に、圧力抵抗又は圧力降下の増大は、許容可能な値に限定された状態に留まる。増大した表面積は、プレコートを受け入れる領域を大幅に増大させ得る。
【0059】
したがって、開口の重なりが平均して約90%以下に達するとき、開口の不完全な整合は、有孔層の表面積の増大という顕著な効果を与え、増大した集塵容量をもたらし、したがって濾過装置モジュールの増大した使用ライフをもたらす。したがって、入口チャネルの側面に対する圧力抵抗の増大にかなり敏感である用途では、平均して約90%の開口の重なりが、既に、従来技術で開示されたラップロールに勝る顕著な利点を与え得る。
【0060】
上で及び下で言及される重なりのパーセントは、本体全体の入口チャネルを形成する開口に関して計算された、それぞれの開口によって占有されるシート材料の領域の重なりに関するものである。
【0061】
圧力抵抗又は圧力降下に対する敏感性がより低い用途では、不完全な整合は、約80%以下の開口の平均的な重なりに対応し得るが、それは入口チャネル側面上により大きな表面積をさらに増大させる効果を与える。
【0062】
開口の不完全な整合が約50%未満の平均的な重なりに対応するとき、集塵容量及び使用ライフの増大効果は、もはや上で論じられた場合におけるほど顕著でなくなる一方で、同時に入口チャネルの圧力抵抗の増大がもはや無視できない要素になる。
【0063】
したがって、開口の不完全な整合は、約50%以上の平均的な重なりに対応することが好ましい。
【0064】
入口チャネル側面上に堆積した有孔層の表面積が増大するという有利な効果は、入口チャネルを形成する開口の本質的にすべてが、隣接する1つ又は複数の層の対応する開口と不完全に整合することを必ずしも要求するものではないことが、当業者によって容易に理解される。しかし、入口チャネルを形成する開口の少なくとも約75%(個数で)、より好ましくは少なくとも約85%が、隣接層の対応する開口と不完全に整合することが推奨される。この方策は、本体全体にわたって入口チャネル表面のより均一な増大を保証する。
【0065】
開口の不完全な整合は、異なる形状及び/又はサイズの開口を使用することによって実現されてもよいが、本発明によれば、それぞれの種類のチャネルのために、実質的に均一のサイズ及び形状の開口を使用することが推奨されており、それは開口が中に形成されているシート材料の生産を大幅に容易にする。
【0066】
これは、濾過装置モジュール及び同モジュールを製造する器具の設計も容易にする。
【0067】
入口チャネルを形成する開口の不完全な整合の前述の教示は、開口を相互に整合することを特定的に要求する米国特許第2339703号明細書の教示とは異なるものである。この参照文献は、開口を一致させるために開口の適切な間隔取りを特定的に要求する。濾過装置の有効性に対する妨げを回避するために、チャネルのわずかに不規則な縁部につながる開口のわずかに不規則な位置決めを超えるものはいずれも許容されない。
【0068】
同じ教示が国際公開第03/041829(A2)号パンフレットから得られる。この参照文献は、巻き軸に対して30°から90°までチャネルの向きを許容する。
【0069】
本発明の別の態様によれば、チャネルを形成する開口は、シート材料のステーによって相互から分離されることが好ましい。これらのステーは、濾過装置モジュールの動作時の実質的な差圧に耐えるために十分な安定性を本体に与えるように容易に設計可能である。
【0070】
好ましい実施形態では、入口チャネルを形成する開口が、これらの開口を相互から分離するステーの、シート材料の巻き方向における延在部よりも長い同じ方向における延在部を有する。シート材料のこのような種類の設計は、開口間の中のステーがシート材料の隣接層の開口に重なって、チャネル構造を妨害する恐れを回避する。
【0071】
チャネル、特に、入口チャネルの構造は、入口チャネルを形成する開口の不完全な整合に起因するチャネル表面中の突起及び凹所を示す簡素でほぼ管状の形態であり得る。しかし、チャネルの形態は、遥かにより複雑であってもよい。入口チャネルの開口が、巻き方向で測定されたステーの延在部よりも遥かに長い、同じ方向における延在部を有する場合には、複数の開口は、これらの開口を相互から分離するステーが様々な部分で交差する連続的なリング形状のチャネル構造を一緒に構成する入口チャネルを形成し得る。
【0072】
この場合では、相対的に大きな表面積が1つの入口チャネル当たりに設けられ、他方では同時に、チャネル容積と交差するシート材料のステーが、濾過装置モジュールの動作時に入口チャネルの構造の十分な安定性を依然として与えるばかりでなく、本体を形成するために厳密かつ反復可能な様態でシート材料を巻くことを容易にする。
【0073】
出口チャネルの表面積に対して入口チャネルの表面積を最大化し、他方でシート材料の消費を最小限に維持するために、入口チャネルを形成する開口の個数が、出口チャネルを形成する開口の個数よりも多いことが推奨される。
【0074】
このような効果を促進する別の方策は、出口チャネルを形成する開口を入口チャネルを形成する開口よりも小さくすることである。
【0075】
この方策の重要な効果は、出口チャネルを形成する開口のサイズを基準にして、開口のサイズの差が約10%以上に達するときに観察され得る。
【0076】
ラップロール本体を生産するために使用されたシート材料を最大限に利用するために、入口チャネルの個数は出口チャネルの個数よりも多いことが好ましい。
【0077】
入口チャネルの個数は、出口チャネルの個数の2倍以上であり得る。
【0078】
入口チャネルの個数が出口チャネルの個数の約3倍であるとき、シート材料の最大利用が可能であることを本発明者によって行われた計算が証明する。この最大利用は、安定性のある濾過構造を設けるためにシート材料を利用することに関連するばかりでなく、そのシート材料が、濾過装置モジュールの使用ライフを意味するその濾過装置容量に対して及ぼす効果にも関連する。
【0079】
それぞれの種類のチャネルのためのシート材料中の開口は平行な列で配置されることが好ましい。これは、シート材料の容易な設計と、シート材料を最大限に利用するように様々な種類のチャネルの配置とを可能にする。
【0080】
入口チャネルを形成する開口は2つ以上の隣接する列の集団で配置される一方で、出口チャネルを形成する開口はより少ない数の列の集団で配置されることが好ましい。出口チャネルを形成する開口の列の集団中の列数が1つだけでもよい。
【0081】
これは、入口チャネルのために表面積を増大させ、他方では出口チャネルの表面積を必要最小限に維持することを可能にする。濾過中、入口チャネルに進入する流体は、シート材料を通り抜けて流動し、隣接する出口チャネルの中に回収される。
【0082】
シート材料の最大利用は、2つ以上の入口チャネルが、濾過されるべき流体を1つの出口チャネルに供給することを要求する。
【0083】
開口の不完全な整合を容易にするために、本発明に係る好ましい実施形態では、入口チャネルを形成する開口が、予め画定されたパターンで配置されており、それぞれのパターンがいくつかの開口を備え、前記パターンは、1つのパターン内部の同じ種類の開口間の距離が、2つの引き続くパターンに属する同じ種類の隣接する開口の距離とは異なるように、シート材料の長さ又は巻き方向に沿って多数回反復される。
【0084】
これは、例えば、穿孔器具を使用してシート材料中にいくつかの開口を設けるとき、穿孔器具は、2つの穿孔動作において形成された隣接する開口間の距離が、一方の穿孔動作から得られる隣接する開口間の距離とは異なるように、隣接する開口パターンを形成するために心違いで使用される。
【0085】
本発明の別の態様によれば、本モジュールの設計が、デプス式濾過装置特徴を提供するように有利に利用され得る。この目的のために、シート材料はデプス式濾過装置材料から選択され、本モジュールの前記シート材料は、巻かれたシート材料の層からなる本体が、迂回路を予め防止するデプス式濾過装置ユニットを構成するように、圧縮された状態に維持される。これらの方策は、濾過されるべき流体が、デプス式濾過装置材料を通り抜けて流動し、かつ入口から出口チャネルに至る短絡路をシート材料の隣接層間に見つけないことを保証する。
【0086】
本体の重ねられた層の厚さがシート材料の同数の個別層の厚さの約90%以下に達するようなシート材料の圧縮が、短絡路問題を解決するにはしばしば十分であることが判明した。必要とされる圧縮量は、当然のことであるが、容易に圧縮可能なシート材料では、本体のより顕著な圧縮が有利であり得るように、シート材料自体の圧縮性に依存する。
【0087】
前述の限度内における本体の圧縮は、使用されたシート材料が、特に、処理されるべき流体に接触して膨潤する材料である場合に、迂回路問題を解決するのに適切である。このような場合では、本体が乾燥状態にあるシート材料に及ぼされる圧縮力に加えて、シート材料の膨潤の過程で創出された力が、本体内部でシート材料の隣接層を緊密に接触させることを支援する。
【0088】
さらには、シート材料の膨潤時に生成された力は、圧縮力と同じ方向に作用するばかりでなく、迂回路の恐れを最小限するためにさらに寄与する、その方向と直交する方向においても作用する。
【0089】
シート材料の膨潤によって創出された力は、弾性的/可塑的に変形可能なシート材料が使用されるとき、ただ単に圧縮力に追加されるだけではない。その場合には、この力の一部は、デプス式濾過装置材料の微小構造の一部の恒久的な変形をもたらすことになる。
【0090】
濾過されるべき流体に接触しても膨潤しないシート材料が使用されるとき、弾性的に又は弾性的/可塑的に変形可能なシート材料の復元力は、シート材料の隣接層の緊密な接触を維持することのみに関与する。このような場合では、本体の多少より高い圧縮が推奨可能であり得る。
【0091】
容易に圧縮可能なシート材料の使用は、濾過装置モジュールの濾過装置特徴を変更し、異なる種類のシート材料を作製する必要もなく、本体中のシート材料を様々な濾過作業に適合させるための数多くの機会をもたらす。本体の圧縮の程度を変更することによって、シート材料の透過性が変更可能であり、変更された保持及び分離特性をもたらす。
【0092】
セルロース系繊維の典型的なシート材料は、ユニット面積当たり約300から約2000g/mの質量と、約2から約7mm、より好ましくは約3から約6mmの厚さとを有する。約4から約5mmの厚さを有するセルロース系繊維のシート材料は、それらがシートの製造時に最も経済的な乾燥処理を可能とするので最も好ましい。
【0093】
しかし、通常は、圧縮された本体の重ねられた層の厚さが、シート材料の同数の個別層の厚さの約20%以上に達する。圧縮が当該限度よりも高ければ、集塵保持容量の望ましくない大きな低下をもたらす恐れがある。他方では、高い圧縮がより小さい粒子の濾過効率を向上させる。
【0094】
本体を圧縮するためのさらに好ましい限度は、シート材料の重ねられた個別層の厚さの約50%以上に対応する。この限度の範囲内の圧縮は、望ましい濾過装置特徴に関して取り扱いがより容易である。
【0095】
しかし、重ねられた個別層の約85%以上の厚さになる圧縮可能なシート材料の圧縮でしばしば十分であり、それは非常に適切な結果を与える。数多くの場合で、その圧縮は重ねられた個別層の約97%から約85%までの厚さに達することが好ましい。
【0096】
いくつかの用途で、例えば、生物薬剤学又は食品技術分野では、用途の種類に関して認定済みの材料のみを使用することが最高度に重要である。
【0097】
この点に関して、本発明の好ましい実施形態では、巻かれた層からなる本体が本質的に単体材料から成り、それは、本体がシート材料自体によって本質的に構成され、迂回路の無いデプス式濾過装置材料を提供するために、何らかの種類の粘着剤又は他の種類の補助剤若しくは手段の必要がない。
【0098】
内周表面に隣接する第1の種類のチャネルの閉鎖は、流体不浸透材料、例えば、第2の種類のチャネルのシート材料の開口と整合すべき開口を含み、好ましくは通路を画定する管要素で、シート材料の対応する開口を覆うことによって遂行され得る。この管要素は、随意選択的に支持要素として機能してもよい。
【0099】
同様に、本体の外周表面に隣接する第2の種類のチャネルの閉鎖は、流体不浸透材料で第2の種類のチャネルのそれぞれの端部を覆うことによって、しかし第1の種類のチャネルは覆われずに残して遂行され得る。
【0100】
別法では、第1及び第2の種類のチャネルのそれぞれの端部が、シート材料の1つ又は複数の他の巻きの非有孔部分によって遂行されてもよい。
【0101】
シート材料によってこれらのチャネルの一端を安全に閉鎖するために、シート材料の最内及び最外層はそれぞれ、少なくとも本体が全体として圧縮される程度に圧縮されるときが好ましい。
【0102】
これは、特にこれらのチャネルの端部分に、迂回又は漏れが生じる恐れがないことを保証し、このような方策は、この場合も当該目的のために粘着剤又は他の任意の補助材料を使用することをいずれも回避する。
【0103】
より好ましくは、少なくとも数層、例えば、3つの最内層、及び少なくとも数層、例えば、3つの最外層が、本体の全体としての圧縮の程度に実質的に対応する程度まで圧縮される。当然のことであるが、濾過装置モジュールの構造及びその用途に応じて、さらにより多くの最内及び/又は最外層を使用してチャネルの端部分を閉鎖してもよい。
【0104】
本発明に係る濾過装置モジュールは、任意の種類の支持構造を備えることなく設けられてもよく、濾過装置モジュールの内周表面が通路自体を構成してよいことが特に留意される。
【0105】
シート材料は圧縮性でも又は非圧縮性でもよいことは、様々な時点で先に既に説明済みである。
【0106】
好ましい実施形態では、シート材料が、圧縮可能な材料及び/又は濾過されるべき流体と接触して膨潤する材料を含む基材を備える。
【0107】
いずれの場合も、製造時にシート材料を圧縮すること、濾過装置モジュールの動作中に本体を形成するシート材料を圧縮された状態に維持すること、及び/又は濾過されるべき流体と接触して膨潤する材料を使用することによって、迂回路の問題を回避するデプス式濾過装置ユニットとして使用可能である本体が提供される。
【0108】
しかし、少なくとも多少の圧縮性があるシート材料は、実際に流体を濾過装置モジュールに通す必要もなく、迂回路問題に関して試験可能な本体に形成され得るので、このような材料が推奨される。
【0109】
対照的に、膨潤可能であるが乾燥状態では本質的に非圧縮性である材料の使用は、濾過装置ユニットの完全な機能又は特徴を提供するためには、材料を流体に接触させることを要求する。
【0110】
本発明のさらに別の態様によれば、シート材料が添加剤を取り込む基材を備え、前記添加剤は粒子形態にあることが好ましい。
【0111】
本発明によれば粒子形態とは、任意の種類の粒子材料、例えば、それが顆粒状、繊維状、又は針状の形態であることを意味する。
【0112】
シート材料中に存在する添加剤は、シート材料の重量を基準にして、約70重量%に達することが好ましい。
【0113】
これらの添加剤は有機又は無機由来でよい。
【0114】
利用可能な添加剤のこの非常に広い範囲は、シート材料を様々な濾過作業に容易に適合させることを可能にし、シート材料の圧縮性又は膨潤性に関してその特徴に影響を与えることも可能にする。
【0115】
さらには、濾過装置モジュールは、濾過とは異なる機能、特に、イオン交換、触媒反応、及び本モジュールの可能な濾過機能の利用を伴うか又は伴わない同様の処理を含む流体処理に使用可能である。
【0116】
本発明の好ましい実施形態では、粒子添加剤は、特定の濾過作業を実行する機会を提供するように、有孔性の粒子添加剤から選択される。
【0117】
別の実施形態では、添加剤は濾過助剤を含んでもよく、それは選択された濾過用途に合わせてシート材料を特定的に設計することを可能にする。
【0118】
本発明の別の好ましい実施形態では、添加剤は、濾過と同時に又は濾過の代わりに、濾過されるべき流体の処理を実行することを可能にする処理剤を含む。
【0119】
さらに別の実施形態では、添加剤は反応剤を含み、その場合に濾過モジュールは、流体の濾過時に又は濾過の代わりに、同流体の中に含まれる成分を変換する機会を提供する。
【0120】
別の好ましい実施形態では、添加剤は吸収又は吸着剤を含んでもよく、それはシート材料及びその特徴を特定の濾過作業にさらに適合させることを可能にする。
【0121】
使用可能な添加剤の例は、珪藻土、パーライト、ベントナイト、活性炭、ゼオライト、微晶質セルロース、及びPVPP(架橋されたポリビニルピロリドン)である。
【0122】
様々な添加剤に関する濾過作業の例は以下の通りである。
【0123】
PVPPは、それがポリフェノールの除去を可能とするので、ビールの安定化に使用されることが好ましい。
【0124】
活性炭は、例えば、処理されるべき流体からタンパク質、着色剤、発熱性物質等を除去するために使用される。
【0125】
珪藻土及び微晶質セルロースは、微細粒子に関する除去率を向上させる。微晶質セルロースは、添加剤から濾過液への鉱物質の放出が関心事であり得る用途で推奨される。
【0126】
パーライトは、いわゆるトルーブラウム(trubraum)を作製するために使用可能であり、それによって集塵保持容量を向上させる。
【0127】
ゼオライトは、特定の構造及びその組成に応じて、結合金属イオン、水、及び同様物のための適正かつ汎用性のある添加剤である。ベントナイトはワインの清澄に有用な添加剤である。
【0128】
シート材料は有機ポリマー材料を含む基材を備えることが好ましい。有機ポリマー材料は、セルロース系繊維のような天然有機ポリマー材料でよい。特に、焼結若しくは発泡ポリマー材料又は有機繊維材料の形態にある合成ポリマーも、好ましい有機ポリマー材料である。
【0129】
多くの濾過用途は無菌環境を必要とするので、好ましい実施形態では、シート材料が、殺菌可能な材料、即ち、濾過モジュールの濾過特徴に影響を与えることなく、このモジュールの無菌化を可能とする材料から選択される。
【0130】
濾過モジュールは、シート材料の数多くの層のための支持部材を有することなく、シート材料から作製され得ることは先に説明済みである。
【0131】
しかし、本発明の他の態様によれば、特定の濾過用途のために本体の内周表面を支持する中空の支持部材を有することが有利であり得る。このような場合では、中空の支持部材は本体の通路を画定することが好ましい。
【0132】
このような中空の支持部材は、例えば、濾過されるべき流体に関して不活性である有機合成ポリマー材料から作製され得る。中空の支持部材を作製するために好ましく使用されるこのようなポリマー材料の例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、一部又は全部がフッ化された炭化水素樹脂等である。
【0133】
好ましい実施形態では、中空の支持部材が中空の心棒であり、この心棒の壁は、本体の内周表面に口を開けるチャネルの開放端を通路に到達させるために穿孔されている。同時に、この支持部材は、本体の外周表面で口を開けた状態にある第1のチャネルの端部を閉鎖する手段としての役割も果たし得る。
【0134】
本発明の他の態様によれば、濾過装置モジュールは、濾過装置モジュールの本体を濾過装置筐体又は他の既存の環境の中に収容するために、前記本体中の通路の両端に対接して前面と封止的に位置決めされるべき2つの端部品を具備することが好ましい。これらの端部品の少なくとも一方は、前記通路に到達させるための開口を備える。
【0135】
端部品の前面は、前記本体の通路の両端に封止係合するために、封止要素を含み得る。濾過装置モジュールに中空の支持部材が設けられている場合には、端部品は前記支持部材の端面と協働することができる。
【0136】
前記前面から突出する封止突縁を備える端部品を有することがさらに推奨され、前記突縁は、シート材料の少なくとも最内層に接触し、随意選択的にそれを圧縮するようにも設計され、それによって本体と端部品との間で封止要素が要らない封止を行う。
【0137】
前記端部品は、前面から突出し、かつ本体の内周表面又は中空の支持部材と嵌り合う支持突縁を追加的に備えることが好ましい。本実施形態は、圧縮可能なシート材料が使用されるときに、濾過装置モジュールの本体と協働するように特に設計される。このような場合では、突縁が、くさび形状断面を有し、シート材料を圧縮して、同材料に封止効果を高めるより密度の高い構造を与えるように、シート材料の縁部の少なくとも一部に貫入することができる。
【0138】
他の好ましい実施形態では、前記本体のシート材料の最内層の2つ以上に接触しかつそれらを圧縮するように設計された突出する突縁が、前記本体のシート材料の2つ以上の最内層に接触する2つの同心くさび形状リングの二重くさび形状構造を有してもよい。
【0139】
支持部材が本体の内周表面を支持するために使用される場合に、中空の支持部材は、圧縮可能なシート材料に形をぴったり合わせて、端部品が本体の端部に封止係合しているときにシート材料のすべりを回避するように、本体の端部に隣接するその支持部材の一部の中に径方向へ延びる環状突起を有することが推奨される。
【0140】
先に説明されたように、一旦、シート材料がデプス式濾過装置材料から作製されると、本モジュールは、巻かれた層からなる本体がデプス式濾過装置ユニットを構成するように圧縮されるときに有利である。
【0141】
本発明のさらに別の態様によれば、濾過装置本体のシート材料の圧縮された状態を維持するために、固締手段が本体の外周表面上に位置決めされる。
【0142】
この固締手段は、本体の外周表面に直接的に作用し、好ましくは第2の種類のチャネルを備える本体の当該領域に作用する。この方策は、迂回路の恐れに対して追加的な安全性を与える。
【0143】
別の好ましい実施形態では、固締手段が、第1の種類のチャネルを備える領域を除く、本体のすべての領域の外周表面に直接的に作用する。これは、先に概説されたような迂回路問題に対して最大の安全性を与える。固締手段が流体不浸透性の材料から作製される場合には、それを使用して、本体の外周表面上で第2の種類のチャネルの端部を閉鎖することができる。別法の実施形態では、第2の種類のチャネルの閉鎖が別体の閉鎖要素によって行われ、その要素の上に固締手段が位置決めされてもよい。
【0144】
別の実施形態では、出口チャネルを備える本体領域が、入口チャネルを備える当該領域よりも大きな程度に圧縮される。これは、濾過装置モジュールの入口側面上の表面積を増大させるために最大の柔軟性を与え、かつ迂回路問題に対して同じように最大の安全性を与える。
【0145】
他の好ましい実施形態では、固締手段が、シート材料の最外層の開口と一致して、入口チャネルの形成に寄与する穴を含むシート様材料を備える。
【0146】
さらには、好ましい固締手段が、無菌化条件下で、シート材料の本体の収縮特徴に少なくとも匹敵するような収縮特徴を示す。このような特色は、たとえ濾過装置モジュールが無菌化処理を受けなければならない場合でも、シート材料の本体の圧縮が維持されることを保証する。
【0147】
固締手段の例は、網目型の材料又は穿孔された薄膜材料である。
【0148】
有機合成薄膜材料、例えば、収縮薄膜が、固締手段として容易に使用可能である。
【0149】
別法として、条帯様材料を使用してシート材料の本体を圧縮された状態に維持してもよい。
【0150】
このような場合では、出口チャネルが配置される本体の円板様領域(このような領域は入口チャネルを形成する開口を含まない)を設けるように、異なる種類のチャネルの開口がシート材料の中に異なる列で配置されることが好ましい。
【0151】
このような実施形態では、条帯は、出口チャネルを備える本体の円板様領域の外周表面上に位置決めされることが好ましい。
【0152】
このような構成で、濾過装置モジュールの本体を形成するシート材料を最大限に利用するために、本体は、その両端面の近傍にかつそれらから離間されて、複数の出口チャネルを備えることが好ましい。これは、濾過装置モジュールの端面が開放状態に置かれ、濾過装置モジュールの入口側面と連通していることが可能であり、このような端面も濾過装置モジュールの濾過容量に寄与する点で、さらなる濾過装置容量をもたらす。
【0153】
ポリマー材料から作製された条帯様又はシート様材料は、それが本体を形成するセルロース系シート材料と一緒に使用されるとき、無菌化時に両種類の材料に関して観察された収縮効果が同様であるので、収縮に関して有利な特性をしばしば有し得ることが判明している。
【0154】
本体の個別層はシート材料の個別部分によって形成され得るが、これらの層の必ずしも全部ではないにしてもいくつかの層は、濾過装置モジュールの本体を形成するために螺旋に巻かれたシート材料の連続的な条帯から形成されることが好ましい。
【0155】
本発明の他の態様によれば、濾過装置モジュールの本体を構成するシート材料が、好ましくは単体テープ、即ち、第1及び第2の端部分を有する1個のテープのみから成り、第1の端部分は位置決めされて内周表面を形成し、第2の端部分は濾過装置モジュールの本体の外周表面を形成する。テープのこれらの第1及び第2の端部分の少なくとも一方は、これらの2つの端部分間のテープの当該部分よりも小さい厚さを有することが好ましい。
【0156】
内周表面を形成する第1の端部分、又はその少なくとも一部が、2つの端部分間のテープの当該部分よりも小さい厚さを有する場合には、濾過装置モジュールの本体の最内部分から始まる滑らかな巻きが保証される。
【0157】
第2の端部分が、これらの2つの端部分間のテープの当該部分よりも小さい厚さを有する場合に、特に、固締手段は、シート材料のテープの第2の端部分が終端する領域内でも、本体の外周表面に緊密に当接している。
【0158】
シート材料の第2の端部分には階段状構成が存在しないことが好ましい。
【0159】
非常に滑らかに移行させるために、テープの第1及び/又は第2の端部分は、テープの長さ方向へテーパが付いている断面を有する。それによって、第1及び/又は最後の巻きの非常に滑らかな移行が実現され得る。
【0160】
本発明はさらに、上で概説された濾過装置モジュールの製造方法に関し、このような方法は、
内周表面及び外周表面を有する多数の連続的な層の本体を形成するために、支持要素の周囲にシート材料を巻くステップを含み、シート材料の前記開口は、シート材料の巻かれた層からなる本体の内部に2つの種類のチャネルを形成し、少なくとも一方の種類のチャネルは、その一方の種類のチャネルのチャネル表面の上にプレコートが被覆される。
【0161】
プレコートは2つ以上の成分を含むことが好ましい一方で、少なくとも1つの成分が粒子形態にあるときが望ましい。
【0162】
特定の用途では、プレコートが有孔性の粒子成分を含むことが好ましい。
【0163】
プレコートの他の推奨される成分は、濾過助剤、処理剤、反応剤、吸収及び/又は吸着剤から選択される。
【0164】
このような成分の特定の例は上で詳細に論じられており、珪藻土、パーライト、ベントナイト、活性炭、ゼオライト、微晶質セルロース、及びPVPPを含む。
【0165】
本発明の他の態様によれば、シート材料は、巻き軸の周囲に巻かれるとき、それぞれの層を1つ又は複数の隣接する層に緊密に接触させるために圧縮力によって圧縮され、該圧縮力はローラによって径方向に印加される。
【0166】
本発明の方法によれば、巻き処理時にシート材料の本体と同時回転するローラによって、圧縮力を径方向に印加することが重要である。その場合に、慎重に制御された圧縮力が印加され得るばかりでなく、シート材料も非常に慎重に取り扱われるが、この圧縮力は、別々に印加されかつシート材料に及ぼされる張力によって創出される必要がないので、高い引っ張り強さを有する必要のないシート材料が使用可能である。
【0167】
本体の重ねられた層の厚さがシート材料の同数の個別層の厚さの約99%以下に達するようなシート材料の圧縮が、迂回路問題を解決するにはしばしば既に十分であることが判明している。上で詳細に説明されたように、必要とされる圧縮量は、当然のことであるが、より容易に圧縮可能なシート材料では、本体のより顕著な圧縮が有利であり得るように、シート材料自体の圧縮性に応じる。
【0168】
しかし、通常は、本体の重ねられた層の厚さは、シート材料の同数の個別層の厚さの約20%以上に達する。圧縮がこの限度よりも高ければ、集塵保持容量の望ましくない大幅な低下をもたらす恐れがある。他方で、高い圧縮は、より小さい粒子の濾過効率を向上させる。したがって、ローラによって及ぼされる圧縮力の変更は、所与のシート材料の濾過特性を特定の濾過用途に適合させる手段である。
【0169】
本体を圧縮するさらに好ましい限度は、シート材料の重ねられた個別層の厚さの約50%以上に対応する。この限度内の圧縮は、実現されるべき濾過特性に関して取り扱いがより容易である。
【0170】
しかし、重ねられた個別層の約85%以上の厚さまでの圧縮可能なシート材料の圧縮でしばしば十分であり、それは非常に適切な結果を与える。大多数の場合で、この圧縮は、重ねられた個別層の約97から約85%の厚さに達することが好ましい。
【0171】
本発明の別の態様では、本方法が、シート材料の中に開口を形成するステップと、入口チャネルを形成するために開口が設けられる領域内でシート材料の厚さを所定の値に低減するステップとを含む。
【0172】
シート材料の厚さを低減するステップは、様々な様態で実現可能である。
【0173】
いくつかの場合では、開口を形成する前に厚さの低減を実行することが好ましい。シート材料の性質に応じて、開口を形成するステップが容易化され得る。
【0174】
いくつかのシート材料では、厚さの低減が開口の形成後に実行され得る。
【0175】
多くの場合では、厚さの低減が、開口の形成と同時に実行され得る。開口を形成するために穿孔器具を使用することが特に推奨され、この穿孔器具には、入口チャネルを形成するための開口の領域内でシート材料を圧縮する圧縮要素が設けられる。
【0176】
他の別法として、厚さの低減が、前記本体を形成するためにシート材料を巻いている間に実行され得る。
【0177】
濾過装置モジュールの本体を形成するためにシート材料を巻く前に、同材料の変形又は圧縮することに対する別法として、マクロ孔質材料の第1の条帯様要素が、入口チャネルを形成する開口を備えるシート材料の領域を覆うために、シート材料と一緒に巻かれてもよい。条帯様形態にあるマクロ孔質材料を一緒に巻くことによって、入口チャネルを形成する開口を備える領域内におけるシート材料の圧縮が自動的に実現され、この材料のマクロ孔質の性質により、シート材料の表面領域は、流体が濾過装置モジュールの入口側面上のシート材料表面に本質的に接触することを妨害することなく、濾過されるべき流体が依然として到達可能である。随意選択的に、条帯様要素は、シート材料の開口と本質的に一致する開口を備えてもよい。
【0178】
本文脈で使用されるマクロ孔質という用語は、顕著には濾過効果に寄与しないが、入口チャネル中の流体の流れを本質的に制約しないことが好ましい任意の3次元開口孔構造を意味する。
【0179】
前記マクロ孔質要素は、入口チャネルを形成する開口と本質的に整合する開口を備えることが好ましい。この場合では、マクロ孔質要素は、可能な限りほとんど圧力降下を追加することはなく、かつ入口チャネルに対する流体の流れを妨害することはない。
【0180】
厚さの低減は、シート材料の両面からシート材料の厚さを削減することが最も好ましい。それによって、複数の入口チャネルを相互連結するリング形状のチャネル構造の形成が大きく支援される。
【0181】
迂回路問題に対してさらなる安全性を与えるために、第2の条帯様要素が、出口チャネルを形成する開口を備えるシート材料領域を覆うために、シート材料と一緒に巻かれてもよい。この第2の条帯様要素は、第1の条帯様要素と一緒に又は同要素とは別個に使用可能である。第2の条帯様要素は、出口チャネルの領域内でシート材料を圧縮して、出口チャネルを形成する開口周囲にシート材料を緊密に接触させる役目を果たすが、それは望ましくない迂回路に対して追加的な安全性を与える。
【0182】
第2の条帯様要素の主機能が、迂回路に対してさらなる安全性を与えるように出口チャネルの領域内に追加的な圧縮力を与えることであるとき、第2の条帯様要素が作製される材料は必ずしも非圧縮性である必要がないので、第2の条帯様要素が作製される材料は、シート材料と同じ材料でよい。
【0183】
したがって、第2の条帯様要素は、デプス式濾過装置材料から作製可能であるが、いくつかの用途では、本質的に非有孔性の材料からも作製可能である。さらには、第2の条帯様要素は、本質的に非圧縮性である材料から作製されてもよい。
【0184】
本発明の上記及び他の利点は、図面の個別図の以下の説明から明白になろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0185】
図1は、巻かれたシート材料13の層からなる本体12を具備する、本発明の濾過装置モジュール10を示す。
【0186】
濾過装置モジュール10の本体12は、内周表面14及び外周表面16を備える。本体12の内部には、この本体の内周表面と同じ長さを持つその巻き軸20に沿って本体12を貫通する通路18が存在する。本体の内周表面は、中空の有孔心棒(図1に示されていない)の形態にある支持部材によって、図1の実施形態の中に構成される通路と流体連通している。
【0187】
シート材料13は、図1に示された実施形態の場合では長方形状であり、外周表面16に口を開ける第1の種類のチャネル24を形成するように協働する多数の開口22を備える。チャネル24は、概ね本体12の外周表面から内周表面に向かう方向へ延びる。
【0188】
シート材料13は、本体12の内周表面14に口を開ける第2の種類のチャネル28(例えば、図1a)を形成するように協働する複数の開口26を備える。チャネル28は、概ね本体12の内周表面から外周表面に向かう方向へ延びる。
【0189】
言及しやすいように、第1の種類のチャネル24は入口チャネルと呼ばれ、第2の種類のチャネル28は出口チャネルと呼ばれる。
【0190】
しかし、外周表面16に口を開けるチャネル24が出口チャネルとして機能してもよく、他方で内周表面14に口を開けるチャネル28が入口チャネルとしての役目をしてもよいことが本発明の範囲内であることに留意されるべきである。その場合には、流体の流れは、逆に通路18からチャネル28に進入して、シート材料13の本体12を通り抜け、出口チャネル24が濾過液を回収してそれを外周表面16に排出することになろう。
【0191】
入口及び出口チャネル24及び28が、それぞれ本体12の別々の円板形状部分29a及び29bの中に形成されるように、開口22及び26は平行な列でシート材料13の中に配置されることが好ましい。
【0192】
濾過装置モジュール10の本体は、その両前面48で、図8と関連してさらに詳細に説明される端部品150によって支持される。
【0193】
本発明の主な態様が、濾過装置モジュール10の本体12の部分切取りを表す図1aにより詳細に示されている。本体12は、ステー25によってシート材料13の長手方向へ分離される入口チャネル24を形成する開口22が設けられる螺旋に巻かれたシート材料13を備える。図1aに示された例では、開口22が相対的に大きく、かつ長方形構成である。開口のサイズ、特に、シート材料13の長手軸の方向におけるこれらの開口の延在部のサイズを考慮すると、ステー25は、図2に示された実施形態に関連して既に説明されたように、シート材料13の隣接層の対応するステーに合致することが考えられ得るが、それは本発明ではあまり重要ではない。
【0194】
ステー25は、主として本体12の構造を安定させる役割をし、これらのステーは、それらがシート材料13の隣接層のステーに接するかどうかにかかわらず、当該目的に役立つ。
【0195】
さらには、シート材料13は、出口チャネル28を形成する開口26の列を備える。図1aは、出口チャネル28に面する入口チャネル24の表面部分上で有孔層27によって覆われている入口チャネル24の表面を示す。
【0196】
この有孔層は、プレコート法、ボディフィード法、又はこれら2つの何らかの組合せによって堆積されてもよい。この層はまた、ボディフィード法の間に処理流体から濾過された物質を含有してもよい。プレコート又はボディフィード法によって特定的に追加された材料を含有するこのような層はいずれも、通常、プレコート層又は単にプレコートと呼ばれる。プレコートを創出する過程は、しばしばプレコーティングと呼ばれる。
【0197】
ボディフィード法の1つの例は、流体製品を濾過する処理を開始し、次いでその流れの中へ、水(又は他の適切な流体)と混合された濾過助剤粉体を濾過装置の上流の混合弁を介して連続的に射出するものである。水と粉体との混合物の体積流量は、処理流体の体積流量に比べて典型的に小さくなろう。ボディフィードではないプレコート法も同様に遂行され得る。例えば、水と混合された濾過助剤粉体は、処理流体が濾過装置システムの中へ導入される前に、このシステムを介して供給され得る。一旦、十分に厚いプレコートが濾過装置チャネルの中で実現されると、水と混合された濾過助剤の供給が停止されて処理流体の濾過が開始される。
【0198】
入口チャネル24のプレコートは、特定の処理又は濾過用途に応じて様々な材料から構成されてもよく、濾過助剤、反応剤、処理材料、吸収若しくは吸着物質、又は他の成分を含んでよい。
【0199】
プレコート層27を構成する成分には粒子材料が特に推奨されるが、このような成分の特定の例は、珪藻土、パーライト、ベントナイト、活性炭、ゼオライト、微晶質セルロース、及びPVPPである。
【0200】
入口チャネル24のプレコーティングは、本体12の特性を様々な処理及び/又は濾過作業に適合させる汎用手段を提供する。
【0201】
流体の処理は、本体12の濾過特徴を利用しても又はしなくても、濾過装置モジュール10によって実行可能である。
【0202】
濾過媒体とプレコートとの組み合わせられた濾過特性は、処理流体の性質、並びに濾過処理の流量、圧力、及び温度仕様を含む数多くの要素に依存する。特に本発明に関連して言えば、濾過特性はプレコートの厚さaによって影響され、開口24の他のサイズをどのようにするかは、プレコートの厚さを考慮した後のことである。数多くの処理では、プレコートが開口24のサイズに比べて薄い状態にあるときに最適性能が得られる。しかし、最適処理は、プレコートの有孔性及び他の特徴に応じて、開口24を完全に又はほぼ完全に満たすことであり得る。
【0203】
図2は、参照数字50で示される、本発明に係る濾過装置モジュールの別の実施形態を通る断面を示す。この濾過装置モジュール50はシート材料53の本体52を具備し、この材料は本体52を形成するために螺旋に巻かれる。簡潔化の理由で、この図ではプレコート層を省略してある。
【0204】
本体52は、内周表面54及び外周表面56を備える。
【0205】
巻き軸60と同じ長さを有する通路58が、この本体の一方の端面59から他方の端面まで延びる。
【0206】
シート材料53は、入口チャネル64を形成する細長い溝穴62の形態にある第1の種類の開口を備える。第2の種類の溝穴又は開口66は、出口チャネル68を形成している。入口チャネル64は外周表面56で口を開け、かつ内周表面54に隣接するそれらの対向端で閉鎖される。シート材料53の長さ方向に沿って延びる溝穴又は開口62及び66の長さは、本体52を形成する連続層のそれぞれの1つの中に、1巻き当たり少なくとも2つ以上の開口が存在するようになっている。溝穴62は、シート材料のステー70によって、相互からシート材料53の長さ方向へ分離される。シート材料のステー72は、溝穴66を分離する役目を果たす。
【0207】
シート材料53の長さ方向における開口62及び66の顕著な延在部と、2つの隣接する開口62及び66のそれぞれを分離する、シート材料53の長さ方向におけるステー70及び72のわずかな延在部とのために、入口及び出口チャネル64及び68はそれぞれ、ステー70及び72のみがそれぞれ交差する連続的なリング形状構造である。
【0208】
しかし、シート材料のステー70及び72は、本体52の安定性及び圧力抵抗にとって重要であり、シート材料53が、管状の格子様構造である支持部材74の周囲に巻かれるときに、濾過装置モジュール50の製造を容易にする大きな助けにもなる。出口チャネルを内周表面54と連結する開口66は、通路58を構成する支持部材74の内部と連通している。
【0209】
内周表面54及び外周表面56に直接的に隣接し、入口チャネル64及び出口チャネル68を閉鎖する本体12部分の厚さ(径方向で測定した)が、それぞれa及びbで示される。厚さa及びbは、入口チャネル64と出口チャネル68との間のシート材料の厚さを画定する距離dに少なくとも対応することが好ましい。
【0210】
図3は、濾過装置モジュールのシート材料13の3つの層を模式的に示す。図3の図示では、簡略化の理由のみのために、入口チャネル24のプレコート層が割愛されている。
【0211】
この及び他の実施形態では、入口チャネルを形成する円形開口が使用されているけれども、図1及び1aに関連して説明された実施形態におけるものと同じ参照数字が、同様の要素に用いられる。
【0212】
層30aは、外周表面16を構成するシート材料13の最外層に対応する。
【0213】
層30dは本体12の中間層に対応し、層30zは本体12の内周表面14を構成する最内層に対応する。
【0214】
当然のことであるが、濾過装置モジュールの本体12は、通常では遥かに多くの層30を有し、前述の層30a、30d、及び30zは、本発明の濾過装置モジュールの機能を説明するのに必要な細部をすべて示すものである。
【0215】
濾過装置モジュールにおいてシート材料13を完全に利用するために、開口22a、22b、及び22cの3つの平行な列の集団が設けられ、これらの開口は円形断面である。
【0216】
シート材料13の利用をさらに最大化するために、開口22a、22b、及び22cのこれらの3つの列は、図4の図示と関連して示され、かつさらに論じられる千鳥構成でそれらの列集団の内部に配置される。
【0217】
図3は、濾過装置モジュールの構成の特定の他の細部を供するのではなく、主として、この濾過装置モジュールのシート材料13の本体を通り抜ける流体の流れを説明する目的に役立つものである。
【0218】
先に留意したように、シート材料の外層30aは、外周表面16を構成し、処理されるべき流入する流体に曝され、かつ入口チャネル24の形成に寄与する開口22のみを備える。内周表面14を構成する最内層30zは、出口チャネル28の形成に関与する唯一の種類の開口、即ち、開口26を備える。
【0219】
濾過装置モジュールの本体12を通り抜ける流体の流れが、矢印80、82、83、及び84によって模式的に示されている。流入する流体は、入口チャネル24に進入する様々な流れに分割される。
【0220】
処理されるべき流体は、表面16全体にわたって入口チャネル24に進入した後、濾過装置モジュールの本体12に流入する。入口チャネル24はシート材料13の最内層30zによって閉鎖されているので、流体の流れは、入口チャネル24を通過し続けて、内周表面14と流体連結している通路18に進入することはできない。
【0221】
したがって、流体の流れは、それが開口26によって構成された出口チャネル28に到達するまで、矢印82によって示されたように分散し、シート材料13を通り抜けて流動し続ける。
【0222】
出口チャネル26の中では、濾過液が回収されて内周表面14に排出され、そこでこの濾過液は、矢印84によって示されたように結合される。
【0223】
入口チャネル側面上に利用可能な大きい表面積を有することが重要であるので、本実施形態における入口チャネル24の個数が、開口22及び26のサイズはほぼ同じであるが、出口チャネル28の個数の約3倍である。
【0224】
この図にも模式的に示されているように、本体12の端面48には、本体12の端面48を利用し、それらを濾過処理に関与させるように配置された出口チャネル28の列が存在することが好ましい。これらの端面はまたプレコート層(図示せず)を備えている。
【0225】
これが矢印83によって示されており、本体12の端面48から出口チャネル28に至る流れを示す。
【0226】
図4は、追加的に濾過装置モジュールの本体の中で生じる流体の流れを示すために、図1の濾過装置モジュールに同様の濾過装置モジュールの本体12の中間部から切り取った濾過装置モジュールのシート材料13の2つの層を示す。簡略化の理由で、プレコート層は図中では省略してある。
【0227】
流入する流体は、3つの平行な列の集団で配置される入口チャネル24を介してシート材料13の本体12に進入し、さらに図4から明確に分かるように、入口チャネル24の3つの列は、本体12の機械的な安定性に影響を与えることなく最大表面積を内部チャネル側面上に設けるために、シート材料13の最小領域部分を利用するように千鳥構成で配置される。
【0228】
出口チャネル26は、表面積の増大が主として入口側面の関心事であるので、平行なチャネルの単一列として配置される。
【0229】
図5aから5cは、本発明によって提案された入口及び出口チャネル構造の様々な変形を示す。この場合も、簡略化の理由で、プレコート層は図中では省略してある。
【0230】
図5aでは、シート材料13が開口の異なるパターンを備え、前記パターンは、出口チャネル28を形成する開口26の単一列と交互する入口チャネル開口22の単一列を備える。十分な表面を濾過装置モジュールの入口側面に設けるために、開口22の断面は、出口チャネル28を形成する開口26の断面よりも遥かに大きい。
【0231】
さらには、入口チャネル24を形成する開口22の縁部におけるシート材料13の厚さは、その開口の両側で所定の厚さに低減されている。低減した厚さを有する開口22の周囲領域は連続的なチャネル様構造90を形成する。
【0232】
このために、入口チャネル24を形成する開口22の周囲の表面領域90も、流入流体がシート材料13の表面に直接的にかつ分離しないで接触する表面積に寄与するので、利用可能な表面積が大幅に増大される。その場合に、シート材料13の2つの隣接層が、開口22の1つの列によって形成された入口チャネル24を相互連結する連続的な螺旋チャネル92を設ける。
【0233】
シート材料13内部の流体の流れは、出口チャネル28に向かう方向で開口22の壁間で生じるばかりでなく、低減した厚さを有する、開口22の縁部の周囲領域からも生じる。図5aから極めて明確に分かるように、シート材料の低減した厚さは、シート材料13の両面に設けられるとき、シート材料13に貫入するために、流入する流体に利用可能な表面積を増大させる。
【0234】
図4に関連して既に説明されたように、濾過液は出口チャネル28の中に回収されて、内周表面14及び通路18(両方とも図5aに示されていない)に排出される。
【0235】
図5bでは、既に図4に示された開口パターンがシート材料13の中に設けられているが、しかし、そこではシート材料の低減した厚さの領域94及び95が、入口チャネル24を形成する開口22の縁部の周囲領域内ばかりでなく、出口チャネル28を形成する開口26の縁部の周囲にも存在する。
【0236】
この特定の実施形態では、シート材料13の厚さの低減は、シート材料13の一方の面のみに設けられている。
【0237】
入口チャネル24を形成する開口22の断面及び出口チャネル28を形成する開口26の断面は、ほぼ同じである。しかし、入口チャネル24の個数が出口チャネル28に対して増加しているので、入口側面で利用可能な表面積は出口側面におけるよりも遥かに大きい。
【0238】
図5cは、入口開口22周囲の低減した厚さの領域96の別の変形を示すが、他方では出口チャネル28を形成する開口26周囲の領域内の厚さは低減されていない。低減した厚さはシート材料13の両面に設けられている。この実施形態から、入口チャネル24を形成するシート材料13中の開口の縁部周囲における低減した厚さ領域の多様な構成が利用可能であり、実行されるべき濾過作業に従って選択可能であることが分かる。
【0239】
シート材料の低減した厚さによって設けられた増大した表面積はまた、プレコートの有孔層によって芯形成されることが可能であり、よって有孔層のさらに増大した表面を設ける。
【0240】
図6は、濾過装置モジュール110の形態にある本発明の別の実施形態を示すが、この濾過装置モジュールは、シート材料113の2つの隣接層によって表されたその本体112の一部のみが、このモジュールから取り出されて示されている。この場合も、プレコート層に関する細部が図示では割愛されている。
【0241】
したがって、シート材料13の両方の層は、入口チャネル116を構成する開口114及び出口チャネル120を形成する開口118を含む開口パターンを有する。
【0242】
開口114は、開口118と同様に単一の列で配置されるので、開口114の断面積は、より大きい表面積を入口側面上に設けるために、開口118の断面積よりも大きい。
【0243】
シート材料113を出口チャネル120の近傍でより顕著に圧縮するために、条帯様要素122が、出口チャネル120を形成する開口118周囲の領域内でシート材料113を圧縮するために、シート材料113と一緒に巻かれている。
【0244】
条帯様要素122の材料は、シート材料113よりも圧縮性が低い材料から選択可能であり、本体112を組み立てるとシート材料113は圧縮を受けて、出口チャネル120の周囲でより小さい厚さを示すが、それは図6の正面の断面図から明白である。
【0245】
出口チャネル120の周囲におけるシート材料113のより高い圧縮のために、当該領域内の濾過特性は、より微細な粒子が当該領域内で捕捉可能であるように多少変更されている。さらには、この方策は、出口チャネル120周囲の領域内のシート材料113の隣接層間の中により高い圧力及びより顕著な接触を創出し、それによって迂回路の恐れに対して追加的な安全性を与える。
【0246】
条帯様材料をシート材料113と一緒に滑らかに巻くことを可能にするために、かつ本体112の本質的に滑らかな外表面を可能にするために、条帯様要素122は二重くさび形状の断面を有し、そのテーパ付き縁部は入口チャネル116の方向に向いている。
【0247】
条帯様要素122は、図6に示されたように、2つの平行な部分に分割可能であるが、これらの要素はまた、単体構造であってもよく、図6の図示から容易に実施可能である二重くさび形状を有してもよい。
【0248】
図6に示された条帯様要素122の分割構造の場合に、開口118のそれぞれの列の出口チャネル120を相互連結する隣接層113の間には、これらの領域間の中で、出口チャネル120の領域内のシート材料113を退出する濾過液も循環できるように、螺旋チャネル124が設けられている。
【0249】
条帯様材料122はまた、その圧縮性がシート材料113の圧縮性と、したがって出口チャネル120を形成する開口118周囲の領域内の圧縮と同じであるので、シート材料13と同じ材料から作製されてもよい。
【0250】
このような場合では、出口チャネル120を連結するチャネル様構造124に沿って延びる、図6に示した分割された条帯様要素122の面126も、濾過液を出口チャネル120に送達する役割を果たすことになろう。
【0251】
図7から、入口チャネル24を形成する開口22は、シート材料13の隣接層の対応する開口22と不完全に整合することが明らかである。
【0252】
入口チャネル24は、本体12の内周表面14に隣接して位置するそれらの端部34で閉鎖されており、前記通路18とは連通していない。対応して、出口チャネル28は、内周表面14に隣接して位置するそれらの端部で口を開けるが、外周表面16に隣接するそれらの対向端36で閉鎖されている。濾過装置モジュール10の本体12中のチャネル24及び28のこの構造を設けるために、シート材料13は、第1の端部分38の中に、出口チャネル28の形成のみに寄与する開口26を備える。入口チャネル24の形成に寄与し得る開口は、シート材料13の当該部分38の中には見られない。
【0253】
シート材料13は、その他方の端部分40に、入口チャネル24の形成のみに寄与する開口22を備え、当該端部分40の中には、出口チャネル28の形成に寄与する開口26は見られない。
【0254】
通常、端部分40及び38の長さは、内周表面14及び外周表面16にそれぞれ隣接する、本体12内部のシート材料13の少なくとも2つの連続層によって、出口及び入口チャネルの閉鎖端36及び34がそれぞれ覆われて遮断されるようになっている。
【0255】
これは、全体として本体12の濾過特徴が維持され、処理されるべき流体が、シート材料を迂回して、濾過装置モジュール10の入口から濾過装置モジュールの出口に至る短絡路を見つけられないことを保証するには通常十分である。
【0256】
図7から分かるように、隣接層30a、30b、30c、及び30dの開口22は、入口チャネル24の表面が、滑らかな管状表面を示すことはなく、入口チャネル24の表面積を大幅に増大させ、それによって濾過装置モジュール10の濾過容量及び使用ライフを増大させる複数の凹所41a及び突起41bをそれぞれ備えるように、不完全に整合する。
【0257】
同様に図7から明らかなように、シート材料13の端部分38の低減した厚さがその末端に存在しており、それは本体12の外周表面16における端部分40に関しても同じように該当する。
【0258】
テーパ付き区間42及び44をそれぞれ備える端部分38及び40を有することによって、本体12全体にわたってシート材料13の隣接層の完全な接触に寄与する、シート材料13の滑らかな巻きが行われる。
【0259】
本体12の外周表面16におけるシート材料13の端部分40のテーパ付き部分44は、当該表面上に階段様の凹所をいずれも備えることがない、滑らかな外表面16を設ける。
【0260】
これは、入口チャネル24から出口チャネル28に至る迂回路を回避するように、一旦、濾過装置モジュール10の本体12が、本体12のシート材料13を、したがって本体12を全体として圧縮された状態に維持する役目を果たす条帯様要素46によって、圧縮状態で保持されると重要である。
【0261】
条帯様要素46は、圧縮手段として機能し、出口チャネル28を備えるこのような本体12の円板形状部分29a上の本体12の外周表面16上に位置決めされる。入口チャネル24を備える本体12の部分29bは、これらの条帯様要素46によって覆われていない。したがって、出口チャネル28を備える領域29a内の本体12の圧縮は、入口チャネル24を収容する本体12の部分29bにおけるよりも多少高い。これは、迂回路問題を回避するためにかなり重要であり、濾過されるべき流体は、出口チャネル28及び通路18に到達する前に強制的にシート材料13に通して流動させられる。
【0262】
シート材料13の端部分40のテーパ付き端部分44は、本体12が本体全体にわたって均質の濾過特性を有することを保証する均一な様態で、条帯様要素46の圧縮力を外周表面16全体の周囲に印加することを助ける。
【0263】
本体12のシート材料13は、濾過装置モジュールがデプス式濾過装置ユニットとして機能することになるのか、それとも表面式濾過装置ユニットとして機能することになるのかに応じて、デプス式濾過装置材料であってもよいし、又は非有孔材料であってもよい。
【0264】
本発明に有用なデプス式濾過装置材料のほとんどは圧縮又は変形され得る。恒久的である変形部分は、使用されたデプス式濾過装置材料に応じて異なる。
【0265】
デプス式濾過装置材料は、可塑的又は恒久的に変形可能であるばかりでなく、シート材料13が圧縮されると、シート材料13の表面はその元の状態で完全には平面的ではないけれども、変形部の弾性部分がシート材料13の隣接層を相互に密着状態に維持することを助けるように、少なくとも一部が弾性特性を示すことが好ましい。
【0266】
本発明に従って使用された好ましいデプス式濾過装置材料は、異なる基部構造を有してもよい。例えば、不織繊維材料が、メルトブローン繊維、セルロース系繊維又は他の天然繊維、有機又は無機繊維、金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の基部の上に使用されてもよい。
【0267】
織物材料も様々な繊維構造で可能である。織物材料は、単繊維材料、多繊維材料、及び/又は多層材料でよい。基部材料は、セルロース系材料又は他の天然繊維、有機又は無機繊維(後者は金属繊維を含む)でよい。
【0268】
焼結織物材料、主としてプラスチック又は金属から作製された異なる構造及び粒径の焼結粉体材料を含む焼結材料も、シート材料13として使用するのに適切なデプス式濾過装置材料であり得る。
【0269】
さらには、異なる構造のプラスチック又は天然重合体の発泡材料が、本発明に有用なシート材料を構成してもよい。
【0270】
セルロース系繊維の基部から製造されたデプス式濾過装置材料は、実質的に、即ち、濾過装置層の完全性を破壊することなく、その元の厚さの約20%を優に下回って圧縮され得る。当然のことであるが、最大圧縮の程度は、セルロース系繊維と組み合わせられた添加剤が存在するか否かに応じる。このような添加剤は、非圧縮性が非常に適切であり、シート材料の重量を基準にして、約70重量%に達する量が存在してもよい。
【0271】
セルロース基部のシート材料が、本発明に適切に適合する。これらの材料は、2700Nの圧縮力を使用して、例えば、元の厚さの約12%の厚さまで圧縮可能である。これらの材料が元の厚さの約20%の厚さを回復することが許容されるとき、弾性力は、例えば、530Nに達する。
【0272】
本体12を形成するためのシート材料13として本発明に従って使用され得る有用なセルロース基部シート材料の他の例は、3600Nの圧縮力で約33%の厚さに圧縮可能であり、その元の厚さの約45%の厚さまで解放されるときに250Nの弾性力を示す。
【0273】
通常、セルロース系材料は水性媒体と接触するときに膨潤し、後者の例では、弾性力が、膨潤効果によって310Nまで増大し得る。
【0274】
シート材料13が、濾過されるべき流体と接触しても膨潤しない用途では、濾過されるべき流体と接触するときにシート材料が膨潤する場合におけるよりも多少高い圧縮が通常使用されることになる。濾過装置モジュール10の安全な動作を保証するためには、それでしばしば十分である。
【0275】
図7aは、図7に示された濾過装置モジュールと同様の構造を有する濾過装置モジュール10”を示す。したがって、図7を参照して上で供された説明が、以下の点を除いて同様に該当する。
【0276】
図7に示された実施形態とは異なり、濾過装置モジュール10”は、内周表面14に向かって下方に延びる入口チャネル24’を備え、この内周表面で、これらの入口チャネルは、随意選択的に支持部材として機能しかつ中空の有孔心棒の形態を有し得る閉鎖要素35の流体不浸透部分によって閉鎖される。シート又は閉鎖部材35の穿孔27は、出口チャネル28の一部であるシート材料の開口26と整合する。濾過装置モジュール10”を形成するために使用されたシート材料は、それが図7の実施形態における場合のように入口チャネルに寄与する開口22”が存在しない端部分38を有することはない。
【0277】
同様に、図7の実施形態とは異なり、濾過装置モジュール10”を形成するために使用されたシート材料は、出口チャネル28に寄与する開口が存在しない端部分40を有することはない。
【0278】
本体12の外周表面16上における出口チャネル28の閉鎖は、随意選択的に圧縮手段(条帯様要素46)として機能し得る閉鎖要素によって行われる。
【0279】
濾過装置モジュール10”の場合においても、シート材料の端部分が、図7に示されたようなテーパ付き構成(参照数字42及び44)を有することが好ましい。
【0280】
本体12の内周及び外周表面14、16上の入口及び出口チャネルの前述の別法による閉鎖も、本発明の範囲内の任意の他のチャネル構成でも実施可能であることが十分に理解される。
【0281】
本発明のさらに別の態様が図8に示されている。
【0282】
図1に示された実施形態の記述に関連して既に説明されたように、通路18は、濾過装置本体12を貫通して一方の端面48から他方の端面に達する。
【0283】
濾過装置モジュール10の本体を筐体、特に、既存の筐体又は既存の濾過装置組立体の内部に収容するために、通路18を(既存の)環境に適合させることが必要である。このような適合に関する随意選択が図8に示されている。図8に示された提案によれば、端部品150が、本体12の端面48に、この端面の中心部分の中で封止係合する。端部品は、その少なくとも1つが通路18に到達するための開口を備えるが、図8に示されたように、存在する場合には支持部材32にも係合する。
【0284】
端部品150は封止要素を備えてもよいが、図8に示されたように、端部品には、本体12の端面48に向けられたそれらの前面から突出する封止突縁152、154を設けることが推奨される。
【0285】
突縁152及び154は、これらの断面が図8に示されたように、これらがシート材料13の層の縁部の中へ突出することを可能にする円錐形状を有することが好ましく、その結果として、このシート材料が圧縮されて、処理又は濾過されるべき流体により高い流れ抵抗を創出する。
【0286】
最内突起154は、突起152よりも大きく設計されることが好ましい。
【0287】
支持部材32は、突縁154が最内層13aの縁部の中へ突出すると、この最内層を形成するシート材料13が降伏するための多少の空間を設けるように、テーパ付き部分33を示す。
【0288】
図8における場合のように、支持部材32を使用して通路18を画定するとき、このような支持部材は、端部品150が本体12の端面48に装着され、突出する突縁152及び154がシート材料13の層の縁部に進入すると共に同材料を圧縮するときに、シート材料13が支持部材32に対して定位置に保持されることを保証する角度付き突起160を、本体12の端面48に隣接するその支持部材の端部分上に有する。
【0289】
本発明のさらに他の態様が図9に示されている。
【0290】
図9は、上で説明された濾過装置モジュールのための製造方法の模式図を供する。
【0291】
本発明に係る方法が、本発明に係る濾過装置モジュールの本体を形成するために使用されるべきセルロース系の濾過装置材料に関して以下に説明される。このようなセルロース系シート材料13は、保管ロール170から供給され、この保管ロール170から穿孔機械172に移動するが、この穿孔機械は、作製されるべき濾過装置モジュールの入口及び出口チャネルのための開口を形成する穿孔器具174を具備する。
【0292】
前述のように、穿孔器具174は、例えば、図5aから5cに関連して先に説明したように、入口チャネル及び/又は出口チャネルを形成する開口の領域周囲でシート材料13の圧縮を可能にする圧縮要素(図示せず)を備えることが好ましい。穿孔されたシート材料13’は、穿孔機械172の下流で、穿孔されたシート材料13’を取り上げて、それを最終的な濾過装置モジュールに巻き付ける巻き機械176に供給される。
【0293】
巻き処理中、シート材料13’の隣接層間の密着を保証し、ローラ178によって圧縮力を径方向に印加することが重要である。
【0294】
ローラ178によって及ぼされた圧縮力は、矢印180によって図9に示したように径方向であるべきである。
【0295】
好ましくは、ローラ178は摩擦を生み出すことがなく、巻き付けて濾過装置モジュールを形成すると、圧縮力180が印加されかつシート材料13’によって感受される領域が、ローラ178の実際の接触点又は接触線及び濾過装置モジュール10の巻きを越える領域にわたって広がるべきである。
【0296】
濾過装置モジュール10が完成したら、シート材料13’は、シート材料13’の移動方向に対して直交する線に沿って切断され、濾過装置モジュール10は、巻きステーション176から取り出されても依然として圧縮された状態に維持され、濾過装置モジュール10の本体を圧縮された状態に維持するために圧縮要素が定位置に配置されることになろう。
【0297】
穿孔器具174は、巻き処理の初めでは、濾過装置モジュール10の通路18と連通することになるチャネルのための開口のみを創出するように動作するが、濾過装置モジュール10の本体の外周表面と連通する種類のチャネルを形成することになるような開口は創出しない。
【0298】
この穿孔動作は、濾過装置モジュール10本体の最内部分の巻かれた濾過装置材料本体のほぼ2つ以上の層を形成する一定長さのシート材料13が穿孔されてしまうまで継続される。
【0299】
その後で、穿孔機械172の穿孔動作は全開動作、即ち、濾過装置モジュール10の通路18及び内周表面に口を開けるチャネルのための開口ばかりでなく、濾過装置モジュール10の外周表面に口を開けるチャネルのための開口も穿孔する動作に切り換えられる。
【0300】
巻き処理の終了近くで、穿孔動作は、濾過装置モジュールの外周表面16に口を開けるチャネルを形成する開口のみが作製されるが、濾過装置モジュール10の通路18に口を開けるチャネルを形成する開口がもはや作製されないように、再び変更される。
【0301】
この動作は、濾過装置モジュール10の本体の外周表面に口を開けるチャネルを形成する開口のみを備えるシート材料13’のほぼ2つ以上の層が、濾過装置モジュール10の本体の上に巻かれているような時間にわたって継続する。
【0302】
先に留意したように、シート材料13’の端部分は、巻き機械176の中で濾過装置モジュール10を形成するために巻かれるシート材料13’の最前部分が、濾過装置モジュール10の本体中に階段様構造を創出するのではなく、螺旋形態のシート材料13’の滑らかな巻きを可能とするように、テーパ付き形態であり得る。濾過装置モジュール10の本体の上に巻かれるシート材料13’の末端部分も、濾過装置モジュール10の外周表面上に滑らかな表面が実現されており、階段様構造を回避し、かつモジュール10の外周表面16の上に固定された圧縮要素が、それらの包囲する表面部分のすべてに緊密に当接することを保証するように、テーパ付き区間を有する。
【0303】
巻き機械176の中で巻かれるとき、シート材料に対して付与された圧縮力180は、濾過装置モジュール10の本体の所望の圧縮程度を実現するために調節可能である。
【0304】
圧縮の程度は、提案された用途及びこの巻き処理で使用されたシート材料13の性質によって決められる。
【0305】
図9に関連して、本発明の方法が、穿孔機械172の段階的穿孔動作に関連して説明されているが、連続的な穿孔動作が実行されてもよいことが容易に考えられ得る。当然のことであるが、その場合に、穿孔器具は異なる外観を有しなければならないが、しかし、そのような種類の穿孔手順でもまた、一方の種類のチャネル及び/又は他方の種類のチャネルのための開口を形成する個々の穿孔器具の入切を切り換えることが可能であろう。
【0306】
しかし、図9に示された断続的様態での穿孔は、それが、少なくとも入口チャネルの開口に関する限り、濾過装置モジュール10のための本体を形成するために巻かれるときに開口が相互と不完全に整合するような様態で、開口をより容易に設けることを可能とするので推奨される。このような方法によって実現された利点は、本発明の一般的な記述で詳細に説明されている。
【0307】
このために、図9に関連して説明された穿孔動作において、穿孔器具174の2つの行程間で、同じ種類のチャネルを形成する隣接開口が、穿孔器具174の一方の穿孔動作で作製された一方の穿孔パターンの内部で同じ種類の2つの隣接開口が示すものとは異なる、シート材料13の長さ方向の距離をまさに有するように、穿孔されるべきシート材料は、穿孔器具に対してその位置が調節されることが必要になろう。この距離はより大きくても又はより小さくてもよいが、穿孔されたシート材料13’が濾過装置モジュール10の本体を形成するために巻かれるとき、その効果は、図7に最も適切に示されている開口の不完全な整合をもたらすことになる。
【0308】
開口の不完全な整合を保証する他の方法も可能であり、本特許で企図された構造の中に包含される。例えば、それぞれが多少異なるサイズの断面及び/又は断面形状を有する多打抜き穴を使用して、開口ごとにサイズ及び/又は形状が異なる開口を創出することができよう。これらの開口の縁部は、本体を形成するために巻かれるとき、これらの開口の異なるサイズ、これらの開口の位置の任意のずれ、及び/又は異なる形状により、完全には整合しない。
【0309】
濾過装置モジュールの巻きが完了されると、プレコート層材料が、入口又は出口チャネル表面のいずれかに被覆され得る。
【図面の簡単な説明】
【0310】
【図1】巻かれたシート材料の層からなる本体を有する本発明の濾過装置モジュールの第1の実施形態の図である。
【図1a】図1の濾過装置モジュールのシート材料の層の一部を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る濾過装置モジュールを通る部分断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る濾過装置モジュールのシート材料の数層を示す模式図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る濾過装置モジュールのシート材料の数層を通る部分断面図である。
【図5a】図4に示されたシート材料の変形の図である。
【図5b】図4に示されたシート材料の別の変形の図である。
【図5c】図4に示されたシート材料の更に別の変形の図である。
【図6】図4の濾過装置層の他の変形の図である。
【図7】巻かれた層の本体の一部が切り取られた、図1の濾過装置モジュールの図である。
【図7a】図7の濾過装置モジュールの変形の図である。
【図8】図1に従う濾過装置モジュールの端部分の部分断面図である。
【図9】本発明に係る濾過装置モジュールの製造方法の一部を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻かれたシート材料の層からなる本体を具備する濾過装置モジュールであって、
前記本体は、内周表面及び外周表面と、巻き軸と、前記本体の前記巻き軸に沿って延び、前記内周表面と流体連通する通路と有し、
前記シート材料は、前記材料の中に形成された複数の開口を有し、
前記開口は、前記本体における前記巻かれたシート材料の層の内部に2つの種類のチャネルを形成し、
これらのチャネルは、前記内周表面から前記外周表面に向かう方向へ延び、
第1の種類のチャネルは、一方の端部が前記本体の前記外周表面で開口し、かつ前記内周表面に隣接して位置する他方の端部が閉鎖され、
第2の種類のチャネルは、一方の端部が前記本体の前記内周表面で開口し、前記通路と流体連通し、かつ前記外周表面に隣接して位置する他方の端部が閉鎖され、
前記第1と第2の種類のうち一方の種類のチャネルは、前記シート材料の一部によって前記第1と第2の種類のうち他方の種類のチャネルから分離されており、
前記一方の種類のチャネルは、当該濾過装置モジュールの流体入口と連通する入口チャネルであり、前記他方の種類のチャネルは、当該濾過装置モジュールの流体出口と連通する出口チャネルであり、
前記第1と第2の種類のうち少なくとも一方の種類のチャネルの表面はプレコートを支持する、濾過装置モジュール。
【請求項2】
前記プレコートは2つ以上の成分を含む、請求項1に記載の濾過装置モジュール。
【請求項3】
前記成分の少なくとも1つは粒子形態にある、請求項2に記載の濾過装置モジュール。
【請求項4】
前記プレコートは有孔性の粒子成分を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項5】
前記プレコートは濾過助剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項6】
前記プレコートは処理剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項7】
前記プレコートは反応剤を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項8】
前記プレコートは吸収又は吸着剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項9】
前記プレコートは、珪藻土、パーライト、ベントナイト、活性炭、ゼオライト、微晶質セルロース、及びPVPPから選択された成分を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項10】
前記シート材料は、前記入口チャネルを形成する前記開口の縁部に領域を有し、前記領域の厚さは、前記開口から遠隔の前記シート材料の厚さよりも小さい、請求項1〜9のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項11】
前記入口チャネルを形成する前記開口の縁部における、より小さい厚さのシート材料の前記領域は、予め画定された厚さに圧縮される、請求項10に記載の濾過装置モジュール。
【請求項12】
前記シート材料のより小さい厚さの前記領域は、前記出口チャネルを形成する前記開口に向かう方向へ放射状に延びる、請求項10又は11に記載の濾過装置モジュール。
【請求項13】
前記領域は、同じ種類の隣接する開口の方向へ延び、前記領域は、前記シート材料の前記巻き方向に沿って延びる1つ又は複数の連続的な流路を形成する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項14】
マクロ孔質材料の第1の条帯様要素が、前記入口チャネルを形成する前記開口を備える前記シート材料の前記領域を覆うために、前記シート材料と一緒に巻かれる、請求項10〜13のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項15】
前記マクロ孔質材料は本質的に非圧縮性である、請求項14に記載の濾過装置モジュール。
【請求項16】
前記第1の条帯様要素は、くさび形状断面を有する帯の形態を有する、請求項14又は15に記載の濾過装置モジュール。
【請求項17】
前記シートの前記圧縮は、前記シート材料の両面から実行される、請求項10〜16のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項18】
第2の条帯様要素が、前記出口チャネルを形成する前記開口を備える前記シート材料の前記領域を覆うために、前記シート材料と一緒に巻かれ、前記条帯様要素は、前記シート材料の前記開口と本質的に整合するべき開口を有する、請求項10〜17のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項19】
前記第2の条帯様要素は非有孔性材料から作製される、請求項18に記載の濾過装置モジュール。
【請求項20】
前記第2の条帯様要素は、くさび形状断面を有する帯の形態を有する、請求項18又は19に記載の濾過装置モジュール。
【請求項21】
前記開口の縁部における前記圧縮された領域によって創出された前記連続的な流路は、プレコートを支持する表面を有する、請求項13〜20のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項22】
前記マクロ孔質の条帯様要素は、プレコートを支持する表面を有する、請求項20又は21に記載の濾過装置モジュール。
【請求項23】
前記入口チャネルを形成する前記開口の大多数は、シート材料の隣接層の対応する開口と不完全に整合する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項24】
前記開口の前記不完全な整合は、平均して約90%以下の前記開口の重なりに対応する、請求項23に記載の濾過装置モジュール。
【請求項25】
前記開口の前記不完全な整合は、平均して約50%以上の重なりに対応する、請求項23又は24に記載の濾過装置モジュール。
【請求項26】
前記入口チャネルを形成する前記開口の少なくとも約75%、より好ましくは、少なくとも約85%が、隣接層の前記対応する開口と不完全に重なる、請求項23〜25のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項27】
前記開口は、シート材料のステーによって相互から分離されている、請求項1〜26のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項28】
前記入口チャネルを形成する前記開口は、前記開口を相互に分離する前記ステーの、前記シート材料の巻き方向における延在部よりも大きい、同じ方向における前記延在部を有する、請求項27に記載の濾過装置モジュール。
【請求項29】
前記入口チャネルを形成する前記開口の個数が、前記出口チャネルを形成する前記開口の個数よりも大きい、請求項1〜28のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項30】
前記入口チャネルの個数が前記出口チャネルの個数よりも多い、請求項1〜29のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項31】
前記入口チャネルの個数が、前記出口チャネルの個数に比べて2倍以上である、請求項30に記載の濾過装置モジュール。
【請求項32】
前記第1と第2の種類のそれぞれにおけるチャネルについての前記シート材料の中の前記開口は、平行な列で配置される、請求項1〜31のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項33】
前記第1と第2の種類のうち一方の種類のチャネルについての前記開口は、2つ以上の隣接する列の集団で配置されるのに対して、前記第1と第2の種類のうち他方の種類のチャネルについての前記開口は、より少ない数の列で配置される、請求項32に記載の濾過装置モジュール。
【請求項34】
前記入口チャネルを形成する前記開口は予め画定されたパターンで配置され、前記パターンは、1つのパターンに属する同じ種類の隣接する開口間の距離が、異なるパターンに属する同じ種類の隣接する開口の距離とは異なるように、前記シート材料の長さ又は巻き方向に沿って多数回反復される、請求項1〜33のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項35】
前記シート材料は、前記巻かれた該シート材料の層からなる前記本体がデプス式濾過装置ユニットを構成するように、圧縮された状態に維持されるデプス式濾過装置材料であり、前記シート材料の前記圧縮は、好ましくは、前記本体における前記重ねられた層の厚さが同じ数のシート材料の個別層の厚さの約99%以下に達するようになっている、請求項1〜34のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項36】
前記本体における前記重ねられた層の厚さは、同じ数のシート材料の個別層の厚さの約20%以上に達する、請求項35に記載の濾過装置モジュール。
【請求項37】
前記本体における前記重ねられた層の厚さは、同じ数のシート材料の個別層の厚さの約50%以上に達する、請求項36に記載の濾過装置モジュール。
【請求項38】
前記重ねられた層の厚さは約97%から約85%に達する、請求項37に記載の濾過装置モジュール。
【請求項39】
前記シート材料の最内層及び/又は最外層が、少なくとも前記本体が圧縮される程度に圧縮される、請求項1〜38のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項40】
3つの前記最内層及び/又は2つの前記最外層は、前記本体の圧縮の程度に実質的に対応する程度に圧縮される、請求項39に記載の濾過装置モジュール。
【請求項41】
前記シート材料は、圧縮可能な材料及び/又は濾過されるべき前記流体と接触して膨潤する材料を含む基材を備える、請求項1〜40のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項42】
前記モジュールは、前記本体の前記外周表面の上に位置決めされた固締手段を具備し、前記固締手段は、前記シート材料を圧縮された状態に維持する、請求項1〜41のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項43】
前記本体は、前記本体の両端面の近傍に及び前記両端面から離間して、複数の出口チャネルを備える、請求項1〜42のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項44】
前記出口チャネルを形成する前記開口は、前記本体の円板様領域の中に配置され、前記円板様領域は、入口チャネルを形成する開口を備えない、請求項1〜43のいずれか一項に記載の濾過装置モジュール。
【請求項45】
請求項1〜44のいずれか一項に記載の濾過装置モジュールを製造するための方法であって、前記シート材料は、内周表面及び外周表面を有する多数の連続層の本体を形成するために、支持要素の周囲に巻かれ、前記開口は、前記本体のシート材料の前記巻かれた層の内部に2つの種類のチャネルを形成し、少なくとも一方の種類のチャネルは、前記一方の種類のチャネルのチャネル表面の上にプレコートが被覆される、方法。
【請求項46】
前記プレコートは2つ以上の成分を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記成分の少なくとも1つは粒子形態にある、請求項の46に記載の方法。
【請求項48】
前記プレコートは有孔性の粒子成分を含む、請求項45〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記プレコートは濾過助剤を含む、請求項45〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記プレコートは処理剤を含む、請求項45〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記プレコートは反応剤を含む、請求項45〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記プレコートは吸収又は吸着剤を含む、請求項45〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記プレコートは、珪藻土、パーライト、ベントナイト、活性炭、ゼオライト、微晶質セルロース、及びPVPPから選択された成分を含む、請求項45〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記シート材料の中に前記開口を形成するステップと、前記入口チャネルを形成するために開口が設けられる領域で前記シート材料の前記厚さを所定の値に低減するステップとを含む、請求項45〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
低減した厚さの前記領域は、前記領域が、前記シート材料の巻き方向に沿って延びる1つ又は複数の連続的な流路を形成するように、同じ種類の隣接する開口の方向へ延びるように形成される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記開口の縁部における前記圧縮された領域によって創出された前記連続的な流路は、前記有孔層で被覆される表面を有する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記シート材料は、前記1つ又は複数の隣接層のそれぞれを緊密に接触させるために、前記巻き軸の周囲に巻かれるときに圧縮力によって圧縮され、前記圧縮力はローラによって径方向に印加される、請求項45〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記圧縮力は、前記本体の重ねられた層の厚さが、同じ数のシート材料の個別層の厚さの約99%以下に達するように調節される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記本体の前記重ねられた層の厚さが、同じ数のシート材料の個別層の厚さの約20%以上に達する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
圧縮可能なシート材料が使用され、前記シート材料を前記巻くステップは、マクロ孔質の本質的に非圧縮性の第1の条帯様要素を前記シート材料と一緒に巻くステップを含む、請求項54〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記マクロ孔質の第1の条帯様要素は、前記入口チャネルを形成する前記開口の前記開口と本質的に整合する開口を備える、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記マクロ孔質の第1の条帯様要素は、プレコートを支持する表面を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記厚さを低減するステップは、前記シート材料の両面から前記厚さを低減することによって実行される、請求項54〜62のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図7a】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−502461(P2009−502461A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523232(P2008−523232)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007367
【国際公開番号】WO2007/017111
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【住所又は居所原語表記】2200 Northern Boulevard East Hills, New York
【Fターム(参考)】