無線センサ受信装置、及び、無線センサ装置
【課題】設置される設備側の改版や周辺からの影響を受けたり、また、無線センサ受信装置の受信感度等の諸特性を劣化させることなく、受信アンテナ部の形状小型化、薄型化を達成できる無線センサ受信装置を提供する。
【解決手段】アンテナ素子811〜813は、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、部品搭載基板80の一面上に配置されている。誘電体基体は部品搭載基板80を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されている。アンテナ導体膜は誘電体基体によって支持されている。アンテナ素子811〜813のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている。
【解決手段】アンテナ素子811〜813は、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、部品搭載基板80の一面上に配置されている。誘電体基体は部品搭載基板80を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されている。アンテナ導体膜は誘電体基体によって支持されている。アンテナ素子811〜813のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサ受信装置、及び、無線センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
センサによって検知された温度や湿度等のデータを、無線センサ送信装置により、隔地に配置された無線センサ受信装置に送信する無線センサ装置は、例えば、特許文献1などにより知られている。
【0003】
この種の無線センサ装置は、温度、湿度または照度の計測値を利用する機器から、無線センサ送信装置を空間的に離間させ、無線センサ送信装置によって得られたデータを、無線センサ受信装置に送って計測値を集中管理することができるし、また、無線センサ送信装置を移動、携帯することができるなど、多様な形態での利用が可能となる。
【0004】
無線センサ受信装置では、無線センサ送信装置から無線通信された信号を検出しなければならないが、検出可能な信号レベルの下限値は、受信アンテナ部と、受信回路部の受信感度特性に依存する。このため、受信感度特性が悪いと、検出できる信号レベルの下限値がより大きいレベルとなり、より微弱な信号レベルを検出しにくくなる。また、受信感度特性は、無線センサ送信装置と無線センサ受信装置間の距離(通信距離)や無線センサ受信装置周辺の耐ノイズ環境性に影響を及ぼし、受信感度が悪いほど、通信距離や耐ノイズ環境性は劣化することになる。
【0005】
そこで、この種の無線センサ装置においては、いかにして、受信感度を向上させるかが、重要な課題となる。受信感度に影響を及ぼす受信回路部及び受信アンテナ部のうち、受信回路部は回路構成を工夫することによって、受信感度の向上に対応することが可能であるが、受信アンテナ部には、機械的、物理的制約があるために、常に、理想的状態で用いるというわけには行かない。
【0006】
例えば、受信アンテナ部を、無線周波数の1/2又は1/4波長に近い長さで、垂直に立つモノポールタイプとした場合、無線周波数fを300MHzにしたとすると、1/4波長では250mm、1/2波長では500mmの長さのアンテナが必要となる。無線周波数fを1000MHzまで上げた場合でも、1/4波長では75mm、1/2波長では150mmの長さが必要になるから、無線センサ受信装置の小型化、薄型化に限界が生じる。
【0007】
しかも、受信アンテナ部を、モノポールタイプによって構成した場合、アンテナの受信感度、アンテナ利得等の特性を最大に引き出すためには、接地電極面積として、アンテナを中心に、半径が無線周波数の1/2波長に相当する円の面積を必要とする。このような理想的なモノポールタイプのアンテナが構成できれば、アンテナの持つ受信感度特性を十分に発揮できる。
【0008】
しかし実際には、無線センサ受信装置は、空調設備等の内部に設置され、システム部品搭載基板に実装され設置されることが多い。このため、接地電極の面積は、無線センサ受信装置と、部品搭載基板の接地電極の配置とその面積に依存せざるをえなくなり、モノポールタイプの諸特性を確保するに必要な接地電極面積を確保することは困難である。
【0009】
また、アンテナは、モノポールタイプを意識して構成されていても、設置される設備側の大きな改版がない限り、その受信感度やアンテナ利得等の諸特性は、最大限に引き出されていることはなく、設置される設備の周囲に影響されざるをえない。
【0010】
また、アンテナ部は、無線センサ受信装置より、1/4波長又は1/2波長突出する形態になるので、設置される設備の影響も受ける他、通行人等の影響も受けやすくなり、状況によっては、アンテナの特性は、さらに劣化する場合がある。
【0011】
モノポールタイプのアンテナに代えて、ダイポールタイプのアンテナを用いた場合も、同様の問題を生じる。
【特許文献1】特開2002−14072公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、設置される設備側の改版や周辺からの影響を受けたり、また、無線センサ受信装置の受信感度等の諸特性を劣化させることなく、受信アンテナ部の形状小型化、薄型化を達成できる無線センサ受信装置及びそれを用いた無線センサ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するため、本発明に係る無線センサ受信装置は、部品搭載基板と、アンテナ素子と、受信回路部と、信号処理部とを含む。前記部品搭載基板は、一面に前記アンテナ素子と、前記受信回路部と、前記信号処理部とを有し、これらは順次に接続されている。
【0014】
前記アンテナ素子は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、前記部品搭載基板の前記一面上に配置されている。前記誘電体基体は、前記部品搭載基板を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されている。前記アンテナ導体膜は、前記誘電体基体によって支持されており、前記アンテナ素子のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている。
【0015】
上述した本発明に係る無線センサ受信装置の特徴は、アンテナ素子の点にある。即ち、アンテナ素子は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、部品搭載基板の一面上に配置されている。アンテナ導体膜は誘電体基体によって支持されており、アンテナ素子のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている。
【0016】
従って、従来のモノポールタイプやダイポールタイプのアンテナと異なって、高さ方向に突出していることがないので、無線センサ受信装置が設置される設備の周囲からの影響を受けにくくなる。また、モノポールタイプではないので、受信感度特性等について、接地電極面積の中央部にアンテナ部が配置されなければならない等の制約も受けない。
【0017】
更に、基板の部品搭載面側に、複数個のアンテナ素子が配置されることによりアンテナ部が構成される為、アンテナ素子を配置する面積と、裏面に形成される接地電極面積とを、任意に調整することができる。また、周囲設備との配置関係、無線センサ受信装置全体のサイズ、及び、部品搭載基板の外形寸法も、任意に調整することができる。
【0018】
結局、本発明によれば、従来と比べ、設置される設備側の改版や周辺からの影響を受けたりまた、無線センサ受信装置の受信感度等の諸特性を劣化させることなく、アンテナ部の形状小型化、薄型化を達成できる。
【0019】
更に、複数のアンテナ素子に分かれているので、個々のアンテナ素子を、反りや割れを生じることなく、必要な特性が得られるように、個別に選択、使用することができる。
【0020】
しかも、アンテナ導体膜を支持する誘電体基体は、部品搭載基板を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されているから、アンテナ特性を、誘電率の高い誘電体基体に持たせ、また、装置全体としての機械的強度を、誘電率が低くて、機械的強度に優れた部品搭載基板によって確保することができる。
【0021】
本発明に係る無線センサ受信装置は,無線センサ送信装置と組み合わされ、無線センサ装置を構成する。無線センサ送信装置は、センサにより物理量を検出し、センサから出力される検出信号を信号処理部によって処理し、信号処理部から供給される信号を、送信回路部によってアンテナ部に供給し、空中に放射しえるから、センサにより検出された物理量を、無線センサ受信装置によって受信することができる。測定対象となる物理量には、温度、湿度、照度、加速度、衝撃等の諸量が含まれる。
【0022】
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、無線センサ送信装置10と、本発明に係る無線センサ受信装置8とを組み合わせた無線センサ装置のブロック図である。無線センサ送信装置10は、センサ部2に備えられた複数のセンサ21〜23により物理量を検出し、センサ21〜23から出力される検出信号を信号処理部4によって処理し、信号処理部4から供給される信号を、送信回路部5によってアンテナ部6に供給し、空中に放射する。センサ21〜23において、測定対象となる物理量には、温度、湿度、照度、加速度、衝撃等の諸量が含まれる。センサ21〜23の個数及び種類は、測定対象となっている物理量に応じて準備される。
【0024】
無線センサ受信装置8は、アンテナ6から放射された物理量の信号を受信する。無線センサ受信装置8は、部品搭載基板80と、アンテナ部81と、受信回路部82と、信号処理部83とを含む。図2は無線センサ受信装置の平面図、図3は図2に示した無線センサ受信装置の正面図である。
【0025】
部品搭載基板80は、一面(部品搭載面)にアンテナ部81と、受信回路部82と、信号処理部83とを有する。これらは、図1に示した状態で順次に接続されている。部品搭載基板80の部品搭載面の裏面には、アンテナ部81の形成エリア以外の箇所に、ベタパターンの接地電極GNDが形成されている。
【0026】
アンテナ部81は、3個のアンテナ素子811〜813によって構成されている。但しアンテナ素子811〜813の個数は3個に限らず、それよりも多くてもよい。また、2個であってもよい。これらのアンテナ素子811〜813は、たとえば、(縦)8×(横)3×(厚み)2mmの形状を持ち、横方向、縦方向、及び、横方向というように、方向を変えながら、配置されている。従って、アンテナ素子811〜813の内側には、アンテナ素子811〜813によって囲まれた開口面積が生じる。
【0027】
開口面積と対向する裏面側には、接地電極GNDは設けない。接地電極GNDのない開口面積と、接地電極GNDの面積は、アンテナ利得や受信感度特性に影響を及ぼす。接地電極GNDのない開口面積が大きければ大きい程好ましいが、部品搭載基板80の平面形状には当然限界があり、アンテナ素子811〜813も当然に平面積を有する。そこで、アンテナ素子811〜813の平面形状に関しては、部品搭載基板80の面積内での最適設計がなされる。
【0028】
図4はアンテナ素子811〜813の平面図、図5は図4に示したアンテナ素子811〜813の正面図である。アンテナ素子811〜813のそれぞれは、誘電体基体84と、アンテナ導体膜85とを含み、部品搭載基板80の一面上に配置されている。誘電体基体84は、部品搭載基板80を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されている。具体的には、部品搭載基板80は、その外形寸法の自由度が効き、設備内への実装度の自由度にも効果のある基板材料、例えばFR4から構成される。その比誘電率は4〜5である。これに対して、誘電体基体84は、例えば、比誘電率7〜8の範囲にある高誘電率のセラミック材料にて構成される。誘電体基体84は、FR4と比べると、外形寸法や実装性についての自由度が制約されてくるため、部品搭載基板80に配置しやすい形態(8×3×2mm)にて構成されている。
【0029】
アンテナ導体膜85は、誘電体基体84によって支持されている。より具体的には、第1の導体片851を、部品搭載基板80の一面に、一方向に所定の間隔で形成するとともに、他面に、第1の導体片851と同一のピッチで、同方向に第2の導体片852を形成する。そして、誘電体基体84を厚み方向に貫通する第3の導体片853及び第4の導体片854により、ヘリカル接続となるように、第1の導体片851及び第2の導体片852の端部を順次に接続する。これにより、第1の導体片62、第3の導体片853、第2の導体片852及び第4の導体片854によって囲まれた開口部が生じる。この開口部の面積は、ほぼ、第1の導体片851及び第2の導体片852の有効長Xと、第3の導体片853及び第4の導体片854の有効長Yとの積XYによって定まる。
【0030】
インビーダンスの共振点を、無線送信する周波数にあわせるには、開口面積、巻き数、基板材料の誘電率を調整すればよい。無線送信周波数が下がる程、開口面積、巻き数、又は誘電率を上げなければならない。開口面積を上げるには、誘電体基体84の厚み、又は、アンテナ形成部の床面積を大きくすればよいが、アンテナ形成部の形状も大きくなり、装置形状も大きくなる。
【0031】
一方、巻き数や基板材料の誘電率を上げれば、装置形状を大きくすることなく、インピーダンスを下げることができる。巻き数を上げるとパターン長が増えるため、パターンによる導体損失も増加するが、誘電体基体84を構成する材料の比誘電率(εr)を上げれば、巻き数を減らすことができる。これにより、パターンによる導体損失を低減でき、アンテナ部6としての損失が増大することなく、形状を小型化できる。
【0032】
アンテナ素子811〜813のそれぞれのアンテナ導体膜85は、互いに直列に接続されている。図6は、アンテナ素子811〜813の接続によるアンテナ回路の回路図である。図示するように、アンテナ素子811は、アンテナ導体85によるインダクタL11を有しており、インダクタL11の両端にキャパシタC11、C12を接続したπ型回路として表現される。アンテナ素子812も、アンテナ導体85によるインダクタL21を有しており、インダクタL21の両端にキャパシタC21、C22を接続したπ型回路として表現される。更に、アンテナ素子813も、アンテナ導体85によるインダクタL31を有しており、インダクタL31の両端にキャパシタC31、C32を接続したπ型回路として表現される。キャパシタC11、C12、C21、C22、C31、C32は、一般には、集中定数として、誘電体基体84に備えられたものではなく、アンテナ素子811〜813のアンテナ導体85と接地電極GNDとの間に発生するキャパシタである。
【0033】
アンテナ素子811〜813の接続において、まず、アンテナ素子811の一端側では、インダクタL41及びキャパシタC41の直列接続回路を通して接地された回路として表現される。アンテナ素子811の他端側では、アンテナ素子811とアンテナ素子812の一端とを、直列のキャパシタC42によって接続し、アンテナ素子811の他端側を、インダクタL42を通して接地した回路として表現される。アンテナ素子812の他端側では、アンテナ素子812とアンテナ素子813の一端とを、直列のインダクタL43によって接続し、インダクタL43の両端のうち、アンテナ素子812の接続側を、キャパシタC43によって接地し、アンテナ素子813の接続側を、インダクタL44を通して接地した回路として表現される。
【0034】
更に、アンテナ素子813の他端を、インダクタL45を通して受信回路部に導き、インダクタL45の受信回路部側を、キャパシタC44を通して接地した回路として表現される。但し、図6は、単に一例を示すに過ぎず、これに限定される趣旨ではない。
【0035】
上述したように、アンテナ素子811〜813は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体84と、アンテナ導体膜85とを含み、部品搭載基板80の一面上に配置されている。アンテナ導体膜85は誘電体基体84によって支持されており、アンテナ素子811〜813のそれぞれのアンテナ導体膜85は、互いに直列に接続されている。この構造によれば、従来のモノポールアンテナやダイポールアンテナと異なって、アンテナ部が高さ方向に突出していることがないので、無線センサ受信装置8が設置される設備の周囲からの影響を受けにくくなる。また、モノポールタイプではないので、受信感度特性等について、GND面積の中央部にアンテナ部が配置されなければならいない等の制約も受けない。
【0036】
更に、部品搭載基板80の部品搭載面側に、複数個のアンテナ素子811〜813が配置されることによりアンテナ部が構成されるから、アンテナ素子811〜813を配置する面積と、裏面に形成される接地電極GNDの面積とを、任意に調整可能である。周囲設備との配置関係や無線センサ受信装置8の全体サイズを、部品搭載基板80の外形寸法に応じて調整可能である。
【0037】
結局、本発明によれば、従来と比べ、設置される設備側の改版や周辺からの影響を受けたり、また、無線センサ受信装置8の受信感度等の諸特性を劣化させることなく、アンテナ部の形状小型化、薄型化を達成できる。
【0038】
更に、複数のアンテナ素子811〜813に分かれているので、個々のアンテナ素子811〜813を、反りや割れを生じることなく、必要な特性が得られるように、個別に選択、使用することができる。しかも、アンテナ導体膜85を支持する誘電体基体84は、部品搭載基板80を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されているから、アンテナ特性を、誘電率の高い誘電体基体84に持たせ、装置全体としての機械的強度を、機械的強度に優れた部品搭載基板80によって確保することができる。
【0039】
但し、図4及び図5は、単に、採用しえるアンテナ素子構造の一例を示すのみであって、このような構造に限定する趣旨ではない。たとえば、誘電体基体84の内部に導体パターンとして内蔵させた構造などを採用することもできる。
【0040】
本発明に係る無線センサ受信装置8と組み合わされて無線センサ装置を構成する無線センサ送信装置10は、無線センサ受信装置8との良好な組み合わせが可能であれば、特に制限はない。次に、組み合わせに適した無線センサ送信装置の一例を示す。
【0041】
図7は本発明に係る無線センサ送信装置10の平面図、図8は図7に示した無線センサ送信装置10の正面図、図9は図7、図8に示した無線センサ送信装置10の部分破断底面図、図10は図7〜図9に示した無線センサ送信装置10の底面図、図11は図7〜図10に示した無線センサ送信装置10のブロック図である。図示の無線センサ送信装置10は、モジュール化されており、誘電体基体1と、センサ21〜23と、センサ回路31〜33と、信号処理部4と、送信回路部5と、アンテナ部6と、電池91とを含む。
【0042】
誘電体基体1は、絶縁材料で構成されていればよく、有機系絶縁材料、無機系絶縁材料又は複合絶縁材料の何れを用いてもよい。また、全体が誘電体材料で構成されていてもよいし、誘電体材料層と磁性材料層との組み合わせであってもよい。
【0043】
センサ21〜23は、誘電体基体1の一面に搭載されている。測定対象となる物理量には、温度、湿度、照度、加速度、衝撃等の諸量が含まれる。各種のセンサを組み合わせて用いてもよいし、一種のセンサとして構成してもよい。
【0044】
図11を参照すると、モジュール一個当たりのセンサ個数はn(n=1、2、3、...)となっている。センサ回路31〜3nは、センサ21〜2nに個別的に備えられる。個数nは任意である。図示の実施例は、n=2の場合を示している。以下、n=2として説明する。
【0045】
センサ回路31〜33は、センサ21〜23のそれぞれに個別的に備えられ、センサ21〜23で検出された信号を、後段の信号処理部4に対する伝送及び処理に適した信号に変換し、これを出力する。センサ回路31〜33は、センサ21〜23の内部要素として、センサ21〜23と一体に構成されていてもよい。図示実施例では、センサ回路31〜33は、センサ21〜23とは独立の回路として、誘電体基体1の一面に搭載されている。
【0046】
信号処理部4は、センサ21〜23またはセンサ回路31〜33から出力される検出信号を処理する回路部分であって、誘電体基体1の一面に搭載されている。
【0047】
送信回路部5は、信号処理部4から供給される信号を、アンテナ部6に供給する回路であって、誘電体基体1の一面に搭載されている。
【0048】
誘電体基体1の他面には、接地電極7が設けられている。接地電極7は、いわゆる「ベタ塗り」(広域パターン)であるが、アンテナ部6の下側に位置する部分には形成しない。アンテナ部6に対する接地電極7の悪影響を回避するためである。
【0049】
電池91は、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5に電源を供給するものであって、誘電体基体1の他面、即ち、接地電極7のある側に組み付けられている。図示の実施例では、電池91は、外周が円形状のいわゆる「コイン型」であり、外周面が誘電体基体1の他面において、その外部に出ないように、面内に設けられている。より具体的には、絶縁性合成樹脂などで構成されたホルダ92の内部に配置されている。ホルダ92は、一面が、誘電体基体1の他面に設けられた接地電極7の面上に接着などの手段によって取り付けられている。ホルダ92の内部には、電池91の陽極、電極に接触する端子93、94が備えられている。
【0050】
アンテナ部6は、誘電体基体1に組み付けられている。図示のアンテナ部6は、誘電体基体1の一面上において、その周辺に設けられている。図示の誘電体基体1は、一例として、外形が四角形状であり、アンテナ部6はその一つの隅部に配置されている。
【0051】
アンテナ部6は、基本的には、図4及び図5に図示した構造をとることができる。即ち、ヘリカル状であって、誘電体基体1の厚み方向にある面と平行な方向に巻軸を有する。このアンテナ部6は、センサ回路31〜33、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5の配置領域の側部において、誘電体基体1に組みつけられている。このような配置構造であると、アンテナ部6から放射される電磁界のうち、アンテナ部6の側部に放射される電磁界は、側部に存在するセンサ回路31〜33、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5などに含まれる導体又は導体パターンによる吸収,減衰作用を受ける。この結果、アンテナ部6は、誘電体基体1上における位置に対応した特定方向のアンテナ指向性を有するに至る。
【0052】
図示実施例の場合、誘電体基体1の他面には、接地電極7及び電池9が設けられているので、アンテナ部6から放射される電磁界は、接地電極7及び電池9による吸収,減衰作用を受ける。このため、アンテナ指向性が、更にシャープになる。
【0053】
アンテナ指向性は、アンテナ部6の構造自体に依存するほか、誘電体基体1上におけるアンテナ部6の位置に依存する。従って、誘電体基体1上におけるアンテナ部6の位置を選定することにより、アンテナ指向性をある程度任意に調整することができる。例えば、巻軸の方向に対して交差する方向で最大となるようにすることもできるし、巻軸の方向で最大となるようにすることもできる。
【0054】
更に、アンテナ部6は、図4及び図5を参照して説明した受信アンテナと同様の構造、即ち、アンテナ導体を用いて、ヘリカル巻に構成されている。この構成によれば、その形状効果により、アンテナ部6の全長を著しく短縮できる。このため、形状を著しく小型化した無線センサ送信装置10を提供することができる。
【0055】
また、アンテナ導体は、誘電体基体1の厚み方向にある面と平行な一方向に巻き進むから、アンテナ部6に流れる高周波電流磁界のうち、接地電極を貫通する成分を著しく減少させ、高周波電流磁界による渦電流の発生を抑制することができる。更に、全体を小型化したにもかかわらず、電磁ノイズがアンテナ部6に乗るのを回避し得る。
【0056】
しかも、図示の無線センサ送信装置10は、電池91を含み、電池91は、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5に電源を供給する。従って、無線センサ送信装置10を新たに設置する場合、及び、設置後に任意の場所に移動する場合には、電源の確保について設置環境に制約を受けることがなくなり、AC電源のない環境に自由に設置して用いることができる。即ち、設置環境に制約を受けることがない。
【0057】
図示の無線センサ送信装置10において、電池91は、誘電体基体1の他面(接地電極側)に組み付けられている。即ち、誘電体基体1の一面側に、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5を配置し、他面に電池91を配置する構造である。したがって、小型、薄型、且、軽量の無線センサ送信装置10を実現することができる。
【0058】
電池91は、好ましくは、外周が円形状であり、誘電体基体1の面内にある。このような構成によれば、全体の平面外形寸法を、電池91の外径による影響を受けず、専ら、誘電体基体1の平面積によって定まる形状まで小型化できる。
【0059】
ところで、無線センサ送信装置10を電池駆動とした場合、無線センサ送信装置10自身の小型化の要請と、消費電流の低減化の要請とを共に満たすことは技術的困難性を伴う。例えば、小型化、薄型化、及び、軽量化の要請からアンテナ部6の形状を小型化した場合、無線センサ送信装置10に必要とされる消費電流が増加することとなるから、電池寿命が、半年〜1年間という短期間で終了してしまう不都合を生じてしまいかねない。
【0060】
勿論、単三電池2本を用いて、3.0V電源をつくるなど、電池の大容量化、大型化を図れば、電池寿命を長期間に渡って維持することはできるが、反面、小型化、薄型化、及び、軽量化の要請に充分に応えることができなくなる。
【0061】
さらに、無線センサ送信装置10自身の小型化の要請、及び、消費電流の低減化の要請とを共に実現するためには、より低いアンテナ部6ヘの入力電力で、通信距離が増大できなければならない。そのためには、アンテナ部6の損失を低下させるとともに、電磁界の輻射効率を上げなければならない。
【0062】
上記要請に関して、アンテナ導体は、誘電体基体1の面と平行な一方向に巻き進むから、アンテナ部6に流れる高周波電流磁界のうち、接地電極7を貫通する成分を著しく減少させ、高周波電流磁界による渦電流の発生を抑制することができる。更に、全体を小型化したにもかかわらず、電磁ノイズがアンテナ部6に乗るのを回避し得る。
【0063】
しかも、アンテナ部6は、ヘリカル状であって、誘電体基体1の厚みを開口部の2辺とするから、開口部の面積をコントロールすることにより、アンテナ利得を向上させることができる。
【0064】
この結果、無線センサ送信装置10自身の小型化の要請、及び、消費電流の低減化の要請とを共に実現し、アンテナ部6の低損失化、電磁界の輻射効率の向上を達成することができる。即ち、より低いアンテナ部6ヘの入力電力で、通信距離を増大させ、アンテナ部6の前段に備えられる回路部の消費電力を低減化させ、無線センサ装置全体での消費電流の低減化、ひいては、電池寿命及び連続動作時間の長期化を達成することができる。
【0065】
アンテナ部6は、好ましくは、電池91の搭載領域外に備えられる。また、アンテナ部6の占有領域内には、アンテナ部6以外の電気的要素、例えば、導体パターン又は他の部品を配置しない構成が好ましい。このような構成によれば、電気信号や、電磁界のアンテナ部6に対する干渉を回避し、ノイズの発生を抑制できる他、渦電流漏れが低減され、アンテナ利得が向上する。
【0066】
図12は無線センサ送信装置10の更に別の例を示す平面図、図13は図12に示した無線センサ送信装置10の部分断面図、図14は図12及び図13に示した無線センサ送信装置10の底面図である。この例の特徴は、アンテナ部6を、誘電体基体1の一辺に沿って、そのほぼ全長にわたって設けた点にある。アンテナ部6は、誘電体基体1に直接に設けられている。アンテナ部6と対応する部分には、接地電極7は設けられていない。
【0067】
図15は本発明に係る無線センサ装置の別の構成を示すブロック図である。図において、先に示した図面に表れた構成部分に相当する部分については、同一の参照符号を付してある。図示するように、図示実施例において、1個の無線センサ送信装置に対して、m個の無線センサ受信装置801〜80mが備えられている。これらは、互いに異なる位置に配置されているものとする。無線センサ受信装置801〜80mの個数m(m=1、2、3、...)は任意でよい。
【0068】
無線センサ受信装置801〜80mのそれぞれは、無線センサ送信装置10から送信された無線信号を、受信アンテナ部81及び受信回路82によって受信し、信号処理装置83で処理する。そして、処理結果を、中央管理装置等に送信する。これにより、隔地で測定された物理量を、別々の場所に設置された受信装置801〜80mで個別的に受信し、機器に対する制御を実行することができる。
【0069】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る無線センサ受信装置と、無線センサ送信装置とを組み合わせた無線センサ装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る無線センサ受信装置の平面図である。
【図3】図2に示した無線センサ受信装置の正面図である。
【図4】アンテナ素子の平面図である。
【図5】図4に示したアンテナ素子の正面図である。
【図6】アンテナ素子の接続によるアンテナ回路の回路図である。
【図7】本発明に係る無線センサ送信装置の平面図である。
【図8】図7に示した無線センサ送信装置の正面図である。
【図9】図7、図8に示した無線センサ送信装置の部分破断底面図である。
【図10】図7〜図9に示した無線センサ送信装置の底面図である。
【図11】図7〜図10に示した無線センサ送信装置のブロック図である。
【図12】無線センサ送信装置の更に別の例を示す平面図である。
【図13】図12に示した無線センサ送信装置の部分断面図である。
【図14】図12及び図13に示した無線センサ送信装置10の底面図である。
【図15】本発明に係る無線センサ装置の別の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
8 無線センサ受信装置
81 アンテナ部
811〜813 アンテナ素子
10 無線センサ送信装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサ受信装置、及び、無線センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
センサによって検知された温度や湿度等のデータを、無線センサ送信装置により、隔地に配置された無線センサ受信装置に送信する無線センサ装置は、例えば、特許文献1などにより知られている。
【0003】
この種の無線センサ装置は、温度、湿度または照度の計測値を利用する機器から、無線センサ送信装置を空間的に離間させ、無線センサ送信装置によって得られたデータを、無線センサ受信装置に送って計測値を集中管理することができるし、また、無線センサ送信装置を移動、携帯することができるなど、多様な形態での利用が可能となる。
【0004】
無線センサ受信装置では、無線センサ送信装置から無線通信された信号を検出しなければならないが、検出可能な信号レベルの下限値は、受信アンテナ部と、受信回路部の受信感度特性に依存する。このため、受信感度特性が悪いと、検出できる信号レベルの下限値がより大きいレベルとなり、より微弱な信号レベルを検出しにくくなる。また、受信感度特性は、無線センサ送信装置と無線センサ受信装置間の距離(通信距離)や無線センサ受信装置周辺の耐ノイズ環境性に影響を及ぼし、受信感度が悪いほど、通信距離や耐ノイズ環境性は劣化することになる。
【0005】
そこで、この種の無線センサ装置においては、いかにして、受信感度を向上させるかが、重要な課題となる。受信感度に影響を及ぼす受信回路部及び受信アンテナ部のうち、受信回路部は回路構成を工夫することによって、受信感度の向上に対応することが可能であるが、受信アンテナ部には、機械的、物理的制約があるために、常に、理想的状態で用いるというわけには行かない。
【0006】
例えば、受信アンテナ部を、無線周波数の1/2又は1/4波長に近い長さで、垂直に立つモノポールタイプとした場合、無線周波数fを300MHzにしたとすると、1/4波長では250mm、1/2波長では500mmの長さのアンテナが必要となる。無線周波数fを1000MHzまで上げた場合でも、1/4波長では75mm、1/2波長では150mmの長さが必要になるから、無線センサ受信装置の小型化、薄型化に限界が生じる。
【0007】
しかも、受信アンテナ部を、モノポールタイプによって構成した場合、アンテナの受信感度、アンテナ利得等の特性を最大に引き出すためには、接地電極面積として、アンテナを中心に、半径が無線周波数の1/2波長に相当する円の面積を必要とする。このような理想的なモノポールタイプのアンテナが構成できれば、アンテナの持つ受信感度特性を十分に発揮できる。
【0008】
しかし実際には、無線センサ受信装置は、空調設備等の内部に設置され、システム部品搭載基板に実装され設置されることが多い。このため、接地電極の面積は、無線センサ受信装置と、部品搭載基板の接地電極の配置とその面積に依存せざるをえなくなり、モノポールタイプの諸特性を確保するに必要な接地電極面積を確保することは困難である。
【0009】
また、アンテナは、モノポールタイプを意識して構成されていても、設置される設備側の大きな改版がない限り、その受信感度やアンテナ利得等の諸特性は、最大限に引き出されていることはなく、設置される設備の周囲に影響されざるをえない。
【0010】
また、アンテナ部は、無線センサ受信装置より、1/4波長又は1/2波長突出する形態になるので、設置される設備の影響も受ける他、通行人等の影響も受けやすくなり、状況によっては、アンテナの特性は、さらに劣化する場合がある。
【0011】
モノポールタイプのアンテナに代えて、ダイポールタイプのアンテナを用いた場合も、同様の問題を生じる。
【特許文献1】特開2002−14072公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、設置される設備側の改版や周辺からの影響を受けたり、また、無線センサ受信装置の受信感度等の諸特性を劣化させることなく、受信アンテナ部の形状小型化、薄型化を達成できる無線センサ受信装置及びそれを用いた無線センサ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するため、本発明に係る無線センサ受信装置は、部品搭載基板と、アンテナ素子と、受信回路部と、信号処理部とを含む。前記部品搭載基板は、一面に前記アンテナ素子と、前記受信回路部と、前記信号処理部とを有し、これらは順次に接続されている。
【0014】
前記アンテナ素子は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、前記部品搭載基板の前記一面上に配置されている。前記誘電体基体は、前記部品搭載基板を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されている。前記アンテナ導体膜は、前記誘電体基体によって支持されており、前記アンテナ素子のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている。
【0015】
上述した本発明に係る無線センサ受信装置の特徴は、アンテナ素子の点にある。即ち、アンテナ素子は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、部品搭載基板の一面上に配置されている。アンテナ導体膜は誘電体基体によって支持されており、アンテナ素子のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている。
【0016】
従って、従来のモノポールタイプやダイポールタイプのアンテナと異なって、高さ方向に突出していることがないので、無線センサ受信装置が設置される設備の周囲からの影響を受けにくくなる。また、モノポールタイプではないので、受信感度特性等について、接地電極面積の中央部にアンテナ部が配置されなければならない等の制約も受けない。
【0017】
更に、基板の部品搭載面側に、複数個のアンテナ素子が配置されることによりアンテナ部が構成される為、アンテナ素子を配置する面積と、裏面に形成される接地電極面積とを、任意に調整することができる。また、周囲設備との配置関係、無線センサ受信装置全体のサイズ、及び、部品搭載基板の外形寸法も、任意に調整することができる。
【0018】
結局、本発明によれば、従来と比べ、設置される設備側の改版や周辺からの影響を受けたりまた、無線センサ受信装置の受信感度等の諸特性を劣化させることなく、アンテナ部の形状小型化、薄型化を達成できる。
【0019】
更に、複数のアンテナ素子に分かれているので、個々のアンテナ素子を、反りや割れを生じることなく、必要な特性が得られるように、個別に選択、使用することができる。
【0020】
しかも、アンテナ導体膜を支持する誘電体基体は、部品搭載基板を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されているから、アンテナ特性を、誘電率の高い誘電体基体に持たせ、また、装置全体としての機械的強度を、誘電率が低くて、機械的強度に優れた部品搭載基板によって確保することができる。
【0021】
本発明に係る無線センサ受信装置は,無線センサ送信装置と組み合わされ、無線センサ装置を構成する。無線センサ送信装置は、センサにより物理量を検出し、センサから出力される検出信号を信号処理部によって処理し、信号処理部から供給される信号を、送信回路部によってアンテナ部に供給し、空中に放射しえるから、センサにより検出された物理量を、無線センサ受信装置によって受信することができる。測定対象となる物理量には、温度、湿度、照度、加速度、衝撃等の諸量が含まれる。
【0022】
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、無線センサ送信装置10と、本発明に係る無線センサ受信装置8とを組み合わせた無線センサ装置のブロック図である。無線センサ送信装置10は、センサ部2に備えられた複数のセンサ21〜23により物理量を検出し、センサ21〜23から出力される検出信号を信号処理部4によって処理し、信号処理部4から供給される信号を、送信回路部5によってアンテナ部6に供給し、空中に放射する。センサ21〜23において、測定対象となる物理量には、温度、湿度、照度、加速度、衝撃等の諸量が含まれる。センサ21〜23の個数及び種類は、測定対象となっている物理量に応じて準備される。
【0024】
無線センサ受信装置8は、アンテナ6から放射された物理量の信号を受信する。無線センサ受信装置8は、部品搭載基板80と、アンテナ部81と、受信回路部82と、信号処理部83とを含む。図2は無線センサ受信装置の平面図、図3は図2に示した無線センサ受信装置の正面図である。
【0025】
部品搭載基板80は、一面(部品搭載面)にアンテナ部81と、受信回路部82と、信号処理部83とを有する。これらは、図1に示した状態で順次に接続されている。部品搭載基板80の部品搭載面の裏面には、アンテナ部81の形成エリア以外の箇所に、ベタパターンの接地電極GNDが形成されている。
【0026】
アンテナ部81は、3個のアンテナ素子811〜813によって構成されている。但しアンテナ素子811〜813の個数は3個に限らず、それよりも多くてもよい。また、2個であってもよい。これらのアンテナ素子811〜813は、たとえば、(縦)8×(横)3×(厚み)2mmの形状を持ち、横方向、縦方向、及び、横方向というように、方向を変えながら、配置されている。従って、アンテナ素子811〜813の内側には、アンテナ素子811〜813によって囲まれた開口面積が生じる。
【0027】
開口面積と対向する裏面側には、接地電極GNDは設けない。接地電極GNDのない開口面積と、接地電極GNDの面積は、アンテナ利得や受信感度特性に影響を及ぼす。接地電極GNDのない開口面積が大きければ大きい程好ましいが、部品搭載基板80の平面形状には当然限界があり、アンテナ素子811〜813も当然に平面積を有する。そこで、アンテナ素子811〜813の平面形状に関しては、部品搭載基板80の面積内での最適設計がなされる。
【0028】
図4はアンテナ素子811〜813の平面図、図5は図4に示したアンテナ素子811〜813の正面図である。アンテナ素子811〜813のそれぞれは、誘電体基体84と、アンテナ導体膜85とを含み、部品搭載基板80の一面上に配置されている。誘電体基体84は、部品搭載基板80を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されている。具体的には、部品搭載基板80は、その外形寸法の自由度が効き、設備内への実装度の自由度にも効果のある基板材料、例えばFR4から構成される。その比誘電率は4〜5である。これに対して、誘電体基体84は、例えば、比誘電率7〜8の範囲にある高誘電率のセラミック材料にて構成される。誘電体基体84は、FR4と比べると、外形寸法や実装性についての自由度が制約されてくるため、部品搭載基板80に配置しやすい形態(8×3×2mm)にて構成されている。
【0029】
アンテナ導体膜85は、誘電体基体84によって支持されている。より具体的には、第1の導体片851を、部品搭載基板80の一面に、一方向に所定の間隔で形成するとともに、他面に、第1の導体片851と同一のピッチで、同方向に第2の導体片852を形成する。そして、誘電体基体84を厚み方向に貫通する第3の導体片853及び第4の導体片854により、ヘリカル接続となるように、第1の導体片851及び第2の導体片852の端部を順次に接続する。これにより、第1の導体片62、第3の導体片853、第2の導体片852及び第4の導体片854によって囲まれた開口部が生じる。この開口部の面積は、ほぼ、第1の導体片851及び第2の導体片852の有効長Xと、第3の導体片853及び第4の導体片854の有効長Yとの積XYによって定まる。
【0030】
インビーダンスの共振点を、無線送信する周波数にあわせるには、開口面積、巻き数、基板材料の誘電率を調整すればよい。無線送信周波数が下がる程、開口面積、巻き数、又は誘電率を上げなければならない。開口面積を上げるには、誘電体基体84の厚み、又は、アンテナ形成部の床面積を大きくすればよいが、アンテナ形成部の形状も大きくなり、装置形状も大きくなる。
【0031】
一方、巻き数や基板材料の誘電率を上げれば、装置形状を大きくすることなく、インピーダンスを下げることができる。巻き数を上げるとパターン長が増えるため、パターンによる導体損失も増加するが、誘電体基体84を構成する材料の比誘電率(εr)を上げれば、巻き数を減らすことができる。これにより、パターンによる導体損失を低減でき、アンテナ部6としての損失が増大することなく、形状を小型化できる。
【0032】
アンテナ素子811〜813のそれぞれのアンテナ導体膜85は、互いに直列に接続されている。図6は、アンテナ素子811〜813の接続によるアンテナ回路の回路図である。図示するように、アンテナ素子811は、アンテナ導体85によるインダクタL11を有しており、インダクタL11の両端にキャパシタC11、C12を接続したπ型回路として表現される。アンテナ素子812も、アンテナ導体85によるインダクタL21を有しており、インダクタL21の両端にキャパシタC21、C22を接続したπ型回路として表現される。更に、アンテナ素子813も、アンテナ導体85によるインダクタL31を有しており、インダクタL31の両端にキャパシタC31、C32を接続したπ型回路として表現される。キャパシタC11、C12、C21、C22、C31、C32は、一般には、集中定数として、誘電体基体84に備えられたものではなく、アンテナ素子811〜813のアンテナ導体85と接地電極GNDとの間に発生するキャパシタである。
【0033】
アンテナ素子811〜813の接続において、まず、アンテナ素子811の一端側では、インダクタL41及びキャパシタC41の直列接続回路を通して接地された回路として表現される。アンテナ素子811の他端側では、アンテナ素子811とアンテナ素子812の一端とを、直列のキャパシタC42によって接続し、アンテナ素子811の他端側を、インダクタL42を通して接地した回路として表現される。アンテナ素子812の他端側では、アンテナ素子812とアンテナ素子813の一端とを、直列のインダクタL43によって接続し、インダクタL43の両端のうち、アンテナ素子812の接続側を、キャパシタC43によって接地し、アンテナ素子813の接続側を、インダクタL44を通して接地した回路として表現される。
【0034】
更に、アンテナ素子813の他端を、インダクタL45を通して受信回路部に導き、インダクタL45の受信回路部側を、キャパシタC44を通して接地した回路として表現される。但し、図6は、単に一例を示すに過ぎず、これに限定される趣旨ではない。
【0035】
上述したように、アンテナ素子811〜813は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体84と、アンテナ導体膜85とを含み、部品搭載基板80の一面上に配置されている。アンテナ導体膜85は誘電体基体84によって支持されており、アンテナ素子811〜813のそれぞれのアンテナ導体膜85は、互いに直列に接続されている。この構造によれば、従来のモノポールアンテナやダイポールアンテナと異なって、アンテナ部が高さ方向に突出していることがないので、無線センサ受信装置8が設置される設備の周囲からの影響を受けにくくなる。また、モノポールタイプではないので、受信感度特性等について、GND面積の中央部にアンテナ部が配置されなければならいない等の制約も受けない。
【0036】
更に、部品搭載基板80の部品搭載面側に、複数個のアンテナ素子811〜813が配置されることによりアンテナ部が構成されるから、アンテナ素子811〜813を配置する面積と、裏面に形成される接地電極GNDの面積とを、任意に調整可能である。周囲設備との配置関係や無線センサ受信装置8の全体サイズを、部品搭載基板80の外形寸法に応じて調整可能である。
【0037】
結局、本発明によれば、従来と比べ、設置される設備側の改版や周辺からの影響を受けたり、また、無線センサ受信装置8の受信感度等の諸特性を劣化させることなく、アンテナ部の形状小型化、薄型化を達成できる。
【0038】
更に、複数のアンテナ素子811〜813に分かれているので、個々のアンテナ素子811〜813を、反りや割れを生じることなく、必要な特性が得られるように、個別に選択、使用することができる。しかも、アンテナ導体膜85を支持する誘電体基体84は、部品搭載基板80を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されているから、アンテナ特性を、誘電率の高い誘電体基体84に持たせ、装置全体としての機械的強度を、機械的強度に優れた部品搭載基板80によって確保することができる。
【0039】
但し、図4及び図5は、単に、採用しえるアンテナ素子構造の一例を示すのみであって、このような構造に限定する趣旨ではない。たとえば、誘電体基体84の内部に導体パターンとして内蔵させた構造などを採用することもできる。
【0040】
本発明に係る無線センサ受信装置8と組み合わされて無線センサ装置を構成する無線センサ送信装置10は、無線センサ受信装置8との良好な組み合わせが可能であれば、特に制限はない。次に、組み合わせに適した無線センサ送信装置の一例を示す。
【0041】
図7は本発明に係る無線センサ送信装置10の平面図、図8は図7に示した無線センサ送信装置10の正面図、図9は図7、図8に示した無線センサ送信装置10の部分破断底面図、図10は図7〜図9に示した無線センサ送信装置10の底面図、図11は図7〜図10に示した無線センサ送信装置10のブロック図である。図示の無線センサ送信装置10は、モジュール化されており、誘電体基体1と、センサ21〜23と、センサ回路31〜33と、信号処理部4と、送信回路部5と、アンテナ部6と、電池91とを含む。
【0042】
誘電体基体1は、絶縁材料で構成されていればよく、有機系絶縁材料、無機系絶縁材料又は複合絶縁材料の何れを用いてもよい。また、全体が誘電体材料で構成されていてもよいし、誘電体材料層と磁性材料層との組み合わせであってもよい。
【0043】
センサ21〜23は、誘電体基体1の一面に搭載されている。測定対象となる物理量には、温度、湿度、照度、加速度、衝撃等の諸量が含まれる。各種のセンサを組み合わせて用いてもよいし、一種のセンサとして構成してもよい。
【0044】
図11を参照すると、モジュール一個当たりのセンサ個数はn(n=1、2、3、...)となっている。センサ回路31〜3nは、センサ21〜2nに個別的に備えられる。個数nは任意である。図示の実施例は、n=2の場合を示している。以下、n=2として説明する。
【0045】
センサ回路31〜33は、センサ21〜23のそれぞれに個別的に備えられ、センサ21〜23で検出された信号を、後段の信号処理部4に対する伝送及び処理に適した信号に変換し、これを出力する。センサ回路31〜33は、センサ21〜23の内部要素として、センサ21〜23と一体に構成されていてもよい。図示実施例では、センサ回路31〜33は、センサ21〜23とは独立の回路として、誘電体基体1の一面に搭載されている。
【0046】
信号処理部4は、センサ21〜23またはセンサ回路31〜33から出力される検出信号を処理する回路部分であって、誘電体基体1の一面に搭載されている。
【0047】
送信回路部5は、信号処理部4から供給される信号を、アンテナ部6に供給する回路であって、誘電体基体1の一面に搭載されている。
【0048】
誘電体基体1の他面には、接地電極7が設けられている。接地電極7は、いわゆる「ベタ塗り」(広域パターン)であるが、アンテナ部6の下側に位置する部分には形成しない。アンテナ部6に対する接地電極7の悪影響を回避するためである。
【0049】
電池91は、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5に電源を供給するものであって、誘電体基体1の他面、即ち、接地電極7のある側に組み付けられている。図示の実施例では、電池91は、外周が円形状のいわゆる「コイン型」であり、外周面が誘電体基体1の他面において、その外部に出ないように、面内に設けられている。より具体的には、絶縁性合成樹脂などで構成されたホルダ92の内部に配置されている。ホルダ92は、一面が、誘電体基体1の他面に設けられた接地電極7の面上に接着などの手段によって取り付けられている。ホルダ92の内部には、電池91の陽極、電極に接触する端子93、94が備えられている。
【0050】
アンテナ部6は、誘電体基体1に組み付けられている。図示のアンテナ部6は、誘電体基体1の一面上において、その周辺に設けられている。図示の誘電体基体1は、一例として、外形が四角形状であり、アンテナ部6はその一つの隅部に配置されている。
【0051】
アンテナ部6は、基本的には、図4及び図5に図示した構造をとることができる。即ち、ヘリカル状であって、誘電体基体1の厚み方向にある面と平行な方向に巻軸を有する。このアンテナ部6は、センサ回路31〜33、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5の配置領域の側部において、誘電体基体1に組みつけられている。このような配置構造であると、アンテナ部6から放射される電磁界のうち、アンテナ部6の側部に放射される電磁界は、側部に存在するセンサ回路31〜33、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5などに含まれる導体又は導体パターンによる吸収,減衰作用を受ける。この結果、アンテナ部6は、誘電体基体1上における位置に対応した特定方向のアンテナ指向性を有するに至る。
【0052】
図示実施例の場合、誘電体基体1の他面には、接地電極7及び電池9が設けられているので、アンテナ部6から放射される電磁界は、接地電極7及び電池9による吸収,減衰作用を受ける。このため、アンテナ指向性が、更にシャープになる。
【0053】
アンテナ指向性は、アンテナ部6の構造自体に依存するほか、誘電体基体1上におけるアンテナ部6の位置に依存する。従って、誘電体基体1上におけるアンテナ部6の位置を選定することにより、アンテナ指向性をある程度任意に調整することができる。例えば、巻軸の方向に対して交差する方向で最大となるようにすることもできるし、巻軸の方向で最大となるようにすることもできる。
【0054】
更に、アンテナ部6は、図4及び図5を参照して説明した受信アンテナと同様の構造、即ち、アンテナ導体を用いて、ヘリカル巻に構成されている。この構成によれば、その形状効果により、アンテナ部6の全長を著しく短縮できる。このため、形状を著しく小型化した無線センサ送信装置10を提供することができる。
【0055】
また、アンテナ導体は、誘電体基体1の厚み方向にある面と平行な一方向に巻き進むから、アンテナ部6に流れる高周波電流磁界のうち、接地電極を貫通する成分を著しく減少させ、高周波電流磁界による渦電流の発生を抑制することができる。更に、全体を小型化したにもかかわらず、電磁ノイズがアンテナ部6に乗るのを回避し得る。
【0056】
しかも、図示の無線センサ送信装置10は、電池91を含み、電池91は、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5に電源を供給する。従って、無線センサ送信装置10を新たに設置する場合、及び、設置後に任意の場所に移動する場合には、電源の確保について設置環境に制約を受けることがなくなり、AC電源のない環境に自由に設置して用いることができる。即ち、設置環境に制約を受けることがない。
【0057】
図示の無線センサ送信装置10において、電池91は、誘電体基体1の他面(接地電極側)に組み付けられている。即ち、誘電体基体1の一面側に、センサ21〜23、信号処理部4及び送信回路部5を配置し、他面に電池91を配置する構造である。したがって、小型、薄型、且、軽量の無線センサ送信装置10を実現することができる。
【0058】
電池91は、好ましくは、外周が円形状であり、誘電体基体1の面内にある。このような構成によれば、全体の平面外形寸法を、電池91の外径による影響を受けず、専ら、誘電体基体1の平面積によって定まる形状まで小型化できる。
【0059】
ところで、無線センサ送信装置10を電池駆動とした場合、無線センサ送信装置10自身の小型化の要請と、消費電流の低減化の要請とを共に満たすことは技術的困難性を伴う。例えば、小型化、薄型化、及び、軽量化の要請からアンテナ部6の形状を小型化した場合、無線センサ送信装置10に必要とされる消費電流が増加することとなるから、電池寿命が、半年〜1年間という短期間で終了してしまう不都合を生じてしまいかねない。
【0060】
勿論、単三電池2本を用いて、3.0V電源をつくるなど、電池の大容量化、大型化を図れば、電池寿命を長期間に渡って維持することはできるが、反面、小型化、薄型化、及び、軽量化の要請に充分に応えることができなくなる。
【0061】
さらに、無線センサ送信装置10自身の小型化の要請、及び、消費電流の低減化の要請とを共に実現するためには、より低いアンテナ部6ヘの入力電力で、通信距離が増大できなければならない。そのためには、アンテナ部6の損失を低下させるとともに、電磁界の輻射効率を上げなければならない。
【0062】
上記要請に関して、アンテナ導体は、誘電体基体1の面と平行な一方向に巻き進むから、アンテナ部6に流れる高周波電流磁界のうち、接地電極7を貫通する成分を著しく減少させ、高周波電流磁界による渦電流の発生を抑制することができる。更に、全体を小型化したにもかかわらず、電磁ノイズがアンテナ部6に乗るのを回避し得る。
【0063】
しかも、アンテナ部6は、ヘリカル状であって、誘電体基体1の厚みを開口部の2辺とするから、開口部の面積をコントロールすることにより、アンテナ利得を向上させることができる。
【0064】
この結果、無線センサ送信装置10自身の小型化の要請、及び、消費電流の低減化の要請とを共に実現し、アンテナ部6の低損失化、電磁界の輻射効率の向上を達成することができる。即ち、より低いアンテナ部6ヘの入力電力で、通信距離を増大させ、アンテナ部6の前段に備えられる回路部の消費電力を低減化させ、無線センサ装置全体での消費電流の低減化、ひいては、電池寿命及び連続動作時間の長期化を達成することができる。
【0065】
アンテナ部6は、好ましくは、電池91の搭載領域外に備えられる。また、アンテナ部6の占有領域内には、アンテナ部6以外の電気的要素、例えば、導体パターン又は他の部品を配置しない構成が好ましい。このような構成によれば、電気信号や、電磁界のアンテナ部6に対する干渉を回避し、ノイズの発生を抑制できる他、渦電流漏れが低減され、アンテナ利得が向上する。
【0066】
図12は無線センサ送信装置10の更に別の例を示す平面図、図13は図12に示した無線センサ送信装置10の部分断面図、図14は図12及び図13に示した無線センサ送信装置10の底面図である。この例の特徴は、アンテナ部6を、誘電体基体1の一辺に沿って、そのほぼ全長にわたって設けた点にある。アンテナ部6は、誘電体基体1に直接に設けられている。アンテナ部6と対応する部分には、接地電極7は設けられていない。
【0067】
図15は本発明に係る無線センサ装置の別の構成を示すブロック図である。図において、先に示した図面に表れた構成部分に相当する部分については、同一の参照符号を付してある。図示するように、図示実施例において、1個の無線センサ送信装置に対して、m個の無線センサ受信装置801〜80mが備えられている。これらは、互いに異なる位置に配置されているものとする。無線センサ受信装置801〜80mの個数m(m=1、2、3、...)は任意でよい。
【0068】
無線センサ受信装置801〜80mのそれぞれは、無線センサ送信装置10から送信された無線信号を、受信アンテナ部81及び受信回路82によって受信し、信号処理装置83で処理する。そして、処理結果を、中央管理装置等に送信する。これにより、隔地で測定された物理量を、別々の場所に設置された受信装置801〜80mで個別的に受信し、機器に対する制御を実行することができる。
【0069】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る無線センサ受信装置と、無線センサ送信装置とを組み合わせた無線センサ装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る無線センサ受信装置の平面図である。
【図3】図2に示した無線センサ受信装置の正面図である。
【図4】アンテナ素子の平面図である。
【図5】図4に示したアンテナ素子の正面図である。
【図6】アンテナ素子の接続によるアンテナ回路の回路図である。
【図7】本発明に係る無線センサ送信装置の平面図である。
【図8】図7に示した無線センサ送信装置の正面図である。
【図9】図7、図8に示した無線センサ送信装置の部分破断底面図である。
【図10】図7〜図9に示した無線センサ送信装置の底面図である。
【図11】図7〜図10に示した無線センサ送信装置のブロック図である。
【図12】無線センサ送信装置の更に別の例を示す平面図である。
【図13】図12に示した無線センサ送信装置の部分断面図である。
【図14】図12及び図13に示した無線センサ送信装置10の底面図である。
【図15】本発明に係る無線センサ装置の別の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
8 無線センサ受信装置
81 アンテナ部
811〜813 アンテナ素子
10 無線センサ送信装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品搭載基板と、アンテナ素子と、受信回路部と、信号処理部とを含む無線センサ受信装置であって、
前記部品搭載基板は、一面に前記アンテナ素子と、前記受信回路部と、前記信号処理部とを有し、これらは順次に接続されており、
前記アンテナ素子は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、前記部品搭載基板の前記一面上に配置されており、
前記誘電体基体は、前記部品搭載基板を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されており、
前記アンテナ導体膜は、前記誘電体基体によって支持されており、
前記アンテナ素子のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている、
無線センサ受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載された無線センサ受信装置であって、前記アンテナ導体膜は、インダクタンス要素を構成する無線センサ受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載された無線センサ受信装置であって、前記アンテナ導体膜は、キャパシタンス要素を含む無線センサ受信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された無線センサ受信装置であって、前記アンテナ導体膜は、スパイラル部分を有する無線センサ受信装置。
【請求項5】
無線センサ受信装置と、無線センサ送信装置とを含む無線センサ装置であって、
前記無線センサ受信装置は、請求項1乃至4の何れかに記載されたものでなり、
前記無線センサ送信装置は、前記無線センサ受信装置に対して、無線センサ信号を送信する、
無線センサ装置。
【請求項6】
請求項5に記載された無線センサ装置であって、前記無線センサ送信装置は、送信部品搭載基板と、センサ部と、センサ信号処理部と、送信回路部と、送信アンテナ部とを含んでおり、
前記送信部品搭載基板は、一面に前記センサ部と、前記センサ信号処理部と、前記送信回路部とを有しており、
前記センサ部は、物理量を検出するものであり、
前記センサ信号処理部は、前記センサ部から出力される検出信号を処理する回路であり、
前記送信回路部は、前記センサ信号処理部から供給される信号を送信する回路であり、
前記送信アンテナ部は、前記送信部品搭載基板に組みつけられている、
無線センサ送信装置。
【請求項7】
請求項6に記載された無線センサ装置であって、前記送信アンテナ部は、ヘリカル状のアンテナ導体膜を含み、前記アンテナ導体膜は、前記送信部品搭載基板の厚み方向にある面と平行な方向に巻軸を有し、前記送信部品搭載基板上における位置に対応したアンテナ指向性を有する、無線センサ装置。
【請求項1】
部品搭載基板と、アンテナ素子と、受信回路部と、信号処理部とを含む無線センサ受信装置であって、
前記部品搭載基板は、一面に前記アンテナ素子と、前記受信回路部と、前記信号処理部とを有し、これらは順次に接続されており、
前記アンテナ素子は、複数個であって、それぞれは、誘電体基体と、アンテナ導体膜とを含み、前記部品搭載基板の前記一面上に配置されており、
前記誘電体基体は、前記部品搭載基板を構成する材料よりも誘電率の高い誘電体材料によって構成されており、
前記アンテナ導体膜は、前記誘電体基体によって支持されており、
前記アンテナ素子のそれぞれのアンテナ導体膜は、互いに直列に接続されている、
無線センサ受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載された無線センサ受信装置であって、前記アンテナ導体膜は、インダクタンス要素を構成する無線センサ受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載された無線センサ受信装置であって、前記アンテナ導体膜は、キャパシタンス要素を含む無線センサ受信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された無線センサ受信装置であって、前記アンテナ導体膜は、スパイラル部分を有する無線センサ受信装置。
【請求項5】
無線センサ受信装置と、無線センサ送信装置とを含む無線センサ装置であって、
前記無線センサ受信装置は、請求項1乃至4の何れかに記載されたものでなり、
前記無線センサ送信装置は、前記無線センサ受信装置に対して、無線センサ信号を送信する、
無線センサ装置。
【請求項6】
請求項5に記載された無線センサ装置であって、前記無線センサ送信装置は、送信部品搭載基板と、センサ部と、センサ信号処理部と、送信回路部と、送信アンテナ部とを含んでおり、
前記送信部品搭載基板は、一面に前記センサ部と、前記センサ信号処理部と、前記送信回路部とを有しており、
前記センサ部は、物理量を検出するものであり、
前記センサ信号処理部は、前記センサ部から出力される検出信号を処理する回路であり、
前記送信回路部は、前記センサ信号処理部から供給される信号を送信する回路であり、
前記送信アンテナ部は、前記送信部品搭載基板に組みつけられている、
無線センサ送信装置。
【請求項7】
請求項6に記載された無線センサ装置であって、前記送信アンテナ部は、ヘリカル状のアンテナ導体膜を含み、前記アンテナ導体膜は、前記送信部品搭載基板の厚み方向にある面と平行な方向に巻軸を有し、前記送信部品搭載基板上における位置に対応したアンテナ指向性を有する、無線センサ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−339792(P2006−339792A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159375(P2005−159375)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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