無線基地局及び無線通信方法
【課題】マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして、当該複数の送信ポイントから複数のキャリアを用いて下り通信を行う場合の無線通信方法を提供する。
【解決手段】本発明の無線通信方法は、マイクロ基地局(20)が、マクロセルを形成するマクロ基地局(10)が、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記キャパシティキャリアを用いて送信するか否かを決定し(ST102)、前記非データ信号をマイクロ基地局から送信することが決定された場合、マイクロ基地局(20)に対して、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信し(ST103)、マイクロ基地局(20)が、マクロ基地局(10)からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を開始する(ST104)。
【解決手段】本発明の無線通信方法は、マイクロ基地局(20)が、マクロセルを形成するマクロ基地局(10)が、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記キャパシティキャリアを用いて送信するか否かを決定し(ST102)、前記非データ信号をマイクロ基地局から送信することが決定された場合、マイクロ基地局(20)に対して、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信し(ST103)、マイクロ基地局(20)が、マクロ基地局(10)からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を開始する(ST104)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マクロセル内にマイクロセルが重ねて配置された無線通信システムにおける無線基地局及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在3GPP(Third Generation Partnership Project)では、LTE(Long Term Evolution)Release 8/9仕様(以下、LTE又はRel−8/9という)の発展型無線インターフェースであるLTE-advanced(以下、LTE Release 10仕様以降の仕様を総称して「LTE−A」という)の標準化がすすめられている。LTE-Aは、LTEとのバックワードコンパチビリティを保ちつつ、LTEよりもさらに高いシステム性能の実現を目指している。
【0003】
LTE−Aでは、LTEとの後方互換性(Backward compatibility)を持つことが一つの要求条件となっており、LTEで使用可能な帯域幅を有する基本周波数ブロック(以下、コンポーネントキャリア(CC)という)を複数有する送信帯域を採用する。このように、複数のコンポーネントキャリアを用いて信号を同時送信することをキャリアアグリゲーションと呼ぶ(例えば、非特許文献1)。
【0004】
また、LTE−Aでは、半径数キロメートル程度の広範囲のカバレッジエリアを有するマクロセル内に、半径数十メートル程度の局所的なカバレッジエリアを有するマイクロセル(例えば、ピコセル、フェムトセル、リレーセルなど)が形成される。このように、電力が異なるノードがオーバレイするネットワーク構成をHetNet(Heterogeneous Network)と呼ぶ。また、マクロセルを形成する無線基地局のことをマクロ基地局と呼ぶ。さらに、マイクロセルを形成する無線基地局(例えば、ピコ基地局、フェムト基地局、リレー基地局など)をマイクロ基地局と呼ぶ。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP,TS36.300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のHetNetでは、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして、当該複数の送信ポイントから複数のキャリアを用いて下り通信を行うことも検討されている。具体的には、カバレッジキャリアを用いてマクロ基地局から下り信号を送信するとともに、カバレッジキャリアに付随するキャパシティキャリアを用いてマイクロ基地局から下り信号を送信することも検討されている。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして、当該複数の送信ポイントから複数のキャリアを用いて下り通信を行う場合に、当該複数の送信ポイントとして適合した無線基地局及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無線基地局は、第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセルを形成し、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信するマイクロ基地局が前記マクロセル内に配置される無線基地局であって、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する決定部と、前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する送信部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明の無線基地局は、第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置され、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線基地局であって、前記マクロセルを形成するマクロ基地局からの、前記第2キャリアを用いた、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号の送信開始を指示する指示情報を受信する受信部と、受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いて前記非データ信号の送信を開始する送信部と、を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の無線通信方法は、第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置されたマイクロ基地局が、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線通信方法であって、前記マクロセルを形成するマクロ基地局が、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する工程と、前記マクロ基地局が、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する工程と、前記マイクロ基地局が、前記マクロ基地局からの前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を開始する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして、当該複数の送信ポイントから複数のキャリアを用いて下り通信を行う場合に、当該複数の送信ポイントとして適合した無線基地局及び無線通信方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】HetNetの概念図である。
【図2】HetNetにおける下り物理チャネル構成の説明図である。
【図3】本発明に係る無線通信方法を示すシーケンス図である。
【図4】実施例1に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。
【図5】実施例1に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。
【図6】実施例1に係るマクロ基地局の機能構成図である。
【図7】実施例1に係るマイクロ基地局の機能構成図である。
【図8】実施例2に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。
【図9】実施例2に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。
【図10】実施例2に係るマクロ基地局の機能構成図である。
【図11】実施例2に係るマイクロ基地局の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、HetNetの概念図を示している。HetNetは、図1に示すように、マクロセル(大セル)LCに加え、マイクロセル(小セル:ピコセル、フェムトセル、リレーセル等)SCの様々な形態のセルをオーバレイした階層型ネットワークである。このHetNetにおいては、マクロ基地局10は、相対的に広いカバーエリアを有するマクロセルLCを形成し、マイクロ基地局20は、マクロセルLCよりも小さい局所的なマイクロセルSCを形成する。また、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とは、有線インターフェース(例えば、光ファイバなどの高速回線や低速回線)又は無線リンクで接続される。
【0014】
図1に示すHetNetでは、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして異なるキャリアを用いて下り通信を行うことも検討されている。具体的には、カバレッジキャリア(第1キャリア)を用いてマクロ基地局10から下り信号を送信するとともに、カバレッジキャリアに付随するキャパシティキャリア(第2キャリア)を用いてマイクロ基地局20から下り信号を送信することが検討されている。
【0015】
ここで、カバレッジキャリアとは、特定の周波数帯域(例えば、Rel.8/9で使用可能な周波数帯域)の搬送波である。カバレッジキャリアは、広範なマクロセルLCをカバーするように、相対的に大きい送信電力で送信される。また、カバレッジキャリアは、相対的に低い周波数帯であり、相対的に狭い帯域幅(例えば、2GMHz)を有する。また、カバレッジキャリアは、Rel.8/9とのバックワードコンパチビリティを有する。
【0016】
一方、キャパシティキャリアとは、カバレッジキャリアに付随するものであり、カバレッジキャリアとは異なる周波数帯域(例えば、図1では、カバレッジキャリアよりも高い周波数帯域)の搬送波である。キャパシティキャリアは、局所的なマイクロセルSCをカバーすればよいため、カバレッジキャリアよりも小さい送信電力で送信される。一方、キャパシティキャリアは、高容量化を可能とするため、カバレッジキャリアよりも広い帯域幅(例えば、3.5GHz)を有する。また、キャパシティキャリアは、Rel.8/9とのバックワードコンパチビリティを有しない。
【0017】
なお、複数のコンポーネントキャリアを送信帯域とするキャリアアグリゲーションが行なわれる場合、カバレッジキャリアとキャパシティキャリアとは、異なるコンポーネントキャリアの搬送波であってもよい。かかる場合、キャパシティキャリアは、エクステンションキャリアとも呼ばれる。
【0018】
次に、図2を参照し、HetNetにおける下り物理チャネル構成を説明する。図2Aは、マクロ基地局10からカバレッジキャリアを用いて送信される物理チャネル構成を示す。図2Bは、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信される物理チャネル構成を示す。なお、図2A及び図2Bにおいて、サブフレームとは、所定の送信時間単位(例えば、1ms)である。
【0019】
図2Aに示すように、カバレッジキャリアの各サブフレームは、先頭の最大3OFDMシンボルからなる制御領域と残りのOFDMシンボルからなるデータ領域とから構成される。各サブフレームの制御領域では、下り制御信号(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))が送信される。また、各サブフレームのデータ領域では、データ信号(Physical Data Shared Channel(PDSCH))が送信される。また、各サブフレームの制御領域及びデータ領域では、測定用参照信号(Cell specific Reference Signal(CRS))も送信される。
【0020】
また、カバレッジキャリアの特定のサブフレームのデータ領域では、所定周期で、同期信号(Synchronization Signal(SS))や報知信号(Physical broadcast Channel(PBCH))が送信される。例えば、図2Aでは、同期信号は、サブフレーム#0及び#5のデータ領域において、カバレッジキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、5サブフレーム周期で送信される。また、図2Aでは、報知信号は、サブフレーム#0のデータ領域において、カバレッジキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、所定周期で送信される。
【0021】
以上のように、カバレッジキャリアでは、ユーザ固有のデータ信号とともに、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号などの非データ信号が伝送される。
【0022】
一方、図2Bに示すように、キャパシティキャリアの各サブフレームは、先頭最大3OFDMシンボルの制御領域を有するとは限らない。キャパシティキャリアは、カバレッジキャリアに付随するものであることから、基本的にユーザ固有のデータ信号のみを伝送することが望まれるためである。
【0023】
キャパシティキャリアにおいては、マイクロ基地局20から送信すべきデータ信号がある場合に、図2Bのサブフレーム#4に示すように、先頭最大3OFDMシンボルの制御領域(図2Bのサブフレーム#4参照)が設けられる。また、キャパシティキャリアにおいては、マイクロ基地局20から送信すべきデータ信号がある場合に、特定のサブフレームのデータ領域で、ユーザ固有制御チャネル(E−PDCCH)として下り制御信号が送信されてもよい。
【0024】
また、キャパシティキャリアの特定のサブフレームのデータ領域では、所定周期で、同期信号や報知信号が送信される。例えば、図2Bでは、キャパシティキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、8サブフレーム周期で送信される。また、図2Bでは、キャパシティキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、所定周期で送信される。また、各サブフレームでは、所定周期で、測定用参照信号も送信される。
【0025】
以上のように、キャパシティキャリアは、高容量化のために、主にユーザ固有のデータ信号が伝送するものである。したがって、例えば、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信すべきデータ信号(トラヒック)がない場合には、マイクロ基地局20は、例えば、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号などの非データ信号を送信しなくともよい。本発明者らは、マイクロ基地局20は、キャパシティキャリアを用いて非データ信号を常に送信しなくともよいという点に着目し、本発明をするに至ったものである。
【0026】
本発明に係る無線通信方法においては、カバレッジキャリア(第1キャリア)を用いて下り信号が送信されるマクロセルLC内に配置されたマイクロ基地局20が、カバレッジキャリアに付随するキャパシティキャリア(第2キャリア)を用いてデータ信号を送信する。マクロセルLCを形成するマクロ基地局10は、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信するか否かを決定する。また、マクロ基地局10は、上記非データ信号をマイクロ基地局20から送信することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する。マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を開始する。
【0027】
本発明に係る無線通信方法によれば、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に従って、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、キャパシティキャリアを用いて送信するので、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0028】
図3は、本発明に係る無線通信方法を説明するためのシーケンス図である。図3において、ユーザ端末30は、マクロセルLC及びマイクロセルSC内に位置しているものとする。
【0029】
図3に示すように、マクロ基地局10は、カバレッジキャリアを用いて、ユーザ端末30に対する下り信号を送信する(ST101)。具体的には、マクロ基地局10は、図2Aに参照して説明したように、カバレッジキャリアを用いて、データ信号と非データ信号とを送信する。上述のように、非データ信号とは、データ信号とは異なる信号であり、例えば、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである。
【0030】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信するか否かを決定する(ST102)。具体的には、マクロ基地局10は、マクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきか否かを示すトラヒック情報に基づいて、マイクロ基地局20から非データ信号を送信するか否かを決定してもよい。トラヒック情報としては、例えば、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の情報(例えば、マイクロ基地局20からの受信信号品質)や、ユーザ端末30の位置情報(マイクロ基地局20(又はマイクロセルSC)までの相対位置を含んでもよい)や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20(又はマイクロセルSC)を識別するIDのリストなどが用いられる。マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのマイクロ基地局20からの受信信号品質が所定閾値以上である場合、マイクロ基地局20から非データ信号を送信することを決定してもよい。また、マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのユーザ端末30の位置情報がマイクロセルSC内であることを示す場合、マイクロ基地局20から非データ信号を送信することを決定してもよい。また、マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を周期的に送信することを決定してもよいし、非周期的に送信することを決定してもよい。
【0031】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20から前記非データ信号を送信することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する(ST103)。なお、周期的にマイクロ基地局20から非データ信号を送信することが決定された場合、上記指示情報は、上記非データ信号の送信周期及び送信開始タイミングを含んでもよい。一方、非周期的にマイクロ基地局20から非データ信号を送信することが決定された場合、上記指示情報は、上記非データ信号の送信開始を指示するビット情報(例えば、1:送信開始、0:送信停止)を含んでもよい。
【0032】
ここで、マクロ基地局10は、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介して、マイクロ基地局20に対して、上記指示情報を送信してもよい。かかる場合、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とは、光ファイバなどの高速回線や低速回線などの有線回線で接続されているものとする。例えば、マクロ基地局10は、上位レイヤシグナリングにより、上記指示情報を送信してもよい。
【0033】
或いは、マクロ基地局10は、無線リンク(例えば、無線リンクバックホール)を介して(特に、カバレッジキャリアを用いて)、マイクロ基地局20に対して、上記指示情報を送信してもよい。例えば、マクロ基地局10は、カバレッジキャリアの下り制御チャネル(PDCCH)で伝送される制御情報(例えば、例えば、DCI(Downlink Control Information)やUCI(Uplink Control Information))の一部として、上記指示情報を送信してもよい。或いは、マクロ基地局10は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)により、上記指示情報を送信してもよい。上位レイヤシグナリングにより送信する場合、上記指示情報は、カバレッジキャリアの下りデータチャネル(PDSCH)の一部として、送信される。
【0034】
マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を開始する(ST104)。具体的には、マイクロ基地局20は、図2Bに参照して説明したように、キャパシティキャリアを用いて、データ信号と非データ信号とを送信する。上述のように、非データ信号とは、データ信号とは異なる信号であり、例えば、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである。
【0035】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を停止するか否かを決定する(ST105)。具体的には、マクロ基地局10は、上述のトラヒック情報に基づいて、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止するか否かを決定してもよい。例えば、マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのマイクロ基地局20からの受信信号品質が所定閾値未満である場合、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止することを決定してもよい。また、マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのユーザ端末30の位置情報がマイクロセルSC外であることを示す場合、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止することを決定してもよい。
【0036】
なお、マクロ基地局10は、ST105において、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を変更するか否かを決定してもよい。例えば、マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信されるデータ信号がなくなった場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定する。或いは、マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信されるデータ量が所定の閾値以下となった場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定してもよい。
【0037】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、前記非データ信号の送信停止を指示する指示情報を送信する(ST106)。なお、マクロ基地局10は、ST105においてマイクロ基地局20から非データ信号の送信周期を変更することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、前記非データ信号の送信周期の変更を指示する指示情報を送信してもよい。
【0038】
マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を停止する(ST107)。なお、マイクロ基地局20は、ST107においてマクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信周期を変更してもよい。
【0039】
図3に示す無線通信方法によれば、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に従って、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、キャパシティキャリアを用いて送信するので、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0040】
次に、本発明の実施例に係る無線通信システムについて詳細に説明する。本発明の実施例に係る無線通信システムは、相対的に狭いシステム帯域(例えば、最大20MHz)を有するLTEシステムと、当該LTEシステムのシステム帯域を一単位とする基本周波数ブロック(以下、コンポーネントキャリアという)を複数組み合わせたシステム帯域を有するLTE−Aシステムとが併存する。LTE−Aシステムは、最大5つのコンポーネントキャリアを組み合わせることにより、最大100MHzのシステム帯域を有する。このように、複数のコンポーネントキャリアを組み合わせて広帯域化することをキャリアアグリゲーションという。なお、LTE−Aシステムは、IMT−Advancedと呼ばれてもよいし、4Gと呼ばれてもよい。
【0041】
本発明の実施例に係る無線通信システムの無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用されるが、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0042】
(実施例1)
次に、図4乃至7を参照し、実施例1に係る無線通信システムについて説明する。図4は、実施例1に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。図4に示す無線通信システムは、マクロセルLC内にマイクロセルSCをオーバレイするHetNetである。
【0043】
図4に示すように、HetNet構成を有する無線通信システムにおいて、マクロ基地局10は、マクロセルLC内に位置するユーザ端末30とカバレッジキャリアを用いた通信を行う。また、マイクロ基地局20は、マイクロセルSC内に位置するユーザ端末30とキャパシティキャリアを用いた通信を行う。
【0044】
上述のように、カバレッジキャリアとは、特定の周波数帯域の搬送波である。カバレッジキャリアは、広範なマクロセルLCをカバーするように、相対的に大きい送信電力で送信される。また、キャパシティキャリアとは、カバレッジキャリアに付随するものであり、カバレッジキャリアとは異なる周波数帯域の搬送波である。キャパシティキャリアは、局所的なマイクロセルSCをカバーすればよいため、カバレッジキャリアよりも小さい送信電力で送信される。また、カバレッジキャリアとコンポーネントキャリアとは、異なるコンポーネントキャリアの搬送波であってもよい。
【0045】
図4に示す無線通信システムにおいて、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とは、有線(例えば、光ファイバなどの高速回線や低速回線)で接続されている。なお、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とを接続する伝送路インターフェースとしては、例えば、X2インターフェースが用いられる。
【0046】
また、図4に示す無線通信システムにおいて、マクロ基地局10は、不図示のコアネットワーク装置(例えば、モビリティマネジメントエンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(S−GW)など)に接続される。マイクロ基地局20(例えば、ピコ基地局)は、不図示のコアネットワーク装置に、直接接続されてもよいし、マクロ基地局10を介して接続されてもよい。また、マイクロ基地局20(例えば、フェムト基地局)は、不図示のブロードバンド回線を介して、インターネットに接続されてもよい。
【0047】
また、図4に示す無線通信システムにおいて、ユーザ端末30は、LTE及びLTE−Aの双方をサポートする。このため、マクロセルLCとマイクロセルSCとの双方に位置するユーザ端末30は、マクロ基地局10からのカバレッジキャリアを用いた下り信号と、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた下り信号とを同時に受信することが可能である。
【0048】
図5を参照し、実施例1に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成について説明する。図5は、実施例1に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。なお、実施例1のマイクロ基地局20としては、例えば、ピコ基地局やフェムト基地局が用いられる。
【0049】
マクロ基地局10は、送受信アンテナ11と、送受信アンテナ11で送受信される信号を増幅するアンプ部12と、送受信アンテナ11を介して信号を送受信する送受信部13と、ベースバンド信号処理部14と、ユーザ端末30に対するリソース割り当てを行うスケジューラ15と、有線インターフェース(例えば、S1−UインターフェースやS1−MMEインターフェース)を介して上位装置に接続されるとともに、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介してマイクロ基地局20に接続される伝送路インターフェース16とを備えている。
【0050】
マクロ基地局10からユーザ端末に送信される下りデータは、上位装置から伝送路インターフェース16を介してベースバンド信号処理部14に入力される。ベースバンド信号処理部14は、入力された下りデータに対してベースバンド処理(例えば、再送制御、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、プリコーディングなど)を行う。送受信部13は、ベースバンド信号処理部14から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に周波数変換し、アンプ部12及び送受信アンテナ11を介して送信する。
【0051】
一方、ユーザ端末30からマクロ基地局10に送信される上り信号は、送受信アンテナ11、アンプ部12を介して送受信部13に入力される。当該上り信号は送受信部13で周波数変換されてベースバンド信号処理部14に入力される。ベースバンド信号処理部14は、入力された上り信号に対してベースバンド処理(例えば、FFT(Fast Fourier Transform)、誤り訂正復号、再送制御など)を行い、復号した上りデータを、伝送路インターフェース16を介して上位装置に出力する。
【0052】
マイクロ基地局20は、送受信アンテナ21と、送受信アンテナ21で送受信される信号を増幅するアンプ部22と、送受信アンテナ21を介して信号を送受信する送受信部23と、ベースバンド信号処理部24と、スケジューラ25と、有線インターフェース(例えば、S1−UインターフェースやS1−MMEインターフェース)を介して上位装置に接続されるとともに、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介してマクロ基地局10に接続される伝送路インターフェース26とを備えている。
【0053】
なお、マイクロ基地局20の送受信アンテナ21、アンプ部22、送受信部23、ベースバンド信号処理部24の構成は、マクロ基地局10の送受信アンテナ11、アンプ部12、送受信部13、ベースバンド信号処理部14と基本的に同様である。スケジューラ25は、マイクロセルSC配下のユーザ端末30に対するリソース割り当てを制御するとともに、マクロ基地局10のスケジューラ15とも連携する。また、図示しないが、伝送路インターフェース26は、有線インターフェースを介して上位装置に接続されてもよい。
【0054】
図6及び図7を参照し、実施例1に係るマクロ基地局およびマイクロ基地局の詳細機能構成について説明する。
【0055】
図6は、実施例1に係るマクロ基地局の機能構成図である。図6に示す機能構成は、主に図5のベースバンド信号処理部14に関するものである。図6に示すように、マクロ基地局10は、トラヒック情報取得部141と、決定部142と、指示情報生成部143と、を具備する。
【0056】
トラヒック情報取得部141は、マクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきか否かを示すトラヒック情報を取得する。トラヒック情報としては、例えば、ユーザ端末30の位置情報や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の情報(例えば、マイクロ基地局20からの受信信号品質)や、ユーザ端末30の位置情報(マイクロセルまでの相対位置を含む)、ユーザ端末30が発見したマイクロセルのIDリストの情報等が挙げられる。
【0057】
具体的には、トラヒック情報取得部141は、ユーザ端末30から報告されたトラヒック情報(例えば、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の情報)を、送受信部13を介して取得してもよい。或いは、トラヒック情報取得部141は、上位装置から報告されたトラヒック情報(例えば、ユーザ端末30の位置情報)を、伝送路インターフェース16を介して取得してもよい。トラヒック情報取得部141は、取得したトラヒック情報を決定部142に出力する。
【0058】
決定部142は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信するか否かを決定する。上述のように、非データ信号とは、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである。
【0059】
具体的には、決定部142は、トラヒック情報取得部141で取得されたトラヒック情報に基づいて、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、マクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきことを示す場合(例えば、ユーザ30の位置情報がマイクロ基地局20のマイクロセルSC内である場合や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の受信信号品質が所定閾値以上である場合)、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信することを決定してもよい。
【0060】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号を周期的に送信するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、非データ信号が同期信号、報知信号、測定用参照信号の少なくとも1つである場合、当該非データ信号を周期的に送信することを決定する。なお、非データ信号を周期的に送信することが決定された場合、後述する指示情報生成部143で生成される指示情報には、当該非データ信号の送信周期と送信開始タイミングが含まれてもよい。
【0061】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号を非周期的に送信するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、非データ信号が測定用参照信号である場合、当該非データ信号を非周期的に送信することを決定する。なお、非データ信号を非周期的に送信することが決定された場合、後述する指示情報生成部143で生成される指示情報には、非データ信号の送信を指示するビット情報が含まれてもよい。
【0062】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を停止するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、上記トラヒック情報がマクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきでないことを示す場合(例えば、ユーザ30の位置情報がマイクロ基地局20のマイクロセルSC外となった場合や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の受信信号品質が所定閾値未満となった場合)、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信を停止すると決定する。
【0063】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信周期を変更するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、トラヒック情報取得部141によってマイクロ基地局20から送信されるデータ信号がなくなったことが検出された場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定する。或いは、マクロ基地局10は、トラヒック情報取得部141によってマイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信されるデータ量が所定の閾値以下となったことが検出された場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定してもよい。
【0064】
指示情報生成部143は、決定部142によってマイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して非データ信号の送信開始を指示する指示情報を生成する。指示情報生成部143は、生成した指示情報を伝送路インターフェース16に出力する。指示情報は、伝送路インターフェース16(送信部)からマイクロ基地局20に送信される。
【0065】
図7は、実施例1に係るマイクロ基地局の機能構成図である。図7に示す機能構成は、主に図5のベースバンド信号処理部24に関するものである。図7に示すように、マイクロ基地局20は、指示情報取得部241と、チャネル信号生成部242と、OFDM変調部243と、を具備する。
【0066】
指示情報取得部241は、伝送路インターフェース26(受信部)を介して、マクロ基地局10からの指示情報を取得する。
【0067】
チャネル信号生成部242は、同期信号生成部2421と、測定用参照信号生成部2422と、報知信号生成部2423と、PDCCH生成部2424と、PDSCH生成部2425とを有する。
【0068】
同期信号生成部2421は、スケジューラ25からの指示に従って、同期信号を生成する。具体的には、同期信号生成部2421は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される同期信号を生成する。なお、同期信号には、SS(Synchronization Signal)のほか、PSS(Primary Synchronization Signal)やSSS(Secondary Synchronization Signal)が含まれてもよい。
【0069】
測定用参照信号生成部2422は、スケジューラ25からの指示に従って、測定用参照信号を生成する。具体的には、測定用参照信号生成部2422は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される測定用参照信号を生成する。なお、測定用参照信号には、CRSのほか、UE個別RS、DM-RS,CSI-RSが含まれてもよい。
【0070】
報知信号生成部2423は、スケジューラ25からの指示に従って、報知信号を生成する。具体的には、報知信号生成部2423は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される報知信号を生成する。なお、報知信号には、PBCHが含まれ、当該PBCHでは、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0071】
PDCCH生成部2424は、スケジューラ25からの指示に従って、下り制御信号を生成する。具体的には、PDCCH生成部2424は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される下り制御信号を生成する。なお、下り制御信号には、PDCCHが含まれ、当該PDCCHでは、DCI(Downlink Control Information)やUCI(Uplink Control Information)が伝送される。また、下り制御信号には、サブフレームのデータ領域(先頭最大3OFDMシンボル以外のOFDMシンボル)で伝送されるE−PDCCH(Enhanced−PDCCH)が含まれてもよい。
【0072】
PDSCH生成部2425は、スケジューラ25からの指示に従って、データ信号を生成する。具体的には、PDSCH生成部2425は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置されるデータ信号を生成する。なお、データ信号には、ユーザデータだけでなく、上位レイヤ(例えば、RRCレイヤ)のシグナリング情報が含まれてもよい。
【0073】
スケジューラ25は、チャネル信号生成部242で生成される信号のスケジューリングを行う。具体的には、スケジューラ25は、上位装置から受信したユーザデータに基づいて、PDSCH生成部2425にデータ信号の生成を指示する。また、スケジューラ25は、指示情報取得部241で取得された指示情報に基づいて、同期信号生成部2421、測定用参照信号生成部2422、報知信号生成部2423、PDCCH生成部2424に対して、それぞれ、同期信号、測定用参照信号、報知信号、下り制御信号の生成を指示する。このように、スケジューラ25は、指示情報取得部241で取得された指示情報に基づいて同期信号、測定用参照信号、報知信号、下り制御信号のスケジューリングを行うことで、同期信号、測定用参照信号、報知信号、下り制御信号の送信開始、送信停止、送信周期の変更を制御する。
【0074】
OFDM変調部243は、他の下りリンクチャネル信号及び上りリソース割り当て情報信号を含む下りリンク信号をサブキャリアにマッピングし、逆高速フーリエ変換(IFFT)し、CPを付加することにより、下り信号を生成する。OFDM変調部243は、生成した下り信号を送受信部23(送信部)に出力する。送受信部23に出力された下り信号は、アンプ部22、送受信アンテナ21を介して、キャパシティキャリアを用いて伝送される。
【0075】
以上のように、実施例1における無線通信システムでは、マクロ基地局10が、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介してマイクロ基地局20に送信する。また、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信する。したがって、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0076】
(実施例2)
次に、図8乃至11を参照し、実施例2に係る無線通信システムについて説明する。実施例2に係る無線通信システムは、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とが無線リンクで接続される点で、実施例1と異なる。以下では、実施例1との相違点を中心に説明を行う。
【0077】
図8は、実施例2に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。図8に示すように、実施例2に係るマクロ基地局10及びマイクロ基地局20は、有線インターフェースで接続されていない点で、実施例1と異なる。
【0078】
図9は、実施例2に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。実施例2において、マクロ基地局10及びマイクロ基地局20は、無線リンクバックホールを介して無線通信を行う点で、実施例1と異なる。特に、無線リンクバックホールとしてカバレッジキャリアを用いてマイクロ基地局を制御する。このため、実施例2に係るマイクロ基地局20は、キャパシティキャリアを用いて通信を行う送信アンテナ21a、アンプ部22a及び送受信部23aに加えて、カバレッジキャリアを用いて通信を行う送信アンテナ21b、アンプ部22b及び送受信部23bを具備する。実施例2のマクロ基地局20としては、例えば、リレー基地局が用いられる。
【0079】
図10は、実施例2に係るマクロ基地局の機能構成図である。図10に示すように、実施例2に係るマクロ基地局10の指示情報生成部143は、スケジューラ15からの指示に従って、指示情報を生成する。指示情報生成部143は、生成した指示情報を送受信部13(送信部)に出力する。
【0080】
スケジューラ15は、指示情報生成部143で生成された指示情報のスケジューリングを行う。なお、指示情報生成部143で生成された指示情報は、下り制御チャネル(PDCCH)の一部としてスケジューリングされてもよい。或いは、当該指示情報が上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)で送信される場合、当該指示情報は、下りデータチャネル(PDSCH)の一部としてスケジューリングされてもよい。
【0081】
送受信部13に出力された指示情報は、アンプ部12、送受信アンテナ11を介して、カバレッジキャリアを用いて送信される。
【0082】
図11は、実施例2に係るマイクロ基地局の機能構成図である。図11に示すように、実施例2に係るマイクロ基地局20の指示情報取得部241は、カバレッジキャリアを用いて送受信部23b(受信部)で受信された指示情報を取得する点で、実施例1と異なる。また、OFDM変調部243で生成された下り信号は、送受信部23aに出力される。送受信部23aに出力された下り信号は、アンプ部22a、送受信アンテナ21aを介して、キャパシティキャリアを用いて伝送される。
【0083】
以上のように、実施例2における無線通信システムでは、マクロ基地局10が、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を、無線リンク(例えば、無線リンクバックホール)を介して(特に、カバレッジキャリアを用いて)マイクロ基地局20に送信する。また、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信する。したがって、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0084】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の実施形態において、ユーザ数や装置における処理部数については、これに限定されず、装置構成に応じて適宜変更することが可能である。また、本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0085】
10…マクロ基地局
20…マイクロ基地局、
30…ユーザ端末
11…送受信アンテナ
12…アンプ部
13…送受信部
14…ベースバンド信号処理部
15…スケジューラ
16…伝送路インターフェース
21、21a、21b…送受信アンテナ
22、22a、22b…アンプ部
23、23a、23b…送受信部
24…ベースバンド信号処理部
25…スケジューラ
26…伝送路インターフェース
141…トラヒック情報取得部
142…決定部
143…指示情報生成部
241…指示情報取得部
242…チャネル信号生成部
243…OFDM変調部
2421…同期信号生成部
2422…測定用参照信号生成部
2423…報知信号生成部
2424…PDCCH生成部
2425…PDSCH生成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、マクロセル内にマイクロセルが重ねて配置された無線通信システムにおける無線基地局及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在3GPP(Third Generation Partnership Project)では、LTE(Long Term Evolution)Release 8/9仕様(以下、LTE又はRel−8/9という)の発展型無線インターフェースであるLTE-advanced(以下、LTE Release 10仕様以降の仕様を総称して「LTE−A」という)の標準化がすすめられている。LTE-Aは、LTEとのバックワードコンパチビリティを保ちつつ、LTEよりもさらに高いシステム性能の実現を目指している。
【0003】
LTE−Aでは、LTEとの後方互換性(Backward compatibility)を持つことが一つの要求条件となっており、LTEで使用可能な帯域幅を有する基本周波数ブロック(以下、コンポーネントキャリア(CC)という)を複数有する送信帯域を採用する。このように、複数のコンポーネントキャリアを用いて信号を同時送信することをキャリアアグリゲーションと呼ぶ(例えば、非特許文献1)。
【0004】
また、LTE−Aでは、半径数キロメートル程度の広範囲のカバレッジエリアを有するマクロセル内に、半径数十メートル程度の局所的なカバレッジエリアを有するマイクロセル(例えば、ピコセル、フェムトセル、リレーセルなど)が形成される。このように、電力が異なるノードがオーバレイするネットワーク構成をHetNet(Heterogeneous Network)と呼ぶ。また、マクロセルを形成する無線基地局のことをマクロ基地局と呼ぶ。さらに、マイクロセルを形成する無線基地局(例えば、ピコ基地局、フェムト基地局、リレー基地局など)をマイクロ基地局と呼ぶ。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP,TS36.300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のHetNetでは、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして、当該複数の送信ポイントから複数のキャリアを用いて下り通信を行うことも検討されている。具体的には、カバレッジキャリアを用いてマクロ基地局から下り信号を送信するとともに、カバレッジキャリアに付随するキャパシティキャリアを用いてマイクロ基地局から下り信号を送信することも検討されている。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして、当該複数の送信ポイントから複数のキャリアを用いて下り通信を行う場合に、当該複数の送信ポイントとして適合した無線基地局及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無線基地局は、第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセルを形成し、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信するマイクロ基地局が前記マクロセル内に配置される無線基地局であって、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する決定部と、前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する送信部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明の無線基地局は、第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置され、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線基地局であって、前記マクロセルを形成するマクロ基地局からの、前記第2キャリアを用いた、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号の送信開始を指示する指示情報を受信する受信部と、受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いて前記非データ信号の送信を開始する送信部と、を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の無線通信方法は、第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置されたマイクロ基地局が、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線通信方法であって、前記マクロセルを形成するマクロ基地局が、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する工程と、前記マクロ基地局が、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する工程と、前記マイクロ基地局が、前記マクロ基地局からの前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を開始する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして、当該複数の送信ポイントから複数のキャリアを用いて下り通信を行う場合に、当該複数の送信ポイントとして適合した無線基地局及び無線通信方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】HetNetの概念図である。
【図2】HetNetにおける下り物理チャネル構成の説明図である。
【図3】本発明に係る無線通信方法を示すシーケンス図である。
【図4】実施例1に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。
【図5】実施例1に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。
【図6】実施例1に係るマクロ基地局の機能構成図である。
【図7】実施例1に係るマイクロ基地局の機能構成図である。
【図8】実施例2に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。
【図9】実施例2に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。
【図10】実施例2に係るマクロ基地局の機能構成図である。
【図11】実施例2に係るマイクロ基地局の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、HetNetの概念図を示している。HetNetは、図1に示すように、マクロセル(大セル)LCに加え、マイクロセル(小セル:ピコセル、フェムトセル、リレーセル等)SCの様々な形態のセルをオーバレイした階層型ネットワークである。このHetNetにおいては、マクロ基地局10は、相対的に広いカバーエリアを有するマクロセルLCを形成し、マイクロ基地局20は、マクロセルLCよりも小さい局所的なマイクロセルSCを形成する。また、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とは、有線インターフェース(例えば、光ファイバなどの高速回線や低速回線)又は無線リンクで接続される。
【0014】
図1に示すHetNetでは、マクロ基地局及びマイクロ基地局を複数の送信ポイントとして異なるキャリアを用いて下り通信を行うことも検討されている。具体的には、カバレッジキャリア(第1キャリア)を用いてマクロ基地局10から下り信号を送信するとともに、カバレッジキャリアに付随するキャパシティキャリア(第2キャリア)を用いてマイクロ基地局20から下り信号を送信することが検討されている。
【0015】
ここで、カバレッジキャリアとは、特定の周波数帯域(例えば、Rel.8/9で使用可能な周波数帯域)の搬送波である。カバレッジキャリアは、広範なマクロセルLCをカバーするように、相対的に大きい送信電力で送信される。また、カバレッジキャリアは、相対的に低い周波数帯であり、相対的に狭い帯域幅(例えば、2GMHz)を有する。また、カバレッジキャリアは、Rel.8/9とのバックワードコンパチビリティを有する。
【0016】
一方、キャパシティキャリアとは、カバレッジキャリアに付随するものであり、カバレッジキャリアとは異なる周波数帯域(例えば、図1では、カバレッジキャリアよりも高い周波数帯域)の搬送波である。キャパシティキャリアは、局所的なマイクロセルSCをカバーすればよいため、カバレッジキャリアよりも小さい送信電力で送信される。一方、キャパシティキャリアは、高容量化を可能とするため、カバレッジキャリアよりも広い帯域幅(例えば、3.5GHz)を有する。また、キャパシティキャリアは、Rel.8/9とのバックワードコンパチビリティを有しない。
【0017】
なお、複数のコンポーネントキャリアを送信帯域とするキャリアアグリゲーションが行なわれる場合、カバレッジキャリアとキャパシティキャリアとは、異なるコンポーネントキャリアの搬送波であってもよい。かかる場合、キャパシティキャリアは、エクステンションキャリアとも呼ばれる。
【0018】
次に、図2を参照し、HetNetにおける下り物理チャネル構成を説明する。図2Aは、マクロ基地局10からカバレッジキャリアを用いて送信される物理チャネル構成を示す。図2Bは、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信される物理チャネル構成を示す。なお、図2A及び図2Bにおいて、サブフレームとは、所定の送信時間単位(例えば、1ms)である。
【0019】
図2Aに示すように、カバレッジキャリアの各サブフレームは、先頭の最大3OFDMシンボルからなる制御領域と残りのOFDMシンボルからなるデータ領域とから構成される。各サブフレームの制御領域では、下り制御信号(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))が送信される。また、各サブフレームのデータ領域では、データ信号(Physical Data Shared Channel(PDSCH))が送信される。また、各サブフレームの制御領域及びデータ領域では、測定用参照信号(Cell specific Reference Signal(CRS))も送信される。
【0020】
また、カバレッジキャリアの特定のサブフレームのデータ領域では、所定周期で、同期信号(Synchronization Signal(SS))や報知信号(Physical broadcast Channel(PBCH))が送信される。例えば、図2Aでは、同期信号は、サブフレーム#0及び#5のデータ領域において、カバレッジキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、5サブフレーム周期で送信される。また、図2Aでは、報知信号は、サブフレーム#0のデータ領域において、カバレッジキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、所定周期で送信される。
【0021】
以上のように、カバレッジキャリアでは、ユーザ固有のデータ信号とともに、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号などの非データ信号が伝送される。
【0022】
一方、図2Bに示すように、キャパシティキャリアの各サブフレームは、先頭最大3OFDMシンボルの制御領域を有するとは限らない。キャパシティキャリアは、カバレッジキャリアに付随するものであることから、基本的にユーザ固有のデータ信号のみを伝送することが望まれるためである。
【0023】
キャパシティキャリアにおいては、マイクロ基地局20から送信すべきデータ信号がある場合に、図2Bのサブフレーム#4に示すように、先頭最大3OFDMシンボルの制御領域(図2Bのサブフレーム#4参照)が設けられる。また、キャパシティキャリアにおいては、マイクロ基地局20から送信すべきデータ信号がある場合に、特定のサブフレームのデータ領域で、ユーザ固有制御チャネル(E−PDCCH)として下り制御信号が送信されてもよい。
【0024】
また、キャパシティキャリアの特定のサブフレームのデータ領域では、所定周期で、同期信号や報知信号が送信される。例えば、図2Bでは、キャパシティキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、8サブフレーム周期で送信される。また、図2Bでは、キャパシティキャリアの中心周波数の6リソースブロック(1.08MHz)で、所定周期で送信される。また、各サブフレームでは、所定周期で、測定用参照信号も送信される。
【0025】
以上のように、キャパシティキャリアは、高容量化のために、主にユーザ固有のデータ信号が伝送するものである。したがって、例えば、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信すべきデータ信号(トラヒック)がない場合には、マイクロ基地局20は、例えば、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号などの非データ信号を送信しなくともよい。本発明者らは、マイクロ基地局20は、キャパシティキャリアを用いて非データ信号を常に送信しなくともよいという点に着目し、本発明をするに至ったものである。
【0026】
本発明に係る無線通信方法においては、カバレッジキャリア(第1キャリア)を用いて下り信号が送信されるマクロセルLC内に配置されたマイクロ基地局20が、カバレッジキャリアに付随するキャパシティキャリア(第2キャリア)を用いてデータ信号を送信する。マクロセルLCを形成するマクロ基地局10は、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信するか否かを決定する。また、マクロ基地局10は、上記非データ信号をマイクロ基地局20から送信することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する。マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を開始する。
【0027】
本発明に係る無線通信方法によれば、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に従って、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、キャパシティキャリアを用いて送信するので、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0028】
図3は、本発明に係る無線通信方法を説明するためのシーケンス図である。図3において、ユーザ端末30は、マクロセルLC及びマイクロセルSC内に位置しているものとする。
【0029】
図3に示すように、マクロ基地局10は、カバレッジキャリアを用いて、ユーザ端末30に対する下り信号を送信する(ST101)。具体的には、マクロ基地局10は、図2Aに参照して説明したように、カバレッジキャリアを用いて、データ信号と非データ信号とを送信する。上述のように、非データ信号とは、データ信号とは異なる信号であり、例えば、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである。
【0030】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信するか否かを決定する(ST102)。具体的には、マクロ基地局10は、マクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきか否かを示すトラヒック情報に基づいて、マイクロ基地局20から非データ信号を送信するか否かを決定してもよい。トラヒック情報としては、例えば、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の情報(例えば、マイクロ基地局20からの受信信号品質)や、ユーザ端末30の位置情報(マイクロ基地局20(又はマイクロセルSC)までの相対位置を含んでもよい)や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20(又はマイクロセルSC)を識別するIDのリストなどが用いられる。マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのマイクロ基地局20からの受信信号品質が所定閾値以上である場合、マイクロ基地局20から非データ信号を送信することを決定してもよい。また、マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのユーザ端末30の位置情報がマイクロセルSC内であることを示す場合、マイクロ基地局20から非データ信号を送信することを決定してもよい。また、マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を周期的に送信することを決定してもよいし、非周期的に送信することを決定してもよい。
【0031】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20から前記非データ信号を送信することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する(ST103)。なお、周期的にマイクロ基地局20から非データ信号を送信することが決定された場合、上記指示情報は、上記非データ信号の送信周期及び送信開始タイミングを含んでもよい。一方、非周期的にマイクロ基地局20から非データ信号を送信することが決定された場合、上記指示情報は、上記非データ信号の送信開始を指示するビット情報(例えば、1:送信開始、0:送信停止)を含んでもよい。
【0032】
ここで、マクロ基地局10は、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介して、マイクロ基地局20に対して、上記指示情報を送信してもよい。かかる場合、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とは、光ファイバなどの高速回線や低速回線などの有線回線で接続されているものとする。例えば、マクロ基地局10は、上位レイヤシグナリングにより、上記指示情報を送信してもよい。
【0033】
或いは、マクロ基地局10は、無線リンク(例えば、無線リンクバックホール)を介して(特に、カバレッジキャリアを用いて)、マイクロ基地局20に対して、上記指示情報を送信してもよい。例えば、マクロ基地局10は、カバレッジキャリアの下り制御チャネル(PDCCH)で伝送される制御情報(例えば、例えば、DCI(Downlink Control Information)やUCI(Uplink Control Information))の一部として、上記指示情報を送信してもよい。或いは、マクロ基地局10は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)により、上記指示情報を送信してもよい。上位レイヤシグナリングにより送信する場合、上記指示情報は、カバレッジキャリアの下りデータチャネル(PDSCH)の一部として、送信される。
【0034】
マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を開始する(ST104)。具体的には、マイクロ基地局20は、図2Bに参照して説明したように、キャパシティキャリアを用いて、データ信号と非データ信号とを送信する。上述のように、非データ信号とは、データ信号とは異なる信号であり、例えば、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである。
【0035】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を停止するか否かを決定する(ST105)。具体的には、マクロ基地局10は、上述のトラヒック情報に基づいて、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止するか否かを決定してもよい。例えば、マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのマイクロ基地局20からの受信信号品質が所定閾値未満である場合、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止することを決定してもよい。また、マクロ基地局10は、トラヒック情報としてのユーザ端末30の位置情報がマイクロセルSC外であることを示す場合、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止することを決定してもよい。
【0036】
なお、マクロ基地局10は、ST105において、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を変更するか否かを決定してもよい。例えば、マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信されるデータ信号がなくなった場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定する。或いは、マクロ基地局10は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信されるデータ量が所定の閾値以下となった場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定してもよい。
【0037】
マクロ基地局10は、マイクロ基地局20から非データ信号の送信を停止することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、前記非データ信号の送信停止を指示する指示情報を送信する(ST106)。なお、マクロ基地局10は、ST105においてマイクロ基地局20から非データ信号の送信周期を変更することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して、前記非データ信号の送信周期の変更を指示する指示情報を送信してもよい。
【0038】
マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を停止する(ST107)。なお、マイクロ基地局20は、ST107においてマクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信周期を変更してもよい。
【0039】
図3に示す無線通信方法によれば、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に従って、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、キャパシティキャリアを用いて送信するので、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0040】
次に、本発明の実施例に係る無線通信システムについて詳細に説明する。本発明の実施例に係る無線通信システムは、相対的に狭いシステム帯域(例えば、最大20MHz)を有するLTEシステムと、当該LTEシステムのシステム帯域を一単位とする基本周波数ブロック(以下、コンポーネントキャリアという)を複数組み合わせたシステム帯域を有するLTE−Aシステムとが併存する。LTE−Aシステムは、最大5つのコンポーネントキャリアを組み合わせることにより、最大100MHzのシステム帯域を有する。このように、複数のコンポーネントキャリアを組み合わせて広帯域化することをキャリアアグリゲーションという。なお、LTE−Aシステムは、IMT−Advancedと呼ばれてもよいし、4Gと呼ばれてもよい。
【0041】
本発明の実施例に係る無線通信システムの無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用されるが、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0042】
(実施例1)
次に、図4乃至7を参照し、実施例1に係る無線通信システムについて説明する。図4は、実施例1に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。図4に示す無線通信システムは、マクロセルLC内にマイクロセルSCをオーバレイするHetNetである。
【0043】
図4に示すように、HetNet構成を有する無線通信システムにおいて、マクロ基地局10は、マクロセルLC内に位置するユーザ端末30とカバレッジキャリアを用いた通信を行う。また、マイクロ基地局20は、マイクロセルSC内に位置するユーザ端末30とキャパシティキャリアを用いた通信を行う。
【0044】
上述のように、カバレッジキャリアとは、特定の周波数帯域の搬送波である。カバレッジキャリアは、広範なマクロセルLCをカバーするように、相対的に大きい送信電力で送信される。また、キャパシティキャリアとは、カバレッジキャリアに付随するものであり、カバレッジキャリアとは異なる周波数帯域の搬送波である。キャパシティキャリアは、局所的なマイクロセルSCをカバーすればよいため、カバレッジキャリアよりも小さい送信電力で送信される。また、カバレッジキャリアとコンポーネントキャリアとは、異なるコンポーネントキャリアの搬送波であってもよい。
【0045】
図4に示す無線通信システムにおいて、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とは、有線(例えば、光ファイバなどの高速回線や低速回線)で接続されている。なお、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とを接続する伝送路インターフェースとしては、例えば、X2インターフェースが用いられる。
【0046】
また、図4に示す無線通信システムにおいて、マクロ基地局10は、不図示のコアネットワーク装置(例えば、モビリティマネジメントエンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(S−GW)など)に接続される。マイクロ基地局20(例えば、ピコ基地局)は、不図示のコアネットワーク装置に、直接接続されてもよいし、マクロ基地局10を介して接続されてもよい。また、マイクロ基地局20(例えば、フェムト基地局)は、不図示のブロードバンド回線を介して、インターネットに接続されてもよい。
【0047】
また、図4に示す無線通信システムにおいて、ユーザ端末30は、LTE及びLTE−Aの双方をサポートする。このため、マクロセルLCとマイクロセルSCとの双方に位置するユーザ端末30は、マクロ基地局10からのカバレッジキャリアを用いた下り信号と、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた下り信号とを同時に受信することが可能である。
【0048】
図5を参照し、実施例1に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成について説明する。図5は、実施例1に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。なお、実施例1のマイクロ基地局20としては、例えば、ピコ基地局やフェムト基地局が用いられる。
【0049】
マクロ基地局10は、送受信アンテナ11と、送受信アンテナ11で送受信される信号を増幅するアンプ部12と、送受信アンテナ11を介して信号を送受信する送受信部13と、ベースバンド信号処理部14と、ユーザ端末30に対するリソース割り当てを行うスケジューラ15と、有線インターフェース(例えば、S1−UインターフェースやS1−MMEインターフェース)を介して上位装置に接続されるとともに、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介してマイクロ基地局20に接続される伝送路インターフェース16とを備えている。
【0050】
マクロ基地局10からユーザ端末に送信される下りデータは、上位装置から伝送路インターフェース16を介してベースバンド信号処理部14に入力される。ベースバンド信号処理部14は、入力された下りデータに対してベースバンド処理(例えば、再送制御、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、プリコーディングなど)を行う。送受信部13は、ベースバンド信号処理部14から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に周波数変換し、アンプ部12及び送受信アンテナ11を介して送信する。
【0051】
一方、ユーザ端末30からマクロ基地局10に送信される上り信号は、送受信アンテナ11、アンプ部12を介して送受信部13に入力される。当該上り信号は送受信部13で周波数変換されてベースバンド信号処理部14に入力される。ベースバンド信号処理部14は、入力された上り信号に対してベースバンド処理(例えば、FFT(Fast Fourier Transform)、誤り訂正復号、再送制御など)を行い、復号した上りデータを、伝送路インターフェース16を介して上位装置に出力する。
【0052】
マイクロ基地局20は、送受信アンテナ21と、送受信アンテナ21で送受信される信号を増幅するアンプ部22と、送受信アンテナ21を介して信号を送受信する送受信部23と、ベースバンド信号処理部24と、スケジューラ25と、有線インターフェース(例えば、S1−UインターフェースやS1−MMEインターフェース)を介して上位装置に接続されるとともに、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介してマクロ基地局10に接続される伝送路インターフェース26とを備えている。
【0053】
なお、マイクロ基地局20の送受信アンテナ21、アンプ部22、送受信部23、ベースバンド信号処理部24の構成は、マクロ基地局10の送受信アンテナ11、アンプ部12、送受信部13、ベースバンド信号処理部14と基本的に同様である。スケジューラ25は、マイクロセルSC配下のユーザ端末30に対するリソース割り当てを制御するとともに、マクロ基地局10のスケジューラ15とも連携する。また、図示しないが、伝送路インターフェース26は、有線インターフェースを介して上位装置に接続されてもよい。
【0054】
図6及び図7を参照し、実施例1に係るマクロ基地局およびマイクロ基地局の詳細機能構成について説明する。
【0055】
図6は、実施例1に係るマクロ基地局の機能構成図である。図6に示す機能構成は、主に図5のベースバンド信号処理部14に関するものである。図6に示すように、マクロ基地局10は、トラヒック情報取得部141と、決定部142と、指示情報生成部143と、を具備する。
【0056】
トラヒック情報取得部141は、マクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきか否かを示すトラヒック情報を取得する。トラヒック情報としては、例えば、ユーザ端末30の位置情報や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の情報(例えば、マイクロ基地局20からの受信信号品質)や、ユーザ端末30の位置情報(マイクロセルまでの相対位置を含む)、ユーザ端末30が発見したマイクロセルのIDリストの情報等が挙げられる。
【0057】
具体的には、トラヒック情報取得部141は、ユーザ端末30から報告されたトラヒック情報(例えば、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の情報)を、送受信部13を介して取得してもよい。或いは、トラヒック情報取得部141は、上位装置から報告されたトラヒック情報(例えば、ユーザ端末30の位置情報)を、伝送路インターフェース16を介して取得してもよい。トラヒック情報取得部141は、取得したトラヒック情報を決定部142に出力する。
【0058】
決定部142は、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信するか否かを決定する。上述のように、非データ信号とは、同期信号、報知信号、測定用参照信号、下り制御信号の少なくとも1つである。
【0059】
具体的には、決定部142は、トラヒック情報取得部141で取得されたトラヒック情報に基づいて、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、マクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきことを示す場合(例えば、ユーザ30の位置情報がマイクロ基地局20のマイクロセルSC内である場合や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の受信信号品質が所定閾値以上である場合)、マイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信することを決定してもよい。
【0060】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号を周期的に送信するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、非データ信号が同期信号、報知信号、測定用参照信号の少なくとも1つである場合、当該非データ信号を周期的に送信することを決定する。なお、非データ信号を周期的に送信することが決定された場合、後述する指示情報生成部143で生成される指示情報には、当該非データ信号の送信周期と送信開始タイミングが含まれてもよい。
【0061】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号を非周期的に送信するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、非データ信号が測定用参照信号である場合、当該非データ信号を非周期的に送信することを決定する。なお、非データ信号を非周期的に送信することが決定された場合、後述する指示情報生成部143で生成される指示情報には、非データ信号の送信を指示するビット情報が含まれてもよい。
【0062】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信を停止するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、上記トラヒック情報がマクロセルLCで送信されているデータ信号(トラヒック)の少なくとも一部をマイクロ基地局20から送信すべきでないことを示す場合(例えば、ユーザ30の位置情報がマイクロ基地局20のマイクロセルSC外となった場合や、ユーザ端末30で検出されたマイクロ基地局20の受信信号品質が所定閾値未満となった場合)、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信を停止すると決定する。
【0063】
また、決定部142は、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信周期を変更するか否かを決定してもよい。例えば、決定部142は、トラヒック情報取得部141によってマイクロ基地局20から送信されるデータ信号がなくなったことが検出された場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定する。或いは、マクロ基地局10は、トラヒック情報取得部141によってマイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて送信されるデータ量が所定の閾値以下となったことが検出された場合、マイクロ基地局20からの非データ信号の送信周期を長く変更することを決定してもよい。
【0064】
指示情報生成部143は、決定部142によってマイクロ基地局20からキャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信することが決定された場合、マイクロ基地局20に対して非データ信号の送信開始を指示する指示情報を生成する。指示情報生成部143は、生成した指示情報を伝送路インターフェース16に出力する。指示情報は、伝送路インターフェース16(送信部)からマイクロ基地局20に送信される。
【0065】
図7は、実施例1に係るマイクロ基地局の機能構成図である。図7に示す機能構成は、主に図5のベースバンド信号処理部24に関するものである。図7に示すように、マイクロ基地局20は、指示情報取得部241と、チャネル信号生成部242と、OFDM変調部243と、を具備する。
【0066】
指示情報取得部241は、伝送路インターフェース26(受信部)を介して、マクロ基地局10からの指示情報を取得する。
【0067】
チャネル信号生成部242は、同期信号生成部2421と、測定用参照信号生成部2422と、報知信号生成部2423と、PDCCH生成部2424と、PDSCH生成部2425とを有する。
【0068】
同期信号生成部2421は、スケジューラ25からの指示に従って、同期信号を生成する。具体的には、同期信号生成部2421は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される同期信号を生成する。なお、同期信号には、SS(Synchronization Signal)のほか、PSS(Primary Synchronization Signal)やSSS(Secondary Synchronization Signal)が含まれてもよい。
【0069】
測定用参照信号生成部2422は、スケジューラ25からの指示に従って、測定用参照信号を生成する。具体的には、測定用参照信号生成部2422は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される測定用参照信号を生成する。なお、測定用参照信号には、CRSのほか、UE個別RS、DM-RS,CSI-RSが含まれてもよい。
【0070】
報知信号生成部2423は、スケジューラ25からの指示に従って、報知信号を生成する。具体的には、報知信号生成部2423は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される報知信号を生成する。なお、報知信号には、PBCHが含まれ、当該PBCHでは、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0071】
PDCCH生成部2424は、スケジューラ25からの指示に従って、下り制御信号を生成する。具体的には、PDCCH生成部2424は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置される下り制御信号を生成する。なお、下り制御信号には、PDCCHが含まれ、当該PDCCHでは、DCI(Downlink Control Information)やUCI(Uplink Control Information)が伝送される。また、下り制御信号には、サブフレームのデータ領域(先頭最大3OFDMシンボル以外のOFDMシンボル)で伝送されるE−PDCCH(Enhanced−PDCCH)が含まれてもよい。
【0072】
PDSCH生成部2425は、スケジューラ25からの指示に従って、データ信号を生成する。具体的には、PDSCH生成部2425は、スケジューラ25から指示されたサブフレームに配置されるデータ信号を生成する。なお、データ信号には、ユーザデータだけでなく、上位レイヤ(例えば、RRCレイヤ)のシグナリング情報が含まれてもよい。
【0073】
スケジューラ25は、チャネル信号生成部242で生成される信号のスケジューリングを行う。具体的には、スケジューラ25は、上位装置から受信したユーザデータに基づいて、PDSCH生成部2425にデータ信号の生成を指示する。また、スケジューラ25は、指示情報取得部241で取得された指示情報に基づいて、同期信号生成部2421、測定用参照信号生成部2422、報知信号生成部2423、PDCCH生成部2424に対して、それぞれ、同期信号、測定用参照信号、報知信号、下り制御信号の生成を指示する。このように、スケジューラ25は、指示情報取得部241で取得された指示情報に基づいて同期信号、測定用参照信号、報知信号、下り制御信号のスケジューリングを行うことで、同期信号、測定用参照信号、報知信号、下り制御信号の送信開始、送信停止、送信周期の変更を制御する。
【0074】
OFDM変調部243は、他の下りリンクチャネル信号及び上りリソース割り当て情報信号を含む下りリンク信号をサブキャリアにマッピングし、逆高速フーリエ変換(IFFT)し、CPを付加することにより、下り信号を生成する。OFDM変調部243は、生成した下り信号を送受信部23(送信部)に出力する。送受信部23に出力された下り信号は、アンプ部22、送受信アンテナ21を介して、キャパシティキャリアを用いて伝送される。
【0075】
以上のように、実施例1における無線通信システムでは、マクロ基地局10が、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を、有線インターフェース(例えば、X2インターフェース)を介してマイクロ基地局20に送信する。また、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信する。したがって、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0076】
(実施例2)
次に、図8乃至11を参照し、実施例2に係る無線通信システムについて説明する。実施例2に係る無線通信システムは、マクロ基地局10とマイクロ基地局20とが無線リンクで接続される点で、実施例1と異なる。以下では、実施例1との相違点を中心に説明を行う。
【0077】
図8は、実施例2に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。図8に示すように、実施例2に係るマクロ基地局10及びマイクロ基地局20は、有線インターフェースで接続されていない点で、実施例1と異なる。
【0078】
図9は、実施例2に係るマクロ基地局及びマイクロ基地局の概略構成図である。実施例2において、マクロ基地局10及びマイクロ基地局20は、無線リンクバックホールを介して無線通信を行う点で、実施例1と異なる。特に、無線リンクバックホールとしてカバレッジキャリアを用いてマイクロ基地局を制御する。このため、実施例2に係るマイクロ基地局20は、キャパシティキャリアを用いて通信を行う送信アンテナ21a、アンプ部22a及び送受信部23aに加えて、カバレッジキャリアを用いて通信を行う送信アンテナ21b、アンプ部22b及び送受信部23bを具備する。実施例2のマクロ基地局20としては、例えば、リレー基地局が用いられる。
【0079】
図10は、実施例2に係るマクロ基地局の機能構成図である。図10に示すように、実施例2に係るマクロ基地局10の指示情報生成部143は、スケジューラ15からの指示に従って、指示情報を生成する。指示情報生成部143は、生成した指示情報を送受信部13(送信部)に出力する。
【0080】
スケジューラ15は、指示情報生成部143で生成された指示情報のスケジューリングを行う。なお、指示情報生成部143で生成された指示情報は、下り制御チャネル(PDCCH)の一部としてスケジューリングされてもよい。或いは、当該指示情報が上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)で送信される場合、当該指示情報は、下りデータチャネル(PDSCH)の一部としてスケジューリングされてもよい。
【0081】
送受信部13に出力された指示情報は、アンプ部12、送受信アンテナ11を介して、カバレッジキャリアを用いて送信される。
【0082】
図11は、実施例2に係るマイクロ基地局の機能構成図である。図11に示すように、実施例2に係るマイクロ基地局20の指示情報取得部241は、カバレッジキャリアを用いて送受信部23b(受信部)で受信された指示情報を取得する点で、実施例1と異なる。また、OFDM変調部243で生成された下り信号は、送受信部23aに出力される。送受信部23aに出力された下り信号は、アンプ部22a、送受信アンテナ21aを介して、キャパシティキャリアを用いて伝送される。
【0083】
以上のように、実施例2における無線通信システムでは、マクロ基地局10が、マイクロ基地局20からのキャパシティキャリアを用いた非データ信号の送信開始を指示する指示情報を、無線リンク(例えば、無線リンクバックホール)を介して(特に、カバレッジキャリアを用いて)マイクロ基地局20に送信する。また、マイクロ基地局20は、マクロ基地局10からの指示情報に基づいて、キャパシティキャリアを用いて非データ信号を送信する。したがって、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信を防ぐことができる。この結果、マイクロ基地局20からの無駄な非データ信号の送信に起因する干渉を低減できるとともに、マイクロ基地局20の消費電力の増大を防止できる。
【0084】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の実施形態において、ユーザ数や装置における処理部数については、これに限定されず、装置構成に応じて適宜変更することが可能である。また、本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0085】
10…マクロ基地局
20…マイクロ基地局、
30…ユーザ端末
11…送受信アンテナ
12…アンプ部
13…送受信部
14…ベースバンド信号処理部
15…スケジューラ
16…伝送路インターフェース
21、21a、21b…送受信アンテナ
22、22a、22b…アンプ部
23、23a、23b…送受信部
24…ベースバンド信号処理部
25…スケジューラ
26…伝送路インターフェース
141…トラヒック情報取得部
142…決定部
143…指示情報生成部
241…指示情報取得部
242…チャネル信号生成部
243…OFDM変調部
2421…同期信号生成部
2422…測定用参照信号生成部
2423…報知信号生成部
2424…PDCCH生成部
2425…PDSCH生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1キャリアを用いてデータ信号を含む下り信号が送信されるマクロセルを形成し、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信するマイクロ基地局が前記マクロセル内に配置される無線基地局であって、
同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する決定部と、
前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記マクロセルで送信される前記データ信号の少なくとも一部を前記マイクロ基地局から送信すべきか否かを示すトラヒック情報を取得するトラヒック情報取得部を更に具備し、
前記決定部は、前記トラヒック情報取得部によって取得された前記トラヒック情報に基づいて、前記マイクロ基地局から前記非データ信号を送信するか否かを決定することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記トラヒック情報は、ユーザ端末から報告された、前記ユーザ端末における前記マイクロ基地局からの受信信号品質であり、
前記決定部は、前記受信信号品質が所定閾値以上である場合、前記マイクロ基地局から前記非データ信号を送信することを決定することを特徴とする請求項2に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記トラヒック情報は、ユーザ端末の位置情報であり、
前記決定部は、前記ユーザ端末の位置情報が前記マイクロセル内であることを示す場合、前記マイクロ基地局から前記非データ信号を送信することを決定することを特徴とする請求項2に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記決定部は、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から周期的に送信するか否かを決定し、
前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から周期的に送信することが決定された場合、前記指示情報は、前記非データ信号の送信周期及び送信開始タイミングを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項6】
前記決定部は、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から非周期的に送信するか否かを決定し、
前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から非周期的に送信することが決定された場合、前記指示情報は、前記非データ信号の送信開始を指示するビット情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項7】
前記決定部は、前記マイクロ基地局からの前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を停止するか否かを決定し、
前記送信部は、前記マイクロ基地局からの前記非データ信号の送信を停止することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信停止を指示する指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項8】
前記決定部は、前記マイクロ基地局からの前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期を変更するか否かを決定し、
前記送信部は、前記マイクロ基地局からの前記非データ信号の送信周期を変更することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期の変更を指示する指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項9】
前記送信部は、有線インターフェースを介して、前記マイクロ基地局に対して、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項10】
前記送信部は、無線リンクを介して、前記マイクロ基地局に対して、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項11】
前記送信部は、前記第1キャリアの下り制御チャネルで伝送される制御情報の一部として、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項10に記載の無線基地局。
【請求項12】
前記送信部は、上位レイヤシグナリングにより、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の無線基地局。
【請求項13】
第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置され、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線基地局であって、
前記マクロセルを形成するマクロ基地局からの、前記第2キャリアを用いた、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号の送信開始を指示する指示情報を受信する受信部と、
受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いて前記非データ信号の送信を開始する送信部と、
を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項14】
前記受信部は、前記マクロ基地局から、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信停止を指示する指示情報を受信し、
前記送信部は、受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を停止することを特徴とする請求項13に記載の無線基地局。
【請求項15】
前記受信部は、前記マクロ基地局から、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期の変更を指示する指示情報を受信し、
前記送信部は、受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期を変更することを特徴とする請求項13に記載の無線基地局。
【請求項16】
第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置されたマイクロ基地局が、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線通信方法であって、
前記マクロセルを形成するマクロ基地局が、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する工程と、
前記マクロ基地局が、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する工程と、
前記マイクロ基地局が、前記マクロ基地局からの前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を開始する工程と、
を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
第1キャリアを用いてデータ信号を含む下り信号が送信されるマクロセルを形成し、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信するマイクロ基地局が前記マクロセル内に配置される無線基地局であって、
同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する決定部と、
前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する送信部と、
を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記マクロセルで送信される前記データ信号の少なくとも一部を前記マイクロ基地局から送信すべきか否かを示すトラヒック情報を取得するトラヒック情報取得部を更に具備し、
前記決定部は、前記トラヒック情報取得部によって取得された前記トラヒック情報に基づいて、前記マイクロ基地局から前記非データ信号を送信するか否かを決定することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記トラヒック情報は、ユーザ端末から報告された、前記ユーザ端末における前記マイクロ基地局からの受信信号品質であり、
前記決定部は、前記受信信号品質が所定閾値以上である場合、前記マイクロ基地局から前記非データ信号を送信することを決定することを特徴とする請求項2に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記トラヒック情報は、ユーザ端末の位置情報であり、
前記決定部は、前記ユーザ端末の位置情報が前記マイクロセル内であることを示す場合、前記マイクロ基地局から前記非データ信号を送信することを決定することを特徴とする請求項2に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記決定部は、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から周期的に送信するか否かを決定し、
前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から周期的に送信することが決定された場合、前記指示情報は、前記非データ信号の送信周期及び送信開始タイミングを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項6】
前記決定部は、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から非周期的に送信するか否かを決定し、
前記決定部によって前記非データ信号を前記マイクロ基地局から非周期的に送信することが決定された場合、前記指示情報は、前記非データ信号の送信開始を指示するビット情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項7】
前記決定部は、前記マイクロ基地局からの前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を停止するか否かを決定し、
前記送信部は、前記マイクロ基地局からの前記非データ信号の送信を停止することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信停止を指示する指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項8】
前記決定部は、前記マイクロ基地局からの前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期を変更するか否かを決定し、
前記送信部は、前記マイクロ基地局からの前記非データ信号の送信周期を変更することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期の変更を指示する指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項9】
前記送信部は、有線インターフェースを介して、前記マイクロ基地局に対して、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項10】
前記送信部は、無線リンクを介して、前記マイクロ基地局に対して、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項11】
前記送信部は、前記第1キャリアの下り制御チャネルで伝送される制御情報の一部として、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項10に記載の無線基地局。
【請求項12】
前記送信部は、上位レイヤシグナリングにより、前記指示情報を送信することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の無線基地局。
【請求項13】
第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置され、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線基地局であって、
前記マクロセルを形成するマクロ基地局からの、前記第2キャリアを用いた、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号の送信開始を指示する指示情報を受信する受信部と、
受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いて前記非データ信号の送信を開始する送信部と、
を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項14】
前記受信部は、前記マクロ基地局から、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信停止を指示する指示情報を受信し、
前記送信部は、受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を停止することを特徴とする請求項13に記載の無線基地局。
【請求項15】
前記受信部は、前記マクロ基地局から、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期の変更を指示する指示情報を受信し、
前記送信部は、受信された前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信周期を変更することを特徴とする請求項13に記載の無線基地局。
【請求項16】
第1キャリアを用いて下り信号が送信されるマクロセル内に配置されたマイクロ基地局が、前記第1キャリアに付随する第2キャリアを用いてデータ信号を送信する無線通信方法であって、
前記マクロセルを形成するマクロ基地局が、同期信号、報知信号、測定用参照信号及び下り制御信号の少なくとも1つである非データ信号を、前記マイクロ基地局から前記第2キャリアを用いて送信するか否かを決定する工程と、
前記マクロ基地局が、前記非データ信号を前記マイクロ基地局から送信することが決定された場合、前記マイクロ基地局に対して、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信開始を指示する指示情報を送信する工程と、
前記マイクロ基地局が、前記マクロ基地局からの前記指示情報に基づいて、前記第2キャリアを用いた前記非データ信号の送信を開始する工程と、
を有することを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−115502(P2013−115502A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257890(P2011−257890)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]