説明

無線通信基地局用統合盤及びキュービクル

【課題】現地工事の簡略化、施工期間の短縮化及び配線系の信頼度の向上を図ることができ、また、工事費を削減することのできる無線通信基地局用統合盤及びキュービクルを提供する。
【解決手段】無線通信基地局用統合盤3は、無線通信基地局において、無線通信基地局に附帯される複数の附帯機器を備えており、これら複数の附帯機器が、交流受電盤31、整流器32、直流分電盤33、基地局制御盤34、中間配電盤35、屋外に設置されたアンテナ17のチルト角を屋内で制御するチルト角制御装置屋内制御部39bである。そして、これらの附帯機器が収容ラック30に収容されて一体化されている。また、このような通信基地局用統合盤3と無線機2とがキュービクル本体1内に備えられてキュービクル100が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信基地局において、通信基地局に附帯される複数の附帯機器を備えた通信基地局用統合盤、及び、この通信基地局用統合盤を有するキュービクルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、通信基地局として、内部に無線機や、蓄電池等の附帯機器が収容されたキュービクルが屋外に設置されている(例えば、特許文献1参照)。
通常、このようなキュービクルでは、必要な附帯機器、例えば、交流受電盤、整流器、直流分電盤、基地局制御盤、中間配電盤(IDF)、伝送装置、アンテナ・リモートチルト装置、インバータ等が、キュービクル内に別架で設置されている。
【特許文献1】特開2001−237580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記附帯機器は通信基地局としては無くてはならない設備であり、キュービクル内に別架で設置しているため、各附帯機器どうしの配線作業が複雑でかつ狭い場所での工事になるため、施工期間の長期化を招いていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、現地工事の簡略化、施工期間の短縮化及び配線系の信頼度の向上を図ることができ、また、工事費を削減することのできる無線通信基地局用統合盤及びキュービクルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、例えば、図1〜図7に示すように、通信基地局において、通信基地局に附帯される複数の附帯機器を備えた通信基地局用統合盤3であって、
前記複数の附帯機器が、交流受電盤31、整流器32、直流分電盤33、基地局制御盤34、中間配電盤35であり、これら附帯機器が収容ラック30に収容されて一体化されていることを特徴とする。
【0005】
基地局制御盤とは、各附帯機器のアラームを監視して、状況に応じて基地局内の状態を最適に制御する装置である。
中間配電盤とは、各附帯機器間の配線を接続するための盤であり、特にアラームの接点の接続を行うものである。
【0006】
請求項1の発明によれば、収容ラック内に交流受電盤、整流器、直流分電盤、基地局制御盤、中間配電盤の複数の附帯機器が収容されて一体化されているので、従来のように各附帯機器を現地にそれぞれ搬送して別架で設置している場合に比べて、工場で全ての附帯機器が据付配線でき、現地での作業を大幅に削減することができ、よって、複数の附帯機器を簡単に設置することができる。
すなわち、例えば、従来のように各附帯機器を現地で別架で設置する場合は、附帯機器のメーカーがそれぞれ異なり、個別に設置するので、全体連動試験は全ての附帯機器が設置されてからでなければできなかったが、本発明では現地ではなく工場で収容ラック内に組み込むことができるため、設置の環境も良く、個別に試験処理を行うことができる。
また、現地で各附帯機器を配線する場合に比して、各附帯機器をコンパクトに収容することができる。さらに、附帯機器の増設に当たってのスペースの確保に対しても容易に対応することができる。しかも、メンテナンスの面でも好都合となる。
したがって、本発明では、現地での狭い場所での複雑な配線作業や連動試験といった作業を行う必要がなく、予め工場で行うことができ、現地工事及び試験の簡略化、施工期間の短縮化、配線系の信頼度の向上を図ることができ、さらには、全体工事費を削減することができる。
【0007】
請求項2の発明は、例えば、図1〜図7に示すように、請求項1に記載の通信基地局用統合盤において、
前記複数の附帯機器には、インバータ又は、前記無線機と交換局とを接続するための伝送装置36の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明によれば、複数の附帯機器には、インバータ又は伝送装置の少なくとも一方を含むので、必要に応じてインバータ及び交換局との接続のための伝送装置を収容ラック内に収容することにより、通信基地局の設備構成が多種多様で、また通信基地局の拡張性に対してもフレキシブルに対応することができる。これにより、現地工事の簡略化及び施工期間の短縮化により一層効果的となる。
【0009】
請求項3の発明は、例えば、図1〜図7に示すように、請求項1又は2に記載の通信基地局用統合盤において、
前記各附帯機器どうしは前記収容ラック内において互いに配線されて接続されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明によれば、各附帯機器どうしは収容ラック内において互いに工場で据付・配線されて接続されているので、狭い場所での各附帯機器どうしの配線作業を行う必要がなく、環境の整った工場で行えるための配線作業の効率化ならびに信頼度の向上を図ることができる。
【0011】
請求項4の発明は、例えば、図1〜図7に示すように、屋外に設置されるキュービクル本体1と、このキュービクル本体内部に設けられた無線機と、前記キュービクル本体内部に設けられて、無線機に接続される請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信基地局用統合盤とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明によれば、キュービクル本体と、無線機と、通信基地局用統合盤とを有しているので、複数の附帯機器をキュービクル本体と別架で設置した場合に比べて、工場で全ての附帯機器が据付配線でき、現地での作業を大幅に削減することができ、よって、複数の附帯機器を簡単に設置することができる。
すなわち、例えば、従来のように各附帯機器を現地で別架で設置する場合は、附帯機器のメーカーがそれぞれ異なり、個別に設置するので、全体連動試験は全ての附帯機器が設置されてからでなければできなかったが、本発明では現地ではなく工場で収容ラック内に組み込むことができるため、設置の環境も良く、個別に試験処理を行うことができる。
また、キュービクル本体内に、現地で各附帯機器を配線して設置する場合に比して、予め工場で一体化された通信基地局用統合盤をキュービクル本体内に設置する方が、各附帯機器をコンパクトに収容することができ、キュービクル自体も小型化することができる。さらに、附帯機器の増設に当たってのスペースの確保に対しても容易に対応することができる。しかも、メンテナンスの面でも好都合となる。
したがって、本発明では、現地での狭い場所での複雑な配線作業や連動試験といった作業を行う必要がなく、予め工場で行うことができ、現地工事及び試験の簡略化、施工期間の短縮化、配線系の信頼度の向上を図ることができ、さらには、全体工事費を削減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る無線通信基地局用統合盤及びキュービクルによれば、複数の附帯機器が収容された収容ラックを現地に搬送して設置することによって簡単に設置できる。
また、各附帯機器をコンパクトに収容でき、キュービクル自体も小型化することができる。さらに、附帯機器の増設に当たってのスペースの確保に対しても容易に対応することができ、メンテナンスの面でも好都合となる。
したがって、現地での複雑な配線作業や連動試験といった作業を行う必要がなく、現地工事の簡略化、施工期間の短縮化、配線系の信頼度の向上を図ることができ、さらには、全体工事費を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態のキュービクル本体内に無線通信回線が引き込まれる状態を示す側面図、図2は、キュービクルの上断面図、図3は、キュービクルの内観正面図、図4は、キュービクルの内観右側面図、図5(a)は、キュービクルの外観上面図、(b)は外観左側面図、(c)は外観正面図、(d)は外観右側面図、(e)は外観背面図、図6(a)は通信基地局用統合盤の左側面図、(b)は正面図、図7は、キュービクル内の電力線及び無線通信回線の配線図である。
図1〜図6に示すように、本発明に係る通信基地局用統合盤3は、通信基地局として屋外に設置されて、無線機2に附帯される複数の附帯機器を備えている。また、この通信基地局用統合盤3は、屋外に設置されて内部に無線機2を有する略箱状のキュービクル本体1内に設置され、これらキュービクル本体1、無線機2、通信基地局用統合盤3とで本発明のキュービクル100が構成されている。
【0015】
キュービクル本体1は、例えばスチール製やアルミニウム製である。また、キュービクル本体1の前面には観音開き状の前面扉11が2枚取り付けられており、右側面には同様の側面扉12が1枚取り付けられている。
キュービクル本体1内に収容される無線機2は、キュービクル本体1の前面板に沿って将来増設用も含めて3つ配置されている。これら無線機2の右側には、無線機2の非常用電源として蓄電池4が配置されている。なお、将来増設用のスペースを考えないとすれば、キュービクル本体1はさらに小型化になる。
【0016】
また、蓄電池4の上方で、キュービクル本体1の天板には冷気等を生成し送風する天吊り型の室内機51が設置され、背面板の外面には冷媒の圧縮等を行う室外機52が設置されている。
また、キュービクル本体1の背面板の内部にはパネル状の熱交換装置61が組み込まれており、前面板の外面下部には吸気フード62、左側板の外面上部には排気フード63が設置されている。
熱交換装置61は、キュービクル本体1内の空気の熱交換を行うものである。
そして、キュービクル本体1内の所定箇所に複数設けられた温度センサー(図示略)の検出結果に基づいて、熱交換装置61内のファンが駆動して風量調整が行われたり、室内機51及び室外機52からなる冷房装置が駆動されてキュービクル本体1内に冷風が送られるようになっている。
したがって、これら熱交換装置61と冷房装置51、52とによって、キュービクル本体1内に設置された後述する通信基地局用統合盤3や無線機2等による発熱により上昇する温度を冷却し、キュービクル本体1内を適温に保つよう温度管理がなされている。
なお、吸気フード62や排気フード63は、停電時における非常用空調機として機能するもので、フード62、63内の各ファンが作動して換気が行われるようになっている。
また、キュービクル本体1の天板の2箇所には、キュービクル本体1内の照明用として蛍光灯13が取り付けられている。
【0017】
通信基地局用統合盤3は、無線機2の左側に配置され、無線機2に附帯される複数の附帯機器を備えている。これら複数の附帯機器としては、図7に示すように、交流受電盤31、整流器32、直流分電盤33、基地局制御盤34、中間配電盤(IDF)35、伝送装置36等が挙げられる。そして、これら複数の附帯機器が収容ラック30内において互いに配線された状態で収容され、一体化されている。
【0018】
収容ラック30は、略箱状をなしており、前面及び側面に複数段の棚が設けられている。そして、図6(a)に示すように、収容ラック30の前面には、下から順に交流受電盤31、交流受電盤31及び直流分電盤33のスイッチやメーター等が備えられた操作パネル37、直流分電盤33が収容されており、直流分電盤33の上部にはDC端子台スペース38aが設けられている。このように収容ラック30の前面に交流受電盤31、操作パネル37、直流分電盤33を収容することによって、前面扉11を開けた際の操作性の向上を図っている。
また、図6(b)に示すように、収容ラック30の側面側で、これら交流受電盤31及び直流分電盤33の背面には、下から順にインバータスペース38bとして使用可能なスペースが設けられ、その上部に基地局制御盤34、整流器32が収容され、AC端子台スペース38c及びDC端子台スペース38dとして使用可能なユーティリティスペースが設けられており、通信機器構成の変化・拡張性などフレキシブルに対応可能としている。
さらに、これら整流器32等の右側には、中間配電盤35が収容されており、収容ラック30に収容された複数の附帯機器が互いに配線された状態で一体化されている。
【0019】
なお、図6に示す収容ラック30内には、図面の関係上、図7に示す伝送装置36やその他の附帯機器の図示を省略しているが、実際には、図7の符号3に示す通信基地局用統合盤内に示されているものが収容されているものとする。例えば、屋外に設置されてアンテナ17のチルト角を制御する制御装置39aを、屋内で制御する屋内制御部39b等が挙げられる。
【0020】
以下、キュービクル本体1の内部に引き込まれる無線通信回線M及び電力線Dの配線について図1及び図7を参照して説明する。
キュービクル本体1の左側板の外面上部には、無線通信回線Mや、上述した交流受電盤34等に接続される電力線Dが挿通される穴部を複数有する貫通板14が取り付けられている。なお、図面の関係上、図1では無線通信回線Mのみ示し、電力線Dは省略した。
アンテナ17に取り付けられた無線通信回線Mは、キュービクル本体1の外部に設置された外部ケーブルラック7に支持され、貫通板14の穴部を介してキュービクル本体1内へと引き込まれている。また、無線通信回線Mには、貫通板14の近傍で内部にアレスター18を有する変換コネクタ16を介して接地線Sに接続されている。この接地線Sは接地箱9内の接地端子に接続されており、接地箱9はキュービクル本体1の左側板の外面(外壁面)に固定され、キュービクル本体1に一体に取り付けられている。接地箱9は、例えばキュービクル本体1と同様にスチール製やアルミニウム製等の導電性を有している。
また、接地箱9内の接地端子で大地Gに接地された接地線Sは、さらに、上記貫通板14の穴部を介してキュービクル本体1内へと引き込まれている。このようにしてキュービクル本体1内に引き込まれた接地線Sは、通信基地局用統合盤3内のアース盤(図示略)に接続されている。そして、アース盤で分岐された複数の接地線Sが各無線機2にそれぞれ接続されている(図2、図7参照)。
このようにして、無線機2は接地線S及び接地箱9を介して大地Gに接地されている。
【0021】
また、接地線Sに分岐されずに、キュービクル本体1内にそのまま引き込まれた無線通信回線Mは各無線機2に直接接続され、図7に示す配線構造とされている。すなわち、アンテナ17で受信された電波信号は、無線通信回線Mを通じて各無線機2に入力された後、伝送装置(DSU)36を介して光ケーブルによって交換局(図示略)へと伝送される。
【0022】
電力線Dは、図7に示すように、キュービクル本体1内に引き込まれる前に、キュービクル本体1の外面に必要により設置された電源保安装置10に接続されている。電源保安装置10は、電力線Dに介挿される耐雷トランス(図示略)を備えており、これによって誘導雷による雷サージから通信基地局用統合盤3を保護している。さらには、直接雷による通信基地局用統合盤3の保護と、周辺民家への影響を最小限に留めている。
そして、この電力線Dは、電源保安装置10を介して、貫通板14の穴部からキュービクル本体1内へと引き込まれている。その後、キュービクル本体1内へ引き込まれた電力線Dは、通信基地局用統合盤3内の交流受電盤31に接続されており、交流受電盤31には基地局制御盤34が接続されている。そして、基地局制御盤34から出力される単相のAC100Vは蛍光灯の照明用やコンセント用として使用され、三相のAC200Vは冷房装置51、52等の動力用として使用されている。また、一方で、交流受電盤31は整流器32に接続されており、整流器32からの直流電源が通信機器の電源供給用として蓄電池4、無線機2や伝送装置36等に使用されている。
また、停電時に電源を供給できるようにキュービクル本体1は、移動電源車19のコネクタを有している。
【0023】
基地局制御盤34は、熱交換装置61や冷房装置51、52の空調関係、キュービクル本体1内に設置された温度センサー、前面扉11や側面扉12の開閉、換気扇の起動、シャッターの開閉等のアラーム信号や制御関係の信号の接点が集約されている。さらに、この基地局制御盤34、整流器32、蓄電池4、無線機2の各種信号の接点が中間配電盤35に盤内配線され、各機器の異常や動作を監視している。
監視項目としては、例えば、キュービクル本体1内での作業中、各扉11、12の開放、整流器32の故障、蓄電池4の電圧低下、キュービクル本体1内の温度異常、熱交換装置61のファン故障や運転/停止、冷房装置51、52の故障、火災等が挙げられる。そして具体的には、停電時に換気扇を起動させたりシャッターを開放し、停電復旧時に、熱交換局61を起動させ、換気扇を停止させるとともにシャッターを閉鎖する。その他に、扉11、12の開閉時には蛍光灯13の照明をON/OFFするようになっている。
【0024】
なお、上述のようにしてキュービクル本体1内に引き込まれた無線通信回線M、各接地線S及び電力線Dは、図2に示すように、キュービクル本体1内の壁面上方に沿って取り付けられた内部ケーブルラック8に支持されて配線されている。ここで、図2では上面図であるため、無線通信回線M、接地線S及び電力線Dが一本となっているように見えるが、実際には複数の無線通信回線M、複数の接地線S及び複数の電力線Dが壁面に沿って配線されている。
内部ケーブルラック8は、無線機2や通信基地局用統合盤3等の上方に前記壁面と対向して設けられた長尺なケーブル支持部81と、このケーブル支持部81と前記壁面との間に互いに直交するように設けられた複数のケーブル支持金具82とを備えている。そして、無線通信回線M、接地線S及び電力線Dは、各ケーブル支持金具82に支持されるとともに前記壁面に沿って配線されている。このように壁面に沿って配線することにより、キュービクル本体1の中央に配線する場合に比して、キュービクル本体1内の空気の流れを良好にすることができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態によれば、収容ラック30内に交流受電盤31、整流器32、直流分電盤33、基地局制御盤34、中間配電盤35、伝送装置36等の複数の附帯機器が収容されて、さらに、各附帯機器どうしが収容ラック30内において互いに配線されて一体化されているので、通信基地局用統合盤3をキュービクル本体1内に設置し、このようなキュービクル100を現地に搬送して設置するだけで、複数の附帯機器を簡単に設置することができる。
また、本発明では現地ではなく工場で収容ラック30内に組み込むことができるため、設置の環境も良く、個別に試験処理を行うことができる。
また、現地で各附帯機器を配線する場合に比して、各附帯機器をコンパクトに収容することができ、狭い場所での配線作業を行う必要もなく配線作業の効率化を図ることができる。さらに、附帯機器の増設に当たってのスペースの確保に対しても容易に対応することができる。しかも、メンテナンスの面でも好都合となる。
したがって、現地工事の簡略化、施工期間の短縮化、配線系の信頼度の向上を図ることができ、さらには、全体工事費を削減することができる。
【0026】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限り、適宜変更可能である。
上記実施の形態の通信基地局用統合盤3は、キュービクル本体1の前面側に沿って設けられた3つの無線機2からなる1システムに対応可能なものとしたが、キュービクル本体1内に無線機2をさらに設けて、2システムに対応可能なように通信基地局用統合盤3の各附帯機器を構成しても構わない。
【0027】
また、上記キュービクル100は、通信基地局用統合盤3の操作性の面で観音開き状の前面扉11を使用し、前面扉11を開けた位置に操作パネル37を配置していたが、図8〜図11に示すようにインドアメンテナンス用として、通信基地局用統合盤3を扉11Aから離れた位置に設け、扉11Aを片開きとしたキュービクル100Aとしても良い。この場合、片開きの扉11Aを使用することによりコストを低減することができる。なお、図8〜図11において、図1〜図6と同様の構成については同様の符号を付している。
【0028】
また、上記収容ラック30に収容する附帯機器としては、図7に示す附帯機器のみに限らず、インバータを入れても構わない。この場合、上記インバータスペース38bに収容することができる。
さらに、上記収容ラック30に収容された交流受電盤31、直流分電盤33、操作パネル37、中間配電盤35等の複数の附帯機器の配置は、上述した配置に限らず適宜変更しても良い。さらに、キュービクル本体1内における無線機2、通信基地局用統合盤3、冷房装置51、52等の各機器の配置も適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態を示すためのもので、キュービクル本体内に無線通信回線が引き込まれる状態を示す側面図である。
【図2】同、キュービクルの上断面図である。
【図3】同、キュービクルの内観を示す正面図である。
【図4】同、キュービクルの内観を示す右側面図である。
【図5】同、(a)はキュービクルの外観を示す上面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図である。
【図6】同、(a)は通信基地局用統合盤の左側面図、(b)は正面図である。
【図7】同、キュービクル内における電力線及び無線通信回線の配線図である。
【図8】本発明の変形例を示すためのもので、キュービクルの上断面図である。
【図9】同、キュービクルの内観を示す正面図である。
【図10】同、キュービクルの内観を示す右側面図である。
【図11】同、(a)はキュービクルの外観を示す上面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は背面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 キュービクル本体
2 無線機
3 通信基地局用統合盤
30 収容ラック
31 交流受電盤
32 整流器
33 直流分電盤
34 基地局制御盤
35 中間配電盤
36 伝送装置
100 キュービクル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信基地局において、通信基地局に附帯される複数の附帯機器を備えた通信基地局用統合盤であって、
前記複数の附帯機器が、交流受電盤、整流器、直流分電盤、基地局制御盤、中間配電盤であり、これら附帯機器が収容ラックに収容されて一体化されていることを特徴とする通信基地局用統合盤。
【請求項2】
前記複数の附帯機器には、インバータ又は、前記無線機と交換局とを接続するための伝送装置の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信基地局用統合盤。
【請求項3】
前記各附帯機器どうしは前記収容ラック内において互いに配線されて接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信基地局用統合盤。
【請求項4】
屋外に設置されるキュービクル本体と、このキュービクル本体内部に設けられた無線機と、前記キュービクル本体内部に設けられて、無線機に接続される請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信基地局用統合盤とを有することを特徴とするキュービクル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信基地局において、無線通信基地局に附帯される複数の附帯機器を備えた無線通信基地局用統合盤であって、
前記複数の附帯機器が、交流受電盤、整流器、直流分電盤、基地局制御盤、中間配電盤、屋外に設置されたアンテナのチルト角を屋内で制御するチルト角制御装置屋内制御部であり、これら附帯機器が収容ラックに収容されて一体化されていることを特徴とする無線通信基地局用統合盤。
【請求項2】
前記複数の附帯機器には、インバータ又は、無線機と交換局とを接続するための伝送装置の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信基地局用統合盤。
【請求項3】
前記各附帯機器どうしは前記収容ラック内において互いに配線されて接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信基地局用統合盤。
【請求項4】
屋外に設置されるキュービクル本体と、このキュービクル本体内部に設けられた無線機と、前記キュービクル本体内部に設けられて、無線機に接続される請求項1〜3のいずれか一項に記載の無線通信基地局用統合盤とを有することを特徴とするキュービクル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−109628(P2006−109628A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293796(P2004−293796)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【特許番号】特許第3720836号(P3720836)
【特許公報発行日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(502234363)株式会社セイコウ (4)