無線通信用放射アンテナ
【課題】高さ方向の大きさは抑えたまま、利得を高め指向性を制御できる無線通信用放射アンテナを提供する。
【解決手段】無線通信用放射アンテナは、線状アンテナ素子10と、アーム素子20とからなる。線状アンテナ素子10は、給電部15から延在するものである。アーム素子20は、線状アンテナ素子10の利得を高め指向性を制御するためのものであり、給電部15から遠い側の先端に接続されるものである。そして、給電部15から線状アンテナ素子10を通りアーム素子20の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計される。
【解決手段】無線通信用放射アンテナは、線状アンテナ素子10と、アーム素子20とからなる。線状アンテナ素子10は、給電部15から延在するものである。アーム素子20は、線状アンテナ素子10の利得を高め指向性を制御するためのものであり、給電部15から遠い側の先端に接続されるものである。そして、給電部15から線状アンテナ素子10を通りアーム素子20の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信用放射アンテナに関し、特に、利得を高め指向性を制御した無線通信用放射アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、モノポールアンテナやダイポールアンテナ等の線状アンテナ素子を用いた無線通信用放射アンテナは、ターゲット周波数の1/4波長や1/2波長の電気長を有するものが一般的である。このようなアンテナの利得は一般的には約2dBi程度であり、利得の向上が望まれていた。
【0003】
また、高利得アンテナとして、コリニアアレイアンテナが知られている。これは、例えば特許文献1に開示のように、垂直に設置したダイポールアンテナを複数個スタックしてアレイ化することで構成されるものである。
【0004】
また、より高次のモードで共振するアンテナも知られている。例えば、特許文献2に開示のアンテナ装置は、2つの周波数に対応するように構成されたものであり、第1周波数が1/4波長、第1周波数の2倍の第2周波数が3/4波長の信号を送受信できるように構成されたものである。このアンテナ装置は、全長3/4波長のアンテナ素子が実質的に平行な部分を有するように1回折り返され、この平行な部分と開放端側の1/4波長部分とが実質的に平行にならないように構成されたものである。
【0005】
さらに、3/4波長のアンテナ素子の他の例としては、例えば特許文献3に開示のものが挙げられる。この例では、T字型のアンテナ素子の両側に、メアンダ形状のアンテナ素子が付加され、給電点からメアンダ形状のアンテナ素子の開放端までの電気長がFMラジオ放送信号の3/4波長であるものである。このアンテナは、FMラジオ放送信号とAMラジオ放送信号の2つの周波数帯に対応させたものであり、T字型のアンテナ素子の部分がFMラジオ放送信号用であり、T字型にメアンダ形状のアンテナ素子を付加した部分がAMラジオ放送信号用の部分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−232851号公報
【特許文献2】特開平10−56315号公報
【特許文献3】特開2011−35519号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示のようなコリニアアレイアンテナの場合、複数のダイポールアンテナをスタックしてアレイ化する必要があるため、高さがある程度必要であった。例えば車両用のルーフマウントアンテナ等に用いるには、所定の高さ制限があるため、コリニアアレイアンテナを適用するのは難しかった。
【0008】
また、特許文献2に開示のアンテナは、まず、平行となる部分が必要であり、また、3/4波長のアンテナ素子のうち1/4波長の部分が平行にならないように折り返されなければならないものであり、形状に制限があった。また、指向性もサイドローブが大きく、また、任意の方向に指向性を制御できるものでもなかった。
【0009】
また、特許文献3に開示のアンテナは、FMラジオ放送信号の3/4波長に電気長が設定されているが、この電気長ではAMラジオ放送信号の3/4波長にはまったく足りていないため、この部分については放射アンテナではなく、所謂容量アンテナとして機能するものである。したがって、利得も低く、また、任意の方向に指向性を制御できるものでもなかった。
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、高さ方向の大きさは抑えたまま、利得を高め指向性を制御できる無線通信用放射アンテナを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による無線通信用放射アンテナは、給電部から延在する線状アンテナ素子と、線状アンテナ素子の利得を高め指向性を制御するために線状アンテナ素子の給電部から遠い側の先端に接続される少なくとも1つのアーム素子と、を具備するものである。そして、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計されれば良い。
【0012】
また、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の3次モード以上の奇数モードで共振するように設計されれば良い。
【0013】
また、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の2次モード以上の偶数モードで共振するように設計されても良く、さらに、線状アンテナ素子の給電部に設けられるインピーダンス変換器を具備すれば良い。
【0014】
また、アーム素子は、線状アンテナ素子の長手方向に対して傾斜して配置されれば良い。
【0015】
また、アーム素子は、4つのアーム素子からなれば良い。
【0016】
また、アーム素子が、線状アンテナ素子の長手方向から見て線状アンテナ素子の先端を中心に90度毎に配置されれば良い。
【0017】
また、アーム素子の形状が、直線状、ヘリカル状、メアンダ状の何れかであれば良い。
【0018】
また、線状アンテナ素子はダイポールアンテナ素子からなり、アーム素子はダイポールアンテナ素子の給電部から遠い両側の先端にそれぞれ接続されれば良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明の無線通信用放射アンテナには、高さ方向の大きさは抑えたまま、利得を高め指向性を制御できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図3】図3は、図1に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から30度にした場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から15度にした場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平方向にした場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた例を説明するための概略斜視図である。
【図8】図8は、図7に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた例を説明するための概略斜視図である。
【図10】図10は、図9に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図11】図11は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた例を説明するための概略斜視図である。
【図12】図12は、図11に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図13】図13は、本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。
【図14】図14は、図13に示される本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図15】図15は、本発明の第3実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略図であり、図1(a)がその斜視図を、図1(b)が正面図を、図1(c)が上面図をそれぞれ表している。図示の通り、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナは、線状アンテナ素子10と、アーム素子20とから主に構成されている。図1(a)に示されるように、この線状アンテナ素子10とアーム素子20が、グラウンド板30上に配置されている。
【0022】
線状アンテナ素子10は、給電部15から延在するものである。給電部15は、通常はグラウンド板30の所定の位置に設けられる孔を介してアンテナ素子に給電する所である。線状アンテナ素子10は、具体的には、例えば長手方向に垂直な断面が円柱状や角柱状等の形状を有し、導電性部材からなるものである。図示例では、線状アンテナ素子10は直線状のモノポールアンテナ素子からなるものを示した。
【0023】
アーム素子20は、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に接続されるものである。図示例では、4つのアーム素子20がそれぞれ線状アンテナ素子10の先端に接続されている。アーム素子20は、線状アンテナ素子10の利得を高め指向性を制御するためのものである。また、アーム素子20は、例えば長手方向に垂直な断面が円柱状や角柱状等の形状を有し、導電性部材からなるものである。そして、図示例では、アーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向に対して傾斜して配置されている。より具体的には、図1(b)に示されるように、アーム素子20は、線状アンテナ素子10に対して160度(水平から20度)となるように配置されている。また、図1(c)に示されるように、アーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に90度毎に配置され、且つz軸方向を中心にxy軸から45度回転させた状態となるように配置されている。なお、アーム素子20による指向性制御については後述する。
【0024】
ここで、線状アンテナ素子10とアーム素子20の電気長について説明する。給電部15から線状アンテナ素子10を通りアーム素子20の各開放端までのそれぞれの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計されている。ここで、電気長はアーム素子20が複数本ある場合には、それぞれのアーム素子の開放端までの長さを意味する。また、ターゲット周波数とは、例えば高度道路交通システム(ITS)では5.8GHz帯であり、Bluetooth(登録商標)であれば2.4GHz帯である。また、Wi−Fi(登録商標)やWiMAX(登録商標)等、種々の周波数帯でも適用可能である。なお、本発明の無線通信用放射アンテナは、これらの特定の周波数帯には限定されず、如何なる周波数帯においても適用可能である。
【0025】
また、高次モードとは、例えばターゲット周波数の1/4波長の電気長ではなく、n/4波長(n=2,3,4・・・)というように、2次モード以上を意味する。2次モード以上の高次モードで共振するように設計することで、利得を高めることが可能となる。なお、電気長については物理的に正確にn/4波長等に設計されるわけではなく、短縮率に応じて短縮されても良いものである。
【0026】
給電部15から線状アンテナ素子10を通ってアーム素子20の開放端までの電気長が、例えば3次モード以上の奇数モードで共振するように設計された場合、ターゲット周波数の3/4波長の電気長となる。例えば3/4波長の電気長となるように設計された場合、線状アンテナ素子10を1/4波長とし、アーム素子20を1/2波長とすれば良い。より具体的には、例えば高度道路交通システムの5.8GHz帯をターゲット周波数とした場合には、線状アンテナ素子を12.5mmで設計し、アーム素子を25mmで設計してトータルで37.5mmとすれば良い。また、例えば5/4波長の電気長となるように設計された場合、線状アンテナ素子10を1/4波長とし、アーム素子20を1波長とすれば良い。ここで、線状アンテナ素子とアーム素子の長さの比は特定のものには限定されず、全長が3次モード以上の奇数モードで共振するように設計されれば良い。
【0027】
このように構成された本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性について図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。同図は、グラウンド板として無限地板を用いたものである。また、図3は、図1に示されるようにグラウンド板として有限地板を用いた本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。なお、図2のシミュレーション結果のみ、線状アンテナ素子の長手方向から見たアーム素子の配置方向がxy軸方向となっており、他のシミュレーション結果はxy軸方向から45度回転させた方向となっている。また、図2のシミュレーション結果のみ無限地板を用いたものであり、他のシミュレーション結果は特に説明が無い限り、有限地板を用いたものである。
【0028】
一般的なモノポールアンテナでは、放射方向はxy平面に対して斜め上方向に傾く、即ち、仰角方向に放射することが知られているが、本発明によれば、図2に示されるように、水平方向に放射していることが分かる。また、放射パターンはアーム素子が存在している方向、即ち、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在していることが分かる。最も利得が高い領域では、無限地板を用いた例では最大で約8.01dBiまで向上していることも分かる。また、有限地板を用いた例でも最大で約5.54dBiまで向上していることも分かる。また、アーム素子が存在している4方向に高利得な放射パターンが集中しており、任意の複数の方向に指向性を有するアンテナが実現できていることも分かる。例えば高度道路交通システムの場合には、車車間通信を行うので水平方向に近い方向の指向性を有するアンテナが好ましいので、図3に示されるような特性を有するアンテナは、高度道路交通システムに適用するのに都合が良い。
【0029】
次に、無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から30度にした場合の指向性のシミュレーション結果を図4に示す。アーム素子の角度を水平(xy平面)から30度に変えた場合、最大利得は6.11dBiとなっており、さらに図3の結果と比べて上方向(z軸方向)のサイドローブが縮小していることが分かる。また、利得が高い領域が、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向で且つ斜め上方向(仰角方向)に向いていることが分かる。最大利得領域の斜め上方向の角度については、アーム素子を図3の20度から30度に変えたことで、若干であるが水平側に傾斜していることも分かる。
【0030】
さらに、無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から15度にした場合の指向性のシミュレーション結果を図5に示す。アーム素子の角度を水平から15度に変えた場合、最大利得は6.03dBiとなっており、水平方向(xy平面方向)だけでなくさらにより上方向(z軸方向)の指向性も強く出ており、より複数の方向に指向性を有するアンテナが実現できていることも分かる。最大利得領域の斜め上方向の角度については、アーム素子を図3の20度から15度に変えたことで、より上方向に傾斜していることも分かる。例えば道路上にある通信設備等のインフラと車との間の通信にアンテナが用いる場合には、ある程度上方向への指向性も有しているものが好ましいため、図5に示されるような特性を有するアンテナは都合が良い。
【0031】
さらにまた、無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平方向にした場合の指向性のシミュレーション結果を図6に示す。アーム素子の角度を水平に変えた場合、最大利得は8.6dBiとなっており、さらに上方向(z軸方向)への指向性が強くなっていることが分かる。この例も、例えば道路上にある通信設備等のインフラと車との間の通信に用いることも可能である。
【0032】
このように、本発明の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子の角度を変えるだけで、指向性を変化させることが可能となる。また、単純なモノポールアンテナに比べて利得も大幅に向上させることが可能となる。具体的には、アーム素子の水平からの角度が大きい場合には、利得の高い主放射パターン(メインローブ)は比較的水平方向を向き、サイドローブは上方向に小さく出ている。そして、アーム素子の水平からの角度を小さくしていくと、メインローブは小さくなり、サイドローブが大きくなっていく。そして、ある程度の角度までいくと、メインローブが上方向となる。ここで、この上方向となるメインローブのxy平面上の放射方向は、線状アンテナ素子の長手方向から見たアーム素子の配置方向とは一致しない。そして、アーム素子の水平からの角度を小さくしていくと、メインローブの利得が高くなっていくように働く。即ち、単純にアーム素子の角度に応じてリニアに放射方向の角度が変わるものではなく、ある仰角からは種々の放射方向を有するようになると共に、メインローブの利得が徐々に高くなっていくことになる。
【0033】
次に、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいて、アーム素子を2つ用いた例について説明する。図7は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた例を説明するための概略斜視図である。図示のように、本実施例では、給電部15から線状アンテナ素子10が延在し、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に2つのアーム素子20が接続されている。また、図示例では2つのアーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に180度となるように配置されているものを示した。
【0034】
本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子がこのように2つであっても良い。2つのアーム素子により、指向性を制御することが可能である。図8は、図7に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンはアーム素子により影響を受け、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在していることが分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約7.93dBiまで向上していることもわかる。図3等のアーム素子が4つの場合と比べて最大利得が向上しているのは、アーム素子の無い方向へは放射されないため、アーム素子の存在する方向、即ち2方向へエネルギが集約されたためである。また、アーム素子の角度を種々調整することで、指向性を所定の方向に制御することも可能である。
【0035】
ここで、図示例では、2つのアーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に180度となるように配置された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つのアーム素子を一方向側に偏らせて、即ち、線状アンテナ素子の長手方向から見てV字形となるように配置しても良い。これにより、放射パターンはアーム素子により影響を受け、xy平面上で見るとV字形状に配置されたアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在するようになる。このように、指向性を予定の方向に制御することが可能である。
【0036】
さらに、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいて、アーム素子を1つだけ用いた例について説明する。図9は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた例を説明するための概略斜視図である。図示のように、本実施例では、給電部15から線状アンテナ素子10が延在し、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に1つのアーム素子20が接続されている。
【0037】
本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子がこのように1つだけであっても良い。図10は、図9に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンはアーム素子により影響を受け、2つのアーム素子を用いた図8の放射パターンと比べて、若干z軸方向に偏って最も利得が高い領域が存在していることが分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約5.82dBiまで向上していることもわかる。このような放射特性であっても、用途によっては利用可能である。また、アーム素子の角度を種々調整することで、指向性を所定の方向に制御することも可能である。
【0038】
さらに、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいて、アーム素子を8つ用いた例について説明する。図11は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた例を説明するための概略斜視図である。図示のように、本実施例では、給電部15から線状アンテナ素子10が延在し、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に8つのアーム素子20が接続されている。また、図示例では8つのアーム素子20のそれぞれ隣り合うアーム素子間の角度は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に45度となるようにそれぞれ配置されているものを示した。
【0039】
本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子がこのように8つであっても良い。8つのアーム素子により、指向性をより細かく制御することも可能である。図12は、図11に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンはアーム素子により影響を受け、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が複数存在していることが分かる。したがって、より複数の方向に指向性を有することが分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約5.29dBiまで向上していることもわかる。
【0040】
このように、本発明の無線通信用放射アンテナは、アーム素子により線状アンテナ素子の利得を高め指向性を制御することが可能である。そして、アーム素子の数や角度は上述の図示例には特に限定されず任意に設定でき、所望の放射パターンとなるように種々調整することが可能である。また、本発明の無線通信用放射アンテナの高さ方向の大きさは、線状アンテナ素子の長さに依存するものであるが、従来のコリニアアレイアンテナのようなスタックは不要であるため、高さ方向の大きさを抑えることも可能となる。
【0041】
また、線状アンテナ素子やアーム素子は、3次元形状を有するものを説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば基板上に薄膜パターン等により線状アンテナ素子やアーム素子を2次元形状でパターンニング形成して構成されたものであっても良い。
【0042】
また、アーム素子は上述の図示例では直線状のものを示したが、本発明はこれに限定されず、ヘリカル状やメアンダ状であっても良い。即ち、アーム素子が長手方向に延在する方向はそのままで、アーム素子の開放端に向かってヘリカル状に構成されたものや、メアンダ状に構成されたものであっても良い。
【0043】
これまで説明してきた本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナは、線状アンテナ素子がモノポールアンテナ素子からなるものであったが、次にダイポールアンテナ構造について説明する。図13は、本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。第1実施例と異なる部分は、線状アンテナ素子17がダイポールアンテナ素子からなっている点である。アーム素子20は、線状アンテナ素子17の給電部15から遠い両側の先端に、それぞれ接続されている。構造としては、第1実施例のモノポールアンテナ素子を2つ対向して配置したようなものである。このような構成であっても、本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナは、第1実施例と同様の作用・効果を奏する。
【0044】
図14は、図13に示される本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンは水平方向且つアーム素子が存在している方向、即ち、アーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在していることが分かる。図3のモノポールアンテナ素子を用いた場合の放射パターンと比べると、−z軸側にもz軸側と対称に放射パターンが形成されていることも分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約4.94dBiまで向上していることもわかる。また、水平4方向すべて高い利得が得られるように構成されており、複数の方向に指向性を有するアンテナが実現できていることも分かる。
【0045】
ここで、図示例ではアーム素子20は、線状アンテナ素子17の給電部15から遠い両側の先端にそれぞれ4つずつ接続された例を示したが、本発明はこれに限定されず、第1実施例と同様、1本から複数本まで種々適用可能である。また、アーム素子の角度についても、第1実施例と同様、所望の放射パターンとなるように種々設計することが可能である。
【0046】
次に、本発明の無線通信用放射アンテナが偶数モードで共振するように設計された場合について説明する。上述の例では、給電部から線状アンテナ素子を通ってアーム素子の開放端までの電気長が、高次モードのうち、3次モード以上の奇数モードで共振するように設計された例について説明した。次に、2次モード以上の偶数モードで共振するように設計された例について、図15を用いて説明する。図15は、本発明の第3実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【0047】
給電部15から線状アンテナ素子10を通ってアーム素子20の開放端までの電気長が、例えば2次モード以上の偶数モードで共振するように設計された場合、ターゲット周波数の1波長の電気長となる。例えば1波長の電気長となるように設計された場合、線状アンテナ素子10を1/4波長とし、アーム素子20を3/4波長とすれば良い。ここで、線状アンテナ素子とアーム素子の長さの比は特定のものには限定されず、全長が2次モード以上の偶数モードで共振するように設計されれば良い。
【0048】
ここで、偶数モードの場合には、入力インピーダンスが高インピーダンスとなるので、インピーダンスマッチングを行うために、本発明の第3実施例の無線通信用放射アンテナでは、線状アンテナ素子10の給電部15に、インピーダンス変換器40が設けられている。インピーダンス変換器40としては、例えばストリップライン型やトランス型、抵抗型等、インピーダンス変換が可能なものであれば種々適用可能である。このようなインピーダンス変換器40を用いることでインピーダンスマッチングを図り、所望の特性が得られるようにすれば良い。
【0049】
このように、本発明の無線通信用放射アンテナは、奇数モードだけでなく偶数モードであっても適用可能である。
【0050】
なお、本発明の無線通信用放射アンテナは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上述のシミュレーション結果についてもあくまでも一例であり、チューニング等を行うことで、より意図した放射パターンとすることも可能である。また、本発明の無線通信用放射アンテナは、所謂容量アンテナと区別する意味で放射アンテナとしているが、送信用だけでなく受信用にも適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
10 線状アンテナ素子
15 給電部
17 線状アンテナ素子
20 アーム素子
30 グラウンド板
40 インピーダンス変換器
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信用放射アンテナに関し、特に、利得を高め指向性を制御した無線通信用放射アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、モノポールアンテナやダイポールアンテナ等の線状アンテナ素子を用いた無線通信用放射アンテナは、ターゲット周波数の1/4波長や1/2波長の電気長を有するものが一般的である。このようなアンテナの利得は一般的には約2dBi程度であり、利得の向上が望まれていた。
【0003】
また、高利得アンテナとして、コリニアアレイアンテナが知られている。これは、例えば特許文献1に開示のように、垂直に設置したダイポールアンテナを複数個スタックしてアレイ化することで構成されるものである。
【0004】
また、より高次のモードで共振するアンテナも知られている。例えば、特許文献2に開示のアンテナ装置は、2つの周波数に対応するように構成されたものであり、第1周波数が1/4波長、第1周波数の2倍の第2周波数が3/4波長の信号を送受信できるように構成されたものである。このアンテナ装置は、全長3/4波長のアンテナ素子が実質的に平行な部分を有するように1回折り返され、この平行な部分と開放端側の1/4波長部分とが実質的に平行にならないように構成されたものである。
【0005】
さらに、3/4波長のアンテナ素子の他の例としては、例えば特許文献3に開示のものが挙げられる。この例では、T字型のアンテナ素子の両側に、メアンダ形状のアンテナ素子が付加され、給電点からメアンダ形状のアンテナ素子の開放端までの電気長がFMラジオ放送信号の3/4波長であるものである。このアンテナは、FMラジオ放送信号とAMラジオ放送信号の2つの周波数帯に対応させたものであり、T字型のアンテナ素子の部分がFMラジオ放送信号用であり、T字型にメアンダ形状のアンテナ素子を付加した部分がAMラジオ放送信号用の部分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−232851号公報
【特許文献2】特開平10−56315号公報
【特許文献3】特開2011−35519号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示のようなコリニアアレイアンテナの場合、複数のダイポールアンテナをスタックしてアレイ化する必要があるため、高さがある程度必要であった。例えば車両用のルーフマウントアンテナ等に用いるには、所定の高さ制限があるため、コリニアアレイアンテナを適用するのは難しかった。
【0008】
また、特許文献2に開示のアンテナは、まず、平行となる部分が必要であり、また、3/4波長のアンテナ素子のうち1/4波長の部分が平行にならないように折り返されなければならないものであり、形状に制限があった。また、指向性もサイドローブが大きく、また、任意の方向に指向性を制御できるものでもなかった。
【0009】
また、特許文献3に開示のアンテナは、FMラジオ放送信号の3/4波長に電気長が設定されているが、この電気長ではAMラジオ放送信号の3/4波長にはまったく足りていないため、この部分については放射アンテナではなく、所謂容量アンテナとして機能するものである。したがって、利得も低く、また、任意の方向に指向性を制御できるものでもなかった。
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、高さ方向の大きさは抑えたまま、利得を高め指向性を制御できる無線通信用放射アンテナを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による無線通信用放射アンテナは、給電部から延在する線状アンテナ素子と、線状アンテナ素子の利得を高め指向性を制御するために線状アンテナ素子の給電部から遠い側の先端に接続される少なくとも1つのアーム素子と、を具備するものである。そして、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計されれば良い。
【0012】
また、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の3次モード以上の奇数モードで共振するように設計されれば良い。
【0013】
また、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の2次モード以上の偶数モードで共振するように設計されても良く、さらに、線状アンテナ素子の給電部に設けられるインピーダンス変換器を具備すれば良い。
【0014】
また、アーム素子は、線状アンテナ素子の長手方向に対して傾斜して配置されれば良い。
【0015】
また、アーム素子は、4つのアーム素子からなれば良い。
【0016】
また、アーム素子が、線状アンテナ素子の長手方向から見て線状アンテナ素子の先端を中心に90度毎に配置されれば良い。
【0017】
また、アーム素子の形状が、直線状、ヘリカル状、メアンダ状の何れかであれば良い。
【0018】
また、線状アンテナ素子はダイポールアンテナ素子からなり、アーム素子はダイポールアンテナ素子の給電部から遠い両側の先端にそれぞれ接続されれば良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明の無線通信用放射アンテナには、高さ方向の大きさは抑えたまま、利得を高め指向性を制御できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図3】図3は、図1に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から30度にした場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から15度にした場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平方向にした場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた例を説明するための概略斜視図である。
【図8】図8は、図7に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた例を説明するための概略斜視図である。
【図10】図10は、図9に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図11】図11は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた例を説明するための概略斜視図である。
【図12】図12は、図11に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図13】図13は、本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。
【図14】図14は、図13に示される本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。
【図15】図15は、本発明の第3実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略図であり、図1(a)がその斜視図を、図1(b)が正面図を、図1(c)が上面図をそれぞれ表している。図示の通り、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナは、線状アンテナ素子10と、アーム素子20とから主に構成されている。図1(a)に示されるように、この線状アンテナ素子10とアーム素子20が、グラウンド板30上に配置されている。
【0022】
線状アンテナ素子10は、給電部15から延在するものである。給電部15は、通常はグラウンド板30の所定の位置に設けられる孔を介してアンテナ素子に給電する所である。線状アンテナ素子10は、具体的には、例えば長手方向に垂直な断面が円柱状や角柱状等の形状を有し、導電性部材からなるものである。図示例では、線状アンテナ素子10は直線状のモノポールアンテナ素子からなるものを示した。
【0023】
アーム素子20は、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に接続されるものである。図示例では、4つのアーム素子20がそれぞれ線状アンテナ素子10の先端に接続されている。アーム素子20は、線状アンテナ素子10の利得を高め指向性を制御するためのものである。また、アーム素子20は、例えば長手方向に垂直な断面が円柱状や角柱状等の形状を有し、導電性部材からなるものである。そして、図示例では、アーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向に対して傾斜して配置されている。より具体的には、図1(b)に示されるように、アーム素子20は、線状アンテナ素子10に対して160度(水平から20度)となるように配置されている。また、図1(c)に示されるように、アーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に90度毎に配置され、且つz軸方向を中心にxy軸から45度回転させた状態となるように配置されている。なお、アーム素子20による指向性制御については後述する。
【0024】
ここで、線状アンテナ素子10とアーム素子20の電気長について説明する。給電部15から線状アンテナ素子10を通りアーム素子20の各開放端までのそれぞれの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計されている。ここで、電気長はアーム素子20が複数本ある場合には、それぞれのアーム素子の開放端までの長さを意味する。また、ターゲット周波数とは、例えば高度道路交通システム(ITS)では5.8GHz帯であり、Bluetooth(登録商標)であれば2.4GHz帯である。また、Wi−Fi(登録商標)やWiMAX(登録商標)等、種々の周波数帯でも適用可能である。なお、本発明の無線通信用放射アンテナは、これらの特定の周波数帯には限定されず、如何なる周波数帯においても適用可能である。
【0025】
また、高次モードとは、例えばターゲット周波数の1/4波長の電気長ではなく、n/4波長(n=2,3,4・・・)というように、2次モード以上を意味する。2次モード以上の高次モードで共振するように設計することで、利得を高めることが可能となる。なお、電気長については物理的に正確にn/4波長等に設計されるわけではなく、短縮率に応じて短縮されても良いものである。
【0026】
給電部15から線状アンテナ素子10を通ってアーム素子20の開放端までの電気長が、例えば3次モード以上の奇数モードで共振するように設計された場合、ターゲット周波数の3/4波長の電気長となる。例えば3/4波長の電気長となるように設計された場合、線状アンテナ素子10を1/4波長とし、アーム素子20を1/2波長とすれば良い。より具体的には、例えば高度道路交通システムの5.8GHz帯をターゲット周波数とした場合には、線状アンテナ素子を12.5mmで設計し、アーム素子を25mmで設計してトータルで37.5mmとすれば良い。また、例えば5/4波長の電気長となるように設計された場合、線状アンテナ素子10を1/4波長とし、アーム素子20を1波長とすれば良い。ここで、線状アンテナ素子とアーム素子の長さの比は特定のものには限定されず、全長が3次モード以上の奇数モードで共振するように設計されれば良い。
【0027】
このように構成された本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性について図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。同図は、グラウンド板として無限地板を用いたものである。また、図3は、図1に示されるようにグラウンド板として有限地板を用いた本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。なお、図2のシミュレーション結果のみ、線状アンテナ素子の長手方向から見たアーム素子の配置方向がxy軸方向となっており、他のシミュレーション結果はxy軸方向から45度回転させた方向となっている。また、図2のシミュレーション結果のみ無限地板を用いたものであり、他のシミュレーション結果は特に説明が無い限り、有限地板を用いたものである。
【0028】
一般的なモノポールアンテナでは、放射方向はxy平面に対して斜め上方向に傾く、即ち、仰角方向に放射することが知られているが、本発明によれば、図2に示されるように、水平方向に放射していることが分かる。また、放射パターンはアーム素子が存在している方向、即ち、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在していることが分かる。最も利得が高い領域では、無限地板を用いた例では最大で約8.01dBiまで向上していることも分かる。また、有限地板を用いた例でも最大で約5.54dBiまで向上していることも分かる。また、アーム素子が存在している4方向に高利得な放射パターンが集中しており、任意の複数の方向に指向性を有するアンテナが実現できていることも分かる。例えば高度道路交通システムの場合には、車車間通信を行うので水平方向に近い方向の指向性を有するアンテナが好ましいので、図3に示されるような特性を有するアンテナは、高度道路交通システムに適用するのに都合が良い。
【0029】
次に、無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から30度にした場合の指向性のシミュレーション結果を図4に示す。アーム素子の角度を水平(xy平面)から30度に変えた場合、最大利得は6.11dBiとなっており、さらに図3の結果と比べて上方向(z軸方向)のサイドローブが縮小していることが分かる。また、利得が高い領域が、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向で且つ斜め上方向(仰角方向)に向いていることが分かる。最大利得領域の斜め上方向の角度については、アーム素子を図3の20度から30度に変えたことで、若干であるが水平側に傾斜していることも分かる。
【0030】
さらに、無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平から15度にした場合の指向性のシミュレーション結果を図5に示す。アーム素子の角度を水平から15度に変えた場合、最大利得は6.03dBiとなっており、水平方向(xy平面方向)だけでなくさらにより上方向(z軸方向)の指向性も強く出ており、より複数の方向に指向性を有するアンテナが実現できていることも分かる。最大利得領域の斜め上方向の角度については、アーム素子を図3の20度から15度に変えたことで、より上方向に傾斜していることも分かる。例えば道路上にある通信設備等のインフラと車との間の通信にアンテナが用いる場合には、ある程度上方向への指向性も有しているものが好ましいため、図5に示されるような特性を有するアンテナは都合が良い。
【0031】
さらにまた、無線通信用放射アンテナのアーム素子を水平方向にした場合の指向性のシミュレーション結果を図6に示す。アーム素子の角度を水平に変えた場合、最大利得は8.6dBiとなっており、さらに上方向(z軸方向)への指向性が強くなっていることが分かる。この例も、例えば道路上にある通信設備等のインフラと車との間の通信に用いることも可能である。
【0032】
このように、本発明の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子の角度を変えるだけで、指向性を変化させることが可能となる。また、単純なモノポールアンテナに比べて利得も大幅に向上させることが可能となる。具体的には、アーム素子の水平からの角度が大きい場合には、利得の高い主放射パターン(メインローブ)は比較的水平方向を向き、サイドローブは上方向に小さく出ている。そして、アーム素子の水平からの角度を小さくしていくと、メインローブは小さくなり、サイドローブが大きくなっていく。そして、ある程度の角度までいくと、メインローブが上方向となる。ここで、この上方向となるメインローブのxy平面上の放射方向は、線状アンテナ素子の長手方向から見たアーム素子の配置方向とは一致しない。そして、アーム素子の水平からの角度を小さくしていくと、メインローブの利得が高くなっていくように働く。即ち、単純にアーム素子の角度に応じてリニアに放射方向の角度が変わるものではなく、ある仰角からは種々の放射方向を有するようになると共に、メインローブの利得が徐々に高くなっていくことになる。
【0033】
次に、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいて、アーム素子を2つ用いた例について説明する。図7は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた例を説明するための概略斜視図である。図示のように、本実施例では、給電部15から線状アンテナ素子10が延在し、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に2つのアーム素子20が接続されている。また、図示例では2つのアーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に180度となるように配置されているものを示した。
【0034】
本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子がこのように2つであっても良い。2つのアーム素子により、指向性を制御することが可能である。図8は、図7に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を2つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンはアーム素子により影響を受け、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在していることが分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約7.93dBiまで向上していることもわかる。図3等のアーム素子が4つの場合と比べて最大利得が向上しているのは、アーム素子の無い方向へは放射されないため、アーム素子の存在する方向、即ち2方向へエネルギが集約されたためである。また、アーム素子の角度を種々調整することで、指向性を所定の方向に制御することも可能である。
【0035】
ここで、図示例では、2つのアーム素子20は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に180度となるように配置された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つのアーム素子を一方向側に偏らせて、即ち、線状アンテナ素子の長手方向から見てV字形となるように配置しても良い。これにより、放射パターンはアーム素子により影響を受け、xy平面上で見るとV字形状に配置されたアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在するようになる。このように、指向性を予定の方向に制御することが可能である。
【0036】
さらに、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいて、アーム素子を1つだけ用いた例について説明する。図9は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた例を説明するための概略斜視図である。図示のように、本実施例では、給電部15から線状アンテナ素子10が延在し、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に1つのアーム素子20が接続されている。
【0037】
本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子がこのように1つだけであっても良い。図10は、図9に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を1つだけ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンはアーム素子により影響を受け、2つのアーム素子を用いた図8の放射パターンと比べて、若干z軸方向に偏って最も利得が高い領域が存在していることが分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約5.82dBiまで向上していることもわかる。このような放射特性であっても、用途によっては利用可能である。また、アーム素子の角度を種々調整することで、指向性を所定の方向に制御することも可能である。
【0038】
さらに、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいて、アーム素子を8つ用いた例について説明する。図11は、本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた例を説明するための概略斜視図である。図示のように、本実施例では、給電部15から線状アンテナ素子10が延在し、線状アンテナ素子10の給電部15から遠い側の先端に8つのアーム素子20が接続されている。また、図示例では8つのアーム素子20のそれぞれ隣り合うアーム素子間の角度は、線状アンテナ素子10の長手方向から見て線状アンテナ素子10の先端を中心に45度となるようにそれぞれ配置されているものを示した。
【0039】
本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナでは、アーム素子がこのように8つであっても良い。8つのアーム素子により、指向性をより細かく制御することも可能である。図12は、図11に示される本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナにおいてアーム素子を8つ用いた場合の指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンはアーム素子により影響を受け、xy平面上で見るとアーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が複数存在していることが分かる。したがって、より複数の方向に指向性を有することが分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約5.29dBiまで向上していることもわかる。
【0040】
このように、本発明の無線通信用放射アンテナは、アーム素子により線状アンテナ素子の利得を高め指向性を制御することが可能である。そして、アーム素子の数や角度は上述の図示例には特に限定されず任意に設定でき、所望の放射パターンとなるように種々調整することが可能である。また、本発明の無線通信用放射アンテナの高さ方向の大きさは、線状アンテナ素子の長さに依存するものであるが、従来のコリニアアレイアンテナのようなスタックは不要であるため、高さ方向の大きさを抑えることも可能となる。
【0041】
また、線状アンテナ素子やアーム素子は、3次元形状を有するものを説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば基板上に薄膜パターン等により線状アンテナ素子やアーム素子を2次元形状でパターンニング形成して構成されたものであっても良い。
【0042】
また、アーム素子は上述の図示例では直線状のものを示したが、本発明はこれに限定されず、ヘリカル状やメアンダ状であっても良い。即ち、アーム素子が長手方向に延在する方向はそのままで、アーム素子の開放端に向かってヘリカル状に構成されたものや、メアンダ状に構成されたものであっても良い。
【0043】
これまで説明してきた本発明の第1実施例の無線通信用放射アンテナは、線状アンテナ素子がモノポールアンテナ素子からなるものであったが、次にダイポールアンテナ構造について説明する。図13は、本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。第1実施例と異なる部分は、線状アンテナ素子17がダイポールアンテナ素子からなっている点である。アーム素子20は、線状アンテナ素子17の給電部15から遠い両側の先端に、それぞれ接続されている。構造としては、第1実施例のモノポールアンテナ素子を2つ対向して配置したようなものである。このような構成であっても、本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナは、第1実施例と同様の作用・効果を奏する。
【0044】
図14は、図13に示される本発明の第2実施例の無線通信用放射アンテナの指向性のシミュレーション結果を表す図である。図示の通り、放射パターンは水平方向且つアーム素子が存在している方向、即ち、アーム素子の開放端方向に最も利得が高い領域が存在していることが分かる。図3のモノポールアンテナ素子を用いた場合の放射パターンと比べると、−z軸側にもz軸側と対称に放射パターンが形成されていることも分かる。そして、利得の高い領域は、最大で約4.94dBiまで向上していることもわかる。また、水平4方向すべて高い利得が得られるように構成されており、複数の方向に指向性を有するアンテナが実現できていることも分かる。
【0045】
ここで、図示例ではアーム素子20は、線状アンテナ素子17の給電部15から遠い両側の先端にそれぞれ4つずつ接続された例を示したが、本発明はこれに限定されず、第1実施例と同様、1本から複数本まで種々適用可能である。また、アーム素子の角度についても、第1実施例と同様、所望の放射パターンとなるように種々設計することが可能である。
【0046】
次に、本発明の無線通信用放射アンテナが偶数モードで共振するように設計された場合について説明する。上述の例では、給電部から線状アンテナ素子を通ってアーム素子の開放端までの電気長が、高次モードのうち、3次モード以上の奇数モードで共振するように設計された例について説明した。次に、2次モード以上の偶数モードで共振するように設計された例について、図15を用いて説明する。図15は、本発明の第3実施例の無線通信用放射アンテナを説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【0047】
給電部15から線状アンテナ素子10を通ってアーム素子20の開放端までの電気長が、例えば2次モード以上の偶数モードで共振するように設計された場合、ターゲット周波数の1波長の電気長となる。例えば1波長の電気長となるように設計された場合、線状アンテナ素子10を1/4波長とし、アーム素子20を3/4波長とすれば良い。ここで、線状アンテナ素子とアーム素子の長さの比は特定のものには限定されず、全長が2次モード以上の偶数モードで共振するように設計されれば良い。
【0048】
ここで、偶数モードの場合には、入力インピーダンスが高インピーダンスとなるので、インピーダンスマッチングを行うために、本発明の第3実施例の無線通信用放射アンテナでは、線状アンテナ素子10の給電部15に、インピーダンス変換器40が設けられている。インピーダンス変換器40としては、例えばストリップライン型やトランス型、抵抗型等、インピーダンス変換が可能なものであれば種々適用可能である。このようなインピーダンス変換器40を用いることでインピーダンスマッチングを図り、所望の特性が得られるようにすれば良い。
【0049】
このように、本発明の無線通信用放射アンテナは、奇数モードだけでなく偶数モードであっても適用可能である。
【0050】
なお、本発明の無線通信用放射アンテナは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上述のシミュレーション結果についてもあくまでも一例であり、チューニング等を行うことで、より意図した放射パターンとすることも可能である。また、本発明の無線通信用放射アンテナは、所謂容量アンテナと区別する意味で放射アンテナとしているが、送信用だけでなく受信用にも適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
10 線状アンテナ素子
15 給電部
17 線状アンテナ素子
20 アーム素子
30 グラウンド板
40 インピーダンス変換器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信用放射アンテナであって、該放射アンテナは、
給電部から延在する線状アンテナ素子と、
前記線状アンテナ素子の利得を高め指向性を制御するために線状アンテナ素子の給電部から遠い側の先端に接続される少なくとも1つのアーム素子と、
を具備し、
給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の3次モード以上の奇数モードで共振するように設計されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の2次モード以上の偶数モードで共振するように設計され、
さらに、線状アンテナ素子の給電部に設けられるインピーダンス変換器を具備することを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子は、線状アンテナ素子の長手方向に対して傾斜して配置されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子は、4つのアーム素子からなることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項6】
請求項5に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子が、線状アンテナ素子の長手方向から見て線状アンテナ素子の先端を中心に90度毎に配置されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子の形状が、直線状、ヘリカル状、メアンダ状の何れかであることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記線状アンテナ素子はダイポールアンテナ素子からなり、前記アーム素子はダイポールアンテナ素子の給電部から遠い両側の先端にそれぞれ接続されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項1】
無線通信用放射アンテナであって、該放射アンテナは、
給電部から延在する線状アンテナ素子と、
前記線状アンテナ素子の利得を高め指向性を制御するために線状アンテナ素子の給電部から遠い側の先端に接続される少なくとも1つのアーム素子と、
を具備し、
給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の高次モードで共振するように設計されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の3次モード以上の奇数モードで共振するように設計されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、給電部から線状アンテナ素子を通りアーム素子の開放端までの電気長は、ターゲット周波数の2次モード以上の偶数モードで共振するように設計され、
さらに、線状アンテナ素子の給電部に設けられるインピーダンス変換器を具備することを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子は、線状アンテナ素子の長手方向に対して傾斜して配置されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子は、4つのアーム素子からなることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項6】
請求項5に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子が、線状アンテナ素子の長手方向から見て線状アンテナ素子の先端を中心に90度毎に配置されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記アーム素子の形状が、直線状、ヘリカル状、メアンダ状の何れかであることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信用放射アンテナにおいて、前記線状アンテナ素子はダイポールアンテナ素子からなり、前記アーム素子はダイポールアンテナ素子の給電部から遠い両側の先端にそれぞれ接続されることを特徴とする無線通信用放射アンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−38785(P2013−38785A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172505(P2012−172505)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(000165848)原田工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(000165848)原田工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】
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