説明

無線通信装置及び無線通信システム

【課題】通信を行う機器を好適に識別する。
【解決手段】無線通信装置の通信フレームに含まれるFACCHは、ESNコードと、モデル番号、バージョン番号、及びシリアル番号からなるESNと、が挿入される。ESNコードが0x01であれば第4オクテット以降にESNが挿入されていることを示し、ESNとして、モデル番号、バージョン番号、シリアル番号が含まれる。通信フレームからESNを抽出することで、通信を行っている無線通信装置を一意に識別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信には、いわゆるレピータを経由して無線機どうしの通信を行う方法がある。さらに、複数のレピータをネットワークで接続して、複数のレピータのカバーエリアからなる無線通信システムの通信エリアを構成することができる。
【0003】
このような無線通信システムにおいて、いずれの無線機による通信が行われているかを識別するため、無線機から送信するメッセージ情報とともにその無線機の識別情報を送信する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−10631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された技術では、無線機を特定するための識別情報をユーザが予め設定する必要があった。また、このような識別情報は、グループが異なったり、使用する地域が異なると同一の識別情報が使用可能となる場合があり、必ずしも無線機を一意に特定することができるとは限らなかった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、通信を行う機器を好適に識別できる無線通信装置及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る無線通信装置は、
無線通信により他の機器と通信を行う無線通信装置であって、
前記無線通信装置に固有の識別情報であるESN(Electric Serial Number)を記憶する識別情報記憶手段と、
通信データを前記他の機器に送信する送信手段と、
前記送信手段が送信する前記通信データに前記識別情報記憶手段が記憶する前記ESNを付加する識別情報付加手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記識別情報付加手段は、前記通信データに前記ESNを付加するときに、当該ESNが付加されていることを示す情報をさらに付加するように構成されてもよい。
【0009】
前記通信データを受信したときに当該通信データから前記ESNを抽出する抽出手段をさらに備えるように構成されてもよい。
【0010】
本発明の第2の観点に係る無線通信システムは、
前記無線通信装置と、
前記無線通信装置による通信を中継する中継装置と、
複数の前記中継装置とネットワークを介して接続され、前記無線通信装置及び前記中継装置における通信を統制するためのサーバと、
から構成される無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、前記抽出手段が抽出した前記ESNを外部に送信する手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通信を行う機器を好適に識別できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態である無線通信システムの一例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態における無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】通信フレームの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る無線通信装置及び無線通信システムの一実施の形態について、図を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す。
【0014】
無線通信システム5は、例えば図1に示すように、ネットワーク4に接続されている複数のレピータ2(2A、2B、2C、2D)を備える。無線通信システム5には、複数の無線通信装置3(3A、3B、3C、3D、3E、3F)がある。また、ネットワーク4にサーバ1が接続している。また、無線通信装置3の通信情報を管理するための管理用のPC(パーソナルコンピュータ)6(6A、6B)が設けられる。
【0015】
ネットワーク4は、例えば、LAN(Local Area Network)である。ネットワーク4は、その他、回線交換網、パケット交換網、インターネット、専用線網であってもよい。また、ネットワーク4は有線に限らず、例えば無線LANなどの無線通信網でもよい。
【0016】
無線通信システム5では、無線通信装置3どうしの通信はレピータ2を介して行われる。例えば、図1の無線通信装置3Aと3Cは、レピータ2Aを介して通信を行う。また、無線通信システム5では、異なるレピータ2の通信範囲(レピータエリア)に属する無線通信装置3どうしの通信は、ネットワーク4を経由して行われる。例えば、無線通信装置3Aと3Dは、レピータ2A、ネットワーク4及びレピータ2Cを経由して通信を行う。ここでの通信には、音声通信やデータ通信が含まれる。
【0017】
無線通信装置(以下、子機と略称する)3A〜3Fは、レピータ2A〜2Dと無線で通信する。子機3A〜3Fからレピータ2A〜2Dへの通信をアップリンク、レピータ2から子機3への送信をダウンリンクという。アップリンクとダウンリンクは、例えば、異なる周波数で同時に送信される。アップリンクとダウンリンクは、時間分割で2重に送信されてもよい。
【0018】
1つのレピータ2において、アップリンクとダウンリンクを1組として同時に通信できるチャネル数は1又は2以上である。同時通信チャネル数は、レピータ2の構成による。なお、子機3A〜3Fは、図1では移動局のように記載されているが、固定局の場合を含む。
【0019】
この実施の形態の無線通信システム5では、無線通信装置3のうち予め定められたものを管理用の無線通信装置3としている。たとえは、無線通信システム5を構成する無線通信装置3をグループ分けし、そのグループの管理者が持つ無線通信装置3を管理用の無線通信装置3とする。管理用の無線通信装置3は、通信フレームを受信すると、その通信フレームを送信した無線通信装置3を識別する情報を抽出し、管理用のPC6に出力する。
【0020】
管理用のPC6の記憶部には、各無線通信装置3とその無線通信装置3を識別する情報(後述するESN)とが対応付けて記憶される。管理用のPC6は、無線通信装置3から送出される識別情報に基づき、無線通信装置3の不正使用がないかを監視する。例えば、識別情報が未登録の無線通信装置3による通信が行われていないかなどを監視する。
【0021】
図2は、本発明の一実施の形態に係る無線通信システム5におけるサーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、無線通信システム5における通信全体を統制する。例えば、ユーザがサーバ1を操作することで、レピータ2を遠隔操作し、レピータ2の設定を変更することができる。サーバ1は、図2に示すように、制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、操作部15、表示部16及びネットワークインタフェース(以下、ネットワークI/F)部17を備える。主記憶部12、外部記憶部13、操作部15、表示部16及びネットワークI/F部17はいずれも内部バス10を介して制御部11に接続されている。
【0022】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部13に記憶されているプログラムに従って、サーバ1の動作を制御する。
【0023】
主記憶部12はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部13に記憶されているプログラムをロードし、制御部11の作業領域として用いられる。
【0024】
外部記憶部13は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、前記の処理を制御部11に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、制御部11の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを制御部11に供給し、制御部11から供給されたデータを記憶する。
【0025】
操作部15はキーボード及びマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボード及びポインティングデバイス等を内部バスに接続するインタフェース装置から構成されている。操作部15に対する操作情報は制御部11に供給される。
【0026】
表示部16は、CRT(Cathode Ray Tube)又はLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、ネットワーク4上の通信情報などを表示する。
【0027】
ネットワークI/F部17は、無線送受信機、無線モデム又は網終端装置、及びそれらと接続するシリアルインタフェース又はLANインタフェースから構成されている。サーバ1は、ネットワークI/F部17を介して、ネットワーク4に接続する。また、ネットワークI/F部17を介して、子機3やレピータ2を統制するための制御信号を送信する。
【0028】
図3は、本発明の一実施の形態に係る無線通信装置3の構成を示すブロック図である。無線通信装置3は、送信機能と受信機能を備える。受信機能はレピータ2がダウンリンクで送信した信号を受信する。送信機能は、レピータ2にアップリンクで信号を送信する。図3に示すように、無線通信装置3は、アンテナ31と、送受信切替部32と、送信部33と、受信部34と、音声A/D・D/A(アナログ/デジタル・デジタル/アナログ)変換部35と、コントローラ36と、増幅器37と、マイク38と、スピーカ39と、表示部41と、操作部42と、を備える。
【0029】
アンテナ31は、通信相手となる他の無線通信装置3から送信され、レピータ2で中継された信号波を受信する。また、アンテナ31は、他の無線通信装置3から直接送信された信号波を受信する。アンテナ31は、通信相手となる他の無線通信装置3に信号波を中継するレピータ2に向けて信号波を送信する。また、アンテナ31は、他の無線通信装置3に向けて信号波を直接送信する。
【0030】
送受信切替部32は、送信部33から入力された送信用の信号波をアンテナ31に出力する。また、送受信切替部32は、アンテナ31で受信された信号波を入力し、この信号波を受信部34に出力する。
【0031】
送信部33は、例えば4値FSK(Frequency Shift Keying)変調方式に基づいて、入力された音声信号およびデータ信号を変調し、送受信切替部32に出力する。なお、音声信号は、音声A/D・D/A変換部35から供給され、データ信号は、コントローラ36から供給される。
【0032】
受信部34は、特定の周波数(通信チャンネル)の信号を選択して受信するチューニング機能を備え、コントローラ36の制御に基づいて、受信する無線信号の周波数が設定される。また、受信部34は、入力された受信信号を復調する復調機能を備える。ここでは、受信部34は、送信部33と同様の変調方式に基づいて復調を行う。
【0033】
音声A/D・D/A変換部35は、音声信号をアナログ信号とデジタル信号間で信号変換を行うアナログ−デジタル変換機能を備える。
【0034】
コントローラ36は、この無線通信装置3の動作の制御を行う。コントローラ36は、CPU(中央処理装置)36a、ROM(読み出し専用メモリ)36b、RAM(読み書き可能メモリ)36cを備える。
【0035】
ROM36bは、コントローラ36が無線通信装置3の動作を制御するための制御プログラムを格納する。CPU36aは、この制御プログラムに基づいて、無線通信装置3が送信機および受信機として機能するよう制御する。RAM36cは、CPU6aのワークエリアとして機能する。
【0036】
また、ROM36bは、ESN(Electronic Serial Number)を記憶する。ESNは、無線通信装置3の製造メーカなどが設定する無線通信装置3に固有の識別情報である。ESNにより、無線通信装置3を特定することができる。このESNは、無線通信装置3のユーザが設定するまでもなく、無線通信装置3が持つ識別情報である。コントローラ36は、通話を行う際の音声データに、このESNを自動的に付加して送信する。
【0037】
コントローラ36は、送信部33が、音声信号を出力するとき(通信相手への接続要求を送信するとき)、音声信号に送信先に関する情報や自己のESNを付加する。また、コントローラ36は、受信した通信フレームからESNを抽出する。
【0038】
増幅器37は、マイク38から供給された音声信号を増幅し、音声A/D・D/A変換部35に供給する。また、増幅器37は、音声A/D・D/A変換部35から供給された音声信号を増幅して、スピーカ39に供給する。
【0039】
マイク38は、ユーザの通話音を取得し、音声信号として増幅器37に供給する。
【0040】
スピーカ39は、増幅器37から供給された音声信号に基づき、通信相手の通話音を出力する。
【0041】
表示部41は、液晶ディスプレイ等からなるモニタ画面を備えて構成される。モニタ画面には、ユーザに対する無線通信装置3の動作状態の報知や、ユーザに対する操作部42による入力を促すメッセージ等が表示される。
【0042】
操作部42は、無線通信装置3の動作に関する条件情報を入力するための装置である。操作部42には各種の操作キーが設けられており、ユーザが操作キーを操作して各種の入力を行うことにより、その入力に基づく動作を無線通信装置3に行わせることができる。操作部42に対する操作の内容は、コントローラ36により検出される。即ち、コントローラ36は、操作された操作キーの種類や、操作キーに対する操作の内容を検出する。そして、コントローラ36は、操作キーによって入力された内容を判別し、入力された内容に応じた動作を行うように、無線通信装置3を制御する。
【0043】
この実施の形態の無線通信装置3により音声通信を行うときに送信される通信フレームのフレーム構成について説明する。無線通信装置3のユーザが通話を行うため、操作部42を操作して宛先を指定するとともに、マイク38から音声を入力すると、図4(A)に示すような通信フレームがレピータ2に送信される。
【0044】
図4(A)に示すように、無線通信装置3から送信される通信フレームは、プリアンブル、ヘッダ、FACCH(高速付随制御チャンネル)、音声データ、から構成される。
【0045】
プリアンブルは、同期をとるためのビット列であり、フレームの始まりを示す制御信号となる。ヘッダは、通話の相手先の識別情報を含む。音声データは、マイク38から入力された音声に対応した音声データである。
【0046】
FACCHは、音声データに付随して制御情報を送信するために使用されるチャンネルである。この実施の形態では、このFACCHにESNを挿入する。
【0047】
FACCHは、図4(B)に示すように、10オクテットのデータであり、メッセージタイプ、製造番号、ESNコード、モデル番号、バージョン番号、シリアル番号、から構成される。
【0048】
メッセージタイプ及び製造番号は、CAI(Common Air Interface)で定められた識別情報である。
【0049】
第3オクテット以降は、製造メーカが自由に設定できる領域である。この実施の形態では、モデル番号、バージョン番号、及びシリアル番号からなるESNと、ESNコードと、が挿入される。
【0050】
ESNコードは、第4オクテット以降にESNが挿入されているか否かを示すコードである。ESNコードには、0x01または0x02の値が設定される。この実施の形態では、ESNコードが0x01であれば第4オクテット以降にESNが挿入されていることを示し、ESNコードが0x02であれば別のデータが挿入されていることを示す。
【0051】
この実施の形態では、ESNとして、モデル番号、バージョン番号、シリアル番号が含まれる。モデル番号は、無線通信装置3のモデルを識別するための番号である。バージョン番号は、無線通信装置3のモデルのバージョンを識別するための情報である。シリアル番号は、無線通信装置3そのものを識別するための情報であり一意なデータである。
【0052】
このように構成される通信フレームが、レピータ2に中継され、ネットワーク4を介して他の無線通信装置3に伝送され、他の無線通信装置3との通話が可能になる。
【0053】
通信フレームを受信した無線通信装置3(例えば、無線通信装置3のうち予め定められた管理用の無線通信装置3)のコントローラ36は、受信した通信フレームからESNを抽出する。通信フレームからESNを抽出する際には、まずFACCHにおけるESNコードを抽出し、ESNコードが0x01であれば第4オクテット以降にESNが挿入されていると判別して、第4オクテット以降(図4(B)の例では、第4〜第9オクテット)のESNデータを抽出する。
【0054】
管理用の無線通信装置3のコントローラ36は、ESNを抽出すると、管理用の無線通信装置3の通信可能範囲内に設置された管理用のPC6にESNを送出する。例えば、管理用の無線通信装置3のコントローラ36が抽出したESNを管理用のPC6にクローン出力する。管理用の無線通信装置3を通信ケーブルで直接PC6に接続するようにして、その通信ケーブルを介して送出されるようしてもよい。なお、管理用の無線通信装置3からPC6へのESNの送出は、管理用の無線通信装置3が通信フレームを受信するたびに行うようにしてもよいし、予め定められた周期ごとに行うようにしてもよい。また、管理用の無線通信装置3において、所定の操作がなされたときに送出するようにしてもよい。
【0055】
ESNを受信したPC6は、例えば、ESNから特定される無線通信装置3の内容を表示部に表示する。PC6の管理者は、ESNから特定される無線通信装置3の情報を監視できる。ここで、特定の無線通信装置3に不正使用が見つかった場合、その無線通信装置3に対して(またはそのユーザに対して)、警告や注意を送信することができる。また、管理用の無線通信装置3を制御する信号を送信して、その無線通信装置3の使用を不可能にすることができる。
【0056】
例えば、複数種類のうち特定のグループ(例えば、A社)が使用するトーンが予め決まっており、例えばA社の無線通信装置3が送信した通信フレームは、A社の無線通信装置3のみで受信するようになっている場合、A社の管理用の無線通信装置3が通信フレームを受信すると、ESNを抽出する。そして、抽出したESNは、PC6に送出される。管理用のPC6には、A社が使用する無線通信装置3のESNを予め登録しておく。管理用のPC6に登録されていないESNを受信した場合、そのESNを対応する無線通信装置3は不正使用されている(A社の社員になりすましている)と判断できる。
【0057】
以上説明したように、この実施の形態の無線通信装置3は、無線通信装置3を一意に識別できる識別情報であるESNは通信データに自動的に付加して送信する。これにより、通信を行っている無線通信装置3を好適に識別できる。また、ESNは予め定められた識別情報であるので、ユーザが特段の設定をするまでもなく、無線通信装置3を識別できる。
【0058】
なお、上記実施の形態で説明したハードウエア構成、通信フレームのフレーム構成や、動作は一例であり、任意に変形及び修正が可能である。例えば、サーバ1は専用のシステムによらず、通常のコンピュータを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するサーバ1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでサーバ1を構成してもよい。
【0059】
また、サーバ1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0060】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、無線通信装置3により音声通信を行う場合の通信フレームにESNを挿入する例について説明したが、データ通信時にも同様に通信フレームに自動的にESNを挿入して送信することができる。
【0062】
また、無線通信装置3が信号を送受信するための信号の変調方式として4値FSK変調方式を採用する例を説明したが、他の変調方式を採用してもよい。例えば、信号の変調方式として、GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)変調方式やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式やその他の変調方式を採用してもよい。
【0063】
また、上記実施の形態では、管理用の無線通信装置3が通信フレームからESNを抽出して、管理用の無線通信装置3以外の無線通信装置3が通信フレームにESNを挿入することを説明したが、管理用とそれ以外の無線通信装置3の機能は同一であり、管理用以外の無線通信装置3でもPCに通信ケーブルを接続することなどにより、通信フレームから抽出したESNを出力することができる。また、管理用の無線通信装置3が音声通話やデータ通信を行う場合に、送信する通信フレームにESNを自動的に挿入することもできる。
【符号の説明】
【0064】
1 サーバ
2、2A、2B、2C、2D レピータ
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F 無線通信装置
4 ネットワーク
5 無線通信システム
6 PC
10 内部バス
11 制御部
12 主記憶部
13 外部記憶部
15 操作部
16 表示部
17 ネットワークインタフェース部
31 アンテナ
32 送受信切替部
33 送信部
34 受信部
35 音声A/D・D/A変換部
36 コントローラ
37 増幅器
38 マイク
39 スピーカ
41 表示部
42 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信により他の機器と通信を行う無線通信装置であって、
前記無線通信装置に固有の識別情報であるESN(Electric Serial Number)を記憶する識別情報記憶手段と、
通信データを前記他の機器に送信する送信手段と、
前記送信手段が送信する前記通信データに前記識別情報記憶手段が記憶する前記ESNを付加する識別情報付加手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記識別情報付加手段は、前記通信データに前記ESNを付加するときに、当該ESNが付加されていることを示す情報をさらに付加することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記通信データを受信したときに当該通信データから前記ESNを抽出する抽出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の無線通信装置と、
前記無線通信装置による通信を中継する中継装置と、
複数の前記中継装置とネットワークを介して接続され、前記無線通信装置及び前記中継装置における通信を統制するためのサーバと、
から構成される無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、前記抽出手段が抽出した前記ESNを外部に送信する手段を備えることを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−35497(P2011−35497A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177379(P2009−177379)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000100746)アイコム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】