説明

照明制御システム

【課題】制御装置60との組み合わせにより大幅な省エネ効果を図れる上、蛍光ランプ30寿命時には個々の照明器具40単位でランプ30を交換することが可能となり、また制御装置60と照明器具40はそれぞれ別電源とすることができ、電源配線の制約も少なくなる照明制御システムを提供する。
【解決手段】制御装置60と調光形照明器具40を組合せた照明制御システムを前提とする。調光形照明器具40内の電子安定器1自身で該器具内の蛍光ランプ30の点灯累積時間に応じて点灯初期の無駄な明るさをカットする機能を備える。制御装置60から明るさセンサーやタイマー等による環境や設定に応じた調光信号を出力する機能を備える。前記信号と前記点灯累積時間とを電子安定器1に付属する制御回路17で判定し蛍光ランプ30の明るさを制御する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光ランプを用いた照明制御システムに関する。
【従来の技術】従来の省エネルギー手段は、ランプの点灯累積時間のカウントや照度センサーによりランプ点灯初期や外光の入射などによる無駄な明るさをカットする制御やタイマーを用いた時間帯による明るさ制御などの付加機能は照明器具とは別の制御装置にすべて持たせ、制御装置から出力される調光信号により複数の照明器具のランプ出力を制御し、ランプ寿命末期時には制御装置に表示し、すべての照明器具に取付けられたランプは一斉に交換を行っていた。また、制御装置を組み合わせず、照明器具単独でランプ光束の減衰特性を利用して簡易的に節電効果を上げる方法もある。
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術について、前者は制御装置により省エネを図るための細かな設定を行えるが、複数の照明器具が1台の制御装置により制御されているため、ランプ寿命時のランプは一斉交換する必要があり正常に点灯するランプも捨てなければならず、ランプ性能を生かしきれないことや使用者に抵抗感があるなどの問題があった。また、制御装置と照明器具の電源は同一の分岐回路に接続することが前提となるため施工性に制限があった。後者は照明器具単独で簡易的に節電効果を上げることができるものの、大幅な節電効果を得るには困難であり、また、制御装置の機能をすべて照明器具個々に付加しようとすると照明器具が大幅に価格アップしてしまい効率的ではない。本発明は、制御装置を接続することにより細かな設定を行い大幅な節電効果を図りつつ、ランプ交換は一斉交換を前提とせず、各照明器具のランプが寿命となったときには照明器具個々にランプ交換することができるように考案したものである。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、ランプの点灯累積時間のカウントについては照明器具個々の電子安定器で行い、それ以外の制御は制御装置で行い、制御装置から入力した調光信号とランプの点灯累積時間データとを電子安定器内蔵のマイコンなどの制御回路により判定し、ランプが適正な明るさとなるように制御する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1により説明する。一般に照明器具の設置台数は、蛍光ランプ光束が時間と共に減衰して、器具の汚れや壁、床面の反射率の減衰等があるため、予め設計照度に対して保守率によってマージンを見て設計されている。照明器具の光束は初期には明るく点灯し、点灯累積時間が長くなるに従い減少していく。通常この保守率は70%が用いられているため、蛍光ランプの出力をランプ点灯初期は70%でスタートし、ランプ寿命時点で100%として照度が一定となるように調光制御することで節電を図る。この制御を照明器具内の電子安定器に、ランプ累積点灯時間に対する調光度のカーブを記憶させておく。また、環境の変化などに対応するための照度センサやその場に応じた調光度設定機能などは個々の照明器具とは別の制御装置に制御され、制御装置から出力される調光信号が複数の照明器具に接続され電子安定器に入力する。実施例の回路を図1に示す。電子安定器の構成は、商用電源70よりフィルタ回路12を介し、整流回路13で整流し、アクティブフィルタ回路14と平滑用コンデンサ15により直流電源をつくり、これを電源としてインバータ回路16によりランプ30を点灯させる。ランプ30の点灯累積時間は制御回路17のマイコン等に接続された発振子から時間をカウントする。その時間は電源70がオフとなっても保持しておくため、不揮発性メモリなど利用したメモリ18に記憶しておく。制御装置60は照度センサ61やスケジュールタイマー62などから設定や環境に応じた調光信号を2本の調光信号線50により電子安定器1の制御回路17に入力する。電子安定器1は自身でカウントしている点灯累積時間と制御装置から入力される調光信号からマイコンなどの制御回路17により、ランプが最適な明るさとなるようにインバータ回路16を制御する。このように、制御装置を接続することにより細かな設定を行うことができ、各照明器具のランプが寿命となったときには照明器具個々でランプ交換することができ、また、照明器具と制御装置の電源は同一の分岐回路にする必要はない。
【発明の効果】本発明によれば、制御装置との組み合わせにより大幅な省エネ効果を図れる上、ランプ寿命時には個々の照明器具単位でランプを交換することが可能となる。また、制御装置と照明器具はそれぞれ別電源とすることができ、電源配線の制約も少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明回路の応用例を示す回路である。
【符号の説明】
1:電子安定器 12:フィルタ回路 13:整流回路 14:アクティブフィルタ回路 15:平滑用コンデンサ 16:インバータ回路 17:制御回路
18:時間メモリ 20:リセットスイッチ 30:蛍光ランプ 40:照明器具 50:調光信号線 60:制御装置 61:照度センサ 62:スケジュールタイマー 70:商用電源 80:商用電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】制御装置と調光形照明器具を組合せた照明制御システムにおいて、前記調光形照明器具内の電子安定器自身で該器具内の蛍光ランプの点灯累積時間に応じて点灯初期の無駄な明るさをカットする機能を備え、前記制御装置から明るさセンサーやタイマー等による環境や設定に応じた調光信号を出力する機能を備え、前記信号と前記点灯累積時間とを前記電子安定器に付属する制御回路で判定し前記蛍光ランプの明るさを制御することを特徴とした照明制御システム。

【図1】
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【公開番号】特開2003−308987(P2003−308987A)
【公開日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−148387(P2002−148387)
【出願日】平成14年4月15日(2002.4.15)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】