説明

照明装置

【課題】従来の照明装置は、LEDを点灯するための電源部を多面体102内部に備えた構成であるため、該電源部から発生した熱は、上記多面体102内に滞留し、該電源部が長時間高温下に置かれることにより、様々な悪影響を引き起こすという問題があった。
【解決手段】上記電源部4から発生した熱を、光源部3を介して放熱させる第1の放熱部を備えているため、上記光源部3に熱が滞留することなく、効率よく放熱を行うことが可能な照明装置を提供することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を点灯するための電源部を内装してなる光源部を備えた照明装置に関し、特に、該電源部から発生した熱を、上記光源部を介して放熱可能とした照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置は、例えば、限られた空間を活用し、広指向性を有しながら小型化可能な照明装置に関する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の従来の照明装置である照明用電球は、図9に示すように、4個のLEDチップを搭載したLED100(以下、チップ型LEDと記す)を実装した正五角形の基板101a6枚と、正六角形の基板101bを15枚(以下、基板101と記す)を用いて、立体的に組み立て、略球体の多面体102を構成し、上記多面体102の内部空間に、上記チップ型LED100を点灯するための電源及び電源回路(以下、電源部と記す)を備えた構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−184207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の照明装置においては、チップ型LED100を点灯するための電源部を多面体102内部に備えた構成であるため、該電源部から発生した熱は、上記多面体102内に留まり、そのために該電源部が高温となり、従って、該電源部が長時間高温下に置かれることにより、該電源部を構成する部品の温度特性にばらつきが生じたり、部品が損傷したりして、該電源部の故障を惹起するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、上記電源部から発生する熱を、効率よく放熱可能とした照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、照明用の光源を有する光源部に、該光源を点灯するための電源回路等よりなる電源部を内装してなる照明装置において、上記電源部から発生する熱を、上記光源部を介して放熱させる放熱部を備えてなることを特徴とする。
【0008】
上記発明によれば、上記電源部からの熱を、放熱部である光源部を介して放熱を行う構成であるため、光源部内に熱が滞留することなく効率よく放熱を行うことが可能であり、電源部を構成する部品の温度特性にばらつきが生じたり、部品が損傷したりして、電源部の故障の発生を確実に防止することができ、長寿命な照明装置を提供することができる。
【0009】
そして、上記放熱部は、上記光源から照射された光を入射する光学部材であり、該光学部材は、光源からの光を導光する導光部材又は上記光源からの光を反射する反射部材であることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、上記電源部から発生する熱は、光学部材、例えば導光部材又は反射部材などを介して外部へ放熱されるため、電源部からの熱を積極的に行う放熱手段を別途備えることなく、より簡単な構成で、放熱を行うことができる照明装置を得ることができる。
【0011】
また、上記電源部から発生する熱を、熱伝導部材を介して上記光源部に伝導させ、上記放熱部より放熱してなることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、電源回路などから発生する局所的な熱を、熱伝熱部材を介して拡散させた上で光源部へ伝導させるため、光源部の内周面全面にわたって熱を伝導することができる。よって、光源部に内装した電源部からの熱は、光源部の外周面全面にわたって略均一に放熱することができるため、放熱効率を向上させた照明装置を提供することができる。
【0013】
そしてまた、上記光源部を介して放熱させる上記放熱部を第1の放熱部とし、上記光源から発生する熱を、上記第1の放熱部とは異なる第2の放熱部から放熱してなることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、上記電源部から発生した熱は上記光源部を介して放熱すると共に、光源部とは異なる第2の放熱部を介しても放熱を行うことができる。そのため、電源部の発熱量の大きさに応じて、複数の放熱部を介して放熱を行うことができるため、照明装置全体として放熱効率を向上させた照明装置を提供できる。
【0015】
なお上記光源から発生する熱を、上記第1の放熱部より放熱してなることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、上記光源部を介して第1の放熱部及び第2の放熱部より放熱されるため、積極的に放熱を行う放熱手段を別途備えることなく、効果的な放熱を行うことができる。従って、本来の機能の他に、放熱部としての機能を兼ね備えた照明装置を得ることができるため、より簡単な構成で効率よく放熱を行うことができる。
【0017】
さらに、上記電源部から発生する熱を、上記第2の放熱部からも放熱してなることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、本発明によれば、上記電源部から発生する熱は、上記光源部を介して放熱すると共に、光源から発生する熱は、光源部とは異なる第2の放熱部を介して個別に放熱を行うことができる。そのため、電源部より発熱量の大きな光源からの熱は、光源部とは異なる放熱部を介して効果的に放熱を行うことができるため、熱による電極部分の金属劣化や、断線を防止し、長寿命な光源を得ることができる。
【0019】
そして、上記光源は、発光ダイオードであることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、指向性を有する上記発光ダイオードからの光を上記導光部材に照射するため、導光部材の光入射面より遠い側へも光を導光させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のような構成であるため、電源部から発生した熱を、光源部を介して効率よく放熱することが出来、温度による部品特性にばらつきのない、故障原因の発生を抑制した長寿命な照明装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係わる照明装置の構成を示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係わる照明装置の放熱部材に関する斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係わる照明装置の導光部材に関する斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係わる照明装置の導光部材に関する斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に係わる照明装置の構成を示す要部断面図である。
【図6】本発明の実施例3に係わる照明装置の全体斜視図である。
【図7】本発明の実施例3に係わる照明装置の構成を示す要部断面図である。
【図8】本発明の放熱部材に関する他の実施例を示す要部拡大図である。
【図9】従来の照明装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0023】
以下、本発明の照明装置の実施例1について図1から図4に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の照明装置の実施例1に係わる照明装置の要部断面図である。図2は、本発明の照明装置の実施例1に係わる照明装置の放熱部材に関する要部拡大図であり、図3及び図4は、導光部材に関する要部拡大図である。
【0025】
本実施例1における照明装置1は、照明用のLEDからなる光源2と、該光源2からの光を導光する導光部材3Aなどからなる光学部材と、該電源2を点灯する電源回路等を備えた電源部4と、該光源2及び光学部材から構成され、該電源部4を内装する光源部3と、該光源部3に連結され、該光源2から発生する熱を放熱する放熱部材7と、所定の寸法の口金8とで構成している。
【0026】
上記光源2は、照明用のLEDを用いており、LEDは、1又は複数のLEDチップを、蛍光体を含む樹脂材により封止した疑似白色のLEDである。LEDは、LEDチップから出射される青色の光に、黄色の蛍光体を用いて光を発するので、LEDから出射される光は、LEDチップからの青色の光と蛍光体からの黄色の光とにより白色に視認される。
【0027】
特に図2に示すように、上記LEDは、後述する放熱部材7の傾斜面7Cに略等間隔に6個配置しており、LEDから出射された光は、導光部材3Aの光入射面3dから内部へ照射される。
【0028】
上記光学部材である導光部材3Aは、屈折率が空気よりも十分に高く、略透明な(透光性に優れた)材料、例えば、合成樹脂(例えばアクリルやポリカーボネートなど)やガラス等の材料を用いて、図3に示すように、滑らかな外周面3bと内周面3aを有する略球状に形成されており、上記光源2からの光を入射(導入)するための開口部3cを設けている。
【0029】
上記開口部3cは、上記光源2からの光を入射するための光入射面3dを有し、光入射面3dは、開口部3cに対して略45°に傾斜した傾斜面である。従って、光入射面3dから導光部材3A内部へ照射された光は、導光部材3A内において全反射を繰り返し、光出射面である外周面3b側から出射される。そのため、光源2から照射された光は、導光部材3Aの外周面3b全面にわたって出射されるため、略全方向に光を発することができ、広指向性を有する照明装置1が得られる。
【0030】
上記導光部材3Aの光入射面3dは、図1に示すように、後述する放熱部材7の傾斜面7Cと接合している。傾斜面7Cには、上記光源2が実装されているため、傾斜面7Cと接合する光入射面3dには、光源2を嵌入するための凹部が形成されている。そのため、導光部材3Aと放熱部材7との接合面から光源2から出射された光が漏れることなく、導光部材3Aに照射されるため、光の利用効率が向上する。
【0031】
そして、上記導光部材3Aと上記傾斜面7Cとの接合面は、外部からの埃や水などの混入を防ぐために、光透過性の粘着剤を用いて粘着している。そのため、導光部材3A内に内装した電源部4などの部品が損傷することを防止し、安全かつ長寿命な照明装置1を得ることができる。
【0032】
上記導光部材3Aは、図3に示すように、後述する電源部4を内装する内装空間が設けられており、内装した電源部4から発生する熱を効果的に外部へ放熱するために、赤外線透過の良好な材料を用いて形成していることが望ましい。また、合成樹脂は、ガラスに比べると熱の伝わりやすさが1/5程度であるため熱伝導性の良い材料ではないが、ガラスのように割れて飛散する虞がないため、導光部材3Aを薄く形成することが可能である。そのため、本実施例では、合成樹脂を用いて導光部材3Aを形成している。
【0033】
なお、上記導光部材3Aに内装した電源部4から発生する熱を、効率よく上記光源部3へ伝導するために、内周面3aに金属膜からなる反射膜を設けてもよい。反射膜は、その表面に酸化皮膜を形成するため、内周面3aの内周面積(伝熱面積)を増大することができ、より多くの熱を光源部3へ伝熱することができる。従って、放熱効率の向上した照明装置1を提供することができる。
【0034】
なお、上記導光部材3Aを介して効果的な放熱を行うために、上記内周面3aに塗料を塗装してもよい。よって、上記電源部4から発生する熱を、効率よく外部に放熱することが可能となる。
【0035】
なお、内装する電源部4からの熱を効率的に放熱するために、上記導光部材3Aの内周面3aに微細な凸凹形状や溝形状などを設け、内周面積(伝熱面積)を増大させてもよい。
【0036】
また、上記内周面3aに凸凹形状や溝形状などを設けた場合は、上記電源部4からの熱をより効果的に上記光源部3へ伝熱させる他に、導光部材3Aから効率よく照明光を取り出すことができる。そのため、照明光を効率よく取り出すために、内周面3aの他に外周面3bに凸凹形状や溝形状などを設けてもよい。すなわち、導光部材3Aに入射した光は、導光部材3Aの内周面3a及び外周面3bに設けられた凸凹形状や溝形状によって拡散し、拡散された光は、内周面3a側に設けられた反射部材3Bにより外周面3b側に反射され、外周面3bより出射される。よって、外周面3b全面にわたって略均一に光を出射させることができる照明装置1を得ることができる。
【0037】
しかしながら、照明装置1の破損や清掃を勘案すると、上記微細な凹凸形状や溝形状は、上記導光部材3Aの内周面3aに設けるのが好ましい。
【0038】
そして、上記凸凹形状や溝形状は、サイズ、深さ、形状など、上記導光部材3Aの形状に応じて適宜変更して設けることで、導光部材3Aの形状に係わらず、上記外周面3b全面にわたって光を出射することができると共に、外周面3bから出射する光の量を制御することができる。例えば、光源2からの光の導光量が減少する光入射面3dから遠ざかる領域ほど、より多くの凸凹形状や溝形状を設けることで、光出射面3b(外周面)のうち光入射面3dに近い側と遠い側とにおける光の出射量の差をできるだけ小さくし、光の出射量が外周面3b全面にわたって略均一な照明装置1を提供することができる。
【0039】
上述のように、上記導光部材3Aは、上記光源2からの光を導光させる機能の他に、放熱部としての機能を兼ね備えている。
【0040】
上記光学部材である反射部材3Bは、上記導光部材3Aの内周面3a側に設けられたアルミニウムや銀などの金属を蒸着した鏡面である。上記光入射面3dから導光部材3A内部へ照射された光は、導光部材3A内において全反射を繰り返し、内周面3a側に設けられた反射部材3Bにより光出射面である外周面3b側に反射され、外周面3bより出射される。
【0041】
上記反射部材3Bは、上記導光部材3Bの内周面3a全面にわたって設けられているため、内周面3aから内装空間内へ光源2からの光が照射されることはなく、上記光入射面3dから入射された光の全てを外周面3bより外部へ出射することができる。従って、光源2から出射される光の利用効率の向上した照明装置1を得ることができる。
【0042】
また、上記光源2からの光の利用効率を向上させるために、上記反射部材3Bは、単位面積当たりの金属の蒸着量を可変させて蒸着することにより、外周面3aから出射する光の量(以下、出射量と記す)を制御することができる。例えば、上記導光部材3Aの形状や特に光を出射させたい箇所などに、蒸着量を増加させるなど濃淡のグラデーションを考慮して蒸着させてもよい。
【0043】
そして、上記導光部材3Aの内周面に直接蒸着させてもよい。直接内周面3aに蒸着させた場合には、反射部材3Bをより薄く形成することができるため、反射部材3Bの内周面と外周面において熱の移動が起こりやすく、導光部材3Aに内装した電源部4から発生する熱を、効率よく導光部材3Aで伝熱することができる。従って、効果的な放熱を行うことができる照明装置1を提供することができる。
【0044】
なお、上記反射部材3Bへの伝熱効率を向上させるために、熱伝導率の良好な材料にて形成したり、反射シートを用いたりしてもよい。
【0045】
なお、上記導光部材3Aの内周面に微細な凹凸形状や溝形状を設けた場合は、上記反射部材3Bに関しても、同様の形状を備えていることが望ましい。反射部材3Bの内周面においても、上記微細な凹凸形状や溝形状を備えた場合には、内周面積(伝熱面積)が増大するため、電源部4から発生する熱を効果的に導光部材3Aへ伝導させることができ、放熱効率の向上した照明装置1を得ることができる。
【0046】
なお、上記反射部材3Bは、光源2からの光の利用効率を向上させるために内周面3aに設けているが、上記導光部材3Aの形状によっては、反射部材3Bを用いることなく、略均一な光を外周面3bより出射できる場合がある。その場合は、反射部材3Bを用いることなく光源部3を構成することも可能で、部品の削減につながり、コストの低減した照明装置1を得ることができる。
【0047】
しかし、上記反射部材3Bを設けることで、上記光源部3の内部が透けて見えることがないため、透過性のある導光部材3Aに内装された電源部4を視認することはできず、外観上、デザイン的にも優れた照明装置1を提供することができる。
【0048】
上述の通り、上記光源部3を形成する光学部材である上記導光部材3A又は反射部材3Bは、上記光源2からの光を導光させ、外周面3b側に反射させる機能の他に、上記光源部3に内装される電源部4からの熱を放熱する放熱部としての機能を兼ね備えている。
【0049】
上述の通り、光源部3は、上記照明用のLEDからなる光源2と、光源2から照射される光を光入射面3dより入射し、導光させる略球状の導光部材3Aと、導光部材3Aの内部を導光する光のうち、内周面3a側の光を外周面3b側に反射させる反射部材3Bとにより構成される。
【0050】
上記光源部3は、上記光源2からの光を導光部材3Aの外周面3b全面にわたって照射させる光学部材としての機能と、内装した電源部4から発生する熱を放熱するための放熱部としての機能を兼ね備えている。そのため、電源部4からの熱を効果的に放熱するための放熱部を別途備える必要のない照明装置1を提供することができる。
【0051】
続いて、上記電源部4を構成する電源基板4Aと、電源回路部品4B(電源回路)と、熱伝導シート4Dと、電源支持板4Cについて順次説明する。電源基板4Aは、アルミや銅を含む高熱伝導性の材料にて円板状に形成され、電源基板4A上に上記光源2を点灯するために交流電流を直流電流に変換する複数の電源回路部品4Bを実装している。電源基板4Aの一方の面4aに実装した電源回路部品4Bを、他方の面4b(はんだ面)からはんだ付けを行い、電源回路部品4Bを保持する構成である。
【0052】
上記他方の面4bのはんだ部分は、周囲からの熱の影響により溶解しやすく、熱疲労によりクラックを生じて導通不良を起こしたりすることがあるため、はんだ部分は、耐熱性のある材料を用いたり、熱源である上記光源2から発生する熱の影響を受けない構成であることが望ましい。
【0053】
そこで、本実施例においては、上記はんだ部分の温度が80℃を越えないような放熱構造とすることを設計の目安とし、図1に示すように、上記電源基板4Aのはんだ面4b側が、熱源である光源2から遠ざかるように配置した。すなわち、上記導光部材3Aの開口部3cから見て、電源回路部品4Bを実装した一方の面4aが視認できる状態で内装することにより、はんだ面4bは、光源2からの熱の影響を直接受けない構成となる。よって、はんだ部分は、光源2からの熱の影響により溶解したり、熱疲労によりクラックが発生したりすることを防止し、電源部4の故障を抑制した安全な照明装置1を提供することができる。また、商用電源を直接印加することができるため、従来の白熱電球と互換性のある照明装置1を提供することができる。
【0054】
上記電源基板4A及び電源回路部品4Bは、図1に示すように、上記導光部材3Aに内装して保持される。従って、電源基板4Aは、導光部材3Aの開口部3cから装入することが可能な大きさであることが望ましい。また、電源基板4Aの大きさが、開口部3cの大きさよりも大きく、開口部3cから装入することができない場合は、図4に示すように、導光部材3Aを半球状に割ることで問題を解決することができる。すなわち、電源部4を組立てた上で、半球状に割られた導光部材3Aを光透過性のある接着剤で貼り合わせることで、電源部4を導光部材3Aに内装することができる。また、導光部材3Aを半球状に割る場合は、開口部3cに対して垂直方向に割ることで、光入射面3dから導入した光は、進行方向を妨げられることなく導光部材3A内を導光(伝播)することができる。
【0055】
そして上記電源基板4Aは、ハーネス9により、光源2と接続しており、ハーネス9の長さは、電源基板4Aと光源2との配置距離に応じて調節可能とすることで、最適な長さを確保することができ、上記内装空間を有効活用することができる。
【0056】
さらに上記電源基板4Aは、その周囲の電源回路部品4Bが実装されていない箇所に貫通孔(図示せず)を形成しており、貫通孔を介して、後述する電源支柱6とスペーサ5とを同一のねじにより保持する構成を有している。
【0057】
上記電源支持板4Cは、アルミや銅などの金属により、円板状に形成しており、熱源である電源回路部品4B及び電源基板4Aから発生する局所的な熱を、上記導光部材3Aを用いて拡散させる機能を有している。そのため、電源基板4A及び電源回路部品4Bから発生した熱は、後述する熱伝導シート4D(熱伝導部材)を介して導光部材3Aの内装空間に拡散されると共に、電源支持板4Cに伝導(伝熱)され、さらに電源支持板4Cを介して内装空間内に拡散される。すなわち、電源支持板4Cは、電源基板4A又は電源回路部品4Bから発生した熱を、上記光源部3(導光部材3A及び反射部材3B)へ伝導させる熱伝導部材である。従って、電源回路部品4Bから発生した熱は、限られた内装空間内において拡散するため、導光部材3A及び反射部材3Bの内周面3aへ効率よく熱を伝熱することができる。従って、導光部材3Aの内装空間に熱が滞留することなく、光源部3(導光部材3A及び反射部材3B)を介して外部へ放熱を行うことができる。
【0058】
また、電源支持板4Cは、後述する電源支柱6と接合するための貫通孔(図示せず)が形成されており、貫通孔を介して同一のねじにより、電源基板4A、後述するスペーサ5及び電源支柱6と接合する構成である。
【0059】
上記熱伝導シート4Dは、高い熱伝導性と難燃性と自己粘着性とを併せ持ち、上記電源基板4Aと電源支持板4Cとの間に介在させて設けている。熱伝導シート4Dは、電源基板4A及び電源回路部品4Bから発生した局所的な熱を、電源支持板4Cへ伝導するための熱伝導部材であり、導光部材3Aの内装空間という限られた空間において拡散するため、導光部材3A及び反射部材3Bの内周面3aへ効率よく熱を伝熱することができる。従って、電源基板4Aのはんだ部分を熱溶解させることなく、光源部3(導光部材3A及び反射部材3B)を介して効果的な放熱を行うことができる。
【0060】
また、熱伝導シート4Dの他に、伝熱させるための樹脂を充填したり、何も介在させず空気により伝熱させたりすることも考えられるが、何も介在させない場合は、熱伝導シート4Dほどの伝熱効果は期待できないと考えられる。
【0061】
また、上記電源支持板4Cと電源基板4Aとの間には、距離を一定に保つためにスペーサ5を介している。スペーサ5は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の難燃性プラスチックや磁器等の絶縁性の材料により形成された中空状の棒状の部材であり、電源支持板4Cと電源基板4Aとを電気的に絶縁させると共に、電源基板4Aを固定する際に、はんだ面4bに応力がかからないようにするためのものである。
【0062】
続いて、上記電源部4を上記導光部材3Aに内装し、後述する放熱部材7に支持する電源支柱6について説明する。電源支柱6は、上記電源支持板4Cと放熱部材7の載置面7Bとの距離を一定に保つために用いており、難燃性プラスチックや磁器等の絶縁性の材料により形成された棒状の部材である。
【0063】
上記電源支柱6は、中空形状の棒状部材であり、電源支柱6の一端は、電源基板4Aに設けられた貫通孔(図示せず)と嵌合し、他方は、後述する放熱部材7に設けられた貫通孔7Dと嵌合する。
【0064】
上記電源支柱6の内周面は、螺旋構造を有しており、同一のねじにより電源支持板4Cと放熱部材7とを保持することができるため、部品数を減らすことができる。従って、コストを削減した照明装置1を提供することができる。
【0065】
続いて、上記放熱部材7について説明する。放熱部材7は、図2に示すように、熱伝導性に優れた合成樹脂材料または金属材料を用いてダイカスト形成しており、4枚の板状の放熱部材を螺旋状に変形させた螺旋状の放熱フィン7Aと、上記電源支柱6を載置する平滑な載置面7Bと、該載置面7Bの周辺部に形成された光源2を実装するための傾斜面7Cとにより構成される。
【0066】
上記放熱フィン7Aは、傾斜面7Cと接合してなる4枚の放熱フィン7Aからなり、傾斜面7Cに実装した光源2から発生する熱を外部へ放熱する機能を有している。放熱フィン7Aは、略90°ねじることで螺旋状に変形させているとともに、各フィン7aを適宜離間して配置している。よって、単に放熱部材の表面に多数の凸部又は凹部を設けるような構造に比べて、フィン7aの間に空気の流路を形成することができ、フィン7aの形状が螺旋状をなすことにより、照明装置1が取付けられた向きに係わらず、フィン7aの間を空気が流れ、放熱フィン7Aの放熱効果を向上させることができる。
【0067】
また、螺旋状に放熱フィン7Aを変形する際に、各フィン7aを略180°にねじる他に、90°ねじり、変形させ、各フィン7aを適長離隔して配置してもよい。なお、放熱フィン7Aの形状は、上述の例に限定されるものではなく、2〜3枚のフィン、あるいは5〜6枚程度のフィンを90°〜180°程度螺旋状にねじったものでもよい。
【0068】
上記放熱フィン7Aを螺旋形状に形成したことで、外観的に、略球状の導光部材3Aの部分が蕾を表し、放熱フィン7Aの部分が茎や葉を表しているように見ることができ、デザイン的にも優れた照明装置1を得ることができる。
【0069】
そして、上記放熱フィン7Aの表面に凹凸を設け、外気と接する放熱面積を増大することにより、放熱を促進することができ、より放熱効果の良好な照明装置1を提供することができる。
【0070】
また、上記載置面7Bは、上記電源支柱6を固定するための貫通孔7Dが設けられており、電源支柱6は、貫通孔7Dを介してねじにより載置面7B上に固定することができる。
【0071】
なお、上記傾斜面7Bには、光源2が実装されており、光源2からの光を効率よく上記導光部材3Aに導入するためにも、傾斜面7Bは白色であることが好ましい。
【0072】
続いて、上記口金8について説明する。口金8は、内側には空洞を有し、一方は開口し他方は底を有した形状を有している。開口は、絶縁部材を介して上記放熱フィン7Aの端部と接合しており、他方の外周面には、電球ソケットと螺合するための螺合形状を有している。
【0073】
口金8の他方は、一極端子の役割をなしており、底面には一極端子と絶縁して他極端子が突設されている。一極端子及び他極端子は、電源線10を介して電源基板4Aと電気的に接続している。
【0074】
次に、本実施例における電源部4から発生する熱の放熱方法について説明する。
【0075】
上記電源部4は、上記光源部3(導光部材3A及び反射部材3B)に内装して保持されているため、電源部4(特に、電源基板4A及び電源回路部品4B)から発生した熱は、熱伝導部材である上記熱伝導シート4Dを介して上記導光部材3Aの内装空間に拡散される。そして、熱伝導部材である上記電源支持板4Cに伝導(伝熱)され、電源支持板4Cを介して内装空間内に拡散される。
【0076】
上記内装空間には、電源部4から発生した熱を光源部3へと伝熱させるためのフィラー(電気絶縁性の金属酸化物粉末など)を練り込んだ電気絶縁性樹脂が充填されており、電源部4から発生した熱は、熱伝導部材である電気絶縁性樹脂を介して光源部3の内周面3a側に伝熱される。
【0077】
熱は、高温領域から低温領域へと移動するため、上記光源部3(特に導光部材3Aの内周面3a又は反射部材3B)に伝熱された電源部4からの熱は、外気と接する低温領域である外周面3b側へ伝導され、外周面3b全面から外部へ放熱される。よって、上記導光部材3Aは、光源2からの光を導光する機能の他に、赤外線透過の良好な材料によって形成されているため、内周面3aに伝導された熱を外周面3bから放熱する放熱部としての機能を兼ね備えている。そして、反射部材3Bにおいても、導光部材3A内を伝播する光を外周面3b側から出射させる機能の他に、熱伝導率の良好な材料にて形成されているため、放熱部としての機能を兼ね備えている。
【0078】
従って、上記電源部4から発生した熱は、上記光源部3を介して放熱させる放熱部より外部へと放熱される。よって、電源部4から発生した熱は、内装空間に滞留することなく放熱を行うことが可能であり、電源部4を構成する部品の温度特性にばらつきが生じたり、部品が損傷したりして、電源部4が故障することを防止し、長寿命な照明装置1を提供することができる。
【0079】
なお、内装空間には、電気絶縁性樹脂を充填しているため、電球の交換時に、人が上記光源部3に触れた場合であっても、電気的に絶縁されているため、感電することなく安全に交換することができる。
【0080】
また、上記光源2である照明用のLEDは、上記電源部4よりも発熱量が大きく、効果的な放熱を行うことが望ましい。そのため、光源2は、熱伝導性に優れた上記放熱部材7の傾斜面7Cに実装することで、光源2から発生する熱を、直接放熱部材7を介して外部へ放熱することができるようにした。従って、光源2から発生する熱は、効果的に放熱される照明装置1を提供することができる。
【0081】
上述の通り、熱源である電源部4から発生した熱は、上記光源部3を介して放熱させる第1の放熱部より外部へ放熱され、熱源である光源2から発生した熱は、上記第1の放熱部とは異なる第2の放熱部である上記放熱部材7を介して外部へ放熱される。従って、上記2つの熱源から発生する熱は、それぞれ異なる放熱部を介して外部へ放熱することができ、照明装置全体として放熱効率の向上した照明装置1を提供することができる。すなわち、熱源である電源部4及び光源2は、それぞれ異なる放熱経路を持ち、効果的に外部へ放熱を行う構造を備えており、熱源から発生する熱を照明装置1内に滞留させることなく、放熱効率の向上した照明装置1を得ることができる。そして、熱劣化による部品の損傷を引き起こすことがないため、長寿命な照明装置1を提供することができる。
【0082】
なお、照明装置1としては、上記光源2からの発熱量が大きいため、より放熱効率を向上させるために、上記光源部3を介して放熱させてもよい。すなわち、光源2は、上記導光部材3Aの光入射面3dに形成された凹部に嵌入した構成であるため、光源2から発生する熱は、凹部を介して光入射面3dに伝導され、外周面3b側から外部へ放熱することができる。
【0083】
従って、上記光源2から発生する熱は、上記光源部3(特に導光部材3A)を介して外部へ放熱することができるため、発熱量の大きい光源2からの熱は、上記放熱部材7を介して放熱されると同時に、光源部3からも外部へ放熱することができる。よって、光源2から発生する熱の放熱効率の向上した照明装置1を提供することができる。そのため、発熱量の大きい光源2から発生する熱の放熱を効果的に行うことができ、熱劣化による故障の発生を抑制した光源2を備えた照明装置1を得ることができる。
【0084】
さらに、放熱効率が良好な上記放熱部材7を用いた場合には、電源部4から発生する熱を、内装空間に充填した電気絶縁性樹脂を介して放熱部材7へ伝導させることができる。そのため、電源部4の発熱量に応じて、光源部3(第1の放熱部)のを介して放熱させる他に、放熱部材7(第2の放熱部)を介しても放熱を行うことができる。従って、放熱効率のよい第1の放熱部又は第2の放熱部を選択することができるため、照明装置全体として放熱効率のよい照明装置1を提供することができる。
【実施例2】
【0085】
以下、本発明の照明装置21の実施例2について図5に基づいて説明する。
【0086】
図5は、本発明の実施例2に係わる照明装置の要部断面図である。
【0087】
実施例2の照明装置21は、実施例1の照明装置1と異なり、上記導光部材3Aの内装空間に内装した電源部4の向きが異なる構成であり、その他の構成については実施例1と同一であるので、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0088】
実施例1の照明装置1では、上記電源基板4Aは、上記導光部材3Aの開口部3cから見て電源基板4Aのはんだ面4bが見えないように内装したが、実施例2における照明装置21では、図4に示すように、開口部3cからはんだ面4bが見える形で内装している。すなわち、はんだ面4bが、熱源である光源2と近接する配置であるため、はんだ面4bと放熱部材7の載置面7Bとの間に一定の距離を置き、空気層を介在させることで、光源2からの熱的影響を極力抑えた照明装置21となる。
【0089】
そして、上記ように内装することで、電源支柱26の長さを短くすることができ、部品のコストを抑えると共に、電源部4をより安定して載置面7B上に保持することができる。
【0090】
また、上記放熱部材7の載置面7Bに設けた貫通孔7D側からねじを挿入し、電源支柱26、電源支持板4C、スペーサ5及び電源基板4Aを併せて同一のねじによってねじ止めすることが可能となり、電源部4の組立効率が向上する。
【0091】
なお、ねじ止めの他に、電源支柱26を貫通孔7Dに嵌入させたり、粘着剤などを用いて固定するなどしてもよい。
【実施例3】
【0092】
以下、本発明の照明装置31の実施例3について図6及び図7に基づいて説明する。
【0093】
図6は、本発明の実施例3に係わる照明装置の全体斜視図である。図7は、本発明の実施例3に係わる照明装置の構成を示す要部断面図である。
【0094】
実施例3の照明装置31は、実施例1の照明装置1と異なり3枚の導光部材23Aを用いて光源2からの光を導光させる構成であり、その他の構成については実施例1と同一であるので、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0095】
実施例3の照明装置31は、実施例1の照明装置1と異なり、3枚の導光部材23Aを用いて光源2からの光を導光させる構成である(図6参照)。本実施例における各導光部材23Aは、花びら形状を有しており、図7に示すように、断面形状が略S字カーブを描くように形成しているため、開花している蕾(花びら)を思わせるような外形を有し、デザイン的にも優れた照明装置31を提供することができる。
【0096】
導光部材23Aは、その先端部(光源2からの光を導入する光入射面23dと異なる側)が開裂した形状を有しているため、反射部材3Bを直接視認できる構造である。そのため、破損を防止するために、反射部材3Bは、照明装置31を落としても割れない耐強性及び電源部4からの熱の影響を受けにくい耐熱性を有する材料、例えば、合成樹脂(例えばポリカーボネートなど)により形成されていることが望ましい。
【0097】
また、上記導光部材23Aの先端部へ上記光源2からの光を導光させるため、先端部周辺の反射部材3Bの他に、光散乱構造を設けてもよい。従って、光源2からの光の導光量が減少する光入射面23dから遠ざかる領域に導光された光は、散乱され、反射部材3Bを介して外周面23b側から出射されるため、外周面23bのうち光入射面23dに近い側と遠い側とにおける光の出射量の差をできるだけ小さくし、光の出射量が外周面3b全面にわたって略均一な照明装置1を提供することができる。
【0098】
上述の通り、本実施例について説明したが、3枚の上記導光部材23Aを用いて光源部23を形成する他に、照明装置31の大きさに応じて適宜導光部材23Aの数を変更することで、より蕾のように視認可能な照明装置31となり、デザイン的にも優れたものとなる。また、上記導光部材23Aは外気と接しているため、接する面積が大きいほど放熱効率の向上した照明装置31となる。
【0099】
そして、外部から反射部材3Bを視認できる箇所には、蕾を思わせるように彩色を施しても構わず、彩色により光源2からの光の色を可変させないため、目に優しくかつデザイン的にも優れた照明装置31を提供することができる。さらに、光源部23の内部が透けて見えないため、透過性のある導光部材23Aに内装された電源部4を視認できないため、外観上、デザイン的にも優れた照明装置1を提供することができる。
【0100】
そしてまた、本実施例においては、3枚の導光部材23Aを用いた照明装置31であるが、導光部材23Aに相当する部分を、LEDをモールドする樹脂により形成してもよい。このように形成することで、光源2からの光漏れを防止し、反射部材3Bと導光部材23Aとの間から照明装置31内部に侵入する埃などの混入物を除去することができる。また、粘着剤などを用いて粘着する必要がないため、生産工程を少なくすることができる。従って、より安全で簡単な構成を有する照明装置31を提供することができる。
【0101】
上記電源部4(電源基板4A及び電源回路部品4B)から発生した熱は、熱伝導部材(熱伝導シート4D、電源支持板4C、電気絶縁性樹脂)を介して拡散され、上記光源部23へ伝熱される。本実施例においては、光源部23に伝導された熱の一部は、反射部材3Bを介して導光部材23Aから外部へ放熱されるが、導光部材23Aの先端部が開裂している領域では、導光部材23Aを備えていないため、開裂した部分の内周面23aに伝導された熱は、直接外部へ放熱される。従って、開裂部分においては、内装空間と外気との間に反射部材3Bを介在させているのみであり、導光部材23Aを介することなく外部へと熱の移動がなされるため、放熱効率の向上した照明装置31となる。
【0102】
また上記反射部材3Bは、その数や大きさ、配置方法(例えば、重畳させて配置するなど)によって、外気と接する面積を増大させることができ、外周面積が大きくなるほど効果的に放熱を行うことができる。よって、放熱効率の向上した照明装置31となる。
【0103】
以上の通り、上記実施例では4枚の板状の放熱部材を螺旋状に変形させた螺旋状の放熱フィン7Aによって光源2からの熱を放熱する構成を説明してきたが、放熱フィン7Aは、図8に示すような放熱フィン27Aを用いてもよい。
【0104】
図8に示す放熱フィン27Aは、アルミや銅のような金属材料にて中心部に貫通孔27bを有するドーナツ型に裁断し、その外周部分に複数の切り込みを入れ、この切り込みを入れた外周部分の各フィン27aをプレスによって略45°にねじることにより形成したものである。
【0105】
放熱部材7は、図1に示すように、電源基板4Aと口金8とを電気的に接続している電源線10が、放熱部材7の載置面7Bから端面にかけて放熱部材7の中心部を貫通しており、この貫通孔27bの周辺部に螺旋状に変形した放熱フィン7Aが形成されている。しかし、放熱フィン27aは、螺旋状の放熱フィン7Aに置き換わり、貫通孔27bの周辺部に形成してもよい。放熱フィン27Aは、プレスで切りながら各フィン27aをねじるため、上記実施例において説明してきた螺旋状の放熱フィン7Aよりも、加工工程を少なくすることができると共に、より簡便に形成することができる。そのため、放熱効率を悪くすることなく、よりコストをおさえた安価な放熱フィン27Aを形成することができる。
【0106】
また、各フィン27aは、略45°にねじって形成したものであることを説明してきたが、略90°にねじってもよく、切り込みの大きさ、数などに応じてねじり範囲を可変することができる。従って、様々な形状の放熱フィン27Aを形成することができ、切り込みの数を多くした場合は、放熱面積が多くなるため、より放熱効率が向上する。
【0107】
そして、螺旋状の放熱部材7は、ダイキャスト形成にて形成したが、材料の流れやすさや抜き勾配を考慮する必要があり、プレス加工よりも肉厚になるといった無駄が発生していた。しかし、上記のようにプレスで切りながらねじるように形成することで、生産上の無駄を排除することができるとともに、効率よく大量生産することができる。
【0108】
さらに、ドーナツ型に裁断すると、ねじりを加えた場合に各フィン27aの先端部分に角部が形成され、電球を交換する際に手を傷つける場合がある。そのため、裁断時に、各フィン27aの先端部分の角部を丸く裁断してもよい。すなわち、各フィン27aの外周部分を複数の弧を含む形状(花びら形状)にて裁断することにより、そのような問題を解消することができる。
【0109】
なお、上記放熱フィン27Aを形成する際に、金属部材を円形に裁断し、放熱フィン27の中央に上記光源2を直接配置した照明装置としても構わない。この場合、上記放熱部材7の傾斜面7Cや載置面7Bを形成する必要がないため、より簡単な構成で、放熱効率を低下させることのない照明装置を提供することができる。
【0110】
なお、各フィン27aを花びら形状に形成すると、垂直方向に略45°曲げることで、上記光源部3にて表現している蕾を支えるガクや葉を表現した放熱フィンを形成することが可能であり、デザイン性にも優れた照明装置となる。
【0111】
以上の実施の形態において、上記光源2は、白色LEDを単色で用いたり、主発光波長の異なる3種類(R(赤色)、G(緑色)、B(青色))のLEDチップを単色発光したり、組み合わせたりして所望の光色を発するLEDを用いてもよい。そして、これらの他にも有機ELや小型電球(豆電球、ビリケン球等)などを用いても良く、組み合わせて使用してもよい。
【0112】
さらに、上記開口部3cに対する上記光入射面3d・23dの傾斜角は、上記光源2からの光を上記導光部材3A・23Aに入射する入射角であるため、導光部材3A・23Aの形状に応じて適宜変更することが望ましい。従って、傾斜範囲は、略45°に限られず、導光部材3A・23Aの形状に応じて、光入射面3d・23dからより遠い領域まで伝播することが可能な傾斜角度(光入射角度)により導光部材3A・23Aを形成する。
【0113】
なお、上記導光部材3A・23Aの光入射面3d・23dと放熱部材7の傾斜面7Cとは、粘着して固定する構成であるが、放熱部材7の傾斜面7C上に導光部材3A・23Aが保持される状態であればよく、例えば、導光部材3A・23Aの開口部3cに凸部を設け、傾斜面7Cに凹部を設けて冠着させたり、両部材をねじなどを用いて固定したりしてもよい。
【0114】
さらに、上記導光部材3A・23Aの外形形状は球形に限らず、全方向へ光を出射させる形状を備えていればよく、例えば、錐体形状、楕円形状、柱状などの形状を成していても良い。そして、複数の導光部材を用いて形成してもよい。例えば、楕円形、三角形、四角形等の多角形などの形状を有する導光部材を複数組み合わせて形成してもよい。
【0115】
なお、上記反射部材3Bは、グラデーションを備えた鏡面であるが、蒸着パターンは、例えばドットパターンや直線パターン等、どのようなパターンとしてもよい。また、各ドットの形状はどのような形状であってもよく、丸型、四角型、多角形型等、任意の形状を選択することができる。
【0116】
なお、上記反射部材3Bは、熱伝導性の高い樹脂により形成したり、散乱シートや表面が光の反射性に優れた白色の反射シート等を用いたりして形成してもよい。また、これらを組み合わせて使用してもよい。例えば、散乱シートと反射シートとを組み合わせて使用すると、散乱シートにより散乱された光は、反射シートにより導光部材3A・23Aの内部へ漏れることなく、導光部材3A・23Aの外周面3b・23bから光を出射させることができる。そのため、光の利用効率のより向上した照明装置を提供することができる。
【0117】
なお、上記電源基板4Aの形状は、円板形状に限らず様々な形状が考えられる。上記電源部4を容易に組立でることができる開口部3cの形状、例えば三角形、四角形等の多角形状、楕円形状など、電源部4の形状に応じて最適な形状を選択することにより、生産性の向上した照明装置を得ることができる。また、照明装置を小型化したい場合には、両面基板とすることで、より小さな電源部4を形成することができ、開口部3cより内装しやすくなる。
【符号の説明】
【0118】
1、21、31 照明装置
2 光源
3、23 光源部
3A、23A 導光部材
3B 反射部材
4 電源部
4B 電源回路部品
4C 電源支持板
4D 熱伝導シート
7 放熱部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明用の光源を有する光源部に、該光源を点灯するための電源回路等よりなる電源部を内装してなる照明装置において、
上記電源部から発生する熱を、上記光源部を介して放熱させる放熱部を備えてなることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記放熱部は、上記光源から照射された光を入射する光学部材であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記光学部材は、上記光源からの光を導光する導光部材であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記光学部材は、上記光源からの光を反射する反射部材であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
上記電源部から発生する熱を、熱伝導部材を介して上記光源部に伝導させ、上記放熱部より放熱してなることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の照明装置。
【請求項6】
上記光源部を介して放熱させる上記放熱部を第1の放熱部とし、
上記光源から発生する熱を、上記第1の放熱部とは異なる第2の放熱部から放熱してなることを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の照明装置。
【請求項7】
上記光源から発生する熱を、上記第1の放熱部より放熱してなることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
上記電源部から発生する熱を、上記第2の放熱部からも放熱してなることを特徴とする請求項6又は7に記載の照明装置。
【請求項9】
上記光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1から8の何れか一つに記載の照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate