照明装置
【課題】本体枠の垂れ下がりを防止する。
【解決手段】照明装置1は、光源2と、天井10に固定される固定枠3と、裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13に覆われた本体枠11を備える照明カバー4と、第1の連結杆16と第2の連結杆17とにより固定枠3と本体枠11と連結するヒンジ5と、横枠部11c,11dの前枠部3a及び前枠部11a側に設けられたラッチ機構6と、横枠部11c,11dの後枠部3b及び後枠部11b側に設けられた保持部材7と、を有する。保持部材7は、横枠部11c,11dに固定された本体枠側接続部材15の立設部15cに片持ち支持されて、横枠部11c,11dの延在方向に延びる棒状部材20と、固定枠3の横枠部3c,3dに固定されて、横枠部3c,3dから垂下される一対のアーム部32により棒状部材20を下方から保持する捕捉部材30と、を備える。
【解決手段】照明装置1は、光源2と、天井10に固定される固定枠3と、裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13に覆われた本体枠11を備える照明カバー4と、第1の連結杆16と第2の連結杆17とにより固定枠3と本体枠11と連結するヒンジ5と、横枠部11c,11dの前枠部3a及び前枠部11a側に設けられたラッチ機構6と、横枠部11c,11dの後枠部3b及び後枠部11b側に設けられた保持部材7と、を有する。保持部材7は、横枠部11c,11dに固定された本体枠側接続部材15の立設部15cに片持ち支持されて、横枠部11c,11dの延在方向に延びる棒状部材20と、固定枠3の横枠部3c,3dに固定されて、横枠部3c,3dから垂下される一対のアーム部32により棒状部材20を下方から保持する捕捉部材30と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ギャラリーやエントランスなどに設置される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ギャラリーやエントランスなどに設置される照明装置として、多数の蛍光管と、天井に固定された固定枠(下地枠)と、固定枠の下方に重ねて設置されて透光材が覆われる本体枠とにより構成されたものが知られている。この照明装置は、蛍光管の交換などの保守点検のために、本体枠が固定枠に対して開閉可能に連結されている。
【0003】
特許文献1に記載された照明装置では、この保守点検時などにおいて本体枠の開閉を円滑にするために、下地枠と本体枠とを連結するヒンジ手段として、本体枠の一側辺を挟んで対向する両側辺と下地枠の両側辺とに、アーム連結手段を介して、それぞれ一対のアームにより構成されるヒンジを取り付け、本体枠の他側辺と下地枠の他側辺とをロック機構により固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3106948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の照明装置では、下地枠と本体枠とを連結するヒンジが、それぞれ回転可能な2本のアームにより構成されているため、本体枠の自重により下方向に開こうとする力が働き、本体枠が3〜5mm程度降下して垂れ下がるという問題があった。この場合、天井面を平滑にするために、種々の調整が必要であった。
【0006】
そこで、本発明は、本体枠の垂れ下がりを防止することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置は、光源と、光源の下方に設置される矩形の固定枠と、固定枠の下方に対向配置されて透光部材により覆われる矩形の本体枠と、固定枠及び本体枠の一方辺部側に配置されて、長さの異なる第1の連結杆及び第2の連結杆により、固定枠の一方辺部に接続される一対の対向する側辺部と本体枠の一方辺部に接続される一対の対向する側辺部とをそれぞれ連結するヒンジと、固定枠及び本体枠の他方辺部側に配置されて、固定枠に対して本体枠を脱着可能に係止する開閉係止留具と、一方辺部の近傍において、固定枠の各側辺部に対して本体枠の各側辺部を保持する保持部材と、を有し、保持部材は、固定枠及び本体枠の何れか一方の側辺部に設けられて、当該側辺部の延在方向に向けて延びる棒状部材と、固定枠及び本体枠の何れか他方の側辺部に設けられて、当該側辺部から固定枠及び本体枠の何れか一方側に向けて延びる一対のアーム部により、固定枠及び本体枠の何れか一方側から棒状部材を保持する捕捉部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る照明装置によれば、光源の下方に設置された固定枠の下方に、透光部材により覆われた本体枠が配置されているため、光源から照射された光は、透光部材を透過して下方に照射される。また、一方辺部側に配置された第1の連結杆及び第2の連結杆で構成されるヒンジにより固定枠と本体枠とが連結されているため、この連結部分を軸として本体枠を回動させることにより固定枠に対して本体枠を開閉することができ、光源の交換などの保守点検を容易に行うことができる。そして、固定枠に対して本体枠を閉じると、開閉係止留具により、本体枠の一方辺部が固定枠の一方辺部に係止されるとともに、保持部材により、本体枠の各側辺部が固定枠の各側辺部により保持され、しかも、保持部材は、一方辺部の近傍に配置されているため、本体枠が、開閉係止留具と保持部材とによりバランスよく保持される。これにより、第1の連結杆及び第2の連結杆により構成されるヒンジを用いることにより生じる本体枠の垂れ下がりを防止することができる。更に、固定枠に対して本体枠を閉じると、固定枠及び本体枠の何れか他方に設けられた捕捉部材により、固定枠及び本体枠の何れか一方に設けられた棒状部材が、固定枠及び本体枠の何れか一方側から保持されるため、本体枠の垂れ下がりを確実に防止することができる。
【0009】
この場合、上記棒状部材は、他方辺部側から片持ち支持されて一方辺部側に向けて延びることが好ましい。このように構成することで、棒状部材の一方辺部側は自由端となるため、固定枠に対して本体枠を回動させて開閉する際に、棒状部材を支持する部材に捕捉部材が衝突するのを防止することができる。これにより、本体枠を開閉する作業を円滑にすることができる。
【0010】
一方、上記一対のアーム部は、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて延び、棒状部材の直径と略同じ間隔、又は、棒状部材の直径よりも狭い間隔をあけて配置される一対の側壁部と、各側壁部の先端縁に形成されて、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が狭まる一対の保持部と、各保持部の先端縁に形成されて、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が広がる一対の受部と、を備えることが好ましい。
【0011】
このように、捕捉部材の一対のアーム部に、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が狭まる形状の一対の保持部を形成することで、棒状部材を固定枠及び本体枠の何れか一方側から確実に保持することができるとともに、固定枠に対して本体枠を回動させて開ける場合に、棒状部材により一対のアーム部を押し広げやすくすることができる。また、各保持部の先端縁に、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が広がる形状の一対の受部を形成することで、固定枠に対して本体枠を回動させて閉める場合に、棒状部材を一対の受部に第一次的に当接させることができるとともに、棒状部材により一対のアーム部を押し広げやすくすることができる。このように、棒状部材により一対のアーム部を円滑に押し広げることができるため、本体枠の開閉作業を円滑にすることができる。更に、一対の側壁部の間隔を棒状部材の直径と略同じとすることで、棒状部材が各側壁部に当接されるため、本体枠のガタツキを防止することができる。一方、一対の側壁部の間隔を棒状部材の直径よりも狭くすることで、棒状部材が各側壁部に挟み込まれるため、本体枠の垂れ下がり方向だけでなく、一対の側壁部による棒状部材の挟み込み方向や棒状部材の延在方向に対しても、本体枠のガタツキを防止することができる。
【0012】
そして、棒状部材は、固定枠及び本体枠の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、捕捉部材は、固定枠及び本体枠の何れか他方の幅内に収まる寸法であることが好ましい。このように、棒状部材及び捕捉部材を固定枠及び本体枠の幅内に収めることで、本体枠の下方から見上げた場合に、本体枠で棒状部材及び捕捉部材を隠すことができる。このため、光源から照射された光を、棒状部材及び捕捉部材により遮ることなく本体枠を覆う透光部材から照射させることができる。これにより、照明装置の意匠性を低下させることなく、本体枠の垂れ下がりを防止することができる。
【0013】
また、上記ヒンジは、第1の連結杆及び第2の連結杆が一体的に連結されて固定枠に固定される第1の接続部材と、第1の連結杆及び第2の連結杆が一体的に連結されて本体枠に固定される第2の接続部材と、を更に備え、棒状部材は、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか一方に取り付けられるとともに、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、捕捉部材は、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか他方に取り付けられるとともに、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか他方の幅内に収まる寸法であることが好ましい。
【0014】
このように構成することで、第1の連結杆及び第2の連結杆は、第1の接続部材及び第2の接続部材を介して固定枠及び本体枠に連結される。そして、第1の連結杆及び第2の連結杆が第1の接続部材及び第2の接続部材に一体的に連結されているため、固定枠に対する本体枠の連結作業を簡略化することができる。更に、棒状部材及び捕捉部材を第1の接続部材及び第2の接続部材の幅内に収めることで、本体枠の下方から見上げた場合に、第1の接続部材及び第2の接続部材で棒状部材及び捕捉部材を隠すことができる。このため、光源から照射された光を、棒状部材及び捕捉部材により遮ることなく本体枠を覆う透光部材から照射させることができる。なお、第1の接続部材及び第2の接続部材を本体枠の内側から隠すことで、光源から照射された光を、第1の接続部材及び第2の接続部材によっても遮ることなく本体枠を覆う透光部材から照射させることができる。これにより、照明装置の意匠性を低下させることなく、本体枠の垂れ下がりを防止することができる。
【0015】
そして、捕捉部材は、鋼製の板状部材を屈曲して形成したものであることが好ましい。このように構成することで、捕捉部材に適度なバネ性を持たせることができるため、捕捉部材による棒状部材の保持力を適切に保ちつつ、棒状部材と捕捉部材との脱着を適度な力で行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本体枠の垂れ下がりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る照明装置を天井に設けた状態の概略斜視図であり、(a)は、照明カバーが閉じられた状態を示しており、(b)は、照明カバーが空かれた状態を示している。
【図2】本実施形態に係る照明装置の概略下面図である。
【図3】図2に示したIII−III線断面図である。
【図4】図2に示したIV−IV線から見た照明装置の側面図である。
【図5】図2に示した矢印V方向から見た拡大図である。
【図6】図4に示す照明装置の一部拡大図である。
【図7】保持部材の斜視図である。
【図8】捕捉部材に棒状部材が保持された状態の保持部材を示す図であり、(a)は、保持部材の正面図、(b)は、保持部材の側面図である。
【図9】照明装置の照明カバーが閉められた状態を示した図である。
【図10】照明装置の照明カバーが少し開いた状態を示した図である。
【図11】照明装置の照明カバーが完全に開いた状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る照明装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る照明装置を天井に設けた状態の概略斜視図であり、図1(a)は、照明カバーが閉じられた状態を示しており、図1(b)は、照明カバーが空かれた状態を示している。図2は、本実施形態に係る照明装置の概略下面図である。図3は、図2に示したIII−III線断面図である。図4は、図2に示したIV−IV線から見た照明装置の側面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る照明装置1は、システム天井(グリッド天井)などの天井面に配置されるものである。そして、この照明装置1は、開閉可能になっており、照明装置1内に配置された光源の交換や、照明装置1のメンテナンスが容易に行えるようになっている。なお、この照明装置1が設けられる空間の面照明を実現するために、所定数の照明装置1が隣接して天井面に配置される。
【0021】
図2〜図4に示すように、照明装置1は、光源2と、固定枠3と、照明カバー4と、ヒンジ5と、ラッチ機構6と、棒状部材20及び捕捉部材30で構成される保持部材7と、を有する。
【0022】
光源2は、照明のための光を発するためのものであり、例えば蛍光管などにより構成される。この光源2は、天井10に多数配列されており、各照明装置1に、1又は複数個の光源2が対応付けられている。
【0023】
固定枠3は、天井10に固定されて、光源2が発する光を通すための開口を有する枠である。固定枠3は、矩形の枠体であり、前枠部3aと、この前枠部3aに対向する後枠部3bと、前枠部3aの端部と後枠部3bの端部とに接続される一対の横枠部3c及び横枠部3dとにより構成される。なお、前枠部3aは、固定枠3の一方辺部に対応し、後枠部3bは、固定枠3の他方辺部に対応し、横枠部3c及び横枠部3dは、固定枠3の側辺部に対応する。そして、固定枠3を構成する前枠部3a、後枠部3b、横枠部3c及び横枠部3dの下面は、それぞれ水平面と平行な面一の平面状に形成されている。なお、固定枠3は、取付部材9を介して天井10に取り付けられている(吊持されている)が、他の手段により天井10に取り付けられてもよい。
【0024】
照明カバー4は、固定枠3の下方に配置されるとともに、光源2を覆うように配置されている。この照明カバー4は、本体枠11と、裏側光拡散部材12と、表側光拡散部材13とを有する。
【0025】
本体枠11は、光源2が発する光を通すための開口を有する枠である。本体枠11は、矩形の枠体であり、前枠部11aと、この前枠部に対向する後枠部11bと、前枠部11aの端部と後枠部11bの端部とに接続される一対の横枠部11c及び横枠部11dとにより構成される。なお、前枠部11aは、本体枠11の一方辺部に対応し、後枠部11bは、本体枠11の他方辺部に対応し、横枠部11c及び横枠部11dは、本体枠11の側辺部に対応する。この本体枠11は、固定枠3に対向配置されており、固定枠3の前枠部3aの下方に本体枠11の前枠部11aが、固定枠3の後枠部3bの下方に本体枠11の後枠部11bが、固定枠3の横枠部3cの下方に本体枠11の横枠部11cが、固定枠3の横枠部3dの下方に本体枠11の横枠部11dが、それぞれ対応して配置されている。そして、本体枠11を構成する前枠部11a、後枠部11b、横枠部11c及び横枠部11dの下面は、本体枠11が閉じられたときに、それぞれ水平面と平行な面一の平面状に形成されている。
【0026】
本体枠11における開口の光源2側の端部は、裏側光拡散部材12で覆われており、この開口の光源2と反対側の他端部は、表側光拡散部材13で覆われている。従って、光源2から発せられた光は、本体枠11の開口を通る際に裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13を透過する。
【0027】
裏側光拡散部材12は、透光性及び光拡散性を有するシート状の部材であり、本体枠11の開口の光源2側端部を覆うように本体枠11に取り付けられている。裏側光拡散部材12は、例えば、ねじを用いた螺合や、両面テープを用いた貼付などにより、本体枠11に取り付けられる(図示せず)。
【0028】
この裏側光拡散部材12は、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。全光線透過率を80%以上とすることで、光源2から発せられた光が裏側光拡散部材12を通過しても、照明装置として十分な光量を確保することができる。
【0029】
また、裏側光拡散部材12は、光拡散性を有し、ヘーズ値が70%以上であることが好ましい。ヘーズ値を70%以上とすることで、光源2からの光が十分に拡散されるので、照明カバー4と光源2との間に入り込んだ虫等の影や光源2の形状などが下方から視認されづらくなり、照明装置の美観が維持されると共に、むらのない一様な面照明が実現される。
【0030】
なお、裏側光拡散部材12は、合成樹脂製のシートでもよいが、ガラス繊維シートからなることが好ましい。ガラス繊維シートは、ガラス繊維織物及びガラス繊維織物を被覆する樹脂被覆層を有する。裏側光拡散部材12がガラス繊維シートからなる場合には、ガラス繊維シートは不燃性を有するので、照明装置1の防火性能が向上する。
【0031】
表側光拡散部材13は、透光性及び光拡散性を有するシート状の部材であり、本体枠11の開口の光源2側と反対側の他端部を覆うように本体枠11に取り付けられている。表側光拡散部材13は、ねじを用いて本体枠11に取り付けられている(図示せず)。
【0032】
この表側光拡散部材13は、全光線透過率は40%以上であることが好ましい。全光線透過率を40%以上とすることで、光源2から発せられた光が表側光拡散部材13を通過しても、照明装置として十分な光量を確保することができる。なお、照明装置として十分な光量を得るために、第2の光拡散部材の全光線透過率は50%以上であることがさらに好ましい。
【0033】
また、表側光拡散部材13は光拡散性を有し、ヘーズ値が80%以上であることが好ましい。ヘーズ値を80%以上とすることで、光源2と表側光拡散部材13との距離が短くても、照明カバー4と光源2との間に入り込んだ虫等の影や光源2の形状などが下方から視認されづらくなり、照明装置の美観が維持されると共に、むらのない一様な面照明が実現される。
【0034】
そして、表側光拡散部材13に用いられるガラス繊維シートは、ガラス繊維織物及び樹脂被覆層からなり、ガラス繊維織物は樹脂被覆層により被覆されている。
【0035】
このガラス繊維織物は、ガラス繊維束を製織して得られ、例えば、経糸及び緯糸が平織りされて形成される。製織方法としては、平織りに限られず、例えば二重織り、朱子織り及び綾織等が採用される。光拡散部材としてのガラス繊維シートの光拡散性、透光性、引張り強度の観点から、ガラス繊維織物の単位面積あたりの質量は、100〜300g/m2であることが好ましく、厚さは100〜300μmであることが好ましい。また、ガラス繊維織物の通気度は10cm3/cm2/sec以下であることが好ましい。ガラス繊維の素材であるガラスの組成は特に限定されないが、例えばEガラスが用いられる。
【0036】
樹脂被覆層は、ガラス繊維織物に樹脂組成物を含浸して固化させることにより、ガラス繊維織物の経糸及び緯糸を覆うように形成された層である。樹脂被覆層の形成のための好ましい第一の態様として、中空ガラスビーズを含むフッ素樹脂またはシリコーン樹脂の樹脂組成物をガラス繊維織物に含浸してシート化することを挙げることができる。これらの樹脂組成物を用いることにより、ガラス繊維シートの透光性及び光拡散性を調整可能とすると共に、不燃性を向上させることができる。また、樹脂被覆層の樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂等を用いることが可能である。なお、この場合、光拡散性・透光性・難燃性の観点から、樹脂組成物の単位面積当たりの質量は50〜300g/m2が好ましい。
【0037】
さらに、樹脂被覆層の形成のための好ましい第二の態様として、ガラス繊維織物のガラス組成の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する樹脂をガラス繊維織物に含浸してシート化し、その表面の片面または両面にビーズ層を更に設けることにより樹脂被覆層を形成することを挙げることができる。この場合樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂やビニルエステル樹脂が好ましい。ビーズ層は、多数の微細なビーズをポリ塩化ビニル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などの樹脂に混ぜ合わせて十分に分散させた後に、このビーズ入り樹脂の被膜が形成された層である。ビーズ層に分散された多数のビーズは、ガラス繊維シートに入射された光を高い割合で拡散して、ガラス繊維シートの光拡散性を高め、光源と反対側のビーズ層はグレア防止性を発揮する。ビーズの形状は、例えば球状であり、ビーズの粒子径は、例えば1〜30μm程度の微細なものであることが好ましい。ビーズの材料は、例えばシリカといった無機物やアクリルといった有機物等である。この場合、光拡散性・透光性・難燃性の観点から、樹脂被覆層の単位面積当たりの樹脂量は50〜300g/m2であることが好ましい。
【0038】
一方、裏側光拡散部材12に用いられるガラス繊維シートは、表側光拡散部材13に用いられるガラス繊維シートと同様に、ガラス繊維織物及び樹脂被覆層からなり、ガラス繊維織物は、樹脂被覆層により被覆されていることが好ましい。この場合、光拡散性や透光性の観点からガラス繊維織物の単位面積当たりの質量は50〜200g/m2であることが好ましく、また樹脂被覆層は上記表側光拡散部材13における第二の態様により形成されたものであることが好まししく、光拡散性・透光性・難燃性の観点から、樹脂被覆層の単位面積当たりの樹脂量は30〜200g/m2が好ましい。
【0039】
ヒンジ5は、固定枠3と本体枠11とを連結するものであり、固定枠3に対して照明カバー4を開閉可能とするものである。ヒンジ5は、2組一対で構成されており、固定枠3の横枠部3cと本体枠11の横枠部11cとを連結するものと、固定枠3の横枠部3dと本体枠11の横枠部11dとを連結するもとで構成される。各ヒンジ5は、固定枠3に固定される固定枠側接続部材14と、本体枠11に固定される本体枠側接続部材15と、固定枠側接続部材14と本体枠側接続部材15とに連結されて対をなす第1の連結杆16及び第2の連結杆17と、を有する。
【0040】
固定枠側接続部材14は、横枠部3c及び横枠部3dにおける後枠部3b側の端部(後枠部3bの近傍)に配置されており、ねじ止めにより横枠部3c及び横枠部3dの下面に固定されている。この固定枠側接続部材14は、横枠部3c及び横枠部3dの下面にねじ止めされる固定部14aと、第1の連結杆16及び第2の連結杆17の上端部が連結される連結部14bとを有する。そして、固定枠側接続部材14は、固定部14aと連結部14bが直角に接続されて、断面略L字状に形成されている。
【0041】
本体枠側接続部材15は、横枠部11c及び横枠部11dにおける後枠部11b側の端部(後枠部11bの近傍)に配置されており、ねじ止めにより横枠部11c及び横枠部11dの上面に固定されている。この本体枠側接続部材15は、横枠部11c及び横枠部11dの上面にねじ止めされる固定部15aと、第1の連結杆16及び第2の連結杆17の下端部が連結される連結部15bと、固定部15aにおける前枠部11a側の端部が直角に屈曲して立設された立設部15cと、を有する。この立設部15cは、後述するように、棒状部材20を支持するためのものであり、横枠部11c及び横枠部11dの上面に対して垂直方向に立設するとともに、その面方向が、横枠部11c及び横枠部11dの延在方向に向いている。なお、立設部15cの幅は、横枠部11c及び横枠部11dの幅以下となっている。そして、本体枠側接続部材15は、この固定部15aと連結部15bが直角に接続されて、断面略L字状に形成されている。
【0042】
対をなす第1の連結杆16及び第2の連結杆17は、湾曲した細長い平板状に形成されており、第1の連結杆16よりも第2の連結杆17の方が長くなっている。この対をなす第1の連結杆16及び第2の連結杆17は、その上端部が固定枠側接続部材14の連結部14bに回動自在に連結されており、その下端部が本体枠側接続部材15の連結部15bに回動自在に連結されている。
【0043】
このように、第1の連結杆16及び第2の連結杆17が固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15に一体的に連結されたヒンジ5により固定枠3に対して本体枠11を連結するため、固定枠3に対する本体枠11の連結作業を簡略化することができる。
【0044】
ここで、図9〜図11を参照して、ヒンジ5の動作について説明する。図9は、照明装置の照明カバーが閉められた状態を示した図であり、図10は、照明装置の照明カバーが少し開いた状態を示した図であり、図11は、照明装置の照明カバーが完全に開いた状態を示した図である。
【0045】
上述したように、ヒンジ5の第1の連結杆16及び第2の連結杆17は、それぞれ固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15に回転自在に連結されている。このため、図9〜図11に示すように、第1の連結杆16及び第2の連結杆17と固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15との連結部分を軸として本体枠11を回動させることにより、照明カバー4の開閉が可能となる。そして、第1の連結杆16は第2の連結杆17よりも短いため、本体枠11は、鉛直方向に上下動しながら回転する。このため、照明カバー4を開いていくと、本体枠11が固定枠3に対して鉛直方向下方に移動しながら回転する。そして、固定枠3の後枠部3bから離れるに従い固定枠3と本体枠11との距離が広がり、最終的に、本体枠11が90°回転した状態となる。一方、照明カバー4を閉じていくと、本体枠11が固定枠3に対して鉛直方向上方に移動しながら回転する。そして、固定枠3の後枠部3bから離れるに従い固定枠3と本体枠11との距離が狭まり、本体枠11が固定枠3と平行になる。
【0046】
図2及び図3に示すように、ラッチ機構6は、固定枠3に対して照明カバー4を脱着可能に係止するものである。ラッチ機構6は、2組一対で構成されており、固定枠3の横枠部3cに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11cを係止(ラッチ)するものと、固定枠3の横枠部3dに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11dを係止(ラッチ)するものとで構成されている。各ラッチ機構6は、横枠部3c及び横枠部11cにおける前枠部3a側及び前枠部11a側の端部(前枠部3a及び前枠部11aの近傍)に配置されている。そして、ラッチ機構6は、係止フック6a、レバー部材6b、フック保持部6c及び係止ロッド6dを有する。係止フック6aは、係止ロッド6dに係止するものであり、フック保持部6cに保持された軸を中心として回動可能に連結されており、レバー部材6bを操作することにより回動される。フック保持部6cは、係止フック6aを回動させるための軸を保持する部材であり、本体枠11の上面に取り付けられている。係止ロッド6dは、固定枠3の下面に取り付けられたU字状の部材である。レバー部材6bを操作して係止フック6aのフック部を係止ロッド6dに係止することによりラッチ機構6がロックされて、照明カバー4を閉じた状態に保持することができる。また、レバー部材6bを操作して係止フック6aのフック部を係止ロッド6dから外すことによりラッチ機構6が解除されて、本体枠11は回動可能となり照明カバー4を開くことが可能となる。
【0047】
図2〜図4に示すように、保持部材7は、固定枠3に対して照明カバー4を脱着可能に保持するものである。保持部材7は、2組一対で構成されており、固定枠3の横枠部3cに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11cを保持するものと、固定枠3の横枠部3dに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11dを保持するもとで構成されている。各保持部材7は、固定枠3側に取り付けられる棒状部材20と、本体枠11側に取り付けられる捕捉部材30と、を有する。
【0048】
図5は、図2に示した矢印V方向から見た拡大図であり、図6は、図4に示す照明装置の一部拡大図であり、図7は、保持部材の斜視図であり、図8は、捕捉部材に棒状部材が保持された状態の保持部材を示す図であり、図8(a)は、保持部材の正面図、図8(b)は、保持部材の側面図である。なお、図6では、照明カバー4の裏側光拡散部材12と表側光拡散部材13の図示を省略している。そして、以下の説明では、図7及び図8に示すように、捕捉部材30に棒状部材20が保持された状態において、棒状部材20の突出方向をX軸方向、立設部15cの立設方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に対して直交する方向をY軸方向として説明する。
【0049】
図5〜図8に示すように、棒状部材20は、捕捉部材30により脱着可能に保持(捕捉、キャッチ)されるものである。この棒状部材20は、ステンレス鋼(SUS)などの金属で構成されており、ネジ止めなどにより本体枠側接続部材15の立設部15cに固定されている。このため、棒状部材20は、本体枠側接続部材15と同様に、横枠部11cにおける後枠部11b側の端部(後枠部11bの近傍)に配置されている。
【0050】
この棒状部材20は、本体枠側接続部材15の立設部15cに片持ち支持されており、その先端が自由端となっている。そして、棒状部材20は、この立設部15cに対して垂直な方向であって、横枠部11c及び横枠部11dの延在方向と平行な方向(X軸方向)に向けて突出している。
【0051】
棒状部材20のX軸方向における突出長さaは、15mm〜60mmであることが好ましい。この突出長さaを15mmよりも短くすると、棒状部材20が短すぎるため、捕捉部材30の一対の受部32dで棒状部材20を受けることができなくなり、捕捉部材30が棒状部材20の先端に衝突して照明カバー4が閉まらなくなる。一方、棒状部材の突出長さaを60mmよりも長くすると、棒状部材が長すぎるため、ヒンジとの干渉や本体枠の重量が増大して、照明カバー4の開閉作業性が低下する。このため、棒状部材20の突出長さaを15mm〜60mmの範囲とすることで、本体枠11の開閉を確実に行わせ、かつ、照明カバー4の開閉作業性を向上させることができる。
【0052】
棒状部材20の直径bは、5mm〜20mmであることが好ましい。棒状部材20の直径bを5mmよりも狭くすると、捕捉部材30の当接により棒状部材20が破損する可能性がある。一方、棒状部材20の直径bを20mmよりも太くすると、この棒状部材20を支持する立設部15cのY軸方向における幅hや捕捉部材30のY軸方向における最大幅gが広くなりすぎ、保持部材7が固定枠3の横枠部3c及び横枠部3dや本体枠11の横枠部11c及び横枠部11dからはみ出る可能性がある。このため、棒状部材20の直径bを5mm〜20mmの範囲とすることで、棒状部材20を破損させること無く、保持部材7の小型化を図ることができる。
【0053】
そして、棒状部材20の直径b及び立設部15cのY軸方向における幅hは、横枠部11c及び横枠部11dの幅内、又は、本体枠側接続部材15の幅内に収めることが好ましい。
【0054】
捕捉部材30は、棒状部材20を脱着可能に下方から保持(捕捉、キャッチ)するものである。捕捉部材30は、ステンレス鋼(SUS304)などの金属で構成されている。この捕捉部材30は、固定枠側接続部材14と重ね合わされた状態でネジ止めなどにより横枠部3c及び横枠部3dの上面に固定されており、照明カバー4が閉じられたときに、棒状部材20の真上となる位置に配置されている。このため、捕捉部材30は、固定枠側接続部材14と同様に、横枠部3cにおける後枠部3b側の端部(後枠部3bの近傍)に配置されており、照明カバー4が閉じられることで、棒状部材20を保持することが可能となっている。
【0055】
この捕捉部材30は、下方に向けて開放された断面略コ字状を有しており、横枠部3c及び横枠部3dの上面に固定される固定部31と、固定部31の両端縁に接続されて下方に垂下する一対のアーム部32と、を有する。この一対のアーム部32は、Z軸方向において下方に延びており、照明カバー4が閉じられた状態において、固定部31から本体枠11側に向けて延びている。そして、各アーム部32には、固定部31の両端縁に接続されて断面略S字状に湾曲しながら下方に向かって狭まる一対の湾曲部32aと、各湾曲部32aの下縁に接続されて直線状に下方に延びる一対の側壁部32bと、各側壁部32bの下縁に接続されて下方に向かって狭まる一対の保持部32cと、各保持部32cの下縁に接続されて下方に向けて広がる一対の受部32dとが形成されている。
【0056】
固定部31は、固定枠側接続部材14に重ね合わせて横枠部3c及び横枠部3dの上面に固定される部位である。このため、固定部31は、固定枠側接続部材14に対して密着するように、矩形の平板状に形成されている。
【0057】
一対の湾曲部32aは、一対のアーム部32が弾性変形により広げられた場合に、この一対のアーム部32を元の位置に復元させるための付勢力を加える部位である。このため、一対の湾曲部32aは、一対の側壁部32bを外側から押さえ込むように断面略S字状に形成されている。
【0058】
一対の側壁部32bは、棒状部材20の外周面を挟み込む部位である。この一対の側壁部32bは、矩形の平板状に形成されており、互いに略平行となるように対向配置されている。
【0059】
この一対の側壁部32bのうち一方の側壁部32bには、他方の側壁部32bに向けて貫通されたネジ穴が形成されており、このネジ穴に、一対の側壁部32bの間隔を調整するための間隔調整ネジ33がねじ込まれている。間隔調整ネジ33は、このネジ穴にねじ込まれて他方の側壁部32bの内壁を押圧することで、一方の側壁部32bと他方の側壁部32bとの間隔を調整することが可能となっている。そして、間隔調整ネジ33のねじ込み量の調整により、一方の側壁部32bと他方の側壁部32bとの間隔dが、棒状部材20の直径bと同じ寸法、又は、棒状部材20の直径bよりも僅かに狭い寸法に調整されている。
【0060】
一対の保持部32cは、本体枠11が降下するのを防止するために棒状部材20を下方から保持する部位である。一対の保持部32cは、各側壁部32bの下縁から下方に向けて互いに近接するように配置されている。このため、一対の保持部32cは、下方に向けて互いの間隔が狭まっており、その下端部では、棒状部材20の直径よりも狭い間隔となっている。また、一対の保持部32cは、棒状部材20の外形に沿った湾曲状に形成されている。
【0061】
そして、一対の保持部32cのY軸方向における最も狭い間隔(内寸)eは、棒状部材20の直径bに対する割合が1:0.3〜0.8の範囲であることが好ましい。この間隔eの割合が0.3よりも小さいと、照明カバー4の開閉の際に棒状部材20を通り抜けさせるのが困難になる。一方、この間隔eの割合が0.8よりも大きいと、照明カバー4の自重や振動などにより棒状部材20が一対の保持部32cから脱落する可能性がある。このため、一対の保持部32cの最も狭い間隔eを、棒状部材20の直径bに対する割合を1:0.3〜0.8の範囲とすることで、棒状部材20の脱着を容易に行わせつつ、棒状部材20の脱落を防止することができる。
【0062】
一対の受部32dは、照明カバー4が閉められる際に、棒状部材20の通るガイドになるとともに、棒状部材20により押し広げられる部位である。一対の受部32dは、各保持部32cの下縁から下方に向けて互いに離間するように配置されている。このため、一対の受部32dは、下方に向かって互いの間隔が広がっている。
【0063】
そして、一対の受部32dのY軸方向における最も広い間隔(内寸)fは、棒状部材20の直径bに対する割合が1:0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。この間隔fの割合が0.8よりも小さいと、照明カバー4の開閉の際に棒状部材20を一対の受部32d内に入り込ませることができない。一方、この間隔fの割合が1.2よりも広いと、捕捉部材30の最大幅gが広くなりすぎ、捕捉部材30が固定枠3の横枠部3c及び横枠部3dからはみ出る可能性がある。このため、一対の受部32dの最も広い間隔fを、棒状部材20の直径bに対する割合が1:0.8〜1.2の範囲とすることで、照明カバー4の開閉作業性を向上させて、保持部材7の小型化を図ることができる。
【0064】
捕捉部材30のY軸方向における最大幅gは、横枠部3c及び横枠部3dの幅内、又は、固定枠側接続部材14の幅内に収めることが好ましい。
【0065】
そして、このように構成される捕捉部材30においては、矩形平板のステンレス鋼板を屈曲することで、固定部31と、湾曲部32a、側壁部32b、保持部32c及び受部32dが形成される一対のアーム部32とが形成される。このように、捕捉部材30を、ステンレス鋼板を屈曲して形成することで、捕捉部材30に適度なバネ性を持たせることができるため、捕捉部材30による棒状部材20の保持力を適切に保ちつつ、棒状部材20と捕捉部材30との脱着を適度な力で行うことができる。
【0066】
次に、図9〜図11を参照しながら、照明装置1における照明カバー4の開閉動作について説明する。
【0067】
まず、照明装置1の照明カバー4を、完全に閉じられた状態から完全に開かれた状態に移動させる場合について説明する。
【0068】
照明装置1の照明カバー4が完全に閉じられた状態では、図9に示すように、ラッチ機構6の係止フック6aが係止ロッド6dに係止されるとともに、本体枠11に固定された棒状部材20が、固定枠3に固定された捕捉部材30に保持されている。これにより、照明カバー4が閉じた状態で保持されている。このとき、捕捉部材30の一対のアーム部32は、一対の保持部32cにより棒状部材20を下方から保持し、一対の側壁部32bにより棒状部材20を挟み込んでいる。このため、照明カバー4の本体枠11は、鉛直方向(Z軸方向)下方への降下が保持部32cの保持により規制され、水平方向であるX軸方向(棒状部材20の突出方向)とY軸方向への移動が一対の側壁部32bの狭持により規制されている。
【0069】
この状態から照明カバー4を開ける場合は、まず、ラッチ機構6のレバー部材6bを操作して、係止フック6aのフック部を係止ロッド6dから外す。すると、本体枠11は回動可能となり、照明カバー4を開くことが可能となる。そして、このラッチ機構6を解除した状態で照明カバー4を下方に回転させると、棒状部材20は、一対の保持部32cを押し広げながら下方に引き下げられ、更に照明カバー4を下方に回転させると、棒状部材20が一対の保持部32cを抜け出し、図10に示すように、棒状部材20が捕捉部材30から完全に開放される。
【0070】
更に照明カバー4を下方に回転させると、照明カバー4が下降しながら回転して本体枠11の前枠部11a側から開かれていき、照明カバー4が完全に開かれると、図11に示すように、照明カバー4が固定枠3の下方において約90°回転した状態となる。
【0071】
次に、照明装置1の照明カバー4を、完全に開かれた状態から完全に閉じられた状態に移動させる場合について説明する。
【0072】
照明装置1の照明カバー4が完全に開かれた状態では、図11に示すように、照明カバー4が固定枠3の下方において約90°回転した状態となる。
【0073】
そして、照明カバー4を上方に回転させると、照明カバー4は、上昇しながら回転していき、図10に示すように、棒状部材20が捕捉部材30の一対の受部32dに当接するまで、本体枠11の前枠部11a側から閉められていく。
【0074】
そして、更に照明カバーを上方に回転させると、棒状部材20が、一対の受部32dにガイドされて固定枠3と本体枠11との位置合わせが行われるとともに、この一対の受部32d内に入り込み、棒状部材20が一対の受部32dを押し広げながら引き上げられる。そして、更に照明カバーを上方に回転させると、棒状部材20が一対の受部32dを抜け出し、図11に示すように、一対のアーム部32が元の状態に復元する。これにより、棒状部材20は、一対の保持部32cに下方から保持されるとともに、その外周面が一対の側壁部32bに挟み込まれる。また、係止フック6aが係止ロッド6dに係止される。これにより、照明カバー4が閉じた状態で保持される。
【0075】
このように、本実施形態に係る照明装置1によれば、光源2の下方に設置された固定枠3の下方に、本体枠11が裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13に覆われた照明カバー4が配置されているため、光源2から照射された光は、照明カバー4の裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13を透過して下方に照射される。また、後枠部3b及び後枠部11b側に配置された第1の連結杆16及び第2の連結杆17で構成されるヒンジ5により固定枠3と本体枠11とが連結されているため、この連結部分を軸として本体枠11を回動させることにより照明カバー4を開閉することができ、光源2の交換などの保守点検を容易に行うことができる。そして、照明カバー4を閉じると、ラッチ機構6により、本体枠11の前枠部11aが固定枠3の前枠部3aに係止されるとともに、保持部材7により、本体枠11の横枠部11c及び横枠部11dが固定枠3の横枠部3c及び横枠部3dに保持され、しかも、保持部材7は、固定枠3及び本体枠11の後枠部3b及び後枠部11b側に配置されたヒンジ5の近傍に配置されているため、本体枠11が、ラッチ機構6と保持部材7とによりバランスよく保持される。これにより、第1の連結杆16及び第2の連結杆17により構成されるヒンジ5を用いることにより生じる本体枠11の垂れ下がりを防止することができる。更に、固定枠3に対して本体枠11を閉じると、固定枠3に設けられた捕捉部材30により、本体枠11に設けられた棒状部材20が下方から保持されるため、本体枠11の垂れ下がりを確実に防止することができる。
【0076】
また、棒状部材20を立設部15cにより片持ち支持することで、棒状部材20の後枠部11b側の先端が自由端となるため、固定枠3に対して本体枠11を回動させて照明カバー4を開閉する際に、捕捉部材30が棒状部材20を支持する部材に衝突するのを回避することができ、照明カバー4の開閉作業を円滑にすることができる。
【0077】
また、捕捉部材30の一対のアーム部32に、固定枠3から本体枠11に向けて(下方に向けて)互いの間隔が狭まる形状の一対の保持部32cを形成することで、棒状部材20を下方から確実に保持することができるとともに、照明カバー4を開ける場合に、棒状部材20により一対のアーム部32を押し広げやすくすることができる。また、各保持部32cの先端縁に、固定枠3から本体枠11に向けて(下方に向けて)互いの間隔が広がる形状の一対の受部32dを形成することで、照明カバー4を閉める場合に、棒状部材20を一対の受部32dに第一次的に当接させることができるとともに、棒状部材20により一対のアーム部32を押し広げやすくすることができる。このように、棒状部材20により一対のアーム部32を円滑に押し広げることができるため、照明カバー4の開閉作業を円滑にすることができる。
【0078】
そして、一対の側壁部32bの間隔を棒状部材20の直径bと略同じとすることで、棒状部材20が各側壁部32bに当接されるため、本体枠11のガタツキを防止することができる。一方、一対の側壁部32bの間隔を棒状部材20の直径bよりも狭くすることで、棒状部材20が各側壁部32bに挟み込まれるため、本体枠11の垂れ下がり方向だけでなく、一対の側壁部32bによる棒状部材20の挟み込み方向や棒状部材20の延在方向に対しても、本体枠11のガタツキを防止することができる。
【0079】
また、棒状部材20及び捕捉部材30を、固定枠3及び本体枠11の幅内、又は、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15の幅内に収めることで、照明カバー4の下方から見上げた場合に、固定枠3及び本体枠11、又は、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15で棒状部材20及び捕捉部材30を隠すことができる。このため、光源2から照射された光を、棒状部材20及び捕捉部材30により遮ることなく表側光拡散部材13から照射させることができる。これにより、照明装置1の意匠性を低下させることなく、本体枠11の垂れ下がりを防止することができる。
【0080】
なお、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15を本体枠11の内側から隠すことで、光源2から照射された光を、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15によっても遮ることなく表側光拡散部材13から照射させることができる。これにより、照明装置1の意匠性を向上させることができる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態において、棒状部材20は本体枠11側に固定され、捕捉部材30は固定枠3側に固定されるものとして説明したが、棒状部材20と捕捉部材30の固定位置は入れ替えてもよい。この場合、本体枠11側に固定された捕捉部材30が、固定枠3側に固定された棒状部材20を固定枠3側から保持することができるため、上記と同様の作用効果を奏する。
【0082】
また、上記実施形態において、捕捉部材30の一対のアーム部32には、それぞれ湾曲部32a、側壁部32b、保持部32c及び受部32dが形成されるものとして説明したが、棒状部材20を下方から保持することができる形状であれば如何なる形状であってもよく、例えば、側壁部32b及び保持部32cのみが形成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…照明装置、2…光源、3…固定枠、3a…前枠部、3b…後枠部、3c…横枠部、3d…横枠部、4…照明カバー、5…ヒンジ、6…ラッチ機構、6a…係止フック、6b…レバー部材、6c…フック保持部、6d…係止ロッド、7…保持部材、9…取付部材、10…天井、11…本体枠、11a…前枠部、11b…後枠部、11c…横枠部、11d…横枠部、12…裏側光拡散部材(透光部材)、13…表側光拡散部材(透光部材)、14…固定枠側接続部材(第1の接続部材)、14a…固定部、14b…連結部、15…本体枠側接続部材(第2の接続部材)、15a…固定部、15b…連結部、15c…立設部、16…第1の連結杆、17…第2の連結杆、20…棒状部材、30…捕捉部材、31…固定部、32…アーム部、32a…湾曲部、32b…側壁部、32c…保持部、32d…受部、33…間隔調整ネジ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ギャラリーやエントランスなどに設置される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ギャラリーやエントランスなどに設置される照明装置として、多数の蛍光管と、天井に固定された固定枠(下地枠)と、固定枠の下方に重ねて設置されて透光材が覆われる本体枠とにより構成されたものが知られている。この照明装置は、蛍光管の交換などの保守点検のために、本体枠が固定枠に対して開閉可能に連結されている。
【0003】
特許文献1に記載された照明装置では、この保守点検時などにおいて本体枠の開閉を円滑にするために、下地枠と本体枠とを連結するヒンジ手段として、本体枠の一側辺を挟んで対向する両側辺と下地枠の両側辺とに、アーム連結手段を介して、それぞれ一対のアームにより構成されるヒンジを取り付け、本体枠の他側辺と下地枠の他側辺とをロック機構により固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3106948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の照明装置では、下地枠と本体枠とを連結するヒンジが、それぞれ回転可能な2本のアームにより構成されているため、本体枠の自重により下方向に開こうとする力が働き、本体枠が3〜5mm程度降下して垂れ下がるという問題があった。この場合、天井面を平滑にするために、種々の調整が必要であった。
【0006】
そこで、本発明は、本体枠の垂れ下がりを防止することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置は、光源と、光源の下方に設置される矩形の固定枠と、固定枠の下方に対向配置されて透光部材により覆われる矩形の本体枠と、固定枠及び本体枠の一方辺部側に配置されて、長さの異なる第1の連結杆及び第2の連結杆により、固定枠の一方辺部に接続される一対の対向する側辺部と本体枠の一方辺部に接続される一対の対向する側辺部とをそれぞれ連結するヒンジと、固定枠及び本体枠の他方辺部側に配置されて、固定枠に対して本体枠を脱着可能に係止する開閉係止留具と、一方辺部の近傍において、固定枠の各側辺部に対して本体枠の各側辺部を保持する保持部材と、を有し、保持部材は、固定枠及び本体枠の何れか一方の側辺部に設けられて、当該側辺部の延在方向に向けて延びる棒状部材と、固定枠及び本体枠の何れか他方の側辺部に設けられて、当該側辺部から固定枠及び本体枠の何れか一方側に向けて延びる一対のアーム部により、固定枠及び本体枠の何れか一方側から棒状部材を保持する捕捉部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る照明装置によれば、光源の下方に設置された固定枠の下方に、透光部材により覆われた本体枠が配置されているため、光源から照射された光は、透光部材を透過して下方に照射される。また、一方辺部側に配置された第1の連結杆及び第2の連結杆で構成されるヒンジにより固定枠と本体枠とが連結されているため、この連結部分を軸として本体枠を回動させることにより固定枠に対して本体枠を開閉することができ、光源の交換などの保守点検を容易に行うことができる。そして、固定枠に対して本体枠を閉じると、開閉係止留具により、本体枠の一方辺部が固定枠の一方辺部に係止されるとともに、保持部材により、本体枠の各側辺部が固定枠の各側辺部により保持され、しかも、保持部材は、一方辺部の近傍に配置されているため、本体枠が、開閉係止留具と保持部材とによりバランスよく保持される。これにより、第1の連結杆及び第2の連結杆により構成されるヒンジを用いることにより生じる本体枠の垂れ下がりを防止することができる。更に、固定枠に対して本体枠を閉じると、固定枠及び本体枠の何れか他方に設けられた捕捉部材により、固定枠及び本体枠の何れか一方に設けられた棒状部材が、固定枠及び本体枠の何れか一方側から保持されるため、本体枠の垂れ下がりを確実に防止することができる。
【0009】
この場合、上記棒状部材は、他方辺部側から片持ち支持されて一方辺部側に向けて延びることが好ましい。このように構成することで、棒状部材の一方辺部側は自由端となるため、固定枠に対して本体枠を回動させて開閉する際に、棒状部材を支持する部材に捕捉部材が衝突するのを防止することができる。これにより、本体枠を開閉する作業を円滑にすることができる。
【0010】
一方、上記一対のアーム部は、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて延び、棒状部材の直径と略同じ間隔、又は、棒状部材の直径よりも狭い間隔をあけて配置される一対の側壁部と、各側壁部の先端縁に形成されて、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が狭まる一対の保持部と、各保持部の先端縁に形成されて、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が広がる一対の受部と、を備えることが好ましい。
【0011】
このように、捕捉部材の一対のアーム部に、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が狭まる形状の一対の保持部を形成することで、棒状部材を固定枠及び本体枠の何れか一方側から確実に保持することができるとともに、固定枠に対して本体枠を回動させて開ける場合に、棒状部材により一対のアーム部を押し広げやすくすることができる。また、各保持部の先端縁に、固定枠及び本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が広がる形状の一対の受部を形成することで、固定枠に対して本体枠を回動させて閉める場合に、棒状部材を一対の受部に第一次的に当接させることができるとともに、棒状部材により一対のアーム部を押し広げやすくすることができる。このように、棒状部材により一対のアーム部を円滑に押し広げることができるため、本体枠の開閉作業を円滑にすることができる。更に、一対の側壁部の間隔を棒状部材の直径と略同じとすることで、棒状部材が各側壁部に当接されるため、本体枠のガタツキを防止することができる。一方、一対の側壁部の間隔を棒状部材の直径よりも狭くすることで、棒状部材が各側壁部に挟み込まれるため、本体枠の垂れ下がり方向だけでなく、一対の側壁部による棒状部材の挟み込み方向や棒状部材の延在方向に対しても、本体枠のガタツキを防止することができる。
【0012】
そして、棒状部材は、固定枠及び本体枠の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、捕捉部材は、固定枠及び本体枠の何れか他方の幅内に収まる寸法であることが好ましい。このように、棒状部材及び捕捉部材を固定枠及び本体枠の幅内に収めることで、本体枠の下方から見上げた場合に、本体枠で棒状部材及び捕捉部材を隠すことができる。このため、光源から照射された光を、棒状部材及び捕捉部材により遮ることなく本体枠を覆う透光部材から照射させることができる。これにより、照明装置の意匠性を低下させることなく、本体枠の垂れ下がりを防止することができる。
【0013】
また、上記ヒンジは、第1の連結杆及び第2の連結杆が一体的に連結されて固定枠に固定される第1の接続部材と、第1の連結杆及び第2の連結杆が一体的に連結されて本体枠に固定される第2の接続部材と、を更に備え、棒状部材は、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか一方に取り付けられるとともに、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、捕捉部材は、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか他方に取り付けられるとともに、第1の接続部材及び第2の接続部材の何れか他方の幅内に収まる寸法であることが好ましい。
【0014】
このように構成することで、第1の連結杆及び第2の連結杆は、第1の接続部材及び第2の接続部材を介して固定枠及び本体枠に連結される。そして、第1の連結杆及び第2の連結杆が第1の接続部材及び第2の接続部材に一体的に連結されているため、固定枠に対する本体枠の連結作業を簡略化することができる。更に、棒状部材及び捕捉部材を第1の接続部材及び第2の接続部材の幅内に収めることで、本体枠の下方から見上げた場合に、第1の接続部材及び第2の接続部材で棒状部材及び捕捉部材を隠すことができる。このため、光源から照射された光を、棒状部材及び捕捉部材により遮ることなく本体枠を覆う透光部材から照射させることができる。なお、第1の接続部材及び第2の接続部材を本体枠の内側から隠すことで、光源から照射された光を、第1の接続部材及び第2の接続部材によっても遮ることなく本体枠を覆う透光部材から照射させることができる。これにより、照明装置の意匠性を低下させることなく、本体枠の垂れ下がりを防止することができる。
【0015】
そして、捕捉部材は、鋼製の板状部材を屈曲して形成したものであることが好ましい。このように構成することで、捕捉部材に適度なバネ性を持たせることができるため、捕捉部材による棒状部材の保持力を適切に保ちつつ、棒状部材と捕捉部材との脱着を適度な力で行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本体枠の垂れ下がりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る照明装置を天井に設けた状態の概略斜視図であり、(a)は、照明カバーが閉じられた状態を示しており、(b)は、照明カバーが空かれた状態を示している。
【図2】本実施形態に係る照明装置の概略下面図である。
【図3】図2に示したIII−III線断面図である。
【図4】図2に示したIV−IV線から見た照明装置の側面図である。
【図5】図2に示した矢印V方向から見た拡大図である。
【図6】図4に示す照明装置の一部拡大図である。
【図7】保持部材の斜視図である。
【図8】捕捉部材に棒状部材が保持された状態の保持部材を示す図であり、(a)は、保持部材の正面図、(b)は、保持部材の側面図である。
【図9】照明装置の照明カバーが閉められた状態を示した図である。
【図10】照明装置の照明カバーが少し開いた状態を示した図である。
【図11】照明装置の照明カバーが完全に開いた状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る照明装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る照明装置を天井に設けた状態の概略斜視図であり、図1(a)は、照明カバーが閉じられた状態を示しており、図1(b)は、照明カバーが空かれた状態を示している。図2は、本実施形態に係る照明装置の概略下面図である。図3は、図2に示したIII−III線断面図である。図4は、図2に示したIV−IV線から見た照明装置の側面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る照明装置1は、システム天井(グリッド天井)などの天井面に配置されるものである。そして、この照明装置1は、開閉可能になっており、照明装置1内に配置された光源の交換や、照明装置1のメンテナンスが容易に行えるようになっている。なお、この照明装置1が設けられる空間の面照明を実現するために、所定数の照明装置1が隣接して天井面に配置される。
【0021】
図2〜図4に示すように、照明装置1は、光源2と、固定枠3と、照明カバー4と、ヒンジ5と、ラッチ機構6と、棒状部材20及び捕捉部材30で構成される保持部材7と、を有する。
【0022】
光源2は、照明のための光を発するためのものであり、例えば蛍光管などにより構成される。この光源2は、天井10に多数配列されており、各照明装置1に、1又は複数個の光源2が対応付けられている。
【0023】
固定枠3は、天井10に固定されて、光源2が発する光を通すための開口を有する枠である。固定枠3は、矩形の枠体であり、前枠部3aと、この前枠部3aに対向する後枠部3bと、前枠部3aの端部と後枠部3bの端部とに接続される一対の横枠部3c及び横枠部3dとにより構成される。なお、前枠部3aは、固定枠3の一方辺部に対応し、後枠部3bは、固定枠3の他方辺部に対応し、横枠部3c及び横枠部3dは、固定枠3の側辺部に対応する。そして、固定枠3を構成する前枠部3a、後枠部3b、横枠部3c及び横枠部3dの下面は、それぞれ水平面と平行な面一の平面状に形成されている。なお、固定枠3は、取付部材9を介して天井10に取り付けられている(吊持されている)が、他の手段により天井10に取り付けられてもよい。
【0024】
照明カバー4は、固定枠3の下方に配置されるとともに、光源2を覆うように配置されている。この照明カバー4は、本体枠11と、裏側光拡散部材12と、表側光拡散部材13とを有する。
【0025】
本体枠11は、光源2が発する光を通すための開口を有する枠である。本体枠11は、矩形の枠体であり、前枠部11aと、この前枠部に対向する後枠部11bと、前枠部11aの端部と後枠部11bの端部とに接続される一対の横枠部11c及び横枠部11dとにより構成される。なお、前枠部11aは、本体枠11の一方辺部に対応し、後枠部11bは、本体枠11の他方辺部に対応し、横枠部11c及び横枠部11dは、本体枠11の側辺部に対応する。この本体枠11は、固定枠3に対向配置されており、固定枠3の前枠部3aの下方に本体枠11の前枠部11aが、固定枠3の後枠部3bの下方に本体枠11の後枠部11bが、固定枠3の横枠部3cの下方に本体枠11の横枠部11cが、固定枠3の横枠部3dの下方に本体枠11の横枠部11dが、それぞれ対応して配置されている。そして、本体枠11を構成する前枠部11a、後枠部11b、横枠部11c及び横枠部11dの下面は、本体枠11が閉じられたときに、それぞれ水平面と平行な面一の平面状に形成されている。
【0026】
本体枠11における開口の光源2側の端部は、裏側光拡散部材12で覆われており、この開口の光源2と反対側の他端部は、表側光拡散部材13で覆われている。従って、光源2から発せられた光は、本体枠11の開口を通る際に裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13を透過する。
【0027】
裏側光拡散部材12は、透光性及び光拡散性を有するシート状の部材であり、本体枠11の開口の光源2側端部を覆うように本体枠11に取り付けられている。裏側光拡散部材12は、例えば、ねじを用いた螺合や、両面テープを用いた貼付などにより、本体枠11に取り付けられる(図示せず)。
【0028】
この裏側光拡散部材12は、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。全光線透過率を80%以上とすることで、光源2から発せられた光が裏側光拡散部材12を通過しても、照明装置として十分な光量を確保することができる。
【0029】
また、裏側光拡散部材12は、光拡散性を有し、ヘーズ値が70%以上であることが好ましい。ヘーズ値を70%以上とすることで、光源2からの光が十分に拡散されるので、照明カバー4と光源2との間に入り込んだ虫等の影や光源2の形状などが下方から視認されづらくなり、照明装置の美観が維持されると共に、むらのない一様な面照明が実現される。
【0030】
なお、裏側光拡散部材12は、合成樹脂製のシートでもよいが、ガラス繊維シートからなることが好ましい。ガラス繊維シートは、ガラス繊維織物及びガラス繊維織物を被覆する樹脂被覆層を有する。裏側光拡散部材12がガラス繊維シートからなる場合には、ガラス繊維シートは不燃性を有するので、照明装置1の防火性能が向上する。
【0031】
表側光拡散部材13は、透光性及び光拡散性を有するシート状の部材であり、本体枠11の開口の光源2側と反対側の他端部を覆うように本体枠11に取り付けられている。表側光拡散部材13は、ねじを用いて本体枠11に取り付けられている(図示せず)。
【0032】
この表側光拡散部材13は、全光線透過率は40%以上であることが好ましい。全光線透過率を40%以上とすることで、光源2から発せられた光が表側光拡散部材13を通過しても、照明装置として十分な光量を確保することができる。なお、照明装置として十分な光量を得るために、第2の光拡散部材の全光線透過率は50%以上であることがさらに好ましい。
【0033】
また、表側光拡散部材13は光拡散性を有し、ヘーズ値が80%以上であることが好ましい。ヘーズ値を80%以上とすることで、光源2と表側光拡散部材13との距離が短くても、照明カバー4と光源2との間に入り込んだ虫等の影や光源2の形状などが下方から視認されづらくなり、照明装置の美観が維持されると共に、むらのない一様な面照明が実現される。
【0034】
そして、表側光拡散部材13に用いられるガラス繊維シートは、ガラス繊維織物及び樹脂被覆層からなり、ガラス繊維織物は樹脂被覆層により被覆されている。
【0035】
このガラス繊維織物は、ガラス繊維束を製織して得られ、例えば、経糸及び緯糸が平織りされて形成される。製織方法としては、平織りに限られず、例えば二重織り、朱子織り及び綾織等が採用される。光拡散部材としてのガラス繊維シートの光拡散性、透光性、引張り強度の観点から、ガラス繊維織物の単位面積あたりの質量は、100〜300g/m2であることが好ましく、厚さは100〜300μmであることが好ましい。また、ガラス繊維織物の通気度は10cm3/cm2/sec以下であることが好ましい。ガラス繊維の素材であるガラスの組成は特に限定されないが、例えばEガラスが用いられる。
【0036】
樹脂被覆層は、ガラス繊維織物に樹脂組成物を含浸して固化させることにより、ガラス繊維織物の経糸及び緯糸を覆うように形成された層である。樹脂被覆層の形成のための好ましい第一の態様として、中空ガラスビーズを含むフッ素樹脂またはシリコーン樹脂の樹脂組成物をガラス繊維織物に含浸してシート化することを挙げることができる。これらの樹脂組成物を用いることにより、ガラス繊維シートの透光性及び光拡散性を調整可能とすると共に、不燃性を向上させることができる。また、樹脂被覆層の樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂等を用いることが可能である。なお、この場合、光拡散性・透光性・難燃性の観点から、樹脂組成物の単位面積当たりの質量は50〜300g/m2が好ましい。
【0037】
さらに、樹脂被覆層の形成のための好ましい第二の態様として、ガラス繊維織物のガラス組成の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する樹脂をガラス繊維織物に含浸してシート化し、その表面の片面または両面にビーズ層を更に設けることにより樹脂被覆層を形成することを挙げることができる。この場合樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂やビニルエステル樹脂が好ましい。ビーズ層は、多数の微細なビーズをポリ塩化ビニル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などの樹脂に混ぜ合わせて十分に分散させた後に、このビーズ入り樹脂の被膜が形成された層である。ビーズ層に分散された多数のビーズは、ガラス繊維シートに入射された光を高い割合で拡散して、ガラス繊維シートの光拡散性を高め、光源と反対側のビーズ層はグレア防止性を発揮する。ビーズの形状は、例えば球状であり、ビーズの粒子径は、例えば1〜30μm程度の微細なものであることが好ましい。ビーズの材料は、例えばシリカといった無機物やアクリルといった有機物等である。この場合、光拡散性・透光性・難燃性の観点から、樹脂被覆層の単位面積当たりの樹脂量は50〜300g/m2であることが好ましい。
【0038】
一方、裏側光拡散部材12に用いられるガラス繊維シートは、表側光拡散部材13に用いられるガラス繊維シートと同様に、ガラス繊維織物及び樹脂被覆層からなり、ガラス繊維織物は、樹脂被覆層により被覆されていることが好ましい。この場合、光拡散性や透光性の観点からガラス繊維織物の単位面積当たりの質量は50〜200g/m2であることが好ましく、また樹脂被覆層は上記表側光拡散部材13における第二の態様により形成されたものであることが好まししく、光拡散性・透光性・難燃性の観点から、樹脂被覆層の単位面積当たりの樹脂量は30〜200g/m2が好ましい。
【0039】
ヒンジ5は、固定枠3と本体枠11とを連結するものであり、固定枠3に対して照明カバー4を開閉可能とするものである。ヒンジ5は、2組一対で構成されており、固定枠3の横枠部3cと本体枠11の横枠部11cとを連結するものと、固定枠3の横枠部3dと本体枠11の横枠部11dとを連結するもとで構成される。各ヒンジ5は、固定枠3に固定される固定枠側接続部材14と、本体枠11に固定される本体枠側接続部材15と、固定枠側接続部材14と本体枠側接続部材15とに連結されて対をなす第1の連結杆16及び第2の連結杆17と、を有する。
【0040】
固定枠側接続部材14は、横枠部3c及び横枠部3dにおける後枠部3b側の端部(後枠部3bの近傍)に配置されており、ねじ止めにより横枠部3c及び横枠部3dの下面に固定されている。この固定枠側接続部材14は、横枠部3c及び横枠部3dの下面にねじ止めされる固定部14aと、第1の連結杆16及び第2の連結杆17の上端部が連結される連結部14bとを有する。そして、固定枠側接続部材14は、固定部14aと連結部14bが直角に接続されて、断面略L字状に形成されている。
【0041】
本体枠側接続部材15は、横枠部11c及び横枠部11dにおける後枠部11b側の端部(後枠部11bの近傍)に配置されており、ねじ止めにより横枠部11c及び横枠部11dの上面に固定されている。この本体枠側接続部材15は、横枠部11c及び横枠部11dの上面にねじ止めされる固定部15aと、第1の連結杆16及び第2の連結杆17の下端部が連結される連結部15bと、固定部15aにおける前枠部11a側の端部が直角に屈曲して立設された立設部15cと、を有する。この立設部15cは、後述するように、棒状部材20を支持するためのものであり、横枠部11c及び横枠部11dの上面に対して垂直方向に立設するとともに、その面方向が、横枠部11c及び横枠部11dの延在方向に向いている。なお、立設部15cの幅は、横枠部11c及び横枠部11dの幅以下となっている。そして、本体枠側接続部材15は、この固定部15aと連結部15bが直角に接続されて、断面略L字状に形成されている。
【0042】
対をなす第1の連結杆16及び第2の連結杆17は、湾曲した細長い平板状に形成されており、第1の連結杆16よりも第2の連結杆17の方が長くなっている。この対をなす第1の連結杆16及び第2の連結杆17は、その上端部が固定枠側接続部材14の連結部14bに回動自在に連結されており、その下端部が本体枠側接続部材15の連結部15bに回動自在に連結されている。
【0043】
このように、第1の連結杆16及び第2の連結杆17が固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15に一体的に連結されたヒンジ5により固定枠3に対して本体枠11を連結するため、固定枠3に対する本体枠11の連結作業を簡略化することができる。
【0044】
ここで、図9〜図11を参照して、ヒンジ5の動作について説明する。図9は、照明装置の照明カバーが閉められた状態を示した図であり、図10は、照明装置の照明カバーが少し開いた状態を示した図であり、図11は、照明装置の照明カバーが完全に開いた状態を示した図である。
【0045】
上述したように、ヒンジ5の第1の連結杆16及び第2の連結杆17は、それぞれ固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15に回転自在に連結されている。このため、図9〜図11に示すように、第1の連結杆16及び第2の連結杆17と固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15との連結部分を軸として本体枠11を回動させることにより、照明カバー4の開閉が可能となる。そして、第1の連結杆16は第2の連結杆17よりも短いため、本体枠11は、鉛直方向に上下動しながら回転する。このため、照明カバー4を開いていくと、本体枠11が固定枠3に対して鉛直方向下方に移動しながら回転する。そして、固定枠3の後枠部3bから離れるに従い固定枠3と本体枠11との距離が広がり、最終的に、本体枠11が90°回転した状態となる。一方、照明カバー4を閉じていくと、本体枠11が固定枠3に対して鉛直方向上方に移動しながら回転する。そして、固定枠3の後枠部3bから離れるに従い固定枠3と本体枠11との距離が狭まり、本体枠11が固定枠3と平行になる。
【0046】
図2及び図3に示すように、ラッチ機構6は、固定枠3に対して照明カバー4を脱着可能に係止するものである。ラッチ機構6は、2組一対で構成されており、固定枠3の横枠部3cに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11cを係止(ラッチ)するものと、固定枠3の横枠部3dに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11dを係止(ラッチ)するものとで構成されている。各ラッチ機構6は、横枠部3c及び横枠部11cにおける前枠部3a側及び前枠部11a側の端部(前枠部3a及び前枠部11aの近傍)に配置されている。そして、ラッチ機構6は、係止フック6a、レバー部材6b、フック保持部6c及び係止ロッド6dを有する。係止フック6aは、係止ロッド6dに係止するものであり、フック保持部6cに保持された軸を中心として回動可能に連結されており、レバー部材6bを操作することにより回動される。フック保持部6cは、係止フック6aを回動させるための軸を保持する部材であり、本体枠11の上面に取り付けられている。係止ロッド6dは、固定枠3の下面に取り付けられたU字状の部材である。レバー部材6bを操作して係止フック6aのフック部を係止ロッド6dに係止することによりラッチ機構6がロックされて、照明カバー4を閉じた状態に保持することができる。また、レバー部材6bを操作して係止フック6aのフック部を係止ロッド6dから外すことによりラッチ機構6が解除されて、本体枠11は回動可能となり照明カバー4を開くことが可能となる。
【0047】
図2〜図4に示すように、保持部材7は、固定枠3に対して照明カバー4を脱着可能に保持するものである。保持部材7は、2組一対で構成されており、固定枠3の横枠部3cに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11cを保持するものと、固定枠3の横枠部3dに対して照明カバー4における本体枠11の横枠部11dを保持するもとで構成されている。各保持部材7は、固定枠3側に取り付けられる棒状部材20と、本体枠11側に取り付けられる捕捉部材30と、を有する。
【0048】
図5は、図2に示した矢印V方向から見た拡大図であり、図6は、図4に示す照明装置の一部拡大図であり、図7は、保持部材の斜視図であり、図8は、捕捉部材に棒状部材が保持された状態の保持部材を示す図であり、図8(a)は、保持部材の正面図、図8(b)は、保持部材の側面図である。なお、図6では、照明カバー4の裏側光拡散部材12と表側光拡散部材13の図示を省略している。そして、以下の説明では、図7及び図8に示すように、捕捉部材30に棒状部材20が保持された状態において、棒状部材20の突出方向をX軸方向、立設部15cの立設方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に対して直交する方向をY軸方向として説明する。
【0049】
図5〜図8に示すように、棒状部材20は、捕捉部材30により脱着可能に保持(捕捉、キャッチ)されるものである。この棒状部材20は、ステンレス鋼(SUS)などの金属で構成されており、ネジ止めなどにより本体枠側接続部材15の立設部15cに固定されている。このため、棒状部材20は、本体枠側接続部材15と同様に、横枠部11cにおける後枠部11b側の端部(後枠部11bの近傍)に配置されている。
【0050】
この棒状部材20は、本体枠側接続部材15の立設部15cに片持ち支持されており、その先端が自由端となっている。そして、棒状部材20は、この立設部15cに対して垂直な方向であって、横枠部11c及び横枠部11dの延在方向と平行な方向(X軸方向)に向けて突出している。
【0051】
棒状部材20のX軸方向における突出長さaは、15mm〜60mmであることが好ましい。この突出長さaを15mmよりも短くすると、棒状部材20が短すぎるため、捕捉部材30の一対の受部32dで棒状部材20を受けることができなくなり、捕捉部材30が棒状部材20の先端に衝突して照明カバー4が閉まらなくなる。一方、棒状部材の突出長さaを60mmよりも長くすると、棒状部材が長すぎるため、ヒンジとの干渉や本体枠の重量が増大して、照明カバー4の開閉作業性が低下する。このため、棒状部材20の突出長さaを15mm〜60mmの範囲とすることで、本体枠11の開閉を確実に行わせ、かつ、照明カバー4の開閉作業性を向上させることができる。
【0052】
棒状部材20の直径bは、5mm〜20mmであることが好ましい。棒状部材20の直径bを5mmよりも狭くすると、捕捉部材30の当接により棒状部材20が破損する可能性がある。一方、棒状部材20の直径bを20mmよりも太くすると、この棒状部材20を支持する立設部15cのY軸方向における幅hや捕捉部材30のY軸方向における最大幅gが広くなりすぎ、保持部材7が固定枠3の横枠部3c及び横枠部3dや本体枠11の横枠部11c及び横枠部11dからはみ出る可能性がある。このため、棒状部材20の直径bを5mm〜20mmの範囲とすることで、棒状部材20を破損させること無く、保持部材7の小型化を図ることができる。
【0053】
そして、棒状部材20の直径b及び立設部15cのY軸方向における幅hは、横枠部11c及び横枠部11dの幅内、又は、本体枠側接続部材15の幅内に収めることが好ましい。
【0054】
捕捉部材30は、棒状部材20を脱着可能に下方から保持(捕捉、キャッチ)するものである。捕捉部材30は、ステンレス鋼(SUS304)などの金属で構成されている。この捕捉部材30は、固定枠側接続部材14と重ね合わされた状態でネジ止めなどにより横枠部3c及び横枠部3dの上面に固定されており、照明カバー4が閉じられたときに、棒状部材20の真上となる位置に配置されている。このため、捕捉部材30は、固定枠側接続部材14と同様に、横枠部3cにおける後枠部3b側の端部(後枠部3bの近傍)に配置されており、照明カバー4が閉じられることで、棒状部材20を保持することが可能となっている。
【0055】
この捕捉部材30は、下方に向けて開放された断面略コ字状を有しており、横枠部3c及び横枠部3dの上面に固定される固定部31と、固定部31の両端縁に接続されて下方に垂下する一対のアーム部32と、を有する。この一対のアーム部32は、Z軸方向において下方に延びており、照明カバー4が閉じられた状態において、固定部31から本体枠11側に向けて延びている。そして、各アーム部32には、固定部31の両端縁に接続されて断面略S字状に湾曲しながら下方に向かって狭まる一対の湾曲部32aと、各湾曲部32aの下縁に接続されて直線状に下方に延びる一対の側壁部32bと、各側壁部32bの下縁に接続されて下方に向かって狭まる一対の保持部32cと、各保持部32cの下縁に接続されて下方に向けて広がる一対の受部32dとが形成されている。
【0056】
固定部31は、固定枠側接続部材14に重ね合わせて横枠部3c及び横枠部3dの上面に固定される部位である。このため、固定部31は、固定枠側接続部材14に対して密着するように、矩形の平板状に形成されている。
【0057】
一対の湾曲部32aは、一対のアーム部32が弾性変形により広げられた場合に、この一対のアーム部32を元の位置に復元させるための付勢力を加える部位である。このため、一対の湾曲部32aは、一対の側壁部32bを外側から押さえ込むように断面略S字状に形成されている。
【0058】
一対の側壁部32bは、棒状部材20の外周面を挟み込む部位である。この一対の側壁部32bは、矩形の平板状に形成されており、互いに略平行となるように対向配置されている。
【0059】
この一対の側壁部32bのうち一方の側壁部32bには、他方の側壁部32bに向けて貫通されたネジ穴が形成されており、このネジ穴に、一対の側壁部32bの間隔を調整するための間隔調整ネジ33がねじ込まれている。間隔調整ネジ33は、このネジ穴にねじ込まれて他方の側壁部32bの内壁を押圧することで、一方の側壁部32bと他方の側壁部32bとの間隔を調整することが可能となっている。そして、間隔調整ネジ33のねじ込み量の調整により、一方の側壁部32bと他方の側壁部32bとの間隔dが、棒状部材20の直径bと同じ寸法、又は、棒状部材20の直径bよりも僅かに狭い寸法に調整されている。
【0060】
一対の保持部32cは、本体枠11が降下するのを防止するために棒状部材20を下方から保持する部位である。一対の保持部32cは、各側壁部32bの下縁から下方に向けて互いに近接するように配置されている。このため、一対の保持部32cは、下方に向けて互いの間隔が狭まっており、その下端部では、棒状部材20の直径よりも狭い間隔となっている。また、一対の保持部32cは、棒状部材20の外形に沿った湾曲状に形成されている。
【0061】
そして、一対の保持部32cのY軸方向における最も狭い間隔(内寸)eは、棒状部材20の直径bに対する割合が1:0.3〜0.8の範囲であることが好ましい。この間隔eの割合が0.3よりも小さいと、照明カバー4の開閉の際に棒状部材20を通り抜けさせるのが困難になる。一方、この間隔eの割合が0.8よりも大きいと、照明カバー4の自重や振動などにより棒状部材20が一対の保持部32cから脱落する可能性がある。このため、一対の保持部32cの最も狭い間隔eを、棒状部材20の直径bに対する割合を1:0.3〜0.8の範囲とすることで、棒状部材20の脱着を容易に行わせつつ、棒状部材20の脱落を防止することができる。
【0062】
一対の受部32dは、照明カバー4が閉められる際に、棒状部材20の通るガイドになるとともに、棒状部材20により押し広げられる部位である。一対の受部32dは、各保持部32cの下縁から下方に向けて互いに離間するように配置されている。このため、一対の受部32dは、下方に向かって互いの間隔が広がっている。
【0063】
そして、一対の受部32dのY軸方向における最も広い間隔(内寸)fは、棒状部材20の直径bに対する割合が1:0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。この間隔fの割合が0.8よりも小さいと、照明カバー4の開閉の際に棒状部材20を一対の受部32d内に入り込ませることができない。一方、この間隔fの割合が1.2よりも広いと、捕捉部材30の最大幅gが広くなりすぎ、捕捉部材30が固定枠3の横枠部3c及び横枠部3dからはみ出る可能性がある。このため、一対の受部32dの最も広い間隔fを、棒状部材20の直径bに対する割合が1:0.8〜1.2の範囲とすることで、照明カバー4の開閉作業性を向上させて、保持部材7の小型化を図ることができる。
【0064】
捕捉部材30のY軸方向における最大幅gは、横枠部3c及び横枠部3dの幅内、又は、固定枠側接続部材14の幅内に収めることが好ましい。
【0065】
そして、このように構成される捕捉部材30においては、矩形平板のステンレス鋼板を屈曲することで、固定部31と、湾曲部32a、側壁部32b、保持部32c及び受部32dが形成される一対のアーム部32とが形成される。このように、捕捉部材30を、ステンレス鋼板を屈曲して形成することで、捕捉部材30に適度なバネ性を持たせることができるため、捕捉部材30による棒状部材20の保持力を適切に保ちつつ、棒状部材20と捕捉部材30との脱着を適度な力で行うことができる。
【0066】
次に、図9〜図11を参照しながら、照明装置1における照明カバー4の開閉動作について説明する。
【0067】
まず、照明装置1の照明カバー4を、完全に閉じられた状態から完全に開かれた状態に移動させる場合について説明する。
【0068】
照明装置1の照明カバー4が完全に閉じられた状態では、図9に示すように、ラッチ機構6の係止フック6aが係止ロッド6dに係止されるとともに、本体枠11に固定された棒状部材20が、固定枠3に固定された捕捉部材30に保持されている。これにより、照明カバー4が閉じた状態で保持されている。このとき、捕捉部材30の一対のアーム部32は、一対の保持部32cにより棒状部材20を下方から保持し、一対の側壁部32bにより棒状部材20を挟み込んでいる。このため、照明カバー4の本体枠11は、鉛直方向(Z軸方向)下方への降下が保持部32cの保持により規制され、水平方向であるX軸方向(棒状部材20の突出方向)とY軸方向への移動が一対の側壁部32bの狭持により規制されている。
【0069】
この状態から照明カバー4を開ける場合は、まず、ラッチ機構6のレバー部材6bを操作して、係止フック6aのフック部を係止ロッド6dから外す。すると、本体枠11は回動可能となり、照明カバー4を開くことが可能となる。そして、このラッチ機構6を解除した状態で照明カバー4を下方に回転させると、棒状部材20は、一対の保持部32cを押し広げながら下方に引き下げられ、更に照明カバー4を下方に回転させると、棒状部材20が一対の保持部32cを抜け出し、図10に示すように、棒状部材20が捕捉部材30から完全に開放される。
【0070】
更に照明カバー4を下方に回転させると、照明カバー4が下降しながら回転して本体枠11の前枠部11a側から開かれていき、照明カバー4が完全に開かれると、図11に示すように、照明カバー4が固定枠3の下方において約90°回転した状態となる。
【0071】
次に、照明装置1の照明カバー4を、完全に開かれた状態から完全に閉じられた状態に移動させる場合について説明する。
【0072】
照明装置1の照明カバー4が完全に開かれた状態では、図11に示すように、照明カバー4が固定枠3の下方において約90°回転した状態となる。
【0073】
そして、照明カバー4を上方に回転させると、照明カバー4は、上昇しながら回転していき、図10に示すように、棒状部材20が捕捉部材30の一対の受部32dに当接するまで、本体枠11の前枠部11a側から閉められていく。
【0074】
そして、更に照明カバーを上方に回転させると、棒状部材20が、一対の受部32dにガイドされて固定枠3と本体枠11との位置合わせが行われるとともに、この一対の受部32d内に入り込み、棒状部材20が一対の受部32dを押し広げながら引き上げられる。そして、更に照明カバーを上方に回転させると、棒状部材20が一対の受部32dを抜け出し、図11に示すように、一対のアーム部32が元の状態に復元する。これにより、棒状部材20は、一対の保持部32cに下方から保持されるとともに、その外周面が一対の側壁部32bに挟み込まれる。また、係止フック6aが係止ロッド6dに係止される。これにより、照明カバー4が閉じた状態で保持される。
【0075】
このように、本実施形態に係る照明装置1によれば、光源2の下方に設置された固定枠3の下方に、本体枠11が裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13に覆われた照明カバー4が配置されているため、光源2から照射された光は、照明カバー4の裏側光拡散部材12及び表側光拡散部材13を透過して下方に照射される。また、後枠部3b及び後枠部11b側に配置された第1の連結杆16及び第2の連結杆17で構成されるヒンジ5により固定枠3と本体枠11とが連結されているため、この連結部分を軸として本体枠11を回動させることにより照明カバー4を開閉することができ、光源2の交換などの保守点検を容易に行うことができる。そして、照明カバー4を閉じると、ラッチ機構6により、本体枠11の前枠部11aが固定枠3の前枠部3aに係止されるとともに、保持部材7により、本体枠11の横枠部11c及び横枠部11dが固定枠3の横枠部3c及び横枠部3dに保持され、しかも、保持部材7は、固定枠3及び本体枠11の後枠部3b及び後枠部11b側に配置されたヒンジ5の近傍に配置されているため、本体枠11が、ラッチ機構6と保持部材7とによりバランスよく保持される。これにより、第1の連結杆16及び第2の連結杆17により構成されるヒンジ5を用いることにより生じる本体枠11の垂れ下がりを防止することができる。更に、固定枠3に対して本体枠11を閉じると、固定枠3に設けられた捕捉部材30により、本体枠11に設けられた棒状部材20が下方から保持されるため、本体枠11の垂れ下がりを確実に防止することができる。
【0076】
また、棒状部材20を立設部15cにより片持ち支持することで、棒状部材20の後枠部11b側の先端が自由端となるため、固定枠3に対して本体枠11を回動させて照明カバー4を開閉する際に、捕捉部材30が棒状部材20を支持する部材に衝突するのを回避することができ、照明カバー4の開閉作業を円滑にすることができる。
【0077】
また、捕捉部材30の一対のアーム部32に、固定枠3から本体枠11に向けて(下方に向けて)互いの間隔が狭まる形状の一対の保持部32cを形成することで、棒状部材20を下方から確実に保持することができるとともに、照明カバー4を開ける場合に、棒状部材20により一対のアーム部32を押し広げやすくすることができる。また、各保持部32cの先端縁に、固定枠3から本体枠11に向けて(下方に向けて)互いの間隔が広がる形状の一対の受部32dを形成することで、照明カバー4を閉める場合に、棒状部材20を一対の受部32dに第一次的に当接させることができるとともに、棒状部材20により一対のアーム部32を押し広げやすくすることができる。このように、棒状部材20により一対のアーム部32を円滑に押し広げることができるため、照明カバー4の開閉作業を円滑にすることができる。
【0078】
そして、一対の側壁部32bの間隔を棒状部材20の直径bと略同じとすることで、棒状部材20が各側壁部32bに当接されるため、本体枠11のガタツキを防止することができる。一方、一対の側壁部32bの間隔を棒状部材20の直径bよりも狭くすることで、棒状部材20が各側壁部32bに挟み込まれるため、本体枠11の垂れ下がり方向だけでなく、一対の側壁部32bによる棒状部材20の挟み込み方向や棒状部材20の延在方向に対しても、本体枠11のガタツキを防止することができる。
【0079】
また、棒状部材20及び捕捉部材30を、固定枠3及び本体枠11の幅内、又は、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15の幅内に収めることで、照明カバー4の下方から見上げた場合に、固定枠3及び本体枠11、又は、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15で棒状部材20及び捕捉部材30を隠すことができる。このため、光源2から照射された光を、棒状部材20及び捕捉部材30により遮ることなく表側光拡散部材13から照射させることができる。これにより、照明装置1の意匠性を低下させることなく、本体枠11の垂れ下がりを防止することができる。
【0080】
なお、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15を本体枠11の内側から隠すことで、光源2から照射された光を、固定枠側接続部材14及び本体枠側接続部材15によっても遮ることなく表側光拡散部材13から照射させることができる。これにより、照明装置1の意匠性を向上させることができる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態において、棒状部材20は本体枠11側に固定され、捕捉部材30は固定枠3側に固定されるものとして説明したが、棒状部材20と捕捉部材30の固定位置は入れ替えてもよい。この場合、本体枠11側に固定された捕捉部材30が、固定枠3側に固定された棒状部材20を固定枠3側から保持することができるため、上記と同様の作用効果を奏する。
【0082】
また、上記実施形態において、捕捉部材30の一対のアーム部32には、それぞれ湾曲部32a、側壁部32b、保持部32c及び受部32dが形成されるものとして説明したが、棒状部材20を下方から保持することができる形状であれば如何なる形状であってもよく、例えば、側壁部32b及び保持部32cのみが形成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…照明装置、2…光源、3…固定枠、3a…前枠部、3b…後枠部、3c…横枠部、3d…横枠部、4…照明カバー、5…ヒンジ、6…ラッチ機構、6a…係止フック、6b…レバー部材、6c…フック保持部、6d…係止ロッド、7…保持部材、9…取付部材、10…天井、11…本体枠、11a…前枠部、11b…後枠部、11c…横枠部、11d…横枠部、12…裏側光拡散部材(透光部材)、13…表側光拡散部材(透光部材)、14…固定枠側接続部材(第1の接続部材)、14a…固定部、14b…連結部、15…本体枠側接続部材(第2の接続部材)、15a…固定部、15b…連結部、15c…立設部、16…第1の連結杆、17…第2の連結杆、20…棒状部材、30…捕捉部材、31…固定部、32…アーム部、32a…湾曲部、32b…側壁部、32c…保持部、32d…受部、33…間隔調整ネジ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の下方に設置される矩形の固定枠と、
前記固定枠の下方に対向配置されて透光部材により覆われる矩形の本体枠と、
前記固定枠及び前記本体枠の一方辺部側に配置されて、長さの異なる第1の連結杆及び第2の連結杆により、前記固定枠の前記一方辺部に接続される一対の対向する側辺部と前記本体枠の前記一方辺部に接続される一対の対向する側辺部とをそれぞれ連結するヒンジと、
前記固定枠及び前記本体枠の他方辺部側に配置されて、前記固定枠に対して前記本体枠を脱着可能に係止する開閉係止留具と、
前記一方辺部の近傍において、前記固定枠の各側辺部に対して前記本体枠の各側辺部を保持する保持部材と、
を有し、
前記保持部材は、
前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方の前記側辺部に設けられて、当該側辺部の延在方向に向けて延びる棒状部材と、
前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方の前記側辺部に設けられて、当該側辺部から前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方側に向けて延びる一対のアーム部により、前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方側から前記棒状部材を保持する捕捉部材と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記棒状部材は、前記他方辺部側から片持ち支持されて前記一方辺部側に向けて延びることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記一対のアーム部は、
前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方側に向けて延び、前記棒状部材の直径と略同じ間隔、又は、前記棒状部材の直径よりも狭い間隔をあけて配置される一対の側壁部と、
前記各側壁部の先端縁に形成されて、前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が狭まる一対の保持部と、
前記各保持部の先端縁に形成されて、前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が広がる一対の受部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記棒状部材は、前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、
前記捕捉部材は、前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方の幅内に収まる寸法であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記ヒンジは、
前記第1の連結杆及び前記第2の連結杆が一体的に連結されて前記固定枠に固定される第1の接続部材と、
前記第1の連結杆及び前記第2の連結杆が一体的に連結されて前記本体枠に固定される第2の接続部材と、
を更に備え、
前記棒状部材は、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか一方に取り付けられるとともに、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、
前記捕捉部材は、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか他方に取り付けられるとともに、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか他方の幅内に収まる寸法であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記捕捉部材は、鋼製の板状部材を屈曲して形成したものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項1】
光源と、
前記光源の下方に設置される矩形の固定枠と、
前記固定枠の下方に対向配置されて透光部材により覆われる矩形の本体枠と、
前記固定枠及び前記本体枠の一方辺部側に配置されて、長さの異なる第1の連結杆及び第2の連結杆により、前記固定枠の前記一方辺部に接続される一対の対向する側辺部と前記本体枠の前記一方辺部に接続される一対の対向する側辺部とをそれぞれ連結するヒンジと、
前記固定枠及び前記本体枠の他方辺部側に配置されて、前記固定枠に対して前記本体枠を脱着可能に係止する開閉係止留具と、
前記一方辺部の近傍において、前記固定枠の各側辺部に対して前記本体枠の各側辺部を保持する保持部材と、
を有し、
前記保持部材は、
前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方の前記側辺部に設けられて、当該側辺部の延在方向に向けて延びる棒状部材と、
前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方の前記側辺部に設けられて、当該側辺部から前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方側に向けて延びる一対のアーム部により、前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方側から前記棒状部材を保持する捕捉部材と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記棒状部材は、前記他方辺部側から片持ち支持されて前記一方辺部側に向けて延びることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記一対のアーム部は、
前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方側に向けて延び、前記棒状部材の直径と略同じ間隔、又は、前記棒状部材の直径よりも狭い間隔をあけて配置される一対の側壁部と、
前記各側壁部の先端縁に形成されて、前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が狭まる一対の保持部と、
前記各保持部の先端縁に形成されて、前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方側に向けて互いの間隔が広がる一対の受部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記棒状部材は、前記固定枠及び前記本体枠の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、
前記捕捉部材は、前記固定枠及び前記本体枠の何れか他方の幅内に収まる寸法であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記ヒンジは、
前記第1の連結杆及び前記第2の連結杆が一体的に連結されて前記固定枠に固定される第1の接続部材と、
前記第1の連結杆及び前記第2の連結杆が一体的に連結されて前記本体枠に固定される第2の接続部材と、
を更に備え、
前記棒状部材は、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか一方に取り付けられるとともに、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか一方の幅内に収まる寸法であり、
前記捕捉部材は、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか他方に取り付けられるとともに、前記第1の接続部材及び前記第2の接続部材の何れか他方の幅内に収まる寸法であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記捕捉部材は、鋼製の板状部材を屈曲して形成したものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−48934(P2011−48934A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194348(P2009−194348)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
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