説明

照明装置

【課題】直管形ランプを覆う仕様の照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、チューブ14、一対のソケット13a,13b、および一対の支持手段15を備える。チューブ14は、直管形ランプ11を挿通可能とする筒状に形成されているとともに、長さが直管形ランプ11の全長より短い。一対のソケット13a,13bは、直管形ランプ11を配置可能とする所定の間隔をあけて対向配置され、直管形ランプ11の両端をそれぞれ取り付ける。支持手段15は、チューブ14の周面に嵌合される弾性を有するリング42、およびチューブ14を挿通可能とするとともにリング42を保持してソケット13a,13bに取り付けられる取付筒41を有し、ソケット13a,13bに対してリング42を介してチューブ14を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、直管形ランプを使用する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直管形ランプを使用する照明装置は、器具本体の両端に一対のソケットを対向配置し、直管形ランプの両端の口金を一対のソケットにそれぞれ取り付け、直管形ランプを一対のソケット間に配置している。そして、一対のソケット間に配置された直管形ランプは剥き出し状態となっている。
【0003】
また、照明装置としては、器具本体を全体的に覆うグローブを用いた器具構造もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−250552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、照明装置においては、一対のソケット間に配置された直管形ランプは剥き出し状態となっているのが一般的であり、また、器具本体を全体的に覆うグローブを用いた器具構造もあるが、グローブを用いずに、一対のソケット間に配置された直管形ランプを覆うような仕様の照明装置はなかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、直管形ランプを覆う仕様の照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の照明装置は、チューブ、一対のソケット、および一対の支持手段を備える。チューブは、直管形ランプを挿通可能とする筒状に形成されているとともに、長さが直管形ランプの全長より短い。一対のソケットは、直管形ランプを配置可能とする所定の間隔をあけて対向配置され、直管形ランプの両端をそれぞれ取り付ける。支持手段は、チューブの周面に嵌合される弾性を有するリング、およびチューブを挿通可能とするとともにリングを保持してソケットに取り付けられる取付筒を有し、ソケットに対してリングを介してチューブを支持する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、直管形ランプをチューブで覆う仕様に構成でき、しかも、そのチューブをソケットに対して支持手段の取付筒およびリングを介して所定位置に支持することができ、さらに、チューブの長さを直管形ランプの全長より短くすることにより、直管形ランプをソケットに対して着脱操作することができ、操作性を確保することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態を示す照明装置の一部の断面図である。
【図2】同上図1のA−A視断面図である。
【図3】同上照明装置の寸法関係を示す説明図である。
【図4】同上直管形ランプの斜視図である。
【図5】同上照明装置の斜視図である。
【図6】第2の実施形態を示す照明装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、第1の実施形態を、図1ないし図5を参照して説明する。
【0011】
図5において、10は照明装置で、この照明装置10は、直管形ランプ11を使用する例えば天井直付形照明装置である。この照明装置10は、器具本体12、この器具本体12の両端に互いに対向して配置された一対のソケット13a,13b、直管形ランプ11を覆うチューブ14、このチューブ14の両端をソケット13a,13bに対して支持する支持手段15を備えている。また、器具本体12内には一対のソケット13a,13b間に配置された直管形ランプ11に点灯電力を供給する電源装置が配置されている。
【0012】
そして、図4に、直管形ランプ11を示す。直管形ランプ11は、合成樹脂製で円筒状の発光管部としての透光性カバー21、この透光性カバー21内に収容された光源ユニット22、および透光性カバー21の両端部にそれぞれ設けられた口金23a,23bを備えている。
【0013】
光源ユニット22は、例えばLED素子やEL素子などの複数の半導体発光素子25が実装された複数の基板26、およびこれら基板26を取り付けた取付板27を備えている。半導体発光素子25の実装方式には、LED素子の場合、基板26上にLEDチップが搭載された接続端子付きの複数のSMD(Surface Mount Device)パッケージを実装する方式や、基板26上に複数のLED素子を実装するCOB(Chip On Board)方式が用いられている。
【0014】
一端側の口金23aは給電側であり、他端側の口金23bはアース側である。給電側の口金23aの端面には、互いに反対方向に向けて折曲された一対のL字形のランプピン28が突設されている。一対のランプピン28には光源ユニット22が電気的に接続されている。また、アース側の口金23bの端面には、その端面の管軸中心から1本のアースピン29が突出されている。このアースピン29の先端はランプ長手方向に対して直交する方向に横長の楕円部が設けられている。
【0015】
なお、直管形ランプ11は、一対のランプピン28が並ぶ方向と、アースピン29の楕円部の長手方向とが一致されているとともに、これらの方向に平行な面と光源ユニット22の半導体発光素子25の発光面とが平行になるように設けられている。
【0016】
また、図1に示すように、ソケット13a,13bは、ソケット13a,13bの先端部からランプピン28、アースピン29を挿入し、直管形ランプ11の管軸を中心として90°回転させることにより所定の装着位置に装着する回転装着式が用いられている。
【0017】
ソケット13a,13bは、ソケット本体31、このソケット本体31に回転可能に取り付けられた回転子32、およびソケット本体31内に配置された一対の端子を備えている。
【0018】
ソケット本体31は、絶縁性を有する合成樹脂製で、器具本体12に取り付けられる基部33、支持手段15を取り付ける円筒状の取付部34を有している。取付部34の周囲には雄ねじ35が形成されている。また、回転子32は、絶縁性を有する合成樹脂製で、ソケット本体31の取付部34の内側に回転可能に取り付けられている。
【0019】
そして、取付部34および回転子32には、ソケット13a,13bの先端部から挿入されるランプピン28、アースピン29が挿入される溝がそれぞれ形成されている。回転子32の溝にランプピン28、アースピン29が挿入された直管形ランプ11を管軸を中心として90°回転させることにより、所定の装着位置に装着されるとともに、ランプピン28、アースピン29がソケット本体31内の端子に接続される。なお、図1にはソケット13a,13bの構成を省略して図示しているが、ソケット13a,13bの内部には端子などが配置されている。
【0020】
また、チューブ14は、例えば、透明なガラスあるいはポリカーボネイトなどの合成樹脂などの材料で円筒状に形成されている。
【0021】
また、支持手段15は、外筒である取付筒41、この取付筒41の内側に配置されるリング42および内筒43を有している。
【0022】
取付筒41は、円筒状に形成され、一端側にはチューブ14が挿通可能とする内径の挿通孔44が形成され、他端側の内周面にはソケット本体31の取付部34の周面に設けられている雄ねじ35に螺着される雌ねじ45が形成されている。なお、取付部34と取付筒41の他端との間には環状のパッキング46が配置されている。また、挿通孔44の周縁部には挿通孔44の中心へ向けて縮径する傾斜面47が形成されている。
【0023】
リング42は、例えばゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料で環状に形成され、パッキングとしての機能を有している。リング42の内径寸法は、チューブ14の外径寸法に近く、チューブ14の外周に嵌合可能としている。そして、リング42は、取付筒41の傾斜面47と内筒43との間に挟み込まれて配置される。
【0024】
内筒43は、チューブ14を挿通可能とする円筒状に形成され、一端側にはリング42に当接する押圧部48が形成されている。そして、取付筒41をソケット本体31に取り付ける際に、内筒43がソケット13a,13b側に当接し、内筒43の押圧部48と取付筒41の傾斜面47との間でリング42を押し潰すことが可能に構成されている。
【0025】
そして、チューブ14の寸法関係について説明すると、例えば、直管形ランプ11の発光管部である透光性カバー21の直径d1が約24.8mm、口金23a,23bの直径d2が約26.5mmとしたとき、チューブ14の内径d3は約29mm、外径d4は約27.4mmとし、チューブ14の内側に直管形ランプ11を挿通可能としている。
【0026】
さらに、図3に示すように、チューブ14の長さL1は、直管形ランプ11の全長(口金23a,23bの外端面間の長さ)L2より短く、また、直管形ランプ11の透光性カバー21の長さL3、ソケット13a,13bに取り付けた両支持手段15のリング42の間の長さL4、ソケット13a,13bのいずれか一方の回転子32の表面とソケット13a,13bのいずれか他方に取り付けられた支持手段15のリング42との間の距離L5より、それぞれ長く設定されている。
【0027】
次に、照明装置10の動作を説明する。
【0028】
直管形ランプ11の装着について説明すると、まず、チューブ14の内側に直管形ランプ11を挿通し、取付筒41とリング42と内筒43を組み合わせた支持手段15をチューブ14の両端から嵌め込んでチューブ14に挿通させる。このとき、支持手段15をチューブ14の端部よりも中央側に寄せた位置に配置し、支持手段15で直管形ランプ11の口金23a,23bを隠さないようにしておく。
【0029】
直管形ランプ11の口金23a,23bから突出するランプピン28、アースピン29をソケット13a,13bの先端側から挿入することにより、直管形ランプ11をソケット13a,13bの間に配置し、さらに、直管形ランプ11を90°回転させ、直管形ランプ11をソケット13a,13bの所定の装着位置に装着する。直管形ランプ11を90°回転させるときには、例えば、チューブ14をソケット13b側に片寄し、チューブ14の端部をソケット13bの回転子32に当接させることにより、直管形ランプ11の口金23aが露出するため、その口金23aを操作者の指で持って直管形ランプ11を容易に回転操作することができる。なお、チューブ14をソケット13a側に片寄した場合にも同様である。
【0030】
チューブ14の両端に挿通されている支持手段15をソケット13a,13bに向けて寄せ、取付筒41の雌ねじ45を取付部34の雄ねじ35に螺着する。その螺着途中で、内筒43がソケット13a,13bに当接して移動が規制されるため、ソケット13a,13bに向けて移動する取付筒41の傾斜面47と移動が規制された内筒43の押圧部48との間でリング42が押し潰され、リング42が内径方向および外径方向に膨出する。内径方向に膨出するリング42がチューブ14の外周面に接触し、全周から均等な押圧力で押圧する。
【0031】
これにより、ソケット13a,13bに対し、支持手段15のリング42を介して位置決め保持される。ソケット13a,13bには直管形ランプ11が所定の装着位置に取り付けられているため、ソケット13a,13bを介して、直管形ランプ11とチューブ14との位置関係も位置決めされる。すなわち、直管形ランプ11の管軸とチューブ14の中心とが一致し、直管形ランプ11の外周面とチューブ14の内周面とが全周に亘って均等の隙間をあけて対向配置される。
【0032】
また、チューブ14の長さL1が、ソケット13a,13bのいずれか一方の回転子32の表面とソケット13a,13bのいずれか他方に取り付けられた支持手段15のリング42との間の距離L5より長く設定されているため、チューブ14がソケット13a,13bのいずれか一方の回転子32の表面に当接するように片寄せされていても、ソケット13a,13bのいずれか他方に取り付けられている支持手段15のリング42からチューブ14が外れることはなく、そのリング42でチューブ14を支持できる。
【0033】
そして、チューブ14をガラスで形成している場合には、合成樹脂製の透光性カバー21を有する直管形ランプ11をガラス製のチューブ14で覆えるので、難燃構造の照明装置10を構成できる。
【0034】
また、ソケット本体31と取付筒41との間に介在するパッキング46、およびチューブ14と取付筒41との間に介在するリング42を備えるので、防水構造の照明装置10を構成できる。
【0035】
また、チューブ14に着色されたカラーチューブを用いることにより、所望の色の照明が得られ、例えば、防犯灯、クリーンルーム灯、低誘虫灯などの各種用途に使用することができる。この場合、チューブ14は、ガラスおよび合成樹脂のいずれの材料で形成してもよい。
【0036】
以上の本実施形態によれば、直管形ランプ11をチューブ14で覆う仕様に構成できる。しかも、そのチューブ14をソケット13a,13bに対して支持手段15の取付筒41およびリング42を介して所定位置に支持することができる。さらに、チューブ14の長さを直管形ランプ11の全長より短くすることにより、直管形ランプ11をソケット13a,13bに対して着脱操作することができ、操作性を確保できる。
【0037】
なお、直管形ランプ11の全長が比較的長いタイプの場合、一対のソケット13a,13bに両端が支持された直管形ランプ11の中間部が下がるように撓みが発生する場合がある。このような場合、直管形ランプ11を覆うチューブ14の内面で、直管形ランプ11の下方へ撓んだ中間部の下面側を支持することができ、直管形ランプ11に加わる撓みによる負荷を軽減することができる。
【0038】
次に、図6に第2の実施形態を示す。なお、第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0039】
チューブ14の端部には、ガラス製のチューブ14の端部から亀裂が入って割れるのを防止するために、チューブ14の端部を溶融させて丸める熱処理が施されている。この熱処理を施すことに伴って、チューブ14の端部には内径側に突出する規制部51が形成されている。
【0040】
この場合のチューブ14の長さL1は直管形ランプ11の透光性カバー21の長さL3より短くする。また、規制部51の内径d5は、直管形ランプ11の透光性カバー21の直径d1より大きく口金23a,23bの直径d2より小さく設定されている。
【0041】
この実施形態では、直管形ランプ11の組立時において、チューブ14内に透光性カバー21を挿通させた後、透光性カバー21の両端に口金23a,23bを取り付ける。これにより、チューブ14が直管形ランプ11から外れることがなく、チューブ14が直管形ランプ11に仮止めされた状態となる。
【0042】
そして、この直管形ランプ11の両端に支持手段15を取り付け、直管形ランプ11をソケット13a,13b間に配置し、各支持手段15をソケット13a,13bに取り付けることにより、リング42が直管形ランプ11に仮止めされているチューブ14の外周面に接触してチューブ14を支持する。
【0043】
このように、直管形ランプ11にチューブ14が予め仮止めされているため、直管形ランプ11の装着時において、チューブ14に直管形ランプ11を通す作業やチューブ14を避けて口金23a,23bを回転操作するよう作業が必要なく、直管形ランプ11の装着性を向上できる。
【0044】
なお、直管形ランプ11としては、半導体発光素子を用いた直管形ランプに限らず、直管形放電灯でもよい。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10 照明装置
11 直管形ランプ
13a,13b ソケット
14 チューブ
15 支持手段
21 発光管部としての透光性カバー
23a,23b 口金
41 取付筒
42 リング
51 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形ランプを挿通可能とする筒状に形成されているとともに、長さが直管形ランプの全長より短く、透光性を有するチューブと;
直管形ランプを配置可能とする所定の間隔をあけて対向配置され、直管形ランプの両端をそれぞれ取り付ける一対のソケットと;
チューブの周面に嵌合される弾性を有するリング、およびチューブを挿通可能とするとともにリングを保持してソケットに取り付けられる取付筒を有し、ソケットに対してリングを介してチューブを支持する一対の支持手段と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
チューブの長さは、一端側のソケットに取り付けた取付手段のリングの位置と他端側のソケットに取り付けた取付手段のリングの位置との間の距離より長い
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
一対のソケットに取り付けた直管形ランプの長手方向中間部の下面側をチューブの内面で支持する
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
直管形ランプが発光管部とこの発光管部の両端に設けられていて発光管部より直径が大きい口金とを有しており、
チューブの長さは直管形ランプの発光管部の長さより短く、チューブの端部には直管形ランプの発光管部の直径より大きく口金の直径より小さい規制部が設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−98006(P2013−98006A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239809(P2011−239809)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】