説明

熱転写受像シート

【課題】強度が高く、かつ、柔軟性に富み、高画質な画像を得ることができる熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】本発明の熱転写受像シートは、基材の一方の面上に受容層を有する熱転写受像シートにおいて、前記基材と前記受容層との間に無延伸ポリプロピレンフィルムを設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱転写受像シートに関し、詳しくは、強度が高く、かつ、柔軟性に富み、高画質な画像を得ることができる熱転写受像シートに関する。
【背景技術】
【0002】
昇華型の感熱転写方式において、より鮮明な画像を得るため、熱転写シートから昇華して移行してくる昇華性染料を受像するための受容層を設けた熱転写受像シートが用いられている。この熱転写受像シートの受容層を支持するための基材としては、従来から合成紙や、印画時に昇華型転写リボンと受容層表面がより密着するように、柔軟性のある空洞構造を有するフィルム、いわゆる発泡フィルムが用いられてきた。
【0003】
合成紙を用いるものとしては、無機微細粉末を10〜45重量%含有する熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを基材とし、その表面に熱可塑性樹脂の一軸廷伸樹脂フィルムよりなる表面層を粘着し、この表面層上に熱転写受容層を設けてなる熱転写受像紙(合成紙)が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
発泡フィルムを用いるものとしては、基材に発泡フィルムを用い、その基材の受容層形成面の平滑度を1,000秒以上にすることが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6-79979号
【特許文献2】特許2940928号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された合成紙であっても、合成紙の表面には無数の亀裂があるため、受容層形成用インクが亀裂に入り込むため、均一な受容層を設けようとすれば受容層形成用インク量を多く塗布する必要があった。しかし、そうした場合、(1)柔軟性に劣り、印画時に昇華リボンと受容層表面が密着しなくなる。(2)印画時の熱が拡散してしまうため、断熱性が悪くなる、などの影響により、画質が悪くなったり、印字濃度が低くなるために印画エネルギーを大きくしなければならないなどの弊害があった。
【0006】
一方、特許文献2に記載されているような発泡フィルムは、フィルム内部が空洞構造となっているため、基材そのものの強度が弱い。たとえば、最大エネルギーでイエロー、マゼンタ、シアンを重ねたベタ黒印字を行うと、昇華リボンと受像シートとを剥離する時に、受像シートのフィルム内部の薄肉部分が破れて昇華リボンに貼り付くことがあった。
【0007】
昇華リボンの熱転写受像シ一トの基材として用いられる発泡フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が挙げられる。ポリエチレンテレフタレートは比較的低温、たとえば5℃の環境下で印画した場合、基材が硬くなることで柔軟性が劣り、印画時に昇華リボンと受容層表面が密着しなくなり、印画ムラが発生するなどの不具合があった。一方、ポリプロピレンは、材質そのものが軟らかいので低温下でも昇華リボンと受容層表面が密着し、ムラなく印画することができるが、特許文献2のように、フィルム内部に空洞を設けることにより柔軟性を付与する発泡フィルムでは、特にハイライト、すなわち低濃度領域でのグラデーションにおいてムラが生じるといった難点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、強度が高く、かつ、柔軟性に優れ、高画質な画像を得ることができる熱転写受像シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱転写受像シートは、基材の一方の面上に受容層を有する熱転写受像シートにおいて、前記基材と前記受容層との間に無延伸ポリプロピレンフィルムを設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明の受像シートにおいては、基材が紙であることが好ましい。
また、本発明の受像シートにおいては、無延伸ポリプロピレンフィルムのJIS K7127に基づく引張弾性率が0.6〜0.9GPaであることが好ましい。
【0011】
また、本発明の受像シートにおいては、無延伸ポリプロピレンフィルムが酸化チタンを含有していることが好ましい。
また、本発明の受像シートにおいては、受容層と無延伸ポリプロピレンフィルムとの間に中間層を設けることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の受像シートにおいては、基材と無延伸ポリプロピレンフィルムとの間、または、無延伸ポリプロピレンフィルムを設けたのとは反対側の基材の面上の少なくとも一方に、発泡ポリプロピレンフィルムを設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の熱転写受像シートによれば以下に述べるような効果を得ることができる。
(1)柔軟性に富み印画時に昇華リボンと受容層表面が密着するため、印画のムラがなく高画質の画像を得ることができる。
(2)受容層のインク量を必要以上に多くする必要がないので印画時の熱が拡散して断熱性が悪くなるといった弊害がない。このため、印画エネルギーを大きくする必要がない。
(3)十分な強度を有するため、発泡フィルムを用いた場合の熱転写時に問題となっていた、昇華リボンと受像シートとを剥離する時に、受像シートのフィルム内部の薄肉部分が破れて昇華リボンに貼り付くというトラブルを生じることがない。
(4)フィルム内部に空洞を設けることにより柔軟性を得る方法では対応しきれていなかったハイライトのグラデーションについては、グラデーションのムラを排除し、優れたグラデーションを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明にかかる熱転写受像シートは図1に示すように、基材1上に無延伸ポリプロピレンフィルム2を設け、その上に熱転写シートから昇華して移行してくる染料を受けるための受容層3を設けたものである。なお、以下の図において、同じ符号は同じ部材を表す。
【0015】
基材としては、紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、塩化ビニルフィルム、不織布等を使用することができる。中でも、剛性、白色度の付与、コスト、取り扱いやすさ等の観点から特に紙が好ましい。使用できる紙としては、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等が挙げられる。特に平滑度の観点から、アート紙、コート紙、キャストコート紙が好ましい。紙の厚さは70〜200μmであることが好ましい。厚さが70μm未満だと剛性が低いために搬送性に劣り、200μmを超えると剛性が強すぎて搬送性が悪くなる。
【0016】
本発明における受容層は、従来の印画紙における受容層と同様の熱可塑性樹脂にて形成することができる。熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のポリ塩化ビニル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、セルロース樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリビニルアルコール、イソシアネート基含有ポリマー、あるいは、これらの任意のブレンド物が挙げられる。
【0017】
これらの熱可塑性樹脂を適当な溶剤に攪拌、溶解、分散させてインクを作成し、これをメイヤバー等の公知の方法により、乾燥時の固形分(塗布量)が0.5〜15g/mとなるように塗布、乾燥させて受容層を形成することができる。また、受容層中には、必要に応じて、紫外線吸収剤や酸化防止剤、可塑剤、シリコーンオイル等の離型剤を含有させてもよい。
【0018】
塗工方式としては、グラビアコートのように、適量のインクを基材に塗布し、乾燥させることにより受容層を設ける塗工方式では基材の凹凸の影響を受ける場合がある。このため、メイヤバー方式、キスコーター方式およびコンマコーター方式などのように、まず過剰にインクを基材に塗布し、それから過剰分のインクをかき落として適量な塗布量を塗布する方式の方が、基材の凹凸がそのまま受容層の塗布に反映されず均一な受容層の面を得られるため好ましい。
【0019】
基材と受容層との間に無延伸ポリプロピレンフィルムを設けることにより、ポリプロピレンそのものの柔軟性を生かすことで、従来のフィルム内部に空洞を設けることによりクッション性を出す方法では対応しきれていなかったハイライトのグラデーションにおけるムラを防止することができる。また、フィルム内部に空洞がないので発泡フィルムを用いた場合の熱転写時に問題となっていた、昇華リボンと受像シートとを剥離する時に、受像シートのフィルム内部の薄肉部分が破れて昇華リボンに貼り付くというトラブルを生じることがない。
【0020】
無延伸ポリプロピレンフィルムの厚さは15〜80μmが好ましい。厚さが15μm未満であると、柔軟性を付与するという効果が得られない。また、フィルムのコシがなくなり伸びやすくなるので、基材への積層が困難になり生産性が劣る。一方、厚さが80μmを越えると、コストがかかる割には柔軟性を付与するという効果は変わらないので好ましくない。さらに、受像シート全体の適正な厚さを考慮すると、基材の厚さをその分薄くしなければならなくなり、受像シート全体のコシがなくなるため好ましくない。
【0021】
なお、無延伸ポリプロピレンフィルム自体はコシのない柔らかいフィルムであるので、コシの強さを出し、強度を補填するため、紙のような剛性の高い基材と組み合わせて使用することが好ましい。
【0022】
無延伸ポリプロピレンフィルムは、JIS K7127に基づく引張弾性率が0.6〜0.9GPaであることが好ましい。引張弾性率が0.9GPaを超えると、軟らかさ、すなわち柔軟性が不足することで、印画時に昇華リボンと受容層表面が密着しなくなり、画質が悪化する。また、ハイライトのグラデーションにおけるムラが生じるおそれがある。一方、0.6GPa未満であるとフィルムのコシがなくなって伸びやすくなるので、基材上への積層が困難になり、生産性が劣る。
【0023】
無延伸ポリプロピレンフィルムに酸化チタンを含有させることが好ましい。これにより白色度が増し、得られる画像のコントラストが高くなる。ちなみに、コントラストを上げるための手段として、受容層に酸化チタン等の白色顔料を入れることも考えられるが、酸化チタンの良好な熱伝導性のために、ミクロ的に酸化チタンが存在するところと存在しないところとで受容層内に熱伝導のムラが生じ、それが画像のムラの原因となるため、好ましくない。本発明に好適な酸化チタン含有無延伸ポリプロピレンフィルムとしては、二村化学製FCMN−VWやFCMK−VWが挙げられる。
【0024】
さらに柔軟性を付与し、受容層との接着性を向上させるため、図2に示すように、受容層3と無延伸ポリプロピレンフィルム2との間に中間層4を設けてもよい。中間層としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレン等の合成ゴム、および、エチレン酢酸ビニル、飽和ポリエステル、エポキシ樹脂等の柔軟性や弾性を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。中でもガラス転移点(Tg)が15℃以下のものが好ましい。
【0025】
柔軟性を付与する観点からは合成ゴム、特にSBRが好ましく、無延伸ポリプロピレンフィルムの柔軟性を損なわずに基材との接着力を向上させる観点からは、ショアー硬度(ASTM D−2240)が30以下、好ましくは20以下の飽和ポリエステル樹脂が好ましい。市販品としては、日本ゼオン製のSBRではNipol LX430(Tg:12℃)、東洋紡績製の飽和ポリエステル樹脂ではバイロン300(Tg:7℃、ショアーD硬度25)、バイロン500(Tg:4℃、ショアーD硬度20)、バイロン530(Tg:5℃、ショアーD硬度20)、バイロン560(Tg:7℃、ショアーD硬度20)およびバイロン630(Tg:7℃、ショアーD硬度20)が挙げられる。
【0026】
さらに受像シートに柔軟性を付与するため、図3に示すように、無延伸ポリプロピレンフィルム2と基材1との間に発泡ポリプロピレンフィルム5を設けるか、または、図4に示すように、無延伸ポリプロピレンフィルム2を設けたのとは反対側の基材1の面上に発泡ポリプロピレンフィルム5を設けてもよく、さらに、必要に応じて、図3と図4の両方に示す位置に発泡ポリプロピレンフィルムを設けてもよい。これにより無延伸ポリプロピレンフィルムのきめの細かい軟らかさを維持しつつ、発泡ポリプロピレンフィルムで無延伸ポリプロピレンフィルムが対応する軟らかさよりも大きな動きに対応するクッション性を得ることができる。具体的に発泡ポリプロピレンフィルムとしては、東レ製トレファンBOYP56、東洋紡績製P4256、エクソンモービル製MH647、東セロ製NW−2等が挙げられる。
【実施例】
【0027】
[実施例1]
基材としての三菱製紙製A-2コート(厚さ165μm)上に、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績製パイレンフィルム−CT P1128、厚さ:30μm、JIS K7127による弾性率:タテ0.62GPa、ヨコ0.63GPa)を、ウレタン系接着剤を塗布量5g/mで使用してドライラミネーションして積層させた。
さらに、上記無延伸ポリプロピレンフィルム上に、下記組成の受像層用インクを塗布量が5.0g/mとなるようにメイヤバーで塗工、乾燥して受容層を形成し、図1の構造を有する熱転写受像シートを作製した。
<受容層用インク>
デンカビニル#1000A 16.4重量部
(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、電気化学工業製)

X−22−3000T 1.4重量部
(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業製)
トルエン/メチルエチルケトン(1:1) 82.2重量部
合計 100.0重量部
【0028】
[実施例2]
実施例1の無延伸ポリプロピレンフィルムを、酸化チタン入り無延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学製FCMN-VW、厚さ:30μm、JIS K7127による弾性率:タテ0.85GPa、ヨコ0.80GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
【0029】
[実施例3]
三菱製紙製A-2コート(厚さ165μm)上に、下記組成の中間層用インクを塗布量が5.0g/mとなるようにメイヤバーで塗工、乾燥して中間層を形成した後に、実施例2で記載した受容層を形成した以外は、実施例2と同様にして図2の構造を有する熱転写受像シートを作製した。
<中間層用インク>
バイロン530 15.0重量部
(東洋紡績製、飽和ポリエステル樹脂、Tg:5℃、ショアーD硬度20)
トルエン/メチルエチルケトン(1:1) 85.0重量部
合計 100.0重量部
【0030】
[実施例4]
実施例3の中間層用インクの配合を下記のように変更した以外は実施例3と同様にして熱転写受像シートを作製した。
<中間層用インク>
Nipol LX430(日本ゼオン製SBR、Tg:12℃) 78.0重量部
ダイアロマーSP8020−1 22.0重量部
(大日精化製ウレタンシリコーン共重合体)
合計 100.0重量部
【0031】
[実施例5]
基材としての三菱製紙製A-2コートを厚さ110μmのものに変更し、基材の一方の面上に、エクソンモービル製MH647(発泡ポリプロピレンフィルム、厚さ52μm、比重0.70)を、ウレタン系接着剤を塗布量5g/mで使用しドライラミネーションして積層した後、その上に無延伸ポリプロピレンフィルムを設けた以外は実施例2と同様にして、図3の構造を有する熱転写受像シートを作製した。
【0032】
[実施例6]
エクソンモービル製MH647を積層する位置を、無延伸ポリプロピレンフィルムを設けるのとは反対側の三菱製紙製A-2コート上に変更した以外は実施例5と同様にして、図4の構造を有する熱転写受像シートを作製した。
【0033】
[比較例1]
実施例1の無延伸ポリプロピレンフィルムを、別の無延伸ポリプロピレンフィルム(東レ製トレファン3520、厚さ:30μm、JIS K7127による弾性率:タテ0.54GPa、ヨコ0.49GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
【0034】
[比較例2]
実施例1の無延伸ポリプロピレンフィルムを、さらに別の無延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学製FP、厚さ:25μm、JIS K7127による弾性率:タテ1.12GPa、ヨコ1.08GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
【0035】
[比較例3]
実施例1の無延伸ポリプロピレンフィルムを、発泡延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学製OPL−BT、厚さ:35μm、JIS K7127による弾性率:タテ1.57GPa、ヨコ3.23GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
【0036】
[比較例4]
実施例1の無延伸ポリプロピレンフィルムを、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学製FONA、厚さ:30μm、JIS K7127による弾性率:タテ2.30GPa、ヨコ4.40GPa)に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
【0037】
[評価方法]
(生産性の評価)
上記各実施例および比較例において、基材とそれぞれのフィルムとの積層の容易性について評価した。評価基準は以下のとおりとした。結果を表1および2に示す。
○:無延伸ポリプロピレンフィルムの積層も含めて、通常の生産スピード(30m/min)ではまったく問題なく積層することができた。
×:通常の生産スピードでは無延伸ポリプロピレンフィルムが伸びるか、もしくはシワが入ってしまい、うまく積層させることができなかった。
【0038】
(画質の評価)
上記各実施例および比較例で得られた受像シートを100×140mmのサイズに切断した。ソニー製の昇華型熱転写プリンターCVP-G7に同プリンター用昇華型熱転写リボンをセットして、上記受像シートに32階調のグラデーション印画を行い、画質ムラを目視で判断した。評価基準を以下のとおりとした。結果を表1および2に示す。なお、本評価では、1階調から32階調へいくにしたがい、濃度の薄い領域から濃い領域になるものとする。
◎:すべての階調においてムラなし
○:1〜2階調においては若干ムラが有るが、その他においてはムラなし
×:3階調以降においてもムラ有り
【0039】
(フィルム強度の評価)
上記プリンターと上記昇華型熱転写リボンを使用して、最大エネルギーでイエロー、マゼンタおよびシアンを重ねた黒ベタを印画した後、リボンを剥離して受像シートのフィルムが破れてリボンに貼り付かないかどうかを、N=10でテストした。評価基準は以下のとおりとした。結果を表1および2に示す。
○:まったく問題なし
×:フィルムが破れてリボンに貼り付くものがあった
【0040】
(白色度の評価)
上記各実施例および比較例で得られた受像シートの受容層面のハンター白色度を、日本電色工業製の分光色差計NF−777を使用して求めた。白色度の数値が高いほど白く、また、白色度が高いとコントラストのよい画像を得ることができる。評価基準は以下のとおりとした。結果を表1および2に示す。
◎:90%以上
○:80%以上90%未満
×:80%未満
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施態様にかかる熱転写受像シートの構造を示す断面図である。
【図2】本発明の別の実施態様にかかる熱転写受像シートの構造を示す断面図である。
【図3】本発明の別の実施態様にかかる熱転写受像シートの構造を示す断面図である。
【図4】本発明の別の実施態様にかかる熱転写受像シートの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1:基材
2:無延伸ポリプロピレンフィルム
3:受容層
4:中間層
5:発泡ポリプロピレンフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面上に受容層を有する熱転写受像シートにおいて、前記基材と前記受容層との間に無延伸ポリプロピレンフィルムを設けたことを特徴とする熱転写受像シート。
【請求項2】
基材が紙である請求項1記載の熱転写受像シート。
【請求項3】
無延伸ポリプロピレンフィルムのJIS K7127に基づく引張弾性率が0.6〜0.9GPaである請求項1または2記載の熱転写受像シート。
【請求項4】
無延伸ポリプロピレンフィルムが酸化チタンを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受像シート。
【請求項5】
さらに、受容層と無延伸ポリプロピレンフィルムとの間に中間層を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写受像シート。
【請求項6】
さらに、基材と無延伸ポリプロピレンフィルムとの間、または、無延伸ポリプロピレンフィルムを設けたのとは反対側の基材の面上の少なくとも一方に、発泡ポリプロピレンフィルムを設けた請求項1〜5のいずれかに記載の熱転写受像シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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