説明

燃料電池発電方法及び燃料電池発電システム

【課題】 有機物をメタン発酵して発生した消化ガスから燃料電池、とりわけ固体高分子型燃料電池に適した含水素ガスを製造して燃料電池に供給し、高効率で発電する方法及び発電システムを提供する。
【解決手段】 有機物aをメタン発酵させるメタン発酵工程Aと、メタン発酵工程Aにて生成した消化ガスを改質して含水素ガスを製造するガス処理工程Bと、燃料電池発電工程Cとからなり、ガス処理工程Bは、メタン発酵工程Aで得られた消化ガス中の硫化水素及び塩化水素等の酸化ガスを吸着及び/又は吸収除去するガス前処理工程1と、前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する改質工程2と、改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する変成工程3と、変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する選択酸化工程4と、選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する二酸化炭素水吸収工程5を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物のもつ化学エネルギーを水素ガスの形で回収する技術、さらには高効率で電気エネルギーに変換する、エネルギー変換技術に係り、特に比較的高濃度の有機性廃液や有機物スラリー等の有機性廃棄物をメタン発酵し、得られた消化ガスから水素ガス又は含水素ガスを製造するシステム、さらには製造した含水素ガスを燃料電池に供給して発電する発電システムに関するものである。ここで、有機性廃棄物には食品製造廃液、畜産排水や下水処理場等で発生する余剰汚泥などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護の意識が高まる中、有機性廃棄物のメタン発酵処理等で得られた消化ガス又はバイオガスを含水素ガスに改質して燃料電池を用いて発電する試みがなされている。例えば、消化ガスを改質して水素含有率が70〜80%の含水素ガスを製造し、これを燃料ガスとして燃料電池のアノードに、そして、空気を酸化剤ガスとして燃料電池のカソードにそれぞれ供給して発電する技術が知られている。ここでは、改質工程の加熱源はアノードオフガスとカソードオフガスを燃焼器で燃焼した燃焼熱によってまかなわれている。
【0003】しかしながら、前記従来技術では、燃料ガスの水素含有率が低いために燃料電池システムは複雑になり効率が低い問題や、発電に有効利用される水素の発電利用率が低い等の問題を抱えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の事情に鑑み、本発明は、有機物をメタン発酵して発生した消化ガスから燃料電池、とりわけ固体高分子型燃料電池に適した含水素ガスを製造して燃料電池に供給し、高効率でしかも環境負荷の少ない燃料電池発電方法及び燃料電池発電システムを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、図1及び図2に示す有機物のメタン発酵によって発生した消化ガスを燃料電池に適した高品質の水素ガス又は含水素ガスを効率よく製造し燃料電池を用いて発電する、燃料電池発電方法及び燃料電池発電システムを提供する本発明の完成に至った。
【0006】即ち、本発明の1態様は、有機物をメタン発酵させるメタン発酵工程と、該メタン発酵工程にて生成した消化ガスを改質して含水素ガスを製造するガス処理工程と、燃料電池発電工程とからなる有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法である。前記ガス処理工程は、ガス前処理工程と、改質工程と、変成工程と、選択酸化工程と、二酸化炭素水吸収工程と、二酸化炭素アミン吸収工程とからなる。
【0007】詳しくは、前記メタン発酵工程で得られた消化ガスをガス前処理工程にて硫化水素及び微量の塩化水素等の酸性ガスを吸着及び/又は吸収除去する。次いで、改質工程にて前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する。ここで、前記消化ガス又は前処理後ガスの一部を燃料として燃焼器で燃焼し、得られた燃焼熱によって改質反応熱の供給と反応温度の維持を行う。そして、変成工程にて改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する。次いで、選択酸化工程にて変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する。次いで、二酸化炭素水吸収工程にて選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する。次いで、二酸化炭素アミン吸収工程にて残留の二酸化炭素をアミン吸収液と接触させて吸収分離する。そして、前記二酸化炭素アミン吸収工程で得られた含水素ガスを燃料ガスとして、また、含酸素ガスを酸化剤ガスとしてそれぞれ燃料電池発電工程における燃料電池スタックのアノードとカソードに供給して発電する。また、燃料電池発電工程から排出されるアノードオフガスを燃料電池発電工程に循環使用する。
【0008】また、本発明の他の態様においては、前記二酸化炭素水吸収工程にて得られた含水素ガスを燃料ガスとして、含酸素ガスを酸化剤ガスとしてそれぞれ燃料電池発電工程における燃料電池スタックのアノードとカソードに供給して発電し、一方で燃料電池工程から排出されるアノードオフガスを二酸化炭素水吸収工程に返送し、アノードオフガス中の二酸化炭素を吸収分離して燃料電池発電工程に循環使用することもできる。ここでは、二酸化炭素アミン吸収工程が不要である。また、前記燃料電池スタックより排出されるカソードオフガスを改質工程に送り助燃剤として利用することもできる。なお、本発明では、燃料電池発電工程で用いる燃料電池は、固体高分子型燃料電池又は燐酸型燃料電池が好適である。
【0009】有機物のメタン発酵によって得られる消化ガスは有機物の種類やメタン発酵条件によって異なるが、一般に主成分としてメタンが60〜70%、二酸化炭素が30〜40%、水素が0〜2%、窒素が0〜2%含まれ、また、微量成分として硫化水素及び塩化水素が数十〜数百ppmの範囲において含まれている。ところが、燃料電池に供給する水素ガスとして高い水素濃度は勿論のこと、できるだけ低い一酸化炭素濃度が要求され、とりわけ固体高分子型燃料電池の場合には、一酸化炭素を100ppm以下、望ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下にする必要がある。また、酸性ガス、特に硫化水素と塩化水素は燃料電池の電極触媒の他に、次工程の各種ガス吸収剤、吸着剤及び各種触媒を被毒するので、1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下に取除くことが必要である。また、水素濃度をできるだけ高めるために二酸化炭素等のガス成分をも分離することが必要である。
【0010】本発明では、硫化水素や塩化水素等の酸性ガスに対しては、ガス前処理工程を設けて吸収及び/又は吸着により除去する。さらに、硫化水素が許容濃度以上に残留する場合は次工程の改質反応器の前段に吸着塔を設けてさらに吸着除去することもできる。一酸化炭素に対しては変成工程と選択酸化工程を設け、まずCOを変成工程で水蒸気と触媒反応させて水素と二酸化炭素に変成し、そして残留のCOをさらに選択酸化工程で除去する。二酸化炭素に対しては二酸化炭素水吸収工程と二酸化炭素アミン吸収工程の2段吸収を設ける。通常、メタン発酵処理が他の水処理、例えば下水処理とシステムを構成するので、大量の処理水が該システムから排出されるのが一般的である。該処理水が一定のCO吸収能力を有することから、本発明では前記処理水を選択酸化後ガス中の二酸化炭素の吸収液として利用し、前記二酸化炭素の60%以上、望ましくは90%以上吸収除去する。残りの二酸化炭素はアミン吸収工程にてアミン吸収液によって吸収分離する。なお、アミン吸収液の再生熱には高温改質ガスのもつ顕熱を利用する。
【0011】また、窒素については処理する有機物の種類によって異なるが、燃料電池発電工程に供給する水素ガス又は含水素ガス中の窒素の初期濃度が0〜数千ppm程度になる。窒素ガスを分離する工程を特に設けない場合には窒素ガスが系内に蓄積することになるので、排出することが必要である。また、前記改質工程で改質しきれなかったメタンと、選択酸化工程で除去しきれなかった微量の残留COも窒素と同様に燃料電池に供給する含水素ガスに蓄積するので、本発明ではメタン、窒素ガス及びCOガスが最も濃縮されているアノードオフガスの10%程度を常時系外に排出することによって、燃料電池発電工程に供給する含水素ガス中のメタンガスと窒素濃度をそれぞれ5%以下に、CO濃度を100ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下に保つ。なお、系外に排出したアノードオフガスに対しては水素分離工程を設けて水素を分離し系内に返送することができ、また、改質工程の燃料として用いることもできる。用いる水素分離方法としては圧力スイング吸着法(PSA法)、膜分離法や水素吸蔵合金精製法などが挙げられる。
【0012】本発明では燃料電池発電工程のスタックにおける供給含水素ガスの水素消費率(即ちアノードオフガス中の水素量を供給含水素ガス中の水素量で割った値)を約70%に設定する場合、前記供給含水素ガスの水素量に対する前記排出ガス中の水素量の割合が約3%にとどまる。よって、本発明では製造した水素ガスの発電における利用率が95%以上に達する。また、本発明では消化ガス又は前処理後ガスの一部を分岐し燃料ガスとして改質工程に供給するので、従来技術に比べて改質工程に送る改質フィードガスの量が20〜30%少ない。前記改質フィードガスを昇圧して改質する場合には昇圧動力が20〜30%削減できる。また、改質するメタンの量が少ないので、改質器に供給すべき改質熱を20〜30%削減することもできる。
【0013】本発明はかくして、燃料電池発電システムのエネルギー効率を高め、経済性を改善する。以下、各工程について詳しく説明する。
A)メタン発酵工程本発明では有機物、とりわけ食品製造廃液、畜産排水や下水等の生物処理プロセスで発生する余剰汚泥などの有機性廃棄物をメタン発酵し、得られた消化ガスから水素ガス又は含水素ガスを製造して燃料電池に供給し発電すると同時に、燃料電池発電工程で発生する排熱をメタン発酵工程の加熱源に利用するようにしている。メタン発酵工程では嫌気条件下における微生物の消化作用により有機物の約50%が20〜30日間の滞留時間で下記反応式のように分解され、メタンガス及び炭酸ガスなどが発生する。
有機物 → 低級脂肪酸 → CH+ CO(1)
メタン発酵工程の条件については特に限定するものではないが、滞留時間と効率の点から温度が30〜35℃の中温発酵が好適である。ここで、発酵液の加熱及び温度維持の熱源として燃料電池発電工程のスタック排熱を用いる。
【0014】B)ガス処理工程1)ガス前処理工程本発明においては、硫化水素と塩化水素ガスをそれぞれ1ppm以下、望ましくは0.1ppm以下に除去する目的でガス前処理工程を設ける。前処理工程はスクラバと乾式脱硫器によって構成される。スクラバに用いる洗浄水としては処理水又は市水または工水を用いるが、洗浄補給水には0.05〜5%のカ性ソーダを添加したアルカリ性溶液がなお好適である。洗浄補給水としてカ性ソーダ溶液を用いる場合、酸性ガスが下記の中和反応によって吸収除去される。
S + NaOH → NaHS + HO (2)
HCl + NaOH → NaCl + HO (3)
前記スクラバの操作条件や運転管理によっては微量の硫化水素がスクラバ後のガスに残留する恐れがある。硫化水素による改質工程の改質触媒の被毒を防ぐために、高度脱硫手段として硫化水素を吸着除去する乾式脱硫器を設ける。本発明で用いる脱硫器は容器に脱硫剤を充填してなる。用いる容器の形状及び材質は特に限定されるものではないが、形状として円筒状が望ましく、材質としてステンレス鋼が望ましい。また、用いる脱硫剤としては酸化鉄や酸化亜鉛等の酸化物、又は活性炭、特にアルカリ剤を表面に担持した活性炭等が好適である。脱硫剤の形状として粒状、ペレット状やハニカム状が好ましい。酸化鉄を用いる場合の脱硫反応を下記に記す。
Fe + 3HS → Fe + 3HO (4)
【0015】2)改質工程本発明では改質工程を設け、変成触媒を充填した改質反応器にて下記の水蒸気改質反応(水蒸気リフォーミング反応とも云う)を行う。
CH+ HO → CO + 3H(5)
反応に必要な水蒸気として、改質後ガスの顕熱を熱源とする蒸気ボイラで発生した水蒸気を添加する。水蒸気添加量としては水蒸気対メタンのモル比(即ちS/C比)が2.5〜3.5の範囲が好適である。上記変成反応は吸熱反応なので、反応温度を高くすればメタンの平衡濃度が低くなるし反応速度も速くなるが、逆に熱効率が下がるので反応温度として700〜800℃の範囲が望ましい。なお、反応熱の供給と反応温度の維持は消化ガス又は前処理後ガスの一部を燃料として燃焼器で燃焼し得られた燃焼熱によって行う。触媒としては変成反応を促進するものであれば種類と形状のいずれも限定されるものではないが、前記温度範囲に適した触媒としてNi系、Ru系、Pt系、Ni−Ru系やRu−Pt系又はこれらの複合系水蒸気改質触媒が挙げられる。
【0016】3)変成工程本発明では変成工程を設け、変成触媒を充填した変成反応器にて下記の変成反応(シフト反応とも云う)を行う。
CO + HO → CO+ H(6)
反応に必要な水蒸気として改質後ガス中の水蒸気成分を利用する。上記変成反応は発熱反応なので、反応温度を低くすれば一酸化炭素の平衡濃度が低くなるが、逆に反応速度が遅くなるので、反応温度として200〜250℃の範囲が望ましい。触媒としては変成反応を促進するものであれば種類と形状のいずれも限定されるものではないが、前記温度範囲に適した触媒としてCu−Zn系変成触媒などが挙げられる。
【0017】4)選択酸化工程本発明においては、選択酸化工程を設けて変成後ガス中の一酸化炭素を100ppm以下、望ましくは10ppm以下、さらに望ましくは1ppm以下に下げる。即ち、選択酸化触媒を充填した選択酸化反応器に前記ガスを導きながら酸素ガスを供給して下記の選択酸化反応を行う。
CO + 1/2O→ CO(7)
供給する酸素の量は多い程、一酸化炭素の残留濃度が低くなるが、一酸化炭素に対して1.5〜3当量前後が望ましい。また、反応温度として10〜180℃の範囲が望ましく、触媒としては一酸化炭素に対する選択酸化性が優れ、しかも反応速度が高いものであれば何でもよいが、白金系触媒又はアルミナ担体に金を担持させた金触媒等が好適である。なお、過剰の残留酸素ガスに対してはさらに水素と触媒燃焼させて10ppm以下に除去することが望ましい。
【0018】5)二酸化炭素水吸収工程二酸化炭素水吸収工程を設け、メタン発酵システムや下水処理システムから排出される処理水を利用して選択酸化後ガス中の二酸化炭素の60%以上、好ましくは90%以上除去する。用いる処理水のpHが高いほど、また、温度と溶存炭酸濃度及び溶存重炭酸イオン濃度が低いほど該処理水の炭酸ガスに対する吸収能力が高くなる。水による二酸化炭素の吸収は炭酸ガスの水への溶解と溶解した炭酸ガスの重炭酸根イオンへの移行という2段階からなり、かかる吸収反応を下記する。
O + CO → HCO(8)
CO + OH → HCO + HO (9)
本発明では、炭酸ガス吸収能力を上げるために、前記処理水の温度を冷却によって下げることと、pHをアルカリ剤の添加によって上げることができる。
【0019】6)二酸化炭素アミン吸収工程本発明においては二酸化炭素アミン吸収工程を設け、前工程で得られた含水素ガス又は次工程の燃料電池発電工程で排出されたアノードオフガスを吸収塔に導き吸収液と接触させてCOを吸収分離する。吸収液としては熱炭酸カリウム吸収液またはアルカノールアミン吸収液が好適であるが、本発明では吸収能力が強いアルカノールアミン吸収液がなお好適であり、具体的な吸収剤としてモノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)などが挙げられる。アルカノールアミン吸収液による吸着反応を下記に記す。
R−NH+ HO + CO → R−NHHCO(10)
前記反応は放熱反応なので吸収温度が低い程有利であるが、温度制御が比較的容易な12〜40℃の範囲が好適である。ガス圧力はいうまでもなく高いほど有利であるが、本発明においては、前記強力な吸収液を用いて、常圧〜10気圧程度の圧力範囲においてCOを1000ppm以下、望ましくは100以下に吸収分離する。また、前記吸収液が吸収飽和したら、吸収液を再生塔に移送し100〜150℃の温度にて再生を行い、COガスを回収すると共に、再生後の吸収液を吸収塔に返送する。再生時吸収液を加熱するのに必要な熱源として、改質工程の蒸気ボイラで回収される蒸気を用いる。
【0020】C)燃料電池発電工程本発明においては、ガス処理工程で製造された含水素ガスの温度が比較的低く、水素濃度が高く、しかも一酸化炭素の含有率が低いことから、用いる燃料電池として比較的低い温度で作動する燐酸型燃料電池、とりわけ固体高分子型燃料電池が好適である。燐酸型又は固体高分子型燃料電池の場合における電池反応を下記に記す。
アノード反応:H→ 2H+ 2e (11)
カソード反応:1/2O+ 2H+ 2e → HO (12)
即ち、含水素ガスを燃料電池スタックのアノード極室に、含酸素ガスをカソード極室にそれぞれ供給し上記電池反応により発電する。燐酸型燃料電池と固体高分子型燃料電池の作動温度がそれぞれ200℃前後と80℃前後であるが、前記電池反応が発熱を伴うので、前記作動温度を保つためにはスタックを冷却する必要がある。本発明においては、スタック冷却温水をメタン発酵液の加熱源として用いることによりシステム全体のエネルギー効率を高めることが出来る。また、燃料電池発電において発電効率とスタックの耐久性を確保するために、スタックのアノード極室に送った水素ガスは100%消費せずに、30%程度を残しアノードオフガスとしてスタックより排出するようにしているのが一般的である。本発明においては、アノードオフガスをそのまま又はCO水吸収工程にて二酸化炭素を吸収した後に燃料電池スタックに循環利用できるので、水素利用効率ひいては燃料電池発電効率が高い等の特徴がある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る有機物のメタン発酵による燃料電池発電システムの実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1乃至図4において、同一又は対応する工程又は部材には、同一の符号を付し、重複する説明が省略される。図1は本発明の燃料電池発電システムを示す概略図である。図示するように、本発明の燃料電池発電システムにおいては、有機物aをメタン発酵工程Aで発酵させ、得られた消化ガスbをガス処理工程Bで処理して含水素ガスcを製造し、燃料電池発電工程Cに供給して発電する。
【0022】前記ガス処理工程Bは、メタン発酵工程で得られた消化ガス中の硫化水素及び塩化水素等の酸性ガスを吸着及び/又は吸収除去するガス前処理工程1と、前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する改質工程2と、改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する変成工程3と、変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する選択酸化工程4と、選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する二酸化炭素水吸収工程5と、残留の二酸化炭素をアミン吸収液と接触させて吸収分離する二酸化炭素アミン吸収工程6とを含んでいる。なお改質工程2の後のガスは、ボイラ11を通って変成工程3に送られる。
【0023】燃料電池発電工程Cではアノードに水素ガスcが供給され、カソードに酸素含有ガス(05)が供給される。そして、アノードオフガス(04)の一部は燃料電池発電工程Cにおけるアノードに供給されて循環利用され、残りは排出ガス(08)として排出される。カソードオフガス(06)は燃料電池発電工程Cから排出された後に改質工程2に送られ助燃剤として利用される。燃料電池のスタックを冷却した際のスタック排熱(07)は、メタン発酵工程Aに送られ、メタン発酵液の加熱源として用いられる。
【0024】図2は本発明のもう一つの燃料電池システムを示す概略図である。図示するように、有機物aをメタン発酵工程Aで発酵させ、得られた消化ガスbをガス処理工程Bで処理して含水素ガスcを製造し、燃料電池発電工程Cに供給して発電する。前記ガス処理工程Bは、メタン発酵工程で得られた消化ガス中の硫化水素及び塩化水素等の酸性ガスを吸着及び/又は吸収除去するガス前処理工程1と、前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する改質工程2と、改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する変成工程3と、変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する選択酸化工程4と、選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する二酸化炭素水吸収工程5とを含んでいる。図2に示す例においては、アノードオフガス(04)の一部は二酸化炭素水吸収工程5に返送されて利用され、残りは排出ガス(08)として排出される。また、カソードオフガス(06)は燃料電池発電工程Cから排出された後に改質工程2に送られ助燃剤として利用される。
【0025】図3は、本発明の第1実施例である燃料電池発電システムの基本構成図である。有機物aをメタン発酵工程Aで発酵させ、消化ガスbを生成し、消化ガスホルダー101に貯める。そして、消化ガスbを消化ガスブロワ102によって前処理工程1のスクラバ11に送り、ここで消化ガスbを洗浄水13と接触させて、消化ガス中の硫化水素や塩化水素等の酸性ガスを10ppm以下、望ましくは1ppm以下に除去する。洗浄水13を循環ポンプ12によってスクラバ11に循環させるが、洗浄水13の一部を洗浄廃液14として常時引抜くと同時に、同じ量の新しい洗浄補給水15を補給する。ここで、供給する洗浄補給水15には0.05〜5%のカ性ソーダを添加する。次いで、スクラバ11を出た洗浄ガス16を分岐し、改質フィードガス17を乾式脱硫器19へ送る。一方で燃料ガス18を改質工程2のバーナ23bへ送る。
【0026】乾式脱硫器19にてHSが0.1ppm以下、好ましくは0.01ppm以下に除去された改質フィードガスが圧縮機21によって10気圧以下の圧力に昇圧されて改質工程2へ送られ、熱交換器22で燃焼排ガス25bによって予熱された後、蒸気ボイラ26で発生した改質用蒸気27と合流して改質器23の触媒充填層23aに入る。触媒充填層23aでメタンが水蒸気との改質反応によって水素と一酸化炭素に改質される。改質反応は700〜800℃における吸熱反応なので、前記燃料ガス18と含酸素ガス25aとをバーナ23bによって燃焼させ、前記反応熱を供給する。改質後高温ガス24aを蒸気ボイラ26に導入し改質用蒸気27及び後段の二酸化炭素アミン吸収工程の吸収液再生用蒸気28aを発生する。次いで、150〜200℃に冷却された改質後ガス24bを変成工程3の変成反応器31に導き、一酸化炭素と水蒸気を200〜250℃での触媒反応によって二酸化炭素と水素とに変成させ、一酸化炭素の濃度を1%以下、好ましくは0.5%以下に下げる。
【0027】次いで、変成後ガス32をガスクーラ33で約150℃に冷却した後、添加する酸素ガス41と合流して選択酸化工程4の選択酸化器42に導き、ここでガス中の残留COが酸素ガス41との選択的酸化反応によって100ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下に除去される。なお、過剰の酸素が水素との触媒燃焼反応によって10ppm以下に除去される。選択酸化後ガス43をCO水吸収工程5の吸収塔51に送る。吸収塔51で選択酸化後ガス43と送液ポンプ54によって送られるCO吸収原水53とを接触させることによって、ガス43中のCOを60%以上、好ましくは90%以上吸収し、吸収後水(炭酸吸収水)55と共に系外へ排出する。一方、CO水吸収後ガス52を次工程のCOアミン吸収工程6の吸収塔61aに送る。
【0028】二酸化炭素アミン吸収工程6では、前記変成後ガスと再生後吸収液63aとを接触させて二酸化炭素を0.1%以下、望ましくは0.01%以下に除去する。同時に、該工程で硫化水素や塩化水素等の酸性ガスがさらに除去される。一方、吸収後吸収液63bを熱交換器64aを経て再生塔61bに導き、熱交換器64cにて蒸気28aによって100〜150℃に加熱し吸収液を再生すると共に炭酸ガス67を回収する。また熱交換器64cから復水28bを蒸気ボイラ26に返送する。再生後吸収液63aを送液ポンプ65によって、熱交換器64a及びガスクーラ64bを経て再び吸収塔61aに送る。なお、符号66bは吸収補給液である。
【0029】次いで、二酸化炭素アミン吸収工程6を出たCO吸収後ガス62を活性炭吸着塔68で微量のアンモニアガスを除去した後水素ガスホルダー69を経て、燃料電池発電工程Cの燃料電池スタック71のアノード極室に供給し、そして、空気72を空気ブロワ73によってスタック71のカソード室に供給して発電する。符号78は発電電力出力である。本実施例では、スタック71のカソード室より排出されるカソードオフガス74を改質工程2の助燃剤として利用することができる。また、スタック71のアノード極室から排出されるアノードオフガス76の10%程度を排出ガス(08)として系外に排出すると共に、残りの90%をエジェクタ75を経由してスタック71のアノードに循環利用する。また、スタック71の冷却水出口77aをメタン発酵工程Aのメタン発酵槽A1に循環し、該スタック冷却水と発酵液との熱交換によってスタック排熱を有効利用する。そして、熱交換後のスタック冷却水はスタック71の冷却水入口77bに戻る。
【0030】図4は本発明の第2実施例である燃料電池発電システムの基本構成図である。本実施例では、前記第1実施例で説明したCO水吸収後ガス52を含水素ガスホルダー69を経由して燃料電池発電工程Cへ送る。つまり、ここではCOアミン吸収工程を設けない。なお、アノードオフガスの90%をブロワ56によってCO水吸収工程5の吸収塔51へ返送する。実施例2のシステムは実施例1のシステムに比べてCOアミン吸収工程が不要になる利点があるが、逆にCO水吸収工程5の負荷が大きくなる欠点と、燃料電池発電工程Cへ送る含水素ガスの水素含有率が低い欠点を有する。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、有機物をメタン発酵し、生成した消化ガスを改質して燃料電池発電に適した高品質の含水素ガスを製造し、燃料電池発電を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一の燃料電池発電システムの説明図である。
【図2】本発明による第二の燃料電池発電システムの説明図である。
【図3】本発明の第1実施例である燃料電池発電システムの基本構成図である。
【図4】本発明の第2実施例である燃料電池発電システムの基本構成図である。
【符号の説明】
A メタン発酵工程
A1 メタン発酵槽
B ガス処理工程
C 燃料電池発電工程
1 ガス前処理工程
2 改質工程
3 変成工程
4 選択酸化工程
5 二酸化炭素水吸収工程
6 二酸化炭素アミン吸収工程
a 有機物
b 消化ガス
c 含水素ガス
01 炭酸吸収原水
02 炭酸吸収水
03 炭酸ガス
04 アノード オフガス
05 含酸素ガス
06 カソード オフガス
07 スタック排熱
08 排出ガス
11 スクラバ
12 洗浄水ポンプ
13 洗浄水
14 洗浄廃液
15 洗浄補給水
16 洗浄後ガス
17 改質フィードガス
18 燃料フィードガス
19 乾式脱硫器
21 コンプレッサ
22 熱交換器
23 改質反応器
23a 改質触媒充填層
23b バーナ
24a 改質後ガス
24b 熱交換後改質ガス
25a 空気又はカソードオフガス
25b 燃焼排ガス
25c 熱交換後排ガス
26 蒸気ボイラ
27 改質用蒸気
28a アミン吸収液再生用蒸気
28b 復水
29 ブロー
31 変成反応器
32 変成後ガス
33 ガスクーラ
41 酸素ガス
42 選択酸化反応器
43 選択酸化後ガス
51 二酸化炭素水吸収塔
52 水吸収後ガス
53 炭酸吸収原水
54 送水ポンプ
55 炭酸吸収水
56 アノードオフガス返送ブロワ
61a 二酸化炭素吸収塔
61b 吸収液再生塔
62 二酸化炭素吸収後ガス
63a 再生後吸収液
63b 吸収後吸収液
64a,b,c 熱交換器
65 吸収液送液ポンプ
66a 吸収廃液
66b 吸収補給液
67 炭酸ガス
68 活性炭吸着カラム
69 水素ガス ホルダー
71 燃料電池スタック
72 含酸素ガス
73 空気ブロワ
74 カソード オフガス
75 エジェクタ
76 アノード オフガス
77a スタック冷却水出口
77b スタック冷却水入口
78 発電電力出力
101 消化ガス ホルダ−
102 消化ガスブロワ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機物をメタン発酵させるメタン発酵工程と、該メタン発酵工程にて生成した消化ガスを改質して含水素ガスを製造するガス処理工程と、燃料電池発電工程とからなる有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法であって、前記ガス処理工程は、メタン発酵工程で得られた消化ガス中の硫化水素及び塩化水素等の酸性ガスを吸着及び/又は吸収除去するガス前処理工程と、前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する改質工程と、改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する変成工程と、変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する選択酸化工程と、選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する二酸化炭素水吸収工程と、二酸化炭素水吸収工程で残留した二酸化炭素をアミン吸収液と接触させて吸収分離する二酸化炭素アミン吸収工程とを含み、前記燃料電池発電工程は、前記二酸化炭素アミン吸収工程で得られた含水素ガスを燃料ガスとし、含酸素ガスを酸化剤ガスとしてそれぞれ燃料電池スタックのアノードとカソードに供給して発電することを特徴とする有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項2】 前記消化ガス又は前記ガス前処理工程後における脱硫後ガスの一部を燃料として燃焼器で燃焼し、得られた燃焼熱によって前記改質工程における改質反応熱の供給と反応温度の維持を行うことを特徴とする請求項1記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項3】 前記燃料電池発電工程から排出されるアノードオフガスを燃料電池発電工程に循環使用することを特徴とする請求項1記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項4】 前記燃料電池スタックより排出されるカソードオフガスを請求項1に記載の改質工程に送り助燃剤として利用することを特徴とする有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項5】 有機物をメタン発酵させるメタン発酵工程と、該メタン発酵工程にて生成した消化ガスを改質して含水素ガスを製造するガス処理工程と、燃料電池発電工程とからなる有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法であって、前記ガス処理工程は、メタン発酵工程で得られた消化ガス中の硫化水素及び塩化水素等の酸性ガスを吸着及び/又は吸収除去するガス前処理工程と、前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する改質工程と、改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する変成工程と、変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する選択酸化工程と、選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する二酸化炭素水吸収工程とを含み、前記燃料電池発電工程は、前記二酸化炭素水吸収工程にて得られた含水素ガスを燃料ガスとし、含酸素ガスを酸化剤ガスとしてそれぞれ燃料電池スタックのアノードとカソードに供給して発電することを特徴とする有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項6】 前記消化ガス又は前記ガス前処理工程後における脱硫後ガスの一部を燃料として燃焼器で燃焼し、得られた燃焼熱によって前記改質工程における改質反応熱の供給と反応温度の維持を行うことを特徴とする請求項5記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項7】 前記燃料電池発電工程から排出されるアノードオフガスを前記二酸化炭素水吸収工程に返送しアノードオフガス中の二酸化炭素を吸収分離して燃料電池発電工程に循環使用することを特徴とする請求項5記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項8】 前記燃料電池は、固体高分子型燃料電池又は燐酸型燃料電池であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電方法。
【請求項9】 有機物をメタン発酵させるメタン発酵槽と、該メタン発酵槽にて生成した消化ガスを改質して含水素ガスを製造するガス処理装置と、燃料電池とからなる有機物のメタン発酵による燃料電池発電システムであって、前記ガス処理装置は、メタン発酵槽で得られた消化ガス中の硫化水素及び塩化水素等の酸性ガスを吸着及び/又は吸収除去するスクラバ及び/又は乾式脱硫器と、前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する改質器と、改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する変成反応器と、変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する選択酸化器と、選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する第1吸収塔と、前記第1吸収塔から排出されたガス中に残留する二酸化炭素をアミン吸収液と接触させて吸収分離する第2吸収塔とを含み、前記燃料電池は、前記第2吸収塔で得られた含水素ガスを燃料ガスとし、含酸素ガスを酸化剤ガスとしてそれぞれ燃料電池スタックのアノードとカソードに供給して発電することを特徴とする有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。
【請求項10】 前記消化ガス又は前記スクラバから排出された脱硫後ガスの一部を燃料として燃焼器で燃焼し、得られた燃焼熱によって前記改質器における改質反応熱の供給と反応温度の維持を行うことを特徴とする請求項9記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。
【請求項11】 前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃料電池に循環使用することを特徴とする請求項9記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。
【請求項12】 前記燃料電池スタックより排出されるカソードオフガスを請求項9に記載の改質器に送り助燃剤として利用することを特徴とする有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。
【請求項13】 有機物をメタン発酵させるメタン発酵槽と、該メタン発酵槽にて生成した消化ガスを改質して含水素ガスを製造するガス処理装置と、燃料電池とからなる有機物のメタン発酵による燃料電池発電システムであって、前記ガス処理装置は、メタン発酵槽で得られた消化ガス中の硫化水素及び塩化水素等の酸性ガスを吸着及び/又は吸収除去するスクラバ及び/又は乾式脱硫器と、前処理後ガス中のメタンを水蒸気との触媒反応により水素と一酸化炭素に改質する改質器と、改質後ガス中の一酸化炭素を水蒸気との触媒反応により水素ガスと二酸化炭素に変成する変成反応器と、変成後ガス中の残留一酸化炭素を含酸素ガスとの触媒反応により選択的に酸化する選択酸化器と、選択酸化後ガス中の二酸化炭素を水又はアルカリ性溶液と接触させて吸収分離する吸収塔とを含み、前記燃料電池は、前記吸収塔にて得られた含水素ガスを燃料ガスとし、含酸素ガスを酸化剤ガスとしてそれぞれ燃料電池スタックのアノードとカソードに供給して発電することを特徴とする有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。
【請求項14】 前記消化ガス又は前記スクラバから排出された脱硫後ガスの一部を燃料として燃焼器で燃焼し、得られた燃焼熱によって前記改質器における改質反応熱の供給と反応温度の維持を行うことを特徴とする請求項13記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。
【請求項15】 前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを前記吸収塔に返送しアノードオフガス中の二酸化炭素を吸収分離して燃料電池に循環使用することを特徴とする請求項13記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。
【請求項16】 前記燃料電池は、固体高分子型燃料電池又は燐酸型燃料電池であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか1項に記載の有機物のメタン発酵による燃料電池発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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