説明

燃焼装置

【課題】架台の下部に配される部材が高温に晒されることを防止できる燃焼装置を提供する。
【解決手段】筐体10内部に載置部66を有した架台51を設けて、載置部66よりも上部に形成された空間に、燃焼ケース7を設置し、天面部62よりも下部に形成された空間に、樹脂製の配管、弁、ポンプ、樹脂製の容器、電気機器、電気配線等の非耐熱部材4を配置し、燃焼ケース7の二次熱交用ケース15と架台51の載置部66との間に空気層を設ける構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱回収型の燃焼装置に関するものである。特に、逆燃焼式を採用した潜熱回収型の燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、バーナーを燃焼させた際に発生する熱の熱交換効率を向上するべく、燃焼ガスの潜熱までも回収する潜熱回収型の燃焼装置が市場に普及している。この潜熱回収型の燃焼装置は、主に燃焼ガス中の水蒸気が液化する際に発生する熱を回収するものであるため、潜熱回収を行う熱交換器では、多量のドレンが発生する。そして、このドレンは、燃焼時に生成された窒素酸化物が溶け込んで、酸性を呈することが知られている。
【0003】
そのため、潜熱回収型の燃焼装置では、ドレンに対処するために顕熱を回収する熱交換器と、潜熱を回収する熱交換器を個別に搭載している。
前者の顕熱を回収する熱交換器は、一次熱交換器と称されており、一方、後者の潜熱を回収する熱交換器は、二次熱交換器と称されている。
【0004】
潜熱を回収する二次熱交換器は、ドレンの排出を促進するために、水管にフィンを設けず、裸管で作ることが推奨される。また、二次熱交換器の下部には、ドレンを外部に排出するための中和器などのドレン排出系統が設けられている。
【0005】
ところで、燃焼装置の一形態として、逆燃焼方式と称される形態がある(例えば特許文献1)。
即ち、逆燃焼方式は、バーナーを下方に向けて配置したものである。図20は、代表的な逆燃焼方式の燃焼装置200のレイアウトを示している。
【0006】
燃焼装置200は、図20に示すように、筐体201のほぼ中央に燃焼ケース202が配置され、その燃焼ケース202に燃焼部203と、一次熱交換器205と、二次熱交換器206とが内蔵されている。
また、燃焼装置200の筐体201の左側には、燃焼ガスを外部に排気する排気筒211が配されている。具体的には、その排気筒211は、燃焼装置200の筐体201の内外に渡るように配置されると共に、二次熱交換器206の上部左側に接続された配置である。
【0007】
即ち、燃焼部203で燃焼ガスが生成されると、その燃焼ガスは、まず、下方に向けて進行し、一次熱交換器205を通過して、二次熱交換器206に流入する。そして、二次熱交換器206に流入した燃焼ガスは、二次熱交換器206内で燃焼ガスの流れ方向を下方向から上方向に方向変換し、排気筒211を通過して、外部に排気される。
【0008】
また、一次熱交換器205と二次熱交換器206は、図21のようにそれぞれ燃焼ガスと熱交換する湯水が流れる一連した受熱管218が内蔵されており、その受熱管218と、燃焼ケース202の外部に位置する入水側配管222及び出湯側配管223とが、燃焼装置の筐体201内で一連した給湯系統220を形成している。入水側配管222及び出湯側配管223の中途には、水量調整弁や温度センサー等の非耐熱部材が配されている。
【0009】
燃焼装置200では、入水側配管222を通過した湯水が二次熱交換器206を流れた後、一次熱交換器205内を流れることによって、順次熱交換され、その後、出湯側配管223を介して給湯先に向けて供給される。
【0010】
また、燃焼ケース202であって、二次熱交換器206の内部には、二次熱交換器206の潜熱回収時に発生するドレンを回収する回収部(図示しない)が設けられ、当該回収部から燃焼装置200の下部側に向けてドレンを流すドレン排出系統212が接続されている。すなわち、このドレン排出系統212は、二次熱交換器206よりも筐体201の下方側に位置するものであり、図示しない回収部と中和器215とを繋ぐ中和器導入側配管216と、中和器215で中和されたドレンを外部に導くドレン外部排出配管217とによって構成されている。
【0011】
ところで、上記したように逆燃焼方式を採用した燃焼装置の場合、図20のように燃焼装置の天地方向上部の大部分を燃焼ケース202が占めることとなる。言い換えると、燃焼ケース202以外の空間に上記したドレン排出系統212や給湯系統220を形成する部材を収納する必要がある。そこで、従来から、筐体201内に架台225を設けて、ドレン排出系統212や給湯系統220等を構成する部材を収納する空間を形成し、ドレン排出系統212や給湯系統220等を構成する部材を収納している。具体的には、架台225上に燃焼ケース202を載置して、架台225によって、筐体201内を上下方向に仕切り、架台225の下部にドレン排出系統212や給湯系統220等の非耐熱部材を収納している。
【0012】
また、給湯装置などの燃焼装置では、近年、小型化の傾向がある。即ち、近年の集合住宅等の増加により、住宅用設備機器を設置するスペースが縮小されている。限られたスペースで住宅用設備機器を設置する必要があるため、市場から小型の燃焼装置のニーズが高い。ところが、逆燃式の燃焼装置は、上記したように筐体の大部分が燃焼部と熱交換器が占めるため、筐体の上部の位置には、スペースがない。そのため、架台を設けて、小型化を達成するために、架台の下部にドレン排出系統212や給湯系統220等の非耐熱部材を詰め込んで密集させている。即ち、架台に非耐熱部材を近接あるいは当接した状態で配されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−7968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような事情により、作動時に燃焼ケース内が高温となることに伴って架台が高温になり下部の機器に伝熱する。即ち、架台下方に収納された水量調整弁や温度センサー等の耐熱性が低い部材(非耐熱部材)が接触すると、熱によって、劣化する虞があった。また、架台に接触しなくても、架台の下部の雰囲気が高温となり、架台の下部に収納された機器の耐久性が下がる虞があった。
その対策として、架台の下部に設置する非耐熱部材を架台から離反させることが考えられるが、架台から離反させると、燃焼装置が大型化するため、市場のニーズに応えることができない。
【0015】
そこで、本発明は、上記した問題点を解決するものであり、架台の下部に配される部材が高温に晒されることを防止できる燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、筐体内に、燃焼ガスを生成すると共に燃焼ガスを下方向に向かって排出する燃焼部と、燃焼部で生成された燃焼ガスの向きを天地方向下方向から上方向に向かうように変換する流路変換部が有り、前記流路変換部内にあって液体が流通する受熱菅が設けられた燃焼装置であって、筐体内部に載置板部を有した架台を備え、前記架台は筐体に固定されており、載置板部よりも上部に形成された空間には燃焼部及び流路変換部が位置すると共に前記流路変換部が載置板部に固定されており、載置板部よりも下部に形成された空間には、樹脂製の配管、弁、ポンプ、樹脂製の容器、電気機器、電気配線の少なくともいずれかが配置されるものであり、前記流路変換部と載置板部との間には、所定の領域に亘って隙間があって空気層が形成されていることを特徴とする燃焼装置である。
【0017】
本発明の構成によれば、載置板部よりも下部に形成された空間には、樹脂製の配管、弁、ポンプ、樹脂製の容器、電気機器、電気配線の少なくともいずれかが配置される。
即ち、載置板部よりも下部に形成された空間には、樹脂製の配管、弁、ポンプ、樹脂製の容器、電気機器、電気配線といった耐熱性の弱い部材が配置される。上記したように、燃焼装置を作動時に燃焼部内が高温となることに伴って、流路変換部を介して載置板部に伝熱し、架台が高温になるため、前記部材が高熱の雰囲気に晒され、劣化する虞がある。
ところが、本発明の構成によれば、前記流路変換部と載置板部との間には、所定の領域に亘って隙間があって空気層が形成されているため、空気層が形成されている領域では、流路変換部と載置板部との間の伝熱を防止できる。それ故に、全体として、載置板部よりも下部に形成された空間への伝熱を低減することができる。即ち、載置板部よりも下部に形成された空間が高温に晒されることを防止できるため、例え、逆燃式の燃焼装置でも、載置板部よりも下部に形成された空間に、高温に弱い樹脂製の配管、弁、ポンプ、樹脂製の容器、電気機器、電気配線を設置でき、燃焼装置の小型化が可能である。
【0018】
請求項2に記載の発明は、流路変換部は、燃焼ガスが導入されるガス導入口と、燃焼ガスが排出されるガス排出口を有し、燃焼ガスは、ガス導入口から流路変換部を通過しガス排出口に流れるものであり、流路変換部の底面部の一部が、載置板部に対して固定され、且つ流路変換部の底面部は燃焼ガスの流れ方向に沿って下流側が下となる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置である。
【0019】
本発明の構成によれば、流路変換部は、燃焼ガスが導入されるガス導入口と、燃焼ガスが排出されるガス排出口を有し、燃焼ガスは、ガス導入口から流路変換部を通過しガス排出口に流れるものである。言い換えると、ガス導入口から導入された高温の燃焼ガスは、流路変換部内で受熱菅内の液体に熱を奪われて、ガス排出口から排出される。即ち、ガス導入口からガス排出口に向かって燃料ガスの温度が低下する。
そして、本発明の構成によれば、流路変換部の底面部の一部が、架台の載置板部に対して固定され、且つ流路変換部の底面部は燃焼ガスの流れ方向に沿って下流側が下となる方向に傾斜している。言い換えると、流路変換部の底面部は燃焼ガスの流れ方向に下り傾斜しており、その下流部分が架台の載置板部に載って固定されている。即ち、燃料ガスの温度が低下した下流側に架台の載置板部が固定され、燃料ガスの温度が高い上流側に隙間が形成されて空気層が形成されている。そのため、流路変換部と載置板部との間の伝熱量を低減でき、載置板部よりも下部に形成された空間を従来よりもさらに低温にすることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、筐体は正面側に取り外し可能な前蓋体を有し、前記載置板部と、流路変換部との間には、係合部があり、当該係合部は流路変換部が上方に移動することを阻止するが、前蓋体側方向と奥側方向に向かっての流路変換部の移動は許容し、流路変換部を前蓋体側から筐体の奥側に移動させることによって前記係合部が係合し、逆に筐体の奥側から前蓋体側に向かって流路変換部を移動させることによって前記係合が解除されるものであり、流路変換部の前蓋体側の面と架台との間を締結する固定部材があることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置である。
【0021】
本発明の構成によれば、流路変換部を前蓋体側から筐体の奥側に移動させることによって前記係合部が係合し、逆に筐体の奥側から前蓋体側に向かって流路変換部を移動させることによって前記係合が解除されるものである。言い換えると、流路変換部を前蓋体側から筐体の奥側にスライドさせることで、架台の載置板部と、流路変換部とが固定される。一方、筐体の奥側から前蓋体側に向かって流路変換部をスライドさせることで、架台の載置板部と流路変換部とが取り外される。即ち、架台の載置板部上に流路変換部を設置する際に、持ち上げる必要がなく、架台の載置板部上から流路変換部を取り外す際にも、持ち上げる必要がないため、メンテナンス等の取り付け又は取り外す際に非力な作業員でも作業できる。また、容易な動作によって取り付け又は取り外しが可能であるため作業効率が高い。
また、本発明の構成によれば、流路変換部の前蓋体側の面と架台との間を締結する固定部材があるため、通常使用時において、蓋体側方向と奥側方向に向かっての流路変換部の移動を規制できる。
【0022】
また、前記載置板部には載置板部の上面側と下面側を連通する開口があり、路変換部の底部には、前記開口と係合する片持ち状の係合片が設けられていることが好ましい(請求項4)。
【0023】
請求項5に記載の発明は、係合片は、流路変換部と載置板部との間の間隔を維持する間隔維持部を有し、前記間隔維持部は、流路変換部を載置板部に対して傾斜した姿勢に維持することを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置である。
【0024】
本発明の構成によれば、係合片は、流路変換部と架台の載置板部との間の間隔を維持する間隔維持部を有するため、空気層の形成が容易である。
【0025】
また、流路変換部で生成したドレンを中和する中和器を有し、前記中和器は載置板部よりも下部に配されるものであり、載置板部には、前蓋体側から筐体の奥側に延伸した切り欠き溝を有しており、流路変換部と中和器を繋ぐ中和器導入側配管は、前記切り欠き溝の延伸方向に沿って、移動可能であることが好ましい(請求項6)。
【発明の効果】
【0026】
本発明の構成によれば、流路変換部と載置板部との間には、所定の領域に亘って隙間があって空気層が形成されているため、載置板部よりも下部に形成された空間への伝熱を低減することができる。それ故に、架台の下部に配される部材が高温に晒されることを防止できる
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態の燃焼装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の燃焼装置の正面図であり、前蓋体を外している。
【図3】図2の二次熱交換器と架台との位置関係を示す斜視図である。
【図4】図3の二次熱交換器の分解斜視図である。
【図5】図3のケース本体の斜視図である。
【図6】図3のケース本体の平面図である。
【図7】図3のケース本体の別視野から視た斜視図である。
【図8】図3の架台の斜視図である。
【図9】図3の間隔維持部材の斜視図である。
【図10】図9の間隔維持部材のB−B断面図である。
【図11】図9の間隔維持部材の側面図である。
【図12】図9の固定部材の斜視図である。
【図13】図5のケース本体に固定部材を取り付ける状態を示す斜視図である。
【図14】図5のケース本体に間隔維持部材を取り付ける状態を示す斜視図である。
【図15】図8の架台に固定部材を取り付ける状態を示す説明図である。
【図16】図8の架台に固定部材を取り付けた状態を示す説明図である。
【図17】図16の架台とケース本体との位置関係を示す説明図である。
【図18】図15の架台に締結要素を取り付ける状態を示す説明図である。
【図19】架台の変形例を示す斜視図である。
【図20】逆燃焼方式の燃焼装置の基本的なレイアウトを示す説明図である。
【図21】従来及び本実施形態の作動原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の第1実施形態に係る燃焼装置1について説明する。
本実施形態の燃焼装置1は、具体的には給湯装置であり、従来と同様、給湯系統220を内蔵している。燃焼装置1は、燃焼ガスを生成する燃焼部2と、顕熱を回収する一次熱交換器3と、潜熱を回収する二次熱交換器5とを備えた、いわゆる潜熱回収型と呼ばれる燃焼装置である。
燃焼装置1の外観の基本的なレイアウトは、従来技術と同一であり、図1のように前蓋体9と筐体10によって形成されている。即ち、筐体10の前面が前蓋体9によって閉塞されている。
燃焼装置1の内部の基本的なレイアウトは、従来技術と同一であり、燃焼部2と、燃焼部2に対して幅方向(左右方向)に並列に立設された排気筒6とを有している。
【0029】
まず、最初に燃焼装置1の主要な構成について説明する。
燃焼装置1は、図2,3に示すように、架台51を基準に筐体10内の空間を上下方向に分割している。即ち、筐体10内は、架台51の天面部62を基準にして、上方に位置する加熱領域41と、下方に位置する収納領域43に分けられる。加熱領域41には主に燃焼ケース7が配されており、収納領域43には、主に従来と同様の中和器215等のドレン排出系統212や一次熱交換器3と二次熱交換器5の受熱管に接続される入水側配管222及び出湯側配管223(図22参照)が配されている。
【0030】
まず、架台51の上方の加熱領域41に目を向けると、燃焼装置1は、図2に示すように、筐体10のほぼ中央に燃焼ケース7が配置され、その燃焼ケース7に燃焼部2と、一次熱交換器3と、二次熱交換器5とが内蔵されている。具体的には、燃焼ケース7は、バーナー側ケース11と、高さ方向(上下方向)に長いほぼ直方体状の一次熱交用ケース12と、幅方向(左右方向)に長い二次熱交用ケース15とが内部で連通するように連結されて形成されたものある。そして、バーナー側ケース11は燃焼部2の一部を構成し、一次熱交用ケース12は一次熱交換器3の一部を構成し、二次熱交用ケース15は二次熱交換器5の一部を構成する。
【0031】
また、燃焼装置1の筐体10の幅方向w左側には、燃焼ガスを外部に排気する排気筒6が配されている。具体的には、その排気筒6は、燃焼装置1の筐体10の内外に渡るように配置されると共に、二次熱交用ケース15の上部左側に接続された配置である。
即ち、燃焼ケース7は、図2の矢印のような燃焼部2から排気筒6に連なった燃焼ガス流路8を形成している。そして、燃焼ガス流路8は、燃焼部2で生成された燃焼ガスを高さ方向下方向から上方向に燃焼ガスの流れ方向を変換して排気筒6に流通することを可能となっている。
【0032】
燃焼部2は、いわゆる逆燃焼式の燃焼部であり、図示しないバーナーによって、下方に向けて火炎を形成するものである。燃焼部2は、公知のものと同様、燃料噴霧ノズルや燃焼筒等を備えている(図示しない)。
【0033】
即ち、燃焼部2で液体燃料が燃焼し、燃焼ガスが生成されると、その燃焼ガスは、燃焼ガス流路8を通って外部に排気される。具体的には、生成した燃焼ガスは、まず下方に向けて進行し、一次熱交換器3を通過して、二次熱交換器5に流入する。そして、二次熱交換器5に流入した燃焼ガスは、二次熱交換器5内で燃焼ガスの流れ方向を下方向から上方向に方向変換し、排気筒6を通過して、外部に排気される。
なお、本実施形態の燃焼装置1は、図示しない送風機を有し、その送風機によって、燃焼に必要な空気が供給され、さらに燃焼部2で生成された燃焼ガスを下方に向けて流している。
【0034】
一次熱交換器3は、公知の気・液熱交換器であって、燃焼部2より燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されている。一次熱交換器3は、湯水が流れる銅製の受熱管と、フィン(図示せず)とを備えている。即ち、一次熱交換器3に至った燃焼ガスは、受熱管に加えてフィンとも接して熱交換することができるため、受熱管を流れる湯水が効率的に熱交換される。また、一次熱交用ケース12は高さ方向に貫通している。
【0035】
また、二次熱交換器5は、燃焼ガスと熱交換する湯水が流れる受熱管32(図3参照)を有している。そして、この受熱管32と、一次熱交換器3の受熱管と、入水側配管222及び出湯側配管223とが、燃焼装置1の筐体10内で一連した給湯系統220(図22参照)を形成している。
具体的には、湯水の流れ方向上流側から、入水側配管222、二次熱交換器5の受熱管32、一次熱交換器3の受熱管、出湯側配管223の順に直列的に接続されている。即ち、燃焼装置1では、入水側配管222を通過した湯水は、二次熱交換器5を流れた後、一次熱交換器3内を流れることによって、順次熱交換され、その後、出湯側配管223を介して給湯先に向けて供給される。言い換えると、入水側配管222を通過した湯水は、天地方向上方に向けて流れていく。
【0036】
また、二次熱交換器5は、一次熱交換器3の下方に配置されており、一次熱交換器3及び排気筒6の双方に直接連通している。
即ち、二次熱交換器5は、二次熱交用ケース15の内部に、燃焼装置1の幅方向(図2において左右方向w)に延びる空間を有する。また、二次熱交換器5は、燃焼部2の側方(幅方向w左側)に配された排気筒6とも連通している。そのため、二次熱交換器5は、燃焼部2を下方に向けて流れる燃焼ガスを一次熱交換器3側から流入させるとともに、当該燃焼ガスを排気筒6に向けて流出させる。即ち、二次熱交換器5は、下方に向けて流れる燃焼ガスの流れ方向を上方に向けて折り返すことが可能である。
【0037】
一方、架台51の下方の収納領域43に目を向けると、図2のように架台51と筐体10の底面との間に、ドレン排出系統212と、給湯系統220の一部が配されている。具体的には、筐体10の底面に中和器215が設けられている。中和器215の上部には、図示しない回収部と中和器215とを繋ぐ中和器導入側配管216が接続されており、中和器215の下部には、中和器215で中和されたドレンを外部に導くドレン外部排出配管217が接続されている。即ち、二次熱交換器5から排出されたドレンは、中和器導入側配管216を介して中和器215に導入され、中和器215内で中和される。そして、中和器215からドレン外部排出配管217を介して外部に排出される。
また、本実施形態の中和器215は、中和器215内に水封を確実に形成するべく、給水源から供給される湯水が通過する中和器給水管(図示しない)が接続されている。
【0038】
また、中和器215と架台51の間の空間には、入水側配管222及び出湯側配管223の一部が配されている。即ち、中和器215と架台51の間の空間には、図2のように非耐熱部材4が配されている。非耐熱部材4としては、ドレン排出系統212や給湯系統220等を構成する部材、例えば、樹脂製の配管、弁、ポンプ、樹脂製の容器、電気機器、電気配線等が挙げられる。
【0039】
即ち、架台51の下部でかつ中和器215の上方の空間には、ドレン排出系統212や給湯系統220等を構成する非耐熱部材4が密集している。そのため、二次熱交用ケース15から架台51に伝熱し、架台51の下部の空間が高温になる虞がある。
そこで、本発明は、二次熱交換器5と架台51の構造、特に二次熱交用ケース15と架台51の構造に特徴を有する。
【0040】
以下、本実施形態の特徴たる二次熱交換器5と架台51についてより詳説する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下左右前後の位置関係は、通常の設置位置(図3)を基準に説明する。即ち、前蓋体9側から筐体10の背面方向を前後方向とする。
二次熱交換器5は、図3,4に示すように、二次熱交用ケース15と、管路部材16とによって構成されている。二次熱交用ケース15は、ケース本体17と、蓋部材18と、管路部材16の一部によって構成された長方形状の箱体である。
【0041】
ケース本体17は、ステンレススチール等の錆に強い素材で作られたものであり、図5,図6のように底面部21と、3辺の周壁部22,23,24から形成されている。
底面部21は、平面視が長方形状の板材である。底面部21には、ドレンを集めるために緩やかな傾斜が設けられている。また底面部21には、ドレンを導くための溝(図示せず)が設けられている。さらに底面部21には、ドレン抜きのための中和器導入側配管216が接続されている。中和器導入側配管216は、中和器215(図2参照)にドレンを排出する部材である。中和器導入側配管216は、図6のように周壁部23側に位置している。具体的には、周壁部22と周壁部23とによって形成される角部近傍に位置している。言い換えると、燃焼装置1作動時において燃料ガスの流れ方向下流側に設けられている。即ち、中和器導入側配管216は、図3のような二次熱交換器5を組み立て完成時において、蓋部材18の気体導入口26の上方(一次熱交換器3側)からの投影面上から逸脱しており、蓋部材18の気体排出口27の上方(排気筒6側)からの投影面上に位置している。それ故に、気体導入口26から導入される燃焼ガスが直接中和器導入側配管216に当たらないため、中和器導入側配管216に加わる燃料ガスの風圧を低減させることができる。このことにより、中和器215に必要な水封高さを低下させることができる。即ち、中和器215の高さを低くすることができる。
【0042】
周壁部22,24は、図5のようにケース本体17の長辺側の周壁を形成するものである。
周壁部22の外側面の略中央には、図5のように位置決め突起60a,60bを有している。位置決め突起60a,60bは、幅方向wに並列している。位置決め突起60aと位置決め突起60bは互いに大きさが異なる。具体的には、図5の幅方向w左側に位置する位置決め突起60aの大きさに比べて、幅方向w右側に位置する位置決め突起60bの大きさが大きい。また、位置決め突起60a,60bの間には、公知の締結要素を固定可能な固定穴76a,76bを有している。
一方の周壁部24の外側面の略中央には、図7のように位置決め突起61a,61bを有している。位置決め突起61a,61bは、幅方向wに並列している。位置決め突起61aと位置決め突起61bは互いに大きさが異なる。具体的には、図7の幅方向w左側に位置する位置決め突起61aの大きさに比べて、幅方向w右側に位置する位置決め突起61bの大きさが大きい。また、位置決め突起61a,61bの間には、公知の締結要素を固定可能な固定穴77a,77bを有している。
【0043】
周壁部23は、図5のように前記した周壁部22,24に挟まれた位置にあり、ケース本体17の一方の短辺側の周壁を形成する。
【0044】
続いて、蓋部材18について説明する。
蓋部材18は、図3のように気体導入口26と、気体排出口27を有した略長方形の蓋体である。
気体導入口26は、燃焼装置1作動時に燃焼部2から燃焼ガス流路8(図2参照)を通って流下した燃焼ガスを二次熱交用ケース15内に導入する開口である。気体導入口26は、長方形状の開口となっている。
【0045】
気体導入口26は、蓋部材18の一方の短辺側によった位置に設けられている。より具体的には、管路部材16の入水側ヘッダ30及び出水側ヘッダ31側に寄った位置に気体導入口26が形成されている。ケース本体17を基準にしていうと、気体導入口26は、周壁部23の対向する側によった位置に形成されている。
【0046】
気体排出口27は、二次熱交用ケース15内で熱交換した燃焼ガスを排気筒6に排出する開口である。気体排出口27は、略長方形状の開口であり、その面積は前記した気体導入口26よりも小さい。
気体排出口27は、管路部材16の入水側ヘッダ30側,出水側ヘッダ31側(図4,図5参照)から離れた位置に形成されている。ケース本体17を基準にしていうと、気体排出口27は、周壁部23側(図4参照)によった位置に形成されている。
【0047】
また、気体導入口26と気体排出口27は、蓋部材18の短手方向lのほぼ全域に亘って形成されている。
【0048】
続いて、管路部材16について説明する。
管路部材16は、図4に示すように、上記した複数(本実施形態においては6本)の受熱管32と、入水側ヘッダ30と、出水側ヘッダ31とを備えた環状の熱交換流路である。また管路部材16には、二次熱交用ケース15の短辺の壁面を構成する壁面部材33が設けられている。
【0049】
順次説明すると、各受熱管32の一端側には入水側ヘッダ30が接続されており、他端側には出水側ヘッダ31が接続されている。受熱管32は、熱伝導性に優れ、表面が平滑な配管によって形成されている。即ち、受熱管32は、いわゆる裸管である。また、各受熱管32は、一定の間隔を開けて平行に配置されている。各受熱管32の間隔は等間隔となっている。
管路部材16の各受熱管32は、図4のように主に熱交換を行う本体部35と、出入り管部36に分かれている。
本体部35は、平面視が楕円形のループを構成する部分であり、螺旋構造を構成していて楕円部分が5段に重なっている。
【0050】
一方、出入り管部36は、出側管部45と入側管部46から構成されている。出側管部45の基端には、出水側ヘッダ31が接続されており、入側管部46の末端には、入水側ヘッダ30が接続されている。
【0051】
前記した出側管部45と入側管部46は、使用状態を基準とすると、図4のようにいずれもケース本体17の底面部21に対して平行であり、出側管部45を構成する受熱管32の束を含む平面と、入側管部46の受熱管32の束を含む平面は平行である。
また、出側管部45と入側管部46の間には高低差がある。即ち、出側管部45は上部にあり、入側管部46は下部にある。
【0052】
壁面部材33には、図4のように出側管部45と入側管部46が挿通されている。
以上が、二次熱交換器5の構成についての説明である。
【0053】
続いて、架台51について説明する。
二次熱交換器5を載置する架台51は、図8のように、長方形状の天面部62と天面部62の短辺と長辺から下方に向けて立設した側壁部63,64と,折り曲げ固定部69を有している。即ち、天面部62と側壁部63,64と折り曲げ固定部69に一部が囲まれた収納空間65を有している。収納空間65は、内部にドレン排出系統212や給湯系統220等の非耐熱部材4を収納可能となっている。
【0054】
架台51の天面部62の略中央位置には、天面部62から上方に向けて突出した載置部66を有している。載置部66は、載置面67と、載置面67の四辺と天面部62を接続する壁部68a〜68dによって形成されている。壁部68a〜68dは、それぞれが緩やかに傾斜している。即ち、載置面67と天面部62は壁部68a〜68dを介して段状に連続している。
載置面67は、天面部62に対して傾斜している。具体的には、載置面67は、前後方向l後方から前方にかけて下り傾斜している。言い換えると、後方に位置する壁部68c(天面部62から載置面67までの高さ)は、前方に位置する壁部68aに比べて高い。即ち、前後方向後方から前方にかけて低くなっており、天面部62と載置面67が近づいている。
また、載置面67は、幅方向wの右側から左側にかけて下り傾斜している。言い換えると、図8の右側に位置する壁部68b(天面部62から載置面67までの高さ)は、左側(側壁部63側)に位置する壁部68dに比べて高い。即ち、幅方向wの右側から左側にかけて低くなっており、天面部62と載置面67が近づいている。
即ち、図8に示す矢印の方向に下り傾斜している。
【0055】
また、架台51の天面部62には、係止受け部70を有している。係止受け部70は、間隔維持部材80の係合片90と係合可能な部位である。係止受け部70は、長方形の穴であるが、図8のように、開口部71の前後方向l後方側の辺に係合壁72が設けられている。そして、係合壁72は、他の天面部62に比べて盛り上がっている。具体的には係合片90の厚み分盛り上がっている。言い換えると、正面視で他の天面部62と係合壁72の内壁とによって形成された開口が形成されている。即ち、開口部71は、天面部62を上下方向に連通する開口であり、且つ、前後方向l前方に向かって開口している。そのため係止受け部70は、間隔維持部材80の係合片90を挿入可能となっている。
係止受け部70は、載置部66よりも幅方向w右側に位置している。図3のような組み立て完成時を基準とすると、気体導入口26側に位置している。
【0056】
架台51の天面部62の側壁部63近傍には、切り欠き溝73が設けられている。切り欠き溝73は、平面視で略「U」字状をしている。切り欠き溝73は、天面部62の前後方向lの前面から後方に向けて延伸している。具体的には、切り欠き溝73は、側壁部63と平行に延びている。図2のように組み立て完成時に、中和器導入側配管216が挿通可能となっている。
【0057】
架台51の前方部に位置する折り曲げ固定部69は、天面部62に対して交差する方向に折り曲げられた部位である。折り曲げ固定部69は、幅方向w略中央に固定穴59を有している。固定穴59は、公知の締結要素を固定可能な穴である。
以上が、架台51の構成についての説明である。
【0058】
続いて、間隔維持部材80について説明する。
間隔維持部材80は、金属薄板を打ち抜き加工後に曲げ加工して形成されたものである。間隔維持部材80は、架台51と、二次熱交用ケース15とを接続する部材である。燃焼装置1の使用時においては、間隔維持部材80を装着し、メンテナンス等で二次熱交用ケース15を取り外す際には、二次熱交用ケース15と一体的に取り外して使用する。
【0059】
間隔維持部材80は、図9のように略長方形状の本体部81と、本体部81の1辺に設けられた係合部82と、係合部82と対向する辺に設けられた固定部83と、残りの辺に設けられた支持部85,86とを有している。係合部82及び支持部85,86は、本体部81に下方に向けて立設しており、固定部83は、本体部81に上方に向けて立設している。即ち、係合部82及び支持部85,86と、固定部83は、対向する方向に延伸している。図10のように右側の支持部85の張り出し長さH1は、左側の支持部86の張り出し長さH2に比べて長い。即ち、支持部85,86の先端面を含む平面に対して本体部81は傾斜している。具体的には、前記平面に対する本体部81の角度αは、1度から3度となっている。
【0060】
図9の前後方向lの前方に位置する係合部82は、後述する架台51の係止受け部70に装入可能な係合片90と、本体部81と係合片90を接続する接続部88を有している。係合片90は、接続部88に対して交差する方向に突出しており、接続部88に片持ち状に接続されている。本体部81と係合片90との間隔は、突出方向基端側(接続部88側)から先端側に向けて大きくなっている。そして、接続部88と係合片90とでなされる角度は、鈍角となっている。また、図11に示される支持部85の突出方向先端面を含む面と係合片90を含む面とでなされる角度βは、5度〜30度となっている。即ち、図15のように架台51に二次熱交用ケース15を取り付けるときに、架台51の天面部62を支持部85,86の突出方向先端面に沿ってスライド可能となっている。
【0061】
図9の後方に位置する固定部83は、略長方形状の部位であり、本体部81に対して交差する方向に折り曲げられている。具体的には、固定部83は、本体部81に対して直交方向に折り曲げられており、二次熱交用ケース15の底面部21と周壁部24とでなされる角部(図7参照)を覆うことが可能となっている。
固定部83の先端側(本体部81と対向する側)には、複数の貫通孔91を有している。貫通孔91は公知の締結要素が挿通可能となっている。
また、固定部83の幅方向wの両側には固定部83の一部を切り欠いた位置決め孔92を有している。位置決め孔92は、二次熱交用ケース15の周壁部24の位置決め突起61a,61bが嵌合する大きさとなっている。即ち、幅方向w左側に位置する位置決め孔92の開口面積に比べて、幅方向w右側に位置する位置決め孔92の開口面積が大きい。図14のように間隔維持部材80を二次熱交用ケース15の周壁部24に取り付ける際に、位置決め突起61a,61bとそのそれぞれに対応する位置決め孔92は、大きさが異なるため、作業者が誤って間隔維持部材80を反対向きに取り付けることを防止できる。
【0062】
本体部81の幅方向w両側から下方に向けて折り曲げられた支持部85,86は、二次熱交用ケース15と架台51の天面部62の間隔を維持する部位である。
支持部85,86の張り出し方向の長さは、図11のように固定部83側から係合部82側に向けて徐々に短くなっている。即ち、支持部85,86の張り出し方向先端面は本体部81を含む面に対して傾斜している。
以上が、間隔維持部材80の構成についての説明である。
【0063】
続いて、固定部材95について説明する。
固定部材95は、図12のように略長方形状の平板である。固定部材95は、正面視すると逆「凸」字状の形状をしている。
固定部材95の上部(長手方向hの上部)には、貫通孔96を有している。貫通孔96は公知の締結要素が挿通可能となっている。貫通孔96は図13のように架台51に二次熱交用ケース15を取り付けたときに二次熱交用ケース15の周壁部22の固定穴76a,76bに対応する位置に設けられている。
一方、固定部材95の下部(長手方向hの下部)には、図13のように貫通孔97を有している。貫通孔97は公知の締結要素が挿通可能となっている。貫通孔97は図3のように架台51に二次熱交用ケース15を取り付けたときに架台51の天面部62の固定穴59(図8参照)に対応する位置に設けられている。
また、固定部材95の幅方向wの両側には固定部材95の一部を切り欠いた位置決め孔93を有している。位置決め孔93は二次熱交用ケース15の位置決め突起60a,60b(図5参照)が嵌合する大きさとなっている。即ち、図12の幅方向w左側に位置する位置決め孔93の開口面積に比べて、幅方向w右側に位置する位置決め孔93の開口面積が大きい。図13のように固定部材95を二次熱交用ケース15の周壁部22に取り付ける際に、位置決め突起60a,60bとそのそれぞれに対応する位置決め孔93は、大きさが異なるため、作業者が誤って固定部材95を反対向きに取り付けることを防止できる。
【0064】
続いて、一般的な取り付け手順に沿って、二次熱交換器5と架台51の位置関係、特に二次熱交用ケース15と架台51の位置関係について、主に図13〜図19を用いて説明する。
なお、理解を容易にするために図13から図19は、二次熱交用ケース15と架台51の接続に関与する部材のみ示す。
【0065】
まず、図13のように二次熱交用ケース15の周壁部22に固定部材95を公知の締結要素によって取り付ける。
このとき、位置決め突起60a,60bは位置決め孔93に嵌挿している。言い換えると、位置決め突起60a,60bは、固定部材95を挟持している。即ち、周壁部22と固定部材95の接合面に沿う方向への移動を規制している。そのため、締結要素を取り付ける際に、ずれにくく、位置決めしやすい。
また、貫通孔96と固定穴76a,76bは互いに連通しており、貫通孔96と固定穴76a,76bに亘って、締結要素が挿入されている。
周壁部22から固定部材95の一部が下方にはみ出ている。即ち、固定部材95の下部、より詳細には周壁部22から貫通孔97の近傍がはみ出ている。
【0066】
次に、図14のように二次熱交用ケース15の周壁部24に間隔維持部材80を公知の締結要素によって取り付ける。
このとき、位置決め突起61a,61bは位置決め孔92に嵌挿している。言い換えると、位置決め突起61a,61bは、間隔維持部材80の固定部83を挟持している。即ち、周壁部24と間隔維持部材80の固定部83の接合面に沿う方向への移動を規制している。そのため、締結要素を取り付ける際に、ずれにくく、位置決めしやすい。
また、貫通孔91と固定穴77a,77bは互いに連通しており、貫通孔91と固定穴77a,77bに亘って、締結要素が挿入されている。
また、間隔維持部材80は、二次熱交用ケース15の周壁部24と底面部21に跨がって覆っている。即ち、間隔維持部材80の本体部81は、底面部21の下部に位置している。
【0067】
次に、固定部材95と間隔維持部材80を取り付けた二次熱交用ケース15を架台51に、図15の矢印のように後方に向けてスライドさせて取り付ける。なお、架台51はあらかじめ筐体10に固定されている。
このとき、中和器導入側配管216は、切り欠き溝73の延伸方向に沿って、移動する。
架台51の載置面67の上に底面部21が載置されており、二次熱交用ケース15は、図16,図17のように前後方向l及び幅方向wに傾斜している。
また、図16のように、係合部82が係止受け部70と係合している。具体的には、係合片90が開口部71内に進入しており、係合壁72が接続部88に当接している。また、支持部85,86は、図17のように天面部62上に載置されており、支持部85,86によって、底面部21と天面部62との間に隙間98(図17のハッチング)が形成されている。この隙間98は、空気層として機能し、底面部21と天面部62が接触することによる伝熱を防止している。
隙間98は、少なくとも、気体導入口26側に形成されている。即ち、燃焼装置1の作動時の燃料ガスの流れを基準にすると、隙間98は、図17のように二次熱交用ケース15の燃焼ガスの流れ方向上流側に形成されている。
【0068】
最後に、図18のように公知の締結要素で固定する。
このとき、固定部材95の貫通孔97と架台51の固定穴59は互いに連通しており、貫通孔96と固定穴76a,76bに亘って、締結要素が挿入されている。
【0069】
本発明の燃焼装置1によれば、架台51と二次熱交用ケース15との間に隙間が形成され、空気層が形成されるため、空気層が形成されている領域では、流路変換部と載置板部との間の伝熱を防止できる。それ故に、全体として、載置板部よりも下部に形成された空間への伝熱を低減することができる。即ち、架台51の載置部66よりも下部に形成された空間が高温に晒されることを防止できる。
【0070】
上記した実施形態では、架台51に長方形の穴状の係止受け部70を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図19のような係合片であってもよい。この場合、係合片同士を係合する。
【0071】
上記した実施形態では、架台51に長方形の穴状の係止受け部70を設け、二次熱交用ケースを傾斜させることによって、隙間98を形成し、空気層を形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、空気層の形成方法は特に限定されない。例えば、二次熱交用ケースの底面を段状にして隙間を形成し、空気層と形成してもよい。
【0072】
上記した実施形態では、あらかじめ架台51が筐体10に取り付けられた状態で、固定部材95と間隔維持部材80を取り付けた二次熱交用ケース15を後方にスライドさせることによって取り付けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一方に対して前後方向に相対的に移動させて取り付ける構造であればよい。
【符号の説明】
【0073】
1 燃焼装置
2 燃焼部
9 前蓋体
10 筐体
15 二次熱交用ケース(流路変換部)
21 底面部
26 気体導入口(ガス導入口)
27 気体排出口(ガス排出口)
32 受熱管
51 架台
62 天面部(載置板部)
65 収納空間
70 係止受け部(係合部)
71 開口部(開口)
73 切り欠き溝
82 係合部
85,86 支持部(間隔維持部)
90 係合片
95 固定部材
98 隙間
215 中和器
216 中和器導入側配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に、燃焼ガスを生成すると共に燃焼ガスを下方向に向かって排出する燃焼部と、燃焼部で生成された燃焼ガスの向きを天地方向下方向から上方向に向かうように変換する流路変換部が有り、前記流路変換部内にあって液体が流通する受熱菅が設けられた燃焼装置であって、
筐体内部に載置板部を有した架台を備え、
前記架台は筐体に固定されており、載置板部よりも上部に形成された空間には燃焼部及び流路変換部が位置すると共に前記流路変換部が載置板部に固定されており、載置板部よりも下部に形成された空間には、樹脂製の配管、弁、ポンプ、樹脂製の容器、電気機器、電気配線の少なくともいずれかが配置されるものであり、
前記流路変換部と載置板部との間には、所定の領域に亘って隙間があって空気層が形成されていることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
流路変換部は、燃焼ガスが導入されるガス導入口と、燃焼ガスが排出されるガス排出口を有し、
燃焼ガスは、ガス導入口から流路変換部を通過しガス排出口に流れるものであり、
流路変換部の底面部の一部が、載置板部に対して固定され、且つ流路変換部の底面部は燃焼ガスの流れ方向に沿って下流側が下となる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
筐体は正面側に取り外し可能な前蓋体を有し、
前記載置板部と、流路変換部との間には、係合部があり、当該係合部は流路変換部が上方に移動することを阻止するが、前蓋体側方向と奥側方向に向かっての流路変換部の移動は許容し、流路変換部を前蓋体側から筐体の奥側に移動させることによって前記係合部が係合し、逆に筐体の奥側から前蓋体側に向かって流路変換部を移動させることによって前記係合が解除されるものであり、
流路変換部の前蓋体側の面と架台との間を締結する固定部材があることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記載置板部には載置板部の上面側と下面側を連通する開口があり、
流路変換部の底部には、前記開口と係合する片持ち状の係合片が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項5】
係合片は、流路変換部と載置板部との間の間隔を維持する間隔維持部を有し、
前記間隔維持部は、流路変換部を載置板部に対して傾斜した姿勢に維持することを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置。
【請求項6】
流路変換部で生成したドレンを中和する中和器を有し、
前記中和器は載置板部よりも下部に配されるものであり、
載置板部には、前蓋体側から筐体の奥側に延伸した切り欠き溝を有しており、
流路変換部と中和器を繋ぐ中和器導入側配管は、前記切り欠き溝の延伸方向に沿って、移動可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の燃焼装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−96593(P2013−96593A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237268(P2011−237268)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】