説明

爆発成形システム

好ましくは加工物(12)に沿って差し向けられた衝撃波(42)を利用して加工物を異形ダイキャビティ(44)の形状に次第に一致させる爆発成形装置(10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧流体を用いて部品を修整するシステム、詳細には、作動流体の加圧が爆発によって達成され、このような加圧作動流体を用いて部品を修整するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
加圧成形システムの幾つかの形式は、爆発を利用して圧力を発生させ、それによりダイキャビティ内の加工物(ワークピース)を形成する爆発成形システムである。一般的に言って、この目的のために提案されたシステムには、幾つかの問題がある。1つの問題は、このようなシステムがダイキャビティを作動させたり爆発により生じた内部圧力に抵抗するようダイキャビティを閉鎖状態に保持したりするのに相当な量のエネルギーを必要することである。
【0003】
もう1つの問題は、このようなシステムが成形サイクルごとに比較的多くの時間を必要とし、それにより部品の生産速度が減少することである。更に、加工物は、それ以上の加工、例えば加工物の非完成部分をなくす加工を必要とする場合あり、それにより生産費が一段と増加する。
【0004】
爆発成形システムの中には、可燃性ガスを収容するのに破裂板を用いているものがある。ガスの燃焼の結果として生じる爆発は、破裂板を破裂させて加工物に達する。破裂板は、各成形サイクルで消費されるので、加工物の生産費が一段と増大する。破裂板は、それ自体、非効率性の原因でもある。というのは、爆発エネルギーの何割かは破裂板の破裂の際に失われるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に高強度鋼の成形、付形及び切断を必要とする場合のある自動車業界に用いられるより効率的な爆発成形システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
爆発の性状は、爆発成形システムの全体費用を決定する上で重要な要因である。本発明の広い一態様では、システムが加工物に累進的に及ぼされる衝撃波を発生させる爆発成形システムが提供される。これにより、加工物のための同形化又はコンフォーミングダイ(conforming die)を加圧し又は封止するのに必要なトン数を他の加圧成形システム、例えば油圧成形システム又は他の爆発成形システムと比較して減少させることができる。これは、主として、衝撃波の力(なお、この力は、本明細書において説明するように比較的大きい)が任意の時点において加工物の比較的狭い領域及び下に位置するダイに加えられ、ダイを加圧するのに必要な動力を先行技術の加圧成形システムと比較して減少させることができるということに起因している。トン数が小さいことは、資本費の減少を意味している。更に、衝撃波を累進的に加えることにより、加工物に比較的小さな穴をあけると共に/或いは加工物を部分的にトリムすることが先行技術と比較して容易である。
【0007】
本発明の次の態様は、一般に上記の説明に関連している(なお、以下の「〜を有し」という表現の主語は、前後関係が不明瞭にならない限り、主語は「この装置」、「この方法」又は「このシステム」である)。
【0008】
第1の態様として、本発明は、長手方向長さを有する加工物を修整する装置を提供する。この装置は、加工物の長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、衝撃波を点火チャンバからダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、作動中、衝撃波は、衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所圧力を加工物に加える。
【0009】
第2の態様として、本発明は、衝撃波を挿通させる加工物衝撃波経路を構成する加工物内部を有する加工物を修整する装置であって、加工物が加工物内部への加工物圧力入口を有する装置を提供する。この装置は、加工物衝撃波経路長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、衝撃波が加工物中に位置しているとき、衝撃波は、加工物衝撃波経路に対して横向きの方向に圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により加工物中の圧力に抗して閉鎖位置に保持可能であり、衝撃波を点火チャンバから加工物圧力入口を通って加工物内部中に運んで加工物を修整するよう構成された移送構造体を有する。
【0010】
第3の態様として、本発明は、加工物内部を有すると共に加工物内部への加工物圧力入口を備えた加工物を修整する装置を提供する。この装置は、衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバと、加工物を収容することができるダイと、衝撃波を点火チャンバから加工物圧力入口を通って加工物内部内に運んで加工物を修整するよう構成された移送構造体とを有する。
【0011】
第4の態様として、本発明は、加工物を修整する方法を提供する。この方法は、
a)第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含むダイを用意するステップを有し、第1のダイプレート及び第2のダイプレートの少なくとも一方は他方に対して、開放位置と第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になってダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、
b)加工物をダイキャビティ内に位置決めするステップを有し、
c)移動衝撃波を発生させるステップを有し、衝撃波は、加工物に対して衝撃波移動経路の長さよりも短い長さを有し、
d)衝撃波を加工物に沿って運んで局所圧力を加工物に累進的に加えるステップを有し、
e)選択されたダイ保持力が全体を通じて衝撃波の移動経路に対して横向きの方向において衝撃波からの圧力に抗した状態で第1のダイプレート及び第2のダイプレートを閉鎖位置に保持するステップを有し、
f)加工物をステップd)の実施後にダイキャビティから突き出すステップを有する。
【0012】
第5の態様として、本発明は、加工物を修整する方法を提供する。この方法は、a)ダイキャビティを有するダイを用意するステップと、b)加工物をダイキャビティ内に位置決めするステップと、c)衝撃波を生じさせるステップと、d)衝撃波をダイキャビティ内の加工物中に運んで加工物を修整するステップと、e)加工物をステップd)の実施後にダイキャビティから突き出すステップとを有する。
【0013】
本明細書において詳細に説明するように、爆発成形システムにおいてダイを加圧するのに必要なトン数を減少させる上での別の要因は、ガス状粘性生成物に起因して生じる後圧力又は背圧にある。このような後圧力を最小限に抑えるためには、酸素と水素の化学量論的比を用いて水蒸気を生じさせると共に点火チャンバを冷却させて水蒸気を迅速に凝縮させ、それにより後圧力を減少させることが望ましい。
【0014】
本発明の次の態様は、一般に、上述の内容に関連している。
【0015】
第6の態様として、導管長さを定める管状加工物を修整する装置が提供される。この装置は、加工物の導管長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、点火チャンバは、可燃物として酸素及び水素を利用し、点火チャンバは、少なくとも1つの可燃物入口を有し、点火器を有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、作動中、衝撃波は、加工物を通って移動し、衝撃波は、衝撃波移動経路に対して横向きの方向に局所化圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により加工物中の圧力に抗して閉鎖位置に保持可能であり、衝撃波を点火チャンバから加工物中に運んで加工物を修整するよう構成された移送構造体を有し、選択された比及び量の酸素及び水素を点火チャンバ内に移送し、点火器を作動させて可燃物に反応させる制御装置を有し、制御装置は、爆発を連続的に実行し、点火チャンバを冷却して酸素と水素の反応により生じた水蒸気の圧力を減少させる冷却システムを有する。
【0016】
第7の態様として、長手方向長さを有する加工物を修整する装置が提供される。この装置は、加工物の長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、点火チャンバは、衝撃波を生じさせるために酸素及び水素可燃物を利用し、点火チャンバは、少なくとも1つの可燃物入口を有し、点火器を有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、衝撃波を点火チャンバからダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、作動中、衝撃波は、衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により閉鎖位置に保持可能であり、選択された比及び量の酸素及び水素を点火チャンバ内に移送し、点火器を作動させて可燃物に反応させる制御装置を有し、制御装置は、爆発を連続的に実行し、点火チャンバを冷却して酸素と水素の反応により生じた水蒸気の圧力を減少させる冷却システムを有する。
【0017】
例えば自動車部品の製造のためには、数千バールという圧力を生じさせる爆発を発生させることが必要な場合がある。実験により、このような圧力を取り扱うどっしりとした機器の使用にもかかわらず、爆発成形システムの圧力運搬部品の幾何学的形状は、システムの性能及び/又は寿命に関係する場合のあることが判明した。危害を最小限に抑えるため、加工物まで圧力を運ぶ導管には反射面が実質的にないようにすることが望ましい。さらに、圧力運搬導管の断面形状及びサイズが変化した場合であっても、これにより、これらの壁が経時的に腐食する場合があるという知見が得られていることからして、本発明の最も好ましい実施形態は、実質的に一定断面形状及び寸法の圧力運搬導管を採用している。
【0018】
本発明の以下の態様は、一般に、上述の内容に関連している。
【0019】
第8の態様として、長手方向長さを有する加工物を修整する装置が提供される。この装置は、加工物の長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、衝撃波を点火チャンバからダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、点火チャンバと移送構造体は、一緒になって、実質的に同一であり且つ実質的に反射要素のない断面サイズ及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成し、作動中、衝撃波は、衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所化圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により閉鎖位置に保持可能である。
【0020】
第9の態様として、長手方向長さを有する加工物を修整する装置が提供される。この装置は、加工物の長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、衝撃波を点火チャンバからダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、移送構造体は、点火チャンバがダイキャビティに流体結合される開放位置及び点火チャンバがダイキャビティから流体結合解除される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有し、点火チャンバと移送構造体は、隔離弁が開放位置にあるとき、一緒になって、実質的に一定であり且つ実質的に反射要素のない断面寸法及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成し、作動中、衝撃波は、衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所化圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により閉鎖位置に保持可能である。
【0021】
第10の態様として、導管長さを定める管状加工物を修整する装置が提供される。この装置は、加工物の導管長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、点火器を有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、作動中、衝撃波は、加工物を通って移動し、衝撃波は、衝撃波移動経路に対して横向きの方向に局所化圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により加工物中の圧力に抗して閉鎖位置に保持可能であり、衝撃波を点火チャンバから加工物中に運んで加工物を修整するよう構成された移送構造体を有し、点火チャンバと移送構造体は、一緒になって、実質的に同一であり且つ実質的に反射要素のない断面サイズ及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成する。
【0022】
第11の態様として、導管長さを定める管状加工物を修整する装置が提供される。この装置は、加工物の導管長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、点火器を有し、ダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、第1のダイプレートと第2のダイプレートが一緒になって加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、作動中、衝撃波は、加工物を通って移動し、衝撃波は、衝撃波移動経路に対して横向きの方向に局所化圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により加工物中の圧力に抗して閉鎖位置に保持可能であり、衝撃波を点火チャンバから加工物中に運んで加工物を修整するよう構成された移送構造体を有し、移送構造体は、点火チャンバがダイキャビティに流体結合される開放位置及び点火チャンバがダイキャビティから流体結合解除される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有し、点火チャンバと移送構造体は、隔離弁が開放位置にあるとき、一緒になって、実質的に一定であり且つ実質的に反射要素のない断面寸法及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成する。
【0023】
典型的には、自動車部品、例えば自動車又はトラックのフレーム又はシャーシ本体部材を製造するのに必要な場合によっては数千バールという圧力を発生させることは、一発明者の談によれば、笑い事ではない。このような圧力の経路又はこのような圧力を受ける任意の作動装置、例えば弁、センサ又はアクチュエータは、相当な応力又は摩耗を生じやすい。本発明は、このような圧力の効果を軽減する保護機構体を提供する。
【0024】
本発明の以下の態様は、一般に、上述の内容に関している。
【0025】
第12に態様に関し、加工物を修整する装置であって、爆発を発生させるための点火チャンバを有し、加工物を受け入れるダイキャビティを構成する少なくとも1つの壁を備えたダイを有し、ダイキャビティは、圧力入口及び圧力出口を有し、点火チャンバは、爆発の結果として生じた圧力波をダイキャビティを通ってその圧力入口からその圧力出口に伝達するようダイキャビティに流体結合可能であり、作動中、圧力波は、加工物を修整して該加工物を少なくとも1つのダイキャビティ壁に少なくとも部分的に同形化させるようにし、ダイキャビティ圧力出口の下流側に設けられていて、圧力波を少なくとも部分的に破壊するよう構成された減圧弁を有することを特徴とする装置が提供される。
【0026】
第13の態様として、長手方向長さを有する加工物を修整する装置であって、この装置は、加工物の長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、衝撃波を点火チャンバからダイキャビティ中に運ぶよう構成された移送構造体を有し、作動中、衝撃波は、衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所化圧力を加工物に加え、ダイは、選択されたダイ保持力により閉鎖位置に保持可能であり、加工物の下流側に設けられていて、衝撃波を少なくとも部分的に破壊するよう構成された減圧弁を有する装置が提供される。
【0027】
第14の態様として、管状壁及び管状長さを有する管状加工物を修整する装置であって、この装置は、加工物の管状長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、加工物を受け入れるダイキャビティを構成する少なくとも1つの壁を備えたダイを有し、衝撃波を点火チャンバからダイキャビティ中に運ぶよう構成された移送構造体を有し、作動中、衝撃波は、衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所化された圧力を加工物の管状壁に加えて加工物の管状壁をダイの少なくとも1つの壁に押し付けて該管状壁を少なくとも部分的に同形化させ、加工物の下流側に設けられていて、圧力波を少なくとも部分的に破壊するよう構成された減圧弁を有し、減圧弁は、ダイキャビティに流体結合可能な1つ又は2つ以上の弁の上流側に配置されていることを特徴とする装置が提供される。
【0028】
第15の態様として、管状加工物を修整する方法であって、a)点火チャンバを用意するステップと、b)加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを用意するステップと、c)加工物をダイキャビティ中に移送するステップと、d)点火チャンバ内に爆発を発生させて点火チャンバ内に圧力波を生じさせるステップと、e)圧力波を点火チャンバから加工物に伝達して加工物を修整するステップと、f)圧力波をステップe)の実施後にダイキャビティから送り出すステップと、g)圧力波をステップf)の実施後に少なくとも部分的に破壊するステップと、h)加工物をステップf)の実施後にダイキャビティから突き出すステップとを有することを特徴とする方法が提供される。
【0029】
どの資本集約的な製造機器によって製造された部品の費用は、部品生産速度又は成形サイクル時間によっても左右される。本発明は、サイクル時間を最小限に抑えるための先行技術に対する多くの改良策を提供し、このような改良策としては、爆発成形システムの互いに異なる部品を隔離して或る特定の作動機能を並行して実施することができるようにするための隔離弁を設けることが挙げられる。
【0030】
本発明の以下の態様は、一般に、上述の内容に関している。
【0031】
第16の態様として、加工物を修整する装置であって、この装置は、可燃物の点火により爆発を発生させる点火チャンバを有し、加工物を収納できるダイキャビティを備えたダイを有し、ダイは、ダイキャビティに流体結合可能な非圧縮性流体入口を有し、点火チャンバがダイキャビティに流体結合されて爆発により生じた圧力が加工物を修整するよう加工物に伝達可能な開放位置及び点火チャンバがダイキャビティから流体結合解除される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有することを特徴とする装置が提供される。
【0032】
第17の態様として、加工物を修整する方法であって、a)点火チャンバを用意するステップと、b)加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを用意するステップと、c)点火チャンバをダイから隔離するステップと、d)可燃物をステップc)の実施後に点火チャンバ内に移送するステップと、e)加工物をダイキャビティ内に移送するステップと、f)点火チャンバと加工物をステップd)の実施後に流体結合するステップと、g)ステップf)の実施後に可燃物により爆発を発生させるステップと、h)爆発により生じた圧力をダイキャビティ内の加工物に伝達して加工物を修整するステップと、i)加工物をステップh)の実施後にダイキャビティから突き出すステップとを有することを特徴とする方法が提供される。
【0033】
第18の態様として、加工物を修整する装置であって、爆発を発生させる点火チャンバと、加工物を受け入れるよう構成されたダイキャビティを備えるダイと、ダイキャビティが点火チャンバから流体結合解除される閉鎖位置と、ダイキャビティが点火チャンバに流体結合されて爆発により生じた圧力がダイキャビティに伝達可能である開放位置との間で繰り返し制御可能な隔離弁とを有することを特徴とする装置が提供される。
【0034】
第19の態様として、加工物を修整する装置であって、この装置は、爆発を発生させるよう構成されると共に複数個の可燃物入口を備えた点火チャンバを有し、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含むダイを有し、第1のダイプレートと第2のダイプレートは、一緒になって、加工物を保持するダイキャビティを構成し、第1のダイプレート及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、点火チャンバが加工物に流体結合されて爆発により生じた圧力が加工物を修整するよう加工物に伝達可能な開放位置及び点火チャンバがダイから隔離される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有することを特徴とする装置が提供される。
【0035】
第20の態様として、加工物を修整する装置であって、爆発を発生させるよう構成されると共に複数個の可燃物入口を備えた点火チャンバと、点火チャンバに大気圧よりも高い選択された圧力まで可燃物を充填する制御装置と、加工物を保持するダイキャビティを備えたダイと、点火チャンバが加工物に流体結合されて爆発により生じた圧力が加工物を修整するよう加工物に伝達可能な開放位置及び点火チャンバがダイから隔離された閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁とを有し、隔離弁は、圧力入口及び圧力出口を備えた弁体を有し、弁体を通る流体の流れを可能にする開放位置と弁体を通る流体の流れを阻止する閉鎖位置との間で動くことができる流量制御部材を有し、流量制御部材と弁体との間に位置決めされた密封部材を有し、流量制御部材は、閉鎖位置にあるとき、隔離弁前後の圧力差により下流側の方向に動いて密封部材に当接することができ、流量制御部材から見て上流側の箇所と下流側の箇所に流体結合されたバイパス導管を有し、バイパス導管は、圧力入口の断面積よりも小さい断面積を有し、バイパス導管を介する流量制御部材から見て上流側の箇所と下流側の箇所とを流体連通させて箇所相互間の圧力を等しくする開放位置と、流量制御部材から見て上流側の箇所と下流側の箇所との流体連通を阻止する閉鎖位置との間で動くことができるバイパス弁を有することを特徴とする装置が提供される。
【0036】
第21の態様として、加工物を修整する装置であって、この装置は、爆発を発生させる点火チャンバを有し、点火チャンバは、点火チャンバへの可燃物の導入のための少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの可燃物入口を介する点火チャンバ内への可燃物の流量を制御する少なくとも1つの弁を有し、加工物を受け入れるよう構成されたダイキャビティを備えたダイを有し、ダイは、ダイキャビティに流体結合可能な非圧縮性流体入口及び非圧縮性流体入口を介するダイキャビティ内への非圧縮性流体の流量を制御する少なくとも1つの弁を有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1のダイプレートと第2のダイプレートは、一緒になって、ダイキャビティを構成し、第1のダイプレート及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、加工物をダイ内に配置し又は加工物をダイが開いている間にダイから取り出す移送機構体を有し、点火チャンバをダイキャビティに流体結合して爆発により生じた圧力が加工物を修整するよう加工物に伝達可能な開放位置及び点火チャンバがダイキャビティから隔離された閉鎖位置に設定可能な隔離弁を有し、隔離弁を閉じ、可燃物を点火チャンバ内に移送し、隔離弁を開き、可燃物に点火して爆発を発生させるようプログラムされた制御装置を有し、制御装置は、加工物移送機構体の作動のためにダイを開放し、ダイの閉鎖に先立って点火チャンバに可燃物を充填し始めることを特徴とする装置が提供される。
【0037】
第22の態様として、加工物を修整する装置であって、この装置は、爆発を発生させる点火チャンバを有し、点火チャンバは、可燃物の導入のための少なくとも1つの入口及び非圧縮性流体の導入のための入口を有し、少なくとも1つの可燃物入口を介する点火チャンバ内への可燃物の流量を制御する可燃物弁を有し、少なくとも1つの非圧縮性流体入口を介する点火チャンバ内への非圧縮性流体の流量を制御する補助弁を有し、ダイプレスを有し、ダイプレスに取り付けられていて、加工物を受け入れるよう構成されたダイキャビティを備えたダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1のダイプレートと第2のダイプレートは、一緒になって、ダイキャビティを構成し、第1のダイプレート及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、ダイキャビティは、圧力入口及び圧力出口を有し、ダイは、ダイキャビティ圧力出口の下流側に配置された非圧縮性流体入口を有し、非圧縮性流体入口を介するダイキャビティ内への非圧縮性流体の流量を制御する主要弁を有し、点火チャンバとダイキャビティとの間に設けられた隔離弁を有し、隔離弁は、点火チャンバがダイキャビティに流体結合されて爆発により生じた圧力が加工物を修整するよう加工物に伝達可能な開放位置及び点火チャンバがダイキャビティから隔離された閉鎖位置に設定可能であり、少なくとも1つの可燃物弁、主要非圧縮性流体弁、補助非圧縮性流体弁、隔離弁、及びダイプレスに連結された制御装置を有し、制御装置は、ダイを開放し、隔離弁を閉じ、可燃物及び非圧縮性流体を点火チャンバ内に移送する一方で、非圧縮性流体をダイキャビティ内に移送し、隔離弁を開き、可燃物に点火して爆発を発生させ、制御装置は、ダイの閉鎖に先立って点火チャンバに可燃物を充填し始めることを特徴とする装置が提供される。
【0038】
他のサイクル時間の改良策は、加工物を爆発成形システムに装填し又はこのような爆発成形システム内で取り扱う手法に関する。
【0039】
本発明の以下の観点は、一般に、上述の内容に関している。
【0040】
第23の態様として、加工物内部を有すると共に加工物内部への第1の開口部を備えた加工物を修整する装置であって、圧力を発生させる点火チャンバと、加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイと、圧力を点火チャンバから加工物に移送して加工物を修整する移送導管とを有し、移送導管は、第1の移送導管部分及び第2の移送導管部分を有し、第1の移送導管部分と第2の移送導管部分は、互いに流体結合され、第1の移送導管部分は、点火チャンバに対して固定的に連結され、第2の移送導管部分は、第2の移送導管部分が加工物の第1の開口部内に挿入される前進位置と、第2の移送導管部分が加工物の第1の開口部から取り出されてダイキャビティからの加工物の突き出しを可能にする引っ込み位置との間で動くことができ、第1の移送導管部分と第2の移送導管部分は、互いに回転可能に連結されていることを特徴とする装置が提供される。
【0041】
第24の態様として、加工物を修整する装置であって、この装置は、圧力を発生させる点火チャンバを有し、点火チャンバは、少なくとも第1の軸線に沿って往復動し、加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、ダイキャビティは、第1の軸線に平行ではない第2の軸線を定める入口を有し、圧力を点火チャンバからダイキャビティに流体的に伝達する移送導管を有し、移送導管は、第1の区分及び第2の区分を有し、第1の区分は、点火チャンバに連結され、少なくとも第1の軸線に沿って往復動し、第2の区分は、点火チャンバが少なくとも第1の軸線に沿って往復動しているときに第2の区分が摺動してダイキャビティから出入りすることができるよう第1の区分に対して角度調整可能であることを特徴とする装置が提供される。
【0042】
第25の態様として、加工物を修整する装置であって、圧力を発生させる点火チャンバと、加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイと、圧力を点火チャンバからダイキャビティに伝達する移送導管とを有し、移送導管は、第1の区分及び第2の区分を有し、第1の区分及び第2の区分の少なくとも一方は、互いに対して角度調節可能であることを特徴とする装置が提供される。
【0043】
第26の態様として、管状加工物を修整する装置であって、管状加工物は、外周部及び内周部を含む端部を有し、この装置は、圧力を発生させる点火チャンバを有し、加工物を受け入れるよう構成されているダイキャビティを備えたダイを有し、ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、第1のダイプレートと第2のダイプレートは、一緒になって、ダイキャビティを構成し、第1のダイプレート及び第2のダイプレートの少なくとも一方は、ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、ダイは、ダイが加工物の第1の端部の外周部を保持するために閉鎖位置にあるとき、第1のダイプレート及び第2のダイプレートにより提供されるカラーを有し、圧力を点火チャンバから加工物に移送して加工物を修整する移送導管を有し、移送導管は、移送導管が加工物の内周部に係合して加工物の端部を挟んでカラーに押し付け、それにより移送導管と加工物の内部を流体連通させる前進位置と、移送導管が管状加工物に流体結合されない引っ込み位置との間で運動可能に設けられていることを特徴とする装置が提供される。
【0044】
更に、爆発成形システムの幾つかの実施形態は、追加の加工ステップ、例えば切断又はトリミングを必要としない場合のある完成加工物を製造することによってサイクル時間を最小限に抑える。例えば、本明細書において説明する一システムは、完成部品を製造するよう加工物を正確に成形すると共に/或いは穴あけすると共にトリムし、かくして、特に加工物が高強度鋼から作られる場合に実施するのに相当な時間を必要とする場合のあるレーザ又は他の切断機械で加工物の端部をその後にトリムする作業が不要である。
【0045】
本発明の以下の態様は、一般に、上述の内容に関している。
【0046】
第27の態様として、加工物内部を構成する加工物壁を有すると共に加工物本体及び加工物内部への第1の開口部を備えた第1の端部分を有する加工物を修整する装置であって、この装置は、圧力を発生させる点火チャンバを有し、加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、ダイは、加工物の第1の端部分を保持するよう位置決めされた第1のカラーを有し、ダイは、加工物本体をダイキャビティ内に固定位置でしっかりと保持する中間加工物ホルダを更に有し、圧力を点火チャンバから加工物に移送して加工物を修整する移送導管を有し、移送導管内には移送導管流体通路が設けられ、移送導管は、移送導管流体通路と加工物内部を流体連通させるよう加工物の第1の端部分内に挿入可能であり、ダイキャビティは、第1の端部分の周りの選択された位置で延びる第1のトリム孔を有し、点火チャンバから加工物内部に移送された圧力が加工物壁を通って第1のトリム孔中に伝わって第1の端部分を加工物本体からトリムするようになっていることを特徴とする装置が提供される。
【0047】
第28の態様として、各々が加工物内部を構成する加工物壁を備えた第1の加工物及び第2の加工物を修整する装置であって、この装置は、圧力を発生させるよう構成された第1の点火チャンバを有し、圧力を発生させるよう構成された第2の点火チャンバを有し、第1の加工物を受け入れる第1のダイキャビティを備えたダイを有し、第1のダイキャビティは、第1の点火チャンバからの圧力が第1の加工物の加工物内部に移送されると、加工物に選択された形状を与えるよう構成された第1のダイキャビティ壁を有し、ダイは、選択された形状を持つ第2の加工物を受け入れるよう構成された第2のダイキャビティを有し、第2のダイキャビティは、少なくとも1つの穿孔が設けられた第2のダイキャビティ壁を有し、少なくとも1つの穿孔は、第2の点火チャンバから第2の加工物の加工物内部に移送された圧力が少なくとも1つの孔を加工物壁を貫通して少なくとも1つの穿孔中にあけ、第1の加工物を第1のダイキャビティから第2のダイキャビティ中に移送するよう動くことができ、第2の加工物を第2のダイキャビティから移送してこれをダイから出すよう動くことができる移送機構体を有することを特徴とする装置が提供される。
【0048】
生産等級の爆発成形システムの品質証明の1つは、一定品質の部品を迅速に製造できるということにある。これを行うため、爆発成形システムにより生じた爆発及び圧力は、全てのラン又は実行時に比較的一定に保たれる必要がある。可燃物の温度は、生産速度及び製造される部品の品質に有害な影響を及ぼす場合のあることが判明した。
【0049】
本発明の以下の態様は、一般に、上述の内容に関している。
【0050】
第29の態様として、加工物を連続的に修整する燃焼成形システムであって、このシステムは、可燃物を導入するための少なくとも1つの入口を備えた点火チャンバを有し、可燃物源から点火チャンバへの可燃物の流量を制御する少なくとも1つの弁を有し、点火チャンバに流体結合された点火器を有し、排気ガスを点火チャンバから抜き出す抜き出し手段を有し、点火チャンバの温度を制御する温度制御手段を有し、加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、作動中、加工物は、点火チャンバに流体結合され、修整された加工物をダイから出して新たな加工物をダイ中に入れる移送機構体を有し、少なくとも1つの可燃物弁、点火器、抜き出し手段、温度制御手段、及び移送機構体に作動的に連結された制御装置を有し、制御装置は、(a)修整された加工物をダイから出し、新たな加工物をダイ中に移送する段階、(b)可燃物を点火チャンバに移送する段階、(c)可燃物に点火してダイ内の加工物を修整することができる圧力波を生じさせる段階、及び(d)排気ガスを点火チャンバから送り出す段階を含む作動サイクルを繰り返し実行し、制御装置は、点火チャンバの温度を所定の温度範囲内に維持する一方で、作動サイクルを繰り返し実施することを特徴とするシステムが提供される。
【0051】
次に、添付の図面を参照して本発明を説明するが、これは例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態としての加工物の修整装置の立面図であり、分かり易くするために幾つかの要素が省かれている図である。
【図2】図1に示された装置で修整されるべき加工物の断面図である。
【図3】図1に示された装置の一部分の部分断面立面図であり、衝撃波を用いた加工物の修整状況を示す図である。
【図4a】図1に示された装置の一部をなす点火チャンバの斜視図である。
【図4b】図4aに示された点火チャンバの断面図である。
【図4c】図4aに示された点火チャンバの断面平面図である。
【図4d】図4aに示された点火チャンバの一部分の立面図であり、点火チャンバの取り付け部を示す図である。
【図5a】図4aに示された点火チャンバを隔離するための図1に示された隔離弁を開放位置で示す断面立面図である。
【図5b】図5aに示された隔離弁を閉鎖位置で示す断面立面図である。
【図6a】図1に示された装置の一部分の断面立面図であり、加工物中に挿入された移送導管及び減圧弁を示す図である。
【図6b】図5aに示された装置の一部分の断面立面図であり、加工物から取り出された移送導管及び減圧弁を示す図である。
【図7】図5aに示された弁と共に図6aに示された移送導管をクランプするために用いられる図1に示されたフランジクランプの斜視図である。
【図8a】図1に示された装置の平面図であり、加工物移送機構体を受け入れ位置で示す図である。
【図8b】図1に示された装置の平面図であり、加工物移送機構体を引っ込み位置で示す図である。
【図8c】図1に示された装置の平面図であり、加工物移送機構体を収納位置で示す図である。
【図9】図1に示された装置の一部をなす第1のダイプレートの斜視図である。
【図10】図1に示された装置の一部をなす第2のダイプレートの斜視図である。
【図11】図9及び図10に示された第1及び第2のダイプレートの断面立面図であり、圧力が衝撃波を形成しないで加工物を修整するために用いられている状態を示す図である。
【図12】図9及び図10に示された第1及び第2のダイプレートの断面立面図であり、衝撃波が加工物を修整するために用いられている状態を示す図である。
【図13】図1に示された装置の一部をなす減圧弁及び非圧縮性水入口弁の断面平面図である。
【図14】衝撃波を用いて穴があけられた加工物の断面立面図である。
【図15】図1に示された装置のダイプレス及び加工物移送機構体の斜視図である。
【図16】本発明の別の実施形態としての加工物の修整方法の流れ図である。
【図17】本発明の別の実施形態としての別の加工物修整方法の流れ図である。
【図18】本発明の別の実施形態としての別の加工物修整方法を示すタイムチャート図である。
【図19a】本発明の別の実施形態としての別の平板状加工物の修整装置を衝撃波の発生前の状態で示す斜視図である。
【図19b】衝撃波の発生後における図19aに示された装置の側面図である。
【図20】本発明の更に別の実施形態としての燃焼成形装置の略図である。
【図21】図20に示された装置の一部分の詳細図である。
【図22a】図20に示された装置の一部をなす移送弁を開放位置で示す略図である。
【図22b】図22aに示された移送弁を「閉鎖/抜き出し」位置で示す略図である。
【図22c】図22aに示された移送弁を閉鎖位置で示す略図である。
【図23a】ツール又は成形ダイ、点火管及びツールを点火管から分離する移送弁を有する本発明の更に別の実施形態としての装置を用いてシート状の未加工ブランク又は素材を燃焼成形する方法を示す単純化された略図である。
【図23b】ツール又は成形ダイ、点火管及びツールを点火管から分離する移送弁を有する本発明の更に別の実施形態としての装置を用いてシート状の未加工ブランク又は素材を燃焼成形する方法を示す単純化された略図である。
【図23c】ツール又は成形ダイ、点火管及びツールを点火管から分離する移送弁を有する本発明の更に別の実施形態としての装置を用いてシート状の未加工ブランク又は素材を燃焼成形する方法を示す単純化された略図である。
【図23d】ツール又は成形ダイ、点火管及びツールを点火管から分離する移送弁を有する本発明の更に別の実施形態としての装置を用いてシート状の未加工ブランク又は素材を燃焼成形する方法を示す単純化された略図である。
【図23e】ツール又は成形ダイ、点火管及びツールを点火管から分離する移送弁を有する本発明の更に別の実施形態としての装置を用いてシート状の未加工ブランク又は素材を燃焼成形する方法を示す単純化された略図である。
【図24】図23a〜図23eに示されたダイがスクラップ材料をダイからスクラップ除去装置に突き出すよう取り付けられたダイプレスの概略詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、本発明の好ましい実施形態に従って加工物12を修整する装置10を示している。装置10は、加工物12を修整するために爆発(参照符号47で示された可燃物の点火の結果として生じる)により生じた流体圧力を用いる。好ましい実施形態では、装置10は、爆発から衝撃波42(図3)を生じさせるよう構成され、衝撃波により生じる圧力が以下に詳細に説明するように加工物12を修整する。しかしながら、装置10は又、たとえ爆発が衝撃波を生じさせない場合であっても、以下に詳細に説明するように加工物12を修整するよう作動可能である。
【0054】
装置10は、加工物12を一通り又は二通り以上に互いに異なるやり方で修整するよう加工物12に対して種々の作業を実施することができる。例えば、装置10は、加工物12を特定の形状に成形することができる。代替的に又は追加的に、装置10は、加工物12に穴をあけると共に/或いは加工物12を部分的にトリムするよう使用できる。図1に示されている特定の装置10は、加工物12を所望の形状に成形すると共に加工物12に穴をあけると共にこれを部分的にトリムするよう構成されている。特に、装置10が衝撃波42を発生させる場合、装置10は、比較的小径の穴を加工物12にあけるよう構成されるのが良く、これは、先行技術の油圧成形システムでは実施するのが困難である。
【0055】
図2は、図1に示されている装置10で用いられる特定の加工物12を示している。加工物12は、好ましくは、管状であり形状が細長く、加工物内部14を構成する管状壁16を備えている。加工物12は、内部14への第1の開口部20が設けられた第1の端部又は頂端部18を有すると共に内部14への第2の開口部24が設けられた反対側の第2の端部又は底端部22を有している。
【0056】
加工物12は、任意適当な形状のものであって良い。例えば、図2に示されている加工物12は、管状であり、全体として括弧の形をしている。しかしながら、本発明は、管状の加工物には限定されず、以下に詳細に説明する変形実施形態では、加工物は、他の形状を取ることができ、例えば、扁平な又は実質的に扁平なシート若しくはボード又は開口管状の形である。
【0057】
図1を参照すると、装置10は、好ましくは、加工物12を修整するための実質的に互いに同一の第1及び第2の区分10A,10Bを有し、第1の区分10Aは、加工物を成形するために用いられ、第2の区分10Bは、完成部品をもたらすよう加工物12を穴あけすると共にトリムするために用いられ、理解されるべきこととして、装置10は、2つの加工物12を同時に保持してこれに作用することができる。各区分10A又は10Bは、点火チャンバ26(個々に26a,26bで示されている)、圧力移送構造体30(個々に30a,30bで示されている)、加工物12を保持するためのダイ32の異形部分(個々に12a,12bで示されている)、減圧弁36(個々に36a,36bで示されている)、主要な非圧縮性流体入口弁38(個々に38a,38bで示されている)を有する。各圧力移送構造体は、隔離弁58を更に有し、この隔離弁は、点火チャンバ26を爆発の発生に先立って装置10によって実施される他の作用から隔離するために用いられる。装置10は、ダイプレス34、加工物移送機構体39(図8a)及び制御装置40を更に有している。
【0058】
一般的に言って、装置10は次のように稼働する。即ち、制御装置40は、隔離弁58を閉じ、ダイプレス34を作動させてダイ32を開放し、それにより移送機構体39が完成状態の加工物12を第2の区分10Bから出すと共に成形された加工物を成形区分10Aから穴あけ・トリム区分10Bに移し、新たな加工物を成形区分10Aに移動させる。次に、制御装置40は、ダイ32を閉鎖し、点火チャンバ26及び圧力移送構造体30(これは、加工物12の移送を可能にするよう通路から幾分外れてあらかじめ動かされている)を管状加工物12a,12bの頂端部18に流体的に且つ密封的に連結する。同様に、減圧弁36を管状加工物12a,12bの底端部20に流体的に且つ密封的に連結する。加工物12a,12b及び好ましくは圧力移送構造体30の一部分に非圧縮性流体41を充填し、点火チャンバ26に可燃物を充填する。次に、制御装置40は、隔離弁58を開くと共に可燃物を爆発させて好ましい衝撃波42を生じさせ、この衝撃波は、流体圧力をもたらして加工物12を成形すると共に/或いは穴あけする。減圧弁36は、主要な非圧縮性流体入口弁38を衝撃波42の作用から保護する。次いで、ダイプレスが開き、プロセスを繰り返す。
【0059】
非圧縮性流体41は、好ましくは水であり、本明細書ではこれを水という場合があるが、任意適当な非圧縮性流体を用いることができることは理解されよう。水は、錆、腐食又は酸化に影響されやすい場合のあるコンポーネントのために錆、腐食又は酸化の存在を阻止するための乳剤を含むのが良い。
【0060】
第1の区分10Aの詳細な構造及び作用について以下に説明するが、理解されるべきこととして、第2の区分10Bは、これと同様な構造及び機能を有している。
【0061】
点火チャンバ26a内における爆発により、圧力が点火チャンバ内に生じ、この圧力は、水41に伝えられ、そして水41からダイ32内の加工物12aに伝えられ、それにより加工物12aが修整される。上述したように、点火チャンバ26a内で生じた圧力は、好ましくは、衝撃波42(図3)の形態をしており、装置10は、好ましくは、衝撃波42が第1の点火チャンバ26a内のガスから水41に移り、移送構造体30aを介して加工物12aに伝わり、そして加工物12aを通って減圧弁36aに伝わるよう構成されている。
【0062】
引き続き図3を参照すると、衝撃波42は、音よりも早く移動する局所化圧力スパイクである。その結果、衝撃波42から見て下流側に位置する流体のセグメントは、衝撃波42それ自体が流体のそのセグメントに到達するまでは衝撃波42の影響を受けない。その結果、衝撃波42から見て下流側に位置する流体には圧力の増大が生じない。しかしながら、衝撃波42それ自体は、これがどの中を移動しているにせよ、符号43で示されたそれとの衝撃波の接触パッチのところに側圧(即ち、衝撃波42の移動方向に対して横向きの方向の圧力)を及ぼす。衝撃波42が加工物12a中を移動すると、接触パッチ43のところで加工物12aに対して衝撃波42により及ぼされる側圧は、加工物12aを何らかの仕方で修整するために用いられる。例えば、側圧を用いると加工物12aを拡張させてこれをダイ32内のダイキャビティ44の壁に押し付ける。代替的に又は追加的に、側圧を用いると、加工物12aに1つ又は2つ以上の穴をあけることができる。また、側圧を用いると、以下に説明するように加工物12aの端部をトリムすることができる。図3に示されている図では、衝撃波42は、加工物12a中を伝わり、この衝撃波は、加工物12aの一部分を拡張させ、加工物12aの別の下流側の部分には未だ達していない。
【0063】
衝撃波42の性質は、適当な値の所与の範囲内において様々であって良い。例えば、衝撃波42の速度は、点火チャンバ26a内のガス中において約1,000m/秒以上であるのが良い。水41の中においては、衝撃波42の速度は、約8,000m/秒以下であるのが良い。衝撃波42の圧力Pswは、加工物の材料に応じて、約50バール〜約10,000バールの範囲内のどこかにピークに達するのが良い。衝撃波42の長さは、数ミリメートル〜20ミリメートル以上の範囲内で様々であって良く、制約条件としては、衝撃波が衝撃波を加える部品の長さよりも短いということにあり、但し、好ましくは、実際には、衝撃波は、衝撃波が加えられる部品の長さよりも著しく短い。一般的に言えば、衝撃波42の圧力Pswは、可燃物47の点火に先立って、点火チャンバ26a内の可燃物47(図1)の充填圧力Pfの何倍も高い。特定の用途に用いられる圧力Pswは、1つ又は2つ以上の要因に基づいて選択されるのが良く、このような要因としては、例えば、加工物12aの壁圧、加工物12の材質及び加工物に対して実施されている作業(例えば、加工物12の穴あけに対して加工物12の拡張)が挙げられる。衝撃波42の速度は、点火チャンバ26a内における可燃物の充填圧力Pfの増大につれて増大する。衝撃波42の長さは、可燃物47(図1)の充填圧力Pfの増大につれて減少する。
【0064】
点火チャンバ26aは、図4a及び図4bに、より明確に示されている。点火チャンバは、点火チャンバ本体53a及びヘッド53bを有している。壁46が点火チャンバ45(図4b)を画定している。
【0065】
可燃物47は、それ自体、任意適当な可燃物であって良く、例えばH2及びO2である。H2及びO2が可燃物47である実施形態では、H2及びO2は、好ましくは、ほぼ2:1の体積比で点火チャンバ26a内に移送される。点火チャンバ26aを任意適当な圧力、例えば約10〜20バールの圧力、160バール以上の圧力まで可燃物を充填するのが良い。より好ましくは、充填圧力は、約40バール〜約120バールである。例示の実施形態では、加工物12aへの壁圧が2.6mm、長さが約1.2mであり、加工物が軟鋼で作られている場合、加工物12aを成形するために用いられる充填圧力は、約30バールであるのが良く、加工物12bに穴を開けたり加工物12bを部分的に切り落としたりするために用いられる充填圧力は、約50バールであるのが良い。
【0066】
図4aに参照符号48,49で示された複数個のガス入口弁が図示されていない可燃物47の源から可燃物入口48a,49aを通って点火チャンバ内部45内への可燃物47の流量を制御する。ガス入口弁48,49は、任意適当な形態のものであって良く、例えば、国際公開第2009/015716号パンフレット(出願人:コスマ・エンジニアリング・ヨーロッパ・エージー(Cosma Engineering Europe AG))に示されると共に説明されている形態であり、この国際公開を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。図示の実施形態では、弁48,49は、それぞれ、酸素及び水素の流量を制御する。制御装置40は、弁48,49を作動させて点火チャンバ内部45が所望の充填圧力に達するまでこの中に制御された量の酸素及び水素を流入させることができる。
【0067】
図4bを参照すると、点火チャンバ26bは、好ましくは、図示されていない水41の源から非圧縮性流体入口50a(これを水入口50aという場合がある)を介する点火チャンバ26a内への水41の導入を制御するよう構成された非圧縮性流体トップオフ(top-off)弁50を有する。制御装置40は、点火チャンバ内部45を選択された充填レベルまで充填するためにトップオフ弁50を制御する。
【0068】
正確な充填レベルを達成するため、選択された量の水41を油圧シリンダ(図示せず)内に蓄えるのが良い。シリンダの作動(即ち、前進位置へのシリンダのピストンの運動)が水41をシリンダから点火チャンバ26a内に押し込む。制御装置40は、好ましくは、シリンダに負荷をかけてこれを作動させる。
【0069】
トップオフ弁50は、水41を点火チャンバ26a内に流入させる比較的小さな開口部を有するよう構成されるのが良く、その目的は、点火チャンバ26a内での点火中の条件にさらされる弁50のコンポーネントを保護することにある。しかしながら、小さな開口部は、点火チャンバ26aをトップオフ水41で選択された充填レベルまで充填するのに比較的長い充填時間を促進する。しかしながら、弁48,49は又、小さな開口部を有しても良く、可燃物47の充填時間は、可燃物47がガスなので水41の充填時間よりも短い。
【0070】
点火チャンバ26aは、好ましくは、排気ガス出口51aを通る点火チャンバ26aからの排気ガスの流量を制御する排気弁51(図4a)を有する。排気弁51は、好ましくは、制御装置40によって制御される。
【0071】
選択された量の非可燃性ガス、例えば窒素は、任意適当な手段により、例えば、水トップオフ弁50により点火チャンバ26中に移送可能であるのが良い。点火チャンバ26a内への窒素の移送を用いて点火チャンバ26a内における爆発後にどのようなガスが存在していてもこれを点火チャンバ26aから放出することができ、その後ダイ32を開く。
【0072】
点火チャンバ26aは、可燃物47に点火するよう構成された点火器52を更に有する。点火器52は、任意適当な形式の点火器であって良く、例えば、国際公開第2008/017332号パンフレット(出願人:コスマ・エンジニアリング・ヨーロッパ・エージー)に記載されているエネルギービームを生じさせる点火器又は国際公開第2008/017444号パンフレット(出願人:コスマ・エンジニアリング・ヨーロッパ・エージー)に記載されているような誘導方式によって点火する点火器であり、これら国際公開を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。点火器52の作動は、制御装置40によって制御されるのが良い。
【0073】
図4aを参照すると、可燃物充填弁48,49、水トップオフ弁50(図4a)、排気弁51及び点火器52は、全て、点火チャンバ26aの上端部のところで点火チャンバヘッド53b内に位置決めされるのが良い。
【0074】
図3を参照すると、衝撃波42を生じさせるため、点火チャンバ内部45は、好ましくは、全体として円筒形であるように構成され、このような点火チャンバ内部は、Dicのところに示されたその直径とLicのところに示されたその長さ(水41の充填レベルよりも上方に位置する)と可燃物47の点火により生じた圧力との間に選択された関係を有する。例えば、水41の充填レベルよりも上に位置する点火チャンバ内部45の長さLicは、好ましくは、約20バールの充填圧力時に点火チャンバ内部45の直径Dicの約30倍である。充填圧力が増大すると、安定した衝撃波42を形成するのに必要な長さが減少する。直径Dicが50mmの内部45を有する点火チャンバ26を用いて試験を実施したが、安定した衝撃波42は、20バールの充填圧力時には約50cmの長さで、約120バールの充填圧力時では約20cmの長さで達成された。
【0075】
点火チャンバ26aの長さに影響を及ぼす幾つかの検討事項が存在する。衝撃波42が点火チャンバ26a内のガスから水41に伝わると、衝撃波42の僅かな部分が反射して上方に戻る。衝撃波42が点火チャンバヘッド53b内の弁48,49,50,51及び点火器52に当たる前に、衝撃波42の反射波をできるだけ減衰させるためには点火チャンバ26を比較的長くするのが有利である。かくして、弁48,49,50,51(図4a)及び点火器52(図4b)を保護しようとするには、比較的長い点火チャンバ26を設けることが有利である。しかしながら、各燃焼サイクルで処理されるガスの量を減少させようとするには、比較的短い点火チャンバ26を設けることが有利である。ガスの消費量を減少させることにより、ガスと関連したコストが減少すると共に点火チャンバ26aに可燃物47を充填するのに必要な時間が短縮される。かくして、幾つかの競合する問題を点火チャンバ26aの長さの選択時に考慮するのが良い。図3を参照すると、図示の実施形態では、点火チャンバ内部45は、直径Dicが50mmの場合に水41の充填レベルよりも約1.5m上方の長さLicを有する。
【0076】
図4bを参照すると、点火チャンバ内部45は、衝撃波42(図3)の反射波を生じさせる場合のある表面が実質的にないように全体として滑らかな壁を有するのが良く、反射波は、衝撃波42それ自体と関連したエネルギーを減少させる場合があると共に例えば弁48,49,50,51(図4a)や点火器52(図4b)のようなコンポーネントを損傷させる場合があり又は経時的に点火チャンバ26aの壁を腐食させる場合がある。
点火チャンバ壁46内には、好ましくは、冷却導管57が設けられ、これら冷却導管は、壁46を通って冷却用流体(例えば、水又は冷凍液)を運んで装置10の使用中、必要に応じて点火チャンバ26aを冷却する。冷却導管57は、制御装置40の管理下にある温度制御システム(図示せず)に当該技術分野においてそれ自体知られているように閉ループ方式で連結されるのが良い。
【0077】
生産等級の爆発成形システムの品質証明の1つは、一定品質の部品を迅速に製造できるということにある。これを行うため、爆発成形システムにより生じた爆発及び圧力は、全てのラン又は実行時に比較的一定に保たれる必要がある。可燃物の温度は、生産速度及び製造される部品の品質に有害な影響を及ぼす場合のあることが判明した。温度制御システムは、部品生産率を最大にするために必要な迅速に繰り返し可能であると共に安定した爆発を達成する上で重要な役割を果たす場合がある。首尾一貫した結果を達成するため、適当なセンサに結合された制御装置40は、爆発を発生させるために可燃物の正確な比及び所定の質量を提供する。可燃物のための点火チャンバ内の利用可能な容積部は、好ましくは、上述したように点火チャンバ内への一貫して繰り返し可能な所定量の水の流入により制御される。さらに、制御装置は、好ましくは、特に水素と酸素の好ましい化学量論的混合物を用いる場合、可燃物の分離傾向を最小限に抑えるために所定量の可燃物が点火チャンバ内に移送されるやいなや、可燃物に点火する。しかしながら、点火チャンバ内への可燃物の圧力は、良好に制御される量ではない。というのは、このような圧力は、周囲の温度に左右されるからである。以下に詳細に説明するように、可燃物の圧力の変化が生じる圧力波又は衝撃波の性状に重要な影響を及ぼす場合のあることが判明した。さらに、独立変数として、可燃物の温度が爆発の質に役割を果たす場合のあることも判明した。例えば、水素と酸素の好ましい化学量論的混合物の場合、温度が低すぎると、例えば5℃未満であり、より好ましくは20℃未満であり又は温度が高すぎると、例えば150℃を超え、より好ましくは100℃を超えると、安定した爆発を達成することが困難であった。しかしながら、一貫性のある迅速に繰り返される爆発及び圧力波若しくは衝撃波のプロフィールを提供することを目的として、点火チャンバの温度を制御することによりこれら問題の多くを回避し又は最小限に抑えることができる。
【0078】
点火チャンバ26aを冷却することにより得られる他の利点について以下において更に説明する。
点火チャンバ26aは、参照符号55で示されているその底部に開口部54を有する。開口部54を圧力出口という場合がある。というのは、点火チャンバ26a内の圧力(例えば、衝撃波42)が加工物12aに向かって外方に伝えられるのは、この開口部54を介してであるからである。
【0079】
図4dを参照すると、点火チャンバ26aは、点火チャンバ支持体279で支持され、この点火チャンバ支持体は、クランプ280及び支持ベース282を有する。支持ベース282は、第1のベース部分282a、第2のベース部分282b及び第3のベース部分282cで構成されている。第1、第2及び第3のベース部分282a,282b,282cは、通路から外れた点火チャンバ26aの水平運動を可能にするよう協働し、その結果、点火チャンバ26aの下に位置するダイ32を天井クレーン(図示せず)により吊り上げて装置10から出すことができ、そして別のダイ32を装置10内に下降させてその定位置に配置することができるようになる。ベース部分282a,282b,282cは、互いに異なる高さのダイ32を受け入れるよう点火チャンバ26aの垂直方向調整を可能にするよう更に協働し、それにより互いに異なる長さの加工物12aに対する作業が可能になる。ベース部分282a,282b,282cは、更に、水平軸線回りの点火チャンバ26aの回転を可能にするよう協働する。
【0080】
クランプ280は、弾性ガスケット283を介して点火チャンバ26aをクランプする。ガスケット283は、点火チャンバ26aに設けられた切欠きに嵌合して点火チャンバ26aがクランプ280内で垂直方向に滑るのを阻止することができる。ガスケット283が設けられていることにより、点火チャンバ26aから装置10の残部への爆発エネルギーの伝達が阻止されると共に点火チャンバ26aが以下に更に説明するように加工物12aに対する移送構造体30aの出し入れ中に往復動することができる。
【0081】
図1を参照すると、移送構造体30aは、点火チャンバ26aをダイ32内の加工物12aに流体結合させる。移送構造体30aは、隔離弁58及び移送導管59を有している。
【0082】
隔離弁58は、好ましくは、点火チャンバ26aを上述したように隔離する。隔離弁58は、点火チャンバ26aが加工物12aに流体結合される開放位置(図1及び図5aに示されている)及び点火チャンバ26a(図1)がダイ32から隔離される閉鎖位置(図5b)に位置決め可能であるのが良い。図5aを参照すると、隔離弁58は、任意適当な構造のものであって良い。例えば、隔離弁58は、弁体60、流量制御部材、例えば弁体60内で回転可能なボール62、ボール62に連結されたアクチュエータ64及びボール62と弁体60との間を密封するシール構造体65を有するのが良い。隔離弁58は、第1の端部68のところに設けられた第1の弁開口部67(これを圧力入口をいう場合がある)と第2の端部70のところに設けられた第2の弁開口部69(これを圧力出口という場合がある)との間に延びる流体通路66を有している。
【0083】
ボール62を貫通して貫通孔71が設けられ、この貫通孔をボール孔という場合がある。ボール62は、アクチュエータ64によってボール孔71が第1及び第2の弁開口部67,69に流体結合される開放位置(図5a)とボール孔71が第1及び第2の開口部67,69から流体結合解除される閉鎖位置(図5b)との間で回転可能である。ボール62は、任意適当な材料で作られて良く、例えば、ステンレス鋼で作られる。
【0084】
弁体60は、好ましくは、本体部分72及び本体部分72に取り付けられた複数個の交換可能な弁体部材73を有する。交換可能な弁体部材73は、頂部スペーサリング74、底部スペーサリング75、周囲着座要素76,78及びコーナー部材79a,79bを有している。頂部スペーサリング74及び底部スペーサリング75の各々とボール62との間には約0.1mmの隙間が生じるのが良い。交換可能な弁体部材73は、任意適当な材料で作られて良く、例えばステンレス鋼で作られる。
【0085】
シール構造体65は、弁体60とボール62との間を密封し、このようなシール構造体は、任意適当な構造のものであって良い。図示の実施形態では、シール構造体65は、弁体60に取り付けられた頂部及び底部リング状シール部材80,82(これらをシールリングという場合がある)及びボール62に設けられた複数個のシール部材83を有している。シールリング80,82は、好ましくは、ボール62にひっかき傷を付けるのを回避するためにボール62よりも比較的に軟質の材料、例えば青銅で作られる。
【0086】
シールリング80,82は、大部分が頂部及び底部スペーサリング74,75によって流体通路66に暴露されないようになる。その結果、保持部材74,75は、比較的軟質のシールリング80,82を、弁流体通路66を通る衝撃波42による損傷から保護する。衝撃波42の何割かの部分がスペーサリング74,75の一方とボール62との間の隙間に入ってシールリング80又は82に向かって伝わった場合、シールリング80又は82を損傷させるその能力は、隙間のサイズが小さいのでこれが移動しているときに著しく低下する。
【0087】
シール部材83は、好ましくは、1つ又は2つ以上のOリング及びボール62の表面に設けられた溝の中に嵌められる1つ又は2つ以上のC字形シール部材を有する。これらシール部材83は、弁58が開放位置にあるときにスペーサリング74,75及びシールリング80,82に係合し、それにより点火チャンバ26a内における爆発により生じる圧力が加工物12aに伝えられたときに生じる圧力状態において漏れを生じさせない追加の密封性能が提供される。
【0088】
図5bを参照すると、隔離弁58が閉鎖位置にあり、点火チャンバ26aに水41及び可燃物47を充填しているとき、点火チャンバ26a内の圧力は、ボール62を押し下げてこれを底部シールリング82に当て、それによりこれらの間の係合度が高くなる。これにより、隔離弁58により提供される密封性能が向上する。更に、水41を可燃物47による充填に先立って点火チャンバ26a内に移送するのが良いことが注目されよう。このように、水41は、可燃物47と隔離弁58との接触を阻止するバリヤとしての役目を果たす。その結果、隔離弁58内のシールリング80,82は、液体(即ち、水41)の漏れを生じさせないよう働き、これは、ガスの漏れを生じさせないようにする場合よりも容易である。
【0089】
点火チャンバ26aが所望の圧力まで充填されると共にボール62が圧力によって下方に押される場合、ボール62をその開放位置まで回転させるのに必要な力は、比較的大きい。点火チャンバ26aを所定圧力まで充填させたあとにボール62を回転させるのに必要な力を減少させるためには、参照符号84で示されたバイパス導管及びバイパス弁86を用いてボール62から見て上流側の圧力と下流側の圧力を等しくするのが良い。バイパス導管84は、一端がボール62から見て上流側の箇所84a(例えば、流体的にボール62と圧力入口67との間の箇所)に連結され、別の端がボール62から下流側の箇所84b(例えば、流体的にボール62と圧力出口69との間の箇所)に連結されている。
【0090】
バイパス導管84の断面積は、圧力入口67のところの弁流体導管66の断面積よりも小さく、その結果、バイパス弁86は、隔離弁58よりも小さく、かくして、高い圧力差を受けている間に動くのに必要なエネルギーが少なくて済む。バイパス弁は、任意適当な形式の弁であって良く、例えばニードル弁である。
【0091】
バイパス弁86は、ボール62から見て上流側の圧力と下流側の圧力が等しくなるよう上流側箇所84aと下流側箇所84bの流体連通を選択的に可能にするよう動作することができる。圧力がいったん等しくなると、ボール62は、もはや下方に押されて保持部材75及び第2のシール部材82に当たることはなく、かくして、開放位置まで回転するのが容易である。
【0092】
オプションとして、一方又は両方の密封部材80及び/又は82を選択的に移動させてボール62に多かれ少なかれ係合させ、それによりボール62を回転させるのに必要な力の程度を制御する機構体を設けることが可能である。このような機構体は、オプションとして、バイパス導管84及びニードル弁86に代えて使用可能である。
【0093】
追加の密封が弁体要素相互間の密封部材87、例えばOリングの使用により隔離弁58内の他の場所で起こる。
【0094】
隔離弁58は、頂部弁開口部67が点火チャンバ開口部54(図5a)に流体結合されるよう点火チャンバ26aに連結されている。隔離弁58と点火チャンバ26aの結合は、任意適当な手段によって達成可能である。例えば、フランジ88,90をそれぞれ、点火チャンバ開口部54及び頂部弁開口部57のところに設けると共にフランジ88,90を互いに結合するようフランジクランプ92を設けるのが良い。ガスケット(図示せず)をフランジ88,99相互間に設けるのが良い。フランジクランプ92により、隔離弁58及び点火チャンバ26aを保守又はコンポーネントの交換目的のために所望に応じて分離することができる。
【0095】
隔離弁58のもう1つの目的は、装置10を水41で選択されたレベルまで迅速に充填するシステムの一部として隔離弁を用いることができるということにある。装置10内の一貫性のある予測可能な水充填レベルを提供することは有益である。というのは、水充填レベルは、例えば可燃物のための装置内の空間の量、ガス/水インターフェイス前のガス中の衝撃波の伝搬量のようなパラメータに直接的な影響を及ぼすからである。弁58を閉じると、水41を高い流量で装置10内に導入することができ、そして装置10を弁58内のボール62まで完全に充填することができる。参照符号93で示されたドレン導管をボール62の高さ位置に設けるのが良い。ドレン導管93により、空気は、装置10への水41の充填中、装置10から排出可能である。ドレン導管93に設けられた参照符号93aで示された適当なセンサが、水41の存在を検出するよう設けられるのが良く、水41の存在は、装置10がボール62まで水41で充填されたことを制御装置40に指示する。ドレン導管93に設けられたドレン弁93bが装置10への水41の充填中に装置10からの空気及び水の流出を可能にする開放位置から、センサ93aが水41の存在を検出したときに装置からの空気及び水の流出が阻止される閉鎖位置に動作することができる。隔離弁58、ドレン導管93、センサ93a及びドレン弁93bを設けることにより、装置10を水弁39aを介して高い流量で充填することができ、それにより比較的短い充填時間で一貫性のある水充填レベルが得られる。
【0096】
隔離弁58を設けたことによるもう1つの利点は、隔離弁58により、点火チャンバ26を爆発の発生に先立って装置10に実施される他の作用とは独立して可燃物47で充填できることにある。その結果、点火チャンバ26aへの可燃物47の充填と装置10により実施される他の作用、例えば移送機構体39(図8a)の運動、ダイ32の閉鎖及び加工物12aと移送導管59への水41の充填との間にオーバーラップが生じることがある。点火チャンバ26aに可燃物47を充填することは、比較的長い時間がこのような場合がある。点火チャンバ26aの充填と可燃物47による点火チャンバ26aの充填に先立って実施される他の作用との間のオーバーラップを可能にすることにより、第1及び第2の加工物12を修整するために装置10によって費やされる全体的サイクル時間が減少する。
【0097】
移送導管59は、隔離弁58と加工物12aを互いに流体結合させる。図6aを参照すると、加工物12aの形状の結果として、ダイ32内に保持されているときの加工物12aの向きは、加工物12a内に存在する水41(図1)の全てが加工物12aをいつでもダイ32から突き出すことができる場合に重力の作用で加工物12aから流出するようにするよう選択可能である。加工物12aの選択された向きに応じて、加工物12aの第1の開口部20は、隔離弁58の第2の開口部69を差し向ける中心として参照符号97で示されている軸線に対して平行ではない第1の開口部の軸線94回りに差し向け可能である。
【0098】
平行ではない軸線を取り扱うため、移送導管59は、好ましくは、軸線95回りに差し向けられる第1の又は上流側の移送導管部分102、軸線94回りに差し向けられる第2の又は下流側の移送導管部分104及びこれらの間の撓み継手106を有する。
【0099】
第1の移送導管部分102中には流体通路107が設けられている。第2の移送導管部分104内には流体通路108が設けられている。流体通路107,108は、移送導管流体通路110を構成している。移送導管流体通路110は、弁流体通路66と組み合わされた状態で、一緒になって移送構造体流体通路111を構成する。図1を参照すると、点火チャンバ26が衝撃波42を生じさせるよう構成された実施形態では、点火チャンバ内部45及び移送構造体流体通路111は、実質的に反射要素のない予備加工物衝撃波流路112を構成する。予備加工物衝撃波流路112は、好ましくは、実質的に一定の断面サイズ及び実質的に一定の断面形状を有する。予備加工物衝撃波流路112は、好ましくは、断面が全体として円形である。予備加工物衝撃波流路112のこれらの特徴は、衝撃波42が加工物12aまで伝わっているときの衝撃波42の劣化を阻止する。
【0100】
移送導管59は、第1の移送導管部分102に第1の端部118を有し、この第1の端部のところには、移送導管流体通路110への第1の開口部119が設けられている。移送導管59は、その第1の端部118にフランジ120を有するのが良く、このフランジは、隔離弁58の第2の端部70に設けられたフランジ122と合致する。フランジクランプ124を用いてフランジ120,122を結合するのが良い。かくして、それ自体点火チャンバ26aにしっかりと連結された隔離弁にしっかりと連結されている結果として、第1の移送導管部分102は、点火チャンバ26aに対してしっかりと連結されているものと見なされる。
【0101】
移送導管59は、第2の移送導管部分104に第2の又は下流側の端部130を有し、移送導管流体通路110への第2の開口部131がこの端部のところに設けられている。移送導管59の下流側端部130は、全体として円錐形であるのが良い。
【0102】
図6a及び図6bを参照すると、第2の移送導管部分104は、第2の移送導管部分104が第1の加工物12の第1の開口部20内に挿入されてこれらの間に密封状態の流体結合部が形成される前進位置(図6a)と移送導管59の下流側端部130が加工物12aから引っ込められてダイキャビティ44からの加工物12aの突き出しが可能になる引っ込み位置との間で動くことができる。
【0103】
撓み継手106により、第1の導管部分102に対する第2の導管部分104の回転が可能になり、これら導管部分相互間の角度を調節することができるようになっている。撓み継手106は、任意適当な形式の継手であって良く、例えば、第2の移送導管部分104に設けられた球形部材113(即ち、「ボール」)及び第1の移送導管部分102に設けられた球受け入れ部材114(即ち、「ソケット」)で構成されたボールソケット形継手である。球形部材113には、これを通る水41の漏れを阻止するシールを形成するよう球受け入れ部材114と協働する複数個のシール部材116、例えばOリング及びC字形シール部材が設けられるのが良い。
【0104】
第2の移送導管部分104は、参照符号141で示された案内部材内で摺動可能であり、かくして、前進位置と引っ込み位置との間で直線経路に沿って運動できるようにダイ32に摺動可能に連結されている。しかしながら、上述したように、第1の移送導管部分102は、点火チャンバ26aに対してしっかりと固定されるのが良く、点火チャンバ26aは、点火チャンバ支持体279(図4a)に取り付けられている。第2の移送導管部分104の直線運動に対応するため、撓み継手106により、第1及び第2の移送導管部分102,104は、必要に応じて互いに対して回転することができ、図4dに示されている点火チャンバ支持体279(特に、弾性ブッシュ280)により、点火チャンバ26aにより必要とされる並進及び回転がどのようなものであれ、これが第2の移送導管部分104の直線運動を許容できる。
【0105】
加工物12が垂直軸線(図6aには示されていない)回りに差し向けられる第1の開口部20を有する実施形態では、オプションとして、移送導管59が撓み継手106をなしで済まし(その長さ全体に沿って垂直方向に真っ直ぐに延び)、移送導管59の運動が垂直軸線に沿って起こることが可能であり、このような運動により、点火チャンバ26aは、点火チャンバ支持体279に設けられている弾性ブッシュ280(図4d)内で上下に動くようになる。しかしながら、撓み継手106を設けることにより、装置10は、非垂直軸線回り又は点火チャンバ26aの開口部54の差し向けの中心となる軸線に対して平行ではない軸線回りに差し向けられる第1の開口部20を有する加工物12を受け入れることができる。
【0106】
図4aを参照すると、弁48,49,50,51及び点火チャンバ26aの任意他のコンポーネントに通じる流体運搬導管(図示せず)は、第2の移送導管部分104が前進位置と引っ込み位置との間で動くときに点火チャンバ26aの運動を許容するよう構成されている。
【0107】
図6aを参照すると、移送導管59の下流側端部130を加工物12aの第1の開口部20の中に挿入すると、下流側端部130は、加工物12aの第1の端部18を挟んでこれをカラー140に押し付け、それにより加工物12aの第1の端部18をラッパ状に広げると共にこれに全体として円錐形の形状を与える(加工物のラッパ状広がりが図6aにおいて誇張して示されている。)移送導管50の下流側端部130が引き続き加工物12aの第1の端部18内に押し込まれると、嵌合状態の円錐形端部130,18は、互いに十分に良く密着し、その結果、加工物12a及び移送導管59に水41を充填し、点火チャンバ26a内の可燃物47(図1)に点火しているときにこれら端部が漏れを生じないようになる。
【0108】
注目されるように、第1及び第2の移送導管部分102,104内の流れ通路107,108は、第2の移送導管部分104が引っ込み位置(図6b)にあるとき、互いに整列する必要がない。しかしながら、第1及び第2の移送導管部分102,104内の流れ通路107,108を第2の移送導管部分104が前進位置(図6a)にあるとき、互いに整列させる。
【0109】
注目されるように、隔離弁58をオプションとして、移送構造体30aから省いても良い。このような実施形態では、第1の移送導管59は、移送構造体30aを構成するのが良く、これを点火チャンバ26aに直接連結するのが良い。隔離弁58を省くことは、点火チャンバ26aへの可燃物の充填がダイ32を閉鎖するまで始まらず、幾つかの実施形態では、或る特定のコンポーネントが液体の漏れを止めるよう密封を行うが、気体の漏れを止めることがないよう構成されている場合、水41をその選択された充填レベルまで充填するまで始まらないということを意味する場合がある。
【0110】
装置10に取り付けられているダイ32を別のダイ32に交換することが望ましい場合(例えば、別の製品を製造するために)、移送導管59を隔離弁58から切り離し、移送導管59をダイ32に連結したままにしておくことが有利な場合がある。1つの理由は、移送導管59をダイ32内の案内部材141から取り外すよりも、移送導管59を隔離弁58から分離する(例えば、フランジクランプ124を開放することにより)ことが比較的容易な場合があるということにある。一ダイ32から別のダイへの切り換えを一段と容易にするため、フランジクランプ124は、遠隔操作で開閉可能であるのが良い。
【0111】
図7を参照すると、フランジクランプ124は、モータ143、例えばサーボモータ、ねじ山付き出力部材144、第1のクランプアーム148に回転可能に取り付けられた第1のフォロア146、第2のクランプアーム152に回転可能に取り付けられた第2のフォロア150及びオプションとして第1及び第2のクランプアーム148,152の両方に回動可能に取り付けられたクランプベース部分154を有するのが良い。ねじ山付き出力部材144には、第1のねじ山の向きを備えた第1のねじ山付き区分156及びこれと逆の第2のねじ山の向きを備えた第2のねじ山付き区分158が設けられるのが良い。第1のフォロア146は、第1のねじ山付き区分156を挿通させる第1のねじ山付き孔160を有している。第2のフォロア150は、第2のねじ山付き区分を挿通させる第2のねじ山付き孔162を有している。その結果、ねじ山付き出力部材144をモータ143によって第1の回転方向に回転させると、第1及び第2のフォロア146,150は、フランジ116,118(図1)をクランプするための閉鎖位置まで互いに向かって移動する。ねじ山付き出力部材144をモータ143によって第2の回転方向に回転させると、第1及び第2のフォロア146,150は、移送導管59からの隔離弁58の分離を可能にする開放位置まで互いに遠ざかって移動する。互いに近づいたり遠ざかったりする第1及び第2のフォロア146,150の運動中、第1及び第2のフォロア146,150は、クランプアーム148,152に対して旋回する。
【0112】
第1及び第2のフォロア146,150がクランプアーム148,152を駆動してこれらを開閉すると、クランプアーム148,152の回動運動により、フォロア146,150は、参照符号153で示されているフランジクランプベースに対して弧状の経路に沿って駆動される。かくして、フォロア146,150の運動は、出力部材144の軸線に沿う長手方向運動に加えて幾分かの側方シフトを含む。フォロア146,150の側方シフトを許容するため、モータ143は、フランジクランプベース153に対して摺動可能に取り付けられるのが良く、その結果、モータ143及び出力部材144は、フォロア146,150と一緒に側方にシフトするようになる。モータ143の作動は、制御装置40によって制御されるのが良い。
【0113】
図8aを参照すると、ダイ32は、第1のダイプレート164及び第2のダイプレート166を有する。第1のダイプレート164には第1のダイキャビティ部分168が設けられ、第2のダイプレート166には第2のダイキャビティ部分170が設けられている。
【0114】
第1及び第2のダイプレート164,166は、開放位置(図8a)及び閉鎖位置(図8b)に位置決め可能である。図8a及び図8bに示されている実施形態では、第1のダイプレート164は、静止しており、第2のダイプレート166は、ダイ32のための開放位置及び閉鎖位置を提供するようダイプレス34によって動くことができる。第2のプレート160が移動する中心をなす軸線をダイプレート運動軸線という場合があり、これは、参照符号167で示されている。
【0115】
第1のダイプレート164には第1のダイキャビティ部分168が設けられ、第2のダイプレート166には第2のダイキャビティ部分170が設けられている。ダイキャビティ部分168,170は、一緒になって、ダイキャビティ44(図8b)を構成する。
【0116】
図6aを参照すると、第1のダイプレート164は、加工物12aの第1の端部18を保持するカラー140を更に有している。カラー140を第1端部カラーという場合がある。第1端部カラー140は、第1のカラー部分172及び第2のカラー部分174で構成されている。第1及び第2のカラー部分172,174は、第1及び第2のシリンダ176,178(これらは、空気圧作動式か油圧作動式かのいずれかであるのが良い)によって閉鎖位置(図6a)と開放位置(図6b)との間で動くことができる。
【0117】
第1のダイプレート164は、加工物12aの第2の端部22を保持するよう位置決めされた第2の端部カラー180を更に有している。第2のカラー180は、第1のカラー140と構造がほぼ同じであるのが良く、このような第2のカラーは、第1のカラー部分182及び第2のカラー部分184で構成されるのが良く、これらカラー部分は、第1及び第2のシリンダ186,188(これらは、空気圧作動式か油圧作動式かのいずれかであるのが良い)によって閉鎖位置(図6a)と開放位置(図6b)との間で動くことができる。
【0118】
図8aを参照すると、ダイプレス34は、任意適当な構造のものであって良い。例えば、ダイプレス34は、第1のダイプレート164が取り外し可能に取り付けられた第1のダイプレスプレート190、第2のダイプレートが取り外し可能に取り付けられた第2のダイプレスプレート192、複数本の案内管194を有するのが良く、第2のダイプレスプレート192は、これら案内管上でダイプレート運動軸線167に沿って摺動して第1のダイプレスプレート190に近づいたり遠ざかったりし、ダイプレス34は、第2のダイプレスプレート192をダイプレート運動軸線167に沿って動かすよう静止部材と第2のダイプレスプレート192との間に連結された油圧シリンダ196を更に有するのが良い。
【0119】
第1及び第2のダイプレート164,166が閉鎖位置(図9)にあるとき、第1のダイキャビティ部分168と第2のダイキャビティ部分170は、互いに合致して第1のダイキャビティ44を形成し、第1のカラー140及び第2のカラー180は、加工物12aをダイキャビティ44内の定位置に保持するよう加工物12aの第1の端部18及び第2の端部22周りに閉鎖される。更に、第2の移送導管部分104は、オプションとして、ダイプレス34への機械的連結手段により(例えば、カム、歯車及び他の機械的要素によって)加工物12a中に駆動される。図9に示されている実施形態では、ダイキャビティ44は、成形キャビティであり、このダイキャビティは、加工物12aよりも大きく形作られており、したがって、点火チャンバ26a内において可燃物47に点火すると、加工物12aは、加圧されて(例えば、衝撃波42によって)ダイキャビティ44の形状に一致するよう拡張するようになっている。
【0120】
図11を参照すると、加工物12aが参照符号200で示されているダイキャビティ壁を拡張したり収縮させたりすると、加工物12a内の圧力がダイプレート164,166に伝えられてこれらダイプレートは押し離されるようになる。点火チャンバ26a内の爆発圧力が衝撃波として水41に伝えられない実施形態では、加工物12aの全長に沿う水41の圧力は、一定である。かくして、加工物12a全体は、同時に拡張し、一定の圧力Puをダイプレート164,166に及ぼす。圧力Puは、加工物12aの全長に沿う点火チャンバ26a内の爆発圧力に関連付けられる。加工物12aによりダイプレート運動軸線167に沿ってダイプレート164,166に加えられる力F(図示せず)は、加工物12a内の圧力及びダイプレート運動軸線167に沿う加工物12aの投影面積A(図示せず)から導き出される。ダイプレス34は、この力Fに抵抗する。かくして、第2のダイプレスプレート192を駆動する油圧シリンダ196は、点火チャンバ26a内における可燃物47の点火の結果として生じる爆発に起因する加工物12a内の一様な圧力の結果として生じる力に抵抗するよう寸法決めされている。
【0121】
図12を参照すると、点火チャンバ26a内の爆発圧力が衝撃波42として水41に伝えられる実施形態では、加工物12a内の水41の圧力は、一様ではない。衝撃波42は、加工物内部14により構成される加工物衝撃波経路201の長さに沿って第1の開口部20から第2の開口部24に伝わり、それにより衝撃波経路長さに沿う加工物12aの累進的拡張を生じさせる。衝撃波42が加工物12内に位置している任意の時点において、加工物12aの長さに沿う圧力分布は次の通りであり、即ち、衝撃波42が直接的に側方に係合する加工物12aの部分は、爆発圧力に関連付けられた衝撃圧力Pswを受ける。衝撃波42が係合する加工物12aの部分は、ダイキャビティ壁200を拡張させたり収縮させたりし、それにより第1の力F1をダイプレート164,166に及ぼす。力F1は、衝撃波圧力Psw及び衝撃波42が作用する加工物12aの部分の投影面積A1から導き出され、加工物12aは、長さが数ミリメートルであるのが良い。衝撃波圧力Pswはそれ自体、爆発圧力Pu(図11)と同等である場合があるが、ダイプレート164,166に及ぼされる力F1は、上述の力Fと比較して比較的小さい場合がある。というのは、投影面積A1は、加工物12a全体の投影面積と比較して比較的小さいからであり、加工物12aは、オプションとして、長さが1メートル以上であるのが良い。
【0122】
衝撃波42の後ろに位置する加工物12aの部分中の水41は、圧力P2を有し、この圧力P2は、点火チャンバ26aの充填圧力と同等であるのが良い。圧力P2は、少なくとも部分的に、点火チャンバ26a内におけるガスの冷却時における冷却導管57(図4b)の有効性で決まる。ガスを冷却することにより、少なくとも二通りの仕方でガスの圧力が減少する。圧力を減少させる1つの仕方は、気体に関するゲイリュサックの法則の結果であり、このゲイリュサックの法則によれば、体積が所与の場合、気体の圧力と気体の温度は、互いに正比例する。かくして、気体の温度が減少すると、一定体積におけるその圧力も又減少する。圧力を減少させる第2の仕方は、点火チャンバ26aの冷却壁46により、ガス中の少なくとも幾分かの水蒸気が凝縮し、それにより点火チャンバ26a内における残りのガスの量が減少し、それにより点火チャンバ内の残りのガスの圧力が減少するということである。水蒸気が可燃物47の点火に起因して生じる反応生成物として、更に、例えば3,000℃に達する場合のある可燃物47の点火後の温度への暴露に起因して生じる点火チャンバ26a内の水41の蒸発の結果としてガス中に存在する場合がある(そして、ガスの大部分を構成する場合がある)。
【0123】
可燃物47がH2及びO2である最も好ましい実施形態では、燃焼の反応生成物は、実質的に水蒸気だけである。かくして、点火が生じたあとの点火チャンバ26a内のガスの実質的に全ては、水蒸気である。その結果、冷却状態のチャンバ壁46によって比較的多量のガス(即ち、水蒸気)を凝縮させることができ、それにより点火チャンバ26a内の圧力が著しく減少する。幾つかの実施形態では、圧力P2を点火チャンバ26aの充填圧力に近づけることが可能である。可燃物47としてのH2及びO2の使用は、この理由で特に有利である。更に、H2及びO2を可燃物として用いる実施形態では、反応生成物(即ち、水)はクリーンであり、環境上の問題をもたらさない。さらに、H2及びO2を可燃物47として用いることにより、反応生成物中の酸の発生が回避され、このような酸は、装置10の選択されたコンポーネントにとって有害な場合がある。さらに、H2及びO2を用いることにより、点火チャンバ26a内におけるスート(すす状物質)の発生が回避される。これとは対照的に、他の可燃物、例えば天然ガス又はメタン若しくはプロパンを用いると、反応生成物として水以外にガスが生じる。これら他の反応生成物ガスは、水の沸点よりも低い沸点を有する場合があり、その結果、点火チャンバ壁46の冷却により、衝撃波42の後ろに位置するガス圧力の凝縮度が小さくなり、したがって、このようなガス圧力の減少度が小さくなる。
【0124】
衝撃波42を受けた加工物12aの部分は、衝撃波によって拡張され、したがって、ダイキャビティ壁200に接触し、したがって力F2(図示せず)をダイプレート164,166に及ぼす。ダイプレート164,166に及ぼされる力F2は、圧力P2及び衝撃波42の後ろに位置する加工物12aの部分の投影面積A2(図示せず)から導き出される。理解されるように、この投影面積A2は、衝撃波42が加工物12aの長さに沿って伝わるにつれて増大する。かくして、衝撃波42が加工物12aの第2の端部22の近くに位置したとき、投影面積A2は、加工物12a全体の投影面積Aに近づく。しかしながら、投影面積A2が加工物12a全体の投影面積A(図11)とほぼ同じになっても、衝撃波42の後ろに位置する加工物12aによりダイプレート164,166に及ぼされる力F2は、圧力P2が爆発圧力と比較して比較的小さいので、力Fと比較して小さい。
【0125】
衝撃波42の前に位置する加工物12aの部分中の水41は、圧力P3を有し、この圧力は、充填圧力である。しかしながら、加工物12aのこの部分は、衝撃波42によって拡張されず、したがって、この部分は、ダイキャビティ壁200に何ら力を及ぼさない(典型的には、本発明にとって無視可能な可燃物充填圧力に起因した比較的小規模な影響以外に)。
【0126】
ダイプレート164,166に対する加工物12aの全力Ftは、力F1,F2の和であり、この力の和は、加工物12aの長さが数ミリメートルを超える実施形態では、力Fと比較して小さい場合がある。その結果、力Ftに抵抗するよう選択されたダイ保持力をもたらすために用いられる油圧シリンダ196のサイズ及びコスト並びにこれを行うのに必要な動力は、力Fに抵抗するよう選択されたダイ保持力をもたらすようなサイズの油圧シリンダ196と比較して小さい場合がある。注目されるように、加工物12aの長さと衝撃波42の長さの比が増大すると、力Ftと圧力が加工物12a内部で一様である場合に加えられる力Fとの間の減少度が大きくなる。さらに注目されるように、衝撃波42の後ろ(即ち、これから見て上流側の)圧力P2が減少すると、圧力が加工物12a内部で一様である場合に加えられる力FtとFと間の減少度が大きくなる。それにもかかわず、本発明の幾つかの実施形態に関し、可燃物47の点火の結果として、加工物12a中を伝わる衝撃波42がたとえ生じない場合であっても、利点が得られる。より分かりやすくするために、幾つかの実施形態では、衝撃波ではない圧力波を発生させてこれが部品中を伝わるようにするのが良い。このような圧力波は、亜音速で伝わる場合があり、その結果、圧力波の前に位置する(即ち、これから見て下流側に位置する)流体中に生じる圧力増大が起こる。しかしながら、幾つかの実施形態では、加工物12a中の圧力が衝撃波の形態を取っているか、非衝撃波型の圧力波の形式を取っているか、波の状態ではない圧力の形態を取っているかにかかわらず利点が得られる。
【0127】
第1及び第2のダイプレート164,166が開放位置にあるとき、第1のダイキャビティ部分168と第2のダイキャビティ部分170は、これらからの加工物12aの突き出しを可能にするよう分離される。爆発が起こり、加工物12aが結果として生じる圧力によって修整されたあとに第1及び第2のダイプレート164,166を開放するためにダイプレス34を制御装置40によって作動させるのが良い。
【0128】
第1及び第2のダイプレート164,166は、これらの部分の再使用を可能にするよう構成されているのが良い。例えば図9を参照すると、ダイプレート164は、第1のダイプレートベース202及び複数個の第1のダイキャビティセグメント204を有するのが良く、これら第1のダイキャビティ部分セグメントは、一緒になって第1のダイキャビティ部分168を形成し、これら第1のダイキャビティ部分セグメントは、ダイプレートベース202に取り外し可能に連結可能である。同様に、図10を参照すると、第2のダイプレート166は、第2のダイプレートベース206及び一緒になって第2のダイキャビティ部分170を形成する複数個の第2のダイキャビティ部分セグメント208を有するのが良い。その結果、第1のダイキャビティ部分セグメント204(図9)及び第2のダイキャビティ部分セグメント208(図10)に代えて、ダイキャビティ44(図8b)とは異なる形状のダイキャビティを形成するよう他のダイキャビティ部分セグメントを用いることができる。ダイキャビティ部分168(図9),170(図10)をセグメント204(図9),208(図10)から形成した場合のもう1つの利点は、セグメント204(図9),208(図10)の1つ又は2つ以上をこれらが摩耗し又は損傷した場合に交換できるということにある。注目されるように、第1及び第2のダイキャビティ部分168(図9),170(図10)が各々、複数個のダイキャビティ部分セグメントで構成されないで、単一のダイキャビティ部分セグメントで構成されている場合でもあってもダイプレートベース202(図9),206(図10)を再使用することができる。
【0129】
図9を参照すると、衝撃波42が加工物12a中を通過したあと、衝撃波42は、減圧弁36a内で少なくとも部分的に破壊される。減圧弁36aは、任意適当な構造のものであって良い。例えば、図13を参照すると、油圧弁36aは、第1の端部210及び第2の端部212を有している。減圧弁36a内には減圧弁流体通路214が設けられている。第1の端部210のところには、減圧弁流体通路214への開口部216が設けられている。第2の端部212のところには主要な非圧縮性流体弁38aが設けられ、この主要非圧縮性流体弁は、主要非圧縮性流体入口218を通る装置10内への水41の流量を制御する。第1の主要な非圧縮性流体弁38aを水弁38aという場合があり、主要な非圧縮性流体入口218を水入口218という場合がある。図1を参照すると、水弁38aは、比較的少量の水41を隔離弁58の上方に追加するために用いられる点火チャンバ26a内の水トップオフ弁50(図4a)とは異なり、装置10全体を隔離弁58まで(即ち、加工物12a及び移送導管59まで)充填するために用いられるのが良い。隔離弁58が省かれた実施形態では、水弁38a(図1)又は50(図4a)の一方は、装置10を選択された充填レベル(これは、点火チャンバ26a内の充填レベルであるのが良い)まで充填するために用いられるのが良く、他方の水弁38a又は50を省いても良い。
【0130】
図13を参照すると、減圧弁36aは、減圧弁流体通路214中に、複数個の衝撃波減少要素220を有し、これら衝撃波減少要素は、これらの先に伝わる衝撃波42にあたり、それにより衝撃波42の流れを乱す。その結果、衝撃波42の圧力が減少する。衝撃波減少要素220が衝撃波42を完全に破壊するのに十分に衝撃波42を乱すことが可能である。減圧弁36a内の衝撃波を乱すことにより、水弁38aに達するのが衝撃波42のどの部分であっても、それにより減圧弁36aが省かれた場合に生じる水弁38aに対する摩耗又は損傷よりも水弁38aに対する摩耗又は損傷が少なくなる。更に、注目されるように、衝撃波42が水弁38aに達すると、衝撃波42の反射波が加工物12a、移送構造体30a及び点火チャンバ26aに向かって伝搬して戻る。衝撃波42の反射は、先ず最初に圧力弁36aを通過して戻らなければならない。かくして、衝撃波42の反射波の圧力が減少する。減圧弁36aが設けられている結果として、加工物12a、移送構造体30a及び点火チャンバ26aに達するどの反射波も圧力が減少し、それにより例えば弁48,49,50,51(図4a)及び点火器52(図4b)のようなコンポーネントに対する摩耗又は損傷が阻止される。
【0131】
衝撃波減少要素220は、任意適当な構造のものであって良い。例えば、各要素220は、衝撃波42の流れを乱すよう流体通路214よりも小さな1つ又は2つ以上の孔223を備えた円板であっても良い。好ましくは、互いに異なるサイズ及び/又は位置の孔223を備えた要素は、減圧弁36aを通る迷路のような流路を提供するよう互いに隣接して位置決めされる。減圧弁36aとして適当な減圧弁の一例が国際出願PCT/EP2008/007901号明細書(出願人:コスマ・エンジニアリング・ヨーロッパ・エージー)に記載されており、この国際出願を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0132】
衝撃波減少要素220は、減圧弁36aの性能を維持するために摩耗又は損傷状態の要素220を所望に応じて交換することができるよう取り外し可能且つ交換可能であるのが良い。
水弁38aは、流体通路224を備えた弁体222を有する。流体通路224の第1の端部のところには受座226が設けられ、この受座は、全体として円錐形であるのが良い。流量制御部材228は、弁38aが閉鎖位置にあるとき、受座226に密着する全体として円錐形の密封面230を有している。付勢部材232、例えば引っ張りばねが流量制御部材228に連結されており、この付勢部材は、流量制御部材228を受座226の方に付勢する。流量制御部材228を閉じると、装置10内の水41の圧力は、流量制御部材228を押し、それにより流量制御部材228が受座226との間の水41の漏れを阻止するよう受座226に密着するのを助ける。
【0133】
装置10を充填する場合、主要水入口218内の水41の圧力を付勢部材232の付勢力に打ち勝つ非圧縮性流体充填圧力まで増大させる。装置10が隔離弁58(図1)まで充填される実施形態では、水41の圧力は、水弁38aの両側で等しく、この圧力が均圧状態に近づくと、付勢部材232は、水41の圧力に打ち勝ち、水弁38aを自動的に閉じる。その後の或る時点において、主要水入口218のところの圧力を減少させることができる。
【0134】
図6aを参照すると、減圧弁36aと水弁38aは、減圧弁36aの第1の端部210が加工物12aの第2の端部22の中に挿入されて加工物12aの第2の端部22に密着する前進位置と、減圧弁36aの第1の端部210が加工物12aの第2の開口部22から引き出されて第1のダイキャビティ44からの加工物12aの突き出しを可能にする引っ込み位置との間で組立体として一緒に動くことができるのが良い。前進位置と引っ込み位置との間におけるこの組立体の運動は、ダイプレス34を例えばカム、歯車等により開放位置と閉鎖位置との間で動かすことによって機械的に達成できるのが良く又は変形例として他の何らかの手段、例えば油圧シリンダ又は空気圧シリンダによって達成できる。減圧弁36aの第1の端部210は、加工物12aの第2の端部22を挟んでカラー180に押し付け、かくしてカラーとシールを形成するよう移送導管59の下流側端部130とほぼ同じ形に作られるのが良い。減圧弁36aの第1の端部210は、加工物12aの端部開口部22に密着する第2の開口部密封部材を構成している。減圧弁36aが設けられない実施形態の場合であっても、このような第2の開口部密封部材を依然として設けるのが良く、この第2の開口部密封部材は、加工物の第2の開口部22に密着したりダイキャビティ44からの加工物12aの突き出しを可能にしたりするよう前進位置と引っ込み位置との間で動くことができるのが良い。
【0135】
図1を参照すると、点火チャンバ26b、移送構造体30b、減圧弁36b及び水弁38bは、全て、点火チャンバ26a、移送構造体30a、減圧弁36a及び水弁38aとほぼ同じであるのが良い。図9を参照すると、ダイ32は、次に述べる差異を除き第1のダイキャビティ44とほぼ同じであるのが良い第2のダイキャビティ234を有する。図示の実施形態では、第2のダイキャビティ234は、穴を加工物12bにあけると共に加工物12bの加工物12bの端部をトリムしたりするよう構成されている。図9の加工物12bは、構造体(即ち、ダイキャビティ234)の図示を容易にするよう透明なものとして示されており、このような構造体は、もしそうでなければ、この構造体は、加工物に隠れてしまうことになる。
【0136】
第2のダイキャビティ234は、加工物12bの拡張を可能にするようにはなっていないので、第2のキャビティ234は、加工物12bをぴったりと受け入れるように寸法決めされるのが良い。穴が加工物12bにあけられる領域には、第2のダイキャビティ234は、参照符号240で示されたダイキャビティ壁に穿孔238を有するのが良い。穿孔238は、比較的鋭利であり、加工物12bに穴をあけるのを助ける切れ刃として働く参照符号242で示されたコーナーエッジを有するのが良い。点火チャンバ26b内における可燃物47(図1)の点火後、加工物12bの加工物内部14内の水41の圧力(例えば、図14に示されている衝撃波42又は変形例として衝撃波の形態をしていない圧力)が加工物12bの壁16を押すことにより、参照符号243で示された穴(図14)が加工物の壁16を貫通してダイキャビティ穿孔孔238(図9)中にあけられる。
【0137】
図14を参照すると、第2のダイキャビティ234は、加工物12bの第1の端部18及び第2の端部22を保持するために第1のカラー140及びこれと関連した第2のカラー180を有している。第1のカラー140及び第2のカラー180で保持された参照符号244,246(図14)でそれぞれ示されている加工物12aの端部分は、加工物12bで製造中の最終部品に存在するものと意図されてはいない場合がある。端部分244,246相互間には、加工物本体247が設けられている。加工物12bの端部分244,246をトリムするため、第2のダイキャビティ234は、適当に位置決めされた第1及び第2のトリム孔248,249(図9)を有し、これらトリム孔248,249は、それぞれ第1及び第2の端部分244,246(図14)の近くで第2のダイキャビティ234周りにぐるりと延びている。トリム孔248,249の各々は、トリミング作業を助ける切れ刃として働く鋭利なコーナーエッジ250を有している。
【0138】
第1の端部分244を先ず最初に加工物12bからトリムすることに取り組むため、第2のダイキャビティ234は、穴を所望の位置的精度で加工物12bにあけるのに十分正確な状態で加工物12bを確実に保持するのに十分ぴったりとフィットするようになっている。しかしながら、いったんダイが開いた状態で、第1及び第2の端部分244,246をいったん切り落として加工物12bを第2のダイキャビティ234内の定位置に保持するのを助けるため、第2のダイキャビティ234と関連して好ましくは、中間加工物ホルダ252が設けられている。中間加工物ホルダ252は、第1のフィンガ254及び第2のフィンガ256で構成されるのが良く、これらフィンガは両方共、第1のダイプレート164の一部をなし、これらフィンガは、第1のフィンガ254と第2のフィンガ256が加工物12bを保持する閉鎖位置と、第1のフィンガ254と第2のフィンガ256が第2のダイキャビティ234からの加工物12bの突き出しを可能にするよう分離される開放位置との間で動くことができる。第1及び第2のフィンガ254,256を任意適当な手段、例えば第1及び第2のシリンダ258,260(これらは、空気圧作動式か油圧作動式かのいずれかであるのが良い)によって閉鎖位置と開放位置との間で動かすことができる。
【0139】
加工物移送機構体39は、図8aに示されており、この加工物移送機構体は、ダイプレート164,166を互いに離隔されたときに、加工物12aを第1のダイキャビティ44の第1のダイキャビティ部分168内に配置すると共に加工物12bを第2のダイキャビティ234の第2のダイキャビティ部分内に配置するために用いられる。
【0140】
図15を参照すると、移送機構体39は、キャリッジ264、第1の対をなすグリッパ266、第2の対をなすグリッパ268及び第3の対をなすグリッパ270を有している。移送機構体39は、引っ込み位置(図8b)と受け入れ位置(図8a)と収納位置(図8c)との間で動くことができる。引っ込み位置では、移送機構体39は、ダイプレート164,166を開閉することができるようダイプレート164,166の経路から外れている。受け入れ位置では、第1の対をなすグリッパ266は、加工物12c(これを第3の加工物をいう場合がある)をブランク加工物貯蔵領域から(オプションとして、ブランク加工物移送ロボット271から)受け入れるよう位置決めされ、第2の対をなすグリッパ268は、加工物12aを第1のダイキャビティ44から受け入れるよう位置決めされ、第3の対をなすグリッパ270は、加工物12bを第2のダイキャビティ234から受け入れるよう位置決めされる。移送機構体39が収納位置にあるとき、第1の対をなすグリッパ266は、加工物12cを第1のダイキャビティ44の第1のダイキャビティ部分168内に収納するよう位置決めされ、第2の対をなすグリッパ268は、加工物12aを第2のダイキャビティ234の第2のダイキャビティ部分内に収納するよう位置決めされ、第3の対をなすグリッパ270は、加工物12bを完成状態加工物取り扱いシステムに移送するよう位置決めされる。完成状態加工物取り扱いシステムは、完成状態の加工物12を取り扱う任意適当な構造体を有するのが良い。例えば、完成状態加工物取り扱いシステムは、参照符号272で示された完成状態加工物移送ロボットを有するのが良く、この完成状態加工物移送ロボットは、加工物12bを第3の対をなすグリッパ270から受け取り、これを貯蔵領域又は他の何らかの取り扱い手段、例えばシュート又はコンベヤに移送する。
【0141】
制御装置40は、図16に参照符号400で示された作動サイクル(即ち、所望ならば繰り返し実施される1組の方法ステップ)に従って装置10の作動を制御するよう構成されている。方法4の説明にあたり、他の図、例えば図1、図3及び図9に示されているコンポーネントを参照する。図16を参照すると、方法400という場合のある作動サイクル400を爆発が第1及び第2の点火チャンバ26a,26bの各々の中で起こり、第1及び第2の加工物12a,12bが第1及び第2のダイキャビティ44,234内で所望通りに修整された状態から開始するものとして説明する。衝撃波42が加工物12を修整するために用いられる実施形態では、方法400について次のように説明する。ステップ401において、加工物12をダイキャビティ44又は234内に位置決めする。理解されることとして、このステップは、複数個の加工物、例えば加工物12a及び加工物12bを複数個のダイキャビティ(例えば、ダイキャビティ44,234)内に位置決めするオプションを含むようになっている。ステップ402において、衝撃波42を生じさせ、この衝撃波は、加工物衝撃波経路長さよりも短い長さLswを有している。ステップ404において、衝撃波42を加工物衝撃波経路に沿って運んで加工物12を修整する。これと並行して、ステップ406において、ダイプレス34は、加工物12内の圧力に抗する選択されたダイ保持力で第1及び第2のダイプレート164,166を閉鎖位置に保持し、このような選択されたダイ保持力は、ステップ404全体を通じて加工物衝撃波経路に対して横向きの方向の衝撃波42からの圧力を含む。理解されるように、ステップ402において、先ず最初に爆発を発生させることにより衝撃波42を生じさせても良く、それにより衝撃波42が生じる。H2及びO2に点火することにより爆発を発生させることができる。隔離弁58が設けられた実施形態では、方法400は、点火チャンバ26をステップ402の実施前にダイ32から隔離する(例えば、隔離弁58を閉じることによって)ステップ408及び可燃物47及び水41をステップ408の実施後に点火チャンバ26内に移送するステップ410を更に有するのが良い。ステップ412において、点火チャンバ26をステップ410の実施後であるが、爆発の発生前に、加工物12に流体結合する。非圧縮性流体41(例えば、水)が提供される実施形態では、ステップ414において、水41を装置10内に移送して加工物12及び移送構造体30を弁58のボール62まで満たす。水41が提供される実施形態では、この方法は、衝撃波42をガスから非圧縮性流体41中に移送するステップを更に含む。ステップ404の実施後、ステップ416において加工物12をダイキャビティ44又は234から突き出すことができる。
【0142】
別の実施形態では、圧力(しかしながら、必ずしも衝撃波42の形態である必要はない)を用いて加工物12(図1)をダイ32内で修整する方法450(図17)が提供され、この方法では、圧力を点火チャンバ26内での爆発により生じさせる。方法450の説明にあたり、他の図、例えば図1、図3及び図9に示されているコンポーネントを参照する。この方法450は、点火チャンバ26をダイ32から隔離する(例えば、隔離弁58を閉じる)ステップ452を有する。ステップ454において、可燃物47及び水41をステップ452の実施後に点火チャンバ26内に移送する。ステップ456において、加工物12をダイキャビティ44又は234内に移送する。ステップ458において、点火チャンバ26をステップ454の実施後に加工物12に流体結合する(例えば、隔離弁58を開く)。ステップ460において、ステップ458の実施後に点火チャンバ26内の可燃物47により爆発を発生させる。ステップ462において、爆発により生じた圧力をダイキャビティ44又は234内の加工物12に伝えて加工物12を修整する。理解されるように、圧力は、衝撃波42の形態をしている必要はない。ステップ464において、加工物12をステップ462の実施後にダイキャビティ44又は234から突き出す。
【0143】
ステップ454を実施する前に(可燃物47を点火チャンバ26内に移送する前に)点火チャンバ26を隔離することによりステップ454が装置10の他のコンポーネントの状態とは無関係に開始可能である。例えば、点火チャンバをいったん隔離すると、加工物12をダイキャビティ44又は234内に位置決めしたにせよそうでないにせよいずれにせよステップ454が開始可能である。ダイ32が複数枚のダイプレート、例えば第1のダイプレート164及び第2のダイプレート166で構成されている実施形態では、ステップ454は、ダイ32の閉鎖に先立って開始可能である。装置10に水41を充填する(例えば、ステップ466において)実施形態では、ステップ454は、水41による加工物12の充填完了に先立って開始可能である。移送導管が加工物12中に挿入される実施形態では、ステップ454は、加工物12内への移送導管の挿入に先立って開始可能である。ステップ454が上述のステップに先立って開始可能であるようにすることが有利である。というのは、ステップ454は、比較的長い時間を要する場合があるからである。
【0144】
最も好ましい実施形態では、図18に概略的に示されている方法300を利用して装置10を作動させる。方法300の説明にあたり、他の図、例えば図1、図3及び図9に示されているコンポーネントを参照する。ステップ302において、制御装置40は、ダイプレス34を開放し、それにより第1及び第2のダイプレート164,166をこれらの開放位置に動かし、第1及び第2の移送構造体30a,30b並びに第1及び第2の減圧弁36a,36bを加工物12a,12bから取り出す。ステップ302の実施中、水41が装置10から排出されるステップ304が実施される。水41が抜かれたあと、第1及び第2の点火チャンバ26a,26bの各々の下に位置する隔離弁58をステップ306で閉じ、それにより第1及び第2の点火チャンバ26a,26bを互いに隔離する。ステップ306は、全体がステップ302の実施中に実施されるのが良い。隔離弁58を閉じたあと、ステップ308において、各点火チャンバ26,28内の水トップオフ弁50を開いて水41を第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内に選択された充填レベルまで移送できるようにする。
【0145】
ダイプレス34の開放中の或る適当な時点でステップ310において、移送機構体39を引っ込み位置から受け入れ位置に動かす。移送機構体39が受け入れ位置にあるとき、第1及び第2のダイキャビティ44,234の各々と関連した第1及び第2のカラー140,180をステップ312において開く。また、ステップ312において、中間加工物ホルダ252を開く。ステップ310の実施中、加工物12a,12bを第1及び第2のダイキャビティ44,234の各々の第1のダイキャビティ部分から移送機構体39の第2及び第3の対をなすグリッパ268,270内に突き出すのが良い。更に、ステップ312において、第1の対をなすグリッパ266は、加工物12を第1のダイキャビティ44内に配置可能にブランク加工物移送ロボット271から受け取る。ステップ314において、第2のダイキャビティ234内での切り落とし作業で第2の加工物12から切断された第1及び第2の端部分244,246をダイ32から突き出してコンベヤ(図示せず)に移し、このコンベヤは、これら端部分を任意適当な場所(例えば、オプションとして、適当な仕方で、例えば別の加工物12のための注型プロセスにおいて溶解させて再使用するために)運ぶ。ステップ314をステップ312と同時に実施するのが良い。
【0146】
対をなすグリッパ266,268,270が加工物12を受け取ったあと、ステップ316において、移送機構体39を収納位置に動かし、これによって保持された加工物12を第1及び第2のダイキャビティ44,234の第1のダイキャビティ部分に移送すると共に完成状態加工物移送ロボット272に移送し、このようなロボットは、ステップ317において完成状態の加工物12bを別の領域に移送する。
【0147】
加工物12を加工物移送システム39によって第1及び第2のダイキャビティ44,234の第1及び第2のダイキャビティ部分内に移送したあと、ステップ318において、第1及び第2のダイキャビティ44,234と関連した第1及び第2のカラー140,180を閉じ、中間加工物ホルダ252を閉じる。
【0148】
ステップ320において、加工物12を移送機構体39から送り出した後、移送機構体39をその引っ込み位置に戻してダイプレート164,166を閉じることができるようにする。
【0149】
ステップ324において、移送機構体39がその引っ込み位置に動きながらダイプレス34を通過したあと、ダイプレス34は、ダイプレート164,166を閉鎖位置に動かす。閉鎖位置へのダイプレート164,166の運動中、第1及び第2の点火チャンバ26a,26bを下方に動かして移送構造体30a,30bをそれぞれ加工物12a,12bの第1の端部18に流体連通させる。また、ステップ324において、減圧弁36a,36bを下方に動かして加工物12a,12bの第2の端部22に密封状態で流体連通させる。
【0150】
ステップ326において、水41を第1及び第2の主要水入口弁38a,38bによって減圧弁36a,36b、加工物12a,12b及び移送構造体30a,30b内に隔離弁58まで移送する。全サイクル時間を短縮するため、水41を加圧してダイ32が閉じる前に又は閉じ始める前に付勢部材232に打ち勝つようにすることが可能である。
【0151】
ステップ322の実施後に、ステップ328において、ダイプレス34の油圧シリンダ196内の油圧を爆発中又は爆発後にダイ32の開放に抵抗するために使用される圧力まで増大させる。
【0152】
ステップ330において、隔離弁58を閉じるステップ306の実施後に、水41を点火チャンバ26a,26b内に移送する。図18に示されているように、このステップは、比較的長期間を要する場合がある。少なくとも幾分かの水41を第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内に移送したあと、可燃物47を点火チャンバ26a,26b内に移送する。可燃物47による点火チャンバの充填は、比較的長い時間を要する場合がある。注目されるように、ステップ331の実施中及びステップ330の実施中、例えば、ダイプレート164,166の閉鎖中(ステップ322)及び水41による減圧弁36a,36b、加工物12a,12b及び移送導管59の充填中に1つ又は2つ以上の他の行為を実施することができる。
【0153】
適当な時点において、例えば、第1及び第2の点火チャンバ26a,26bを可燃物47で所望の圧力まで充填したあと、ステップ332において、隔離弁58を開く。隔離弁58を開くと、第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内の水41の充填レベルは、水41が隔離弁59の各々の中のボール62のボール孔71を充填すると、下降する。隔離弁58を開いたあとにおける水41の充填レベルは、このような充填レベルが第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内においてそのままの状態であるよう弁58の上方にとどまることが有益である。
【0154】
ステップ334において、隔離弁58を開いたあと、可燃物47に点火し、それにより第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内に爆発圧力を発生させ、オプションとして、その結果、衝撃波42が生じる。ステップ336において、可燃物47の点火により生じた圧力が、加工物12a,12bを修整する。
【0155】
ステップ336において加工物12を修整したあと、第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内のガスを第1及び第2の点火チャンバ26a,26bから排出する。
【0156】
ガスを第1及び第2の点火チャンバ26a,26bから排出したあと、サイクル300は、ステップ302に戻るのが良い。
【0157】
サイクル300のステップの各々を制御装置40によって実施することができ、制御装置40は、電気導管又はワイヤレス手段により装置10の可動コンポーネント、例えば、弁48,49,50,51、点火器52、隔離弁58、フランジクランプ124、ダイプレス34、ダイ32内のシリンダにより制御される幾つかの要素並びに第1及び第2の非圧縮性流体入口弁38a,38bの各々に接続されるのが良い。
【0158】
本発明の或る特定の実施形態では、選択された要素を省くことが可能である。例えば、加工物12を修整するために用いられる圧力が衝撃波42の形態をしていない実施形態では、減圧弁36a,36bを省くことが可能な場合があり、この場合、装置10のコンポーネントの動作寿命に対する影響はほとんどない。圧力が或る特定の実施形態において衝撃波42の形態をしている場合であっても減圧弁36a,36bを省くことができる場合があるが、或る特定のコンポーネント、例えば第1及び第2の主要水入口弁38a,38bに対する影響が生じる場合があることを理解されたい。
【0159】
別の例として、或る特定の実施形態において隔離弁58を省くことが可能な場合がある。補償のため、制御装置40は、ダイ32が閉鎖され、装置が第1及び第2の点火チャンバ26a,26bまで充填されるまで待機するのが良く、その後、可燃物47を第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内に移送する。
【0160】
別の例として、ダイキャビティを1つしか備えていないダイ32を設けることが可能である。この例では、単一のダイキャビティは、加工物12を成形するため又は穴を加工物12にあけるため或いはこれら両方を行うために用いられる場合がある。更に、加工物12の端部分244,246を単一ダイキャビティ内で切り落とすことができる。その結果、点火チャンバ26b、移送構造体30b、填圧弁36b及び水弁38bを装置10から省くことができる。
【0161】
別の例として、加工物12の第1の開口部20が垂直軸線回りに差し向けられる実施形態では、移送導管59は、曲げ部又は角度調節手段なしの単純な導管であるのが良い。
【0162】
幾つかの実施形態では、装置10は、単一のダイキャビティ内で加工物12の成形、加工物12の穴あけ及び加工物12からの端部分の切り落としを全て単一の衝撃波42で実施するよう構成されるのが良い。
【0163】
図示の実施形態では、加工物12は、加工物内部14への第1及び第2の開口部20,24を有している。点火チャンバ26が衝撃波42を生じさせる実施形態では、2つの開口部を設けることにより、衝撃波42は、第1の開口部20を通って加工物12に入り、第2の開口部24を通って加工物12から出ることができ、次に衝撃波42を減圧弁36aにより取り扱うことができる。このように、衝撃波42の反射波は、装置10中に戻って例えば弁48,49,50,51や点火器52のようなコンポーネントを損傷させる恐れが低い。しかしながら、変形例として、加工物12がその内部14への単一の開口部20を有することが可能である。その結果、衝撃波42は、この開口部20を通って加工物12に入ることができるが、次に、加工物12の止まり端部のところで反射可能であり、反射波は次に、加工物12を通って戻り、そして移送構造体30内に伝わり、そして点火チャンバ26内に伝わることができるようになっている。
【0164】
装置10に水41を充填して加工物12が水41で満たされるようにすると共に移送構造体が水41で満たされ、点火チャンバ26の一部が水41で満たされるようにすることが示されている。水41を利用することは、幾つかの理由で有利であり、これら理由の1つは、それによりコンポーネントが焼けやコンポーネントが燃焼ガスに直接さらされた場合に生じることがある或る特定の他の形式の摩耗又は損傷から或る程度保護されることにある。しかしながら、本発明の幾つかの実施形態では、水41は、加工物12及び移送構造体30aのみを充填することが可能である。また、幾つかの実施形態では、水41が加工物12だけを充填し、移送構造体30aを充填しないということが可能である。また、装置10は、水41を全く使用しないで稼働することが可能である。水41の充填レベルが点火チャンバ内部45への開口部の下に位置する実施形態では、或る特定のコンポーネント、例えば隔離弁58及び撓み継手106は、好ましくは、液体の漏れを封止するのではなく、これを通るガスの漏れを封止するよう構成される。これら実施形態の少なくとも幾つかにおいては、或る特定のコンポーネント、例えば第1及び第2の点火チャンバ26a,26b内の入口弁50を省くことができる。非圧縮性の流体が利用される実施形態では、入口弁38a,38bも又省くことができ、減圧弁36a,36bの第2の端部は、単純な止まり端部であって良い。
【0165】
図示の実施形態では、ダイ32は、第1のダイプレート164及び第2のダイプレート166で構成されている。しかしながら、ダイ32がこのようなダイから突き出し可能な形状を備えた加工物12に関してダイキャビティが設けられた単一のプレートを有することが可能である。このような実施形態では、ダイプレートを閉鎖状態に保持するのに必要なダイプレスは設けられない。というには、ダイキャビティが1枚のダイプレート内に構成されているからである。このような実施形態では、隔離弁、例えば他の行為、例えば加工物をダイキャビティ内に移送する行為及び移送導管を加工物の端部内に駆動する行為のような行為と同時に点火チャンバ26に可燃物47を充填することができるよう点火チャンバ26を選択的に隔離するよう位置決め可能な隔離弁58を提供した場合の利点は、各加工物の修整と関連したサイクル時間が短縮されるということにある。注目されるように、サイクル時間の短縮というこのような利点は、装置10が加工物を修整するための衝撃波42を生じさせるかどうかとは無関係に或いは装置10が一定の圧力を生じさせるかどうかとは無関係に実現可能である。
【0166】
本発明の別の実施形態としての装置500を示している図19a及び図19bを参照する。図19aでは、装置500は、可燃物47の点火前の状態で示されている。図19bでは、装置500は、可燃物47の点火が行われ、衝撃波502が生じたあとの状態で示されている。
【0167】
装置500は、好ましくは、装置500が加工物501が管状ではない(即ち、これが管又はこれに類似した中空本体を形成するようそれ自体巻かれていない)という意味で平べったい又は平板状の加工物501を修整するよう構成されている点を除き、装置10(図11)とほぼ同じである。加工物501が扁平であることが必要であるわけではない。例えば、図示の実施形態では、加工物501は、板金(シート状金属)で作られるが、三次元である。
【0168】
加工物501は、長手方向軸線を有し、衝撃波502は、使用中、この長手方向軸線に沿って伝わる。加工物501は、参照符号Lwpで示された長手方向長さ及び参照符号Wwpで示された横幅を有する。
【0169】
図19で理解できるように、衝撃波502が加工物501に沿って伝わると、衝撃波502は又、ダイキャビティ514の一部分と直接的な接触関係をなす。
【0170】
図示の実施形態では、装置500は、点火チャンバ504、隔離弁及び移送導管510を備えた移送構造体506、一緒になってダイキャビティ514(図19b)を構成する第1のダイプレート512a及び第2のダイプレート512bで構成されたダイ512、ダイプレス515、ダイキャビティ514から見て下流側に位置する減圧弁516、減圧弁516から見て下流側に位置する水弁517、移送機構体518(図19a)及び制御装置519(図19a)を有する。
【0171】
点火チャンバ504は、好ましくは、図1に示されている点火チャンバ26とほぼ同じであり、これに可燃物47、オプションとして選択されているような水41を充填することができる。隔離弁508は、好ましくは、図1に示されている隔離弁58とほぼ同じである。
図示の実施形態では、加工物501は、点火チャンバ504よりも幅が広い。幅の差に対応するため、移送導管510は、参照符号520で示されているその入口端部から参照符号522で示されているその出口端部まで幅Wtcが増大しており、それにより円形断面形状から細長い断面形状に変化している。移送導管510の幅Wtcが増大するにつれて、移送導管510の深さDtcが減少し、その結果、移送導管510の断面積がその長手方向長さLtcに沿ってほぼ一定であるようになっている。そのようにすることにより、衝撃波502(又は任意他の形式の圧力波)の強度は、これが移送導管510に沿って伝わっているときに減少することはなく又は少なくともこの作用効果を軽減することができる。
【0172】
移送導管510は、好ましくは、加工物501を修整したあとに加工物501から引っ込み可能であり、それにより加工物501及び任意の切り落とし部分をダイキャビティ514から突き出すことができる。図示の実施形態では、移送導管510は、関節連結されておらず、点火チャンバ504に対して固定的に(即ち、非回転的に)連結されている。かくして、移送導管510、隔離弁508及び点火チャンバ504で構成された組立体は、引っ込み位置と前進位置との間で単一ユニットとして全て一緒に動くことができる。
【0173】
図19aに示されている実施形態では、ダイキャビティ514は、穿孔524及びトリム孔526を有している。図19bに示されているように、衝撃波502がダイキャビティ514内で加工物501に沿って伝わると、衝撃波502は、孔527を穿孔524のところで加工物501にあける。更に、衝撃波502は、加工物501をトリム孔526に沿ってトリムする。加工物501が強靱な材料、例えば高強度鋼で作られている実施形態では、装置500を用いて加工物501をトリムすることは、切れ刃を用いた伝統的な方法によって加工物501をトリムする場合よりも迅速な場合がある。更に、加工物501が高強度鋼で作られている場合、この加工物を伝統的な方法を用いてトリムすると、その結果、切れ刃に迅速な摩耗が生じることがあり、頻繁に切れ刃の交換が必要になる。これとは対照的に、装置500を用いた加工物501のトリムには、切れ刃は不要であり、それにより、伝統的な方法を用いた場合に生じる稼働停止時間及び費用の源がなくなる。
【0174】
減圧弁516は、衝撃波502が加工物501を出たあとに衝撃波502を受け入れ、衝撃波502の強度を弱めるために位置決めされている。減圧弁516は、細長い断面形状から円形断面形状まで変化するよう構成された入口区分528及び図1に示されている減圧弁36とほぼ同じ参照符号529で示された全体として円筒形区分を有している。オプションとして、衝撃波502が入口区分522に沿って伝わっているときに衝撃波502の強度を減少させるために入口区分522の下流側の方向における断面積を増大させることが可能である。入口区分528から見て下流側に位置する減圧弁516の部分は、好ましくは、減圧弁36とほぼ同じである。
【0175】
水弁517は、好ましくは、水弁38とほぼ同じである。装置500の充填の仕方は、図1に示されている装置10の充填の仕方とほぼ同じである。換言すると、隔離弁508の流量制御部材のところに連結された参照符号530で示されているドレンライン中に液体が存在しているかどうかを検出することにより水弁517を通って高流量の水41を用いて装置10を隔離弁508まで充填することができる。
【0176】
減圧弁516及び水弁517は、好ましくは、図1に示されている減圧弁36及び水弁38と同様な仕方で引っ込み位置と前進位置との間で動くことができる。
【0177】
第1及び第2のダイプレート512a,512bは、それぞれ、第1及び第2のダイキャビティ部分514a,514bを有し、これらダイプレートは、ダイプレス515によって開放位置(図示せず)と閉鎖位置(図19a及び図19bに示されている)との間で動くことができる。ダイプレート512a,512bは、ダイプレート512a,512bが加工物501をダイキャビティ514内の定位置に保持すると共にダイキャビティ514からの漏れを封止するよう加工物501の側縁部532に直接当接して閉鎖可能であるという点を除き、第1及び第2のダイプレート164,166(図8a)とほぼ同じである。この実施形態では、加工物501はそれ自体、密封部材として用いられていることに注目されたい。というのは、水41は、ダイの異形部分(例えば、穿孔524及びトリム孔526)と加工物501との間の空間を占めることができないということが分かり、もしそうでなければ、水41の性状が非圧縮性であると仮定すると、加工物は、第2の異形部分に同形化する余地がないからである。かくして、加工物は、ダイキャビティ514を異形部分と非異形部分に分け、水41は、ダイキャビティ514の非異形部分だけを満たす。
【0178】
ダイプレス515は、好ましくは、ダイプレス34(図8a)とほぼ同じである。移送機構体518は、装置500によって加工物501を修整したあと、加工物501をダイキャビティ514から送り出すよう構成されていると共に更に別の加工物501をダイキャビティ514内に移送するよう構成されている。移送機構体518は、3つの管状加工物12(図8a)の代わりに2つの平板状加工物501を取り扱うよう構成されているが、その他の点においては、好ましくは移送機構体39(図15)とほぼ同じである。
【0179】
制御装置319は、好ましくは、方法300,400,450の1つに類似した方法に従って上述のコンポーネントの全てを作動させる。
【0180】
作動サイクルは、必ずしも順次実施される必要のない以下のステップを有する。ダイ512を開放し、移送導管510を加工物501から引っ込める。加工物501及びこれからトリムされ又は穴あけされた片をダイキャビティ514から突き出す。弁508を閉じる。点火チャンバ504にトップオフ水41及び可燃物47を充填する。新たな加工物501をダイキャビティ514内に移送し、ダイ512を閉鎖する。ダイキャビティ514の非異形部分に水41を充填する。隔離弁508を開く。可燃物47によって点火し、好ましくは衝撃波502の形態をした圧力を加工物501に運ぶと共にこれに沿って運んで加工物501を修整する。
【0181】
装置500が衝撃波502によって平板状加工物501を修整することが好ましいが、この装置500の或る特定の態様は、ダイキャビティ514内の圧力が衝撃波502の形態をしているか、していないかを問わず有利である。例えば、隔離弁508により、水41による装置500の迅速な充填が可能であると共に可燃物による点火チャンバ504の独立した充填が可能である。
【0182】
装置500が隔離弁508を有することが好ましいが、装置は、弁508なしで稼働可能である。このような実施形態では、水41を可燃物47により点火チャンバ504の充填に先立って選択された充填レベルまで充填することができる。
【0183】
図20を参照する。本発明の実施形態によれば、燃焼成形方法及び装置が提供され、この場合、1本又は複数本の点火管がダイ(これをツールともいう)から選択的に分離し又は隔離する。点火管及びツール又はダイの分離又は隔離により、点火管への燃焼チャージ(装入物)の装填とツール又はダイ中へのブランク又は加工物の挿入が実質的に同時に可能であると共にツール又はダイからの成形加工物の個々の取り出しと点火管及びツール又はダイからの燃焼可燃物の排出を実質的に同時に行うことができる。
【0184】
図20は、本発明の実施形態としての燃焼成形装置1100の略図である。この装置1100は、主要構成要素として、1対のダイ半部から成るツール1190が取り付けられたプレス1192を有する。ツール1190のダイ半部は、互いに協働してこれらの間にダイキャビティを構成する。ダイキャビティの内面は、成形ブランクの所望の外側形状に合わせて輪郭付けられる。プレス1192は、好ましくは、水平ダイドローを有し、ツール1190の可動ダイ半部を静止状態のダイ半部に対して開放位置と閉鎖位置との間で動かすよう動作可能である。閉鎖位置では、プレス1192は、閉鎖力を可動ダイ半部に及ぼしてダイ半部を互いに結合する。
【0185】
好ましくは、装置1100は、未加工ブランク又は加工物を拾ってブランクをダイキャビティ内に挿入するロボット式部品ハンドラ1194及び完成状態の部品をダイキャビティから取り出して完成成形部品をコンベヤ又は保持ビンに運搬するロボット式部品ハンドラ1194を有している。
【0186】
流体充填システム1199が波ブレーカ1197を介してツール1190のダイ半部のダイキャビティと流体連通状態にある。流体充填システム1199は、流体をダイキャビティ内に圧送して加工物の少なくとも一部分を満たしてこれを流体中に浸漬させる。変形例として、加工物全体を流体中に浸漬させても良い。更に、流体充填システム1199は、ツール1190のダイ半部が開いたあとに流体を収集し、そしてこれを排出する。流体を濾過して再使用のために貯蔵する。
【0187】
さらに図21を参照すると、本発明の装置1100の一部分が詳細に示されている。装置1100は、点火管1150、成形ダイ又はツール1190内に位置した加工物1404及び点火管1150と成形ダイ又はツール1190との間に配置された移送弁1300を有している。
【0188】
次に図22aを参照すると、移送弁1300は、本体1312を有し、この弁体は、長手方向中央通路1302及び1対の側方に動くスライダ1304,1306を有している。通路1302がツール1190と点火管1150を流体連通させることができる。通路1302は、圧力波を最小限のエネルギー損失で点火管1150からダイキャビティに伝えることができるよう寸法決めされている。スライダ1304は又、長手方向に延び、次に側方に延びる第2のベントポート1318を有している。ベントポート1318を通路1318という場合がある。
【0189】
矢印Aは、弁1300から点火管1150に向かう方向を示し、矢印Bは、弁1300からツール1190に向かう方向を示している。
【0190】
弁1300は、二重充填システム(DFS)である。スライダ1304,1306をそれぞれアクチュエータ1308,1310により流体の流れ方向に対して横向きの方向に動かす。アクチュエータは、油圧若しくは空気圧アクチュエータ又は任意他の適当なアクチュエータであって良い。
【0191】
アクチュエータ1308,1310は、弁1300の本体1312を介して往復摺動運動をスライダ1304,1306にもたらす。アクチュエータ1308,1310は、スライダ1304,1306を図22aに示されている第1の「開放」位置と図3bに示されている第2の「閉鎖/抜き出し」位置と図22cに示されている第3の「閉鎖」位置との間で動かす。スライダ1304,1306の両方を貫通して長手方向ポート1314,1316が設けられており、これらポート1314,1316は、弁1300の本体1312の通路1302と整列して図22aに示されているような開放位置を生じさせ、それにより点火管とツールの流体連通を可能にする。
【0192】
次に図22bを参照すると、第2の閉鎖/抜き出し位置が示されており、この場合、スライダは、ポート1314,1316を動かして弁1300の通路1302との整列状態から外すと共にスライダ1304内に設けられている通路1318が動いて弁1300の通路1302と整列してツールと弁1300の外部環境との間の流体連通を可能にするよう動かされている。例えばこの第2の閉鎖/抜き出し位置により、弁1300の通路1302との整列状態から外れたスライダ1306の可動ポート1316によって弁が点火管に対して閉じられると、ツールからの空気、水及び排気ガスの抜き出しが可能になる。
【0193】
図22cを参照すると、第3の閉鎖位置が示されている。この位置では、スライダ1306は、ポート1316を動かして通路1302との整列状態から外すよう動かされ、スライダ1304は、ポート1314が動かされて通路1302との整列状態から外され、抜き出しポート1318が通路1302と整列するようまだ動かされてはおらず、即ち、両方のポート1314,1318が通路1302との位置合わせ状態から外れるように動かされる。この第3の閉鎖位置では、点火管1150は、ツール1190のダイキャビティから隔離される。
【0194】
図21に戻ってこれを参照すると、弁1300は、点火管と成形ダイとの間の連続通路1420によって示されているように、成形ダイ1190のダイキャビティ内の加工物1404と点火管1150との間の流体連通を可能にする第1の開放位置で示されている。波ブレーカ1197が成形ダイ1190と流体連通状態にある。波ブレーカ1197は、装置内の燃焼用ガスの点火によって生じた圧力波のエネルギーを減少させて装置内に加工物を成形するよう設けられている。
【0195】
点火管1150内の可燃物の点火によって生じた圧力波の伝搬経路に沿って設けられた波ブレーカは、圧力波のエネルギーを減少させ、かくして装置1100を高い機械的応力及び永続的な損傷から保護する。更に、反射圧力波のエネルギーの減少は、点火ツール及び機構体の寿命を逃すことが判明した。
【0196】
それにもかかわらず、波ブレーカを材料の疲労又は劣化の場合に容易に交換することができるよう波ブレーカを交換可能な仕方で提供することが有利である。波ブレーカは、鋼及び/又はベリリルム銅(CuBe)で作られるのが良い。というのは、これら材料は、これらの靱性と硬さを同時に鑑みて、このような種類の用途に特に適しているからである。
【0197】
図21に示されているように、波ブレーカは、点火管と反対側のツールの側部に設けられている。かくして、圧力波のエネルギーは、これがツールをいったん通過すると減少する。このように、圧力波のエネルギーは、ツール1190に十分に伝搬することができる。変形例として、波ブレーカは又、点火管の近くに位置するツールの側に、即ち点火管とツールとの間に設けられても良い。このようにすると、反射圧力波のエネルギーを減少させることができる。しかしながら、伝搬中の圧力波は、ツール内のブランクを成形するのに十分なエネルギーを依然として持っている。
【0198】
波ブレーカは、管状支持体内に設けられるのが良い。管状支持体は、波ブレーカとは異なる材料で作られるのが良い。
【0199】
有利には、波ブレーカは、曲線の形をしていると共に/或いは点火管又は管状支持体の幅と比較してサイズの小さな通路を有している。というのは、このような通路は、反射圧力波のエネルギーを著しく減少させることができるからである。
【0200】
波ブレーカは、圧力波を反射し、それにより圧力波のエネルギーを少なくとも部分的に吸収する1つ又は2つ以上の波破壊要素を有する。波破壊要素として用いるのに適した要素の非限定的な例は、八角柱状要素、六角柱状要素、立方体状要素、圧力波の伝搬経路に対して横方向に配置された壁、L字形要素、湾曲要素、ボール状若しくはタフト状要素又はこれらの任意の組み合わせである。
【0201】
特に、波ブレーカは、少なくとも1つのラビリンス要素及び/又はラビリンス構造を形成する数個の要素を有する。有利には、波ブレーカは、少なくとも1つの開口部が貫通して設けられた円盤状要素を有し、この円盤状要素は、比較的安価な状態で広い衝突面を提供する。所望ならば、波破壊要素の開口部は、圧力波を多数回方向転換させることができるよう位相ずれ配置され、このことは、圧力のエネルギーを減少させる上で特に有利である。
【0202】
多数の波破壊要素の使用により、点火管又は管状支持体の内部空間に対する反射圧力波の影響を減少させることができると共に反射波を多数の要素に配分することができる。有利には、波ブレーカは、少なくとも1つの一方向要素を有し、その結果、圧力波が波ブレーカを通過することができる一方で、反射圧力波が点火管に達する前に一方向要素によって吸収されるようにする。
【0203】
波ブレーカは、1つ又は2つ以上の側方分岐部を有するのが良く、その結果、圧力波を分岐部の配置場所のところでばらばらにすることができるようになっている。さらに、側方分岐部は、圧力波をばらばらにするために多数の枝分かれ部を作るよう更に枝分かれすることが有利である。
【0204】
本発明の実施形態によれば、少なくとも1つの分岐部は、波ブレーカを介して流体をツールに提供する流体充填チャネルを形成するのが良い。例えば、図21は、波ブレーカ1197を流体充填システム1199と流体連通状態で示している。
【0205】
波ブレーカの詳細な説明が2008年1月31日に出願された独国特許出願第102008006979号明細書(発明の名称:Vorrichtung fur das Explosionsumformen)に見られ、この独国特許出願を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。流体充填システム1199は、波ブレーカ1197と流体リザーバとの間に位置したボール形逆止弁426を有している。流体1428、例えば水又は或る特定の油が成形ダイ1190内に位置した加工物1404の内部空間内にポンプ送りされる。流体1428は、加工物1404内に入れられ、流体表面430を形成する。残りの内部空間は、点火管1150を介して供給された燃焼用ガスで満たされる。流体に対する燃焼用ガスの量は、約1:1〜約1:20であるように選択される。加工物1404内の流体の量は、本発明の方法を実施する所定の最適な値に従って様々であって良い。流体でブランク又は加工物を満たした状態での燃焼成形についての詳細な説明が2007年2月14日に出願された独国特許出願第102007007330号明細書(発明の名称:Verfahren und Werkzeuganordnung zum Explosionsumformen)に提供され、この独国特許出願を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0206】
点火管1150内の燃焼用ガス混合物及び加工物1404の流体のない空間432が点火システム1170を作動させることにより点火される。圧力波の結果的に生じたフロント(波面)が点火管1150から加工物1404の流体のない空間432に伝搬し、次に位相境界部、即ち流体表面430に出会う。圧力波の力の約80%がこのようにして流体に伝達される。燃焼用ガス混合物と流体が即座に接触することにより、燃焼力の比較的良好な伝達が可能である。次に、圧力波は、流体によって伝達され、加工物を成形ダイのダイキャビティの内面に同形化させる。
【0207】
オプションとして、加工物1404を点火管内の燃焼用ガス混合物の燃焼によって生じた同一の力を用いて同時に成形すると共にトリムし又は穴あけするのが良い。有利には、気相から液相への圧力伝達を用いると、成形された加工物のトリムされ又は穴あけされたエッジの品質が向上する。さらに、加工物の少なくとも一部分に流体、例えば水又は或る特定の油を充填して圧力波を気相から液相に伝達することにより各成形プロセスにおいて用いられる燃焼用ガスの量を減少させることができる。
【0208】
しかしながら、所望ならば、本発明の実施形態としての燃焼成形プロセスを気相だけで実施しても良い。この場合、燃焼用ガス混合物を流体投与システム130から点火管1150に供給し、ここから開放状態の移送弁180経由で成形ダイ1190内の加工物1404に供給する。燃焼用ガス混合物の点火により生じた圧力波は、気相を介して伝達され、加工物1404を成形ダイ1190のダイキャビティに同形化させる。
【0209】
図20の実施形態では、2本以上の点火管1150が示されており、これら点火管は、点火管1150a,1150bで示されている。点火管1150aは、ダイキャビティと選択的な流体連通関係をなすよう静止状態のダイに対して位置決めされている。点火管1150は、所定の内容積を備えた中空のチャンバである。好ましくは、点火管1150aは、焼き入れ鋼から機械加工され、この点火管は、点火ポート1141a、複数個の入口弁1142a,1144a,1146a,1148a及び出口移送弁1180aを有している。出口移送弁1180aは、点火管1150aとダイキャビティの流体連通を選択的にもたらす。
【0210】
点火ポート1141aは、点火システム1170に作動的に連結されている。種々の点火方法が国際公開第2008/017332号パンフレット及び同第2008/017444号パンフレットに開示されている。適当な点火システムとしては、レーザ方式、誘導方式及び放電方式が挙げられる。
【0211】
第2の点火管1150bも又、ダイキャビティと流体連通関係をなすよう静止状態のダイに対して位置決めされている。点火管1150bは、点火管1150aと同一のダイキャビティと選択的な流体連通関係をなすか第1のダイキャビティに隣接した第2のダイキャビティと選択的な流体連通関係をなすかのいずれかであるのが良い。しかしながら、第2の点火管1150bは、点火管1150aと同一である。
【0212】
点火管1150a,1150bは、投与システム1130と流体連通状態にある。投与システム1130は、流体貯蔵部1120と流体連通状態にある。投与システム1130は、流体を受け取り、所定量の流体又はチャージを点火管1150a,1150bに送り出す。好ましくは、流体貯蔵部1120は、投与システム1130から見て遠くに位置した圧力タンクである。投与システム1130は又、排出システム1160と流体連通状態にある。
【0213】
プログラマブルロジック制御ユニット(PLC)1110が入力信号の受信時に所定のシーケンスプログラムを処理し、そしてその結果としての出力信号を出力してシステムのコンポーネントの作動を制御し、それにより装置1100の全体的作動を制御する。PLCは、工業用プロセスのオートメーション化のために用いられるディジタルコンピュータである。汎用コンピュータとは異なり、PLCは、多数の入力及び出力構成、温度範囲の拡張、電気的ノイズに対する耐性及び振動と衝撃に対する抵抗が得られるよう設計されている。PLCは、出力結果を所定の時間限度内で入力条件に応答してもたらされなければならないのでリアルタイムシステムである。
【0214】
PLC1110は、流体貯蔵部1120の作動を制御し、種々の流体(気体及び/又は液体)が流体貯蔵部から流体投与システム1130に供給される。
【0215】
投与システム1130は、PLC1110によって制御される。流体投与システム1130は、種々の流体、例えば水素、酸素、水及び他の技術的なガスをそれぞれの流体ライン1142,1144,1146,1148経由で弁1142a,1144a,1146a,1148aを介して点火管1150aに供給すると共に/或いは弁1142b,1144b,1146b,1148bを介して点火管1150bに供給する。投与システム1130は、純粋水素若しくは水素と酸素の混合物又は他の技術的気体と液体の混合物を流体ライン1148に供給することができる。弁1142a,1144a,1146a,1148a及び弁1142b,1144b,1146b,1148bの各々は、PLC1110により別個独立に制御される。
【0216】
好ましい作動モードでは、流体ライン1146に純粋酸素を供給し、流体ライン1148に純粋水素を供給する。また、流体ライン1146には水素と酸素の混合物又は他の技術的気体と液体の混合物を投与システム1130によって供給するのが良い。
【0217】
流体ライン1144には水若しくは水素と酸素の混合物又は他の技術的ガス又は液体の混合物を供給する。好ましい作動モードでは、流体ライン1144に水を供給する。有利には、少量の水を弁の保護のために点火システムに供給する。
【0218】
流体ライン1142は、パージ又は排出ラインとして用いられる。例えば、燃焼用混合物の点火に問題がある非常事態では、パージ又は排出ラインを用いて燃焼用混合物を実質的に非燃焼性混合物まで希釈してこれが何ら有害な状況を引き起こすことなく安全に抜くことができるようになっている。この目的のため、純粋窒素の過剰分をパージ/排出ライン1142に供給して燃焼用混合物を希釈し、その結果生じる混合物が約97%窒素及び3%可燃物を含むようにする。
【0219】
本発明の実施形態によれば、点火管1150内で用いられる燃焼用混合物は、酸水素ガス混合物である。酸水素ガス混合物は、水素(H2)/酸素(O2)混合物又は水素(H2)/空気混合物で構成されるのが良い。本発明の他の実施形態では、特定の用途に応じて、他のガス、例えば窒素をガス混合物に点火するのが良い。有利には、点火管1150内に提供される燃焼用酸水素ガス混合物は、酸素が僅かに過剰の化学量論的混合物である。この場合、水素の量は、約4〜76%であるように選択されるのが良い。変形例として、他の燃焼用ガス混合物を採用しても良い。
【0220】
PLC1110からの信号に応答して、点火システム1170により点火される燃焼用混合物を形成するために点火管1150a及び/又は1150bにそれぞれの流体が提供される。点火管1150a,1150bは、それぞれ、移送弁1180a,1180bによってツール/ダイ1190と流体連通状態にある。PLC1110により制御される作動モードでは、弁1180a,1180bが開かれ、点火管1150a,1150b内の燃焼用混合物が点火システム1170によって点火され、結果として得られた圧力波フロントがツール1190内の加工物(図示せず)を成形するために用いられる。ツール1190は、これを用いて管状及び/又はシート状部品を成形し、トリムすると共に/或いは穴あけすることができるよう設計されている。
【0221】
ツール1190は、クランプ装置1192内に位置決めされている。未加工ブランク又は加工物がPLC1110からの信号に応答してロボット式部品ハンドラ1194を介してツール1190内に搬送される。加工物がいったん成形されると、成形部品がPLC1110からの信号に応答してロボット式部品ハンドラ1196を介してツール1190から運び出される。スクラップリムーバ1198がツール1190からスクラップ部品を受け取るよう位置決めされている。
【0222】
流体充填システム1199は、流体、例えば水又は或る特定の油をツール1190内の加工物を充填するよう提供する。流体は、燃焼用ガス混合物の点火により生じた圧力波の力を効果的に伝達するよう用いられる。
【0223】
ツール1190から点火管1150a,1150bをそれぞれ分離するために移送弁1180a,1180bが設けられている。弁1180a,1180bは、周囲環境とツール1190及び点火ガス1150内の雰囲気との間のバリヤをなす。
【0224】
第1の作動モードでは、弁1180a,1180bを閉じ、点火管1150a,1150bに流体ライン1144,1146,1148を経て燃焼用混合物を送り込む。点火管1150を気密封止し、ツール1190のダイキャビティから分離する。かくして、ツール1190を開いてこれに未加工ブランク又は加工物を装填し、点火管を排気すると共にこれらに燃焼用混合物を装入している間に成形された加工物をツールから取り出すのが良い。加工物をツール1190で成形した直後に、移送弁1180を閉じて点火管1150をツール1190から分離し又は隔離し、ツール1190を開いて成形された加工物を取り出すのが良い。
【0225】
第2の作動モードでは、ツール1190を閉鎖し、移送弁1180を開き、そして点火管1150内の燃焼用混合物に点火システム1170によって点火し、その結果生じた圧力波を移送弁1180を通ってツール1190内に導き、それによりこの中の加工物を成形する。
【0226】
かくして、本発明は、ツール内の加工物の交換並びに点火管の排出及び装入をほぼ同時に行うことができる方法及び装置を提供する。これにより、プロセスのサイクル時間が短縮される。例えば、サイクル時間を本発明によれば約20秒から約8〜10秒に約50%短縮することができる。
【0227】
図23a〜図23eは、本発明の実施形態に従って中空ブランクではなく、平べったいブランクを利用した燃焼成形プロセスを示す略図である。単純化の理由で、これらの略図は、ツール1210、点火管1220及びツールを点火管から分離する移送弁1230を有する装置1200を示しているに過ぎない。流体ライン、流体貯蔵部及び投与システム並びにPLC及び他のコンポーネントは示されていない。
【0228】
図23aは、装置1200を第1の作動モードで示している。ツール1210は、開放位置にあり、移送弁1230は、閉鎖位置にある。点火管1220が弁1230によってツール1210から分離されるので、充填管1220に燃焼用混合物を充填するプロセスを開始させることができる。
【0229】
図23bは、移送弁1230が依然として閉じられた状態で開放状態のツール1210に挿入されている加工物1240を示している。
【0230】
図23cは、装置1200を第2の作動モードで示している。ツール1210を閉鎖し、移送弁1230を開いて燃焼用混合物が移送弁1230及び金型1210の通路1270を介してダイキャビティ1250及びツール1210のコア1260に通じることができる。
【0231】
図23dは、成形プロセスを示している。ツール1210を閉鎖し、移送弁1230が開いた状態で燃焼用混合物に点火システム(図示せず)によって点火する。加工物1240をツール内での燃焼用混合物の点火の結果として生じた圧力波によってコア1260の表面に押し付ける。加工物1240を成形したあと、移送弁1230を閉じてツール1210を点火管1220から分離する。
【0232】
図23eから理解できるように、ツール1210を開放すると、成形された加工物1240をツールから取り出すことができる一方で、点火管をガス抜きし、ツール1210内に搬入される次の加工物の成形ステップのための燃焼用混合物をこの点火管に補充する。
【0233】
加工物を成形ステップ中、キャビティに、より密着して押し付けることができるようツール1210内にはベント開口部(図示せず)が設けられる。これら開口部は、好ましくは、ツール輪郭に沿って長手方向に配置されたスリット状開口部である。このように、ツールキャビティ内で生じた空気は、逃げ出ることができ、それ故、加工物の拡張を邪魔しない。開口部は、加工物がベント開口部内に押し込まれないようにツールの壁圧とほぼ同じ又はこれよりも小さい内側幅を有する。
【0234】
本発明の別の実施形態によれば、ツール1190は、少なくとも1つの穴あけ及び/又は切断ダイを更に備え、その結果、加工物が燃焼成形プロセスを受けていている間、加工物にパンチ穴を設けることができると共に/或いは加工物を所望の長さに合わせて切断することができる。図24は、スクラップリムーバ1198及びツール1190が取り付けられたダイプレス1192の概略詳細図である。図24から理解できるように、ツール1190の穴あけダイは、これらのベースのところに設けられていて、スクラップ材料1193、例えば穴あけダイによって穴あけされて生じた材料又は切断ダイによって切断して生じた材料をスクラップリムーバ1198内に放出する放出開口部1191を有している。本発明のこの実施形態によれば、ツール内で生じた圧力波は、加工物を穴あけすると共に/或いは切断し、又、ツールの底部のところで放出開口部を通ってスクラップ部品を放出するために更に利用される。
【0235】
変形例として、ツールは、二部品から成るツールとして設計されても良く、この場合、第1のツール部分は、燃焼成形プロセスに用いられ、第2のツール部分は、加工物を成形したあとに加工物をトリムし、穴あけし又は穿孔するために用いられる。この実施形態によれば、加工物は、燃焼成形ステップの完了後に第1のツール部分から第2のツール部分に搬送される。第1のツール部分には新たな加工物が再装填され、その間、成形された加工物がツールから取り出されて次の圧力波が新たな加工物を成形し、第2のツール部分内の既に成形された加工物をトリムし、穿孔すると共に/或いは穴あけするよう利用される。
【0236】
本発明のプロセスは、複数のステップを含む。第1ステップでは、加工物を成形ツール内に搬送し、ここで燃焼成形が燃焼用混合物の放電により生じた圧力波によって起こる。次に、加工物を成形ツールから穿孔又は穴あけツールに搬送する。穿孔又は穴あけステップも又、燃焼用混合物の放電によって生じた圧力波によって実施される。最後に、加工物は、穿孔又は穴あけツールからトリミング又は切断ツールに搬送され、ここで、加工物は所定の寸法にトリムされる。トリミング又は切断ステップのためのエネルギーも又、圧力波を発生させる燃焼用混合物の放電によって作られる。各ツールは、その指定された点火管を有し、本発明に従って、ツールの各々のための点火管は、弁によってこれらのそれぞれのツールから分離され、その結果、ツールを開放すると共に取り出しを行うと共に/或いは再装填することができ、その間、点火管はガス抜きされると共にこの点火管に次の放電サイクルのための燃焼用混合物が補充され、それにより成形ステップ、穿孔又は穴あけステップ及びトリミング又は切断ステップのための圧力波によってそれぞれのエネルギーを発生させるようになっている。
【0237】
成形ダイ1190と流体連通関係をなして1本又は2本以上の点火管1150が設けられている。この関係で、成形ダイ1190の各端部のところに設けられた2本の点火管1150a,1150bを示す図20を参照されたい。これは、複雑な型物の燃焼成形に特に有利である。例えば、U字形加工物の場合、U字形加工物の各端部のところにそれぞれ1本の点火管を設けるのが良い。このようにすると、燃焼成形プロセスを燃焼用ガス混合物が成形ダイ内の加工物内に均等に分配されるので、一様に実施できる。さらに、或る複雑な型物では、燃焼用ガス混合物が成形ダイ内の加工物中の特定の領域に到達することが困難な場合があり、それ故、1本又は2本以上の追加の点火管を設けることが有利である。
【0238】
変形例として、このプロセスでは、加工物の燃焼成形を第1ステップで実施し、加工物のトリミング及び穿孔を第2及び/又は第3ステップで実施する。これにより、プロセスの各ステップについて1本又は2本以上の点火管を設けることが必要である。この場合、加工物を第1の点火管と流体連通関係をなす第1の成形ダイから第2の点火管と流体連通関係をなすトリミング及び/又は穿孔ダイに移動させる。
【0239】
さらに、本発明の装置に少なくとも2つの成形ダイを設けても良く、各成形ダイは、1本又は2本以上の点火管を有する。このようにすると、一方の成形ダイの1本又は2本以上の点火管に燃焼用ガス混合物を充填し、その間、他方の成形ダイの1本又は2本以上の成形管内の燃焼用ガス混合物に点火し、かくして、より多くの加工物を同一の期間で燃焼成形することができる。
【0240】
1本又は複数本の点火管は、閉ループ方式で稼働される冷却システムを更に備えるのが良い。
【0241】
本発明により得られる別の利点は、パージ/排出ラインがそれ以上ツールを貫通して延びてはいないということに起因している。点火管を成形ダイから分離する移送弁がいったん閉じられると、ツールを開放し、点火管をパージすることができる。これにより、或る特定の安全上の特徴が得られる。というのは、今や、点火の異常又はシステムに他の問題が生じた場合に点火管を別々にガス抜きすることが可能だからである。ツールを点火管及び/又はシステムから分離することにより、燃焼用ガス混合物を少ない量に制限することができる。
【0242】
オプションとして、弁1300を弁58に代えて装置10(図1)に用いることが可能である。
【0243】
上述の説明は本発明の多くの実施形態に関するが、本発明は、添付の特許請求の範囲の公正な意味から逸脱することなく、別の改造及び変更が可能であることは理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向長さを有する加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記ダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、
作動中、前記衝撃波は、前記衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所圧力を前記加工物に加える、装置。
【請求項2】
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に反射要素のない予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に一定であると共に実質的に反射要素のない断面寸法及び断面形状を有する予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記断面形状は、円形である、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記点火チャンバは、酸素及び水素可燃物の流入のための少なくとも1つの入口を有し、前記装置は、点火器と、選択された比及び量の酸素及び水素を前記点火チャンバ内に移送すると共に前記点火器を作動させて前記衝撃波を発生させる爆発を生じさせるよう前記可燃物に反応させる制御装置とを更に有する、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記制御装置は、爆発を連続的に実行し、前記装置は、前記点火チャンバを冷却して酸素と水素の反応によって生じた水蒸気の圧力を減少させる冷却システムを更に有する、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記点火チャンバは、全体として円筒形であり、前記点火チャンバは、少なくとも長さと直径の選択された比を持つ点火チャンバ内部を有する、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記ダイは、非圧縮性流体を非圧縮性流体源から前記ダイキャビティ内に流通させる非圧縮性流体入口を有する、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記衝撃波の発生に先立って、選択された充填レベルまでの前記ダイキャビティ内への非圧縮性流体の流れを可能にして前記ダイキャビティの非同形化部分が非圧縮性流体で実質的に満たされるようにするよう構成された制御装置を更に有し、前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、前記衝撃波を前記非圧縮性流体中に移送するよう構成された予備加工物衝撃波流れ導管を構成している、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記選択された充填レベルは、前記移送構造体が非圧縮性流体で実質的に満たされるようなものである、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記選択された充填レベルは、前記点火チャンバの一部が非圧縮性流体で満たされるようなものである、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記移送構造体は、前記点火チャンバが前記加工物に流体結合される開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイから隔離される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有する、請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記ダイキャビティは、少なくとも1つのダイキャビティ孔が設けられたダイキャビティ壁により構成され、使用中、前記衝撃波が前記加工物を貫通して前記ダイキャビティ孔中に穴をあけるようになっている、請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記ダイキャビティは、少なくとも1つのダイキャビティ溝が設けられたダイキャビティ壁により構成され、使用中、前記衝撃波は、前記加工物を切断するようになっている、請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記衝撃波と関連した圧力を減少させるよう構成された減圧弁を更に有する、請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記減圧弁は、複数個の衝撃波減少要素を有し、前記衝撃波減少要素は、該衝撃波減少要素を通って移動する衝撃波に当たるよう位置決めされている、請求項15記載の装置。
【請求項17】
衝撃波を挿通させる加工物衝撃波経路を構成する加工物内部を有する加工物を修整する装置であって、前記加工物が前記加工物内部への加工物圧力入口を有し、前記装置は、
前記加工物衝撃波経路長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、前記衝撃波が前記加工物中に位置しているとき、前記衝撃波は、前記加工物衝撃波経路に対して横向きの方向に圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記加工物中の圧力に抗して前記閉鎖位置に保持可能であり、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記加工物圧力入口を通って前記加工物内部中に運んで前記加工物を修整するよう構成された移送構造体を有する、装置。
【請求項18】
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に反射要素のない予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に一定であると共に実質的に反射要素のない断面寸法及び断面形状を有する予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、請求項17記載の装置。
【請求項20】
前記断面形状は、円形である、請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記点火チャンバは、酸素及び水素可燃物の流入のための少なくとも1つの入口を有し、前記装置は、点火器と、選択された比及び量の酸素及び水素を前記点火チャンバ内に移送すると共に前記点火器を作動させて前記衝撃波を発生させる爆発を生じさせるよう前記可燃物に反応させる制御装置とを更に有する、請求項17記載の装置。
【請求項22】
前記制御装置は、爆発を連続的に実行し、前記装置は、前記点火チャンバを冷却して酸素と水素の反応によって生じた水蒸気の圧力を減少させる冷却システムを更に有する、請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記点火チャンバは、全体として円筒形であり、前記点火チャンバは、少なくとも長さと直径の選択された比を持つ点火チャンバ内部を有する、請求項17記載の装置。
【請求項24】
前記ダイは、非圧縮性流体を非圧縮性流体源から前記ダイキャビティ内に流通させる非圧縮性流体入口を有する、請求項17記載の装置。
【請求項25】
前記衝撃波の発生に先立って、選択された充填レベルまでの前記加工物内部内への非圧縮性流体の流れを可能にして前記加工物内部が非圧縮性流体で実質的に満たされるようにするよう構成された制御装置を更に有し、前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、前記衝撃波を前記非圧縮性流体中に移送するよう構成された予備加工物衝撃波流れ導管を構成している、請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記選択された充填レベルは、前記移送構造体が非圧縮性流体で実質的に満たされるようなものである、請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記選択された充填レベルは、前記点火チャンバの一部が非圧縮性流体で満たされるようなものである、請求項26記載の装置。
【請求項28】
前記移送構造体は、前記点火チャンバが前記加工物に流体結合される開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイから隔離される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有する、請求項17記載の装置。
【請求項29】
前記ダイキャビティは、ダイキャビティ壁により構成され、前記ダイキャビティは、前記加工物よりも大きいものであるよう寸法決めされ、使用中、前記加工物内部中に移動している前記衝撃波からの圧力が前記加工物を駆動してこれを前記ダイキャビティ壁に向かって拡張させるようになっている、請求項17記載の装置。
【請求項30】
前記ダイキャビティは、少なくとも1つのダイキャビティ孔が設けられたダイキャビティ壁により構成され、使用中、前記衝撃波が前記加工物を貫通して前記ダイキャビティ孔中に穴をあけるようになっている、請求項17記載の装置。
【請求項31】
前記ダイキャビティは、少なくとも1つのダイキャビティ溝が設けられたダイキャビティ壁により構成され、使用中、前記衝撃波は、前記加工物を切断するようになっている、請求項17記載の装置。
【請求項32】
前記加工物は、前記衝撃波を前記加工物から出すための加工物圧力出口を有し、前記加工物は、全体として管状である、請求項17記載の装置。
【請求項33】
前記衝撃波と関連した圧力を減少させるよう構成された減圧弁を更に有する、請求項17記載の装置。
【請求項34】
前記減圧弁は、複数個の衝撃波減少要素を有し、前記衝撃波減少要素は、該衝撃波減少要素を通って移動する衝撃波に当たるよう位置決めされている、請求項33記載の装置。
【請求項35】
加工物内部を有すると共に前記加工物内部への加工物圧力入口を備えた加工物を修整する装置であって、
衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバと、
前記加工物を収容することができるダイと、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記加工物圧力入口を通って前記加工物内部内に運んで前記加工物を修整するよう構成された移送構造体とを有する、装置。
【請求項36】
前記点火チャンバは、前記衝撃波を生じさせる爆発を発生させるよう構成されている、請求項35記載の装置。
【請求項37】
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に反射要素のない予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、請求項35記載の装置。
【請求項38】
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に一定の断面寸法及び断面形状を有する予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、請求項37記載の装置。
【請求項39】
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に一定の直径を有する予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、請求項37記載の装置。
【請求項40】
前記点火チャンバは、複数の可燃物を前記点火チャンバ内に移送する複数個の可燃物入口を有し、前記複数の可燃物は、実質的に、H2及びO2で構成されている、請求項36記載の装置。
【請求項41】
2:O2の選択された比を前記爆発の発生に先立って前記点火チャンバ内に移送するよう構成された制御装置を更に有する、請求項40記載の装置。
【請求項42】
前記点火チャンバは、全体として円筒形であり、前記点火チャンバは、少なくとも長さと直径の選択された比を持つ点火チャンバ内部を有する、請求項36記載の装置。
【請求項43】
前記点火チャンバは、複数個の可燃物入口を有し、前記装置は、複数の可燃物を前記点火チャンバ内部中に移送して前記点火チャンバ内部中の圧力が選択された充填圧力に達するようにするよう構成された制御装置を更に有する、請求項42記載の装置。
【請求項44】
前記ダイは、非圧縮性流体を非圧縮性流体源から前記ダイキャビティ内に流通させる非圧縮性流体入口を有する、請求項36記載の装置。
【請求項45】
前記衝撃波の発生に先立って、選択された充填レベルまでの前記加工物内部内への非圧縮性流体の流れを可能にして前記加工物が非圧縮性流体で実質的に満たされるようにするよう構成された制御装置を更に有し、前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、前記衝撃波を前記非圧縮性流体中に移送するよう構成された予備加工物衝撃波流れ導管を構成している、請求項44記載の装置。
【請求項46】
前記選択された充填レベルは、前記移送構造体が非圧縮性流体で実質的に満たされるようなものである、請求項45記載の装置。
【請求項47】
前記選択された充填レベルは、前記点火チャンバの一部が非圧縮性流体で満たされるようなものである、請求項46記載の装置。
【請求項48】
前記移送構造体は、前記点火チャンバが前記加工物に流体結合される開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイから隔離される閉鎖位置に位置決め可能な弁を有する、請求項35記載の装置。
【請求項49】
前記ダイキャビティは、ダイキャビティ壁により構成され、前記ダイキャビティは、前記加工物よりも大きいものであるよう寸法決めされ、使用中、前記加工物内部中に移動している前記衝撃波からの圧力が前記加工物を駆動してこれを前記ダイキャビティ壁に向かって拡張させるようになっている、請求項35記載の装置。
【請求項50】
前記加工物内部は、加工物壁によって画定され、前記ダイキャビティは、少なくとも1つのダイキャビティ孔が設けられたダイキャビティ壁により構成され、使用中、前記衝撃波が前記加工物壁を貫通して前記ダイキャビティ孔中に穴をあけるようになっている、請求項35記載の装置。
【請求項51】
前記加工物は、前記衝撃波を前記加工物から出すための加工物圧力出口を有し、前記加工物は、全体として管状である、請求項35記載の装置。
【請求項52】
前記加工物内部は、前記衝撃波を通す加工物衝撃波経路を備え、前記加工物衝撃波経路は、加工物衝撃波経路長さを有し、前記衝撃波は、前記加工物衝撃波経路長さよりも短い衝撃波長さを有する、請求項35記載の装置。
【請求項53】
前記点火チャンバが発生させようと構成されている前記衝撃波は、選択された力を前記加工物に及ぼすよう寸法決めされている、請求項35記載の装置。
【請求項54】
前記衝撃波と関連した圧力を減少させるよう構成された減圧弁を更に有する、請求項35記載の装置。
【請求項55】
前記減圧弁は、複数個の衝撃波減少要素を有し、前記衝撃波減少要素は、該衝撃波減少要素を通って移動する衝撃波に当たるよう位置決めされている、請求項35記載の装置。
【請求項56】
加工物を修整する方法であって、前記方法は、
a)第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含むダイを用意するステップを有し、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は他方に対して、開放位置と前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になってダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、
b)前記加工物を前記ダイキャビティ内に位置決めするステップを有し、
c)移動衝撃波を発生させるステップを有し、前記衝撃波は、前記加工物に対して前記衝撃波移動経路の長さよりも短い長さを有し、
d)前記衝撃波を前記加工物に沿って運んで局所圧力を前記加工物に累進的に加えるステップを有し、
e)選択されたダイ保持力が全体を通じて前記衝撃波の移動経路に対して横向きの方向において前記衝撃波からの圧力に抗した状態で前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートを前記閉鎖位置に保持するステップを有し、
f)前記加工物を前記ステップd)の実施後に前記ダイキャビティから突き出すステップを有する、方法。
【請求項57】
前記ステップc)は、前記衝撃波を生じさせる爆発を発生させるステップを含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記ステップc)は、H2及びO2を点火することにより前記衝撃波を発生させる爆発を生じさせるステップを含むことを請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記衝撃波を生じさせる点火チャンバを用意するステップと、
前記点火チャンバを連続的に冷却しながらステップb)〜ステップf)を繰り返し実施して水素と酸素の反応によって生じる水蒸気の圧力を減少させるステップとを有する、請求項58記載の方法。
【請求項60】
g)前記衝撃波を生じさせる点火チャンバを用意するステップと、
h)前記点火チャンバを前記ステップc)の実施に先立って前記ダイから隔離するステップと、
i)可燃物を前記ステップh)の実施後に前記点火チャンバ内に移送するステップと、
j)前記点火チャンバを前記ステップb)及び前記ステップi)の実施後に前記加工物に流体結合するステップとを更に有し、
前記ステップc)は、前記ステップj)の実施後に前記衝撃波を生じさせるよう前記可燃物による爆発を生じさせるステップを含む、請求項56記載の方法。
【請求項61】
k)前記加工物に前記ステップc)の実施前に非圧縮性流体を充填するステップと、
l)ガスからの前記衝撃波をステップd)の実施に先立って前記非圧縮性流体中に移送するステップとを更に有する、請求項60記載の方法。
【請求項62】
移送構造体が前記点火チャンバと前記加工物を流体連通させ、前記方法は、前記加工物、前記移送構造体、及び前記点火チャンバの一部に前記ステップc)の実施に先立って非圧縮性流体を充填するステップを更に有し、前記方法は、ガスからの前記衝撃波を前記ステップd)の実施に先立って非圧縮性流体中に移送するステップを更に有する、請求項60記載の方法。
【請求項63】
前記ステップd)は、前記加工物を前記衝撃波により拡張させて前記ダイキャビティに押し付けるステップを含む、請求項56記載の方法。
【請求項64】
前記加工物は、加工物壁を有し、前記ステップd)は、前記衝撃波により前記加工物壁を貫通して孔を作るステップを含む、請求項56記載の方法。
【請求項65】
加工物を修整する方法であって、
a)ダイキャビティを有するダイを用意するステップと、
b)前記加工物を前記ダイキャビティ内に位置決めするステップと、
c)衝撃波を生じさせるステップと、
d)前記衝撃波を前記ダイキャビティ内の前記加工物中に運んで前記加工物を修整するステップと、
e)前記加工物を前記ステップd)の実施後に前記ダイキャビティから突き出すステップとを有する、方法。
【請求項66】
前記ステップc)は、前記衝撃波を生じさせる爆発を発生させるステップを含む、請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記ステップc)は、H2及びO2を点火することにより前記衝撃波を発生させる爆発を生じさせるステップを含むことを請求項65記載の方法。
【請求項68】
f)前記衝撃波を生じさせる点火チャンバを用意するステップと、
g)前記点火チャンバを前記ステップc)の実施に先立って前記ダイから隔離するステップと、
h)可燃物を前記ステップg)の実施後に前記点火チャンバ内に移送するステップと、
i)前記ステップh)の実施後に前記点火チャンバと前記加工物を流体結合するステップとを更に有し、
前記ステップc)は、前記ステップi)の実施後に前記衝撃波を生じさせるよう前記可燃物による爆発を生じさせるステップを含む、請求項65記載の方法。
【請求項69】
j)前記加工物に前記ステップc)の実施前に非圧縮性流体を充填するステップと、
k)ガスからの前記衝撃波をステップd)の実施に先立って前記非圧縮性流体中に移送するステップとを更に有する、請求項68記載の方法。
【請求項70】
移送構造体が前記点火チャンバと前記加工物を流体連通させ、前記方法は、前記加工物、前記移送構造体、及び前記点火チャンバの一部に前記ステップc)の実施に先立って非圧縮性流体を充填するステップを更に有し、
前記方法は、ガスからの前記衝撃波を前記ステップd)の実施に先立って非圧縮性流体中に移送するステップを更に有する、請求項68記載の方法。
【請求項71】
長手方向長さを有する加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、前記点火チャンバは、衝撃波を生じさせるために酸素及び水素可燃物を利用し、前記点火チャンバは、少なくとも1つの可燃物入口を有し、
点火器を有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記ダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、
作動中、前記衝撃波は、前記衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記閉鎖位置に保持可能であり、
選択された比及び量の酸素及び水素を前記点火チャンバ内に移送し、前記点火器を作動させて前記可燃物に反応させる制御装置を有し、前記制御装置は、爆発を連続的に実行し、
前記点火チャンバを冷却して酸素と水素の反応により生じた水蒸気の圧力を減少させる冷却システムを有する、装置。
【請求項72】
導管長さを定める管状加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記導管長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、前記点火チャンバは、可燃物として酸素及び水素を利用し、前記点火チャンバは、少なくとも1つの可燃物入口を有し、
点火器を有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、作動中、前記衝撃波は、前記加工物を通って移動し、前記衝撃波は、前記衝撃波移動経路に対して横向きの方向に局所化圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記加工物中の圧力に抗して前記閉鎖位置に保持可能であり、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記加工物中に運んで前記加工物を修整するよう構成された移送構造体を有し、
選択された比及び量の酸素及び水素を前記点火チャンバ内に移送し、前記点火器を作動させて前記可燃物に反応させる制御装置を有し、前記制御装置は、爆発を連続的に実行し、
前記点火チャンバを冷却して酸素と水素の反応により生じた水蒸気の圧力を減少させる冷却システムを有する、装置。
【請求項73】
長手方向長さを有する加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記ダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に同一であり且つ実質的に反射要素のない断面サイズ及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成し、
作動中、前記衝撃波は、前記衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所化圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記閉鎖位置に保持可能である、装置。
【請求項74】
長手方向長さを有する加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する移動衝撃波を発生させるよう構成された点火チャンバを有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記ダイキャビティ内に運搬するよう構成された移送構造体を有し、前記移送構造体は、前記点火チャンバが前記ダイキャビティに流体結合される開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイキャビティから流体結合解除される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有し、
前記点火チャンバと前記移送構造体は、前記隔離弁が前記開放位置にあるとき、一緒になって、実質的に一定であり且つ実質的に反射要素のない断面寸法及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成し、
作動中、前記衝撃波は、前記衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所化圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記閉鎖位置に保持可能である、装置。
【請求項75】
導管長さを定める管状加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記導管長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、
点火器を有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、作動中、前記衝撃波は、前記加工物を通って移動し、前記衝撃波は、前記衝撃波移動経路に対して横向きの方向に局所化圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記加工物中の圧力に抗して前記閉鎖位置に保持可能であり、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記加工物中に運んで前記加工物を修整するよう構成された移送構造体を有し、
前記点火チャンバと前記移送構造体は、一緒になって、実質的に同一であり且つ実質的に反射要素のない断面サイズ及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、装置。
【請求項76】
導管長さを定める管状加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記導管長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、
点火器を有し、
ダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、他方に対して、開放位置と、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートが一緒になって前記加工物を収容することができるダイキャビティを構成する閉鎖位置との間で動くことができ、作動中、前記衝撃波は、前記加工物を通って移動し、前記衝撃波は、前記衝撃波移動経路に対して横向きの方向に局所化圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記加工物中の圧力に抗して前記閉鎖位置に保持可能であり、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記加工物中に運んで前記加工物を修整するよう構成された移送構造体を有し、前記移送構造体は、前記点火チャンバが前記ダイキャビティに流体結合される開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイキャビティから流体結合解除される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有し、
前記点火チャンバと前記移送構造体は、前記隔離弁が前記開放位置にあるとき、一緒になって、実質的に一定であり且つ実質的に反射要素のない断面寸法及び断面形状を備えた予備加工物衝撃波流れ導管を構成する、装置。
【請求項77】
加工物を修整する装置であって、
爆発を発生させるための点火チャンバを有し、
前記加工物を受け入れるダイキャビティを構成する少なくとも1つの壁を備えたダイを有し、前記ダイキャビティは、圧力入口及び圧力出口を有し、前記点火チャンバは、前記爆発の結果として生じた圧力波を前記ダイキャビティを通ってその圧力入口からその圧力出口に伝達するよう前記ダイキャビティに流体結合可能であり、作動中、前記圧力波は、前記加工物を修整して該加工物を前記少なくとも1つのダイキャビティ壁に少なくとも部分的に同形化させるようにし、
前記ダイキャビティ圧力出口の下流側に設けられていて、前記圧力波を少なくとも部分的に破壊するよう構成された減圧弁を有する、装置。
【請求項78】
長手方向長さを有する加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記長手方向長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、
前記加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記ダイキャビティ中に運ぶよう構成された移送構造体を有し、
作動中、前記衝撃波は、前記衝撃波の移動方向に対して横向きの方向に局所化圧力を前記加工物に加え、前記ダイは、選択されたダイ保持力により前記閉鎖位置に保持可能であり、
前記加工物の下流側に設けられていて、前記衝撃波を少なくとも部分的に破壊するよう構成された減圧弁を有する、装置。
【請求項79】
管状壁及び管状長さを有する管状加工物を修整する装置であって、前記装置は、
前記加工物の前記管状長さよりも短い衝撃波長さを有する衝撃波を生じさせるよう構成された点火チャンバを有し、
前記加工物を受け入れるダイキャビティを構成する少なくとも1つの壁を備えたダイを有し、
前記衝撃波を前記点火チャンバから前記ダイキャビティ中に運ぶよう構成された移送構造体を有し、
作動中、前記衝撃波は、前記衝撃波の前記移動方向に対して横向きの方向に局所化された圧力を前記加工物の前記管状壁に加えて前記加工物の前記管状壁を前記ダイの前記少なくとも1つの壁に押し付けて該管状壁を少なくとも部分的に同形化させ、前記加工物の下流側に設けられていて、
前記圧力波を少なくとも部分的に破壊するよう構成された減圧弁を有し、前記減圧弁は、前記ダイキャビティに流体結合可能な1つ又は2つ以上の弁の上流側に配置されている、装置。
【請求項80】
前記減圧弁は、前記衝撃波を乱すよう位置決めされた複数個の反射要素を有する、請求項77、78又は79記載の装置。
【請求項81】
非圧縮性流体を前記ダイキャビティ圧力出口内に移送するよう位置決めされた非圧縮性流体入口弁を更に有し、前記減圧弁は、前記ダイキャビティ圧力出口と前記非圧縮性流体入口弁との間に流体的に位置決めされている、請求項77、78又は79記載の装置。
【請求項82】
管状加工物を修整する方法であって、
a)点火チャンバを用意するステップと、
b)前記加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを用意するステップと、
c)前記加工物を前記ダイキャビティ中に移送するステップと、
d)前記点火チャンバ内に爆発を発生させて前記点火チャンバ内に圧力波を生じさせるステップと、
e)前記圧力波を前記点火チャンバから前記加工物に伝達して前記加工物を修整するステップと、
f)前記圧力波を前記ステップe)の実施後に前記ダイキャビティから送り出すステップと、
g)前記圧力波を前記ステップf)の実施後に少なくとも部分的に破壊するステップと、
h)前記加工物を前記ステップf)の実施後に前記ダイキャビティから突き出すステップとを有する、方法。
【請求項83】
前記圧力波は、衝撃波である、請求項82記載の方法。
【請求項84】
加工物を修整する装置であって、
可燃物の点火により爆発を発生させる点火チャンバを有し、
前記加工物を収納できるダイキャビティを備えたダイを有し、前記ダイは、前記ダイキャビティに流体結合可能な非圧縮性流体入口を有し、
前記点火チャンバが前記ダイキャビティに流体結合されて前記爆発により生じた圧力が前記加工物を修整するよう前記加工物に伝達可能な開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイキャビティから流体結合解除される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有する、装置。
【請求項85】
前記点火チャンバに可燃物を充填し、前記ダイキャビティの非同形化部分に非圧縮性流体を充填する制御装置を更に有し、前記制御装置は、前記点火チャンバへの可燃物の充填と前記ダイキャビティの前記非同形化部分への前記非圧縮性流体の充填との間のオーバーラップを可能にするよう前記隔離弁を閉じる、請求項84記載の装置。
【請求項86】
前記ダイは、前記加工物を前記ダイキャビティ内に挿入する開放位置と、前記ダイキャビティを密封する閉鎖位置との間で動くことができ、前記装置は、前記隔離弁を閉じ、前記ダイの密封に先立って前記点火チャンバへの可燃物の充填を開始する制御装置を更に有する、請求項84記載の装置。
【請求項87】
前記隔離弁を閉じ、次に可燃物を前記点火チャンバ内に移送し、次に前記隔離弁を開き、次に前記可燃物に点火して前記隔離弁が開いているときに前記爆発を発生させるようプログラムされた制御装置を更に有する、請求項84記載の装置。
【請求項88】
前記点火チャンバは、可燃物の導入のための少なくとも1つの入口及び非圧縮性流体の導入のための入口を有し、前記装置は、前記可燃物及び前記非圧縮性流体を前記点火チャンバ内に移送し、前記隔離弁が前記閉鎖位置にあるときに前記非圧縮性流体を前記ダイキャビティ内に移送するよう構成されている制御装置を更に有する、請求項84記載の装置。
【請求項89】
前記制御装置の指令下にあり、所定量の非圧縮性流体を前記隔離弁が閉じられているときに前記点火チャンバ内に繰り返し射出する手段を有する、請求項88記載の装置。
【請求項90】
前記点火チャンバは、前記隔離弁を通って移動する衝撃波を生じさせるよう構成され、使用中、前記衝撃波は、前記加工物を修整するよう前記非圧縮性流体を介して前記ダイキャビティ内の前記加工物に伝達可能である、請求項84記載の装置。
【請求項91】
前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートは、一緒になって、前記ダイキャビティを構成し、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、前記ダイを開閉するよう他方に対して動くことができる、請求項84記載の装置。
【請求項92】
加工物を修整する方法であって、
a)点火チャンバを用意するステップと、
b)前記加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを用意するステップと、
c)前記点火チャンバを前記ダイから隔離するステップと、
d)可燃物を前記ステップc)の実施後に前記点火チャンバ内に移送するステップと、
e)前記加工物を前記ダイキャビティ内に移送するステップと、
f)前記点火チャンバと前記加工物を前記ステップd)の実施後に流体結合するステップと、
g)前記ステップf)の実施後に前記可燃物により爆発を発生させるステップと、
h)前記爆発により生じた圧力を前記ダイキャビティ内の前記加工物に伝達して前記加工物を修整するステップと、
i)前記加工物を前記ステップh)の実施後に前記ダイキャビティから突き出すステップとを有する、方法。
【請求項93】
ステップg)は、前記点火チャンバ内で衝撃波を発生させるステップを含み、前記ステップh)は、前記衝撃波を前記加工物に伝達するステップを含む、請求項92記載の方法。
【請求項94】
j)前記加工物に非圧縮性流体を充填するステップを更に有し、前記ステップj)は、前記ステップd)と少なくとも部分的にオーバーラップし、前記ステップj)は、前記ステップg)の実施前に実施される、請求項92記載の方法。
【請求項95】
前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートは、一緒になって、前記ダイキャビティを構成し、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、前記ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、前記方法は、
k)前記ダイを前記ステップe)の実施に先立って開放するステップと、
l)前記ダイを前記ステップe)の実施後に且つ前記ステップf)の実施前に閉鎖するステップとを更に有し、前記ステップl)は、前記ステップd)と少なくとも部分的にオーバーラップしている、請求項92記載の方法。
【請求項96】
m)非圧縮性流体を前記点火チャンバ内に移送するステップを更に有し、前記ステップm)は、前記ステップc)の実施後に且つ前記ステップd)の実施前に始まる、請求項94記載の方法。
【請求項97】
前記ステップh)は、前記加工物を前記衝撃波により拡張させて前記ダイキャビティに押し付けるステップを含む、請求項92記載の方法。
【請求項98】
前記加工物は、加工物壁を有し、前記ステップh)は、前記加工物壁を貫通して孔を作るステップを含む、請求項92記載の方法。
【請求項99】
加工物を修整する装置であって、
爆発を発生させる点火チャンバと、
前記加工物を受け入れるよう構成されたダイキャビティを備えるダイと、
前記ダイキャビティが前記点火チャンバから流体結合解除される閉鎖位置と、前記ダイキャビティが前記点火チャンバに流体結合されて前記爆発により生じた圧力が前記ダイキャビティに伝達可能である開放位置との間で繰り返し制御可能な隔離弁とを有する、装置。
【請求項100】
加工物を修整する装置であって、
爆発を発生させるよう構成されると共に複数個の可燃物入口を備えた点火チャンバを有し、
第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含むダイを有し、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートは、一緒になって、前記加工物を保持するダイキャビティを構成し、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、前記ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、
前記点火チャンバが前記加工物に流体結合されて前記爆発により生じた圧力が前記加工物を修整するよう前記加工物に伝達可能な開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイから隔離される閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁を有する、装置。
【請求項101】
前記ダイは、非圧縮性流体を受け入れる入口を有し、前記入口は、前記加工物が前記ダイキャビティ内に位置しているとき、前記加工物に流体結合される、請求項100記載の装置。
【請求項102】
選択された量の燃焼用ガスを可燃物移送ステップ中に前記点火チャンバ内に移送し、前記ダイをダイ閉鎖ステップ中に閉鎖するよう構成された制御装置を更に有し、前記ダイ閉鎖ステップは、前記可燃物導入ステップと少なくとも部分的にオーバーラップしている、請求項101記載の装置。
【請求項103】
前記ダイは、前記加工物よりも大きく寸法決めされており、使用中、前記点火チャンバ内の爆発により生じた圧力により前記加工物は拡張してダイキャビティに当たる、請求項101記載の装置。
【請求項104】
前記加工物は、壁を有し、前記ダイキャビティは、少なくとも1つのダイキャビティ孔が設けられたダイキャビティ表面により構成され、使用中、前記点火チャンバ内の爆発により生じた圧力が前記加工物の前記壁を通って前記ダイキャビティ孔中に伝達されて前記ダイキャビティ孔に隣接して位置する前記加工物の前記壁を貫通して孔を作る、請求項101記載の装置。
【請求項105】
前記隔離弁内には流量制御部材が設けられ、前記装置は、ドレン導管と、ドレン弁と、ドレンセンサとを更に有し、前記ドレン導管は、前記隔離弁の近くに位置決めされ、前記ドレンセンサは、前記ドレン導管内の液体の存在を検出するよう位置決めされ、前記ドレン弁は、前記センサが前記ドレン導管内の非圧縮性流体の存在を検出したときに開放位置から閉鎖位置に動くことができ、それにより、前記装置が前記流量制御部材まで非圧縮性流体で満たされているらしいことが分かる、請求項101記載の装置。
【請求項106】
前記隔離弁は、
圧力入口及び圧力出口を備えた弁体を有し、
前記弁体を通る流体の流れを可能にする開放位置と前記弁体を通る流体の流れを阻止する閉鎖位置との間で動くことができる流量制御部材を有し、
前記流量制御部材と前記弁体との間に位置決めされた密封部材を有し、前記流量制御部材は、前記閉鎖位置にあるとき、前記隔離弁前後の圧力差により下流側の方向に動いて前記密封部材に当接することができ、
前記流量制御部材から見て上流側の箇所と下流側の箇所に流体結合されたバイパス導管を有し、前記バイパス導管は、前記圧力入口の断面積よりも小さい断面積を有し、
前記バイパス導管を介する前記流量制御部材から見て上流側の前記箇所と下流側の前記箇所とを流体連通させて前記箇所相互間の圧力を等しくする開放位置と、前記流量制御部材から見て上流側の前記箇所と下流側の前記箇所との流体連通を阻止する閉鎖位置との間で動くことができるバイパス弁を有する、請求項100記載の装置。
【請求項107】
加工物を修整する装置であって、
爆発を発生させるよう構成されると共に複数個の可燃物入口を備えた点火チャンバと、
前記点火チャンバに大気圧よりも高い選択された圧力まで可燃物を充填する制御装置と、
前記加工物を保持するダイキャビティを備えたダイと、前記点火チャンバが前記加工物に流体結合されて前記爆発により生じた圧力が前記加工物を修整するよう前記加工物に伝達可能な開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイから隔離された閉鎖位置に位置決め可能な隔離弁とを有し、前記隔離弁は、
圧力入口及び圧力出口を備えた弁体を有し、
前記弁体を通る流体の流れを可能にする開放位置と前記弁体を通る流体の流れを阻止する閉鎖位置との間で動くことができる流量制御部材を有し、
前記流量制御部材と前記弁体との間に位置決めされた密封部材を有し、前記流量制御部材は、前記閉鎖位置にあるとき、前記隔離弁前後の圧力差により下流側の方向に動いて前記密封部材に当接することができ、
前記流量制御部材から見て上流側の箇所と下流側の箇所に流体結合されたバイパス導管を有し、前記バイパス導管は、前記圧力入口の断面積よりも小さい断面積を有し、
前記バイパス導管を介する前記流量制御部材から見て上流側の前記箇所と下流側の前記箇所とを流体連通させて前記箇所相互間の圧力を等しくする開放位置と、前記流量制御部材から見て上流側の前記箇所と下流側の前記箇所との流体連通を阻止する閉鎖位置との間で動くことができるバイパス弁を有する、装置。
【請求項108】
加工物を修整する装置であって、
爆発を発生させる点火チャンバを有し、前記点火チャンバは、前記点火チャンバへの可燃物の導入のための少なくとも1つの入口及び前記少なくとも1つの可燃物入口を介する前記点火チャンバ内への可燃物の流量を制御する少なくとも1つの弁を有し、
前記加工物を受け入れるよう構成されたダイキャビティを備えたダイを有し、前記ダイは、前記ダイキャビティに流体結合可能な非圧縮性流体入口及び前記非圧縮性流体入口を介する前記ダイキャビティ内への前記非圧縮性流体の流量を制御する少なくとも1つの弁を有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートは、一緒になって、前記ダイキャビティを構成し、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、前記ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、
前記加工物を前記ダイ内に配置し又は前記加工物を前記ダイが開いている間に前記ダイから取り出す移送機構体を有し、
前記点火チャンバを前記ダイキャビティに流体結合して前記爆発により生じた圧力が前記加工物を修整するよう前記加工物に伝達可能な開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイキャビティから隔離された閉鎖位置に設定可能な隔離弁を有し、
前記隔離弁を閉じ、可燃物を前記点火チャンバ内に移送し、前記隔離弁を開き、前記可燃物に点火して前記爆発を発生させるようプログラムされた制御装置を有し、前記制御装置は、前記加工物移送機構体の作動のために前記ダイを開放し、前記ダイの閉鎖に先立って前記点火チャンバに前記可燃物を充填し始める、装置。
【請求項109】
加工物を修整する装置であって、
爆発を発生させる点火チャンバを有し、前記点火チャンバは、可燃物の導入のための少なくとも1つの入口及び非圧縮性流体の導入のための入口を有し、
前記少なくとも1つの可燃物入口を介する前記点火チャンバ内への可燃物の流量を制御する可燃物弁を有し、
前記少なくとも1つの非圧縮性流体入口を介する前記点火チャンバ内への非圧縮性流体の流量を制御する補助弁を有し、
ダイプレスを有し、
前記ダイプレスに取り付けられていて、前記加工物を受け入れるよう構成されたダイキャビティを備えたダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートは、一緒になって、前記ダイキャビティを構成し、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、前記ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、前記ダイキャビティは、圧力入口及び圧力出口を有し、前記ダイは、前記ダイキャビティ圧力出口の下流側に配置された非圧縮性流体入口を有し、
前記非圧縮性流体入口を介する前記ダイキャビティ内への前記非圧縮性流体の流量を制御する主要弁を有し、
前記点火チャンバと前記ダイキャビティとの間に設けられた隔離弁を有し、前記隔離弁は、前記点火チャンバが前記ダイキャビティに流体結合されて前記爆発により生じた圧力が前記加工物を修整するよう前記加工物に伝達可能な開放位置及び前記点火チャンバが前記ダイキャビティから隔離された閉鎖位置に設定可能であり、
前記少なくとも1つの可燃物弁、前記主要非圧縮性流体弁、前記補助非圧縮性流体弁、前記隔離弁、及び前記ダイプレスに連結された制御装置を有し、前記制御装置は、前記ダイを開放し、前記隔離弁を閉じ、可燃物及び非圧縮性流体を前記点火チャンバ内に移送する一方で、非圧縮性流体を前記ダイキャビティ内に移送し、前記隔離弁を開き、前記可燃物に点火して前記爆発を発生させ、前記制御装置は、前記ダイの閉鎖に先立って前記点火チャンバに前記可燃物を充填し始める、装置。
【請求項110】
前記制御装置の指令下にあり、所定量の非圧縮性流体を前記隔離弁が閉じられているときに前記点火チャンバ内に繰り返し射出する手段を有する、請求項109記載の装置。
【請求項111】
前記隔離弁内には流量制御部材が設けられ、前記装置は、ドレン導管と、ドレン弁と、前記制御装置に接続されたドレンセンサとを更に有し、前記ドレン導管は、前記隔離弁の近くに位置決めされ、前記ドレンセンサは、前記ドレン導管内の液体の存在を検出するよう位置決めされ、前記ドレン弁は、前記センサが前記ドレン導管内の非圧縮性流体の存在を検出したときに開放位置から閉鎖位置に動くことができ、それにより、前記装置が前記流量制御部材まで非圧縮性流体で満たされているらしいことが分かる、請求項109記載の装置。
【請求項112】
加工物内部を有すると共に前記加工物内部への第1の開口部を備えた加工物を修整する装置であって、
圧力を発生させる点火チャンバと、
前記加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイと、
圧力を前記点火チャンバから前記加工物に移送して前記加工物を修整する移送導管とを有し、前記移送導管は、第1の移送導管部分及び第2の移送導管部分を有し、前記第1の移送導管部分と前記第2の移送導管部分は、互いに流体結合され、前記第1の移送導管部分は、前記点火チャンバに対して固定的に連結され、前記第2の移送導管部分は、前記第2の移送導管部分が前記加工物の前記第1の開口部内に挿入される前進位置と、前記第2の移送導管部分が前記加工物の前記第1の開口部から取り出されて前記ダイキャビティからの前記加工物の突き出しを可能にする引っ込み位置との間で動くことができ、前記第1の移送導管部分と前記第2の移送導管部分は、互いに回転可能に連結されている、装置。
【請求項113】
前記第1の移送導管部分と前記第2の移送導管部分は、ボールソケット形軸継手を介して互いに回転可能に連結されている、請求項112記載の装置。
【請求項114】
前記点火チャンバは、点火チャンバ支持体に取り付けられ、前記点火チャンバは、前記前進位置と前記引っ込み位置との間における前記第2の移送導管部分の運動に対応するよう前記支持体に対して回転的に且つ並進的に動くことができる、請求項112記載の装置。
【請求項115】
前記点火チャンバ支持体は、支持ベース及び弾性支持部材を含む、請求項114記載の装置。
【請求項116】
前記加工物の前記第1の開口部は、前記加工物の第1の端部のところに位置決めされ、前記ダイは、前記加工物の前記第1の端部を保持するカラーを有し、前記第2の移送導管部分は、前記前進位置において、前記加工物の前記第1の端部をはさんで前記カラーに押し付け、それにより前記移動導管内の移送導管流体通路と前記加工物内部を流体連通させる、請求項112記載の装置。
【請求項117】
前記加工物は、前記加工物内部への第2の開口部を有し、前記装置は、第2の開口部密封部材を更に有し、前記第2の開口部密封部材は、前記第2の開口部密封部材が前記加工物の前記第2の開口部内に挿入される前進位置と、前記第2の開口部密封部材が前記加工物の前記第2の開口部から取り出されて前記ダイキャビティからの前記加工物の突き出しを可能にする引っ込み位置との間で動くことができる、請求項112記載の装置。
【請求項118】
加工物を修整する装置であって、
圧力を発生させる点火チャンバを有し、前記点火チャンバは、少なくとも第1の軸線に沿って往復動し、
前記加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、前記ダイキャビティは、前記第1の軸線に平行ではない第2の軸線を定める入口を有し、
圧力を前記点火チャンバから前記ダイキャビティに流体的に伝達する移送導管を有し、前記移送導管は、第1の区分及び第2の区分を有し、前記第1の区分は、前記点火チャンバに連結され、少なくとも前記第1の軸線に沿って往復動し、前記第2の区分は、前記点火チャンバが少なくとも前記第1の軸線に沿って往復動しているときに前記第2の区分が摺動して前記ダイキャビティから出入りすることができるよう前記第1の区分に対して角度調整可能である、装置。
【請求項119】
加工物を修整する装置であって、
圧力を発生させる点火チャンバと、
前記加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイと、
圧力を前記点火チャンバから前記ダイキャビティに伝達する移送導管とを有し、前記移送導管は、第1の区分及び第2の区分を有し、前記第1の区分及び前記第2の区分の少なくとも一方は、互いに対して角度調節可能である、装置。
【請求項120】
管状加工物を修整する装置であって、前記管状加工物は、外周部及び内周部を含む端部を有し、前記装置は、
圧力を発生させる点火チャンバを有し、
前記加工物を受け入れるよう構成されているダイキャビティを備えたダイを有し、前記ダイは、第1のダイプレート及び第2のダイプレートを含み、前記第1のダイプレートと前記第2のダイプレートは、一緒になって、前記ダイキャビティを構成し、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートの少なくとも一方は、前記ダイを開閉するよう他方に対して動くことができ、前記ダイは、前記ダイが前記加工物の前記第1の端部の外周部を保持するために前記閉鎖位置にあるとき、前記第1のダイプレート及び前記第2のダイプレートにより提供されるカラーを有し、
圧力を前記点火チャンバから前記加工物に移送して前記加工物を修整する移送導管を有し、前記移送導管は、前記移送導管が前記加工物の前記内周部に係合して前記加工物の端部を挟んで前記カラーに押し付け、それにより前記移送導管と前記加工物の内部を流体連通させる前進位置と、前記移送導管が前記管状加工物に流体結合されない引っ込み位置との間で運動可能に設けられている、装置。
【請求項121】
前記移送導管と前記カラーとの間に働く挟み力は、前記加工物の前記端部をラッパ状に広げるのに十分である、請求項120記載の装置。
【請求項122】
加工物内部を構成する加工物壁を有すると共に加工物本体及び前記加工物内部への第1の開口部を備えた第1の端部分を有する加工物を修整する装置であって、
圧力を発生させる点火チャンバを有し、
前記加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、前記ダイは、前記加工物の第1の端部分を保持するよう位置決めされた第1のカラーを有し、前記ダイは、前記加工物本体を前記ダイキャビティ内に固定位置でしっかりと保持する中間加工物ホルダを更に有し、
圧力を前記点火チャンバから前記加工物に移送して加工物を修整する移送導管を有し、前記移送導管内には移送導管流体通路が設けられ、前記移送導管は、前記移送導管流体通路と前記加工物内部を流体連通させるよう前記加工物の前記第1の端部分内に挿入可能であり、
前記ダイキャビティは、前記第1の端部分の周りの選択された位置で延びる第1のトリム孔を有し、前記点火チャンバから前記加工物内部に移送された圧力が前記加工物壁を通って前記第1のトリム孔中に伝わって前記第1の端部分を前記加工物本体からトリムするようになっている、装置。
【請求項123】
前記加工物は、前記加工物内部への第2の開口部を備えた第2の端部分を有し、前記ダイは、前記加工物の前記第2の端部分を保持するよう位置決めされた第2のカラーを有し、前記ダイキャビティは、前記第2の端部分の周りの選択された位置で延びる第2のトリム孔を有し、前記点火チャンバから前記加工物内部に移送された圧力が前記加工物壁を通って前記トリム孔中に伝わって前記第2の端部分を前記加工物本体からトリムするようになっている、請求項122記載の装置。
【請求項124】
各々が加工物内部を構成する加工物壁を備えた第1の加工物及び第2の加工物を修整する装置であって、
圧力を発生させるよう構成された第1の点火チャンバを有し、
圧力を発生させるよう構成された第2の点火チャンバを有し、
前記第1の加工物を受け入れる第1のダイキャビティを備えたダイを有し、前記第1のダイキャビティは、前記第1の点火チャンバからの圧力が前記第1の加工物の前記加工物内部に移送されると、前記加工物に選択された形状を与えるよう構成された第1のダイキャビティ壁を有し、
前記ダイは、前記選択された形状を持つ前記第2の加工物を受け入れるよう構成された第2のダイキャビティを有し、前記第2のダイキャビティは、少なくとも1つの穿孔が設けられた第2のダイキャビティ壁を有し、前記少なくとも1つの穿孔は、前記第2の点火チャンバから前記第2の加工物の前記加工物内部に移送された圧力が少なくとも1つの孔を前記加工物壁を貫通して前記少なくとも1つの穿孔中にあけ、
前記第1の加工物を前記第1のダイキャビティから前記第2のダイキャビティ中に移送するよう動くことができ、前記第2の加工物を前記第2のダイキャビティから移送してこれをダイから出すよう動くことができる移送機構体を有する、装置。
【請求項125】
前記移送機構体は、第3の加工物を前記第2の外部から前記第1のダイキャビティ内に移送するよう動くことができる、請求項124記載の装置。
【請求項126】
弁であって、
圧力入口及び圧力出口を備えた弁体を有し、
前記弁体を通る流体の流れを可能にする開放位置と前記弁体を通る流体の流れを阻止する閉鎖位置との間で動くことができる流量制御部材を有し、
前記流量制御部材と前記弁体との間に位置決めされた密封部材を有し、前記流量制御部材は、前記閉鎖位置にあるとき、前記隔離弁前後の圧力差により下流側の方向に動いて前記密封部材に当接することができ、
前記流量制御部材から見て上流側の箇所と下流側の箇所に流体結合されたバイパス導管を有し、前記バイパス導管は、前記圧力入口の断面積よりも小さい断面積を有し、
前記バイパス導管を介する前記流量制御部材から見て上流側の前記箇所と下流側の前記箇所とを流体連通させて前記箇所相互間の圧力を等しくする開放位置と、前記流量制御部材から見て上流側の前記箇所と下流側の前記箇所との流体連通を阻止する閉鎖位置との間で動くことができるバイパス弁を有する、弁。
【請求項127】
加工物を連続的に修整する燃焼成形システムであって、
可燃物を導入するための少なくとも1つの入口を備えた点火チャンバを有し、
可燃物源から前記点火チャンバへの前記可燃物の流量を制御する少なくとも1つの弁を有し、
前記点火チャンバに流体結合された点火器を有し、
排気ガスを前記点火チャンバから抜き出す抜き出し手段を有し、
前記点火チャンバの温度を制御する温度制御手段を有し、
加工物を受け入れるダイキャビティを備えたダイを有し、作動中、前記加工物は、前記点火チャンバに流体結合され、
修整された加工物を前記ダイから出して新たな加工物を前記ダイ中に入れる移送機構体を有し、
前記少なくとも1つの可燃物弁、前記点火器、前記抜き出し手段、前記温度制御手段、及び前記移送機構体に作動的に連結された制御装置を有し、前記制御装置は、(a)修整された加工物を前記ダイから出し、新たな加工物を前記ダイ中に移送する段階、(b)可燃物を前記点火チャンバに移送する段階、(c)前記可燃物に点火して前記ダイ内の前記加工物を修整することができる圧力波を生じさせる段階、及び(d)排気ガスを前記点火チャンバから送り出す段階を含む作動サイクルを繰り返し実行し、前記制御装置は、前記点火チャンバの温度を所定の温度範囲内に維持する一方で、前記作動サイクルを繰り返し実施する、システム。
【請求項128】
前記可燃物は、水素と酸素の化学量論的混合物であり、前記所定の温度範囲は、5〜100℃である、請求項127記載のシステム。
【請求項129】
前記制御装置は、前記可燃物を前記点火チャンバ内に移送した直後に前記可燃物に点火する、請求項128記載のシステム。
【請求項130】
非圧縮性流体の導入のための入口及び非圧縮性流体源からの非圧縮性流体の流量を制御する弁を有し、前記作動サイクルは、前記点火チャンバに所定の充填レベルまで前記非圧縮性流体を充填して前記可燃物の爆発に先立って、前記可燃物の体積のための前記点火チャンバ内の所定の容積を達成する段階を含む、システム。
【請求項131】
加工物を修整する方法であって、異形壁を備えたダイを用意するステップと、前記加工物を前記ダイ内に位置決めするステップと、衝撃波を発生させるステップと、前記衝撃波からの力を前記加工物の少なくとも一部分に累進的に加えて前記加工物を前記異形ダイ壁に押し当てて累進的に同形化させるステップとを有する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20】
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【図21】
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【図22a】
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【図22b】
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【図22c】
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【図23a】
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【図23b】
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【図23c】
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【図23d】
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【図23e】
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【図24】
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【公表番号】特表2011−518673(P2011−518673A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506793(P2011−506793)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005449
【国際公開番号】WO2009/133454
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(501241575)マグナ インターナショナル インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】