説明

物品の包装方法

【課題】 小ロットでも低コストで、プレゼントや販促用の物品などといった販売を目的としない物品を、配る側の意思を伝えることができるようにオリジナル包装する物品の包装方法を得る。
【解決手段】 所定の形状及び大きさに形成されたフィルムシート基材1に、写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄2を適宜印刷手段により印刷して三方シール用のオリジナルフィルム包装シート3を作成し、このオリジナルフィルム包装シート3で物品を三方シール包装することにより、オリジナル包装した物品を小ロットでも低コストで容易に得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売を目的としない物品、例えば、プレゼントや販促用の物品を、配る側の意思を伝えることができるようにオリジナル包装する物品の包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結婚式、誕生祝い、各種イベント、その他の集会の記念に、また販促用として、参加者や知人、友人などに、比較的手軽な物品を配るといったことがよく行われている。
この場合の品物としては、市販の商品が主に利用され、配るのに便利なように、袋で個々に包装されている商品が多く利用されるが、これらの商品を包装している袋は、商品毎にそれぞれメーカーのデザインが施されおり、特別珍しい物でもなく、誰もが容易に得ることができるものが多い。
【0003】
一方、配る側としては、配る側の意思を伝えることができる、その時だけのオリジナルな包装を望む。例えば、結婚式であれば新郎新婦の写真、誕生祝いであれば子供の写真、またイベントであればイベントのメッセージ、販促用であれば特定な商品の宣伝を包装に表現することである。
【0004】
このような要求は、商品の製造元と交渉することにより可能な場合があり、結婚式やイベント、販促用として、商品の既存の包装に代え配る側の意思を表現したオリジナル包装の商品を製造元に作ってもらい、これを参加者等に配るといったことも行われている。
また、配る数が少なく、配る先が身近な人たちである場合には、配る側が商品一つ一つに手書きでメーセージを書き込んだり写真を貼るといったことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−7074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、配る側の意思を表現したオリジナル包装の商品を製造元に作ってもらうことは非常に費用のかかるものであり、とくに小ロットの場合や廉価商品である場合にはコスト的に全く適さない、といった問題がある。
また、商品の包装に手書きでメーセージを書き込んだり写真を貼るといったことは、低コストで済むが、商品が特に子供に喜ばれるスナック菓子や顆粒状の菓子のようなもので、フィルムにより包装されているような場合、メーセージを書き込んだり写真を貼るといったことには全く適さないといった問題がある。
【0007】
本発明の目的は、小ロットでも低コストで、販売を目的としない物品、例えば、プレゼントや販促用の物品を、配る側の意思を伝えることができるようにオリジナル包装する物品の包装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、物品の包装方法であって、所定の形状及び大きさに形成されたフィルムシート基材に、写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄を適宜印刷手段により印刷して三方シール用のオリジナルフィルム包装シートを作成し、このオリジナルフィルム包装シートで物品を三方シール包装することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記物品はフィルム包装されている市販商品であり、既存の包装の上から前記オリジナルフィルム包装シートで前記市販商品を三方シール包装することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の物品の包装方法によれば、物品の形状に対応する大きさに形成されたフィルムシート基材に、写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄を適宜印刷手段により印刷して三方シール用のオリジナルフィルム包装シートを作成し、このオリジナルフィルム包装シートで物品を三方シール包装するので、オリジナル包装した物品を小ロットでも低コストで容易に得ることができる。
【0011】
請求項2に記載の物品の包装方法によれば、請求項1に記載の、前記物品はフィルム包装されている市販商品であり、既存の包装の上から前記オリジナルフィルム包装シートで前記市販商品を三方シール包装するので、フィルム包装されている市販商品を、既存包装と遜色のないような自然な包装形態でオリジナル包装することができ、しかもオリジナル包装した市販商品を小ロットでも低コストで容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る物品の包装方法で使用されるオリジナルフィルム包装シートの一例を示す平面図である。
【図2】本発明に係る物品の包装方法で包装した物品の一例を示す正面図である。
【図3】本発明に係る物品の包装方法を実施するシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る物品の包装方法を実施するための形態を、図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。
先ず、所定の形状及び大きさに形成されたフィルムシート基材1に、写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄2を適宜印刷手段により印刷して三方シール用のオリジナルフィルム包装シート3を作成する(図1参照。)。
【0014】
前記のフィルムシート基材1にあっては、ヒートシール性樹脂フィルムが使用される。ヒートシール性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂が使用されるが、これに限定されない。本例では、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレンなどを使用している。
また、フィルムシート基材1は、透明、不透明を問わないが、印刷するオリジナル図柄2における色彩の自由度から透明であることが好ましい。
また、フィルムシート基材1は、所定の形状及び大きさ、例えば、後述するところの包装対象となる物品の形状及び大きさに対応する形状及び大きさに形成されるが、この形成にあっては、後述するオリジナル図柄2を印刷する前に形成してもよく、あるいは印刷後に形成してもよい。
【0015】
前記のフィルムシート基材1に、写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄2を印刷手段により印刷するが、この印刷手段にあっては特に限定されない。本例では、汎用されているプリンタを使用して印刷する。また、印刷する写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄2の作成にあっては、本例では、コンピュータを使用して、写真の取り込みや、文字、図形、模様を描くことにより作成する。
また、本例では、オリジナル図柄2を印刷したフィルムシート基材1の印刷面側に、透明なヒートシール性樹脂フィルムをラミネートしている。
【0016】
このようにオリジナル図柄2をコンピュータで作成し、これを印刷画像として処理し、プリンタを使用してフィルムシート基材1に印刷することにより、小ロットでも低コストで容易に三方シール用のオリジナルフィルム包装シート3を作成することができる。
【0017】
次ぎに、三方シール用のオリジナルフィルム包装シート3で物品を三方シール包装する。このようにして、オリジナル包装物品4が得られる。この三方シール包装にあっては、公知の三方シール包装機を使用して行われる。包装される物品にあっては、特に限定されないが、本例では、フィルム包装されている市販商品を包装される物品としている。
【0018】
上記のように構成される本発明に係る包装方法によれば、フィルムシート基材1に、コンピュータで作成した写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄2をプリンタで印刷して三方シール用のオリジナルフィルム包装シート3を作成するので、小ロットでも低コストでオリジナルフィルム包装シート3を作成することができ、このオリジナルフィルム包装シート3で物品を三方シール包装するので、オリジナル包装物品4を小ロットでも低コストで容易に得ることができる。
そして、包装する物品がフィルム包装されている市販商品、例えばスナック菓子や顆粒状の菓子のようなものであっても、既存包装と遜色のないような自然な包装形態でオリジナル包装することができる。
【0019】
つぎに、上記のように構成される本発明に係る物品の包装方法を具体的に実施するシステムの一例を説明する。
このシステムは、ユーザ(オリジナル包装物品発注者)による業者(オリジナル包装物品受注者)へのオリジナル包装物品4の発注から、発注を受けた業者によるオリジナル包装物品4の作成と、作成したオリジナル包装物品4をユーザに引き渡すまでを内容としている。
本例では、図3に示すように、業者(オリジナル包装物品受注者)のコンピユータ端末5とユーザ(オリジナル包装物品発注者)のコンピュータ端末がを電話回線を経由してインターネット7を介して接続されるようになっている。
【0020】
ユーザはユーザコンピュータ端末6をインターネット7を介して業者コンピュータ端末5に接続し、ユーザが希望する包装物品、例えば特定な市販商品、数量、オリジナル図柄2の材料となる写真、文字(メッセージ)、その他の希望図形、模様、イメージ等の情報を入力し業者コンピュータ端末5へ送信する。
業者は、オリジナル図柄2の材料となる写真、文字(メッセージ)、その他の希望図形、模様、イメージ等の情報に基づいて、コンピュータによりオリジナル図柄2を作成し、業者コンピュータ端末5からインターネット7を介してオリジナル図柄2をユーザコンピュータ端末6に送信する。
ユーザは、送信されてきたオリジナル図柄2をユーザコンピュータ端末6の画面で確認する。そして、送信されてきたオリジナル図柄2について、修正や変更の希望がある場合は、ユーザコンピュータ端末6からインターネット7を介して業者コンピュータ端末5に修正や変更の希望を送信する。
業者は、ユーザからの修正や変更の希望に応じ、修正や変更したオリジナル図柄2を業者コンピュータ端末5からインターネット7を介してユーザコンピュータ端末6に送信する。
ユーザは、送信されてきたオリジナル図柄2について納得したら、ユーザコンピュータ端末6からインターネット7を介して業者コンピュータ端末5に了解の通知を送信する。
業者は、ユーザから了解の送信を受けたら、パーソナルプリンタを使用してオリジナル図柄2をフィルムシート基材1に印刷して、必要枚数のオリジナルフィルム包装シート3を作成する。そして、三方シール用のオリジナルフィルム包装シート3で物品を三方シール包装してオリジナル包装物品4を作成し、適宜配送手段によりオリジナル包装物品4をユーザに配送する。
【0021】
このシステムによれば、インターネット7を介してオリジナル包装物品4の発注、オリジナル図柄2の作成、確認等を一元的に行うことができることになるので、これらの作業効率の合理化とコストの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0022】
1 フィルムシート基材
2 オリジナル図柄
3 オリジナルフィルム包装シート
4 オリジナル包装物品
5 業者コンピュータ端末
6 ユーザコンピュータ端末
7 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状及び大きさに形成されたフィルムシート基材に、写真、文字、図形、模様などからなるオリジナル図柄を適宜印刷手段により印刷して三方シール用のオリジナルフィルム包装シートを作成し、このオリジナルフィルム包装シートで物品を三方シール包装することを特徴とする物品の包装方法。
【請求項2】
前記物品はフィルム包装されている市販商品であり、既存の包装の上から前記オリジナルフィルム包装シートで前記市販商品を三方シール包装することを特徴とする請求項1に記載の物品の包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−41067(P2012−41067A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183900(P2010−183900)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(510225395)株式会社アクティクス (1)
【Fターム(参考)】