説明

物品棚装置の連結構造

【課題】外観品質を維持し、出し入れする物品の損傷を招来することなく、外力が作用した場合にも相互の連結状態を維持する。
【解決手段】後方下部横フレーム部材122Aは、フレーム本体122A1から突出し、ネジ挿通孔122A4を有するとともに、上面に下面パネル121が載置される第1ビーム部122A2を有し、第1ビーム部122A2は下面がフレーム本体122A1の下面よりも上方、かつその上面とフレーム本体122A1の上面との間に取付ボルト16の頭部16aよりも大きな高さを確保したものであり、連結ブラケット30は、基部31の両端部から延在する一対の挟持片部32と、挟持片部32から第1ビーム部122A2の下面に沿う態様で延在した装着片部33とを有し、第1ビーム部122A2を介して装着片部33の雌ネジ孔34に取付ボルト16を螺合させて2つの後方下部横フレーム部材122Aの互いに離反する移動を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に配置した上部材と下部材との間を側部材によって接続することにより外枠を構成した物品棚装置を、互いの外側面を接し合わせた状態で連結ブラケットにより相互に連結する物品棚装置の連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
書棚等の物品棚装置を設置する場合には、例えば設置安定性を高めるため、隣接するものを互いに連結することが行われている。物品棚装置を相互に連結する構造としては、互いに並設される外側面パネルに亘って連結ブラケットを配設し、この連結ブラケットを介してそれぞれの外側面パネルにボルトを螺合させることによって物品棚装置を相互に連結するようにしたものが一般的である。しかしながら、この連結構造においては、連結ブラケットやボルトの頭部が外部に露出するため、外観品質を考慮した場合、必ずしも好ましいとはいえない。
【0003】
こうした点を考慮し、従来においては、物品棚装置の上面を覆う上面パネルと、外側面を覆う外側面パネルとの間に目地を形成するとともに、この目地にスリットを形成し、スリットに連結ブラケットを貫入させた状態でボルトにより連結ブラケットを上面パネルの下面に取り付けるようにした連結構造が提供されている。この連結構造によれば、連結ブラケットを貫入させるためのスリットが目地に設けてあるため、物品棚装置を単体で設置する場合にもスリットが目立たつことがない。一方、物品棚装置を連結する場合には、連結ブラケットがスリットに貫入されて外部に露出しない。これらの結果、外観品質を損なうことなく隣接する物品棚装置を互いに連結することが可能になる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、単に、目地のスリットから貫入した連結ブラケットをボルトによって上面パネルの下面に取り付けたのでは、物品棚装置の収容空間に連結ブラケットの先端部やボルトの頭部が突出した状態となり、収容空間に対して物品を出し入れする際にこれらの突出する連結ブラケットやボルトの頭部に干渉して物品を損傷する虞れがある。このため、特許文献1には、上面パネルの端縁部において連結ブラケットを配置する部分に凹部を形成したものも提供されている。
【0005】
こうした連結構造によれば、連結ブラケット及びこれを螺合するボルトの頭部が凹部に収容され、収容空間に対して物品を出し入れする際に連結ブラケットやボルトの頭部が干渉する虞れがなくなり、物品に損傷を来す事態を防止することができるようになる。
【0006】
【特許文献1】特公平7−102165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、物品棚装置を相互に連結した状態においては、一方の物品棚装置に外力が加えられた場合、2つの物品棚装置を引き離す態様で両者の連結部分に外力が集中することになる。すなわち、上述した連結構造にあっては、連結ブラケットを介してボルト及び上面パネルにおいてボルトが螺合する雌ネジ孔の周囲に外力が集中することになり、例えば繰り返し外力が作用した場合、あるいは外力が衝撃的に作用した場合にはボルトが脱落し、物品棚装置の連結状態が解除される事態が発生する虞れがある。特に、上記のように外観品質を考慮した連結構造では、連結ブラケットの存在が外部から視認しにくくなるため、第三者が物品棚装置を移動させようとした場合等、逆に上述した問題が頻繁に発生することになる。
【0008】
本発明の目的は、上記実情に鑑みて、外観品質を維持し、かつ出し入れする物品の損傷を招来することなく、外力が作用した場合にも相互の連結状態を維持することのできる物品棚装置の連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る物品棚装置の連結構造は、上下に配置した上部材と下部材との間を側部材によって接続することにより外枠を構成した物品棚装置を、互いの外側面を接し合わせた状態で連結ブラケットにより相互に連結する物品棚装置の連結構造であって、前記物品棚装置の下部材は、下面パネルと、この下面パネルの端縁部において少なくとも前記外側面の下端部に対応する部位に配置した下部横フレーム部材とを備えて構成し、さらに前記下部横フレーム部材は、水平方向に沿って延在するフレーム本体と、このフレーム本体において外枠の内方側に位置する内向面から内方に突出し、雄ネジ部材が挿通されるネジ挿通孔を有するとともに、このネジ挿通孔を覆う態様で上面に下面パネルが載置される内方突出片部とを有し、該内方突出片部はその下面が前記フレーム本体の下面よりも上方、かつその上面とフレーム本体の上面との間に雄ネジ部材の頭部よりも大きな高さを確保した位置に設けたものであり、前記連結ブラケットは、外側面を介して2つの物品棚装置を接し合わせた場合に隣接する2つの下部横フレーム部材に対してそれぞれのフレーム本体の下方域に亘って配置される基部と、各フレーム本体の内向面に対向する態様で基部の両端部からそれぞれ上方に向けて延在する一対の挟持片部と、各挟持片部から内方突出片部の下面に沿う態様で延在した一対の装着片部とを有して構成し、内方突出片部を介してそれぞれ装着片部の雌ネジ孔に雄ネジ部材を螺合させることにより2つの下部横フレーム部材の互いに離反する方向への移動を規制することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る物品棚装置の連結構造は、上述した請求項1において、前記装着片部の雌ネジ孔は、装着片部にネジ挿通孔を形成するとともに、装着片部の下面において前記ネジ挿通孔に対応する部位に雌ネジ部材を固着して構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る物品棚装置の連結構造は、上述した請求項1において、前記下部横フレーム部材は、少なくともアルミニウムを含む金属材料により、フレーム本体及び内方突出片部を押し出し成形法で一体に構成したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る物品棚装置の連結構造は、上述した請求項1において、前記下部横フレーム部材の内方突出片部は、その上面と前記フレーム本体の上面との間に下面パネルの上面をフレーム本体の上面に合致させる距離を確保した位置に設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に係る物品棚装置の連結構造は、上述した請求項1において、前記連結ブラケットは、装着片部の上面を前記下部横フレーム部材における内方突出片部の下面に当接させた場合に基部の上面をフレーム本体の下面に当接させる形状に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、連結ブラケットが下部横フレーム部材の下面に配置される一方、下部横フレーム部材の内方突出片部に螺合した雄ネジ部材の頭部がフレーム本体の上面よりも下方に位置されるため、これら連結ブラケットや雄ネジ部材の頭部が直接外部に露出したり、物品の収容空間に突出することがない。これにより、外観品質を維持し、かつ出し入れする物品の損傷を招来する虞れがない。しかも、連結ブラケットは、2つの物品棚装置を接し合わせた場合に隣接する2つの下部横フレーム部材に対してそれぞれのフレーム本体の内向面に対向する態様で挟持片部を配置させるものであるため、挟持片部をフレーム本体の内向面に当接させれば、下部横フレーム部材を引き離す方向に外力が作用したとしても、雄ネジ部材やこれを螺合させる雌ネジ孔の周囲に外力が集中する事態を防止することができ、物品棚装置の相互連結状態を維持することが可能になる。
【0015】
また、本発明によれば、装着片部にネジ挿通孔を形成するとともに、装着片部の下面においてネジ挿通孔に対応する部位に雌ネジ部材を固着して装着片部の雌ネジ孔を構成しているため、連結ブラケットの板厚を大きくすることなく雄ネジ部材の螺合領域を十分に確保して所望の締結強度を確保することが可能になる。
【0016】
また、本発明によれば、フレーム本体及び内方突出片部を備える下部横フレーム部材を、少なくともアルミニウムを含む金属材料により押し出し成形法で一体に構成しているため、煩雑な切削作業を伴うことなくこれを容易に成形することが可能である。
【0017】
また、本発明によれば、下部横フレーム部材の内方突出片部が、その上面とフレーム本体の上面との間に下面パネルの上面をフレーム本体の上面に合致させる距離を確保した位置に設けるようにしているため、これらフレーム本体の上面と下面パネルの上面との間に段差を生じさせることなく平坦に接続することができる。
【0018】
また、本発明によれば、連結ブラケットが、装着片部の上面を下部横フレーム部材における内方突出片部の下面に当接させた場合に基部の上面をフレーム本体の下面に当接させる形状に構成しているため、フレーム本体から下方への突出高さを最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る物品棚装置の連結構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1及び図2は、本発明の実施の形態である連結構造の適用対象となる物品棚装置の外観を示したものである。ここで例示する物品棚装置は、例えばSOHO(Small Office Home Office)等の室内において書棚として用いられるもので、外枠10を備えている。
【0021】
外枠10は、互いに平行となる態様で上下に配置した上部材11と下部材12との間を左右の側部材13によって接続することにより直方体状に構成したものである。上部材11は、矩形状を成す上面パネル111と、上面パネル111の各端縁となる部位に配置した上部横フレーム部材112とによって矩形板状に構成したものである。下部材12は、図3に示すように、矩形状を成す下面パネル121と、下面パネル121の各端縁となる部位に配置した下部横フレーム部材122とによって矩形板状に構成したもので、上部材11との対応する4隅部の間を側部材13となる縦フレーム部材131によって相互に連結することにより、該上部材11との間に書籍等の物品を収容するための収容空間14を画成している。
【0022】
外枠10の収容空間14は、左右の側部材13の間に下部材12に平行となる態様で複数の棚板15を適宜架設することにより、所望とする高さ寸法に分割することが可能である。図1及び図2では、棚板15を2つ架設することにより、外枠10の収容空間14を上部収容空間14A、中間収容空間14B、下部収容空間14Cの3つに分割したものを例示している。
【0023】
この外枠10には、上下方向に延在する外側面のうち、上部収容空間14A及び下部収容空間14Cの後面側となる外側面にそれぞれ外側面パネル20が取り付けてある。外側面パネル20は、図2及び図4に示すように、上部収容空間14A及び下部収容空間14Cの後面を閉塞する大きさを有した矩形薄板状のパネル本体21と、パネル本体21の各縁部からそれぞれ同一の方向に向けて延在した4つの端縁板部22a,22b,22c,22dとを一体に構成したもので、左右の端縁板部22c,22dにそれぞれ上下一対の雌ネジ孔23を有している。これらの外側面パネル20は、端縁板部22a,22b,22c,22dを収容空間14の内方に向けた状態で縦フレーム部材131の相互間に配置した後、縦フレーム部材131を介して端縁板部22c,22dの雌ネジ孔23にそれぞれ取付ボルト(図示せず)を螺合させることにより、上部収容空間14Aの後面及び下部収容空間14Cの後面を覆う態様で外枠10に取り付けてある。
【0024】
図3、図5及び図6に示すように、下部材12の後面側に位置する下部横フレーム部材(以下、「後方下部横フレーム部材122A」という)は、一様な横断面形状を有して中空の角柱状に延在するフレーム本体122A1と、フレーム本体122A1の一方の外側面から外方に向けて延在する第1ビーム部(内方突出片部)122A2と、フレーム本体122A1の他方の外側面から外方に向けて延在する第2ビーム部122A3とを有したもので、第2ビーム部122A3を後方に向けた状態で外枠10の下部に水平方向に沿って配設してある。
【0025】
第1ビーム部122A2は、フレーム本体122A1の外側面において高さ方向のほぼ中央となる部位の全長から水平方向に沿って板状に延設したもので、その適宜箇所、例えば長手方向の両端となる部位にネジ挿通孔122A4を有している。第1ビーム部122A2の上面とフレーム本体122A1との上面には、下面パネル121の板厚に相当する距離が確保してある。この第1ビーム部122A2は、その上面に下面パネル121の端縁部を載置させることにより、下面パネル121の上面とフレーム本体122A1の上面とを合致した状態で下面パネル121を保持している。下面パネル121には、第1ビーム部122A2のネジ挿通孔122A4に対応する部位に、後述する取付ボルト16の頭部16aを挿通することのできる切欠123が設けてある。
【0026】
第2ビーム部122A3は、その下面がフレーム本体122A1の下面と同一の平面となる態様でフレーム本体122A1の全長に亘る部位に設けたものである。この第2ビーム部122A3のフレーム本体122A1からの突出長さは、上述した外側面パネル20におけるパネル本体21の外表面から端縁板部22a,22b,22c,22dの先端までの距離に一致するように構成してある。
【0027】
この後方下部横フレーム部材122Aは、Al−Mg−Si系アルミニウム合金(6N01−T5)等、少なくともアルミニウムを含む金属材料によって押し出し成形法により、上述したフレーム本体122A1、第1ビーム部122A2、第2ビーム部122A3が一体に成形してある。
【0028】
尚、図1中の符号17は、下部材12の下面四隅部からそれぞれ下方に向けて突設した高さ調整を行うことのできる脚部材である。
【0029】
一方、物品棚装置を相互に連結する場合に適用する連結ブラケット30は、図6及び図7に示すように、基部31、一対の挟持片部32、一対の装着片部33を有して構成してある。連結ブラケット30の基部31は、外側面を介して2つの物品棚装置を接し合わせた場合に隣接する2つの後方下部横フレーム部材122Aに対してそれぞれのフレーム本体122A1の下方域に亘って配置される長さを有した平板状部分である。挟持片部32は、基部31の両端部からそれぞれ同一方向に向けて略直角に屈曲延在した部分である。一対の挟持片部32の相互間距離は、後方下部横フレーム部材122Aにおけるフレーム本体122A1の幅の2倍よりもごく僅かに大きく構成してある。装着片部33は、個々の挟持片部32の屈曲端部から互いに離隔する方向に向けて屈曲した部分であり、基部31の延在方向に平行となる態様で延在している。挟持片部32及び装着片部33は、基部31をフレーム本体122A1の下面に当接させた場合に装着片部33が第1ビーム部122A2の下面に当接することのできる寸法に構成してある。
【0030】
また、連結ブラケット30には、装着片部33に雌ネジ孔34が設けてある。雌ネジ孔34は、装着片部33にネジ挿通孔35を形成するとともに、装着片部33の下面においてネジ挿通孔35に対応する部位に雌ネジ部材36を固着することによって構成したものである。
【0031】
上記のように構成した連結ブラケット30を適用して上述した物品棚装置を相互に連結する場合には、まず、後方下部横フレーム部材122Aが互いに隣接する態様で2つの物品棚装置を接し合わせ、この状態から一対の挟持片部32の間にこれら後方下部横フレーム部材122Aの2つのフレーム本体122A1を挟み込む態様で連結ブラケット30を装着する。
【0032】
次いで、連結ブラケット30の装着片部33に設けた雌ネジ孔34を、後方下部横フレーム部材122Aの第1ビーム部122A2に設けたネジ挿通孔122A4に合致させ、このネジ挿通孔122A4を介して雌ネジ孔34に取付ボルト16を螺合すれば、この連結ブラケット30によりそれぞれの後方下部横フレーム部材122Aを介して2つの物品棚装置が互いの後面を接し合わせた状態で相互に連結され、例えばその設置安定性を向上させることが可能となる。
【0033】
この際、第1ビーム部122A2を介して連結ブラケット30の雌ネジ孔34に取付ボルト16を螺合する作業は、図6の右側部分に示すように、下部横フレーム部材122に載置された下面パネル121を取り外せば、第1ビーム部122A2の上方域が開放されるため、容易に行うことが可能である。しかも、相互連結した後の物品棚装置においては、下面パネル121を再び下部横フレーム部材122に載置させることにより、連結ブラケット30や取付ボルト16が外部や収容空間14に露出することがないため、外観品質を損なうことがなく、また収容空間14に対して出し入れする物品に損傷を来す虞れもない。
【0034】
さらに、連結ブラケット30は、2つの物品棚装置を接し合わせた場合に隣接する2つの後方下部横フレーム部材122Aに対して一対の挟持片部32がそれぞれのフレーム本体122A1を挟み込むように配置されることになるため、仮に後方下部横フレーム部材122Aを互いに引き離す方向に外力が繰り返し作用したり、衝撃的に作用したとしても、取付ボルト16やこれを螺合させる雌ネジ孔34の周囲に外力が集中する事態を防止することができ、物品棚装置の相互連結状態を維持することが可能になる。
【0035】
尚、上述した実施の形態では、2つの物品棚装置を相互連結する場合に互いの後面を外側面として接し合わせるものを例示しているが、外枠において上下方向に延在する外側面であれば、必ずしも後面を相互に連結するものに限らない。例えば、物品棚装置の下部材12において左右に位置する下部横フレーム部材122に第1ビーム部122A2と同様の構成を設ければ、それぞれの左右に位置する外側面を接し合わせた状態で2つの物品棚装置を相互に連結することが可能である。
【0036】
また、上述した実施の形態では、装着片部33にネジ挿通孔35を形成するとともに、装着片部33の下面においてネジ挿通孔35に対応する部位に雌ネジ部材36を固着することにより雌ネジ孔34を構成するようにしているため、連結ブラケット30の板厚を大きくすることなく取付ボルト16の螺合領域を十分に確保して所望の締結強度を確保することが可能になるが、必ずしもこれに限らず、連結ブラケット30に直接雌ネジ孔34を刻設するようにしても構わない。
【0037】
さらに、上述した実施の形態では、装着片部33の上面を後方下部横フレーム部材122Aにおける第1ビーム部122A2の下面に当接させた場合に基部31の上面をフレーム本体122A1の下面に当接させるように連結ブラケット30を構成しているため、フレーム本体122A1から下方への突出高さを最小限に抑えることができるが、必ずしも基部31の上面をフレーム本体122A1の下面に当接させる必要はない。
【0038】
またさらに、上述した実施の形態では、後方下部横フレーム部材122Aの全長に亘って第1ビーム部122A2を設けるようにしているが、下面パネル121を載置することができ、かつ連結ブラケット30の雌ネジ孔34に取付ボルト16を螺合させることができれば、必ずしも第1ビーム部122A2を後方下部横フレーム部材122Aの全長に亘って設ける必要はない。
【0039】
また、上述した実施の形態では、後方下部横フレーム部材122Aを、少なくともアルミニウムを含む金属材料により、フレーム本体122A1及び第1ビーム部122A2を押し出し成形法で一体に構成しているため、煩雑な切削作業を要することなくこれを容易に成形することが可能であるが、その成形方法は、必ずしもアルミニウムを含む金属材料による押し出し成形に限らない。
【0040】
またさらに、上述した実施の形態では、第1ビーム部122A2の上面とフレーム本体122A1との上面に、下面パネル121の板厚に相当する距離を確保しているため、これらフレーム本体122A1の上面と下面パネル121の上面との間に段差を生じさせることなく平坦に接続することができるが、本発明はこれに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態である連結構造の適用対象となる物品棚装置を前面側から見た外観斜視図である。
【図2】図1に示した物品棚装置を後面側から見た外観斜視図である。
【図3】図1に示した物品棚装置の下部材を分解して示した拡大斜視図である。
【図4】図1に示した物品棚装置に適用する外側面パネルの斜視図である。
【図5】図1に示した物品棚装置に適用する下部横フレーム部材の斜視図である。
【図6】図1に示した物品棚装置の相互連結状態を示す要部断面側面図である。
【図7】図1に示した物品棚装置の相互連結状態を下方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 外枠
11 上部材
12 下部材
13 側部材
14 収容空間
14A 上部収容空間
14B 中間収容空間
14C 下部収容空間
15 棚板
16 取付ボルト
16a 頭部
20 外側面パネル
21 パネル本体
23 雌ネジ孔
30 連結ブラケット
31 基部
32 挟持片部
33 装着片部
34 雌ネジ孔
35 ネジ挿通孔
36 雌ネジ部材
111 上面パネル
112 上部横フレーム部材
121 下面パネル
122 下部横フレーム部材
122A 後方下部横フレーム部材
122A1 フレーム本体
122A2 第1ビーム部
122A3 第2ビーム部
122A4 ネジ挿通孔
123 切欠
131 縦フレーム部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に配置した上部材と下部材との間を側部材によって接続することにより外枠を構成した物品棚装置を、互いの外側面を接し合わせた状態で連結ブラケットにより相互に連結する物品棚装置の連結構造であって、
前記物品棚装置の下部材は、下面パネルと、この下面パネルの端縁部において少なくとも前記外側面の下端部に対応する部位に配置した下部横フレーム部材とを備えて構成し、さらに前記下部横フレーム部材は、水平方向に沿って延在するフレーム本体と、このフレーム本体において外枠の内方側に位置する内向面から内方に突出し、雄ネジ部材が挿通されるネジ挿通孔を有するとともに、このネジ挿通孔を覆う態様で上面に下面パネルが載置される内方突出片部とを有し、該内方突出片部はその下面が前記フレーム本体の下面よりも上方、かつその上面とフレーム本体の上面との間に雄ネジ部材の頭部よりも大きな高さを確保した位置に設けたものであり、
前記連結ブラケットは、外側面を介して2つの物品棚装置を接し合わせた場合に隣接する2つの下部横フレーム部材に対してそれぞれのフレーム本体の下方域に亘って配置される基部と、各フレーム本体の内向面に対向する態様で基部の両端部からそれぞれ上方に向けて延在する一対の挟持片部と、各挟持片部から内方突出片部の下面に沿う態様で延在した一対の装着片部とを有して構成し、内方突出片部を介してそれぞれ装着片部の雌ネジ孔に雄ネジ部材を螺合させることにより2つの下部横フレーム部材の互いに離反する方向への移動を規制する
ことを特徴とする物品棚装置の連結構造。
【請求項2】
前記装着片部の雌ネジ孔は、装着片部にネジ挿通孔を形成するとともに、装着片部の下面において前記ネジ挿通孔に対応する部位に雌ネジ部材を固着して構成したことを特徴とする請求項1に記載の物品棚装置の連結構造。
【請求項3】
前記下部横フレーム部材は、少なくともアルミニウムを含む金属材料により、フレーム本体及び内方突出片部を押し出し成形法で一体に構成したことを特徴とする請求項1に記載の物品棚装置の連結構造。
【請求項4】
前記下部横フレーム部材の内方突出片部は、その上面と前記フレーム本体の上面との間に下面パネルの上面をフレーム本体の上面に合致させる距離を確保した位置に設けたことを特徴とする請求項1に記載の物品棚装置の連結構造。
【請求項5】
前記連結ブラケットは、装着片部の上面を前記下部横フレーム部材における内方突出片部の下面に当接させた場合に基部の上面をフレーム本体の下面に当接させる形状に構成したことを特徴とする請求項1に記載の物品棚装置の連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−43497(P2008−43497A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221176(P2006−221176)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】