説明

物干し器

【課題】放射状タイプでありながら扉の上端や引き出しの把手等にも容易に掛止して使用することができる。
【解決手段】吊下げ部1を備えた吊下げ杆に設けられた基台3の周方向複数箇所に、複数本のハンガーアーム4が、横向きで放射状に突出する吊下げ姿勢と起立させた格納姿勢とに揺動切り替え自在に設けられ、吊下げ杆の上部と吊下げ部1との間に、吊下げ部1が吊下げ杆の直上又は略直上に位置する中央掛止位置と、格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4の隣接間を通して吊下げ部1が外方に突出する横掛止位置とに変更可能な掛止位置変更手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物等を干す吊下げ式の物干し器で、詳しくは、吊下げ部を備えた吊下げ杆に設けられた基台の周方向複数箇所に、複数本のハンガーアームが、横向きで放射状に突出する吊下げ姿勢と起立させた格納姿勢とに揺動切り替え自在に設けられている物干し器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物干し器では、前記基台に、各ハンガーアームの基端部を水平軸芯周りで起伏揺動自在に枢支する揺動支点軸を設け、前記吊下げ杆の上部側には、格納姿勢に切り替えられた各ハンガーアームと揺動方向から脱着可能な状態で嵌合して、各ハンガーアームを格納姿勢に抜止め保持する嵌合凹部を備えた円板状のアーム保持部材を設けている。
【0003】
さらに、前記吊下げ部の一例である吊下げフックの下端部を吊下げ杆の上端部に当該吊下げ杆の中心線周りで回転自在に嵌合連結するとともに、前記格納姿勢にある各ハンガーアームの上端と吊下げフックの上端とが略同じ高さ位置に構成されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−79491号公報
【特許文献2】実用新案登録第3050749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の物干し器では、吊下げ姿勢で放射状態で展開された複数のハンガーアームのうち、一部のハンガーアームが物干し場の周囲に存在する他物と干渉する状態にあっても、他物と干渉するハンガーアームを格納姿勢に揺動させて、当該ハンガーアームの上側部分を吊下げ杆の上部側に設けられているアーム保持部材の嵌合凹部に嵌合保持させることにより、物干し場の周囲に存在する他物との干渉を回避しながら吊下げ姿勢に展開された残りの各ハンガーアームを水平又は略水平状態に維持することができる。
【0006】
しかし、物干し器の吊下げフックを室内の扉の上端や引き出しの把手等に掛止しようとしても、この扉や引き出し側に位置する使用不能の複数本のハンガーアームを格納姿勢に切り替えると、この格納姿勢に切り替えられた複数本のハンガーアームが障壁になって吊下げフックの掛止を阻害し、仮に、吊下げフックを係止することができたとしても、物干し器全体が大きく傾斜するため、実質的に扉の上端や引き出しの把手等に掛止して使用することは不可能であった。
【0007】
そのため、従来では、吊下げ杆に設けられた半円形状の基台の半周縁部分の周方向複数箇所に、複数本のハンガーアームを吊下げ姿勢と格納姿勢とに揺動切り替え自在に設けた専用の物干し器を準備して、放射状タイプと半放射状タイプの二種類の物干し器を物干し条件に応じて使い分ける必要があり、コスト的に高く付くとともに、管理も面倒になっていた。
【0008】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、放射状タイプでありながら扉の上端や引き出しの把手等にも容易に掛止して使用することのできる便利な物干し器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による第1の特徴構成は、吊下げ部を備えた吊下げ杆に設けられた基台の周方向複数箇所に、複数本のハンガーアームが、横向きで放射状に突出する吊下げ姿勢と起立させた格納姿勢とに揺動切り替え自在に設けられている物干し器であって、
前記吊下げ杆の上部と吊下げ部との間に、吊下げ部が吊下げ杆の直上又は略直上に位置する中央掛止位置と、格納姿勢に切り替えられたハンガーアームの隣接間を通して吊下げ部が外方に突出する横掛止位置とに変更可能な掛止位置変更手段が設けられている点にある。
【0010】
上記構成によれば、前記吊下げ部を、例えば物干し竿に掛止して使用する場合には、前記吊下げ杆の上部と吊下げ部との間に設けられた掛止位置変更手段によって、前記吊下げ部を吊下げ杆の直上又は略直上に位置する中央掛止位置に設定することにより、複数のハンガーアームを吊下げ姿勢で放射状態に展開させた通常の使用形態を現出することができる。
【0011】
また、前記吊下げ部を、扉の上端や引き出しの把手等に掛止して使用する場合には、扉や引き出し側に位置する使用不能の複数本のハンガーアームを格納姿勢に切り替えるとともに、前記掛止位置変更手段によって、前記吊下げ部を格納姿勢にあるハンガーアームの隣接間を通して外方に突出する横掛止位置に変更することにより、物干し器の中心に位置する吊下げ杆の傾きを抑制することができ、吊下げ姿勢にある残りのハンガーアームを物干し可能な水平又はそれに近い状態に維持することができる。
【0012】
したがって、従来のように、放射状タイプと半放射状タイプの二種類の物干し器を準備する必要がなく、吊下げ杆の上部と吊下げ部との間に吊下げ部の掛止位置を変更する掛止位置変更手段を設けるといった合理的な改造をもって、放射状タイプありながら扉の上端や引き出しの把手等にも便利に掛止して使用することができる。
【0013】
本発明による第2の特徴構成は、前記基台と各ハンガーアームの基部との間には、当該ハンガーアームを格納姿勢に保持する格納保持手段が設けられている点にある。
【0014】
上記構成によれば、前記各ハンガーアームを格納姿勢に保持する格納保持手段が各ハンガーアームの基部側に設けられているから、格納姿勢にある各ハンガーアームの先端側での拘束力が弱くなり、ハンガーアームの隣接間に横掛止位置に変更される吊下げ部を挿通させるための空隙を容易に現出することができる。
【0015】
本発明による第3の特徴構成は、前記掛止位置変更手段を構成するに、前記吊下げ杆の上端部と吊下げ部の下端部とを横軸芯周り揺動自在に枢支連結するとともに、前記吊下げ杆に対して吊下げ部を横軸芯周りの揺動経路中の中央掛止位置と複数の横掛止位置とで選択的に係止保持可能な係止機構が設けられている点にある。
【0016】
上記構成によれば、前記係止機構によって吊下げ部を揺動経路中の中央掛止位置と横掛止位置とで選択的に係止保持することができるから、吊下げ部が中央掛止位置と横掛止位置とのいずれの位置にある場合でも、物干し器を安定した姿勢に維持することができる。しかも、前記吊下げ部の横掛止位置が横軸芯周りで複数存在するから、扉や引き出しの把手等の係止対象の係止条件に最も適切な横掛止位置を選択することができ、吊下げ姿勢にあるハンガーアームを極力水平状態に近づけることができる。
【0017】
本発明による第4の特徴構成は、前記基台には、横掛止位置に変更された吊下げ部とで物干し器を所定姿勢に保持するための固定部に対する当り部が設けられている点にある。
【0018】
上記構成によれば、前記横掛止位置に変更された吊下げ部と基台に設けられた当り部とが上下方向で大きな間隔を有しているため、物干し器を所定姿勢で安定的に保持することができる。
【0019】
本発明による第5の特徴構成は、前記ハンガーアームが基台周方向に撓み変形可能に構成されている点にある。
【0020】
上記構成によれば、格納姿勢にある各ハンガーアームが基台周方向で撓み変形し易く、しかも、その撓み変形量が先端側ほど大きくなるから、ハンガーアームの隣接間に横掛止位置に変更される吊下げ部を挿通させるための空隙を現出する際、ハンガーアームの変形破損を抑制しながら空隙の現出操作の容易化を図ることができる。
【0021】
本発明による第6の特徴構成は、前記格納保持手段に、格納姿勢で保持されたハンガーアームの基台周方向での一定範囲内での揺れ動きを許容する融通が設けられている点にある。
【0022】
上記構成によれば、前記各ハンガーアームを格納姿勢で保持する格納保持手段を各ハンガーアームの基部側に設けて、格納姿勢にある各ハンガーアームの先端側での拘束力を弱くしていることと、格納係止手段に設けた融通によって格納姿勢にある各ハンガーアームの基台周方向での揺れ動き量を先端側ほど大きくしてあることとにより、ハンガーアームの隣接間に横掛止位置に変更される吊下げ部を挿通させるための空隙を容易に現出しながらも、ハンガーアームに無理な操作力が加わることを回避することができる。
【0023】
本発明による第7の特徴構成は、前記吊下げ杆の上端部には、格納姿勢に切り替えられた複数のハンガーアームを設定隣接間隔で出入り自在に遊嵌保持する複数の凹部を備えた隣接間隔規制部材が設けられている点にある。
【0024】
上記構成によれば、前記吊下げ杆の上端部に設けられた隣接間隔規制部材の各凹部に、格納姿勢に切り替えられた各ハンガーアームの上端部側が揺動方向から出入り自在に入り込み保持され、格納姿勢にある各ハンガーアームが設定隣接間隔で体裁良く格納される。
しかも、前記隣接間隔規制部材の各凹部は、各ハンガーアームの上端部側を遊嵌状態で保持するから、ハンガーアームの隣接間に横掛止位置に変更される吊下げ部を挿通させるための空隙を現出する際、ハンガーアームを隣接間隔規制部材の凹部から簡単に離脱させることもでき、空間の現出操作の容易化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態を示す物干し器の横掛け形態の全体斜視図
【図2】物干し器の横掛け形態の全体側面図
【図3】物干し器の格納形態の斜視図
【図4】物干し器の全体の分解斜視図
【図5】ハンガーアーム群が吊下げ杆の下段位置にあるときの側面図(a)とハンガーアーム群を吊下げ杆の上段位置に位置変更したときの側面図(b)
【図6】ハンガーアーム群が吊下げ杆の下段位置にあるときの要部の断面図(a)とハンガーアーム群が吊下げ杆の上段位置にあるときの要部の断面図(b)
【図7】図6におけるVII−VII線断面図
【図8】基台取付け箇所の断面図
【図9】基台の構成部材の分解拡大斜視図
【図10】ハンガーアームが吊下げ姿勢にあるときの要部の断面図(a)とハンガーアームを格納姿勢に揺動させたときの要部の断面図(b)及びハンガーアームを落し込み係合させたときの要部の断面図(c)
【図11】吊下げフックの取付け部の分解斜視図
【図12】吊下げフックの取付け部の側面図
【図13】ハンガーアームを格納姿勢に揺動させたときの物干し器の上半側の縦断面図(a)とこの縦断面図のXIIIb−XIIIb線断面図
【図14】本発明の第2実施形態の物干し器を示し、ハンガーアームを格納姿勢に揺動させたときの要部の断面図(a)とハンガーアームを落し込み係合させたときの要部の断面図(b)
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1実施形態〕
図1〜図13は、物干し器の一例である合成樹脂製のパラソル型物干し器を示し、吊下げ部の一例である吊下げフック1を上部に備えた支柱状の吊下げ杆2には、当該吊下げ杆2の中心軸線Y周りで回転並びに上下方向に摺動可能な基台3が設けられ、この基台3の周方向複数箇所には、複数本(当該実施形態では19本)のハンガーアーム4が、外方に向って横向きで放射状に突出する吊下げ姿勢と起立させた格納姿勢とに揺動切り替え自在に設けられている。
【0027】
前記吊下げ杆2と基台3との間には、吊下げ杆2の上下方向の複数位置(当該実施形態では2位置)で基台3を選択的に係合保持可能な取付け位置変更手段Aが設けられ、前記基台3と各ハンガーアーム4の基部4Aとの間には、前記格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4の落し込み移動を許容する落し込み融通手段Bと、このハンガーアーム4の落し込み移動で当該ハンガーアーム4を揺動切り替え不能な状態で格納姿勢に保持する格納保持手段Cとが設けられている。
【0028】
さらに、前記吊下げ杆2の上端部には、格納姿勢に切り替えられた複数のハンガーアーム4を設定隣接間隔で出入り自在に遊嵌保持する複数の凹部5aを備えた隣接間隔規制部材5が設けられているとともに、前記吊下げ杆2の上部と吊下げフック1との間に、吊下げフック1が吊下げ杆2の直上又は略直上に位置する中央掛止位置と、格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4の隣接間を通して吊下げフック1が外方に突出する横掛止位置とに変更可能な掛止位置変更手段Dが設けられている。
【0029】
前記吊下げ杆2は、合成樹脂で円柱状に成形されているとともに、この吊下げ杆2の上下端部を除く略全長には、図7に示すように、中心軸線Yを通る直径方向の線分上において直径方向の両方向に開口する一対の幅広の軽量化用の中央条溝2aと、中心軸線Yから前記線分に直交する方向に偏倚した両側部位置において前記中央条溝2aと平行又は略平行に直径方向の両方向に開口する二対の細幅の軽量化用の側部条溝2bとが形成されている。
【0030】
前記中央条溝2aの一方は、前記基台3の上下移動を摺動案内する昇降ガイド溝に構成されているとともに、前記吊下げ杆2の下端部には、他のパラソル型物干し器の吊下げフック1を掛止可能な略U字状の連結環6が揺動自在に設けられている。
【0031】
前記基台3は、図8、図9に示すように、吊下げ杆2に対して上下方向に摺動自在に外嵌される昇降筒体7と、当該昇降筒体7の中間部に一体形成された上側鍔部7Aに載置した状態で回転自在に外嵌保持される円盤状の下側取付けカバー8、及び、当該下側取付けカバー8の筒軸部8Aに一体回転状態で外嵌固定される上側取付けカバー9とを主要構成として備えている。
【0032】
前記昇降筒体7のうち、上側鍔部7Aの上面よりも上方に位置する上側筒体部7Bの長さは、下側取付けカバー8の筒軸部8Aの全長よりも若干大きな寸法に構成されているとともに、前記上側筒体部7Bの上端部の周方向複数箇所(当該実施形態では4箇所)には、下側取付けカバー8の筒軸部8Aの上端面8aに係合する抜止め用の第1係合爪7aと、各第1係合爪7aを下側取付けカバー8の筒軸部8A内を通過可能な係止解除状態にまで径方向内方に縮径変形させるためのスリット7bが形成されている。
【0033】
前記昇降筒体7の中間部の下方側部位には、前記上側鍔部7Aよりも小径の下側鍔部7Cが一体形成され、この下側鍔部7Cと上側鍔部7Aとの間に位置する中央筒体部7Dが、前記取付け位置変更手段Aの係止操作部材23の装着部に構成されているとともに、前記昇降筒体7の下側鍔部7Cの下面よりも下方に位置する下側筒体部7Eが、物干し器全体を支持するためのグリップ部に構成されている。
【0034】
前記下側取付けカバー8は、直径方向の中心側が上方側に少し湾曲形成されている円環状底板部8Bと、当該円環状底板部8Bの内周縁に一体形成される前記筒軸部8A、及び、円環状底板部8Bの上面の外周縁近くに一体形成される背丈の小さな外側筒部8Cとから構成されている。
【0035】
前記筒軸部8Aの外周面の周方向複数箇所(当該実施形態では4箇所)には、これに上側取付けカバー9の内側上部に位置する小径筒部9Aが所定深さまで上方から外嵌されたとき、前記小径筒部9Aの下端部の周方向複数箇所(当該実施形態では4箇所)に形成された抜止め用の第2係合爪9aが係合する係合凹部8bが形成されているとともに、前記外側筒部8Cの外周面の上端部には、これに上側取付けカバー9の外側下部に位置する大経筒部9Bが所定深さまで上方から外嵌されたとき、当該大径筒部9Bの内周面に形成された浅い環状係止溝9bに係合する小さな環状係止突起8dが一体形成されている。
【0036】
前記上側取付けカバー9は、前記小径筒部9Aの上端に一体形成された天板部9Cと前記大径筒部9Bとが、前記各ハンガーアーム4の基部4Aに対する装着空間9Dを区画形成する複数の仕切り壁部9Eをもって一体形成されている。
【0037】
前記各ハンガーアーム4は、図1〜図4に示すように、上下方向での曲げ剛性が高く、且つ、基台3の上側取付けカバー9の円周方向での撓み変形が大きくなるように、軟質樹脂で横断面形状がI形状に成形されている。
【0038】
前記各ハンガーアーム4の基部4Aと先端部には、当該ハンガーアーム4の上面4aとの間で干し物を挾持保持する略「つ」の字状のクリップ部4B,4Cが一体形成されているとともに、前記各ハンガーアーム4のウェブ4Dの長手方向中央位置から基端にかけての略半領域の三箇所には、ハンガーアーム4の上側フランジ4Eと下側フランジ4Fに連続する状態で円筒状の補強筒部4Gが一体形成されている。
【0039】
前記落し込み融通手段Bは、前記上側取付けカバー9の仕切り壁部9E間にわたって設けたハンガーアーム4の揺動支点となる揺動支点軸11と、当該揺動支点軸11に対して回動並びにアーム長手方向に摺動自在に嵌合される状態でハンガーアーム4の基部4Aに形成された長孔12とから構成されている。
【0040】
前記ハンガーアーム4の基部4Aの基端側には、図10に示すように、前記上側取付けカバー9の揺動支点軸11の脱着を許容する状態で長孔12の内周面の一部と基部4Aの外周面の一部とに亘る脱着通路13が連通形成されているとともに、前記脱着通路13の外側部位には、揺動支点軸11に対してハンガーアーム4の基部4Aにおける脱着通路13の開口部位を当て付けて押し込み操作したとき、ハンガーアーム4の基部4Aを揺動支点軸11が通過可能な通路幅にまで拡張変形させるためのカム面14が形成されている。
【0041】
前記格納保持手段Cは、前記各ハンガーアーム4の基部4A側のクリップ部4Bからハンガーアーム4の基端側に向って突出形成される係止突起16と、格納姿勢にあるハンガーアーム4の係止突起16に対して落し込み方向で相対向する状態で基台3の構成部材である上側取付けカバー9の天板部9Cに形成された係合凹部17とから構成されている。
【0042】
前記各ハンガーアーム4の係止突起16が落し込み方向から係合する上側取付けカバー9側の前記係合凹部17が、基台3の周方向に沿う円環状の係合周溝に構成されている。
前記係合凹部17である係合周溝の外周側を構成する天板部9Cの外周壁部9dの外周面には、ハンガーアーム4の揺動支点軸11周りでの起立揺動操作に連れて当該ハンガーアーム4が長孔12の空隙の範囲内で下方に滑り移動しても、前記ハンガーアーム4の基部4A側のクリップ部4Bに突出形成されている係止突起16との当接に連れて前記外周壁部9dを乗り越え移動可能な高さ位置にまで当該ハンガーアーム4を持ち上げ案内する第2カム面18が形成されている。
【0043】
前記ハンガーアーム4が揺動支点軸11周りで格納姿勢に切り替えられたとき、図10の(b)、(c)に示すように、上側取付けカバー9の天板部9Cの外周縁側に位置する外周壁部9dの内周面と前記ハンガーアーム4の基部4A側のクリップ部4Bに突出形成されている係止突起16との間に微小な空隙が形成されているため、前記落し込み融通手段Bによって格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4は自重で落し込み移動するように構成されている。
そして、自重で落し込み移動したハンガーアーム4は、それの基部4A側のクリップ部4Bに突出形成されている係止突起16が上側取付けカバー9側の係合凹部17を構成する係合周溝に係合しているため、この状態でハンガーアーム4を揺動支点軸11周りで吊下げ姿勢側に揺動操作しても、ハンガーアーム4の基部4A側の係止突起16が上側取付けカバー9側の外周壁部9dの内周面と当接し、それ以上の揺動が阻止される。
そのため、自重で落し込み移動したハンガーアーム4は、上側取付けカバー9側の外周壁部9dを乗り越える位置にまで持ち上げ操作しない限り吊下げ姿勢への揺動切り替えが不能な状態に保持されることになる。
【0044】
前記仕切り壁部9E群の周方向での対向面間隔は、ハンガーアーム4の基部4Aの幅よりも若干広く形成され、隣接する仕切り壁部9Eの対向面とハンガーアーム4の基部4Aとの間に存在する空隙が、前記格納保持手段Cに格納姿勢で保持されたハンガーアーム4の基台3周方向での一定範囲内での揺れ動きを許容する融通に構成されている。
【0045】
前記取付け位置変更手段Aを構成するに、図6〜図9に示すように、前記吊下げ杆2の両中央条溝2a間に位置する中央仕切り壁部2cのうち、基台3の上側取付け位置及び下側取付け位置に相当する部位を、昇降ガイド溝とならない他方の中央条溝2a側に張り出す状態で屈曲形成して、昇降ガイド溝となる一方の中央条溝2aの上側取付け位置及び下側取付け位置において開口する係合凹部20、21が形成されている。
【0046】
また、前記昇降筒体7の中央筒体部7Dには、前記両係合凹部20、21に対して選択的に係合可能で、かつ、一方の中央条溝2aに沿って摺動可能な係止突起22を備えた二分割構造の係止操作部材23が外装され、この係止操作部材23の内周面と昇降筒体7の中央筒体部7Dの外周面との間には、前記係止突起22が係合凹部20、21から離脱する係止解除位置に係止操作部材23を摺動操作するための係止解除操作空間24が形成されている。
【0047】
前記係止操作部材23は、前記係止突起22を一体形成してある第1分割操作体23Aと、当該第1分割操作体23Aの両分割端面に形成された係止爪23aが係合する係止溝23bを備えた第2分割操作体23Bとからなり、前記第2分割操作体23Bの内面に一体形成されたバネ受け突起25とこれに相対向する状態で昇降筒体7の中央筒体部7Dの外面に一体形成されたバネ受け突起26とにわたって、前記係止操作部材23と一体的に係止突起22を係合側に移動付勢する圧縮コイルバネ27が設けられている。
【0048】
そして、前記ハンガーアーム4を備えた基台3の取付け位置を変更する場合には、前記昇降筒体7の下側筒体部7Eを把持した手の親指で第2分割操作体23Bの押圧操作面23cを圧縮コイルバネ27の弾性付勢力に抗して押し込み操作すると、水平方向に係止操作部材23と一体的に移動する係止突起22の先端部が上側取付け位置にある係合凹部20又は下側取付け位置にある係合凹部21から抜け出す。
【0049】
この係止解除状態で昇降筒体7を吊下げ杆2に対して下降又は上昇操作すると、係止突起22が一方の中央条溝2aを構成する両内側壁面に沿って摺接案内され、変更対象位置に到達した時点で係止突起22の先端部が圧縮コイルバネ27の弾性復元力で下側取付け位置にある係合凹部21又は上側取付け位置にある係合凹部20に係合移動し、ハンガーアーム4を備えた基台3が吊下げ杆2に固定される。
【0050】
尚、一般的な操作として、係止解除された係止突起22が一方の中央条溝2aを構成する両内側壁面に摺接する時点で、第2分割操作体23Bの押圧操作面23cに対する押し込み操作力を解除する。
【0051】
前記掛止位置変更手段Dを構成するに、図1〜図6及び図11、図12に示すように、前記吊下げ杆2の上端部に一体形成した一対の取付け板部2dには、当該両取付け板部2d間に入り込み可能な連結板部30Aを備えた揺動連結部材30が横軸芯周りで揺動自在に枢支連結されているとともに、前記揺動連結部材30の上半部に形成された嵌合凹部30Bには、前記吊下げフック1の下側縦軸部1Aに形成された嵌合爪31が抜止め状態で回転のみ自在に上方から嵌合装着されている。
【0052】
前記揺動連結部材30の連結板部30Aの両側面には、吊下げ杆2の両取付け板部2dの揺動軸芯位置に貫通形成された支承孔32に回転自在に支承される揺動支点突起33が一体形成されているとともに、前記吊下げ杆2の両取付け板部2dと揺動連結部材30の連結板部30Aとの間には、吊下げ杆2に対して吊下げフック1を横軸芯周りの揺動経路中の中央掛止位置と複数(当該実施形態では二箇所)の横掛止位置とで選択的に係止保持可能な係止機構34が設けられている。
【0053】
前記係止機構34を構成するに、前記吊下げ杆2の両取付け板部2dの相対向する内側面には、揺動横軸芯を通る水平方向に沿う係止突起34aが一体的に突出形成されているとともに、前記揺動連結部材30の連結板部30Aの両側面には、前記係止突起34aと選択的に係合する第1係合溝34b〜第3係合溝34dが形成されている。
【0054】
前記第1係合溝34bは、吊下げ杆2に対して吊下げフック1が中央掛止位置(吊下げ杆2の中心軸線Y上に吊下げフック1の下側縦軸部1Aの中心線が一直線に位置する状態)にあるとき前記係止突起34aと係合する。
【0055】
前記第2係合溝34cは、吊下げ杆2に対して吊下げフック1が第1横掛止位置(吊下げ杆2の中心軸線Yに対して吊下げフック1の下側縦軸部1Aの中心線が第1設定回転角度(当該実施形態では22.5度)だけ揺動した状態)にあるとき前記係止突起34aと係合する。
【0056】
前記第3係合溝34dは、吊下げ杆2に対して吊下げフック1が第2横掛止位置(吊下げ杆2の中心軸線Yに対して吊下げフック1の下側縦軸部1Aの中心線が第2設定回転角度(当該実施形態では45度)だけ揺動した状態)にあるとき前記係止突起34aと係合する。
【0057】
前記揺動連結部材30の連結板部30Aの底面には、図6に示すように、吊下げ杆2に対して吊下げフック1が中央掛止位置にあるとき、前記吊下げ杆2の両取付け板部2d間の底面2eに当接して横掛止位置とは逆方向への揺動を阻止する第1揺動制限突起36と、吊下げ杆2に対して吊下げフック1が第2横掛止位置にあるとき、前記吊下げ杆2の両取付け板部2d間の底面2eに当接してそれ以上の揺動を阻止する第2揺動制限突起37とが一体形成されている。
【0058】
前記上側取付けカバー9の大径筒部9Bの外周面には、図1〜図4に示すように、第1横掛止位置又は第2横掛止位置に変更された吊下げフック1を扉の上端や引き出しの把手等に掛止して使用する際、扉面や引き出しの前面等の固定部Wに当接して第1横掛止位置又は第2横掛止位置にある吊下げフック1とで物干し器を所定姿勢に安定良く保持するための一対の当り部29が一体形成されている。
【0059】
前記吊下げフック1の下側縦軸部1Aには、前記揺動連結部材30の上端面に当接する鍔部1Bが一体形成されているとともに、前記嵌合爪31に形成されている縮径変形用のスリット31aのうち、前記揺動連結部材30の上下中間部に貫通形成された開口部30Cを通して外部に露出する中間部位に、嵌合爪31の縮径変形を阻止する抜け出し防止用ピン35が装着されている。
【0060】
前記取付け位置変更手段Aの係止突起22の先端部が上側取付け位置にある係合凹部20に係合して、ハンガーアーム4を備えた基台3が吊下げ杆2の上側取付け位置に固定されている状態では、図6(b)に示すように、隣接間隔規制部材5のボス部及び昇降筒体7の上側筒体部7Bが揺動連結部材30に外嵌するため、吊下げフック1側の揺動連結部材30は吊下げ杆2の両取付け板部2dに対して揺動することはできない。
【0061】
また、ハンガーアーム4を備えた基台3が吊下げ杆2の上側取付け位置に固定されている状態では、ハンガーアーム4を揺動支点軸11周りで格納姿勢側に揺動操作しても、格納姿勢に至る前の段階でハンガーアーム4の基部4A側の係止突起16が隣接間隔規制部材5の上面に当るため、ハンガーアーム4を格納姿勢に切り替えることはできない。
【0062】
そして、前記吊下げフック1を、例えば物干し竿に掛止して使用する場合には、前記吊下げ杆2の上部と吊下げフック1との間に設けられた掛止位置変更手段Dによって、前記吊下げフック1を吊下げ杆2の直上又は略直上に位置する中央掛止位置に設定することにより、図5に示すように、複数のハンガーアーム4を吊下げ姿勢で放射状態に展開させた通常の使用形態を現出することができる。
【0063】
また、前記吊下げフック1を、扉の上端や引き出しの把手等に掛止して使用する場合には、図1〜図3に示すように、前記取付け位置変更手段Aの係止突起22の先端部が下側取付け位置にある係合凹部21に係合して、ハンガーアーム4を備えた基台3が吊下げ杆2の下側取付け位置に固定されている状態において、扉や引き出し側に位置して使用不能となる略半周領域の複数本のハンガーアーム4群を格納姿勢に切り替えるとともに、前記掛止位置変更手段Dによって、中央掛止位置にある吊下げフック1を、格納姿勢にあるハンガーアーム4の隣接間を通して外方に突出する第1横掛止位置又は第2横掛止位置に変更する。
次に、第1横掛止位置又は第2横掛止位置に変更された吊下げフック1を扉の上端や引き出しの把手等に掛止するとともに、上側取付けカバー9の大径筒部9Bの外周面に形成されている一対の当り部29を扉面や引き出しの前面等の固定部Wに当接させることにより、物干し器の中心に位置する吊下げ杆2の傾きを抑制することができ、吊下げ姿勢にある残りのハンガーアーム4群を物干し可能な水平又はそれに近い状態に維持して便利に使用することができる。
【0064】
また、前記吊下げフック1を、扉の上端や引き出しの把手等に掛止して使用する場合には、上述の如く、扉や引き出し側に位置する略半周領域のハンガーアーム4群が使用不能となるため、当該実施形態では、前記当り部29の存在側において使用不能となる略半周領域のハンガーアーム4群と吊下げフック1とを、使用可能な略半周領域のハンガーアーム4群と異なる着色を施して、格納姿勢に切り替え操作すべきハンガーアーム4群を視覚的に明確にするとともに、第1横掛止位置又は第2横掛止位置に変更される吊下げフック1の通し位置も視覚的に明確にしてある。
【0065】
尚、前記当り部29の存在側において使用不能となる略半周領域のハンガーアーム4群の一部分と吊下げフック1の一部分に、使用可能な略半周領域のハンガーアーム4群と視覚的に識別するための識別ライン等の識別マークを施してもよい。
【0066】
前記各ハンガーアーム4を格納姿勢に保持する格納保持手段Cが各ハンガーアーム4の基部を支持する基台3側に設けられているから、格納姿勢にある各ハンガーアーム4の先端側での拘束力が弱くなり、しかも、吊下げ杆2の上端部に設けられる隣接間隔規制部材5の凹部5aは、ハンガーアーム4を設定隣接間隔で出入り自在に遊嵌保持するため、この凹部5aからハンガーアーム4を簡単に取り外すことができ、さらに、前記各ハンガーアーム4が、基台3の上側取付けカバー9の円周方向での撓み変形が大きくなる軟質樹脂で成形され、かつ、前記格納保持手段Cに格納姿勢で保持されたハンガーアーム4の基台3周方向での一定範囲内での揺れ動きを許容する融通が形成されていることとにより、ハンガーアーム4の隣接間に第1横掛止位置又は第2横掛止位置に変更される吊下げフック1を挿通させるための空隙を容易に現出することができる。
【0067】
さらに、当該実施形態では、前記各ハンガーアーム4を、上下方向での曲げ剛性が高く、且つ、基台3の上側取付けカバー9の円周方向での撓み変形が大きくなるように、軟質樹脂で横断面形状がI形状に成形しているため、ハンガーアーム4の隣接間に第1横掛止位置又は第2横掛止位置に変更される吊下げフック1を挿通させるための空隙を容易に現出することができる。
【0068】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記ハンガーアーム4を揺動支点軸11周りで格納姿勢に切り替えたとき、上側取付けカバー9の天板部9Cの外周縁側に位置する外周壁部9dの内周面と前記ハンガーアーム4の基部4A側のクリップ部4Bに突出形成されている係止突起16とを非接触状態にして、格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4を自重で落し込み移動するように構成したが、図14に示すように、前記ハンガーアーム4を揺動支点軸11周りで格納姿勢に切り替えたとき、上側取付けカバー9の天板部9Cの外周縁側に位置する外周壁部9dの内周面と前記ハンガーアーム4の基部4A側のクリップ部4Bに突出形成されている係止突起16とを接触状態にして、格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4を人為的な押しこみ操作力で落し込み移動させるように構成してもよい。
【0069】
この第2実施形態では、前記上側取付けカバー9の天板部9Cの外周縁側に位置する外周壁部9dを上方ほど直径方向内方側に位置する傾斜姿勢に構成し、前記ハンガーアーム4を揺動支点軸11周りで格納姿勢に切り替えたとき、前記係止突起16の先端部が外周壁部9dの上端部の内周面側に接触させ、人為的な押し込み操作に伴って外周壁部9dが直径方向外方に弾性変形するように構成してある。
【0070】
尚、前記係止突起16の先端部が外周壁部9dの上端部の内周面側に接触している状態において、格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4を下方に人為的に押し込み操作したとき、前記係止突起16を弾性変形させる又は外周壁部9dと係止突起16とを弾性変形させるように構成してもよい。
【0071】
また、前記ハンガーアーム4を揺動支点軸11周りで格納姿勢に切り替えたとき、前記係止突起16の先端部と外周壁部9dの上端部の内周面とが接触して一時的に摺接抵抗が発生するように構成してもよい。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0072】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、前記吊下げ部1を吊下げフックから構成したが、開閉操作可能な挾持具から構成してもよく、吊下げフックに挾持具を結合したものから構成してもよい。
【0073】
(2)前記落し込み融通手段Bとしては、前記ハンガーアーム4の基部4Aに形成された長孔12の構造に限定されるものではなく、前記格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4の落し込み移動を許容することのできる構造であれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0074】
(3)上述の第1実施形態では、前記各ハンガーアーム4の基部4A側のクリップ部4Bからハンガーアーム4の基端側に向って係止突起16を突出形成したが、この係止突起16を、前記クリップ部4Bとは別の部位からハンガーアーム4の基端側に向って突出形成してもよい。
また、上側取付けカバー9の天板部9Cに形成される係合凹部17の形状も種々変更可能である。
要するに、前記格納保持手段Cとしては、ハンガーアーム4の落し込み移動で当該ハンガーアーム4を揺動切り替え不能な状態で格納姿勢に保持することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0075】
(4)上述の第1実施形態では、前記吊下げ杆2と基台3との間に、吊下げ杆2の上下方向の2位置で基台3を選択的に係合保持可能な取付け位置変更手段Aを設けたが、吊下げ杆2の上下方向の3位置以上で基台3を選択的に係合保持可能に構成してもよい。
また、上述の第1実施形態では、前記ハンガーアーム4を備えた基台3が吊下げ杆2の上側取付け位置に固定されている状態では、ハンガーアーム4を格納姿勢に保持できない構成になっていたが、前記ハンガーアーム4を備えた基台3が吊下げ杆2の何れの位置にある場合でも、ハンガーアーム4を格納姿勢に切り替え保持することができるように構成してもよい。
さらに、上述のような取付け位置変更手段Aを備えていない物干し器に本発明の技術を適用してもよい。
【0076】
(5)前記掛止位置変更手段Dとしては、少なくとも吊下げ部1が吊下げ杆2の直上又は略直上に位置する中央掛止位置と、格納姿勢に切り替えられたハンガーアーム4の隣接間を通して吊下げ部1が外方に突出する横掛止位置との二位置に変更することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0077】
C 格納保持手段
D 掛止位置変更手段
1 吊下げ部(吊下げフック)
2 吊下げ杆
3 基台
4 ハンガーアーム
4A 基部
5 隣接間隔規制部材
5a 凹部
29 当り部
34 係止機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊下げ部を備えた吊下げ杆に設けられた基台の周方向複数箇所に、複数本のハンガーアームが、横向きで放射状に突出する吊下げ姿勢と起立させた格納姿勢とに揺動切り替え自在に設けられている物干し器であって、
前記吊下げ杆の上部と吊下げ部との間に、吊下げ部が吊下げ杆の直上又は略直上に位置する中央掛止位置と、格納姿勢に切り替えられたハンガーアームの隣接間を通して吊下げ部が外方に突出する横掛止位置とに変更可能な掛止位置変更手段が設けられている物干し器。
【請求項2】
前記基台と各ハンガーアームの基部との間には、当該ハンガーアームを格納姿勢に保持する格納保持手段が設けられている請求項1記載の物干し器。
【請求項3】
前記掛止位置変更手段を構成するに、前記吊下げ杆の上端部と吊下げ部の下端部とを横軸芯周り揺動自在に枢支連結するとともに、前記吊下げ杆に対して吊下げ部を横軸芯周りの揺動経路中の中央掛止位置と複数の横掛止位置とで選択的に係止保持可能な係止機構が設けられている請求項1又は2記載の物干し器。
【請求項4】
前記基台には、横掛止位置に変更された吊下げ部とで物干し器を所定姿勢に保持するための固定部に対する当り部が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物干し器。
【請求項5】
前記ハンガーアームが基台周方向に撓み変形可能に構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物干し器。
【請求項6】
前記格納保持手段に、格納姿勢で保持されたハンガーアームの基台周方向での一定範囲内での揺れ動きを許容する融通が設けられている請求項2記載の物干し器。
【請求項7】
前記吊下げ杆の上端部には、格納姿勢に切り替えられた複数のハンガーアームを設定隣接間隔で出入り自在に保持する複数の凹部を備えた隣接間隔規制部材が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の物干し器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−165825(P2012−165825A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27552(P2011−27552)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000100850)株式会社アイセン (33)