説明

物掛け用ポール受具

【課題】室内等の壁面に固定した長押本体にポールを支持するためのポール受具を容易且つ着脱自在に取り付けることを可能とした物掛け用ポール受具を提供する。
【解決手段】少なくとも2個のポール受具1、1を長押本体10のフック受けレール11に間隔をあけて配し、各ポール受具1のフック部6をフック受けレール11の凹溝13側に引掛けて回動しつつ押下げることによって嵌合させ、各ポール受具1の下部押さえ片8で長押本体10の下端を挟持することによって各ポール受具1を長押本体10に取り付け、この状態で各ポール受具1のアーム2に設けられたポール受部3にポール4を掛けることを可能とする一方、長押本体10の下端から下部押さえ片8を引き外すと共にフック部6をフック受けレール11の周りに回動しつつ取り外し可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内等の壁面に固定した長押本体にポールを支持するためのポール受具を取り付け、該ポール受具に取り付けたポールに衣服用ハンガーや物干し用ハンガー等を引掛けるようにした物掛け用ポール受具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から日本家屋等に設けられている長押は、鴨居の上部に化粧材として取り付けられ、この長押の上部に設けられた凹溝に衣服用ハンガー等を簡易に引掛けることが可能とされている。
【0003】
そこで、上記のような長押を利用して衣服用ハンガー等を引掛けるようにした従来の技術を参照する。特許文献1に記載されている衣服ハンガー吊下装置は、長押や回縁の取付桟板に間隔をあけて2個の取付具が取り付けられ、各取付具に取付腕杆の基部を回動自在に設け、さらに各取付腕杆の先端部に水平吊杆の両端部を軸着することにより、水平吊杆を回動自在に連結した取付腕杆を折り畳み自在にしたものである。
【0004】
従って、このような衣服ハンガー吊下装置は、取付腕杆を回動して起した状態にすることによって水平吊杆にハンガーを吊り下げることが可能とされている。また、水平吊杆からハンガーを外して取付腕杆を取付桟板側に折り畳むことも可能とされている。
【0005】
また、上記の特許文献1の構成は、取付桟板の上縁と下縁とを上下の縁押さえ片で挟み込むと共に、締付調整用回動ナットを回動する締付け機構によって上下の縁押え片の対向間隔を調整するようにしている。
【0006】
ところで、上記の特許文献1は、取付桟板に取り付ける取付具の構造が、取付桟板の上縁と下縁とに当接する上下の縁押さえ片で挟み込むように構成されているため、締付調整用回動ナットを回動することによって締付け機構を締め付けたとしても、取付桟板に取り付けられた取付具の固定強度が不十分であるという欠点があった。
【0007】
特許文献2は、上記の特許文献1の欠点を解消するためになされたものであり、取付具の上方の縁押さえ片に係止爪が垂設され、この係止爪を取付桟板の上縁に食い込ませることによって、取付具の上方の縁押さえ片で取付桟板を挟持した際の固定強度を十分にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平4−6625号公報
【特許文献2】実開平7−47111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記した特許文献1と特許文献2の構造は、いずれも、締付調整用回動ナットを回動するようにした締付け機構や、水平吊杆を回動自在に連結した取付腕杆を折り畳み自在にする機構を有し、構造が複雑である。しかも、取付腕杆等を長押等の取付桟板から容易に取り外すことが困難であり、また、この衣服ハンガー吊下装置が不要なとき、装置全体を簡単に取り外すことが困難であるという不都合があった。
【0010】
これに対して、本発明は、室内等の壁面に固定した長押本体にポールを支持するためのポール受具を容易且つ着脱自在に取り付けることを可能とした物掛け用ポール受具を提供することを目的とするものである。
【0011】
即ち、本発明は、壁面に水平状に固定する長尺板材の上方外側に沿って張り出したフック受けレールと、該フック受けレールの後部に沿って形成した凹溝とを有してなる長押本体の使用を前提とし、この長押本体に対して容易且つ着脱自在に取り付けたポール受具を利用して衣服用ハンガーや物干し用ハンガー等を引掛けるように構成した物掛け用ポール受具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明における請求項1の物掛け用ポール受具は、壁面に水平状に固定する長尺板材の上方外側に沿って張り出したフック受けレールと、該フック受けレールの後部に沿って形成した凹溝とを有してなる長押本体のフック受けレールに着脱自在且つ摺動自在に取り付ける物掛け用ポール受具において、該ポール受具は、長押本体のフック受けレールの凹溝側に引掛けて嵌合するフック部と、該フック部の下部から垂下してなる支持片と、該支持片の下端にて水平後方に張り出した下部押さえ片と、支持片の下端から水平前方に張り出したアームと、該アームの先端に設けられたポール受部と、該ポール受部に掛けるポールとからなり、少なくとも2個のポール受具を長押本体のフック受けレールに間隔をあけて配し、各ポール受具のフック部をフック受けレールの凹溝側に引掛けて回動しつつ押し下げることによって嵌合させ、各ポール受具の下部押さえ片で長押本体の下端を挟持することによって各ポール受具を長押本体に取り付け、この状態で各アームのポール受部にポールを掛けることを可能とする一方、長押本体の下端から下部押さえ片を引き外すと共にフック部をフック受けレールの周りに回動しつつ取り外し可能としたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2は、請求項1において、各ポール受具のアームの上部に沿って設けられた補強リブに小径ポールを受けるための小径ポール受溝が形成されていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の請求項3は、請求項1又は2において、各ポール受具の支持片の後面に長押本体に当接してアームを水平に保つ突出片が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の物掛け用ポール受具によれば、室内等の壁面に水平状に固定した長押本体のフック受けレールに少なくとも2個のポール受具を間隔をあけて配し、各ポール受具のフック部をフック受けレールの凹溝側に引掛けて回動しつつ押し下げることによって嵌合させ、各ポール受具の下部押さえ片で長押本体の下端を挟持することによって各ポール受具を長押本体に取り付けることが可能となる。
【0016】
従って、壁面に固定してある長押本体に非常に簡単な操作によってポール受具を取り付けることが可能となり、長押本体に取り付けた少なくとも2個のポール受具の各アームのポール受部にポールを掛けて、このポールに衣服用ハンガーや物干し用ハンガー、さらにはS字フック等を引掛けることが可能となる。
【0017】
また、各ポール受具は長押本体のフック受けレールに沿って容易に摺動することが可能であるため、ポールの長さやポールを取り付けるべき位置によって、各ポール受具を横にずらして位置決めし、各ポール受具のポール受部にポールを掛けることが可能となる。
【0018】
また、上記のポールが不要なときは、ポール受具を長押本体から容易に取り外すことが可能であり、長押本体からポール受具を取り外した後には、室内の壁面に長押本体のみを残すこととなり、室内が見た目にもすっきりとして、意匠性にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けると共に、ポールに衣服用ハンガーとS字フックを引掛けた状況を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けた状況を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例1における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けた状況を示す側面図である。ただし、長押本体と壁部は断面で示す。
【図4】(a)〜(c)は本発明の実施例1における長押本体を壁面にネジで固定し、この長押本体に物掛け用ポール受具を取り付ける手順を示す側面図である。ただし、長押本体と壁部は断面で示す。
【図5】本発明の他の実施例における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けた状況を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けると共に、ポールに衣服用ハンガーを引掛けた状況を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けた状況を示す側面図である。ただし、長押本体と壁部は断面で示す。
【図8】(a)は本発明の実施例2における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けた状況を示す斜視図である。(b)は本発明の実施例2における物掛け用ポール受具を長押本体に取り付けた状況を示す側面図(長押本体と壁部は断面で示す)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明は、図1に示すように、少なくとも2個のポール受具1を長押本体10に設けたフック受けレール11に間隔をあけて着脱自在に取り付けると共に、各ポール受具1に設けられたアーム2のポール受部3にポール4を取り付け、このポール4に衣服用ハンガー5や物干し用ハンガー等を引掛けることを可能としたものである。
【0022】
まず、本実施例の長押本体10について、図2又は図3を参照しながら説明する。この長押本体10は、硬質樹脂よりなる長尺板材12の上方外側に沿ってフック受けレール11が張り出した状態に形成され、フック受けレール11の後部に沿って長手方向に凹溝13が形成されてなるものである。このフック受けレール11は、断面形状が円形をなす湾曲形状に形成され、フック受けレール11の湾曲形状の一部が長押本体10の前面から突出したものとなり、このフック受けレール11に、後述するポール受具1の湾曲形状のフックを嵌合するようにしている。
【0023】
また、長押本体10のフック受けレール11の下部前面には長押本体10の長尺方向に沿って溝面14が形成され、該溝面14に軟質の合成樹脂シート等による化粧シート15が接着剤等で固定されている。さらに、この化粧シート15に対面する部位の長押本体10の内部は、画鋲やネジクギ等を捩じ込み易いように多孔質体とされている。従って、画鋲やネジクギ等を引き抜いた後には、軟質の化粧シート15に画鋲やネジクギ等の引抜き穴が生じ難く、この化粧シート15で長押本体10の引抜き穴を隠した状態にすることが可能となる。
【0024】
上記の長押本体10を壁面に固定するには、図4(a)に示すように、長押本体10の溝面14から化粧シート15を外した状態にして、この長押本体10を壁面に沿って水平にすると共に、長押本体10の溝面14から木ネジ16等を化粧ボード17及び下地18まで捩じ込んで固定する。次いで、長押本体10の溝面14に化粧シート15を接着剤または両面テープ等で固定することにより、木ネジ16等の頭部を隠すことができ、長押本体10を綺麗な外観で取り付けることが可能となる。なお、本実施例における長押本体10は、木ネジ16の他に、コンクリート、軽鉄、木製品等の下地に応じた固定具を使用することによって、各種の壁面に堅固に固定することが可能である。
【0025】
上記のように、本実施例の長押本体10はマンションやアパートの壁面に取り付けることによって、長押本体10の化粧シート15にポスターやカレンダー等を張り付けるためのピンや画鋲を容易に刺すことが可能である。さらに、上記の長押本体10においては、長押本体10のフック受けレール11の後方の凹溝13に洋服用ハンガーを容易に引掛けておくことが可能である。
【0026】
ところで、マンションやアパート等においては、室内の長押等に物干し用ハンガーを引掛けたり、衣服用ハンガー5を引掛けることがある。ところが、物干し用ハンガーの場合はその周辺に空所が必要であり、また大量の衣服用ハンガーを引掛ける場合には長押等が損傷したり、見た目にも室内が乱雑になるという不都合が生じる。
【0027】
本実施例は、上記の不都合を解消すると共に、マンションやアパート等の室内において、物干し用ハンガーや大量の衣服用ハンガー5を手軽に綺麗な状態で引掛けることを可能とするものである。
【0028】
そのための構成として、本実施例においては、上記の長押本体10のフック受けレール11に着脱自在且つ摺動自在に取り付ける物掛け用ポール受具1が構成されている。
【0029】
この物掛け用ポール受具1は、強度を確保するために高強度の金属から形成されているが、他の硬質樹脂、例えば強化プラスチックのインジェクション成形によって作製することも可能である。また、この物掛け用ポール受具1の構成は、図2又は図3に示すように、長押本体10のフック受けレール11の後方の凹溝13側に引掛けて嵌合するフック部6と(図4(b)参照)、該フック部6の下部から垂下してなる支持片7と、該支持片7の下端にて水平後方に張り出した下部押さえ片8と、支持片7の下端から水平前方に張り出したアーム2と、該アーム2の先端に設けられたポール受部3と、該ポール受部3に掛けるポール4とからなるものである。
【0030】
上記の構成をより詳細に述べると、物掛け用ポール受具1のフック部6は、長押本体10のフック受けレール11の断面が円弧形に湾曲した形状をなすことに対応して形成されたものである。即ち、図3に示すように、物掛け用ポール受具1のフック部6は、その先端がフック受けレール11の後部の凹溝13の底部に接触する部位からフック受けレール11の円弧形外周に沿って前方へ回り込み、長押本体10の前面に当接する位置まで湾曲すると共に、その下部から長押本体10の前面に沿って垂下した支持片7を形成している。また、この支持片7の下端にて水平後方に張り出した下部押え片19により、長押本体10の下端を挟持することによって各ポール受具1を長押本体10に取り付けることが可能となる。
【0031】
従って、このようなポール受具1の形状によって、該ポール受具1を下方に引き下げる外力に対しては、フック部6がフック受けレール11に係合されることよって抵抗することができる。また、ポール受具1を上方に押圧する外力に対しては、下部押え片19が長押本体10の下端部に当接することによって抵抗することができる。こうして、ポール受具1は簡易な構成であるが、該ポール受具1を上下方向から作用する外力に対して効率的に抵抗力を発揮し、長押本体10に対して安定した取付状態を保つことが可能となる。
【0032】
なお、本実施例においては、長押本体10のフック受けレール11の断面は円弧形状に湾曲した形状に形成されているが、図7に示すようにフック受けレール11の断面形状が四角形等に近似した形状となるように形成してもよい。この場合、ポール受具1のフック部6の形状は、フック受けレール11の断面形状に応じて四角形に角張った形状とする。
【0033】
さらに、上記の支持片7の下端から水平前方に張り出したアーム2は、長尺板状に伸長した形状を有し、該アーム2の先端に下方に向けて円弧形状に湾曲したポール受部3が形成されている。このポール受部3は長尺円筒形のポール4を嵌合する半円弧形を有し、ポール受部3にポール4を掛けるだけでポール4は前後にぶれることなく定着状態となる。
【0034】
また、各ポール受具1は長押本体10のフック受けレール11に沿って容易に摺動することが可能であるため、ポールの長さやポールを取り付けるべき位置によって、各ポール受具1を横にずらして位置決めした状態で各ポール受具1のポール受部3にポール4を掛けることが可能となる。
【0035】
また、本実施例においては、各ポール受具1のアーム2の強度を補強するため、各ポール受具1のアーム2の上部に沿って補強リブ20が形成されている。なお、アーム2の長さは特に限定されるものではなく、アーム2の強度や衣服用ハンガー5の大きさ等に応じて適宜設計することが可能である。
【0036】
さらに、各ポール受具1の支持片7の後面には、長押本体10の前面に当接してアーム2を水平状態に保つ突出片19が形成されている。従って、この突出片19の突出量は、アーム2を水平状態に保つことができるように設定することとなる。
【0037】
本実施例の物掛け用ポール受具1は、上記のように構成されているため、図1に示すように、少なくとも2個のポール受具1を長押本体10のフック受けレール11に間隔をあけて配し、図4(b)、(c)に示すように、各ポール受具1のフック部6をフック受けレール11の凹溝13側に引掛けて回動しつつ押し下げることによって嵌合させることができる。また、各ポール受具1の下部押さえ片8で長押本体10の下端を挟持することによって各ポール受具1を長押本体10に取り付けることができる。この状態で各ポール受具1のアーム2のポール受部3にポール4を掛け、ポール4に衣服用ハンガー5や物干し用ハンガー等を引掛けることが可能となる。
【0038】
さらに、上記のポール4が不要なとき、ポール4に掛けた衣服用ハンガー5や物干し用ハンガー等を取り外した状態で、長押本体10の下端からポール受具1の下部押さえ片8を引き外すと共に、フック部6をフック受けレール11の周りに回動しつつ取り外すことにより、各ポール受具1を長押本体10から容易に取り外すことが可能となる。このように長押本体10からポール受具1を取り外した後には、室内の壁面に長押本体10のみを残すこととなり、室内が見た目にもすっきりとして、意匠的にも優れたものとなる。
【0039】
本発明の他の実施例として、図5に示すように、上記の実施例1と同様に構成したポール受具1のアーム2の上部に沿ってアーム2の強度を増すために設けられた補強リブ20の上辺の所定箇所に小径ポール22(図6参照)を受けるための小径ポール受溝9が形成された構成としてもよい。
【0040】
このような構成によって、図6に示すように、壁面に固定した長押本体10に少なくとも2個(図6においては3個)のポール受具1、1…を取り付け、各ポール受具1のアーム2の補強リブ20に設けられた小径ポール受溝9に小径ポール22を掛けることが可能となる。このようにして、ポール受部3に掛けたポール4又は小径ポール受溝9に掛けた小径ポール22に、適宜、衣服用ハンガー5や物干し用ハンガー等の他、S字フック21を取り付けることが可能となる。
【0041】
なお、上記のように、本発明によるポール受具1は長押本体10に対して適宜の位置で取り付けることが可能であるため、ポール4や小径ポール22に掛けた衣服用ハンガー5や物干し用ハンガー等の他、S字フック21に引掛けた物品の重量が重くなったとき、ポール受具1の取り付け個数を増やして全体重量に耐えるための強度を増すことも可能である。
【実施例2】
【0042】
本発明の実施例2として、物掛け用ポール受具1を図8(a)、(b)に示す構造としてもよい。この物掛け用ポール受具1は、実施例1と同様に高強度の金属から形成するほか、他の硬質樹脂、例えば強化プラスチックのインジェクション成形によって作製することが可能である。この物掛け用ポール受具1の構成は、実施例1と同様に、長押本体10のフック受けレール11に引掛けて嵌合するフック部6と、該フック部6の下部から垂下してなる支持片7と、該支持片7の下端にて水平後方に張り出した下部押さえ片8とを有する。
【0043】
ただし、本実施例において、フック部6の強度を増強するため、フック部6の外周に肉厚部6aを形成するほか、フック部6そのものの肉厚を厚く形成してもよい。
【0044】
また、本実施例においても、各ポール受具1の支持片7の後面には、長押本体10の前面に当接してアーム2を水平状態に保つ突出片19が形成されている。
【0045】
さらに、図8(a)、(b)に示すように、本実施例においては、実施例1のように補強リブ20を形成したものではなく、アーム2全体の外周部2aの幅を均等に形成すると共に、内部2bの肉厚を薄く形成することによって、アーム2全体の強度を増すようにしている。また、このようなアーム2は、その先端にポール受部3が形成されたことによってポール4を掛けることができる。さらに、アーム2の途中の1箇所又は複数個所に小径ポール受部9が形成されたことにより、1本又は複数本の小径ポール22を掛けることが可能となる。なお、アーム2の途中に小径ポール受部9を形成せずに、アーム2の先端にポール受部3のみを設けた構成としてもよい。
【0046】
上記のように、本実施例のポール受具1は、フック部6やアーム2の強度を増すことによって、ポール受部3に掛けたポール4、或は小径ポール受部9に掛けた小径ポール22に多数の衣服用ハンガー5や重量のある物干し用ハンガー等を引掛けたときの耐強度を確保するようにしたものであり、その他は実施例1と同様の効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の物掛け用ポール受具は、室内等の壁面に固定した長押本体にポールを支持するためのポール受具を容易且つ着脱自在に取り付けることを可能とした物掛け用ポール受具であって、壁面に水平状に固定する長尺板材の上方外側に沿って張り出したフック受けレールと、該フック受けレールの後部に沿って形成した凹溝とを有してなる長押本体の使用を前提とし、この長押本体に対して容易且つ着脱自在に取り付けたポール受具を利用して衣服用ハンガーや物干し用ハンガー等を引掛けるように構成した物掛け用ポール受具として利用することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ポール受具
2 アーム
3 ポール受部
4 ポール
5 衣服用ハンガー
6 フック部
7 支持片
8 下部押さえ片
9 小径ポール受溝
10 長押本体
11 フック受けレール
12 長尺板材
13 凹溝
14 溝面
15 化粧シート
16 木ネジ
17 化粧ボード
18 下地
19 突出片
20 補強リブ
21 S字フック
22 小径ポール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に水平状に固定する長尺板材の上方外側に沿って張り出したフック受けレールと、該フック受けレールの後部に沿って形成した凹溝とを有してなる長押本体のフック受けレールに着脱自在且つ摺動自在に取り付ける物掛け用ポール受具において、
該ポール受具は、長押本体のフック受けレールの凹溝側に引掛けて嵌合するフック部と、該フック部の下部から垂下してなる支持片と、該支持片の下端にて水平後方に張り出した下部押さえ片と、支持片の下端から水平前方に張り出したアームと、該アームの先端に設けられたポール受部と、該ポール受部に掛けるポールとからなり、
少なくとも2個のポール受具を長押本体のフック受けレールに間隔をあけて配し、各ポール受具のフック部をフック受けレールの凹溝側に引掛けて回動しつつ押下げることによって嵌合させ、各ポール受具の下部押さえ片で長押本体の下端を挟持することによって各ポール受具を長押本体に取り付け、この状態で各アームのポール受部にポールを掛けることを可能とする一方、
長押本体の下端から下部押さえ片を引き外すと共にフック部をフック受けレールの周りに回動しつつ取り外し可能としたことを特徴とする物掛け用ポール受具。
【請求項2】
各ポール受具のアームの上部に沿って設けられた補強リブに小径ポールを受けるための小径ポール受溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の物掛け用ポール受具。
【請求項3】
各ポール受具の支持片の後面に長押本体に当接してアームを水平に保つ突出片が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の物掛け用ポール受具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−15884(P2011−15884A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163628(P2009−163628)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【特許番号】特許第4415286号(P4415286)
【特許公報発行日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(390000170)株式会社カイダー技研 (6)
【Fターム(参考)】