説明

特注のデザインを有する自己組み立てされる履物製品

【課題】自己組み立て用に構成され、特注部分を含む履物製品を特注する方法を提供する。多くの曲面を含む履物製品用として適切な、履物製品を特注する方法を提供する。
【解決手段】本方法は、事前に切断された部分に特注のデザインを付与するステップと、事前に切断された部分を、ひもおよび指示のセットとともに、部品のキットにひとまとめにするステップとを含んでいる。部品のキットは、顧客が家に持ち帰って、組み立てることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に履物に関し、特に、自己組み立て用に構成された履物製品を特注(カスタマイズ)する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの種類の衣類用の特注システムは、以前から提案されてきた。通常、デザインはTシャツに適用される。ある場合、ジーンズなどの衣類が修正され、特注のデザインにされている。ときには、顧客が衣類をデザインおよび発注するシステムが、インターネットの場合もある。このようなシステムの一例が、2006年12月18日に出願され、引用により全体が本明細書に組み込まれる同時係属かつ同一所有権の米国特許出願第11/612,320号(発明の名称は「A Method of Making an Article of Footwear」。以下、「特注事例」と呼ぶ)に記載されている。
【0003】
下記特許文献1(Sullivan)は、オンラインの個人衣料デザインおよび販売技術を完成技術および処理とともに開示している。下記特許文献1は、特注され個人向けにされた衣料のデザイン用の方法を教示している。下記特許文献1が教示する最も一般的な種類の衣料は、さまざまな種類のシャツおよびTシャツを含んでいる。全体として、下記特許文献1は、特注用のシステムを教示しているが、特注の衣料を製造する詳細な処理については開示していない。
【0004】
下記特許文献2(Costin)は、衣料の特注用のインターネット基盤の技術を教示している。特に、下記特許文献2は、インターネットを通じたデニム衣料の特注を教示している。下記特許文献2では、デザインおよびパターンをデニム衣料にエッチングするレーザ装置を使用している。全体として、複数の色を含む複雑な画像およびグラフィックス(絵)を付与する技術は開示されていない。
【0005】
下記特許文献3(Allen 外)は、特注製造の履物用の方法およびシステムを開示している。このシステムおよび方法は、履物を特注製造するために顧客に与えられる選択肢を、小売業者が制御できるようにする。下記特許文献3の方法では、履物製品のデザインが製造業者によって事前に決定され、デザインおよび場合によってはデザインのさまざまな色からユーザに選択肢を与える。しかし、全体として、下記特許文献3の方法には、履物製品を特注するためのグラフィカルな(絵画的な)デザインおよび変更を完全な範囲で可能にするための備えが欠けている。例えば、ユーザが選んだ特注の画像を履物製品に付け加えることを可能にする特徴がない。
【0006】
履物製品の二次元的な部分に沿って印刷することによりデザインすることのできる履物製品も提案されてきた。下記特許文献4(Davis 外)は、履物製品向けの発明と当該履物製品を形成する方法とを教示しており、履物製品のアッパー部品の数は最小限にされている。下記特許文献4の方法では、アッパーの外層が、エンボス加工具を使用して成型されている。くわえて、外層は、スクリーン印刷、昇華、大判のジェット印刷、常温剥離転写および熱剥離転写などにより装飾されてもよい。しかし、全体として、下記特許文献4の方法は、アッパーの単一の部分のみの印刷に限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第2005/0289018号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2005/0131571号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2005/0071242号明細書
【特許文献4】米国特許第6,299,962号明細書
【特許文献5】仏国特許第2,577,393号明細書
【特許文献6】米国特許第3,742,625号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
関連技術では、衣料を特注するためのさまざまな方法が教示されているが、多くの欠点がある。全体として、特注のデザインに基づき特注の衣料を製造するために使用される自動化された方法には、曲面を有する対象に特注のデザインを付与するための備えが欠けている。特に、特注の(それ自体が平坦で2次元の)Tシャツを製造するために使用される方法は、多くの曲面を含む履物製品用として適切でない。
【0009】
くわえて、先行技術で開示されている履物製品は、プリンタまたは他の類似の装置を使用して修正してもよい履物部分での特注および変更ができない。ゆえに、履物製品を特注するためのステップ、および特注の履物製品を製造するためのステップを含む、履物製品向けの特注システムが、当該技術において必要とされている。
自己組み立て用に構成された履物製品も開示されてきた。上記特許文献5(Juveneton)は、自分で組み立てるための「容易に組み立て可能な」形態の生地でできた靴を製造するための方法を教示している。この靴は、1足の靴のパターンが描かれた生地で成っている。次いで、このパターンは切断され、対応する部分がジグザグ縫製により組み立てられる。
【0010】
上記特許文献6(Famolare)は、有節のクロッグに向けられている。上記特許文献6は、ハンマーなどの簡単な道具のみを使用して技術訓練を受けていない人が組み立てることのできる有節のクロッグ構造を教示している。このクロッグは、射出成型され中空でリブ補強されたプラスッチック製の3つの本体要素を備えている。一体的で輪郭形成された柔軟なインソールが、ピン、リベットまたは釘により、本体要素に取り付けられている。3つのソール(靴底)要素が、ピン状の突起により、本体要素に取り付けられている。
【0011】
上記特許文献5および上記特許文献6はともに、自己組み立てできる履物製品を教示しているが、本人が特注する部分については教示していない。当該技術では、この問題および先行技術の他の問題を解決するシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
自己組み立て用に構成された履物製品を特注する方法が開示される。1つの局面では、本発明は、履物製品を特注する方法であって、履物表示をデザインするためのグラフィカルインターフェースシステムを提供するステップと、特注のデザインを有する履物表示を含むデザインを受け取るステップと、前記履物表示に従って、特注のデザインを事前に切断された部分に付与するステップと、前記事前に切断された部分、ひも、および前記履物製品を組み立てるための指示のセットを含むキットを提供するステップとを含む、方法を提供する。
【0013】
別の局面では、前記グラフィカルインターフェースシステムが、小売店またはキオスクのコンピュータ上で提供される。
別の局面では、前記特注のデザインが、前記事前に切断された部分にデジタル式に印刷される。
別の局面では、前記特注のデザインが、前記事前に切断された部分に縫製される。
【0014】
別の局面では、本発明は、特注のデザインを含む第1の事前に切断された部分、および第2の事前に切断された部分と、ひもと、指示のセットとを含み、組み立てられた履物製品を前記指示のセットに従って形成するために、前記第1の事前に切断された部分および前記第2の事前に切断された部分は、前記ひもを使用して取り付けることができ、前記ひもは、前記組み立てられた履物製品を調整可能に固定するために使用され得る、部品のキットを提供する。
【0015】
別の局面では、当該部品のキットが、4つの事前に切断された部分を含んでいる。
別の局面では、当該部品のキットが、外側の側方部分を含んでいる。
別の局面では、当該部品のキットが、内側の側方部分を含んでいる。
別の局面では、当該部品のキットが、底部分を含んでいる。
別の局面では、当該部品のキットが、ベロ部分を含んでいる。
【0016】
別の局面では、前記ひもが、開いた位置と閉じた位置との間で、前記組み立てられた履物製品を調整可能に締め付けるために使用される第1の端部および第2の端部を含んでいる。
別の局面では、前記ひもが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された中間部分を含み、前記中間部分は、前記第1の事前に切断された部分を前記第2の事前に切断された部分に取り付けるために使用される。
【0017】
別の局面では、前記第2の事前に切断された部分が、特注のデザインを含んでいる。
別の局面では、本発明は、第1の事前に切断された部分および第2の事前に切断された部分と、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された中間部分を含むひもとを含み、前記中間部分は、前記第1の事前に切断された部分を前記第2の事前に切断された部分に取り付けるために使用され、前記第1の端部および前記第2の端部は、開いた位置と閉じた位置との間で、前記履物製品を調整可能に締め付けるために使用される、履物製品を提供する。
【0018】
別の局面では、前記第1の端部および前記第2の端部は、ひも孔のセットと関連付けられている。
別の局面では、前記ひも孔は、当該履物製品のつま先部分上に配置されている。
別の局面では、前記第1の事前に切断された部分および前記第2の事前に切断された部分の周縁部が、孔を含んでいる。
【0019】
別の局面では、前記中間部分が、前記孔を通って配置されている。
別の局面では、前記第1の事前に切断された部分は、前記中間部分を使用して、前記第2の事前に切断された部分に縫製されている。
別の局面では、本発明は、事前に切断された部分、および少なくとも1つのフラップを含むソール部分と、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された中間部分を含むひもとを含み、前記中間部分は、前記事前に切断された部分を前記ソール部分に取り付けるために使用され、前記ひもが、前記少なくとも1つのフラップの少なくとも1つの孔を通って配置されている、履物製品を提供する。
【0020】
別の局面では、前記ソール部分が側方フラップを含んでいる。
別の局面では、前記ソール部分が、前フラップおよび後フラップを含んでいる。
別の局面では、前記ひもが、前記第1の端部がひも孔から抜けるのを防ぐように構成されたひも留めと関連付けられている。
別の局面では、前記ソール部分の上方にライナーが配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】特注のデザインを有する自己組み立てされる履物製品を作製するための処理の好ましい実施形態である。
【図2】特注のデザインを有する自己組み立てされる履物製品を作製するために顧客により実施されるステップおよび小売業者により実施されるステップを含む処理の好ましい実施形態である。
【図3】履物製品を特注するための備えを有するグラフィカルインターフェースシステムの好ましい実施形態である。
【図4】履物製品を特注するための画像パレットを含む備えを有するグラフィカルインターフェースシステムの好ましい実施形態である。
【図5】履物製品を特注するためのテキストツールを含む備えを有するグラフィカルインターフェースシステムの好ましい実施形態である。
【図6】プリンタを使用して、事前に切断された部分に特注のデザインを付与する好ましい実施形態の等角図である。
【図7】縫製機械を使用して、事前に切断された部分に特注のデザインを付与する好ましい実施形態の等角図である。
【図8】部品のキットの好ましい実施形態である。
【図9】履物製品を組み立てている顧客の好ましい実施形態である。
【図10】履物製品の事前に切断された部分の好ましい実施形態である。
【図11】組み立てられて一部にひもが通された履物製品の好ましい実施形態である。
【図12】組み立てられてひもが通された履物製品の好ましい実施形態である。
【図13】波状のひもを有する履物製品の好ましい実施形態である。
【図14】ひも留めを有する履物製品の好ましい実施形態である。
【図15】ミッドソールを有する履物製品の好ましい実施形態の側面図である。
【図16】ミッドソールを有する履物製品の好ましい実施形態の横断面図である。
【図17】ソールを有する底部分の好ましい実施形態の等角図である。
【図18】履物製品の事前に切断された部分の好ましい実施形態である。
【図19】履物製品の好ましい実施形態の側面図である。
【図20】履物製品の好ましい実施形態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点が、以下の図面および詳細な説明を検討することで、当業者に明らかとなるであろう。こうした追加のシステム、方法、特徴および利点はすべて、この説明に含まれ、本発明の範囲内とされ、以下の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
上記の図面および詳細な説明を参照することで、本発明をよりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも等尺でなく、むしろ、本発明の原理を説明するにあたって強調が加えられている。さらに、図中では、類似の参照番号が、異なる図面を通じて、対応する部分を示している。
【0023】
図1は、特注のデザインを有する自己組み立てされる履物製品を作製するための処理の好ましい実施形態である。「自己組み立てされる」という用語は、この詳細な説明の以下の部分を通じて、および特許請求の範囲において使用され、小売業者または製造者ではなく顧客が組み立てることのできる履物製品を指している。くわえて、「特注のデザイン」という用語は、この詳細な説明の以下の部分を通じて、および特許請求の範囲において使用され、顧客により履物製品に関連付けられるデザインを指している。
【0024】
第1のステップ102で、顧客は、ある種の特注システムを使用して、履物製品をデザインすることができる。履物製品を特注するための備えは、特注事例において、以前から開示されている。顧客が履物製品を特注すると、デザインは、第2のステップ104で、履物製品の1つ以上の事前に切断された部分に印刷されてもよい。
これに続いて、第3のステップ106で、履物製品の事前に切断された部分が、キットにまとめられ(パッケージされ)てもよい。このキットはまた、事前に切断された部分を組み立てるのに使用されるひもを含んでいてもよい。くわえて、このキットは、自己組み立て用の指令を提供する指示のセットを含んでいてもよい。最後に、第4のステップ108で、顧客はこのキットを受け取ることができる。この時点で、顧客は、指示のセットを使用して、事前に切断された部分、およびひもを、履物製品へと組み立てることができる。
【0025】
図2を参照して、自己組み立て用の特注のデザインを含む履物製品を作製する処理は、顧客に関連するステップと小売業者に関連するステップとに分けることにより、最もよく理解することができるであろう。本実施形態では、顧客200が、第1のステップ202で、グラフィカルインターフェースシステムにアクセスして、履物製品をデザインしてもよい。いくつかの実施形態では、グラフィカルインターフェースシステムは、ある種のグラフィカルエディタであってもよい。好ましい実施形態では、グラフィカルインターフェースシステムは、特注のデザインを顧客200が履物製品に容易に付与することのできるツールのセットを提供してもよい。ある場合、顧客200は、上記特注事例に開示されているように、インターネット上のウェブサイトにアクセスすることにより、グラフィカルインターフェースシステムにアクセスすることができる。他の場合、顧客200は、顧客がある種のグラフィカルインターフェースシステムにアクセスすることができるように設計されたキオスクまたはコンピュータを含む小売店まで出かけて行ってもよい。
【0026】
好ましい実施形態は、グラフィカルインターフェースシステムの使用を含んでいるが、他の実施形態では、顧客200は、グラフィカルインターフェースシステムを使用せずに、履物製品の部分をデザインしてもよい。また、顧客200は、フォーム(書式)を使用して、履物製品の1つ以上の事前に選択した部分に付与すべきあらかじめ用意されたデザインを選択してもよい。一般に、ステップ202で、顧客200は、履物製品の1つ以上の部分に特注のデザインを関連付けるための備えを使用してもよい。
【0027】
第2のステップ204で、顧客200が履物製品用に最終的な特注のデザインを選択すると、最終の製品デザインが提出されてもよい。いくつかの実施形態では、これは、グラフィカルインターフェースシステムに関連した「提出」ボタンを押すことにより達成されてもよい。他の施形態では、顧客200は、フォームを小売業者201に郵送しても、または他のやり方で提出してもよい。
【0028】
好ましくは、最終の製品デザインが提出されると、第3のステップ206で、デザインを小売業者201が受け取ってもよい。一般に、小売業者201は、履物製品を作製および/または販売することのできる者なら、誰であってもよい。ある場合、小売業者201は、小売店と関連していてもよい。他の場合、小売業者201は、モール(ショッピングセンター)内のキオスクと関連していてもよい。さらに他の場合、小売業者201は、1つ以上の製造場所と関連していてもよい。このような場合、顧客200は、小売業者201のところに直接出向かなくてもよく、むしろ、郵便またはインターネットを通じて最終の製品デザインを小売業者201に送信することもでき、郵便を通じて小売業者201から履物製品を受け取ってもよい。
【0029】
小売業者201は、最終の製品デザインを受け取ると、第4のステップ208で、履物製品のデザインレイアウトを準備してもよい。この時点で、顧客200が準備した特注のデザインは、履物製品の1つ以上の部分と関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、このステップは、すでに開示されているように、コンピュータによって行われてもよい。他の実施形態では、レイアウトは作業者によって手作業で準備されてもよい。
【0030】
好ましくは、第5のステップ210で、特注のデザインが、履物製品に関連付けられた1つ以上の事前に切断された部分に付与されてもよい。上記特注事例では、単一の材料に特注のデザインが印刷され、次いで、個々の部分が切断されて組み立てられた履物製品を形成していた。しかし、本実施形態では、履物製品に関連付けられた部分は、特注および印刷の前に、事前に切断されてもよい。すなわち、小売業者201が、より早い時点で製造された事前に切断された部分のセットを手にすることができてもよい。
【0031】
一般に、さまざまな材料にデザインを付与するいずれの方法をも使用することができる。ある場合、特注のデザインは、履物製品の1つ以上の部分に印刷されてもよい。他の場合、特注のデザインは、縫製、刺繍、レーザエッチングまたは他のやり方により、履物製品の1つ以上の部分に付与されてもよい。さらに他の場合、特注のデザインは、これらのさまざまな方法の組み合わせを使用して付与されてもよい。
【0032】
第6のステップ212で、特注のデザインが、1つ以上の事前に切断された部分に付与されると、小売業者201は、履物製品を自己組み立てするための備えを含む部品のキットを作ってもよい。特に、この部品のキットは、事前に切断された部分、ひもおよび指示のセットを含んでいてもよい。指示のセットは、履物製品を組み立てるための指令を含んでいるのが好ましい。
【0033】
この時点において、顧客200は、第7のステップ214で、このキットを受け取ってもよい。次いで、顧客200は、このキットを家に持ち帰って開封してもよい。第8のステップ216で、顧客200は、指示を読んでもよい。最後に、第9のステップ218で、顧客200は、このキットにより供給された事前に切断された部分およびひもを使用して、履物製品を組み立ててもよい。
【0034】
以下の説明では、図2で概略を簡単に説明したステップの詳細について述べる。この好ましい実施形態では、顧客200は、小売場所に配置された遠隔の端末またはコンピュータへアクセスする。遠隔の端末またはコンピュータを使用して、顧客200は、小売業者201または第三者により提供されたウェブサイトにアクセスできてもよい。いくつかの実施形態では、このウェブサイトは、第1のステップ202で簡単に説明したように、グラフィカルインターフェースシステムを含んでいてもよい。
【0035】
図3を参照して、グラフィカルインターフェースシステム350は、履物表示352を含んでいるのが好ましい。「履物表示」という用語は、グラフィカルインターフェースシステム内の履物製品の3次元の具象を指している。特に、履物表示という用語は、表示された履物製品の構造的なデザインを含んでいるのが好ましい。くわえて、履物表示という用語は、表示された履物製品の外面の模様、形状、デザイン、色、画像および他のグラフィカルな(絵画的な)特徴を含む他のデザイン特性を含んでいるのが好ましいが、これに限定するものではない。
【0036】
本実施形態では、履物表示352は、組み立て前の履物製品の側方部分として示されている。ユーザが履物表示352を移動および/または回転させると、他の側方部分、底部分およびベロ部分を含めて、さまざまな組み立て前の部分が表示されてもよい。しかし、他の実施形態では、履物表示は、組み立てられた履物製品として示されてもよい。
一般に、本方法を使用して、あらゆる種類の履物をデザインすることができる。いくつかの実施形態では、自己組み立て用の履物製品を特注する方法は、強力接着剤または複雑な縫製構成などの高度な取り付け措置を必要としない履物製品に適用することができる。ある場合、本方法は、容易に自己組み立てできるブーティまたは他の簡単な製品を特注するために使用することができる。好ましい実施形態では、本方法は、自己組み立て用に構成されたベビーブーティを特注するために使用することができる。
【0037】
しかし、本方法がベビーブーティでの使用に限定されないことを理解されたい。他の実施形態では、例えば、構造的な支持を高めた履物製品を作るために追加の備えを設けることができる。例えば、他の実施形態では、本方法は、ブーティ以外の他の種類の履物を作るのに使用することのできる自己組み立て用のキット中にラバーソール(ゴム底)を設けることを含んでいてもよい。自己組み立て用に特注および構成することができる他の種類の履物の例には、ブーツ、バスケットシューズ、ランニングシューズ、ダンスシューズおよび他の種類の履物が含まれるが、これに限定するものではない。
【0038】
くわえて、本明細書を通じ、単独の履物製品だけでなく1対の履物も特注システムでデザインしてもよいことを理解されたい。1つの履物製品のデザインに適用されるデザイン、道具または他の機構は、第2の補完的な履物製品に同様に適用することができる。「補完的な」という用語は、本明細書を通じておよび特許請求の範囲において使用される際に、左側の履物製品の右側の履物製品との関係およびその逆を指している。また、1対のうちの各履物製品が個別に(独立して)デザインされてもよいことを理解されたい。すなわち、補完的な履物製品は、同一のデザインを含んでいる必要はない。
【0039】
いくつかの実施形態では、グラフィカルインターフェースシステムは、履物表示のビューを変更するための備えを含んでいてもよい。一般に、上記特注事例に開示されている備えを、本実施形態で使用してもよい。本実施形態では、グラフィカルインターフェースシステム350は、履物表示352のビューを移動、回転または他の仕方で変更させるのに使用できる方向ツール354を含んでいるのが好ましい。
【0040】
くわえて、グラフィカルインターフェースシステムは、履物表示を修正するための備えを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、グラフィカルインターフェースシステム350は、履物表示352のデザインを変更するために構成されたグラフィックスツールを含んでいてもよい。好ましい実施形態では、グラフィカルインターフェースシステム350は、線を引き、テキストを追加するなど、多くのグラフィカル編集プログラムに見られるものに類似したツール、および他の特徴を含んでいてもよい。
【0041】
好ましくは、グラフィカルインターフェースシステム350は、ツールバー360を含んでいてもよい。ツールバー360は、さまざまなグラフィックスツールの集まりであるのが好ましい。いくつかの実施形態では、ツールバー360は、線ツール362を含んでいてもよい。くわえて、ツールバー360は、テキストツール364を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ツールバー360はまた、形状ツール366および拡大ツール368を含んでいてもよい。一般に、ツールバー360は、多くの追加のグラフィックスツールを含んでいてもよい。例示を目的として、本明細書には、多くの考え得るグラフィックスツールのうちの2、3のものだけを示している。
【0042】
これらのツールは、特注のデザインを作るために組み合わせて使用してもよい。本開示および上記特注事例に例示されたデザインは、単なる例示であって、他の実施形態において特注のデザインを作るために、線、形状または他の種類のグラフィックスの構成を組み合わせてもよいことを理解されたい。
いくつかの実施形態では、グラフィカルインターフェースシステム350は、あらかじめ用意されたデザインのセットを含んでいてもよい。例えば、あらかじめ用意された画像は、赤子または幼児用にふさわしい画像または模様に関連付けられていてもよく、テディベア、花、がらがら、ハートの画像、および赤子または幼児と一般に関連付けられる他の画像または模様を含んでいてもよいが、これに限定するものではない。これらのあらかじめ用意された画像は、グラフィカルインターフェースシステム350に関連付けられたメモリにロードされてもよく、ある場合、ウェブサイト上で、またはキオスクの端末で利用できるようにされていてもよい。
【0043】
図4を参照して、グラフィカルインターフェースシステム350は、画像パレット404内の第1の画像402を含んでいる。この実施形態では、第1の画像402は、テディベアの画像となっている。他の実施形態では、第1の画像402は、どのような種類の画像であってもよい。この場合、第1の画像のコピー410が、履物表示352の後領域406に付与されている。これは、第1の画像402を画像パレット404から選択することにより達成されてもよい。この時点で、第1の画像のコピー410が表示されてもよい。次いで、方向ツール354を使用して、第1の画像のコピー410が後領域406に移動されてもよい。他の実施形態では、第1の画像402が、これらの同じステップを使用して、履物表示352のいずれかの領域または部分に付与されてもよい。
【0044】
他の実施形態では、グラフィカルインターフェースシステムは、これまでに開示されているように、顧客が外部のソースからさまざまなデザインまたはグラフィックスを取り込むことができるようにするための備えを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、顧客は、グラフィカルインターフェースシステムにさまざまなグラフィックスまたはデザインを取り込むために、さまざまな媒体装置を遠隔の端末またはコンピュータに取り付けてもよい。例えばある場合、顧客は、デジタルカメラまたは別のソースから絵または写真をアップロードしてもよい。顧客が取り込んだこれらの画像は一般に、第1の画像402について上述したのと類似のやり方で、履物表示に付与されてもよい。
【0045】
別の実施形態では、図5に示すように、1つ以上の単語が、テキストツール364を使用して、履物表示352に付与されてもよい。この実施形態では、第1の単語570が、履物表示352の側方領域572に付与されている。この場合、「Junior」という単語が付与されているが、他の実施形態では、赤子または幼児の名前およびイニシャルを含めて、どのような単語を付与してもよい。
【0046】
顧客が特注のデザインを選ぶと、最終的なデザインが小売業者に提出されてもよい。ある場合、特注のデザインは、インターネットを通じて提出することができる。他の場合、特注のデザインは、フォーオムを使用して小売店で、または、小売店にある遠隔の端末またはコンピュータを介して、提出することができる。さらに他の場合、特注のデザインは、製造のために、小売業者に郵送またはファクスされてもよい。
【0047】
図6〜図8を参照して、顧客から特注のデザインを受け取ったのち、小売業者が、履物製品に関連付けられた1つ以上の事前に切断された部分に、特注のデザインを付与してもよい。この実施形態では、小売業者は、特注のデザインを受け取る前に、事前に切断された部分を製造業者から受け取ってもよい。他の実施形態では、事前に切断された部分は、小売場所でシート材料から切断されてもよい。
【0048】
上述したように、特注のデザインは、デザインを付与するための周知の方法を使用して、履物製品の1つ以上の部分に付与されてもよい。いくつかの実施形態では、特注のデザインは、プリンタを使用して付与されてもよい。好ましい実施形態では、特注のデザインは、1つ以上の事前に切断された部分にデジタル印刷されてもよい。
図6は、特注のデザインを事前に切断された部分に付与している、好ましい実施形態である。この実施形態では、第1の画像402が、プリンタ604を使用して、第1の事前に切断された部分602に付与されている。一般に、プリンタ604は、ドットマトリクスプリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタおよび別の種類のプリンタを含むいずれの種類のプリンタであってもよく、これに限定するものではない。好ましい実施形態では、プリンタ604は、デジタルプリンタであってもよい。この実施形態では、第1の事前に切断された部分602は、履物製品の事前に切断された側方部分とされている。他の実施形態では、第1の事前に切断された部分602は、事前に切断されたベロ部分、事前に切断された底部分または他の種類の事前に切断された部分であってもよい。
【0049】
図6は、単一の事前に切断された部分の印刷を示しているに過ぎないが、プリンタ604を使用して、特注のデザインを他の事前に切断された部分に付与してもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、事前に切断された部分それぞれは、自動または手動でプリンタ604に供給されてもよい。他の実施形態では、特注のデザインを受けるよう構成された事前に切断された部分のみが、プリンタ604に供給されてもよい。すなわち、履物製品のいくつかの部分が特注のデザインを含んでいない場合、これらの領域に関連付けられた事前に切断された部分は、プリンタに供給されなくてもよい。いくつかの実施形態では、事前に切断された部分は、厚紙(カードストック)または類似の用紙または紙状の材料に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、事前に切断された部分は、例えば除去可能な接着剤を使用して、厚紙に貼り付けられてもよい。この構成により、事前に切断された部分を、プリンタ604または他の特注機械に、より容易に供給することができる。特注後、事前に切断された部分は、組み立てのために、厚紙からはがされてもよく、または他のやり方で除去されてもよい。
【0050】
他の実施形態では、特注のデザインは、1つ以上の事前に切断された部分に縫製により付与されてもよい。図7を参照して、第1の単語570は、縫製機械704を使用して、履物製品の第1の事前に切断された部分702に刺繍されてもよい。ある場合、縫製機械704はミシンである。他の実施形態では、縫製機械704は刺繍機である。例示を目的として、本実施形態では標準的なミシンを示しているが、好ましい実施形態では、縫製機械704は、工業用のミシンまたは刺繍機であってもよい。
【0051】
図7は、単一の事前に切断された部分の刺繍を示しているに過ぎないが、縫製機械704を使用して、特注のデザインを他の事前に切断された部分に付与してもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、事前に切断された部分それぞれは、自動または手動で縫製機械704に供給されてもよい。他の実施形態では、特注のデザインを受けるよう構成された事前に切断された部分のみが、縫製機械704に供給されてもよい。すなわち、履物製品のいくつかの部分が特注のデザインを含んでいない場合、これらの領域に関連付けられた事前に切断された部分は、縫製機械704に供給されなくてもよい。
【0052】
図6および図7は、履物製品の事前に切断された部分に特注のデザインを付与する、考え得る方法を例示することを意図しているに過ぎない。他の実施形態では、他の方法を使用して、特注のデザインを事前に切断された部分に付与してもよい。ある場合、事前に切断された部分に特注のデザインをレーザエッチングしてもよい。他の場合、彩画またはステンシルなどの他の方法を使用して、特注のデザインを付与してもよい。
【0053】
ある場合、顧客が、特注のデザインを付与するために使用する媒体の種類を選択してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、グラフィカルインターフェースシステムは、「印刷」、「刺繍」または他の付与の方法に関する選択肢を含んでいてもよい。他の場合、この媒体は、小売業者または製造業者により事前に選択されていてもよい。さらに他の場合、いくつかの種類のデザインが、特定の種類の媒体と関連付けられていてもよい。例えば、テキストツールを使用して作られたデザインを、事前に切断された部分に刺繍する一方で、事前に指定された画像を使用するデザインを、デジタルプリンタを使用して付与してもよい。一般に、1つ以上の事前に切断された部分に特注のデザインを付与するために、付与方法を組み合わせて使用することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、特注のデザインを有する部分を含む事前に切断された部分が、部品のキットにまとめられ(パッケージされ)ていてもよい。ある場合、部品のキットはまた、組み立て用の追加の備えを含んでいてもよい。好ましい実施形態では、部品のキットはまた、事前に切断された部分を互いに取り付けるために使用されるひもを含んでいてもよい。くわえて、部品のキットはまた、自己組み立て用の指示のセットを含んでいてもよい。
【0055】
図8は、部品のキット800の好ましい実施形態である。この実施形態では、部品のキット800は、第1の事前に切断された部分801と、第2の事前に切断された部分802と、第3の事前に切断された部分803と、第4の事前に切断された部分804とを含む、複数の事前に切断された部分を含んでいてもよい。好ましい実施形態では、第1の事前に切断された部分801は、履物製品の外側の側方(体の中心線に対して外側に対応する側の)部分である。くわえて、第2の事前に切断された部分802は、履物製品の内側の側方(体の中心線に対して内側に対応する側の)部分である。また、第3の事前に切断された部分803は、履物製品の底部分であってもよい。最後に、第4の事前に切断された部分804は、履物製品のベロ部分であってもよい。事前に切断された部分801〜804は、単一の履物製品のすべての部分を備えていることが好ましい。
【0056】
4つの事前に切断された部分が本実施形態で示されているが、他の実施形態では、どのような数の事前に切断された部分を使用していてもよい。他の実施形態では、履物製品は、2つまたは3つの事前に切断された部分に関連付けられていてもよい。さらに他の実施形態では、履物製品は、4つを超える事前に切断された部分に関連付けられていてもよい。
一般に、事前に切断された部分は、どのような材料で形成されていてもよい。ある場合、事前に切断された部分は、天然皮革で形成されていてもよい。他の場合、事前に切断された部分は、合成皮革で形成されていてもよい。さらに他の実施形態では、事前に切断された部分は、天然および合成の材料を含むある種の編み生地または織り生地で形成されていてもよい。くわえて、ある場合、異なる事前に切断された部分が、異なる材料で形成されていてもよい。例えば、事前に切断された底部分を耐久性のある皮革で形成し、事前に切断された側方部分を軽量の編み生地材料で形成してもよい。
【0057】
部品のキットは、1つ以上の事前に切断された部分を互いに取り付けるための備えを含んでいるのが好ましい。一般に、部品のキットは、事前に切断された部分を取り付けるための固定機構を含んでいてもよい。固定機構の例には、ジッパー、ボタン、留め金(スナップ)、マジックテープ(登録商標)(フックアンドループファスナー)、および他の種類の固定具が含まれるが、これに限定するものではない。好ましい実施形態では、部品のキットは、隣接する事前に切断された部分を互いに縫製するために使用されるひもを含んでいてもよい。
【0058】
本実施形態では、部品のキット800は、ひも810を含んでいてもよい。ひも810は、靴ひもであることが好ましい。本実施形態は、単一のひものみを含んでいるが、他の実施形態では、部品のキット800は、追加のひもを含んでいてもよい。
事前に切断された部分801〜804は、ひも810を受け入れるための備えを含んでいるのが好ましい。いくつかの実施形態では、事前に切断された部分801〜804は、孔812を含んでいてもよい。好ましい実施形態では、孔812は、事前に切断された部分801〜804の周縁部分814に配置されていてもよい。この構成を使用し、周縁部分814において、隣接する事前に切断された部分を互いに縫製するために、ひも810を使用してもよい。
【0059】
部品のキット800はまた、指示のセット830を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、指示のセット830は、事前に切断された部分801〜804およびひも810から履物製品を組み立てるための指令のリストを含んでいてもよい。ある場合、指示のセット830は、ステップごとの指令を含んでいてもよい。他の場合、指示のセット830は、図を含んでいてもよい。
【0060】
好ましくは、部品のキット800を備えた構成要素は、顧客用にまとめられてもよい。いくつかの実施形態では、部品のキット800を備えた構成要素は、顧客が部品のキット800を家に持ち帰ることができるように、まとめられ(パッケージされ)ていてもよい。ある場合、事前に切断された部分801〜804、ひも810および指示のセット830は、箱840の中にまとめられてもよい。他の実施形態では、部品のキット800を備えた構成要素は、買い物袋にまとめられていてもよい。この構成を使用し、顧客は、部品のキット800を簡単に家に持ち帰ることも、または郵便で部品のキット800を受け取ることもできる。
【0061】
例示を目的として、本実施形態では、単一の履物製品を組み立てるのに必要な構成要素のみを示している。しかし、単一の履物製品だけでなく、1足の履物の自己組み立てを可能にするために、事前に切断された部分の第2のセットおよび第2のひもを部品のキットに供給することが好ましいことを理解されたい。
図9は、事前に切断された部分801〜804およびひも810から履物製品を組み立てている顧客900の好ましい実施形態である。この実施形態では、顧客900は、事前に切断された部分801〜804、ひも810および指示のセット830を、箱840からすでに取り出している。指示のセット830を使用し、顧客900は、ひも810を使用して、事前に切断された部分801〜804を組み立てることができる。
【0062】
ある場合、ベビーブーティなどの履物製品を特注し、かつ自己組み立てする顧客は、これから母親になる人、これから父親になる人、または間もなく祖父母になる人、および幼児の両親もしくは祖父母であってもよい。履物製品を特注し、かつ組み立てることにより、顧客は自分で作ったものを赤子または幼児に与えることになる。これは、履物製品の情緒的な価値を高め、顧客に達成感を与えるであろう。
【0063】
図10を参照して、事前に切断された部分801〜804は、ひも810を使用して縫製されてもよい。いくつかの実施形態では、ひも810は、隣接する事前に切断された部分を互いに固定するために、隣接する事前に切断された部分の孔812を介して縫製されてもよい。例えば、ある場合、第1のセットの孔1001と第2のセットの孔1002との間をひも810で縫製することにより、第3の事前に切断された部分803が、第1の事前に切断された部分801に固定されてもよい。同様に、第3のセットの孔1003と第4のセットの孔1004との間をひも810で縫製することにより、第3の事前に切断された部分803が、第2の事前に切断された部分802に固定されてもよい。この構成により、履物製品の底側に沿って、事前に切断された部分801、802および803を縫製することができる。
【0064】
くわえて、第5のセットの孔1005と第6のセットの孔1006との間をひも810で縫製することにより、第2の事前に切断された部分802および第1の事前に切断された部分801を、前端1020において縫製してもよい。また、第7のセットの孔1007と第11のセットの孔1113との間をひも810で縫製することにより、かつ、第8のセットの孔1008と第10のセットの孔1111との間をひも810で縫製することにより、第2の事前に切断された部分802および第1の事前に切断された部分801を、後端1022において第3の事前に切断された部分803に固定してもよい。ある場合、第3の事前に切断された部分803の後部分は、縫製される前に、上側に折り返されて事前に切断された部分801および802に関連付けられてもよい。この構成により、全体として、組み立てられた履物製品のかかとが形成される。
【0065】
最後に、第5のセットの孔1005、第6のセットの孔1006および第9のセットの孔1009を介して、ひも810を縫製することにより、第4の事前に切断された部分804を、前端1020において事前に切断された部分801および802に固定してもよい。この構成を使用し、第4の事前に切断された部分804を、組み立てられた履物製品のベロとして使用してもよい。
好ましくは、指示のセット830に従い、孔のセット1001〜1009を介して、ひも810を縫製してもよい。一般に、事前に切断された部分801〜804の互いへの取り付けを達成するために、どのような種類の縫製を用いてもよい。ある場合、簡単な縫製を使用することができる。他の場合、より複雑な縫製を使用することができる。使用することのできるさまざまな縫製の例には、バックステッチ、しつけ縫い、ブラインドステッチ、ボタン孔ステッチ、チェーンステッチ、クロスステッチ、刺繍縫い、フェザーステッチ、ヘム縫い、ロックステッチ、ハ刺し縫い、ランニングステッチ、スリップステッチ、伸ばし縫い、トップステッチ、ウィップステッチ、ジグザグ縫い、および他の種類の縫製が含まれるが、これに限定するものではない。
【0066】
他の実施形態では、事前に切断された部分801〜804は、事前に構成された孔を含んでいなくてもよい。代わりに、事前に切断された部分801〜804を貫通するよう構成された薄(細)手のひもを使用して、事前に切断された部分801〜804を縫製してもよい。この代替的な構成は、縫製技術の多様性を増すことができ、ある顧客には訴えるであろう。
いくつかの実施形態では、履物製品は、アッパーを足の周りで開いた位置から閉じた位置へ固定するための備えを含んでいてもよい。「開いた位置」という用語は、本明細書を通じておよび特許請求の範囲において使用され、履物製品の中に足を容易に滑り込ませることのできる、履物製品の緩められた位置を指している。「閉じた位置」という用語は、本明細書を通じておよび特許請求の範囲において使用され、履物製品が足の周りにしっかりとまとわれていて全体として脱ぐことのできない、履物製品の締め付けられた位置を指している。
【0067】
ある場合、履物製品は、製品を固定するためのある種のひもを含んでいてもよい。この好ましい実施形態では、1つ以上の事前に切断された部分を互いに取り付けるために使用されるひもは、アッパーを足の周りに固定するためにも使用される。特に、ひもは、第1の端部、第2の端部および中間部分を含んでいてもよい。好ましくは、中間部分は、第1の端部と第2の端部との間に配置されて、1つ以上の事前に切断された部分を互いに固定するために使用される。くわえて、端部は、ひも孔のセットに関連付けられて、履物製品のアッパーを開いた位置から閉じた位置へ調整可能に固定するために構成されていてもよい。
【0068】
図11は、ひも810を使用して、事前に切断された部分801〜804から組み立てられた履物製品100の好ましい実施形態である。この実施形態では、ひも810は、第1の端部1102、第2の端部1104および中間部分1106を含んでいるのが好ましい。中間部分1106は、第1の端部1102と第2の端部1104との間に配置されているのが好ましい。特に、中間部分1106は、複数のセットの孔に挿通されて、事前に切断された部分を互いに固定するために使用されてもよい。
【0069】
図12を参照して、第1の端部1102および第2の端部1104は、ひも孔1202に挿通されていてもよい。この実施形態では、ひも孔1202は、履物製品1100の頂部領域1204と関連付けられている。ある場合、頂部側1204は、バンプ(つま革)部分であってもよい。他の実施形態では、ひも孔1202は、履物製品1100の他の領域と関連付けられていてもよい。
この構成を使用して、履物製品1100を開いた位置から閉じた位置へ締め付けるのに、ひも810を使用してもよい。好ましい実施形態では、端部1102および1104をひも孔1202を通して引っ張ることにより、かつ、ある場合、端部1102および1104とで結び目を作ることにより、この締め付けを達成してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、ひもの異なる部分を異なる材料で形成してもよい。ある場合、中間部分は、1つ以上の端部と異なる材料で形成されていてもよい。例えば、中間部分は、事前に切断された部分を組み立てるために、耐久性のあるプラスチック材料で形成されていてもよい。同様に、端部は、履物製品の固定領域においてより大きな張力を与える、全体として弾性の材料で形成されていてもよい。他の実施形態では、異なる部分が別の材料で形成されていてもよい。使用することのできる材料は、皮革、綿、ポリエステル生地、ポリエステル糸、ナイロン、ポリプロピレンおよびプラスチックを含んでいてもよいが、これに限定するものではない。
【0071】
いくつかの実施形態では、履物製品は、ひもがひも孔のセットから抜けて事前に切断された部分の固定を妨げることのないようにするための備えを含んでいてもよい。ある場合、ひも孔は、、ひもがひも孔から抜けるのを防ぐための備えを含んでいてもよい。好ましい実施形態では、ひもは、履物製品が組み立てられたのちに、ひも孔のセットから抜けることのないようにするための備えを含んでいてもよい。
【0072】
図13は、ひも1310を有する履物製品1300の好ましい実施形態を示している。履物製品1300は、上記実施形態で説明されたさまざまな特徴すべてを含んでいてもよい。特に、履物製品1300は、複数の事前に切断された部分で組み立てられていてもよい。
上記実施形態で説明したように、ひもは、端部および中間部分を含んでいてもよい。この好ましい実施形態では、ひも1310は、第1の端部1302、第2の端部1304および中間部分1380を含んでいる。ひも孔1306は、第1の端部1302および第2の端部1304を受け入れるように構成されていることが好ましい。全体として、履物製品1300を開いた位置から閉じた位置へ締め付けるのに、第1の端部1302および第2の端部1304を使用してもよい。くわえて、上記実施形態で説明したように、中間部分1380は、複数のセットの孔と関連付けられ、事前に切断された部分を組み立てるのに使用されてもよい。
【0073】
顧客は、ひも1310の中間部分1380によって、履物製品1300の事前に切断された部分を組み立てたのちに、第1のひも孔1322の上方で、ひも1310の第1の端部1302を変形してもよい。くわえて、顧客は、第2のひも孔1324の上方で、第2の端部1304を変形してもよい。好ましくは、端部1302および1304は、ひも1310に波状の領域1350を作るように変形されてもよい。
【0074】
一般に、顧客は、波状の領域1350を導入するために、公知の方法を使用して端部1302および1304を変形してもよい。ある場合、端部1302および1304は、実質的に変形するように構成された材料で形成されていてもよい。これらの場合、ユーザが端部1302および1304を曲げて波状の領域1350を作ると、部分1302および1304は実質的に永久に変形されたままであってもよい。あるいは、顧客は、初めに例えばヘアドライヤーまたはアイロンの熱を当て、次いで端部1302および1304を変形して波状の(曲げられた)領域1350を作ってもよい。波状の領域1350が履物製品1300の寿命中、変形されたままとなるように、端部1302および1304を十分な剛性を有する材料で製造することが好ましい。
【0075】
この構成を使用し、波状の領域1350が、端部1302および1304のそれぞれを、ひも孔1322および1324から抜けることを妨げる(ブロックする)ことが好ましい。波状の領域1350がひも孔1322および1324をブロックした状態で、履物製品1300の組み立てを妨げることなく、顧客は、足の周りで履物製品1300を締め付けるまたは緩めることができる。これは、履物製品1300を足から脱ぐときに、ひも1310がひも孔1322および1324から抜けて事前に切断された部分の組み立てを壊すことのないようにするのに、特に有効な場合がある。
【0076】
別の実施形態では、ひもがひも孔のセットから抜けるのを妨げるために、他の備えが使用されてもよい。ある場合、部品のキットは、ひもがひも孔から抜けないようにするために、ひもを固定するよう構成された追加の部品を含んでいてもよい。好ましい実施形態では、追加の部品は、ひもがひも孔のセットの中を移動(スライド)しないようにするために、ひもの周りに取り付けられてもよい。
【0077】
図14は、ひも1410にはめられたひも留め1405を有する履物製品1400の好ましい実施形態である。この場合、顧客がひも1410で履物製品1400を組み立てたのち、ひも留め1405が、部品のキットから取り出されて、第1のひも孔1422および第2のひも孔1424それぞれの上方で、ひも1410の第1の端部1402および第2の端部1404にはめられてもよい。好ましくは、ひも留め1405は、ひも1410上の特定の領域に固定されたままになる構成とされていてもよい。この構成により、ひも1410がひも孔1422および1424から抜けることが防止され、履物製品1400の事前に切断された部分をしっかりと固定したままにすることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、ひも留め1405は円筒形状であってもよい。他の実施形態では、ひも留め1405は矩形状であってもよい。一般に、ひも留め1405は、第1のひも孔1422および第2のひも孔1424の中で動く(スライドする)ことを防止する形状及び寸法であればどのようなものであってもよい。この構成により、端部1402および1404がひも孔1422および1424から抜けることが良好に防止される。
【0079】
これらの実施形態では、第1の端部および第2の端部を所定の位置に固定するための備えは、履物製品のひも領域の底部にあるひも孔に隣接している。しかし、他の実施形態では、波状の領域またはひも留めなどの備えを、ひもの他の部分に適用することもできる。これらの備えは、事前に切断された部分を互いに固定するのに使用されるひもの中間部分と、履物製品を足に締め付けるのに使用されるひもの端部との境界付近に設けられることが好ましい。
【0080】
上記実施形態では、自己組み立てされるベビーブーティの好ましい実施形態について説明したが、他の実施形態では、これらの同じ原理を、自己組み立て用に構成された他の種類の履物を形成するために適用することができることを理解されたい。特に、本詳細な説明で教示された備えは、子供および大人の両方ならびに赤子および幼児が着用することのできる履物製品を形成するために使用されてもよい。子供および大人はしばしば、履物製品の底に追加の支持体を必要とする。図15〜図20に示す以下の実施形態では、自己組み立てされる履物製品用の支持を向上するために使用することのできる追加の備えについて説明する。これらの追加の備えを使用して、自己組み立てされる履物製品を、子供および大人の両方が着用するように構成することができる。
【0081】
履物製品は、支持するためおよび足を快適にするための備えを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、履物製品は、足への構造的な支持を向上するための追加の備えを含んでいてもよい。向上された構造的な支持は、ベビーブーティ、ならびにブーツ、バスケットシューズ、ランニングシューズおよびダンスシューズを含む他のタイプの履物、ならびに他の種類の履物用に有用であろう。ある場合、自己組み立てされる履物製品は、ミッドソールを含むことにより、足への構造的な支持を向上させてもよい。
【0082】
図15および図16は、1つ以上の事前に切断された部分から組み立てられた履物製品の模式図である。図15および図16を参照して、履物製品1500は、着用者に追加の支持を提供するためのミッドソール1505を含んでいることが好ましい。好ましい実施形態では、ミッドソール1505は、履物製品1500と関連付けられた部品のキットに含まれていてもよい。他の実施形態では、ミッドソール1505は、履物製品1500と関連付けられた部品のキットとは別に購入されてもよい。
【0083】
ミッドソール1505は、事前に切断された底部分1503と関連付けられていることが好ましい。特に、ミッドソール1505は、事前に切断された底部分1503の頂部側1513に沿って配置することができる。好ましい実施形態では、ミッドソール1505は、履物製品1500に挿入されているときに、着用者の足に隣接するように配置されてもよい。
履物製品1500は、ミッドソール1505を固定するための備えを含んでいることが好ましい。いくつかの実施形態では、事前に切断された外側の側方部分1501および事前に切断された内側の側方部分1502が、ミッドソール1505を履物製品1500内に固定するための固定片1511を含んでいてもよい。組み立てを容易にするために、固定片1511は、顧客に部品のキットを送付する前に、事前に切断された部分1501および1502に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、固定片1511は、事前に切断された部分1501および1502に縫い付けられてもよい。他の実施形態では、固定片1511は、事前に切断された部分1501および1502に接着剤により取り付けられてもよい。一般に、固定片1511は、周知のどのようなやり方で取り付けられてもよい。
【0084】
ミッドソール1505を履物製品1500内に固定するために、固定片1511をミッドソール1505に取り付けてもよい。ミッドソール1505は、第1の固定領域1506を含んでいることが好ましい。さらに、固定片1511は、第2の固定領域1512を含んでいてもよい。一般に、固定領域1506および1512は、どのような種類の固定機構を含んでいてもよい。固定機構の例には、これに限定するものではないが、ジッパー、ボタン、留め金(スナップ)、マジックテープ(登録商標)(フックアンドループファスナー)、および他の種類の固定具が含まれる。この好ましい実施形態では、固定領域1506および1512は、Velcro(登録商標)などのマジックテープ(登録商標)の補完側であってもよい。この構成を使用し、固定片1511は、事前に切断された底部分1503に対して、ミッドソール1505を所定の位置に保持することができる。
【0085】
この実施形態では、固定片1511は、ミッドソール1505を固定するための2つの片を含んでいる。同様に、ミッドソール1505は、2つの片に取り付けるための2つの対応する固定領域を含んでいる。他の実施形態では、異なる数の片および/または固定領域が使用されてもよい。さらに、本実施形態は、ミッドソール1505を固定するために、事前に切断された部分1501および1502に固定される固定片1511を含んでいるが、他の実施形態では、ミッドソール1505は、他の手段により履物製品1500内に固定されてもよい。例えば、ミッドソール1505上の対応する固定領域に取り付けるために、事前に切断された底部分1503上に固定領域を配置してもよい。一般に、ミッドソール1505は、周知のどのようなやり方で履物製品1500内に固定されてもよい。
【0086】
上記実施形態では、上述したように、履物製品は、アッパー材料で形成された事前に切断された底部分を含んでいる。いくつかの実施形態では、自己組み立てされる履物製品は、支持を向上させるために、ソール(靴底)部分と関連付けられていてもよい。「ソール部分」という用語は、この詳細な説明を通じておよび特許請求の範囲において使用され、足に対する支持を高める履物製品の部分を指している。一般に、ソール部分は、衝撃吸収用に構成されたクッション材料で形成されてもよい。ある場合、ソールは、地面との牽引力(トラクション)を向上するために、牽引要素または滑り止めを含んでいてもよい。
【0087】
一般に、ソール部分は、ソールを形成するために当該技術で公知のどのような材料で形成されていてもよい。ある実施形態では、ソール部分はポリウレタンで形成されていてもよい。他の実施形態では、ソール部分は、熱可塑性材料またはラテックスゴムで形成されていてもよい。さらに他の実施形態では、ソール部分は、エチルビニルアセテート(EVA)で形成されていてもよい。
【0088】
図17は、ソール部分1703の好ましい実施形態を示している。ソール部分1703は、皮革および合成繊維を含むアッパー材料で形成することができる他の事前に切断された部分よりも、実質的に厚みが大きくされていることが好ましい。さらに、ソール部分1703は全体として、事前に切断された平坦な底部分上で追加の構造的な支持を提供するために、足の形状に一致するように構成されている。
【0089】
ソール部分は、組み立てられた履物製品を形成するために、1つ以上の事前に切断された部分に取り付けるための備えを含んでいることが好ましい。いくつかの実施形態では、ソール部分1703は側方フラップ1715を含んでいてもよい。ある場合、側方フラップ1715は、隣接する事前に切断された部分をソール部分1703に固定するよう構成されていてもよい。さらに、ソール部分1703は、前フラップ1713および後フラップ1714を含んでいてもよい。この構成を使用し、フラップ1713〜1715を、隣接する事前に切断された部分を互いに固定し、ソール部分1703の頂部上で足を支えるために使用してもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、ソール部分は、ひもを使用して互いに組み立てることのできる複数の事前に切断された部分と関連付けられていてもよい。一般に、組み立てられる履物製品は、赤子、子供または大人が着用するように構成されていてもよい。事前に切断された部分はそれぞれ、どのようなデザインを有していてもよい。ある場合、ソール部分は、ソール部分のアウトソール(外側ソール)に取り付けられた異なる種類の歩行要素または滑り止めを含むさまざまなデザインを含んでいてもよい。
【0091】
図18を参照して、履物製品1700は、ソール部分1703にくわえて、複数の事前に切断された部分と関連付けられていてもよい。本実施形態では、履物製品1700は、第1の事前に切断された部分1701および第2の事前に切断された部分1702を含んでいる。この場合、事前に切断された部分1701および1702は、側方部分であってもよい。くわえて、履物製品1700は、第3の事前に切断された部分1704と関連付けられていてもよい。この場合、第3の事前に切断された部分1704は、ベロ部分であってもよい。
【0092】
本実施形態では、履物製品1700は、子供用の靴であってもよい。ある場合、履物製品1700は、好ましくは、子供用の運動靴であってもよい。この場合、特注デザイン1802が事前に切断された部分1701および1702に付与されている。特注デザイン1802は、特注デザインを1つ以上の事前に切断された部分に付与するための上記実施形態で説明した備えのいずれかを使用して付与されてもよい。他の実施形態では、他の特注デザインを、上述したようにグラフィカルインターフェースシステムを使用して、1つ以上の事前に切断された部分に付与することもできる。あらゆる種類の特注デザインを付与することができることが好ましく、付与されるデザインの種類は、ベビーブーティの上記実施形態で説明されたデザインに限定されない。特注デザインのさらなる例を、上記特注事例に見ることができる。この構成により、履物製品を、赤子の靴、子供用の靴、大人用の靴および他の種類の靴用に装飾することができる。
【0093】
本実施形態では、部分1701〜1704は、図10に示した上記実施形態で説明したものと類似のやり方で組み立てられてもよい。いくつかの実施形態では、ひも1710は、履物製品1700を組み立てるために、部分1701〜1704の孔1711を介して縫製されてもよい。本実施形態では、ひも1710を使用して部分1701〜1704を組み立てる好ましい方法を説明したが、別の実施形態では、ひも1710により部分1701〜1704を組み立てる異なる方法を使用してもよい。この好ましい実施形態では、第1の事前に切断された部分1701および第2の事前に切断された部分1702が、図10の説明で言及したように、孔1711を介してひも1710を縫製することにより、ソール部分1703に固定されてもよい。
【0094】
つま先領域は、部分1701〜1704で形成されていることが好ましい。ある場合、第1および第2の事前に切断された部分1701および1702の前端1725にある第1の孔のセット1720が、前フラップ1713の第2の孔のセット1721に縫製されてもよい。また、前フラップ1713の第3の孔のセット1722が、第3の事前に切断された部分1704の第4の孔のセット1723に縫製されてもよい。この構成で、前端1725のつま先領域が、部分1701〜1704から形成されることが好ましい。
【0095】
好ましくは、かかと領域は、部分1701〜1703で形成されていてもよい。ある場合、第1の事前に切断された部分1701および第2の事前に切断された部分1702は、後端1735に第5の孔のセット1731を含んでいてもよい。くわえて、後フラップ1714は、第6の孔のセット1732を含んでいてもよい。事前に切断された部分1701および1702の第5の孔のセット1731は、後フラップ1714の第6の孔のセット1732に、ひも1710により縫製されてもよい。この構成を使用し、かかと領域を履物製品1700の後端1735に形成してもよい。
【0096】
上記実施形態で説明したように、顧客は、部品のキットに含まれている指示のセットに従って、部分1701〜1704を互いに縫製してもよい。一般に、部分1701〜1704相互の取り付けを達成するために、どのような種類の縫製を使用してもよい。他の実施形態では、部分1701〜1704は、事前に形成された孔を含んでいなくてもよい。代わりに、事前に切断された部分1701〜1704は、部分1701〜1704を貫通することのできる細身のひもを使用して、互いに縫製されてもよい。この代替的な実施形態により、縫製技術の多様性を向上させることができ、これはある顧客に訴える可能性がある。
【0097】
図19および図20は、組み立てられた履物製品1900の好ましい実施形態の模式図である。この実施形態では、第1の事前に切断された部分1901が、ひも1910を使用して、ソール部分1903に取り付けられている。特に、ひも1910は、ソール部分1903の側方フラップ1915を介して縫製されていることが好ましい。くわえて、ひも1910は、前フラップ1913および後フラップ1914を介して縫製されていてもよい。本実施形態では、フラップ1913および1914は、履物製品1900の内側に配置されている。しかし、別の実施形態では、フラップ1913および1914は、履物製品1900の外側に配置されていてもよい。フラップ1913〜1915を介してひも1910を縫製することにより、ソール部分1903が、他の事前に切断された部分にしっかりと固定されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、履物製品は、足の快適性を向上させ、かつ、製品の内部とのぶつかりまたはこすれを防ぐための備えを含んでいてもよい。ある場合、履物製品1900はライナー(裏地)を含んでいてもよい。図20に示す好ましい実施形態では、ライナー1920が、ソール部分1903の上に取り付けられ、第1の事前に切断された部分1901および第2の事前に切断された部分1902の一部を覆っている。例示のために、本実施形態において、ライナー1920の厚みは誇張されている。他の実施形態では、ライナー1920の厚みは、履物製品1900に関連付けられた事前に切断された部分の厚みよりも少なくされていてもよい。この構成により、ライナー1920が、履物製品1900内で足の底が収まることになる領域を覆うことが好ましい。連続した滑らかな表面を設けることで、ライナー1920は、部分1901〜1903が互いに縫製されている部分に足の底がこすれる問題を防ぐことができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、ライナー1920は、使い捨ての靴ライナーであってもよい。他の実施形態では、ライナー1920は、恒久的だが取り外し可能な靴ライナーであってもよい。この好ましい実施形態では、ライナー1920は、熱可塑性ポリマーで形成された恒久的な靴ライナーであってもよい。一般に、ライナー1920は、適切な材料であればどのようなもので形成されていてもよい。
【0100】
全体として、履物製品に関連付けられ、上記実施形態で説明したさまざまな構成要素は、部品のキットに含まれていてもよく、または別に購入されてもよい。例えば、1足の履物製品を小売業者から初めて購入する際、顧客は、ライナーまたはひも留めなどの追加の構成要素を選んでもよい。この場合、選択された追加の構成要素は、1足の履物製品の組み立て用に、部品のキットに含まれていてもよい。他の場合、顧客は、最初の購入のあとの時点で、1足の自己組み立てされる履物製品用に、波状のひもまたはミッドソールなどの追加の構成要素を購入することを選んでもよい。
【0101】
したがって、本発明のさまざまな実施形態により、顧客は、デザインを特注することができ、かつ、1足の自己組み立てされる履物製品用のサポートの種類を選ぶことができる。顧客は、快適性を向上させ支持を追加するために、ライナーもしくはミッドソールまたは両方をソール部分に追加してもよい。くわえて、自己組み立てされる履物製品は、着用者のために牽引力を向上させるソール部分を含んでいてもよい。このように、本発明は、顧客が、自己組み立てされる履物製品を特注およびデザインし、関連する構成要素を選択できるようにすることにより、特注の体験を提供する。
【0102】
本発明のさまざまな実施形態を説明したが、この説明は限定ではなく例示を意図しており、本発明の範囲内で、より多くの実施形態および実施態様が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物に照らす場合を除いて、本発明は限定されない。また、さまざまな修正および変更を、添付の特許請求の範囲内で行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品を特注する方法であって、
履物表示をデザインするためのグラフィカルインターフェースシステムを提供するステップと、
特注のデザインを有する履物表示を含むデザインを受け取るステップと、
前記履物表示に従って、特注のデザインを事前に切断された部分に付与するステップと、
前記事前に切断された部分、ひも、および前記履物製品を組み立てるための指示のセットを含むキットを提供するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記グラフィカルインターフェースシステムが遠隔の端末上で提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィカルインターフェースシステムが、小売店またはキオスクのコンピュータ上で提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記特注のデザインが、前記事前に切断された部分にデジタル式に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特注のデザインが、前記事前に切断された部分に縫製される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
特注のデザインを含む第1の事前に切断された部分、および第2の事前に切断された部分と、
ひもと、
指示のセットとを含み、
組み立てられた履物製品を前記指示のセットに従って形成するために、前記第1の事前に切断された部分、および前記第2の事前に切断された部分は、前記ひもを使用して取り付けることができ、前記ひもは、前記組み立てられた履物製品を調整可能に固定するために使用され得る、部品のキット。
【請求項7】
4つの事前に切断された部分を含んでいる、請求項6に記載の部品のキット。
【請求項8】
外側の側方部分を含んでいる、請求項7に記載の部品のキット。
【請求項9】
内側の側方部分を含んでいる、請求項7に記載の部品のキット。
【請求項10】
底部分を含んでいる、請求項7に記載の部品のキット。
【請求項11】
ベロ部分を含んでいる、請求項7に記載の部品のキット。
【請求項12】
前記ひもが、開いた位置と閉じた位置との間で、前記組み立てられた履物製品を調整可能に締め付けるために使用される第1の端部および第2の端部を含んでいる、請求項6に記載の部品のキット。
【請求項13】
前記ひもが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された中間部分を含み、前記中間部分は、前記第1の事前に切断された部分を前記第2の事前に切断された部分に取り付けるために使用される、請求項12に記載の部品のキット。
【請求項14】
前記第2の事前に切断された部分が、特注のデザインを含んでいる、請求項6に記載の部品のキット。
【請求項15】
第1の事前に切断された部分、および第2の事前に切断された部分と、
第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された中間部分を含むひもとを含み、
前記中間部分は、前記第1の事前に切断された部分を前記第2の事前に切断された部分に取り付けるために使用され、
前記第1の端部および前記第2の端部は、開いた位置と閉じた位置との間で、前記履物製品を調整可能に締め付けるために使用される、履物製品。
【請求項16】
前記第1の端部、および前記第2の端部は、ひも孔のセットと関連付けられている、請求項15に記載の履物製品。
【請求項17】
前記ひも孔は、当該履物製品のつま先部分上に配置されている、請求項16に記載の履物製品。
【請求項18】
前記第1の事前に切断された部分および前記第2の事前に切断された部分の周縁部が、孔を含んでいる、請求項15に記載の履物製品。
【請求項19】
前記中間部分が、前記孔を通って配置されている、請求項18に記載の履物製品。
【請求項20】
前記第1の事前に切断された部分は、前記中間部分を使用して、前記第2の事前に切断された部分に縫製されている、請求項19に記載の履物製品。
【請求項21】
事前に切断された部分、および少なくとも1つのフラップを含むソール部分と、
第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された中間部分を含むひもとを含み、
前記中間部分は、前記第1の事前に切断された部分を前記ソール部分に取り付けるために使用され、
前記ひもが、前記少なくとも1つのフラップの少なくとも1つの孔を通って配置されている、履物製品。
【請求項22】
前記ソール部分が側方フラップを含んでいる、請求項21に記載の履物製品。
【請求項23】
前記ソール部分が、前フラップおよび後フラップを含んでいる、請求項21に記載の履物製品。
【請求項24】
前記ひもが、前記第1の端部がひも孔から抜けるのを防ぐように構成されたひも留めに関連付けられている、請求項21に記載の履物製品。
【請求項25】
前記ソール部分の上方にライナーが配置されている、請求項21に記載の履物製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2011−502841(P2011−502841A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534134(P2010−534134)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/083183
【国際公開番号】WO2009/064756
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(592228398)ナイキ・インコーポレーテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】Nike Inc
【Fターム(参考)】