説明

生体情報測定装置、生体情報測定方法

【課題】生体情報測定装置における情報の送受信に要する消費電力を削減できる生体情報測定装置、生体情報測定方法を提供することを目的としている。
【解決手段】生体情報を計測する計測装置と、計測装置が送信する生体情報を示す第1情報を受信する第1周波数と、受信した第1情報に基づき生成した第2情報を送信する周波数であって第1周波数より高い周波数である第2周波数とを切り替える表示装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定装置、生体情報測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報測定装置は、例えば生体情報を計測する計測部と、計測部で計測された計測結果を表示する表示部と、計測結果を集計及び管理するデータ管理部から構成されている。このような生体情報測定装置では、計測部で測定した情報が、表示部へ送信され、さらに表示部が受信した情報がデータ管理部へ送信される。計測部から表示部への情報の送信及び表示部からデータ管理部への情報の送信は、2.4[GHz]帯の電波を用いた通信を利用して行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−264247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術において、表示部は、情報の送受信を2.4[GHz]を利用して行っていたため、通信に要する消費電力が大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、生体情報測定装置における情報の送受信に要する消費電力を削減できる生体情報測定装置、生体情報測定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る生体情報測定装置は、生体情報を計測する計測装置と、前記計測装置が送信する前記生体情報を示す第1情報を受信する第1周波数と、受信した前記第1情報に基づき生成した第2情報を送信する周波数であって前記第1周波数より高い周波数である第2周波数とを切り替える表示装置と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、上記生体情報測定装置において、前記第1周波数は、法定無線通信周波数より低い周波数であり、前記第2周波数は、小電力無線通信で用いられている周波数であるようにしてもよい。
【0008】
また、上記生体情報測定装置において、前記第1情報は、前記生体情報を示す信号に同期して、前記第1周波数で変換された情報であるようにしてもよい。
【0009】
また、上記生体情報測定装置において、前記第1情報は、心拍数を示す情報、表面筋電図検査による筋活動を示す情報の少なくとも1つを含む情報であり、前記第2情報は、前記第1情報に基づき生成された心拍数または筋の活動を示す情報であるようにしてもよい。
【0010】
また、上記生体情報測定装置において、前記表示装置は、計測スイッチ、を備え、前記計測スイッチが押された際に、前記第1情報の受信を開始し、前記第1情報を受信開始後に前記計測スイッチが押された際に前記第1情報の受信を停止するようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、生体情報測定装置における生体情報測定方法であって、計測装置が、生体情報を計測する計時手順と、表示装置が、前記計測装置が送信する前記生体情報を示す第1情報を受信する第1周波数と、受信した前記第1情報に基づき生成した第2情報を送信する周波数であって前記第1周波数より高い周波数である第2周波数とを切り替える表示手順と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、計測装置が測定した生体情報を示す第1情報を受信する周波数を、受信した第1情報に基づく第2情報を送信する周波数より低い周波を用いるようにしたので、生体情報測定装置における情報の送受信に要する消費電力を削減できる生体情報測定装置、生体情報測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る生体情報測定装置の概略構成を説明する図である。
【図2】本実施形態に係る計測装置のブロック図である。
【図3】本実施形態に係る表示装置のブロック図である。
【図4】本実施形態に係るデータ管理装置のブロック図である。
【図5】本実施形態に係る生体情報測定装置の処理の一例のシーケンス図である。
【図6】本実施形態に係る本実施形態に係る計測装置の各部の波形を示す図である。
【図7】図6の時刻t1から時刻t30の期間を拡大した図である。
【図8】本実施形態に係る表示装置の各部の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面用いて本発明について詳細に説明する。なお、本発明は係る実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る生体情報測定装置1の概略構成を説明する図である。
図1に示すように、生体情報測定装置1は、計測装置10、表示装置20、及びデータ管理装置30を備えている。計測装置10は、ストラップ11、電極12、及び制御部13を備えている。表示装置20は、ベルト21、及び表示制御部22を備えている。
【0016】
計測装置10のストラップ11は、被験者の胸部に計測装置10を留め付ける。ストラップ11には、2つの電極12が制御部13を挟んで取り付けられている。
計測装置10は、生体情報を計測する。なお、生体情報とは、心拍数を示す情報(以下、心拍数情報という)、心筋活動を示す情報等である。また、生体情報は、筋活動から求めた情報であってもよい。
表示装置20のベルト21は、被験者の手首に表示装置20を留め付ける。ベルト21には、表示制御部22が取り付けられている。
表示装置20は、計測装置10が送信する生体情報を示す第1情報を受信する第1周波数と、受信した第1情報に基づき生成した第2情報を送信する周波数であって第1周波数より低い周波数である第2周波数とを切り替える。
【0017】
次に、計測装置10の構成について、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る計測装置のブロック図である。図2に示すように、計測装置10の制御部13には、2つの電極12(12−1、及び12−2)が接続されている。制御部13は、心拍信号検出回路101、送信回路制御部102、アンテナ駆動回路103、アンテナ104、及び電源部105を備えている。
【0018】
計測装置10の電極12(12−1、及び12−2)は、心筋活動による電位を検出し、検出した電位を制御部13の心拍信号検出回路101に出力する。2つの電極12が検出した電位は、心拍信号検出回路101により心筋活動を示す信号の生成に使用される。そして、心筋活動を示す信号は、心筋活動を示す信号の周期を算出することで心拍数を表示装置20が算出するために用いられる。
【0019】
心拍信号検出回路101は、電極12−1と電極12−2が出力した電位差に基づいて心拍のタイミングを示す信号aを生成し、生成した信号aを送信回路制御部102に出力する。
【0020】
送信回路制御部102は、心拍信号検出回路101が出力した信号aに基づく信号bを生成し、生成した信号bをアンテナ駆動回路103に出力する。
【0021】
アンテナ駆動回路103は、送信回路制御部102が出力した信号bを、バースト状の信号に変換し、変換した信号cを、アンテナ104を介して送信する。具体的には、アンテナ駆動回路103は、信号cを例えば5[kHz](第1周波数)で、アンテナ104を介して送信する。
電源部105は、心拍信号検出回路101、送信回路制御部102、及びアンテナ駆動回路103に電力を供給する。
すなわち、計測装置10は、生体情報(第1情報)を、第1周波数で送信する。
【0022】
次に、表示装置20の構成について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係る表示装置20のブロック図である。図3に示すように、表示装置20の表示制御部22は、アンテナ201、受信回路202、演算部203、入力部204、表示部205、データ記憶部206、近距離通信制御部207、アンテナ208、及び電源部209を備えている。
【0023】
受信回路202は、アンテナ201を介して計測装置10が送信した信号dを受信する。受信回路202は、受信した信号dを波形整形し、波形整形した信号eを演算部203に出力する。
【0024】
演算部203は、受信回路202が出力した信号eに基づいて、1分間毎の心拍数を算出し、算出した心拍数情報を表示部205に表示する。また、演算部203は、算出した心拍数情報と、心拍数を算出した日時を示す情報とを関連付けてデータ記憶部206に記憶する。演算部203は、近距離通信制御部207がデータ管理装置30との通信が確立あれたことを検出した後、データ記憶部206に記憶されている第2情報を読み出し、読み出した第2情報を近距離通信制御部207に出力する。
【0025】
入力部204は、図示しない計測スイッチ等を備えている。表示部205がタッチパネルの場合、表示部205が入力部204を兼ね備えるようにしてもよい。
表示部205は、例えば液晶パネルまたは有機EL(エレクトロルミネセンス)パネル等である。
データ記憶部206には、心拍数情報と、心拍数を算出した日時を示す情報が関連付けられて記憶されている。
【0026】
近距離通信制御部207は、アンテナを介して表示装置20がデータ管理装置30のデータ送受信部301の上に置かれたことを検出する。表示装置20がデータ送受信部301の上に置かれたこと検出した場合、近距離通信制御部207は、演算部203に検出結果を出力する。
近距離通信制御部207は、演算部203が出力した第2情報を、予め定められている通信規格のフォーマットに変換し、変換した情報を、アンテナ208を介して送信する。送信される情報は、例えば、心拍数及び心拍数を算出した日時を示すテキストデータである。
なお、近距離通信制御部207は、NFC(Near Field Communication)の小電力無線通信規格を用いてデータ管理装置30との通信を行う。近距離通信制御部207は、例えば13.56[MHz]の搬送周波数(第2周波数)を用いる。
【0027】
電源部209は、受信回路202、演算部203、入力部204、表示部205、データ記憶部206、及び近距離通信制御部207に、電力を供給する。
【0028】
次に、データ管理装置30の構成について、図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係るデータ管理装置のブロック図である。
図4に示すように、データ管理装置30は、データ送受信部301及びデータ管理制御部302を備える。データ送受信部301は、アンテナ311及び近距離通信制御部312を備える。
【0029】
データ管理装置30は、表示装置20と情報の送受信を行い、送受信した情報を管理する。
データ送受信部301の近距離通信制御部312は、アンテナ311を介して表示装置20と、NFCの小電力無線通信規格の通信により情報の送受信を行う。近距離通信制御部312は、送受信した情報をデータ管理制御部302に出力する。
データ管理制御部302は、近距離通信制御部312が出力した情報を受け取り、受け取った情報を記憶部に記憶させる。データ管理制御部302は、記憶部に記憶されている情報に基づき、利用者からの指示に応じて週毎、月毎等の心拍数情報を表示部に表示する。なお、データ管理制御部302は、パソコン、ディスプレイ、プリンタ等から構成されるようにしてもよい。
【0030】
次に、生体情報測定装置の処理手順の一例を、図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る生体情報測定装置の処理の一例のシーケンス図である。
【0031】
(ステップS1)利用者は、計測装置10を身体に装着し、計測装置10の制御部13が備えている電源スイッチ(図示せず)をオン状態にして計測を開始する。例えば、利用者が運動を行う前に、計測装置10を装着して、電源をオン状態にして測定を開始する。
【0032】
(ステップS2)計測装置10は、計測した心拍情報に基づく信号cの送信を開始する。以後、計測装置10は、電極12間の電位差が検出されたタイミングで、信号cの送信を行う。なお、この送信は、利用者により制御部13の電源スイッチが押されて測定が終了させられるまで行う。
(ステップS3)表示装置20の受信回路202は、入力部204の計測スイッチが押されたとき、アンテナ201を介して、計測装置10が送信した信号cの受信を開始する。
以後、表示装置20は、計測装置10が送信した信号の受信を行う。この受信は、入力部204の計測スイッチが押されるまで継続する。例えば、利用者が運動を行っている間、表示装置20は、計測装置10が測定した信号の受信を継続する。また、表示装置20の演算部203は、受信回路202が出力した信号eに基づいて、例えば、1分間の心拍数を1分毎に算出する。演算部203は、算出した時刻を測定した時刻とし、測定時刻と算出した心拍数情報とを関連付けてデータ記憶部206に記憶する。
(ステップS4)表示装置20は、入力部204の計測スイッチが押されたとき、計測装置10が送信した信号の受信を終了する。
【0033】
(ステップS5)利用者は、計測装置10の制御部13が備えている電源スイッチをオフ状態にする。
(ステップS6)計測装置10は、電源スイッチが押されたことを検出し、検出した結果に応じて計測を終了する。例えば、利用者は、運動を終了した後、制御部13が備えている電源スイッチをオフ状態にして、測定を終了する。
【0034】
(ステップS7)利用者は、測定した情報をデータ管理装置30に送信するためにデータ管理装置30のデータ送受信部301の上に表示装置20を置く。
(ステップS8)データ管理装置30は、データ送受信部301の上に表示装置20が置かれたことを検出する。検出した結果に基づき、データ管理装置30は、表示装置20との通信を確立する。
【0035】
(ステップS9)表示装置20の近距離通信制御部207は、演算部203がデータ記憶部206から読み出した時間毎の心拍数情報(第2情報)を、アンテナ208を介してデータ管理装置30に送信を開始する。
(ステップS10)データ管理装置30の近距離通信制御部312は、アンテナ311を介して表示装置20が送信した第2情報を受信する。
【0036】
(ステップS11)利用者は、第2情報の送信が完了した後、データ管理装置30のデータ送受信部301の上から表示装置20を外す。表示装置20から第2情報の送信の完了は、例えば、第2情報の受信が完了したことを示す情報をデータ管理装置30から表示装置20に送信する。そして、表示装置20は、このデータ管理装置30から受信した第2情報の受信が完了したことを示す情報に基づき、第2情報の送信が完了したことを表示装置20の表示部に表示する。利用者は、この表示を確認することで、第2情報の送信が完了したことを確認するようにしてもよい。
【0037】
(ステップS12)データ管理装置30は、データ送受信部301の上から表示装置20が外されたことを検出し、検出した結果に基づいて、表示装置との通信を解除する。
以上で、生体情報測定装置の処理を終了する。
【0038】
次に、計測装置10から表示装置20への信号の送信について、図2、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る計測装置10の各部の波形を示す図である。図7は、図6の時刻t1から時刻t30の期間を拡大した図である。図7は、本実施形態に係る表示装置20の各部の波形を示す図である。
図6及び図7において、横軸は時間であり、縦軸は各波形のレベルである。また、図5において、波形g101は、心拍信号検出回路101が出力した信号aの波形である。波形g102は、送信回路制御部102が出力した信号bの波形であり、波形g103は、アンテナ駆動回路103が出力した信号cの波形である。
図6において、横軸は時間であり、縦軸は各波形のレベルである。また、波形g102は、送信回路制御部102が出力した信号bの波形であり、波形g103は、アンテナ駆動回路103が出力した信号cの波形である。
【0039】
心拍信号検出回路101は、図6に示すように、2つの電極12−1と12−2との電位差が予め定められているしきい値より大きいことを検出した時刻t1からt30の期間(T1)、ハイレベルの信号aを生成する。また、心拍信号検出回路101は、2つの電極12−1と12−2との電位差が予め定められているしきい値より小さいことを検出した期間(時刻t30からt40)、ローレベルの信号aを生成する。心拍信号検出回路101は、生成した信号a(波形g101)を送信回路制御部102に出力する。
【0040】
次に、送信回路制御部102は、心拍信号検出回路101が出力した信号a(波形g101)の立ち上がりのタイミングで、期間T1の間、周期T2(時刻t10−t1)の信号bを生成する。送信回路制御部102は、生成した信号bをアンテナ駆動回路103に出力する。図5に示すように、波形g102は、時刻t1からt3の期間(T3)がハイレベルであり、時刻t3からt10の期間(T4)がローレベルである。
【0041】
次に、図6及び図7に示すように、アンテナ駆動回路103は、送信回路制御部102が出力した信号b(波形g102)の立ち上がりのタイミング(時刻t1)で、波形g103の周期T3、信号振幅L1の波形g103を生成する。
次に、アンテナ駆動回路103は、送信回路制御部102が出力した信号b(波形g102)の立ち下がりのタイミング(時刻t3)で、波形の生成を停止する。従って、波形g103において、時刻t3からt5の期間の波形、及び時刻t5からt10の波形は、時刻t1からt3の期間の波形が伝送路内で減衰しながら保たれている。このように、アンテナ駆動回路103が時刻t1からt3の期間のみ波形を生成するようにしたため、表示装置20の消費電力がさらに削減できる。
アンテナ駆動回路103は、このように生成した信号c(波形g103)を、アンテナ104を介して送信する。
【0042】
図7に示すように、周期T1の期間に、波形g103は、周期T3の第1から第3の3つの信号を含んでいる。第1の信号は、時刻t1からt3の期間、信号振幅がL1の信号である。第2の信号は、時刻t3からt5の期間、信号振幅がL2の信号である。第3の信号は、時刻t5からt10の期間、信号振幅がL3の信号である。
なお、信号振幅L1は、信号振幅L2及びL3より大きい。信号振幅L2は、信号振幅L3より大きく、信号振幅L1より小さい。信号振幅L3は、信号振幅L1及びL2より小さい。なお、この周期T3は、計測装置10から表示装置20への搬送波周波数であり、例えば5[kHz]である。
【0043】
次に、表示装置20の送受信処理の一例について、図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態に係る表示装置20の各部の波形を示す図である。図8において、横軸は時間であり、縦軸は各波形のレベルである。また、波形g201は、受信回路202へ入力される信号dの波形であり、波形g202は、受信回路202が出力した信号eの波形である。
【0044】
受信回路202は、入力部204の計測スイッチが押されたとき、アンテナ201を介して、計測装置10が送信した信号の受信を開始する。受信回路202は、受信した信号d(波形g201)の絶対値が、予め定められているしきい値より大きい期間(時刻t101からt102)、ハイレベルの信号eを生成する。また、受信回路202は、受信した信号d(波形g201)の絶対値が、予め定められているしきい値より小さい期間(時刻t102からt103)、ローレベルの信号eを生成する。受信回路202は、生成した信号eを演算部203に出力する。
【0045】
図8に示すように、受信回路202が生成した信号d(波形g202)は、図6に示した信号a(波形g101)と同等である。
また、図8に示すように、波形g202は、時刻t101からt102の期間、ハイレベルであり、時刻t102から時刻t103の期間、ローレベルである。
【0046】
演算部203は、受信回路202が出力した信号eの立ち上がり(時刻t101)と、立ち上がり(時刻t103)の期間を内部のカウンタを用いてカウントする。演算部203は、カウントした値に基づき、例えば1分間の心拍数を算出する。演算部203は、算出した心拍数情報を表示部205に表示し、さらにデータ記憶部206に記憶する。
利用者は、心拍数が表示部205に表示された後、入力部204の計測スイッチを押す。演算部203は、計測スイッチが押されたことを検出し、検出した結果に応じて計測装置10が送信した信号の受信を終了する。
【0047】
以上のように、計測装置10は、測定した生体情報を示す第1情報を受信する周波数を、受信した第1情報に基づく第2情報を送信する周波数より低い周波を用いるようにしたので、情報の送信に要する消費電力を削減できる。また、表示装置20は、計測装置10から第1情報を第1周波数で受信し、データ管理装置30に第2情報を第2周波数に切り替えて送信するようにしたので、情報の送受信に要する消費電力を削減できる。
また、計測装置10と表示装置20との通信に5[KHz]の周波数を用いたので、この周波数に関しての認可が不要である。
【0048】
さらに、表示装置20とデータ管理装置30との通信は、小電力無線通信規格による通信を行うようにしたので、情報の送受信時に表示装置20とデータ管理装置30を近接できるため、外来ノイズの影響を受けにくい効果がある。また、従来のように、2.4[GHz]帯の無線規格で通信を行う場合に必要だったペアリングや暗号化等が不要になるため、表示装置20の構成を簡素化ができる。また、表示装置20とデータ管理装置30との通信は、小電力無線通信規格による通信を行うようにしたので、表示装置20は、データ管理装置30のデータ送受信部301の上に置かれるまでデータ管理装置30との情報の送送受信を行っていない。この結果、情報の送受信を行っていない時の消費電力を削減できる。
【0049】
なお、本実施形態では、計測装置10が表示装置20に送信する周波数の例として5[KHz]の例を説明したが、法定無線通信周波数である10[kHz]より低い周波数を用いるようにしてもよい。なお、法定無線通信周波数とは、認可が必要な周波数帯である。
【0050】
なお、本実施形態では、演算部203が、心拍数情報と、心拍数情報を算出した日時とを関連付けてデータ記憶部206に記憶する例を説明したが、心拍数情報を検出した日時を関連付けて記憶させるようにしてもよい。
【0051】
なお、本実施形態では、図7に示したように、計測装置10から表示装置20に送信する信号c(波形g103)は、時刻t1からt3までの振幅L1の波形のみ生成し、他の振幅L2とL3については、伝送路内で減衰されない信号を用いる例を説明したが、これに限られない。図7において、アンテナ駆動回路103が生成する周波数及び振幅L1に応じて、時刻t1からt10の期間(T2)内の波形は2周期分であっても3周期以上であってもよい。また、このアンテナ駆動回路103が生成する周波数及び振幅L1に応じて、送信回路制御部102が生成する信号bの期間T2を調整するようにしてもよい。例えば、信号c(波形g103)の振幅L1の減衰率が低いように表示装置20を設計した場合、期間T1内において、送信回路制御部102は、時刻t1からt3の期間のみハイレベルの信号を生成するようにしてもよい。そして、アンテナ駆動回路103は、このように送信回路制御部102が生成したハイレベルの信号のタイミングで振幅L1の信号のみを生成し、時刻t3からt30の期間、この振幅L1の減衰信号のみを用いるようにしてもよい。
【0052】
また、本実施形態における表示装置20の機能を腕時計が備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1・・・生体情報測定装置、10・・・計測装置、11・・・ストラップ、12・・・電極、13・・・制御部、20・・・表示装置、21・・・ベルト、22・・・表示制御部、30・・・データ管理装置、101・・・心拍信号検出回路、102・・・送信回路制御部、103・・・アンテナ駆動回路、104、201、208・・・アンテナ、105、209・・電源部、202・・・受信回路、203・・・演算部、204・・・入力部、205・・・表示部、206・・・データ記憶部、207・・・近距離通信制御部、301・・・データ送受信部、302・・・データ管理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を計測する計測装置と、
前記計測装置が送信する前記生体情報を示す第1情報を受信する第1周波数と、受信した前記第1情報に基づき生成した第2情報を送信する周波数であって前記第1周波数より高い周波数である第2周波数とを切り替える表示装置と、
を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
前記第1周波数は、
法定無線通信周波数より低い周波数であり、
前記第2周波数は、
小電力無線通信で用いられている周波数である
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記第1情報は、
前記生体情報を示す信号に同期して、前記第1周波数で変換された情報である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記第1情報は、
心拍数を示す情報、表面筋電図検査による筋活動を示す情報の少なくとも1つを含む情報であり、
前記第2情報は、
前記第1情報に基づき生成された心拍数または筋の活動を示す情報である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記表示装置は、
計測スイッチ、
を備え、
前記計測スイッチが押された際に、前記第1情報の受信を開始し、前記第1情報を受信開始後に前記計測スイッチが押された際に前記第1情報の受信を停止する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
生体情報測定装置における生体情報測定方法であって、
計測装置が、生体情報を計測する計時手順と、
表示装置が、前記計測装置が送信する前記生体情報を示す第1情報を受信する第1周波数と、受信した前記第1情報に基づき生成した第2情報を送信する周波数であって前記第1周波数より高い周波数である第2周波数とを切り替える表示手順と、
を含むことを特徴とする生体情報測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106801(P2013−106801A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254287(P2011−254287)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)