説明

用紙処理装置及び画像形成装置

【課題】簡単な構成で用紙サイズによらず用紙の所定位置に所定の処理を施すことができる用紙処理装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙に対して画像形成を行う画像形成手段により画像が形成された用紙を積載収容する用紙積載収容手段と、画像形成手段から用紙積載収容手段までの用紙搬送経路中に設けられ、用紙の用紙搬送方向と平行な辺の縁部に所定の処理を施す用紙処理手段と、画像形成手段から用紙処理手段に用紙を搬送する第1搬送手段と、用紙処理手段から用紙積載収容手段に用紙を搬送する第2搬送手段とを備え、画像形成手段から用紙処理手段への用紙搬送方向と直交する方向に、用紙処理手段に対して用紙積載収容手段が位置する用紙処理装置において、第1搬送手段は前記直交する方向に延びる回転軸を中心に回転可能な第1搬送ローラを有し、前記直交する方向に第1搬送ローラを変位させる第1変位手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に所定の後処理を施す用紙処理装置、及び、その用紙処理装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、用紙に所定の後処理を施す用紙処理装置を内部に備えた画像形成装置が知られており、用紙処理装置を画像形成装置の外部に別体で設ける場合よりも、装置全体の設置スペースを小さくすることができる。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置には、画像形成部から排紙トレイまでの装置幅方向に延びる用紙搬送経路中に、綴じ手段であるスティプラと穿孔手段であるパンチとの少なくとも一方を有する用紙処理装置が設けられている。用紙処理装置と排紙トレイとは、装置幅方向で直列に並べて設けられており、画像形成部で画像が形成された用紙に対して綴じ処理や穿孔処理などを行った後、排紙トレイに用紙を排紙して積載収容する。また、用紙搬送方向に沿ってスティプラやパンチを設けており、搬送手段によって用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を画像形成部から用紙処理装置に搬送して、用紙の長辺縁部に綴じ処理や穿孔処理を行う。
【0004】
ところが、後処理の対象となる最大サイズの用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送するためには、用紙搬送経路の用紙搬送方向と直交する方向の幅が少なくとも前記最大サイズの用紙の長辺と同じ長さ必要となり、画像形成装置の大型化を招いてしまう。
【0005】
一方、特許文献2には画像形成装置の外部に別体で設けられ、画像形成装置から用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で搬送された用紙を受け入れ、その受け入れた用紙に対してスティプラにより綴じ処理を施す用紙処理装置が開示されている。この用紙処理装置では、用紙搬送方向に沿ってスティプラを設けており、用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で搬送された用紙の長辺縁部に綴じ処理が施される。また、スティプラと排紙トレイとは装置幅方向に直列で並べて設けられており、綴じ処理が施された用紙を用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で搬送して排紙トレイに排紙している。
【0006】
このように、用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送することで、用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する場合よりも、用紙搬送経路の用紙搬送方向と直交する方向の幅を狭くすることができ、その分、装置の小型化を図ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載の用紙処理装置のように、用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送して排紙トレイに排紙する構成では、排紙トレイの用紙搬送方向の幅が少なくとも前記長辺と同じ長さだけ必要となる。一方、特許文献1に記載の画像形成装置のように、用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送して排紙トレイに排紙する構成では、排紙トレイの用紙搬送方向の幅が少なくとも前記短辺と同じ長さだけあれば良い。そのため、用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送して排紙トレイに排紙する構成のほうが、用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送して排紙トレイに排紙する構成よりも、排紙トレイの用紙搬送方向の幅が大きくなる分、装置が大型化するといった問題が生じる。
【0008】
そのため、本願出願人は特願2011−225539号において次のような画像形成装置を提案した。すなわち、画像形成手段から用紙処理手段までは第1搬送手段により用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送し、用紙処理手段によって用紙の長辺縁部に所定の処理を施す。これにより、用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する場合よりも画像形成手段から用紙処理手段までの用紙搬送経路の用紙搬送方向と直交する方向の幅を狭くすることができる。また、用紙処理手段から用紙積載収容手段までは第2搬送手段により用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送するので、用紙積載収容手段の用紙搬送方向の幅は少なくとも用紙の短辺と同じ長さだけあれば良い。これにより、用紙処理手段から用紙積載収容手段まで用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する構成よりも、用紙積載収容手段の用紙搬送方向の幅を小さくすることができる。よって、画像形成手段から用紙積載収容手段まで用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する構成よりも、用紙積載収容手段の用紙搬送方向の幅を小さくすることができる分、装置の大型化を抑えることができる。
【0009】
ところで、第1搬送手段によって画像形成手段から用紙処理手段に用紙を受け入れる際に、用紙は用紙サイズに関係なく全て用紙幅方向中央を基準で搬送される。通常、用紙処理手段により所定の処理が施される用紙縁部の所定位置と用紙端面との間隔は用紙サイズによらず共通であるが、用紙サイズが大きいものと小さいものとでは用紙幅方向中央から幅方向端面までの用紙幅が異なる。そのため、用紙幅方向中央を基準で用紙を搬送すると用紙処理手段に対する用紙端面の位置が用紙サイズごとで異なるため、用紙縁部の所定位置に所定の処理を施すことができなくなる。そのため、用紙縁部の所定の位置に用紙処理手段によって所定の処理が施されるよう用紙処理手段をスライド移動させることが考えられる。しなしながら、パンチやスティプラなどの複雑な機構を有する用紙処理手段をスライド移動可能に構成すると、その構成が大掛かりになってしまう。
【0010】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、簡単な構成で用紙サイズによらず用紙の所定位置に所定の処理を施すことができる用紙処理装置及びその用紙処理装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、用紙に対して画像形成を行う画像形成手段により画像が形成された用紙を積載収容する用紙積載収容手段と、前記画像形成手段から前記用紙積載収容手段までの用紙搬送経路中に設けられ、用紙の用紙搬送方向と平行な辺の縁部に所定の処理を施す用紙処理手段と、前記画像形成手段から前記用紙処理手段に用紙を搬送する第1搬送手段と、該用紙処理手段から前記用紙積載収容手段に用紙を搬送する第2搬送手段とを備え、前記画像形成手段から前記用紙処理手段への用紙搬送方向と直交する方向に、該用紙処理手段に対して前記用紙積載収容手段が位置する用紙処理装置において、前記第1搬送手段は前記直交する方向に延びる回転軸を中心に回転可能な第1搬送ローラを有し、前記直交する方向に前記第1搬送ローラを変位させる第1変位手段を備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、画像形成手段から用紙処理手段に用紙を搬送するときに、第1変位手段によって第1搬送ローラを前記直交する方向に変位させて、用紙を用紙処理手段に向かって斜め方向に移動させながら搬送することができる。これにより、用紙の用紙搬送方向と平行な辺の縁部を用紙処理手段側に移動させることができる。よって、簡単な構成で用紙サイズによらず、用紙処理手段によって前記縁部の所定位置に所定の処理を施すことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明によれば、簡単な構成で用紙サイズによらず用紙の所定位置に所定の処理を施すことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】(a)用紙後処理装置の図1におけるA−A断面図、(b)用紙後処理装置及びその近傍を上方から見た場合の模式図。
【図3】用紙後処理装置での用紙搬送方向の説明に用いる図。
【図4】(a)用紙後処理装置の図1におけるA−A断面図、(b)用紙後処理装置及びその近傍を上方から見た場合の模式図。
【図5】搬送ローラの駆動機構の模式図。
【図6】(a)用紙後処理装置の図1におけるA−A断面図、(b)用紙後処理装置及びその近傍を上方から見た場合の模式図。
【図7】直交ローラの駆動機構の模式図。
【図8】(a)用紙後処理装置の図1におけるA−A断面図、(b)用紙後処理装置及びその近傍を上方から見た場合の模式図。
【図9】直交方向Eについて用紙の穿孔処理基準位置への位置合わせが完了した状態を示す模式図。
【図10】用紙が搬送ローラから引き抜かれた状態を示す模式図。
【図11】搬送ローラのローラ対を離間し圧を解除する圧解除手段の概略構成図。
【図12】(a)直交ローラのニップに用紙を案内するガイド部材を設けた場合の用紙後処理装置の図1におけるA−A断面図、(b)直交ローラのニップに用紙を案内するガイド部材を設けた場合の用紙後処理装置及びその近傍を上方から見た場合の模式図。
【図13】ガイド部材を退避させる退避手段の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明を適用した実施形態に係る画像形成装置の概略構成図であり、シフト処理及びスティプル処理機能を備えた用紙後処理装置200を胴内に装備している。
【0016】
同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成装置本体100、用紙後処理装置200、及び、画像読取装置300から構成されている。
【0017】
画像形成装置本体100は、間接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置であり、図においてほぼ中央部に4色の作像ステーション111Y,111C,111M,111Bkが配置された画像形成部である作像部110、この作像部110の下方に隣接して設けられた光書き込み装置8、光書き込み装置8の下方に設けられた給紙部120、給紙部120でピックアップされた用紙Pを2次転写部140及び定着部150に搬送する給紙搬送路(縦搬送路)130、画像が定着された用紙Pを用紙後処理装置200側に搬送する排紙搬送路160、一面に画像が形成された用紙Pを反転し、他面に画像形成させるための両面搬送路170を備えている。
【0018】
作像部110は、作像ステーション111Y,111C,111M,111Bkの各色用の感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkと、この感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkの外周に沿って配置された帯電ユニット30Y,30C,30M,30Bk、現像ユニット50Y,50C,50M,50Bk、1次転写ユニット62Y,62C,62M,62Bk、クリーニングユニット40Y,40C,40M,40Bk、及び図示しない除電ユニットと、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに形成された画像を1次転写ユニット62Y,62C,62M,62Bkによって中間転写する中間転写ベルト112と、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに各色毎に画像を書き込む光書き込み装置8とを備えている。光書き込み装置8は、作像ステーション111の下方に配置され、中間転写ベルト112は作像ステーション111の上側に配置されている。また、作像部110の上方には現像ユニット50Y,50C,50M,50Bkに補給するためのトナーが収容されたトナー収容容器116Y,116C,116M,116Bkが交換可能に配置されている。
【0019】
中間転写ベルト112は複数の支持ローラによって回転可能に支持され、そのうちの1つの支持ローラ114は2次転写部140で中間転写ベルト112を介して2次転写ローラ115と対向し、中間転写ベルト112上の画像を用紙Pに2次転写できるようになっている。
【0020】
なお、間接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置の画像形成プロセスは公知であり、本発明の要旨とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0021】
給紙部120は給紙トレイ121、ピックアップローラ122、給紙搬送ローラ123を備え、給紙トレイ121からピックアップした用紙Pを給紙搬送路130に沿って上方に送り出す。
【0022】
送り出された用紙Pは2次転写部140で画像が転写され、定着部150に送られる。定着部150は定着ローラ150aと加圧ローラ150bとを備え、用紙Pが両者間のニップを通過する過程で、加熱及び加圧が行われ、トナーが用紙Pに定着される。
【0023】
定着部150の下流には、排紙搬送路160と両面搬送路170とが設けられ、両者は分岐爪161によって2方向に分岐し、用紙後処理装置200側に搬送される場合と、両面搬送路170に搬送される場合とで搬送路が選択される。
【0024】
なお、分岐爪161の用紙搬送方向上流側の直近には分岐搬送ローラ対162が設けられ、用紙Pへ搬送力を付与している。
【0025】
用紙後処理装置200は、画像形成装置本体100の内部に配置され、画像形成装置本体100から搬送された画像形成済み用紙Pに所定の処理を施し、最下流に位置する排紙トレイ260に積載するものである。
【0026】
画像読取装置300は、コンタクトガラス上にセットされた原稿を光走査して原稿面の画像を読み取る公知のものである。画像読取装置300自体の構成及び機能は公知であり、本発明の要旨とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0027】
このように構成された画像形成装置本体100では、画像読取装置300から読み取られた原稿データあるいは外部のPCなどから転送された印刷データに基づいて書き込みに使用する画像データを生成し、その画像データに基づいて光書き込み装置8から各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに対して光書き込みが行われ、各作像ステーション111Y,111C,111M,111Bkで各色毎に形成された画像が順次中間転写ベルト112に転写され、中間転写ベルト112上に4色の画像が重畳されたカラー画像が形成される。
【0028】
一方、給紙トレイ121からは前述した画像形成動作に応じて用紙Pが給送される。用紙Pは、2次転写部140の直前の図示しないレジストローラ位置で一旦停止し、中間転写ベルト112上の画像先端とタイミングを合わせて送り出され、2次転写部140で2次転写され、定着部150へと送り込まれる。
【0029】
定着部150で画像が定着された用紙Pは、片面印刷の場合及び両面印刷の両面印刷後の場合には、分岐爪161の切り替え動作により排紙搬送路160側へ搬送され、両面印刷の場合には両面搬送路170側へ搬送される。
【0030】
両面搬送路170に搬送された用紙Pは反転後再度、2次転写部140に送り込まれて、他側の面に画像が形成された後、排紙搬送路160側に返送される。
【0031】
排紙搬送路160側に搬送された用紙Pは、用紙後処理装置200に搬送され、用紙後処理装置200で所定の用紙処理を施し、あるいは、処理なしで排紙トレイ260に排紙される。
【0032】
[構成例1]
図2(a)は用紙後処理装置200の図1におけるA−A断面図であり、図2(b)は用紙後処理装置200及びその近傍を上方から見た場合の模式図である。図2に示すように、用紙後処理装置200には、用紙に穿孔処理を施すパンチ250や、用紙に綴じ処理を施すスティプラ240などが設けられている。そして、パンチ250が設けられた第1の処理部である第1の後処理ステージとしてのパンチステージで用紙に穿孔処理を施し、スティプラ240が設けられた第2の処理部である第2の後処理ステージとしてのスティプルステージで用紙束の綴じ処理を行う。また、スティプルステージは、機械の設置スペースを小さくするためにパンチステージと上下方向で積み重ねて配置されており、スティプラ240の上方にパンチ250が配置されている。このように、パンチ250とスティプラ240とを上下に配置することで、パンチ250とスティプラ240とを装置幅方向で直列に並べて配置した場合よりも、用紙後処理装置200ひいては画像形成装置の装置幅方向の大型化を抑えることができる。
【0033】
用紙後処理装置200は、用紙搬送方向上流側から入口ローラ201、排紙搬送路202、搬送ローラ203、スティプルトレイ221、後端基準フェンス224、ジョガーフェンス222、及び、排紙トレイ260などを備えている。
【0034】
すなわち、用紙後処理装置200の用紙受け入れ部には、画像形成装置本体100の排紙搬送路160から排紙搬送路202に用紙を受け入れる入口ローラ201や、受け入れた用紙を排紙搬送路202からパンチステージまで搬送する搬送ローラ203が設けられている。そして、不図示のステッピングモータである入口モータにより入口ローラ201及び搬送ローラ203を回転駆動させることによって排紙搬送路202に沿って用紙を搬送する。
【0035】
また、排紙搬送路202には不図示の入口センサが配置されており、この入口センサによって排紙搬送路202を通過する用紙の先端と後端の検知を行っている。そして、このように検知した用紙の先端と後端の検知タイミングと、入口モータの駆動のステップ数とにより、各用紙処理を行う際のタイミングをとっている。
【0036】
なお、排紙搬送路202に沿って設けられた入口ローラ201及び搬送ローラ203が用紙を搬送する搬送手段として機能する。
【0037】
次に、搬送ローラ203よりも用紙搬送方向下流側における用紙後処理装置200の構成配置について説明する。図3は用紙後処理装置200での用紙搬送方向の説明に用いる図である。画像形成装置本体100は、装置自体をコンパクトにするために、図3の図中矢印A方向のように用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送するSEF(Short Edge Feed)短手端面搬送にて用紙の搬送を行う。すなわち、給紙部120から作像部110などを通って用紙後処理装置200までは、用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で搬送手段たる給紙搬送ローラ123や分岐搬送ローラ対162などにより用紙を搬送する。これにより、給紙部120から作像部110などを通って用紙後処理装置200まで、用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する場合よりも、その区間での用紙搬送経路である給紙搬送路130や排紙搬送路160などの各搬送路の用紙搬送方向と直交する方向の幅を狭くすることができ、その分、画像形成装置の小型化を図ることできる。
【0038】
また、用紙後処理装置200では、図3のように画像形成装置本体100から用紙後処理装置200に用紙を搬送するときの用紙搬送方向と平行な用紙端部である用紙の長辺縁部に、パンチ孔位置Bやスティプル綴じ位置C等で後処理を施す。
【0039】
よって、用紙後処理装置200の搬送ローラ203よりも用紙搬送方向下流では、用紙の搬送方向を画像形成装置本体100から用紙後処理装置200に用紙を搬送するときの用紙搬送方向(図3中矢印D方向)に対して直交する方向(図3中矢印E方向)に切り替えて、用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙の搬送を行う。そして、最終的に排紙トレイ260に用紙を排紙して積載収容する。
【0040】
このように、用紙後処理装置200から排紙トレイ260までは用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送するので、排紙トレイ260の用紙搬送方向の幅は少なくとも用紙の短辺と同じ長さだけあれば良い。これにより、前述したように用紙の搬送方向を切り替えず、用紙後処理装置200から排紙トレイ260まで用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する構成よりも、排紙トレイ260の用紙搬送方向の幅を小さくすることができる。よって、給紙部120から作像部110を通って排紙トレイ260まで用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する構成よりも、排紙トレイ260の用紙搬送方向の幅を小さくすることができる分、装置の大型化を抑えることができる。
【0041】
図4を用いて用紙後処理装置200における、搬送ローラ203からパンチ250に用紙を受け渡すときの動作を説明する。図4(a)は用紙後処理装置200の図1におけるA−A断面図であり、図4(b)は用紙後処理装置200及びその近傍を上方から見た場合の模式図である。
【0042】
画像形成装置本体100から用紙後処理装置200に受け入れられた用紙は、入口ローラ201、搬送ローラ203を経てパンチステージ内に搬送される。このとき、用紙が入口ローラ201を抜けるタイミングに合わせて、用紙搬送方向と直交する方向でありパンチ250に向かう向きへの搬送ローラ203のシフト動作を開始する。
【0043】
図5に示すように搬送ローラ203は、図3に示した搬送方向Dへ用紙を搬送するように搬送ローラ203を回転させる入口モータ206と、搬送方向Dに対して直交する方向である直交方向Eに搬送ローラ203をシフト移動させるシフトモータ208とを駆動源に持つ。
【0044】
入口モータ206の回転は、駆動伝達手段207を介して搬送ローラ203に伝達され、用紙が搬送方向Dに搬送されるように搬送ローラ203を回転させる。
【0045】
シフトモータ208の回転は、カム209を回転し、カム209に立てたボス209aがリンク210を搬送ローラ203の軸線方向に押す。リンク210は搬送ローラ203と一体となって直交方向Eに移動するように構成されている。そのため、シフトモータ208の回転角度に応じて搬送ローラ203が直交方向Eにシフト移動する。
【0046】
また、入口モータ206とシフトモータ208とはステッピングモータであり、不図示の制御部より入力として与えられるパルス信号の周波数を変えることで、搬送ローラ203の搬送速度やシフト移動速度を変化させることができる。
【0047】
このように搬送ローラ203がシフト動作を行うことで、用紙は用紙搬送方向に搬送されながらパンチ250側に向かってシフトするため、用紙がパンチ250に向かって斜め方向Fに搬送される。そして、搬送ローラ203により用紙を搬送停止位置まで搬送することで、搬送ローラ203からパンチ250の用紙支持板252に用紙が受け渡される。
【0048】
パンチ250には、円筒状の刃材251が所定の間隔で2箇所に設けられている。これらは刃材251に上下方向に変位可能に設けられている。また、パンチ250の用紙支持板252には、刃材251との対向位置に刃材251の直径と略同径の貫通孔253が開けられており、刃材251が下降した際に刃材251の先端部分が貫通孔253に入り込むようになっている。そして、パンチ250の用紙支持板252により用紙を支持した状態で、刃材251を下降させることにより刃材251が用紙を貫通し用紙に対してパンチ孔を開けることができる。
【0049】
これにより、簡単な構成で用紙サイズによらず、パンチ250によって用紙縁部の所定位置に穿孔処理を施すことができる。
【0050】
パンチ250の用紙支持板252の下方には、用紙支持板252の貫通孔253を通って排出される用紙のパンチカスを収容するパンチカスホッパ254が設けられている。パンチカスはパンチカスホッパ254に貯められる。
【0051】
パンチ250によって用紙にパンチ孔を開けた後、直交ローラ205により用紙が搬送され、用紙の装置奥側端部がパンチ250の用紙支持板252によって支えられなくなり、用紙がスティプルステージのスティプルトレイ221上に落下する。
【0052】
スティプルトレイ221には、一対のジョガーフェンス222が設けられており、スティプルトレイ221に固定された図示しないガイド軸に挿入されている。各ジョガーフェンス222は、図示しないタイミングベルトを介して図示しないステッピングモータに連結されており、ステッピングモータの正逆回転駆動により直線往復移動を行い、ジョガーフェンス222は各々独立した駆動が可能な構成になっている。
【0053】
スティプルトレイ221上に排出された用紙は、図2に示す叩きコロ223により用紙端面を後端基準フェンス224へ突き当てることにより、直交方向Eの整合が行われる。一方、搬送方向Dの整合は、1対のジョガーフェンス222で用紙を挟み込むことにより行われる。
【0054】
叩きコロ223の後端基準フェンス224側とは反対側に、一端側に設けられた軸を中心に揺動可能であり自由端側に従動コロ226が回転可能に設けられた排紙ガイド板225と、従動コロ226よりも下方に設けられ従動コロ226と対向させて設けられた排紙ローラ227とが配置されている。
【0055】
排紙ガイド板225は図示しないステッピングモータにより揺動して上下動可能であり、排紙ガイド板225の上下動によって従動コロ226と排紙ローラ227とが接離可能となっている。そして、従動コロ226と排紙ローラ227とを接触させて用紙を挟持して搬送し、用紙を排紙トレイ260へと排紙して積載する。
【0056】
用紙後処理装置200の本体部に対する排紙トレイ260の取り付け部分には、排紙トレイ260上に積載された用紙を上方から押さえるための用紙押さえ部材270が配置されており、ソレノイド271のON/OFFにより用紙押さえ解除動作と用紙押さえ動作が行われる。すなわち、用紙の搬送にあわせてソレノイド271をONにして用紙押さえ部材270の用紙押さえ動作を解除し、用紙が排紙ローラ227を通過したらソレノイド271をOFFにして用紙押さえ部材270の用紙押さえ動作を行う。
【0057】
排紙トレイ260は、搬送方向下流側の固定トレイ部222aと用紙搬送方向上流側の可動トレイ部222bとを備えている。可動トレイ部222bは、用紙搬送方向上流側端部が自由端で用紙搬送方向下流側端部が揺動中心となるように、支軸223cを介して固定トレイ部222aに揺動可能に軸支されている。また、トレイDCモータ223aの回転に応じて可動トレイ部222bを揺動させるカム・リンク機構223bの作動端が、可動トレイ部222bの下面に連結されている。これにより、トレイDCモータ223aが回転し、この回転に応じてカム・リンク機構223bにより可動トレイ部222bが支軸223cを中心に揺動する。
【0058】
排紙トレイ260上に排紙された用紙の枚数が一定枚数に達すると、不図示の制御部からの指令によりトレイDCモータ223aを回転させてカム・リンク機構223bにより可動トレイ部222bの自由端を下降させる。
【0059】
また、用紙押さえ部材270には不図示のトレイ紙面センサが設けられており、用紙押さえ部材270が用紙押さえを行っている状態でトレイ紙面センサがOFFであれば可動トレイ部222bの自由端を紙面センサがONするまで上昇させる。一方、紙面センサがONしていれば一旦紙面センサがOFFするまで可動トレイ部222bの自由端を下降させ、再度、紙面センサがONするまで可動トレイ部222bの自由端を上昇させることにより、排紙トレイ260上の用紙高さを一定に保つようになっている。
【0060】
このように、排紙トレイ260上の用紙積載状態に応じて可動トレイ部222bの自由端を上下動させ、排紙ローラ227と従動コロ226とで形成されるニップ部から可動トレイ部222bの用紙積載部分までの距離を一定に保つことにより、排紙ローラ227から排紙される用紙と可動トレイ部222bとの接触角度を一定にし、排紙トレイ260に積載される用紙の揃え品質を安定させることができ、また多枚数の用紙の積載が可能となる。
【0061】
[構成例2]
図6(a)は用紙後処理装置200の図1におけるA−A断面図であり、図6(b)は用紙後処理装置200及びその近傍を上方から見た場合の模式図である。
【0062】
図6(a)および図6(b)を使って、用紙後処理装置200における、搬送ローラ203から直交ローラ205に用紙を受け渡す際の動作を説明する。
【0063】
画像形成装置から用紙後処理装置に受け入れられた用紙は、入口ローラ201、搬送ローラ203を経てパンチステージ内に搬送される。このとき、用紙が入口ローラ201を抜けるタイミングに合わせて搬送ローラ203がシフト動作を開始する。このように搬送ローラ203がシフト動作を行うことで、用紙は搬送されながらパンチ250側にシフトするため、パンチ250に向かって用紙が斜め方向Fに搬送される。
【0064】
そして、用紙が穿孔処理基準位置に到達すると、搬送ローラ203による用紙搬送を停止してシフト動作のみを継続し、用紙を直交ローラ205までシフト移動させる。これにより、搬送ローラ203から直交ローラ205に用紙が受け渡される。
【0065】
本構成例においても搬送ローラ203は、構成例1と同様に図5に示すような、図3に示した搬送方向Dへ用紙を搬送するように搬送ローラ203を回転させる入口モータ206と、搬送方向Dに対して直交する方向である直交方向Eに搬送ローラ203をシフト移動させるシフトモータ208とを駆動源に持つ。
【0066】
入口モータ206の回転は、駆動伝達手段207を介して搬送ローラ203に伝達され、用紙が搬送方向Dに搬送されるように搬送ローラ203を回転させる。
【0067】
シフトモータ208の回転は、カム209を回転し、カム209に立てたボス209aがリンク210を搬送ローラ203の軸線方向に押す。リンク210は搬送ローラ203と一体となって直交方向Eに移動するように構成されている。そのため、シフトモータ208の回転角度に応じて搬送ローラ203が直交方向Eにシフト移動する。
【0068】
また、入口モータ206とシフトモータ208とはステッピングモータであり、不図示の制御部より入力として与えられるパルス信号の周波数を変えることで、搬送ローラ203の搬送速度やシフト移動速度を変化させることができる。
【0069】
用紙を搬送ローラ203でシフト移動させて直交ローラ205に受け渡す際には、搬送ローラ203のシフト速度と、直交ローラ205による用紙の搬送速度とが同一となるように不図示の制御部からパルス信号を与えて入口モータ206とシフトモータ208を制御する。これにより、搬送ローラ203から直交ローラ205に用紙を受け渡す際に、搬送ローラ203と直交ローラ205との間で速度不一致によって用紙の引っ張り合いや座屈が生じるのを抑制することができる。
【0070】
図7に示すように、直交ローラ205も搬送ローラ203と同様の部品構成をしており、用紙が直交方向Eに搬送されるように直交ローラ205を回転させる直交モータ211と、直交ローラ205を搬送方向Dにシフト移動させるシフトモータ213を駆動源に持ち、用紙搬送とシフト動作を行うことができる。
【0071】
図8(a),図8(b)に示すように、直交ローラ205にニップされた用紙は、搬送ローラ203のシフト動作と直交ローラ205の用紙搬送とによって、直交方向Eの用紙を搬送停止位置まで移動し、図9に示すように、直交方向Eについて用紙の穿孔処理基準位置への位置合わせが完了する。
【0072】
搬送方向Dにおける用紙の穿孔処理基準位置の位置合わせについては、図6(a)、図6(b)を用いて説明したように、すでに完了しているため、この時点で搬送方向Dと直交方向Eとの両方向について用紙の穿孔処理基準位置への位置合わせが完了する。そして、このように用紙の穿孔処理基準位置への位置合わせが完了した後、パンチ250によって用紙に穿孔する。
【0073】
穿孔時の用紙は、搬送ローラ203と直交ローラ205とによって挾持された状態にあり、穿孔後、用紙が搬送方向Dに搬送されるように搬送ローラ203を回転しながら、そのときの搬送ローラ203の回転速度と同一速度で直交ローラ205を搬送方向Dにシフト移動させる。これにより、図10の点線で示すように、用紙が搬送ローラ203から引き抜かれる。
【0074】
直交ローラ205は、直交方向Eに回転させる直交モータ211と、搬送方向Dにシフト移動させるシフトモータ213を駆動源に持つ。直交モータ211の回転は、駆動伝達手段212を介して直交ローラ205に伝達され、直交ローラ205を直交方向Eに回転させる。シフトモータ213の回転は、カム214を回転し、カム214に立てたボス214aがリンク215を直交ローラ205の軸線方向に押す。リンク215は直交ローラ205と一体となって搬送方向Dに移動するように構成されているため、シフトモータ213の回転角度に応じて直交ローラ205が搬送方向Dにシフト移動する。
【0075】
また、直交モータ211とシフトモータ213とは、ステッピングモータであり、不図示の制御部より入力として与えられるパルス信号の周波数を変えることで、直交ローラ205の搬送速度やシフト移動速度を変化させることができる。
【0076】
用紙を直交ローラ205でシフト移動させて搬送ローラ203から引き抜く際には、直交ローラ205のシフト速度と搬送ローラ203による用紙の搬送速度とが同一となるように不図示の制御部からパルス信号を与えて直交モータ211とシフトモータ213とを制御する。これにより、直交ローラ205をシフト移動させて搬送ローラ203から用紙を引き抜く際に、直交ローラ205と搬送ローラ203との間で速度不一致によって用紙の引っ張り合いや座屈が生じるのを抑制することができる。
【0077】
[構成例3]
構成例2では、用紙を穿孔処理基準位置に位置合わせして用紙に穿孔を施した後、直交ローラ205をシフト移動させて搬送ローラ203から用紙を引き抜いていたが、直交ローラ205をシフト移動させるためのストロークを大きく必要とし、省スペース化の障害となる。
【0078】
そこで本構成例では、省スペースで搬送ローラ203から用紙を引き抜くことができるように、図11に示すような搬送ローラ203のローラ対を離間しローラ間に生じる圧を解除する圧解除手段を設けている。
【0079】
圧解除手段の構成は、直交ローラ205の近傍に配置された圧解除モータ216、駆動伝達手段217、カム218、リンク219、及び、リンク220などから成り、圧解除モータ216の回転によってカム218を回してリンク219及びリンク220を持ち上げることで、搬送ローラ203のローラ同士を離間させる。
【0080】
そして、図11に示す圧解除手段によって搬送ローラ203のローラ対を離間し圧を解除することによって、省スペースで搬送ローラ203から用紙を引き抜くことができる。
【0081】
[構成例4]
本構成例においては、直交ローラ205に用紙を受け入れる際、用紙の直交ローラ205側の端面が直交ローラ205のニップにスムーズに進入するよう、用紙を案内するガイド部材228を直交ローラ205のパンチ側とは反対側に配置している。
【0082】
ガイド部材228は、用紙受け入れ時に水平な姿勢を保つよう、スプリング229によって付勢されており、第1ステージから第2ステージに用紙を排出する際には、後述する退避手段によって図12の2点鎖線の位置までガイド部材228を退避させる。
【0083】
図13に示すように、退避手段の構成は、ギヤ230及びギヤ231などから成り、ギヤ230には一方向クラッチが内蔵されている。この一方向クラッチは、直交ローラ205を用紙受け入れ方向に回転時(以下、正転時)に空転し、逆回転時に駆動を伝達する向きにある。これにより、正転時は直交モータ211が回転してもギヤ230が回転せず、ガイド部材228は受け入れ時の水平な姿勢を維持する。一方、逆転時は、一方向クラッチがロックして駆動を伝え、ギヤ230及びギヤ231を介してガイド部材228が支点228aを揺動中心として揺動し、通紙範囲外に退避する。
【0084】
なお、ギヤ230に内蔵された一方向クラッチは、ギヤ230に所定以上のトルクがかかった場合に駆動の伝達を断つトルクリミッタの機能も兼ね備えている。これにより、ガイド部材228が後端基準フェンス224に接触した後、直交モータ211を回し続けてもトルクリミッタが空転するため、ガイド部材228が破損するのを抑制することができる。
【0085】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
用紙に対して画像形成を行う画像形成手段により画像が形成された用紙を積載収容する用紙積載収容手段と、前記画像形成手段から前記用紙積載収容手段までの用紙搬送経路中に設けられ、用紙の用紙搬送方向と平行な辺の縁部に所定の処理を施す用紙処理手段と、前記画像形成手段から前記用紙処理手段に用紙を搬送する第1搬送手段と、該用紙処理手段から前記用紙積載収容手段に用紙を搬送する第2搬送手段とを備え、前記画像形成手段から前記用紙処理手段への用紙搬送方向と直交する方向に、該用紙処理手段に対して前記用紙積載収容手段が位置する用紙処理装置において、前記第1搬送手段は前記直交する方向に延びる回転軸を中心に回転可能な第1搬送ローラを有し、前記直交する方向に前記第1搬送ローラを変位させる第1変位手段を備える。これよれば、上記実施形態について説明したように、簡単な構成で用紙サイズによらず用紙の所定位置に所定の処理を施すことができる。
(態様B)
(態様A)において、上記第2搬送手段は用紙を上記直交する方向で上記用紙処理手段に向けて搬送する機能も有しており、上記第1変位手段による上記第1搬送ローラの変位速度と、上記第2搬送手段による用紙搬送速度とが同一である。これによれば、上記実施形態について説明したように、第1搬送手段から第2搬送手段に用紙を受け渡す際に、第1搬送手段と第2搬送手段との間で速度不一致によって用紙の引っ張り合いや座屈が生じるのを抑制することができる。
(態様C)
(態様B)または(態様C)において、上記第2搬送手段は上記用紙搬送方向に延びる回転軸を中心に回転可能な第2搬送ローラを有し、前記用紙搬送方向に前記第2搬送ローラを変位させる第2変位手段を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置構成を複雑にすることなく、第2搬送手段により第1搬送手段から用紙を引き抜く動作を行うことができる。
(態様D)
(態様C)において、上記第2変位手段による上記第2搬送ローラの変位速度と、上記第1搬送ローラによる用紙搬送速度とが同一である。これによれば、上記実施形態について説明したように、第2搬送ローラを変位させて第1搬送ローラから用紙を引き抜く際に、第1搬送ローラと第2搬送ローラとの間で速度不一致によって用紙の引っ張り合いや座屈が生じるのを抑制することができる。
(態様E)
(態様A)、(態様B)、(態様C)または(態様D)において、上記第1搬送手段は上記第1搬送ローラを含む一対の搬送ローラからなる搬送ローラ対を有し、各搬送ローラを接離させる接離手段を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記第1搬送手段からの用紙の引き抜きをスムーズに行い、生産性を向上させることができる。
(態様F)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)または(態様E)において、上記第2搬送手段が配置された第1の処理部の下方に第2の処理部を有し、該第2搬送手段は該第1の処理部から該第2の処理部に用紙を排出する排紙手段を兼ねる。これによれば、上記実施形態について説明したように、省スペース化や低コスト化を図ることができる。
(態様G)
(態様F)において、上記第2搬送手段は一対の搬送ローラからなる第2搬送ローラ対であり、前記第2搬送ローラ対のニップ部に用紙を案内するガイド部材を該第2搬送ローラ対の上流側に設けており、前記ガイド部材は用紙を前記ニップ部に案内する位置と、該案内する位置から退避した退避位置との間で変位可能である。これによれば、上記実施形態について説明したように、用紙を第2搬送手段のニップ部にスムーズに進入させることができるとともに、用紙を第2搬送手段から排出するときは用紙端部がガイド部材から落ち切らなくなるのを抑制することができる。
(態様H)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)または(態様G)において、上記画像形成手段から上記用紙処理手段には上記第1搬送手段により用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送し、用紙処理手段から上記用紙積載収容手段には上記第2搬送手段により用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送する。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置の大型化を抑えることができる。
(態様I)
用紙上に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像形成された用紙に対して所定の処理を施す用紙処理手段とを備えた画像形成装置において、前記用紙処理手段として、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)または(態様H)の用紙処理装置を用いた。これによれば、上記実施形態について説明したように、省スペース化を図りつつ、用紙搬送方向を切り替えることができる。
【符号の説明】
【0086】
8 光書き込み装置
20 感光体ドラム
30 帯電ユニット
40 クリーニングユニット
50 現像ユニット
62 1次転写ユニット
100 画像形成装置本体
110 作像部
111 作像ステーション
112 中間転写ベルト
114 支持ローラ
115 2次転写ローラ
116 トナー収容容器
120 給紙部
121 給紙トレイ
122 ピックアップローラ
123 給紙搬送ローラ
130 給紙搬送路
140 2次転写部
150 定着部
150a 定着ローラ
150b 加圧ローラ
160 排紙搬送路
161 分岐爪
162 分岐搬送ローラ対
170 両面搬送路
200 用紙後処理装置
201 入口ローラ
202 排紙搬送路
203 搬送ローラ
205 直交ローラ
206 入口モータ
207 駆動伝達手段
208 シフトモータ
209 カム
209a ボス
210 リンク
211 直交モータ
212 駆動伝達手段
213 シフトモータ
214 カム
214a ボス
215 リンク
216 圧解除モータ
217 駆動伝達手段
218 カム
219 リンク
220 リンク
221 スティプルトレイ
222 ジョガーフェンス
222a 固定トレイ部
222b 可動トレイ部
223 コロ
223a モータ
223b カム・リンク機構
223c 支軸
224 後端基準フェンス
225 排紙ガイド板
226 従動コロ
227 排紙ローラ
228 ガイド部材
228a 支点
229 スプリング
230 ギヤ
231 ギヤ
240 スティプラ
250 パンチ
251 刃材
252 用紙支持板
253 貫通孔
254 パンチカスホッパ
260 排紙トレイ
270 用紙押さえ部材
271 ソレノイド
300 画像読取装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2006−240759号公報
【特許文献2】特開2009−173405号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に対して画像形成を行う画像形成手段により画像が形成された用紙を積載収容する用紙積載収容手段と、
前記画像形成手段から前記用紙積載収容手段までの用紙搬送経路中に設けられ、用紙の用紙搬送方向と平行な辺の縁部に所定の処理を施す用紙処理手段と、
前記画像形成手段から前記用紙処理手段に用紙を搬送する第1搬送手段と、
該用紙処理手段から前記用紙積載収容手段に用紙を搬送する第2搬送手段とを備え、前記画像形成手段から前記用紙処理手段への用紙搬送方向と直交する方向に、該用紙処理手段に対して前記用紙積載収容手段が位置する用紙処理装置において、
前記第1搬送手段は前記直交する方向に延びる回転軸を中心に回転可能な第1搬送ローラを有し、
前記直交する方向に前記第1搬送ローラを変位させる第1変位手段を備えることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項2】
請求項1の用紙処理装置において、
上記第2搬送手段は用紙を上記直交する方向で上記用紙処理手段に向けて搬送する機能も有しており、
上記第1変位手段による上記第1搬送ローラの変位速度と、上記第2搬送手段による用紙搬送速度とが同一であることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項3】
請求項1または2の用紙処理装置において、
上記第2搬送手段は上記用紙搬送方向に延びる回転軸を中心に回転可能な第2搬送ローラを有し、
前記用紙搬送方向に前記第2搬送ローラを変位させる第2変位手段を備えることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の用紙処理装置において、
上記第2変位手段による上記第2搬送ローラの変位速度と、上記第1搬送ローラによる用紙搬送速度とが同一であることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の用紙処理装置において、
上記第1搬送手段は上記第1搬送ローラを含む一対の搬送ローラからなる搬送ローラ対を有し、各搬送ローラを接離させる接離手段を備えることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の用紙処理装置において、
上記第2搬送手段が配置された第1の処理部の下方に第2の処理部を有し、該第2搬送手段は該第1の処理部から該第2の処理部に用紙を排出する排紙手段を兼ねることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項7】
請求項6の用紙処理装置において、
上記第2搬送手段は一対の搬送ローラからなる第2搬送ローラ対であり、
前記第2搬送ローラ対のニップ部に用紙を案内するガイド部材を該第2搬送ローラ対の上流側に設けており、
前記ガイド部材は用紙を前記ニップ部に案内する位置と、該案内する位置から退避した退避位置との間で変位可能であることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の用紙処理装置において、
上記画像形成手段から上記用紙処理手段には上記第1搬送手段により用紙の長辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送し、該用紙処理手段から上記用紙積載収容手段には上記第2搬送手段により用紙の短辺が用紙搬送方向に平行となる姿勢で用紙を搬送することを特徴とする用紙処理装置。
【請求項9】
用紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像形成された用紙に対して所定の処理を施す用紙処理手段とを備えた画像形成装置において、
前記用紙処理手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の用紙処理装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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