説明

用紙後処理装置、および用紙後処理システム、並びに画像形成装置

【課題】複数の用紙後処理装置を連結し、画像形成装置等による用紙後処理装置群の状態管理を容易に実施可能とすることで、複数連結される装置における用紙後処理の信頼性を向上させる。
【解決手段】他装置と連結して所定の用紙後処理を行う用紙後処理装置であって、連結される他装置と通信する通信部202と、通信部202を介して他装置の動作終了情報を受信し、この動作終了情報に基づいて自装置の制御を実行する制御部201と、を備え、制御部201は、下流側の他装置から受信した動作終了情報に対して、自装置の動作終了情報に変更して転送したほうが用紙後処理が正常に実行される場合には、下流側の他装置から受信した動作終了情報を自装置の動作終了情報に変更し、上流側の他装置に前記動作終了情報を転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙後処理装置、および用紙後処理システム、並びに画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタなどの画像形成装置の排紙側に機械的および電気的に接続される用紙後処理装置を配置し、この用紙後処理装置によって、画像形成後の用紙に対して所定の後処理(たとえば、パンチ処理、折り処理、綴じ(ステイプル)処理、仕分け処理、大量排紙積載処理など)を行うことはすでに知られていることである。さらに、このような用紙後処理装置は1つの画像形成装置に複数台連結して接続される連結型のシステムも知られている。
【0003】
画像形成装置と、画像形成装置から出力された用紙に対して後処理加工、あるいは整合を実施する複数の後処理装置が連結された画像形成システムにおいて、後処理装置間で信号を転送する構成で実現するシステムがある。たとえば、デイジーチェーン接続で連結された用紙後処理装置間で、コマンドを上流→下流転送する際に、シート搬送状態に同期してコマンドを転送する用紙後処理装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、複数の連結された用紙後処理装置への動作要求に対する動作終了情報について、下流から受信した動作終了情報を、自機の動作状態が一致するまで保留することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-106594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記に示されるような特許文献1のシステムにあっては、装置の状態を同期させることはできず、状態を同期させるには、画像形成装置等においてすべての用紙後処理装置の状態を把握/維持する必要があった。
【0007】
また、下流から受信した動作終了情報を、自機の動作状態が一致するまで保留する場合、複数の後処理装置の状態を同期させることができるが、動作終了状態が一致しない場合において、動作終了状態が同一とならないため、動作終了情報が転送できないという問題点があった。
【0008】
すなわち、下流から受信した動作終了情報はそのまま転送し、別の動作終了情報を生成通知することでこの問題は回避することが可能であるが、下流側が動作に成功し、中継機において失敗した場合、画像形成装置においては、成功の動作終了情報を受信したからといって連結されているすべての用紙後処理装置において成功したかどうかの判断がつかない。また、画像形成装置においては、すべての装置からの応答を漏れなく待ち合わせる必要が発生し、用紙後処理装置間で動作終了情報を保留することによる効果が失われることになる。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の用紙後処理装置を連結し、画像形成装置等による用紙後処理装置群の状態管理を容易に実施可能とすることで、複数連結される装置における用紙後処理の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、他装置と連結して所定の用紙後処理を行う用紙後処理装置であって、連結される他装置と通信する通信手段と、前記通信手段を介して他装置が動作要求に対応して実施した動作が正常であるか異常であるかを示す動作終了情報を受信し、この動作終了情報に基づいて自装置の制御を実行する制御手段と、を備え、前記制御手段は、下流側の他装置から受信した前記動作終了情報に基づいて、自装置の動作終了情報に変更して転送したほうが用紙後処理が正常に実行されると判断した場合には、下流側の他装置から受信した前記動作終了情報を自装置の動作終了情報に変更し、上流側の他装置に前記動作終了情報を転送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、他装置と連結して所定の用紙後処理を行う装置、システムにおいて、下流側の装置から受信した動作終了情報を自機の動作終了情報に変更して動作終了情報を送出する際に、システムとしてより安全な振舞いをする動作終了情報を通知するため、情報を受信した側において、不要な情報の含まれていない単一の情報で複数の用紙後処理装置の動作結果を把握することができ、適切に動作することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、この実施の形態にかかる複写機としてのシステム構成例を示す説明図である。
【図2】図2は、図1におけるフィニッシャーの構成を示す説明図である。
【図3】図3は、図1に示した用紙処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3に示した用紙処理システムにおけるスタッカー、フィニッシャーの内部構成例の一部を示すブロック図である。
【図5−1】図5−1は、用紙後処理装置としてのスタッカーで、上流機より、装置の動作開始を要求する起動動作要求情報を受信する場合の処理動作(1)を示すフローチャートである。
【図5−2】図5−2は、用紙後処理装置としてのスタッカーで、上流機より、装置の動作開始を要求する起動動作要求情報を受信する場合の処理動作(2)を示すフローチャートである。
【図6】図6は、この実施の形態にかかるプリンタとしてのシステム構成例(1)を示す説明図である。
【図7】図7は、この実施の形態にかかるプリンタとしてのシステム構成例(2)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる用紙後処理装置、および用紙後処理システム、並びに画像形成装置の一実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
図1は、この実施の形態にかかる複写機としてのシステム構成例を示す説明図である。このシステムは、画像形成装置100の排紙部分に紙折り装置200を接続し、さらにこの紙折り装置200にスタッカー210を接続し、さらスタッカー210の後にフィニッシャー220を連結接続したものである。また、画像形成装置100には、スキャナ120、自動原稿搬送装置(ADF)130が装備されている。なお、画像形成装置100はレーザ光学系によるデジタル画像の書き込みおよび画像形成を行う構成であり、プリンタ単体としても機能する。
【0015】
画像形成装置100は、電子写真プロセスにしたがって画像を形成するものであり、本例ではレーザ書き込みによるデジタル複写機を例にとっている。また、この図では主要部分のみを示している。この画像形成装置100は、印字対象の用紙を積載し収容する用紙カセット101、用紙カセット101から1枚ずつ給紙する給紙ローラ102、給紙された用紙のスキュー補正およびレジスト調整のためのタイミングで搬送するレジストローラ103、静電潜像が形成される感光体ドラム104、感光体ドラム104を一様に帯電する帯電チャージャ105、感光体ドラム104上に形成された潜像にトナーを付着する現像ユニット106、転写後の残留トナーを除去するクリーニングユニット107、感光体ドラム104上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写チャージャ108、この画像形成装置100全体を制御するメインコントローラ110、各種のモード設定入力や各種の表示を行なうオペレーションパネル111、画像に応じたレーザ光を変調出力し感光体ドラム104に光学走査する光学系112、用紙上のトナー像を熱・圧力の作用により定着する定着ユニット113、定着後の用紙を排紙する排紙ローラ114を備えている。
【0016】
紙折り装置200は、本紙折り装置200を統括的に制御する制御部201、通信部202、画像形成装置100からの用紙を受け入れる入口ローラ対3、用紙をたとえばローラによって紙折りを行なう紙折り部4、折り後の用紙10を排紙する排紙ローラ5を備えている。
【0017】
スタッカー210は、本スタッカー210を統括的に制御する制御部211、通信部212、スタック部213を備えている。
【0018】
フィニッシャー220は、本フィニッシャー220を統括的に制御する制御部221、通信部222、後述するステイプル部、排紙部などを備えている。
【0019】
このように図1のシステム構成は、原稿画像を読み取って電気信号に変換するスキャナ120、スキャナ120に原稿を1枚ずつ搬送するADF130、スキャナ120によって読み取られた画像電気信号を給紙装置から給紙した用紙に形成する画像形成装置100、および後処理装置群からなる。
【0020】
図1に示す例は複写機としてのシステム構成の基本動作について説明する。画像形成装置100によって画像形成された用紙は、後処理装置の一つである紙折り装置200によって折り加工され、スタッカー210を中継してフィニッシャー220に搬送され、フィニッシャー220にて整合/ステイプル処理されたのち、フィニッシャー220のトレイに積載される。あるいは、画像形成装置100によって画像形成された用紙は、紙折り装置200を中継してスタッカー210に搬送され、スタッカー210にて整合積載される。
【0021】
図2は、図1におけるフィニッシャー220の構成を示す説明図である。このフィニッシャー220は、ユーザーにより操作パネル(不図示)を介して入力されるプルーフモード、ステイプルモード、シフトモードといった後処理モードを行うものである。
【0022】
図2に示すように、フィニッシャー220は用紙の積載手段として昇降可能なトレイ12を有していると共に、位置を固定されて移動しないプルーフトレイ14を装置上部に有している。トレイ12は図示しない駆動手段により上下方向に移動制御される。また、トレイ12の高さを検知可能なセンサによりトレイ12の高さを検知し、トレイ12上面に積載された用紙の高さが一定になるように制御される。画像形成装置50と用紙受け渡し部位の近傍には入口センサ36と入口ローラ対2aが設けられており、入口ローラ対2aにより取り込まれた用紙は、後処理モードに応じてそれぞれの搬送経路に搬送される。
【0023】
プルーフモードを選択した場合は、入口ローラ対2aによって画像形成装置50から受け渡された用紙を搬送ローラ2bに搬送し、図示しないソレノイドのオン/オフ制御により、位置を切り替え可能な分岐爪8aにより搬送ローラ5aを経由し、排紙ローラ5bによりプルーフトレイ14に排出される。
【0024】
ステイプルモードを選択した場合には、入ロローラ対2aにて受け渡された用紙を搬送ローラ2bにて搬送し図示しないソレノイドのオン/オフ制御により、位置を切り替え可能な分岐爪8bにより搬送ローラ4a,4b,4cを経由し、排紙ローラ6によりストッパ19に当接した状態でスティプルトレイ7に積載される。このとき、図示しない叩きローラにて用紙搬送方向への整合が行なわれ、ジョガーフェンス62により用紙の横幅方向(搬送方向に直交する方向)の整合が行なわれる。所定の枚数が整合されたところでスティプラ20により綴じ処理が施され、放出爪10aにより持ち上げられた用紙束は排紙ローラ3によりトレイ12に放出され、積載される。
【0025】
また、シフトモードを選択した場合には入口ローラ対2aから搬送ローラ2b,2cを経由して排紙ローラ3によりトレイ12に排出され、積載される。この実施の形態は、前記トレイ12を用紙搬送方向と直交する方向に往復動させて用紙の仕分けを行う。
【0026】
図3は、図1に示した用紙処理システムの構成例を示すブロック図である。画像形成装置100は、メインコントローラ110、オペレーションパネル111、作像エンジン115、給紙部116を備えている。紙折り装置200は、制御部201、通信部202、記憶装置203を備えている。スタッカー210は、制御部211、通信部212、記憶装置214を備えている。フィニッシャー220は、制御部221、通信部222を備えている。紙折り装置200の通信部202とスタッカー210の通信部212とは後述するように下流側の装置の動作終了情報を上流側の装置へ通信可能に構成されている。また、スタッカー210の通信部212とフィニッシャー220の通信部222とは後述するように下流側の装置の動作終了情報を上流側の装置へ通信可能に構成されている。
【0027】
図4は、図3に示した用紙処理システムにおけるスタッカー210、フィニッシャー220の内部構成例の一部を示すブロック図である。スタッカー210は、上流側との通信手段であるUART301、受信情報の一時記憶手段であるRAM302、下流側との通信手段であるUART303を有し、バス305を通じてスタッカー210を制御するCPU300と接続されている。なお、この図4において前述の各制御部がCPUに、通信部がUARTに、各記憶装置がRAMにそれぞれ対応している。
【0028】
なお、上記UARTは、Universal Asychronous Receiver Transmitterの略称であり、汎用非同期送受信回路である。また、UARTと、シリアル転送方式のデータとパラレル転送方式のデータを相互に転送するデバイスである。
【0029】
フィニッシャー220は、上流側との通信手段であるUART306、受信情報の一時記憶手段であるRAM307を有し、バス309を通じてフィニッシャー220を制御するCPU310と接続されている。フィニッシャー220は、下流側になにも接続される装置がないため、下流側に対する通信手段は設けられていない。
【0030】
スタッカー210は、上流側UART301から、図示されない画像形成装置あるいは用紙後処理装置と回線304で接続されている。また、下流側のUART303から、フィニッシャー220の上流側UART303と回線308で接続されている。
【0031】
なお、スタッカー210、フィニッシャー220の用紙後処理装置には、用紙後処理機能を実現するための機構や、制御プログラムを保持するためのROM等の他のデバイスも有するが、図示していない。また、この実施の形態では他の機器との通信手段としてUARTを使用しているが、通信手段の種類を限定するものではない。また一時記憶手段としてRAMを使用しているが、同様に記憶手段の種類を限定するものではない。
【0032】
図5−1、図5−2は、用紙後処理装置としてのスタッカー210で、上流機より、装置の動作開始を要求する起動動作要求情報を受信する場合の処理動作を示すフローチャートである。CPU300が処理を開始すると、まず、上流側から動作要求を受信するのを待つ(ステップS11)。ここで動作要求を受信したら(判断Yes)、下流側に動作要求を転送する(ステップS12)。続いて、受信したのは「起動」の動作要求であるか否かを判断し(ステップS13)、「起動」であれば(判断Yes)、ステップS14へ移行し、「起動」以外であれば(判断No)、ステップS18で他の動作要求に対する処理を実施する。
【0033】
ステップS13において「起動」の動作要求であると判断した場合、さらに起動処理が必要であるか否かを判断する(ステップS14)。このステップS14では「起動」の動作要求に対し、自機において処理が必要かどうかを判定する。例えば、自機より上流にある別の用紙後処理装置が最終の排出先であることが動作モード等からわかっている場合は、自機は動作する必要がない。
【0034】
ステップS14において自機の起動処理が必要であると判断した場合(判断Yes)、起動処理を開始する(ステップS15)。自機の起動処理とは、用紙を受入れ搬送するための機構の動作開始処理や、自機において実施する用紙後処理加工の準備のための機構動作を指し、用紙後処理装置により、また、要求される用紙後処理によっても、処理内容や必要な時間が異なる。ステップS15では、起動処理を開始するだけであり、自機の起動処理が終了するのを待たずに、ステップS16に移る。
【0035】
ステップS16では下流側から「動作終了情報」を受信するのを待つ。下流側から「動作終了情報」を受信したら(判断Yes)、さらに自機の起動処理が終了しているかどうかを判断する(ステップS17)。ここで自機の起動処理が終了している場合(判断Yes)、ステップS16で受信した「動作終了情報」と、自機の起動処理結果(動作終了情報)を、ステップS23で比較する。なお、上記「動作終了情報」とは、動作要求に対応して実施した動作が「正常終了」(成功)したか、あるいは「異常終了」(失敗)しか示す情報である。この場合、たとえば「正常終了」を0、「異常終了」を1の信号としてあらかじめ決めておき、CPU300は、この信号にしたがって判断する。
【0036】
ステップS14において起動に対する処理が必要でない場合は(判断No)、下流から「動作終了情報」を受信するのを待つ(ステップS22)。ここで「動作終了情報」を受信すると(判断Yes)、下流から受信した「動作終了情報」と、自機の動作結果(起動自体が不要であるため、ここでは「正常終了」とする)とを比較する(ステップS23)。ここで、一致している場合は(判断Yes)、ステップS16で受信した「動作終了情報」をそのまま上流側の装置に転送する(ステップS26)。
【0037】
ステップS23において不一致の場合は(判断No)、さらに変更したほうがより安全かどうかを判断する(ステップS24)。ここで、下流から受信した情報が、「正常終了」を意味している場合(つまり、自機の終了状態が「異常終了」の場合)には(判断Yes)、「異常終了」としたほうがシステム全体としては動作できないことを意味し、安全であるため、動作終了情報を変更して上流側に送出し(ステップS25)、ステップS26に移行する。
【0038】
ステップS24において変更しないほうが安全な場合(判断No)、つまり、下流の装置から受信した情報が「異常終了」で自機の動作結果が「正常終了」の場合は、受信した「動作終了情報」を変更せず、ステップS26で上流側に送出する。
【0039】
ステップS17において自機の起動処理が終了していなければ(判断No)、一時記憶手段であるRAMに「動作終了情報」を記憶させ、保持する(ステップS19)。その後、自機の起動処理が終了するのを待つ(ステップS20)。ここで、自機が起動終了し、下流から受信した動作結果情報である「動作終了情報」と状態が一致したら(判断Yes)、RAMから「動作終了情報」を取り出し(ステップS21)、ステップS23で自機の処理結果と比較する。
【0040】
なお、この例では、自機が起動不要であることを「正常終了」としたが、「異常終了」としてもよい。この点は、本発明にとって本質的な点ではない。また、ステップS23で一致判断処理を行っているが、一致判断処理をおこなわず、一致/不一致にかかわらずステップS24の処理を実施するようにしても、本発明の基本的な効果は損なわれない。また、本例では、「起動」の動作要求についての処理のみ示しているが、他の動作要求についても、同様の処理によって用紙後処理装置間の同期処理が実施できることはあきらかである。
【0041】
ところで、上述した実施の形態では複写機を含む用紙後処理のシステムを例にとって説明したが、他のシステム構成であってもよい。たとえば、図6に示すように、画像形成装置100をプリンタとして機能させ、用紙後処理装置(紙折り装置200、フィニッシャー220)を連結したシステムであっても同様に前述の処理動作を行うことができる。さらに、図7に示すように画像形成装置100をプリンタとして機能させ、用紙後処理装置(紙折り装置200、スタッカー210、フィニッシャー220)を連結したシステムであっても同様に前述の処理動作を行うことができる。
【0042】
以上説明してきたようにこの実施の形態によれば、以下に記述するような効果を奏する。第1に、他装置と連結して所定のシート後処理を行う用紙後処理装置において、下流側の装置から受信した動作終了情報を自機の動作終了情報に変更して動作終了情報を送出する際に、システムとしてより安全な振舞いをする動作終了情報を通知するため、情報を受信した側において、不要な情報の含まれていない単一の情報で複数の用紙後処理装置の動作結果を把握することができ、適切に動作することができる。
【0043】
なお、上記の自機の動作終了情報に変更して動作終了情報を送出する際に、システムとしてより安全な振舞いをするとは、下流側に接続されている装置が「成功」を通知してきた場合で、かつ、自機が「失敗」であった場合に、「成功」を通知するとシステムのエラー処理が動作しなくなるので、たとえば、上述した起動処理では、画像形成装置は用紙後処理システム全体の起動処理が「成功」したものであるとみなし、用紙を用紙後処理システムに排出してくることを意味する。
【0044】
第2に、上述した効果に加え、自機を含む連結された用紙後処理装置群に対する動作要求についての場合においてのみ、下流から受信した動作終了情報の変更処理を実施するため、より効率よく処理することができる。
【0045】
第3に、上述した第1の効果に加え、動作終了情報が異なる場合のみ変更するため、より効率よく処理することができる。
【0046】
第4に、自機の動作結果が確定してから、自機以下の下流側の装置の動作終了情報を統合して送出するため、連結された用紙後処理装置それぞれの動作結果確定タイミングが異なる場合であっても、上述した第1の効果が得られる。
【0047】
第5に、連結された用紙後処理装置群の動作終了情報を単一の情報として、上流側の装置に結果状態を送出することができるため、システムとしての扱いが容易であり、信頼性が高くなる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる用紙後処理装置、および用紙後処理システム、並びに画像形成装置は、複写機やプリンタなどの画像形成装置に複数連結される用紙後処理装置に有用であり、特に、連結されている下流側の装置の動作状態を示す情報を取得し、その情報による制御可否を行って用紙後処理を実行する装置、システムに適している。
【符号の説明】
【0049】
100 画像形成装置
110 メインコントローラ
200 紙折り装置
201、211、221 制御部
202、212、222 通信部
203、213 記憶装置
300、310 CPU
301、303、306 UART
302、307 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置と連結して所定の用紙後処理を行う用紙後処理装置であって、
連結される他装置と通信する通信手段と、
前記通信手段を介して他装置が動作要求に対応して実施した動作が正常であるか異常であるかを示す動作終了情報を受信し、この動作終了情報に基づいて自装置の制御を実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
下流側の他装置から受信した前記動作終了情報に基づいて、自装置の動作終了情報に変更して転送したほうが用紙後処理が正常に実行されると判断した場合には、下流側の他装置から受信した前記動作終了情報を自装置の動作終了情報に変更し、上流側の他装置に前記動作終了情報を転送することを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、上流側の他装置から受信した動作要求情報が、自装置以外の装置に対する動作要求情報である場合には、下流側の装置から受信した動作終了情報を保留せず、自装置の動作終了情報を付け加えずに、上流側の装置に転送することを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、下流側の装置から受信した動作終了情報が、自装置の動作終了情報と異なる場合に、下流側の装置から受信した動作終了情報を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の用紙後処理装置。
【請求項4】
さらに、前記通信手段から受信した情報を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、
下流側の他装置から動作終了情報を受信したときに、自装置の動作結果が確定している場合には、前記動作終了情報を上流側の他装置に転送し、
下流側の他装置から動作終了情報を受信したときに、自装置の動作結果が未確定な場合は、連結されているすべての装置の動作終了情報を前記記憶手段に保持し、自装置の動作結果が確定した後に、
前記動作終了情報を上流側の他装置に転送することを特徴とする請求項1、2または3に記載の用紙後処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の用紙後処理装置が複数機連結されていることを特徴とする用紙後処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の用紙後処理システムを備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−145880(P2012−145880A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5932(P2011−5932)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】