説明

画像処理装置

【課題】 ディジタルカメラ2から画像データを受入れて、印刷データに変換し、プリンタ3へ送出するアダプタ1に於いて、ディジタルカメラ2が、その内部に有しているメモリの記憶容量に余裕をもたせること。
【解決手段】 非揮発性のメモリである補助記憶部15を備え、USBコネクタ11、及びUSBホスト制御部13を介して、ディジタルカメラ2から撮影済みの画像データを多く受入れて格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルカメラ等に接続し、受入れた画像データを画像形成装置に出力する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ディジタルカメラの普及が急速に進んでいる。このディジタルカメラの普及に伴って、ディジタルカメラに接続し、受入れた画像データを印刷用データに変換し、プリンタ等の画像形成装置に直接出力するダイレクトプリントアダプタの普及も進んでいる。
【特許文献1】特開平10−200766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のダイレクトプリントアダプタは、その内部に揮発性のD−RAMを有している。ディジタルカメラ等によって入力された画像データは、一旦、この揮発性のD−RAMに格納され、更に、印刷データに変換され、プリンタ等の画像形成装置に直接出力される。しかし、揮発性のD−RAMを使用しているため、ダイレクトプリントアダプタの電源がオフされると、ディジタルカメラから取り込んだ画像データの全てが消滅してしまう。従って、同じ画像を何枚も印刷する場合には、印刷する度毎にディジタルカメラから高解像度、即ち、データサイズの大きい画像データを受入れる必要があり、データ転送には長時間を要するという解決すべき課題が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
接続されたデータ入力装置から画像データを受入れて、印刷データに変換し、画像形成装置へ送出する画像処理装置であって、上記画像データを格納する非揮発性の補助記憶装置を備えること、更に、上記画像データを縮小し、縮小画像を生成する縮小画像生成部と、該縮小画像生成部から上記縮小画像を受入れて、特定可能な画像データ識別符号を付して上記データ入力装置へ返信する出力制御部とを更に備えることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
画像データを格納する非揮発性の補助記憶装置を備えることによって、ユーザは、ディジタルカメラから撮影済みの画像データを、補助記憶装置へ転送し、フラッシュメモリに空き容量をつくることが容易になる。更に、縮小画像生成部と出力制御部とを備え、印刷後のインデックス画像を入力装置へ転送するので、2回目以降の印刷では、インデックス画像に基づく印刷指示だけを、入力装置から画像処理装置へ送出すれば良く、画像データを送信する必要がなくなるのでデータ転送時間の短縮を図ることが出来るという効果を得る。
【実施例1】
【0006】
図1は、実施例1のアダプタの構成のブロック図である。
図に示すように、実施例1のアダプタ1は、USBコネクタ11と、USBコネクタ12と、USBホスト制御部13と、データ処理部14と、補助記憶部15と、操作部16とを備える。
【0007】
USBコネクタ11には、画像入力装置としてのディジタルカメラ2が接続され、USBコネクタ12には、画像形成装置としてのプリンタ3が接続される。更に、USBコネクタ12とプリンタ3との間には、USB仕様のHi−Speedモードがサポートされ、USBコネクタ11とディジタルカメラ2との間に比較してデータ転送が早くなるように構成されている。
【0008】
USBホスト制御部13は、データ処理部14と、内部バスを経由して接続される。その結果、ディジタルカメラ2からUSBコネクタ11を介して入力される画像データは、データ処理部14へ送出される。データ処理部14は、その内部にCPU14−1と、メモリ14−2と、Program ROM14−3とを有し、USBホスト制御部13から受入れた画像データを処理し、印刷データとして、補助記憶部15へ格納する部分である。また、USBホスト制御部13を経由して、プリンタ3やディジタルカメラ2へ、その印刷データを送出する部分でもある。データ処理部14の機能について以下に説明する。
【0009】
図2は、実施例1のデータ処理部の機能説明図である。
図に示すように、データ処理部14は、入力制御手段101と、ファイル検索手段102と、イメージ伸張手段103と、補助記憶管理手段105と、ファイル名生成手段106と、縮小画像生成手段107と、印刷データ生成手段108と、出力制御手段109と、メモリ14−2を有する。
【0010】
入力制御手段101は、USBホスト制御部13(図1)から画像データの読出し制御を行う手段である。ファイル検索手段102は、指定されたファイルが補助記憶部15(図1)の中に格納されているかどうかを検索する手段である。イメージ伸張手段103は、画像データを伸張してビットイメージを生成し、メモリ14−2へ格納する手段である。補助記憶管理手段105は、補助記憶部15(図1)への画像データの書込み、読出しを行う手段である。ファイル名生成手段106は、縮小画像に新たなファイル名をつける手段である。縮小画像生成手段107は、ビットイメージデータを縮小して縮小画像を生成する手段である。印刷データ生成手段108は、イメージデータにプリンタ制御用のコマンドを付加し、プリンタ3で印刷可能な印刷データに変換する手段である。尚、以上説明した各手段は、Program Rom14−3(図1)に予め格納されている制御プログラムをCPU14−1(図1)が実行することによって起動・生成されるコンピュータ制御手段である。
【0011】
再度、図1に戻って、操作部16は、ユーザとアダプタ1との間に配設され、ユーザが、アダプタ1の各種動作設定等を行うマンマシンインタフェースの役割を果たす部分である。以上説明した実施例1のアダプタ1は以下のように動作する。最初にアダプタ1とディジタルカメラ2と、プリンタ3とが通信接続される手順について説明し、続いて、実際の動作をユーザがディジタルカメラ内の画像ファイルを始めて印刷する場合と、2回目以降に印刷する場合とに分けて説明する。
【0012】
図3は、実施例1の通信手順の説明図である。
図に示す、アダプタ1、ディジタルカメラ2、及び、プリンタ3との接続手順について、図中に矢印で示すステップ順に詳細に説明する。
【0013】
ステップS01
ユーザがディジタルカメラ2(図1)をUSBコネクタ11(図1)に接続すると、USBコネクタ11(図1)に繋がっているUSBホスト制御部13(図1)は、USBコネクタに接続されている信号線の端子電圧の変化によって、外部に何らかの装置(外部デバイス)が接続されたことを認識する。USBホスト制御部13(図1)は、データ処理部14(図1)に外部デバイスの接続を通知すると、データ処理部14(図1)は、USB仕様(Universal Serial Bus Specification Rev2.0)に従って、USBホスト制御部13(図1)を制御し、外部デバイスに問い合わせを行い、デバイス情報を読み出す。外部デバイスのデバイス情報が正しく読み出されると、USBによる通信レイヤー接続が確立する。
【0014】
ステップS02
データ処理部14(図1)は、読み出したデバイス情報により、外部デバイスが、ディジタルカメラ2であった場合、さらにPTP仕様(Pictur Transfer Protocol for Digital Still Phtography Devices、PIMA 15740;2000)に従って、トランスポート層としてPTPプロトコルの接続確立を試みる。通常のディジタルカメラ2は、PictBridge仕様に対応しているのでPTPプロトコルも確立することになる。ここでPictBridge仕様とは、ディジタルカメラ自身が保持している画像をディジタルカメラ側から能動的にプリンタ側に送ってプリントする機能を言う。
【0015】
ステップS03
データ処理部14(図1)は、PTP仕様の接続が確立すると、更にPictBridge仕様(CIPA DC−001−2003)中のDSP Discovery機能に従い、お互いのDSP機能の接続確立を試みる。接続が確立すると、更にPictBridge仕様中のDPS―ConfigurePrintServiceにより、お互いがどんなサービス機能を有しているか確認を行う。
【0016】
従って、ディジタルカメラ2は、プリントクライアントとしてのアダプタ1に対してプリンタサーバ機能を要求するとともにストレージサーバ機能があることを通知する。データ処理部14は、プリントサーバ機能が提供できることと、ストレージクライアントとしてのディジタルカメラ2のストレージサーバ機能を用いることをディジタルカメラ2に通知する。これらのネゴシエーションによりプリントサーバ/クライアント、ストレージサーバ/クライアント接続が確立され、以後このサーバ/クライアントモデルの間で通信が行なわれる。このように、アダプタ1自体には、実際には、プリント機能は持たないが、プリント機能を持っているものとしてディジタルカメラ2に応答を行う。
【0017】
ステップS04P
プリントサーバ/クライアント間の通信を模擬的に示したものである。
ステップS04S
ストレージサーバ/クライアント間の通信を模擬的に示したものである。
【0018】
ステップS05
USBホスト制御部13(図1)は、USBコネクタ12に接続される外部デバイスに対しても同様にデバイス情報の取得を行い、外部デバイスがUSB仕様で定めるプリンタクラスであった場合には、外部デバイスをプリンタ3として認識する。尚、プリンタ3は、USB仕様中のプリンタクラスに対応していれば良く、PictBridge仕様には対応していなくても良い。よって、正確には必ずしもPictBridge仕様のプリントサーバ/クライアント間通信が確立するわけではないが、プリント実行元/要求元の関係としては、同義であるので、図には、プリンタサーバ/クライアントとして図示している。
【0019】
図4は、実施例1の動作説明図(その1)である。
この図は、ユーザがディジタルカメラ内の画像ファイル“IMG0001.JPG”(図示しない)を始めて印刷する場合の動作を示している。
【0020】
ステップS001
ユーザがディジタルカメラ2を操作して、プリント要求を実行すると、PictBridge仕様に従い、ディジタルカメラ2からアダプタ1に対して、“DPS−StartJob”コマンドが送信される。
【0021】
ステップS002
データ処理部14(図2)の入力制御手段101(図2)は、“DPS−StartJob”コマンドを受信すると、PictBridge仕様に従い、ディジタルカメラ2に“DPS−GetFileInfo”を送信する。
【0022】
ステップS003
ディジタルカメラ2は、ステップS002の応答として、ユーザが選択した “IMG0001.JPG”をファイル情報(FileInfo)としてアダプタ1へ送信する。
【0023】
ステップS004
データ処理部14(図2)の入力制御手段101(図2)は、ステップS003の応答により印刷すべき画像データが、“IMG0001.JPG”であることを認識すると、ファイル検索手段102(図2)に、アダプタ1内の補助記憶部15(図1)に該当するファイル名の画像データがあるかどうか検索させる。初めて印刷する場合は、当然存在しないので、ファイル検索手段102(図2)は、ファイル無しを入力制御手段101(図2)に通知する。
【0024】
ステップS005
ディジタルカメラ2は、ステップS004に応答して、“IMG0001.JPG”ファイルの画像データをアダプタ1へ送信する。アダプタ1の入力制御手段101は、受信した画像データを一旦、メモリ14−2(図2)に格納する。
【0025】
ステップS006
アダプタ1は、プリンタサーバ機能として印刷動作を行う。即ち、ステップS005で、メモリ14−2(図2)に格納された画像データは、通常JPEG等で圧縮されているので、一旦イメージ伸張手段103(図2)へ送ってビットイメージデータに変換される。次に、印刷データ生成手段108により、メモリ14−2(図2)に格納されている伸張されたビットイメージデータをプリンタ3で印刷可能なプリントデータに変換し、出力制御手段109へ送る。
【0026】
ステップS007
出力制御手段109(図2)は、プリンタ3のプリンタクライアントとして動作し、ステップS006で生成されたプリントデータをプリンタ3へ送信して印刷処理させる。
【0027】
ステップS008
メモリ14−2(図2)に格納されている画像データは、補助記憶管理手段105により、“IMG0001.JPG”のファイル名で補助記憶部15(図1)に保存される。
【0028】
ステップS009
メモリ14−2(図2)上に伸張されている画像データは、縮小画像生成手段107により、画像解像度を低くした縮小画像データファイル(インデックス画像)が生成される。又、ファイル名生成手段106は、縮小画像に“IMG0001−S.JPG”というように末尾にSを追加したファイル名を生成する。このようにして生成された、ファイル名 “IMG0001−S.JPG”の縮小画像ファイルは、出力制御手段により、ディジタルカメラ2内のメモリに書き戻される。その縮小画像について以下に説明する。
【0029】
図5は、縮小画像データの説明図である。
(a)は、元画像データを表し、(b)は、縮小画像データを表している。一例として元画像データが2560×1920ピクセルで構成されている場合には、X、Y各方向8×8ピクセルの平均値を1ピクセルに縮小することにより、320×240ピクセルで構成される縮小画像を生成する(b)。こうすることによって画像データ量は、1/64以下に減らされることになる。
【0030】
図6は、実施例1の動作説明図(その2)である。
この図は、ユーザがディジタルカメラ内の画像ファイル“IMG0001.JPG”を2回目以降に印刷する場合の動作を示している。動作説明の前提条件として、上記ステップS009によってアダプタ1の内部には、縮小画像ファイル“IMG0001−S.JPG”が、既に保存されているものとする。かかる場合には、ユーザは、ディジタルカメラ2内のディスプレイでインデックス画像“IMG0001−S.JPG”の画像内容を確認することが出来るので、“IMG0001−JPG”の印刷を希望する場合には、代わりに、“IMG0001−S.JPG”をアダプタ1に印刷要求することになる。
【0031】
ステップS101
ユーザがディジタルカメラ2を操作して、プリント要求を実行すると、PictBridge仕様に従い、ディジタルカメラ2からアダプタ1に対して、“DPS−StartJob”コマンドが送信される。
【0032】
ステップS102
データ処理部14(図2)の入力制御手段101(図2)は、“DPS−StartJob”コマンドを受信すると、PictBridge仕様に従い、ディジタルカメラ2に“DPS−GetFileInfo”を送信する。
【0033】
ステップS103
ディジタルカメラ2は、ステップS102の応答として、ユーザが選択した “IMG0001−S.JPG”をファイル情報(FileInfo)としてアダプタ1へ送信する。
【0034】
ステップS104
データ処理部14(図2)の入力制御手段101(図2)は、ステップS103の応答により印刷すべき画像データが、“IMG0001−S.JPG”であることを認識する。入力制御手段101(図2)は、画像データのファイル名末尾のSから縮小画像ファイル名が指定されたと判断し、ファイル名からSを削除した“IMG0001.JPG”が、アダプタ1内の補助記憶部15に保存されているか否かをファイル検索手段102に検索させる。
【0035】
ステップS105
2回目プリントなので、補助記憶部15に“IMG0001.JPG”が、既に保存されているので、ファイル検索手段102は、ファイルありを応答する。すると入力制御手段101(図2)は、ディジタルカメラ2からではなく補助記憶部15内の“IMG0001.JPG”を読み出す。
【0036】
ステップS106
アダプタ1は、プリンタサーバ機能として印刷動作を行う。即ち、メモリ14−2(図2)に格納された画像データは、通常JPEG等で圧縮されているので、一旦イメージ伸張手段103(図2)へ送られてビットイメージデータに変換される。次に、印刷データ生成手段108により、メモリ14−2(図2)に格納されている伸張されたビットイメージデータをプリンタ3で印刷可能なプリントデータに変換し、出力制御手段109へ送る。
【0037】
ステップS107
出力制御手段109(図2)は、プリンタ3のプリンタクライアントとして動作し、ステップS006で生成されたプリントデータをプリンタ3へ送信して印刷処理させる。
【0038】
以上説明したように、画像データを格納する非揮発性の補助記憶部15を備えることによって、ユーザは、ディジタルカメラ2から撮影済みの画像データを、補助記憶部15へ転送し、フラッシュメモリに空き容量をつくることが容易になるという効果を得る。更に、データ処理部14に縮小画像生成手段107と、出力制御手段109とを備えることによって印刷後のインデックスをディジタルカメラ2へ転送するので、2回目以降の印刷では、インデックス画像に基づく印刷指示だけで、ディジタルカメラ2からアダプタ1へ画像データを送出する必要がなくなるのでデータ転送時間の短縮を図ることが出来るという効果を得る。更に、ユーザは、インデックス画像がディジタルカメラ2の内部にあるので、画像データをアダプタ1へ転送したことを確認できるため、オリジナルの画像データをディジタルカメラ2から削除する判断が容易になるという効果を得る。
【実施例2】
【0039】
図7は、実施例2のアダプタの構成のブロック図である。
図に示すように、実施例2のアダプタ21は、USBコネクタ11と、USBコネクタ12と、USBホスト制御部13と、データ処理部14と、補助記憶部15と、操作部16と、画像表示部22とを備える。以下に実施例1との相違部分のみについて説明する。
【0040】
画像表示部22は、ユーザが操作部16を操作することにより、ディジタルカメラ20内のメモリに格納されている画像データの観察を可能にする画像表示手段である。この画像表示部22を備えることによって、ユーザがディジタルカメラ20を直接操作しなくても、ディジタルカメラ20内のメモリに格納されている画像データを選択し、印刷し、保存することが可能になる。そのため、ディジタルカメラ20は、PictBridge仕様に対応している必要が無くなる。
【0041】
又、本実施例で用いられるディジタルカメラ20は、実施例1のディジタルカメラ2とは異なり、PictBridge仕様に対応する必要は無い。但し、実施例1のディジタルカメラ2と同様に、USBで接続可能であり、アダプタ21からストレージデバイスとして認識可能であり、ディジタルカメラ20内のメモリに対して書込み・読出しが可能であるものとする。
【0042】
以上説明した実施例2のアダプタ21は以下のように動作する。最初にアダプタ21とディジタルカメラ20と、プリンタ3とが通信接続される手順について説明し、続いて、実際の動作をユーザがディジタルカメラ内の画像ファイルを始めて印刷する場合と、2回目以降に印刷する場合とに分けて説明する。
【0043】
図8は、実施例2の通信手順の説明図である。
図に示す、アダプタ21、ディジタルカメラ20、及び、プリンタ3との接続手順について説明する。
【0044】
ステップS21
ユーザがディジタルカメラ20(図7)をUSBコネクタ11(図7)に接続すると、USBコネクタ11(図7)に繋がっているUSBホスト制御部13(図7)は、USBコネクタに接続されている信号線の端子電圧の変化によって、外部に何らかの装置(外部デバイス)が接続されたことを認識する。USBホスト制御部13(図7)は、データ処理部14(図7)に外部デバイスの接続を通知すると、データ処理部14(図7)は、USB仕様(Universal Serial Bus Specification Rev2.0)に従って、USBホスト制御部13(図7)を制御し、外部デバイスに問い合わせを行い、デバイス情報を読み出す。外部デバイスのデバイス情報が正しく読み出されると、USBによる通信レイヤー接続が確立する。
【0045】
ステップS22
USBホスト制御部13(図7)は、更に、USBコネクタ11(図7)に接続された外部デバイスの種類を認識する。本実施例では、ディジタルカメラ20は、デストレージデバイスであることを想定しているのでデータ処理部14(図7)は、ステップS22で読み出したデバイス情報により、外部デバイス(ここではディジタルカメラ20)が記憶装置(StorageClass)であると認識する。データ処理部14(図7)は、外部デバイスがストレージデバイスであることを認識すると、実施例1のステップS02とは異なり、PTP仕様の接続を試みることなく、ディジタルカメラ20を外部記憶装置として扱う。
【0046】
ステップS23
USBホスト制御部13(図7)は、USBコネクタ12に接続される外部デバイスに対しても同様にデバイス情報の取得を行い、外部デバイスがUSB仕様で定めるプリンタクラスであった場合には、外部デバイスをプリンタ3として認識する。尚、プリンタ3は、USB仕様中のプリンタクラスに対応していれば良く、PictBridge仕様には対応していなくても良い。よって、正確には必ずしもPictBridge仕様のプリントサーバ/クライアント間通信が確立するわけではないが、プリント実行元/要求元の関係としては、同義であるので、図には、プリンタサーバ/クライアントとして図示している。
【0047】
図9は、実施例2の動作説明図(その1)である。
この図は、ユーザがディジタルカメラ内の画像ファイル“IMG0001.JPG”を始めて印刷する場合の動作を示している。
【0048】
ステップS201
ユーザがアダプタ21を操作してプリント動作を行う。ユーザがアダプタ21を起動すると、アダプタ21は、ディジタルカメラ20内のメモリにアクセスし、メモリに記憶されているファイルの一覧情報(以下ファイルリストと記す)の読出しを要求する。
【0049】
ステップS202
ディジタルカメラ20は、アダプタ21の読出しを要求に対応してファイルリストをアダプタ21へ送出する。
【0050】
ステップS203
アダプタ21は、ディジタルカメラ20から受入れたファイルリスト画像表示部22(図7)に表示し、ユーザ印刷希望ファイルの指定を求める。ここでは、ユーザが“IMG0001.JPG”を選択するものとする。
【0051】
ステップS204
データ処理部14(図7)の入力制御手段101(図2)は、印刷すべき印刷データが“IMG0001.JPG”であることを認識すると、ディジタルカメラ20(図7)に“GetFileDeta”を送出して“IMG0001.JPG”ファイルの画像データを要求する。
【0052】
ステップS205
ディジタルカメラ20は、ステップS204に応答して“IMG0001.JPG”ファイルの画像データをアダプタ21へ送出する。データ処理部14(図7)の入力制御手段101(図2)は、受信した画像データを一旦、メモリ14−2(図2)に保存する。
【0053】
ステップS206
アダプタ21は、プリンタサーバ機能として印刷動作を行う。即ち、ステップS005で、メモリ14−2(図2)に格納された画像データは、通常JPEG等で圧縮されているので、一旦イメージ伸張手段103(図2)へ送ってビットイメージデータに変換される。次に、印刷データ生成手段108により、メモリ14−2(図2)に格納されている伸張されたビットイメージデータをプリンタ3で印刷可能なプリントデータに変換し、出力制御手段109へ送る。
【0054】
ステップS207
出力制御手段109(図2)は、プリンタ3のプリンタクライアントとして動作し、ステップS206で生成されたプリントデータをプリンタ3へ送信して印刷処理させる。
【0055】
ステップS208
メモリ14−2(図2)に格納されている画像データは、補助記憶管理手段105により、“IMG0001.JPG”のファイル名で補助記憶部15(図7)に保存される。
【0056】
ステップS209
メモリ14−2(図2)上に伸張されている画像データは、縮小画像生成手段107により、画像解像度を低くした縮小画像データファイル(インデックス画像)が生成される、実施例1と同様に縮小画像データファイル(インデックス画像)が生成され、実施例1と同様に、縮小画像“IMG0001−S.JPG”ファイルがディジタルカメラ20内のメモリに書き戻される。
【0057】
図10は、実施例2の動作説明図(その2)である。
この図は、ユーザがディジタルカメラ内の画像ファイル“IMG0001.JPG”を2回目以降に印刷する場合の動作を示している。動作説明の前提条件として、上記ステップS209によってアダプタ21の内部には、縮小画像ファイル“IMG0001−S.JPG”が、既に保存されているものとする。かかる場合には、ユーザは、ディジタルカメラ20内のディスプレイでインデックス画像“IMG0001−S.JPG”の画像内容を確認することが出来るので、“IMG0001−JPG”の印刷を希望する場合には、代わりに、“IMG0001−S.JPG”をアダプタ21に印刷要求することになる。
【0058】
ステップS301
ユーザがアダプタ21を操作してプリント動作を行う。ユーザがアダプタ21を起動すると、アダプタ21は、ディジタルカメラ20内のメモリにアクセスし、メモリに記憶されているファイルの一覧情報(以下ファイルリストと記す)の読出しを要求する。
【0059】
ステップS302
ディジタルカメラ20は、アダプタ21の読出しを要求に対応してファイルリストをアダプタ21へ送出する。
【0060】
ステップS303
アダプタ21は、ディジタルカメラ20から受入れたファイルリスト画像表示部22(図7)に表示し、ユーザ印刷希望ファイルの指定を求める。ここでは、ユーザが“IMG0001.JPG”を選択するものとする。
【0061】
ステップS304
データ処理部14(図2)の入力制御手段101(図2)は、ステップS303の応答により印刷すべき画像データが、“IMG0001−S.JPG”であることを認識する。入力制御手段101(図2)は、画像データのファイル名末尾のSから縮小画像ファイル名が指定されたと判断し、ファイル名からSを削除した“IMG0001.JPG”が、アダプタ21内の補助記憶部15に保存されているか否かをファイル検索手段102に検索させる。
【0062】
ステップS305
2回目プリントなので、補助記憶部15に“IMG0001.JPG”が、既に保存されているので、ファイル検索手段102は、ファイルありを応答する。すると入力制御手段101(図2)は、ディジタルカメラ20からではなく補助記憶部15内の“IMG0001.JPG”を読み出す。
【0063】
ステップS306
アダプタ21は、プリンタサーバ機能として印刷動作を行う。即ち、メモリ14−2(図2)に格納された画像データは、通常JPEG等で圧縮されているので、一旦イメージ伸張手段103(図2)へ送ってビットイメージデータに変換される。次に、印刷データ生成手段108により、メモリ14−2(図2)に格納されている伸張されたビットイメージデータをプリンタ3で印刷可能なプリントデータに変換し、出力制御手段109へ送る。
【0064】
ステップS307
出力制御手段109(図2)は、プリンタ3のプリンタクライアントとして動作し、ステップS206で生成されたプリントデータをプリンタ3へ送信して印刷処理させる。
【0065】
以上説明したように、本実施例によれば、ユーザが画像表示部22を見ながら、操作部16を操作することにより、ユーザがディジタルカメラ20を直接操作しなくても、ディジタルカメラ20内のメモリに格納されている画像データを選択し、印刷し、保存することが可能になる。そのため、ディジタルカメラ20は、PictBridge仕様に対応している必要が無くなるという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0066】
実施例では、画像処理装置にディジタルカメラを接続する例について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。即ち、USBで接続するストレージデバイスであれば適用可能なので、USBメモリや、USB接続のHDD(ハードディスク)、CD、FDドライブなどとも接続して使用することが可能である。また、上記実施例では、一度、アダプタ内の補助記憶部に画像データが取り込まれた後は,ディジタルカメラの接続を行わずに、ユーザがアダプタの操作のみで、補助記憶部内の画像データを印刷させることも可能になる。また、アダプタが生成する縮小画像は、1つの画像ファイル毎に生成するのではなく、複数の面積を一つの縮小画像ファイルにまとめても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1のアダプタの構成のブロック図である。
【図2】実施例1のデータ処理部の機能説明図である。
【図3】実施例1の通信手順の説明図である。
【図4】実施例1の動作説明図(その1)である。
【図5】縮小画像データの説明図である。
【図6】実施例1の動作説明図(その2)である。
【図7】実施例2のアダプタの構成のブロック図である。
【図8】実施例2の通信手順の説明図である。
【図9】実施例2の動作説明図(その1)である。
【図10】実施例2の動作説明図(その2)である。
【符号の説明】
【0068】
1 アダプタ
2 ディジタルカメラ
3 プリンタ
11 USBコネクタ
12 USBコネクタ
13 USBホスト制御部
14 データ処理部
14−1 CPU
14−2 メモリ
14−3 ProgramRom
15 補助記憶部
16 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置から画像データを受入れて、印刷データに変換し、画像形成装置へ送出する画像処理装置であって、
前記画像データを格納する非揮発性の補助記憶装置を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記入力装置、及び、前記画像形成装置の少なくとも一方とUSBコネクタを介して接続するUSB機能を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像データを縮小し、縮小画像を生成する縮小画像生成部と、
該縮小画像生成部から前記縮小画像を受入れて、特定可能な画像データ識別符号を付して、前記データ入力装置へ返信する出力制御部とを、更に、備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記非揮発性の補助記憶装置が格納する画像データは、PictBridge対応の入力装置の操作により印刷出力可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力装置が有する画像データを取得する入力制御部と、
該入力制御部が取得する前記画像データを観察可能にする画像表示手段とを、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
接続された入力装置からデータを入力し、該データに基づき画像形成装置へ画像データを送信する画像処理装置に於いて、
前記入力装置から第1画像データを読み出す画像データ読出し部と、
前記読み出した第1画像データを記憶する画像データ記憶部と、
前記入力装置に対して第1画像に対応する画像の削除を要求する削除要求部と、
前記第1画像データの圧縮画像である第2画像データを作成する圧縮画像作成部と、
前記第2画像データを前記データ入力部に送信する圧縮画像送信部と、
前記データ入力装置から前記第2画像データに対応する印刷指示を受信すると、前記記憶部に記憶した第1画像データに基づく画像データを前記画像形成装置へ送信する画像データ送信部とを有することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−329661(P2007−329661A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158608(P2006−158608)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】