画像処理装置
【課題】オペレータによる作業を能率的に行う画像処理装置を構成する。
【解決手段】予め設定されている複数のワークフローの1つを指定し、そのワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの順序の変更等の編集をワークフロー編集手段29で行い、編集の後に保存されたワークフローをワークフロー選択手段30によって人為的に選択して実行する。
【解決手段】予め設定されている複数のワークフローの1つを指定し、そのワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの順序の変更等の編集をワークフロー編集手段29で行い、編集の後に保存されたワークフローをワークフロー選択手段30によって人為的に選択して実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理における処理ステップに関連付けられた複数の処理プロセスから指定された処理プロセスを実行する出力処理部を備えている画像処理装置に関し、詳しくは、処理ステップの変更を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された、画像処理装置として、モニタに複数枚のタブ付きカードを表示し、写真商品サービスに対応したタブを選択することにより、対応した処理を実現するグラフィックインターフェースを備えたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、写真プリント装置を取り扱うオペレータの熟練度に対応した複数のタブ付きカードをモニタに表示しておき、熟練度に対応したカードを選択することにより、低い熟練度のオペレータが、高い熟練度を要求される写真商品サービスの処理を行うと云う不都合を解消できるものにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2004‐177577号公報 (〔段落番号〔0021〕〜〔0035〕、図3〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DP店に設置されているデジタル型のミニラボと称される写真プリント装置での処理を例に挙げると、デジタルカメラにおいて撮影に使用されたメディアから画像データを取得して、サービスサイズと称される決まったサイズのプリントを行う処理は、画像データの補正を自動的に行う程度の処理で済むため、熟練度が低いオペレータにも比較的容易に操作できる。
【0006】
これに対して、ポートレートのように比較的大判の写真のプリントを行う場合には、R(赤)、G(緑)、B(青)やC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色に対応した色補正を必要とするばかりでなく、トリミングを必要とすることやテンプレートとの合成を必要とすることもあり、高い熟練度のオペレータが操作を行う必要がある。
【0007】
また、証明写真のプリントを行う場合には、構図を決める程度の操作を必要とすることから、オペレータに少し熟練を必要とする。
【0008】
このように、オペレータの熟練度に対応した処理を容易にするためには特許文献1に記載される技術も有効となる。しかしながら、写真プリント装置での処理として、証明写真のプリントや、テンプレートを用いた画像データの合成等の処理は、画像データの取得からプリントまでの処理ステップが多いものであるが、処理ステップにおいては決まった処理を選択することが多く、このような処理を能率的に行う技術も望まれている。
【0009】
本発明の目的は、オペレータによる作業を能率的に行い得る画像処理装置を合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴は、画像処理における処理ステップに関連付けられた複数の処理プロセスから指定された処理プロセスを実行する出力処理部を備えている画像処理装置であって、
予め設定されている複数のワークフローの1つを指定し、そのワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの順序の変更、処理ステップに関連付けられている処理プロセスの増減、処理プロセスの順序の変更の少なくとも1つを行い、新たなワークフローとして保存可能なワークフロー編集手段を備えると共に、
保存された複数のワークフローのうち選択されたものの処理プロセスを前記出力処理部で実行させるワークフロー選択手段を備えている点にある。
【0011】
この構成によると、ワークフロー編集手段により、予め設定されているワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの処理プロセスの順序の変更、処理ステップに関連付けられている処理プロセスの増減、処理プロセスの順序の変更の少なくとも1つを行う編集を行い、新たなワークフローとして保存できる。このようにワークフローを保存した後には、保存されているワークフローをワークフロー選択手段で選択して出力処理部において、そのワークフローの処理ステップを実行できる。つまり、予め設定されているワークフローのうち、例えば、出力処理に対応して不必要となる処理ステップを削除することにより、任意に設定した出力処理を簡単に実行できる。その結果、オペレータによる作業を能率的に行い得る画像処理装置が構成された。
【0012】
本発明においては、前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップにおいて自動的に行うべき処理プロセスのシーケンスの編集を行っても良い。これによると、処理ステップにおいて決まった順序で行うべき処理プロセスを、ワークフロー編集手段で編集しておくことにより、決まった処理プロセスを自動的に実行できる。
【0013】
本発明においては、前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップのアイコンをモニタに表示し、そのアイコンをポインティングデバイスで指定することで、処理ステップの編集が実現されるGUI型のインタフェースが設定されても良い。これによると、GUI型の操作によって容易にワークフローを編集できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、現像済みの写真フィルムFの画像情報のデジタル信号化を行い、デジタル信号化された画像情報の処理を行い、システム全体の基本的な制御を行うオペレート部Aを備えると共に、感光材料としての銀塩式のカラー印画紙P(以下、印画紙Pと略称する)に対して露光処理と現像処理とを行い、乾燥処理を行った後に送り出すプリント部Bを備えることにより画像処理装置としての写真プリント装置が構成されている。
【0015】
〔オペレート部〕
前記オペレート部Aは、コンソール1に対して写真フィルムFのコマ画像の情報を光電変換によりデジタル信号化して取り込むフィルムスキャナ2と、各種情報を表示するモニタ3と、画像処理と各種処理とを実現するよう汎用コンピュータで成る処理装置4とを配置している。また、コンソール1の上面に情報を入力するためのキーボード5と、ポインティングデバイスとして機能するマウス6とを備えている。前記処理装置4の上部位置にCDやMOやFD等のディスク型の記憶手段からの情報を取得する、あるいは、半導体型の記憶手段からの情報を取得するよう記憶手段の構造に対応したメディアドライブ7を備え、内部に情報を保存する半導体メモリやハードディスク等(図示せず)を備えている。
【0016】
前記フィルムスキャナ2は、写真フィルムFのサイズに適合したフィルムキャリア8をセットすることにより、写真フィルムFのコマの画像情報をデジタル信号化し、画像データとして取り込む処理を行う。
【0017】
〔プリント部〕
前記プリント部Bは、露光ブロックExと、現像ブロックDeと、乾燥ブロックDrとを筐体10に収納して成ると共に、筐体10の外部には、処理の後に筐体10の上部から水平方向に送り出される印画紙Pを搬送するベルト搬送機構11を備えている。このベルト搬送機構11から送られる印画紙Pをオーダ単位で仕分けて集積するよう複数のトレー12を有したソータ13を備え、更に、ベルト搬送機構11の下方位置には大きいサイズの印画紙Pを受け止めるラック14を備えている。
【0018】
前記処理装置4は、フィルムスキャナ2で取り込んだ画像データ、あるいは、前記メディアドライブ7でメディアから取り込んだ画像データを前記半導体メモリ21やハードディスクHD(図2を参照)に保存する処理を行う。このように取り込んだ画像データは印画紙Pにプリントする出力処理と、CD−R等のメディアに記録する出力処理との少なくとも一方の出力が行われる。
【0019】
〔制御系〕
写真プリント装置の制御系の概要を図2のように示している。つまり、前記処理装置4は、入出力インタフェース20と、この入出力インタフェース20(I/O)からの情報を処理するマイクロプロセッサCPUとを備えている。前記入出力インタフェース20は、前記フィルムスキャナ2、モニタ3、キーボード5、マウス6、メディアドライブ7、ハードディスクHD夫々からの情報がアクセスする。また、CPUのデータバスに対して半導体メモリ21、オペレーティングシステム22、画像データ取得手段23、処理データ取得手段24、画面制御手段25、補正処理手段26、画像加工手段27、プリント実行手段28(出力処理部の一例)、ワークフロー編集手段29、ワークフロー選択手段30、ワークフロー実行手段31からの情報がアクセスできるように接続している。
【0020】
オペレーティングシステム22、画像データ取得手段23、処理データ取得手段24、画面制御手段25、補正処理手段26、画像加工手段27、プリント実行手段28、ワークフロー編集手段29、ワークフロー選択手段30、ワークフロー実行手段31夫々は前記半導体メモリ21に展開されるソフトウエアを想定しているが、ロジック等のハードウエアで構成して良く、また、ハードウエアとの組み合わせによって構成しても良い。
【0021】
前記オペレーティングシステム22は、半導体メモリ21を管理すると共に、ソフトウエアを半導体メモリ21に展開して実行を実現するものであり、前記キーボード5やマウス6の情報を取得して、実行中の処理に与えるインタフェースとしても機能する。前記画像データ取得手段23は、前記フィルムスキャナ2あるいは前記メディアドライブ7から画像データを取得する。前記処理データ取得手段24はプリントサイズ、プリント枚数等のオーダデータを取得する処理を実現する。
【0022】
前記画面制御手段25はモニタ3に対し、処理に必要な複数種の画面を表示し、その画面に表示されるアイコン等の情報に基づいてGUI型に必要な処理を実現する。
【0023】
前記補正処理手段26は、色補正、濃度補正等の補正処理を実現する。前記画像加工手段27は、画像データのズームによる拡大や縮小、トリミング、回転等の加工処理を実現する。前記プリント実行手段28は、処理データ取得手段24で取得した処理データに基づいて画像データを前記プリント部Bに伝送してプリント処理を実現する。
【0024】
〔出力処理の概要〕
本発明の写真プリント装置では、効率的な作業を行うために既に設定されているワークフローをオペレータが編集し、新たなワークフローとして保存しておき、処理に対応してワークフローを選択することにより効率的な作業を実現できるように処理装置4が構成されている。
【0025】
図3にプリント処理を実行するワークフローの基本的な概念を表している。つまり、取得した画像データと処理データとに基づいてプレビュー画面(図7を参照)に表示するプレビュー画面処理(#01処理ステップ)を行う。このプレビュー画面に表示されている画像データの画像処理を行う画面上処理(#02処理ステップ)を行い、更に、プレビュー画面に表示されている画像データの1つを指定して拡大状態で処理を実現する拡大画面処理(#03処理ステップ)を行う。そして、プレビュー画面に対するオペレータの操作に基づいてプリント出力(#04処理ステップ)を行う。
【0026】
前記プレビュー画面処理では、ページ切換、プリント実行を実現する。画面上処理では、色補正、濃度補正、プリント枚数の設定等の処理プロセスが関連付けられている。また、拡大画面処理では、濃度補正、色補正、トリミング、画像反転、画像回転、カラー変換等の処理プロセスが関連付けられている。これらの処理形態を以下に説明する。
【0027】
〔処理形態〕
図4のフローチャートに写真プリント装置での出力処理の処理形態を示している。つまり、モニタ3に表示された初期画面(図示せず)において設定を行った後に図6に示すワークフロー処理画面35がモニタ3に表示される。このワークフロー処理画面35において実行すべきワークフローを選択して画像データの出力処理を行う、又は、ワークフローの編集が可能となる(#101〜#103ステップ・#200ステップ)。
【0028】
初期画面では、プリントチャンネル、プリント形態、メディアへの出力の有無等の初期情報の設定が行われる。図6に示すワークフロー処理画面35は複数のワークフローを表示するワークフロー表示部36と、OKボタン37と、キャンセルボタン38と、下部の編集ボタン39とを備えている。
【0029】
同図では、ワークフロー表示部36に対して、丁寧仕上げ36a、高品質36b、通常品質36c、自動仕上げ36d夫々のワークフローが保存されていることを示している。また、各ワークフローは、自動仕上げを除いて、プレビュー画面処理と、画面上処理と、拡大画面処理との処理ステップのうちの少なくとも1つを備えている。
【0030】
ワークフロー表示部36に表示されているワークフローの何れか1つをカーソルCuで選択し、この後、OKボタン37をカーソルCuで選択してマウス6のスイッチをクリックすることにより、選択したワークフローを実行できる(ワークフロー選択手段30・ワークフロー実行手段31による処理)。これに対して、編集ボタン39を操作した場合にはワークフロー編集が実現する(ワークフロー編集手段29による処理・この編集の処理は後述する)。
【0031】
このフローチャートでは、高品質36bのワークフローが選択された状況における処理を以下に説明する。高品質36bのワークフローが実行される際には、フィルムスキャナ2、メディアドライブ7で取り込まれ、図7に示すプレビュー画面40がモニタ3に表示されると共に、取り込まれた画像データのサムネイル画像がプレビュー画面40に表示される。そして、このプレビュー画面40において画面上処理と、拡大画面処理との実行が可能となる(#104、#105ステップ)。
【0032】
プレビュー画面40は、画像データを表示する複数の画像表示部41が形成され、画面の下方位置にオーダ情報表示部42が形成されている。また画像表示部41の下方位置にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)に対応した色補正選択ボタン43と、濃度補正選択ボタン44と、プリント枚数表示部45とが形成されている。更に、画像表示部41の上部位置に画像データを特定するコマ表示部46が形成され、画面の下側にはプリント処理を開始するスタートボタン47が形成されている。
【0033】
このプレビュー画面40では、濃度不足のようにプリントに不適切として自動抽出された画像データ、あるいは、オペレータがプリントを行わないものとして設定した画像データの画像表示部41に「Pass」のメッセージが表示される。
【0034】
また、このプレビュー画面40では、オペレータがマウス6の操作でカーソルCuを3つの色補正選択ボタン43の1つの位置に一致させてマウス6のスイッチをクリックすることでマニュアル補正による対応した色の色補正が実現する。これと同様に濃度補正選択ボタン44にカーソルCuを一致させてマウス6のスイッチをクリックすることで濃度補正が実現する。このように色補正選択ボタン43による色補正を行った場合、及び、濃度補正選択ボタン44による濃度補正を行った場合には、補正結果が画像表示部41に表示されている画像データに反映される。
【0035】
更に、プリント枚数表示部45をカーソルCuで選択した状態で、マウス6のスイッチをクリックすることや、キーボード5から枚数を入力するプリント枚数の設定を行える。
【0036】
また、色補正、濃度補正では、マウス6のスイッチのクリック回数の積算値が補正量に対応することになる。そして、プレビュー画面40に表示されたボタン類をカーソルCuで操作する処理が画面上処理に対応する。特に、色補正、濃度補正、プリント枚数の設定が、この画面上処理に関連付けられた処理となる。
【0037】
このプレビュー画面40の画像表示部41をカーソルCuで指定し、マウス6のスイッチをクリックすることにより、図8に示す1コマ処理画面50が新たに表示され、この1コマ処理画面50に対して、拡大した画像データが表示され、この1コマ処理画面50において拡大画面処理による処理が実現する。
【0038】
1コマ処理画面50は、画像表示領域51が形成されると共に、この側部にはY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)に対応した3つの色補正ボタン52と、1つの濃度補正ボタン53と、画像データのサイズを無段階に調節するズーム設定部54と、画像データを左右反転させる左右反転ボタン55と、画像データを上下反転させる上下反転ボタン56と、カラー変換設定部57と、画像データの回転量を設定する画像回転設定部58とが形成されている。
【0039】
この1コマ処理画面50において、色補正ボタン52と濃度補正ボタン53との操作による補正は、プレビュー画面40における操作と同じである。尚、色補正ボタン52による色補正を行った場合、及び、濃度補正ボタン53による濃度補正を行った場合には、補正結果が画像表示領域51に表示されている画像データに反映される。
【0040】
また、ズーム設定部54によって拡大率を設定することにより画像データの拡大あるいは縮小が実現し、設定された拡大率の画像データが画像表示領域51に表示される。左右反転ボタン55は画像データの左右を反転する処理プロセスを実現し、上下反転ボタン56は画像データの上下を反転する処理プロセスを実現し、これらの反転の処理結果が画像表示領域51に表示される。
【0041】
カラー変換設定部57はカラーとモノクロとセピアとの何れかをチェックすることにより、チェックした色相に変換する処理プロセスを実現し、変換結果が画像表示領域51の画像データに反映される。更に、画像回転設定部58で回転角度を設定することによって画像データの回転を実現し、回転結果が画像表示領域51の画像データに反映される。
【0042】
この1コマ処理画面50に表示されたボタン類をカーソルCuで操作する処理が拡大画面処理に対応する。特に、色補正、濃度補正、ズーム設定等が、この拡大画面処理に関連付けられた処理となる。尚、プレビュー画面40と1コマ処理画面50とにおける補正処理は、補正処理手段26が実現し、1コマ処理画面50における拡大や反転等の加工処理は画像加工手段27が実現する。
【0043】
このようにプレビュー画面40では、前述した画面上処理(#02処理ステップ)に関連付けられた処理を行う、又は、前述した拡大画面処理(#03処理ステップ)に関連付けられた処理を行う、又は、画面上処理(#02処理ステップ)に関連付けられた処理プロセスと拡大画面処理(#03処理ステップ)に関連付けられた処理プロセスとを行う。
【0044】
この後、プレビュー画面40のスタートボタン47をカーソルCuで選択し、マウス6のスイッチをクリックすることにより、このワークフローでの処理を終了し、プリント処理が行われる(#106、#107ステップ・プリント実行手段28による処理)。更に、システムを終了することにより、前述した初期画面に基づいた設定からの処理を終了できる(#108ステップ)。
【0045】
ワークフロー編集を、図5のフローチャートのように示すことが可能である。つまり、前記ワークフロー処理画面の編集ボタン39をカーソルCuで選択してマウス6のスイッチをクリックした場合には、図6に示す編集対象指定画面60がモニタ3に表示され、次に、図10に示すワークフロー編集画面70がモニタ3に表示され、ワークフローの編集を行える(#201〜#203ステップ・ワークフロー編集手段29による処理)。
【0046】
編集対象指定画面60にはプリント出力におけるプリントの形態を示す「通常のプリント」、「証明写真」、「ポストカード」夫々に対応した指定ボタン61と、メディア出力における出力形態を示す「CD−R」に対応した指定ボタン62とが表示されると共に、キャンセルボタン63が表示されている。そして、指定ボタン61、62の何れかを操作することによりワークフロー編集画面70が表示される。
【0047】
図10に示すワークフロー編集画面70には、「通常のプリント」に対応する指定ボタン61が指定された際の表示内容を示しており、ノーマル表示領域71に対して、処理装置4において画像処理のために予め設定されているワークフローが表示される。この下部に編集領域72が表示され、この下方位置にキャンセルボタン73と保存ボタン74と、録画ボタン75とが形成されている。
【0048】
同図に示すように、ノーマル表示領域71に示されるワークフローとして、プレビュー画面処理と、画面上処理と、拡大画面処理との3つの処理ステップがアイコンICとして表示され、この処理ステップに対応するアイコンICの何れかを、カーソルCuで指定し、ドラッグアンドドロップすることで、編集領域72に処理ステップのアイコンICを表示するように、ワークフロー編集手段29はGUI型のインタフェースを備えている。
【0049】
更に、編集領域72に表示された処理ステップのアイコンICをカーソルCuで指定してマウス6のスイッチをクリックすることにより、処理情報表示部76が表示され、処理ステップに関連付けられた処理プロセスの情報が表示される。同図では、色補正、濃度補正、自動補正の3つの処理プロセスが示され、実行可能にすべき処理プロセスをチェックしておくことにより、チェックされた処理プロセスが、処理ステップにおいて実行できる。尚、自動処理をチェックした場合にはオペレータが操作を行わずとも自動補正が実行されることになる。
【0050】
そして、保存ボタン74をカーソルで選択してマウス6のスイッチをクリックすることにより、ワークフローの名称の入力が求められ、名称の入力の後に新たなワークフローとして保存される(#204、#205ステップ)。尚、この編集により図6に示すワークフローを生成して保存できる。
【0051】
図面には示していないが、プレビュー画面処理と、画面上処理と、拡大画面処理との3つの処理ステップの何れのステップの処理も行わずに自動補正を行う場合には、編集領域72にアイコンを表示せず、この編集領域72を選択してマウス6のスイッチをクリックすることにより、前記処理情報表示部76と同様の表示が行われ、この表示に基づいて自動補正を設定できる。
【0052】
また、編集処理(#203ステップ)では、証明写真のように、オペレータが行う処理ステップが比較的多いものにおいて、オペレータが決まった操作を行うものについては、処理の自動実行を設定することも可能である。
【0053】
具体的には、ワークフロー編集画面70の録画ボタン75を操作することにより、図11に示すように、録画確認領域77と、複数の録画制御ボタン78が、ワークフロー編集画面70に表示される。そして、録画制御ボタン78の録画ボタンを操作することで、モニタ3に対して現実に行う画面が表示され、この画面においてオペレータが操作を行うことにより、オペレータが行った各操作が、操作を行った順序で保存される(ワークフロー編集手段29による処理)。
【0054】
同図には、エディットに関連付けられた処理プロセスとして、フォーム選択、自動挿入、−90°回転、顔位置指定画面、175%拡大、プレビュー表示の各処理プロセスが、オペレータが操作した順序で表示された状態を示している。
【0055】
尚、フォーム選択の処理プロセスではプリントサイズを選択し、自動挿入の処理プロセスでは、フォームに画像データ(人物の顔)を挿入し、−90°回転の処理プロセスでは画像データを−90°回転させる。そして、顔位置指定画面では顔位置指定画面を表示して顔の位置の指定を可能にする。次に、175%拡大の処理プロセスでは画像データを175%拡大し、プレビュー表示の処理プロセスではプリントを実行した際の画像データのイメージが表示される。
【0056】
特に、このように処理プロセスのうち自動的に行うべき処理プロセスのシーケンスの設定を行うことにより、例えば、スタジオで決まった構図で、決まった大きさで撮影した画像データから証明写真をプリントする場合のように、カメラの縦横の姿勢に合わせた画像データの回転や、画像データの縮小を自動的に行えるものとなり、能率的な処理を実現する。
【0057】
また、処理プロセスのシーケンスを設定する処理として、録画する形態でなくても良く、例えば、処理プロセスのアイコンやシンボル等のイメージをドラッグアンドドロップする形態で配置することによりシーケンスを設定するものであっても良い。
【0058】
〔発明の概念〕
このように、本発明では、写真プリント装置において予め設定されているワークフローを指定し、ワークフロー編集手段で編集し、新たなワークフローとして保存して能率的な作業を行える。特に、ワークフローを新たに保存した後には、保存したワークフローを選択して実行することにより、出力処理に対応した必要最小限の処理を行わせることも可能になるため、不要な処理を行わずに済むものとなり、処理の手間を低減できるのである。また、処理ステップに関連付けられている処理プロセスを自動的に行うように処理プロセスのシーケンスを設定することにより、オペレータの手間を一層軽減した出力処理が実現するのである。
【0059】
また、本発明では、ワークフローを人為的に選択することが基本的な操作形態であるが、例えば、決まった作業を行う時間帯では予め設定されたワークフローを自動的に選択するように処理形態を設定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】写真プリント装置の全体構成を示す斜視図
【図2】処理装置の制御系を示すブロック回路図
【図3】ワークフローの基本的な概念を示す図
【図4】出力処理のフローチャート
【図5】ワークフロー編集のフローチャート
【図6】ワークフロー処理画面を示す図
【図7】プレビュー画面を示す図
【図8】コマ処理画面を示す図
【図9】編集対象指定画面を示す図
【図10】ワークフロー編集画面を示す図
【図11】ワークフロー編集画面を示す図
【符号の説明】
【0061】
3 モニタ
6 ポインティングデバイス(マウス)
28 出力処理部(プリント実行手段)
29 ワークフロー編集手段
30 ワークフロー選択手段
IC アイコン
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理における処理ステップに関連付けられた複数の処理プロセスから指定された処理プロセスを実行する出力処理部を備えている画像処理装置に関し、詳しくは、処理ステップの変更を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された、画像処理装置として、モニタに複数枚のタブ付きカードを表示し、写真商品サービスに対応したタブを選択することにより、対応した処理を実現するグラフィックインターフェースを備えたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、写真プリント装置を取り扱うオペレータの熟練度に対応した複数のタブ付きカードをモニタに表示しておき、熟練度に対応したカードを選択することにより、低い熟練度のオペレータが、高い熟練度を要求される写真商品サービスの処理を行うと云う不都合を解消できるものにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2004‐177577号公報 (〔段落番号〔0021〕〜〔0035〕、図3〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DP店に設置されているデジタル型のミニラボと称される写真プリント装置での処理を例に挙げると、デジタルカメラにおいて撮影に使用されたメディアから画像データを取得して、サービスサイズと称される決まったサイズのプリントを行う処理は、画像データの補正を自動的に行う程度の処理で済むため、熟練度が低いオペレータにも比較的容易に操作できる。
【0006】
これに対して、ポートレートのように比較的大判の写真のプリントを行う場合には、R(赤)、G(緑)、B(青)やC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色に対応した色補正を必要とするばかりでなく、トリミングを必要とすることやテンプレートとの合成を必要とすることもあり、高い熟練度のオペレータが操作を行う必要がある。
【0007】
また、証明写真のプリントを行う場合には、構図を決める程度の操作を必要とすることから、オペレータに少し熟練を必要とする。
【0008】
このように、オペレータの熟練度に対応した処理を容易にするためには特許文献1に記載される技術も有効となる。しかしながら、写真プリント装置での処理として、証明写真のプリントや、テンプレートを用いた画像データの合成等の処理は、画像データの取得からプリントまでの処理ステップが多いものであるが、処理ステップにおいては決まった処理を選択することが多く、このような処理を能率的に行う技術も望まれている。
【0009】
本発明の目的は、オペレータによる作業を能率的に行い得る画像処理装置を合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴は、画像処理における処理ステップに関連付けられた複数の処理プロセスから指定された処理プロセスを実行する出力処理部を備えている画像処理装置であって、
予め設定されている複数のワークフローの1つを指定し、そのワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの順序の変更、処理ステップに関連付けられている処理プロセスの増減、処理プロセスの順序の変更の少なくとも1つを行い、新たなワークフローとして保存可能なワークフロー編集手段を備えると共に、
保存された複数のワークフローのうち選択されたものの処理プロセスを前記出力処理部で実行させるワークフロー選択手段を備えている点にある。
【0011】
この構成によると、ワークフロー編集手段により、予め設定されているワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの処理プロセスの順序の変更、処理ステップに関連付けられている処理プロセスの増減、処理プロセスの順序の変更の少なくとも1つを行う編集を行い、新たなワークフローとして保存できる。このようにワークフローを保存した後には、保存されているワークフローをワークフロー選択手段で選択して出力処理部において、そのワークフローの処理ステップを実行できる。つまり、予め設定されているワークフローのうち、例えば、出力処理に対応して不必要となる処理ステップを削除することにより、任意に設定した出力処理を簡単に実行できる。その結果、オペレータによる作業を能率的に行い得る画像処理装置が構成された。
【0012】
本発明においては、前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップにおいて自動的に行うべき処理プロセスのシーケンスの編集を行っても良い。これによると、処理ステップにおいて決まった順序で行うべき処理プロセスを、ワークフロー編集手段で編集しておくことにより、決まった処理プロセスを自動的に実行できる。
【0013】
本発明においては、前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップのアイコンをモニタに表示し、そのアイコンをポインティングデバイスで指定することで、処理ステップの編集が実現されるGUI型のインタフェースが設定されても良い。これによると、GUI型の操作によって容易にワークフローを編集できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、現像済みの写真フィルムFの画像情報のデジタル信号化を行い、デジタル信号化された画像情報の処理を行い、システム全体の基本的な制御を行うオペレート部Aを備えると共に、感光材料としての銀塩式のカラー印画紙P(以下、印画紙Pと略称する)に対して露光処理と現像処理とを行い、乾燥処理を行った後に送り出すプリント部Bを備えることにより画像処理装置としての写真プリント装置が構成されている。
【0015】
〔オペレート部〕
前記オペレート部Aは、コンソール1に対して写真フィルムFのコマ画像の情報を光電変換によりデジタル信号化して取り込むフィルムスキャナ2と、各種情報を表示するモニタ3と、画像処理と各種処理とを実現するよう汎用コンピュータで成る処理装置4とを配置している。また、コンソール1の上面に情報を入力するためのキーボード5と、ポインティングデバイスとして機能するマウス6とを備えている。前記処理装置4の上部位置にCDやMOやFD等のディスク型の記憶手段からの情報を取得する、あるいは、半導体型の記憶手段からの情報を取得するよう記憶手段の構造に対応したメディアドライブ7を備え、内部に情報を保存する半導体メモリやハードディスク等(図示せず)を備えている。
【0016】
前記フィルムスキャナ2は、写真フィルムFのサイズに適合したフィルムキャリア8をセットすることにより、写真フィルムFのコマの画像情報をデジタル信号化し、画像データとして取り込む処理を行う。
【0017】
〔プリント部〕
前記プリント部Bは、露光ブロックExと、現像ブロックDeと、乾燥ブロックDrとを筐体10に収納して成ると共に、筐体10の外部には、処理の後に筐体10の上部から水平方向に送り出される印画紙Pを搬送するベルト搬送機構11を備えている。このベルト搬送機構11から送られる印画紙Pをオーダ単位で仕分けて集積するよう複数のトレー12を有したソータ13を備え、更に、ベルト搬送機構11の下方位置には大きいサイズの印画紙Pを受け止めるラック14を備えている。
【0018】
前記処理装置4は、フィルムスキャナ2で取り込んだ画像データ、あるいは、前記メディアドライブ7でメディアから取り込んだ画像データを前記半導体メモリ21やハードディスクHD(図2を参照)に保存する処理を行う。このように取り込んだ画像データは印画紙Pにプリントする出力処理と、CD−R等のメディアに記録する出力処理との少なくとも一方の出力が行われる。
【0019】
〔制御系〕
写真プリント装置の制御系の概要を図2のように示している。つまり、前記処理装置4は、入出力インタフェース20と、この入出力インタフェース20(I/O)からの情報を処理するマイクロプロセッサCPUとを備えている。前記入出力インタフェース20は、前記フィルムスキャナ2、モニタ3、キーボード5、マウス6、メディアドライブ7、ハードディスクHD夫々からの情報がアクセスする。また、CPUのデータバスに対して半導体メモリ21、オペレーティングシステム22、画像データ取得手段23、処理データ取得手段24、画面制御手段25、補正処理手段26、画像加工手段27、プリント実行手段28(出力処理部の一例)、ワークフロー編集手段29、ワークフロー選択手段30、ワークフロー実行手段31からの情報がアクセスできるように接続している。
【0020】
オペレーティングシステム22、画像データ取得手段23、処理データ取得手段24、画面制御手段25、補正処理手段26、画像加工手段27、プリント実行手段28、ワークフロー編集手段29、ワークフロー選択手段30、ワークフロー実行手段31夫々は前記半導体メモリ21に展開されるソフトウエアを想定しているが、ロジック等のハードウエアで構成して良く、また、ハードウエアとの組み合わせによって構成しても良い。
【0021】
前記オペレーティングシステム22は、半導体メモリ21を管理すると共に、ソフトウエアを半導体メモリ21に展開して実行を実現するものであり、前記キーボード5やマウス6の情報を取得して、実行中の処理に与えるインタフェースとしても機能する。前記画像データ取得手段23は、前記フィルムスキャナ2あるいは前記メディアドライブ7から画像データを取得する。前記処理データ取得手段24はプリントサイズ、プリント枚数等のオーダデータを取得する処理を実現する。
【0022】
前記画面制御手段25はモニタ3に対し、処理に必要な複数種の画面を表示し、その画面に表示されるアイコン等の情報に基づいてGUI型に必要な処理を実現する。
【0023】
前記補正処理手段26は、色補正、濃度補正等の補正処理を実現する。前記画像加工手段27は、画像データのズームによる拡大や縮小、トリミング、回転等の加工処理を実現する。前記プリント実行手段28は、処理データ取得手段24で取得した処理データに基づいて画像データを前記プリント部Bに伝送してプリント処理を実現する。
【0024】
〔出力処理の概要〕
本発明の写真プリント装置では、効率的な作業を行うために既に設定されているワークフローをオペレータが編集し、新たなワークフローとして保存しておき、処理に対応してワークフローを選択することにより効率的な作業を実現できるように処理装置4が構成されている。
【0025】
図3にプリント処理を実行するワークフローの基本的な概念を表している。つまり、取得した画像データと処理データとに基づいてプレビュー画面(図7を参照)に表示するプレビュー画面処理(#01処理ステップ)を行う。このプレビュー画面に表示されている画像データの画像処理を行う画面上処理(#02処理ステップ)を行い、更に、プレビュー画面に表示されている画像データの1つを指定して拡大状態で処理を実現する拡大画面処理(#03処理ステップ)を行う。そして、プレビュー画面に対するオペレータの操作に基づいてプリント出力(#04処理ステップ)を行う。
【0026】
前記プレビュー画面処理では、ページ切換、プリント実行を実現する。画面上処理では、色補正、濃度補正、プリント枚数の設定等の処理プロセスが関連付けられている。また、拡大画面処理では、濃度補正、色補正、トリミング、画像反転、画像回転、カラー変換等の処理プロセスが関連付けられている。これらの処理形態を以下に説明する。
【0027】
〔処理形態〕
図4のフローチャートに写真プリント装置での出力処理の処理形態を示している。つまり、モニタ3に表示された初期画面(図示せず)において設定を行った後に図6に示すワークフロー処理画面35がモニタ3に表示される。このワークフロー処理画面35において実行すべきワークフローを選択して画像データの出力処理を行う、又は、ワークフローの編集が可能となる(#101〜#103ステップ・#200ステップ)。
【0028】
初期画面では、プリントチャンネル、プリント形態、メディアへの出力の有無等の初期情報の設定が行われる。図6に示すワークフロー処理画面35は複数のワークフローを表示するワークフロー表示部36と、OKボタン37と、キャンセルボタン38と、下部の編集ボタン39とを備えている。
【0029】
同図では、ワークフロー表示部36に対して、丁寧仕上げ36a、高品質36b、通常品質36c、自動仕上げ36d夫々のワークフローが保存されていることを示している。また、各ワークフローは、自動仕上げを除いて、プレビュー画面処理と、画面上処理と、拡大画面処理との処理ステップのうちの少なくとも1つを備えている。
【0030】
ワークフロー表示部36に表示されているワークフローの何れか1つをカーソルCuで選択し、この後、OKボタン37をカーソルCuで選択してマウス6のスイッチをクリックすることにより、選択したワークフローを実行できる(ワークフロー選択手段30・ワークフロー実行手段31による処理)。これに対して、編集ボタン39を操作した場合にはワークフロー編集が実現する(ワークフロー編集手段29による処理・この編集の処理は後述する)。
【0031】
このフローチャートでは、高品質36bのワークフローが選択された状況における処理を以下に説明する。高品質36bのワークフローが実行される際には、フィルムスキャナ2、メディアドライブ7で取り込まれ、図7に示すプレビュー画面40がモニタ3に表示されると共に、取り込まれた画像データのサムネイル画像がプレビュー画面40に表示される。そして、このプレビュー画面40において画面上処理と、拡大画面処理との実行が可能となる(#104、#105ステップ)。
【0032】
プレビュー画面40は、画像データを表示する複数の画像表示部41が形成され、画面の下方位置にオーダ情報表示部42が形成されている。また画像表示部41の下方位置にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)に対応した色補正選択ボタン43と、濃度補正選択ボタン44と、プリント枚数表示部45とが形成されている。更に、画像表示部41の上部位置に画像データを特定するコマ表示部46が形成され、画面の下側にはプリント処理を開始するスタートボタン47が形成されている。
【0033】
このプレビュー画面40では、濃度不足のようにプリントに不適切として自動抽出された画像データ、あるいは、オペレータがプリントを行わないものとして設定した画像データの画像表示部41に「Pass」のメッセージが表示される。
【0034】
また、このプレビュー画面40では、オペレータがマウス6の操作でカーソルCuを3つの色補正選択ボタン43の1つの位置に一致させてマウス6のスイッチをクリックすることでマニュアル補正による対応した色の色補正が実現する。これと同様に濃度補正選択ボタン44にカーソルCuを一致させてマウス6のスイッチをクリックすることで濃度補正が実現する。このように色補正選択ボタン43による色補正を行った場合、及び、濃度補正選択ボタン44による濃度補正を行った場合には、補正結果が画像表示部41に表示されている画像データに反映される。
【0035】
更に、プリント枚数表示部45をカーソルCuで選択した状態で、マウス6のスイッチをクリックすることや、キーボード5から枚数を入力するプリント枚数の設定を行える。
【0036】
また、色補正、濃度補正では、マウス6のスイッチのクリック回数の積算値が補正量に対応することになる。そして、プレビュー画面40に表示されたボタン類をカーソルCuで操作する処理が画面上処理に対応する。特に、色補正、濃度補正、プリント枚数の設定が、この画面上処理に関連付けられた処理となる。
【0037】
このプレビュー画面40の画像表示部41をカーソルCuで指定し、マウス6のスイッチをクリックすることにより、図8に示す1コマ処理画面50が新たに表示され、この1コマ処理画面50に対して、拡大した画像データが表示され、この1コマ処理画面50において拡大画面処理による処理が実現する。
【0038】
1コマ処理画面50は、画像表示領域51が形成されると共に、この側部にはY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)に対応した3つの色補正ボタン52と、1つの濃度補正ボタン53と、画像データのサイズを無段階に調節するズーム設定部54と、画像データを左右反転させる左右反転ボタン55と、画像データを上下反転させる上下反転ボタン56と、カラー変換設定部57と、画像データの回転量を設定する画像回転設定部58とが形成されている。
【0039】
この1コマ処理画面50において、色補正ボタン52と濃度補正ボタン53との操作による補正は、プレビュー画面40における操作と同じである。尚、色補正ボタン52による色補正を行った場合、及び、濃度補正ボタン53による濃度補正を行った場合には、補正結果が画像表示領域51に表示されている画像データに反映される。
【0040】
また、ズーム設定部54によって拡大率を設定することにより画像データの拡大あるいは縮小が実現し、設定された拡大率の画像データが画像表示領域51に表示される。左右反転ボタン55は画像データの左右を反転する処理プロセスを実現し、上下反転ボタン56は画像データの上下を反転する処理プロセスを実現し、これらの反転の処理結果が画像表示領域51に表示される。
【0041】
カラー変換設定部57はカラーとモノクロとセピアとの何れかをチェックすることにより、チェックした色相に変換する処理プロセスを実現し、変換結果が画像表示領域51の画像データに反映される。更に、画像回転設定部58で回転角度を設定することによって画像データの回転を実現し、回転結果が画像表示領域51の画像データに反映される。
【0042】
この1コマ処理画面50に表示されたボタン類をカーソルCuで操作する処理が拡大画面処理に対応する。特に、色補正、濃度補正、ズーム設定等が、この拡大画面処理に関連付けられた処理となる。尚、プレビュー画面40と1コマ処理画面50とにおける補正処理は、補正処理手段26が実現し、1コマ処理画面50における拡大や反転等の加工処理は画像加工手段27が実現する。
【0043】
このようにプレビュー画面40では、前述した画面上処理(#02処理ステップ)に関連付けられた処理を行う、又は、前述した拡大画面処理(#03処理ステップ)に関連付けられた処理を行う、又は、画面上処理(#02処理ステップ)に関連付けられた処理プロセスと拡大画面処理(#03処理ステップ)に関連付けられた処理プロセスとを行う。
【0044】
この後、プレビュー画面40のスタートボタン47をカーソルCuで選択し、マウス6のスイッチをクリックすることにより、このワークフローでの処理を終了し、プリント処理が行われる(#106、#107ステップ・プリント実行手段28による処理)。更に、システムを終了することにより、前述した初期画面に基づいた設定からの処理を終了できる(#108ステップ)。
【0045】
ワークフロー編集を、図5のフローチャートのように示すことが可能である。つまり、前記ワークフロー処理画面の編集ボタン39をカーソルCuで選択してマウス6のスイッチをクリックした場合には、図6に示す編集対象指定画面60がモニタ3に表示され、次に、図10に示すワークフロー編集画面70がモニタ3に表示され、ワークフローの編集を行える(#201〜#203ステップ・ワークフロー編集手段29による処理)。
【0046】
編集対象指定画面60にはプリント出力におけるプリントの形態を示す「通常のプリント」、「証明写真」、「ポストカード」夫々に対応した指定ボタン61と、メディア出力における出力形態を示す「CD−R」に対応した指定ボタン62とが表示されると共に、キャンセルボタン63が表示されている。そして、指定ボタン61、62の何れかを操作することによりワークフロー編集画面70が表示される。
【0047】
図10に示すワークフロー編集画面70には、「通常のプリント」に対応する指定ボタン61が指定された際の表示内容を示しており、ノーマル表示領域71に対して、処理装置4において画像処理のために予め設定されているワークフローが表示される。この下部に編集領域72が表示され、この下方位置にキャンセルボタン73と保存ボタン74と、録画ボタン75とが形成されている。
【0048】
同図に示すように、ノーマル表示領域71に示されるワークフローとして、プレビュー画面処理と、画面上処理と、拡大画面処理との3つの処理ステップがアイコンICとして表示され、この処理ステップに対応するアイコンICの何れかを、カーソルCuで指定し、ドラッグアンドドロップすることで、編集領域72に処理ステップのアイコンICを表示するように、ワークフロー編集手段29はGUI型のインタフェースを備えている。
【0049】
更に、編集領域72に表示された処理ステップのアイコンICをカーソルCuで指定してマウス6のスイッチをクリックすることにより、処理情報表示部76が表示され、処理ステップに関連付けられた処理プロセスの情報が表示される。同図では、色補正、濃度補正、自動補正の3つの処理プロセスが示され、実行可能にすべき処理プロセスをチェックしておくことにより、チェックされた処理プロセスが、処理ステップにおいて実行できる。尚、自動処理をチェックした場合にはオペレータが操作を行わずとも自動補正が実行されることになる。
【0050】
そして、保存ボタン74をカーソルで選択してマウス6のスイッチをクリックすることにより、ワークフローの名称の入力が求められ、名称の入力の後に新たなワークフローとして保存される(#204、#205ステップ)。尚、この編集により図6に示すワークフローを生成して保存できる。
【0051】
図面には示していないが、プレビュー画面処理と、画面上処理と、拡大画面処理との3つの処理ステップの何れのステップの処理も行わずに自動補正を行う場合には、編集領域72にアイコンを表示せず、この編集領域72を選択してマウス6のスイッチをクリックすることにより、前記処理情報表示部76と同様の表示が行われ、この表示に基づいて自動補正を設定できる。
【0052】
また、編集処理(#203ステップ)では、証明写真のように、オペレータが行う処理ステップが比較的多いものにおいて、オペレータが決まった操作を行うものについては、処理の自動実行を設定することも可能である。
【0053】
具体的には、ワークフロー編集画面70の録画ボタン75を操作することにより、図11に示すように、録画確認領域77と、複数の録画制御ボタン78が、ワークフロー編集画面70に表示される。そして、録画制御ボタン78の録画ボタンを操作することで、モニタ3に対して現実に行う画面が表示され、この画面においてオペレータが操作を行うことにより、オペレータが行った各操作が、操作を行った順序で保存される(ワークフロー編集手段29による処理)。
【0054】
同図には、エディットに関連付けられた処理プロセスとして、フォーム選択、自動挿入、−90°回転、顔位置指定画面、175%拡大、プレビュー表示の各処理プロセスが、オペレータが操作した順序で表示された状態を示している。
【0055】
尚、フォーム選択の処理プロセスではプリントサイズを選択し、自動挿入の処理プロセスでは、フォームに画像データ(人物の顔)を挿入し、−90°回転の処理プロセスでは画像データを−90°回転させる。そして、顔位置指定画面では顔位置指定画面を表示して顔の位置の指定を可能にする。次に、175%拡大の処理プロセスでは画像データを175%拡大し、プレビュー表示の処理プロセスではプリントを実行した際の画像データのイメージが表示される。
【0056】
特に、このように処理プロセスのうち自動的に行うべき処理プロセスのシーケンスの設定を行うことにより、例えば、スタジオで決まった構図で、決まった大きさで撮影した画像データから証明写真をプリントする場合のように、カメラの縦横の姿勢に合わせた画像データの回転や、画像データの縮小を自動的に行えるものとなり、能率的な処理を実現する。
【0057】
また、処理プロセスのシーケンスを設定する処理として、録画する形態でなくても良く、例えば、処理プロセスのアイコンやシンボル等のイメージをドラッグアンドドロップする形態で配置することによりシーケンスを設定するものであっても良い。
【0058】
〔発明の概念〕
このように、本発明では、写真プリント装置において予め設定されているワークフローを指定し、ワークフロー編集手段で編集し、新たなワークフローとして保存して能率的な作業を行える。特に、ワークフローを新たに保存した後には、保存したワークフローを選択して実行することにより、出力処理に対応した必要最小限の処理を行わせることも可能になるため、不要な処理を行わずに済むものとなり、処理の手間を低減できるのである。また、処理ステップに関連付けられている処理プロセスを自動的に行うように処理プロセスのシーケンスを設定することにより、オペレータの手間を一層軽減した出力処理が実現するのである。
【0059】
また、本発明では、ワークフローを人為的に選択することが基本的な操作形態であるが、例えば、決まった作業を行う時間帯では予め設定されたワークフローを自動的に選択するように処理形態を設定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】写真プリント装置の全体構成を示す斜視図
【図2】処理装置の制御系を示すブロック回路図
【図3】ワークフローの基本的な概念を示す図
【図4】出力処理のフローチャート
【図5】ワークフロー編集のフローチャート
【図6】ワークフロー処理画面を示す図
【図7】プレビュー画面を示す図
【図8】コマ処理画面を示す図
【図9】編集対象指定画面を示す図
【図10】ワークフロー編集画面を示す図
【図11】ワークフロー編集画面を示す図
【符号の説明】
【0061】
3 モニタ
6 ポインティングデバイス(マウス)
28 出力処理部(プリント実行手段)
29 ワークフロー編集手段
30 ワークフロー選択手段
IC アイコン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理における処理ステップに関連付けられた複数の処理プロセスから指定された処理プロセスを実行する出力処理部を備えている画像処理装置であって、
予め設定されている複数のワークフローの1つを指定し、そのワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの順序の変更、処理ステップに関連付けられている処理プロセスの増減、処理プロセスの順序の変更の少なくとも1つを行い、新たなワークフローとして保存可能なワークフロー編集手段を備えると共に、
保存された複数のワークフローのうち選択されたものの処理プロセスを前記出力処理部で実行させるワークフロー選択手段を備えている画像処理装置。
【請求項2】
前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップにおいて自動的に行うべき処理プロセスのシーケンスの編集を行う請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップのアイコンをモニタに表示し、そのアイコンをポインティングデバイスで指定することで、処理ステップの編集が実現されるGUI型のインタフェースが設定されている請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項1】
画像処理における処理ステップに関連付けられた複数の処理プロセスから指定された処理プロセスを実行する出力処理部を備えている画像処理装置であって、
予め設定されている複数のワークフローの1つを指定し、そのワークフローの処理ステップの増減、処理ステップの順序の変更、処理ステップに関連付けられている処理プロセスの増減、処理プロセスの順序の変更の少なくとも1つを行い、新たなワークフローとして保存可能なワークフロー編集手段を備えると共に、
保存された複数のワークフローのうち選択されたものの処理プロセスを前記出力処理部で実行させるワークフロー選択手段を備えている画像処理装置。
【請求項2】
前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップにおいて自動的に行うべき処理プロセスのシーケンスの編集を行う請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ワークフロー編集手段は、前記処理ステップのアイコンをモニタに表示し、そのアイコンをポインティングデバイスで指定することで、処理ステップの編集が実現されるGUI型のインタフェースが設定されている請求項1又は2記載の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−141413(P2009−141413A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312441(P2007−312441)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
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