説明

画像形成装置、プログラム、及び方法

【課題】コストを抑え、簡単に立体感のある画像を形成する画像形成装置、プログラム、及び、方法を実現する。
【解決手段】画像を取得する画像取得部と、前記画像に対してシャープネス強調処理を施すべき領域を特定する領域特定部と、前記領域特定部が特定した領域を盛り上げて、前記画像を印刷する画像形成部とを備える。これにより、被写体距離を測らなくて済むので、測距センサなどを設けなくてもよく、コストを抑えることができる。また。簡単に立体感のある画像を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、それぞれの領域の被写体距離を求め、長い被写体距離ほど大きく縮小の割合を大きくして奥行き情報の縮小を行い、該奥行き情報に基づいて印刷画像の凹凸を形成することが記載されている。また、特許文献2には、印刷画像に写っているそれぞれの被写体を、被写体距離に応じた段階の高さでそれぞれ突出させる技術が記載されている。
【特許文献1】特開平11−344777号公報
【特許文献2】特開平7−287326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献によれば、それぞれの領域の被写体距離を測定しなければならず、また、その被写体距離に応じてすべての領域に対して凹凸を付けるので、コストがかかり、また処理負担が大きい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、画像形成装置であって、画像を取得する画像取得部と、前記画像に対してシャープネス強調処理を施すべき領域を特定する領域特定部と、前記領域特定部が特定した領域を盛り上げて、前記画像を印刷する画像形成部とを備える。
【0005】
前記領域特定部が特定した領域に施すべき前記シャープネス強調処理の強度を決定する処理強度決定部と、前記処理強度決定部が決定した強度に応じて、前記領域特定部が特定した領域を盛り上げる高さを決定する高さ決定部とをさらに備えてよく、前記画像形成部は、前記高さ決定部が決定した高さで該領域を盛り上げて、前記画像を印刷してよい。
【0006】
前記画像に対して前記領域特定部は、前記シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のそれぞれを施すべき領域をそれぞれ特定し、前記処理強度決定部は、前記領域特定部が特定したそれぞれの領域に施すべき前記シャープネス強調処理、前記濃度強調処理、及び前記彩度強調処理の強度をそれぞれ決定してよく、前記高さ決定部は、前記処理強度決定部が決定したそれぞれの強調処理の強度に応じたそれぞれ高さを加算して、前記領域特定部が特定したそれぞれの領域を盛り上げる高さを決定してよい。
【0007】
前記高さ決定部は、前記処理強度決定部が決定したそれぞれの強調処理の強度に応じたそれぞれの高さをそれぞれ重み付けして加算することにより、前記領域特定部が特定したそれぞれの領域を盛り上げる高さを決定してよい。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様においては、プログラムであって、コンピュータを、画像を取得する画像取得部と、前記画像に対してシャープネス強調処理を施すべき領域を特定する領域特定部と、前記領域特定部が特定した領域を盛り上げて、前記画像を印刷する画像形成部として機能させる。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第3の態様においては、コンピュータが画像を印刷する方法であって、前記画像を取得する画像取得工程と、前記画像に対してシャープネス強調処理を施すべき領域を特定する特定工程と、前記特定工程が特定した領域を盛り上げて、前記画像を印刷する画像形成工程とを備える。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、本実施の形態の画像形成装置100を示す。画像形成装置100は、画像取得部101、領域特定部102、処理強度決定部103、高さ決定部104、変換パラメータ格納部105、変換パラメータ設定部106、及び画像形成部107を備える。
【0013】
画像取得部101は、デジタルカメラで撮像された画像データ、又はインターネットによりダウンロードした画像データ等を取得する。画像取得部101は、USBケーブル又はLANケーブルなどの有線通信により、他の機器から画像データを取得してもよく、また、無線通信、赤外線通信、又は無線LANなどにより画像データを取得してもよい。画像取得部101は、取得した画像データを領域特定部102、処理強度決定部103、及び画像形成部107に出力する。
【0014】
領域特定部102は、送られてきた画像データに対して、シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のうち少なくとも1つを含む画像処理を施すべき領域を特定する。つまり、シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のうち少なくとも1つを含む画像処理により強調される領域を特定する。画像データに対してどの強調処理を施すかはユーザが任意に選択してもよい。また、領域特定部102は、シャープネス強調処理、濃度強調処理、彩度強調処理のそれぞれを施すべき領域をそれぞれ特定してもよい。また、領域特定部102は、自動的に画像処理を施す領域を特定してもよく、ユーザによって指定された領域を特定してもよい。領域特定部102は、特定した領域を処理強度決定部103及び画像形成部107に出力する。なお、自動的に画像処理する領域を特定する技術は、当業者が適宜設計して適用可能なものであってよい。
【0015】
処理強度決定部103は、領域特定部102が特定した領域に施すべき画像処理の強度を決定する。また、領域特定部102がシャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のそれぞれを施すべき領域をそれぞれ特定した場合は、処理強度決定部103は、領域特定部102が特定したそれぞれの領域に施すべきシャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理の強度をそれぞれ決定する。処理強度決定部103は、領域特定部102が特定した領域に施すべき画像処理の強度を高さ決定部104に出力する。
【0016】
また、処理強度決定部103は、シャープネス強調処理強度決定部1031、濃度強調処理強度決定部1032、及び彩度強調処理強度決定部1033を有する。シャープネス強調処理強度決定部1031は、領域特定部102がシャープネス強調処理を施すべき領域を特定した場合に、特定された領域に施すべきシャープネス強調処理の強度を決定する。濃度強調処理強度決定部1032は、領域特定部102が濃度強調処理を施すべき領域を特定した場合に、特定された領域に施すべき濃度強調処理の強度を決定する。彩度強調処理強度決定部1033は、領域特定部102が彩度強調処理を施すべき領域を特定した場合に、特定された領域に施すべき彩度強調処理の強度を決定する。
【0017】
また、シャープネス強調処理強度決定部1031、濃度強調処理強度決定部1032、及び彩度強調処理強度決定部1033は、自動的に強度を決定するようにしてもよく、また、ユーザによって指定された強度を決定してもよい。また、濃度強調処理強度決定部1032は、予め設定されている、又はユーザが設定した濃度諧調カーブに応じて濃度の強度を決定してもよい。この濃度諧調カーブとは、ガンマカーブのように、入力画像データのそれぞれの濃度と、濃度強調処理後の出力画像データのそれぞれの濃度との対応関係を示すカーブをいう。通常、濃度諧調カーブは、入力画像データの中間濃度を最も強調して、低い濃度と高い濃度はそれほど強調しない。また、シャープネス強調処理強度決定部1031は、決定したシャープネス強調処理の強度を高さ決定部104に出力してよい。また、濃度強調処理強度決定部1032は、決定した濃度強調処理の強度を高さ決定部104に出力してよい。また、彩度強調処理強度決定部1033は、決定した彩度強調処理の強度を高さ決定部104に出力してよい。なお、画像処理する領域及びその強度を自動的に決定して画像処理を施す技術は当業者が適宜設計して適用可能なので、該技術を援用することにより、画像処理を施す領域、該領域に施す画像処理の強度を決定してよい。ここで、強度とは、強調された度合いのことをいい、具体的には、強調処理後と強調処理前の差分の値、つまり、強調処理によって変化した値のことをいう。なお、強調処理後の値と強調処理前の値との比のことを強度といってもよい。
【0018】
高さ決定部104は、処理強度決定部103が決定した強度に応じて、領域特定部102が特定した領域を盛り上げる高さを決定する。また、高さ決定部104は、処理強度決定部103が決定した強度に応じた高さを重み付けして領域特定部102が特定した領域を盛り上げる高さを決定してもよい。また、高さ決定部104は、処理強度決定部103が決定した強調処理の強度に応じた高さを、強調処理の種類に応じて重み付けを変えて高さを決定するようにしてもよい。つまり、高さ決定部104は、シャープネス強調処理強度決定部1031が決定した強度に対応する高さの重み付けと、濃度強調処理強度決定部1032が決定した強度に対応する高さの重み付けと、彩度強調処理強度決定部1033が決定した強度に対応する高さの重み付けとを変えて、盛り上げる高さを決定するようにしてもよい。例えば、シャープネス強調処理強度決定部1031が決定した強度に対応する高さの重み付けを最も大きくすることもできる。高さ決定部104は、それぞれの強調処理の強度に応じた高さを、それぞれ所定の重み付けで変える。つまり、同じ強度であっても、強調処理の種類によって決定される高さは異なることになる。
【0019】
また、高さ決定部104は、領域特定部102により特定された領域の中に、シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のうち2つ以上の強調処理を施すべき領域がある場合は、該領域に対して処理強度決定部103が決定したそれぞれの強調処理の強度に応じたそれぞれ高さを加算して、領域特定部102が特定したそれぞれの領域を盛り上げる高さを決定してよく、それぞれの強調処理の強度に応じた高さをそれぞれ重み付けして加算してもよい。また、高さ決定部104は、領域特定部102により特定された領域の中に、シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のうち2つ以上の強調処理を施すべき領域がある場合は、該領域に対して処理強度決定部103が決定したそれぞれの強調処理の強度に応じた高さの平均値を、該特定した領域の高さとして決定してもよく、それぞれの強調処理の強度に応じた高さをそれぞれ重み付けして求めた平均値を、該特定した領域の高さとして決定してもよい。また、高さ決定部104は、領域特定部102により特定された領域の中に、シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のうち2つ以上の強調処理を施すべき領域がある場合は、何れかの強調処理の強度に応じた高さ、または該高さを重み付けした高さを、該特定した領域の高さとして決定してもよい。
【0020】
なお、同じ強調処理を施すべき領域であっても、領域によってその強調処理の強度が異なる場合がある。例えば、シャープネス強調処理を施すべき領域であっても、領域によってシャープネス強調処理の強度は異なる場合がある。この場合は、同じ強調処理を施す領域であってもその強度が異なるので、高さ決定部104が決定する高さは領域によって異なる場合もある。
【0021】
変換パラメータ格納部105は、それぞれの強調処理の強度に対応する高さを格納している。この変換パラメータ格納部105は、それぞれの強調処理の強度に対応する高さとして、既に強度に対応した高さを重み付けして格納している。したがって、高さ決定部104は、変換パラメータ格納部105から処理強度決定部103が決定したそれぞれの強調処理の強度に対応する高さを取得することで、それぞれの強調処理の強度を重み付けした高さを決定することができる。
【0022】
変換パラメータ設定部106は、変換パラメータ格納部105に格納されているそれぞれの強調処理の強度に対応する高さを設定する。これにより、変換パラメータ設定部106は、変換パラメータ格納部105に格納されているそれぞれの強調処理の強度の重み付けを変えることができる。つまり、強度に対応する高さを低くすればその分重み付けを小さくしたことになり、また、強度に対応する高さを高くすればその分重み付けを大きくしたことになる。変換パラメータ設定部106は、ユーザの操作にしたがって、変換パラメータ格納部105に格納されているそれぞれの強調処理の強度に対応する高さを設定してもよく、自動的に設定してもよい。
【0023】
画像形成部107は、領域特定部102が特定した領域を盛り上げて、画像取得部101が取得した画像データを印刷する。また、画像形成部107は、高さ決定部104が決定した高さで領域特定部102が特定した領域を盛り上げて画像データを印刷してもよい。画像形成部107は、領域特定部102が特定した領域が盛り上がるように印刷紙を形成した後、該印刷紙の上に画像データを印刷するようにしてもよい。また、画像形成部107は、印刷紙の表面に画像を印刷するときに、領域特定部102が特定した領域を盛り上げるようにインク量を調整してインクを盛り上げるようにしてもよい。また、画像形成部107は、領域特定部102が特定した領域が盛り上がるように、印刷紙に画像を印刷した印刷画像の後から、圧力を加えて該特定した領域を盛り上げるようにしてもよい。また、印刷画像の下に発泡インクを装着させて、領域特定部102が特定した領域が盛り上がるように発泡インクを発泡させるようにしてもよい。また、この画像形成部107は、インクジェット方式、ドットインパクト、乾式電子写真方式などにより印刷してもよい。また、画像形成部107は、レーザープリンタ、インクジェットプリンタなどの印刷機器を有してよい。また、特定のプログラムを読み込んだCPU等の情報処理装置が、印刷機器を画像形成部107として機能させてもよい。
【0024】
また、画像形成部107は、領域特定部102が特定した領域が盛り上がるって見えるような、右目用の画像データ及び左目用の画像データを、つまり視差画像データを、画像取得部101が取得した画像データからそれぞれ生成するようにしてもよい。また、画像形成部107は生成した右目用の画像データと左目用の画像データが、それぞれ右目と左目に写るように表示するようにしてもよい。これにより、この視差画像データを見た人は、領域特定部102が特定した領域が盛り上がっているように見ることができる。要は画像形成部107は、決定した領域が盛りあがって見えるような画像又は画像データを形成すればよい。
【0025】
図2は、変換パラメータ格納部105に格納されている、濃度強調処理の強度に対応した高さHgの一例を説明するためのグラフを示す。横軸は強度を示しており、右にいくほど濃度強調処理の強度が高く、左に行くほど濃度強調処理の強度は低い。縦軸は高さHgを示している。図2を見るとわかるように、濃度強調処理の強度が大きくなるほど、強度に対応する高さHgは高くなる。また、図2を見るとわかるように濃度強調処理の強度が大きさに比例して高さHgも高くなる。なお、濃度強調処理の強度に対応する高さHgは、図2に示す関係に限定されるものではなく、例えば、2次曲線のような関係でもよい。また、変換パラメータ設定部106が、この濃度強調処理の強度に応じた高さHgを設定変更することにより、濃度強調処理の強度の重み付けを変えることができる。つまり、このグラフに示す線の傾斜角度などを変えることにより強度の重み付けが変わることになる。
【0026】
図3は、変換パラメータ格納部105に格納されている、彩度強調処理の強度に対応する高さHcの一例を説明するためのグラフを示す。横軸は強度を示しており、右にいくほど彩度強調処理の強度が高く、左に行くほど彩度強調処理の強度は低い。縦軸は高さHcを示している。図2をみるとわかるように、彩度強調処理の強度がある大きさまでは、高さHcが急激に高くなり、彩度強調処理がある大きさを過ぎると、高さHcは穏やかに高くなる。なお、彩度強調処理の強度の大きさに比例して高さHcが高くなるようにしてもよい。また、彩度強調処理の強度がある大きさまでは、高さHcが穏やかに高くなり、彩度強調処理の強度がある大きさを過ぎると、高さHcが急激に大きくなるようにしてもよい。つまり、彩度強調処理の強度に対応する高さHcは、図3に示す関係に限定されるものではない。変換パラメータ設定部106が、この彩度強調処理の強度に応じた高さHcを設定変更することにより、彩度強調処理の強度の重み付けを変えることができる。つまり、このグラフに示す線の曲線を変えることにより強度の重み付けが変わることになる。
【0027】
図4は、変換パラメータ格納部105に格納されている、シャープネス強調処理の強度に対応する高さHsの一例を説明するためのグラフを示す。横軸は強度を示しており、右にいくほどシャープネス強調処理の強度が高く、左に行くほどシャープネス強調処理の強度は低い。縦軸は高さHsを示している。図2を見るとわかるように、シャープネス強調処理の強度が大きくなるほど、強度に対応する高さHsは高くなる。また、図2を見るとわかるようにシャープネス強調処理の強度が大きさに比例して高さHsも高くなる。なお、濃度強調処理の強度に対応する高さHgは、図2に示す関係に限定されるものではなく、例えば、2次曲線のような関係でもよい。変換パラメータ設定部106が、このシャープネス強調処理の強度に応じた高さHsを設定変更することにより、シャープネス強調処理の強度の重み付けを変えることができる。つまり、このグラフに示す線の傾斜角度などを変えることにより強度の重み付けが変わることになる。
【0028】
図5は、高さ決定部104により決定された高さで、領域特定部102が特定した領域を盛り上げて画像を印刷したときの一例を示す。具体的には、シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理の少なくとも1つの強調処理を施すべき領域として特定された領域の一例と、該領域を盛り上げて印刷したときの一例とを示す。図5の201は、シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理を施すべき領域として特定された領域を示している。また、図5の202は、該特定した領域盛り上げて印刷したときの盛り上がり具合を示している。202を見るとわかるように、201の領域に、濃度強調処理の強度に応じた高さHgと、彩度強調処理の強度に応じた高さHcと、シャープネス強調処理の強度に応じた高さHsとを加算した高さHで盛り上がっているのがわかる。このように、複数の強調処理が施すべき領域の場合は、施すべき強調処理の強度に応じた高さを加算した高さとなる。このように、それぞれの強調処理の強度に応じた高さをそれぞれ加算することにより、より立体感のある画像を得ることができる。
【0029】
このように、強調処理を施すべき領域を盛り上げることにより、立体感のある画像を簡単に得ることができる。また、被写体距離を測らなくて済むので、測距センサなどを設けなくてもよく、コストを抑えて立体感のある画像を得ることが出来る。また、被写体距離がわからない画像であっても簡単に立体感のある画像を得ることが出来る。なお、領域特定部102、処理強度決定部103、及び高さ決定部104は、電気回路又は電子回路によって実現するようにしてもよく、プログラムを読み込んだCPUなどの情報処理装置によって実現してもよい。画像取得部101、変換パラメータ格納部105は、少なくともデータを記憶、または記録する媒体を有しており、変換パラメータ設定部106は、ユーザの操作キー及びCPUなどの情報処理装置によって実現してもよい。また、画像形成装置100を、特定のプログラムを読み込んだCPU等の情報処理装置によって実現してもよい。また、画像形成装置100は、特定のプログラムを記録する記録媒体を備えるようにしてもよい。
【0030】
上記の実施の形態は以下のように変形してもよい。
(1)領域特定部102は、シャープネス強調処理を施すべき領域のみを特定する。この場合は、該特定した領域が濃度強調処理を施すべき領域であるか否かを判断してもよい。また、該特定した領域が彩度強調処理を施すべき領域であるか否かを判断してもよい。そして、該領域が濃度強調処理および彩度強調処理を施すべき領域でない場合は、高さ決定部104は、シャープネス強調処理の強度に応じた高さHsを決定して、画像形成部107は、該特定した領域が該決定した高さHsで盛り上がるように画像を形成してもよい。一方、該特定した領域が濃度強調処理及び彩度強調処理のうちすくなくとも1つの強調処理を施すべき領域であると判断した場合は、高さ決定部104は、施すべきと判断した強調処理の強度に応じた高さと、シャープネス強調処理の強度に応じた高さHsとに基づいて高さを決定して、画像形成部107は該決定した高さで盛り上がるように画像を形成する。
【0031】
(2)また、高さ決定部104は、強調処理の強度に応じて高さを変えるようにしたが、強度にかかわらず一定の高さに決定してもよい。このときは、強調処理の種類に応じて一定の高さを変えるようにしてもよい。また、同じ領域に複数の強調処理を施すべき場合は、それぞれの強調処理に応じた一定の高さを加算した高さに決定するようにしてもよく、加算せずに、いずれかの強調処理に応じた一定の高さに決定してもよい。
【0032】
(3)また、画像形成装置100に画像処理部を備え、該画像処理部が画像取得部101によって取得された画像データに対してシャープネス強調処理、濃度強調処理、彩度強調処理を行わせることにより、領域特定部102及び処理強度決定部103は、画像処理部から強調処理を行った領域およびその強度を取得するようにしてもよい。この場合は、画像形成部107は、画像取得部101が取得した画像処理が施されていない画像データから画像を形成するようにしてもよく、画像処理部によって実際に画像処理が施された画像データから画像を形成するようにしてもよい。この画像を形成するとは、画像データを印刷する場合、表示する視差画像データを作成する場合の両方を含む。
【0033】
(4)また、領域特定部102は、画像データの全領域を特定してもよい。また、領域特定部102を画像形成装置100から無くしてもよい。この場合は、処理強度決定部103が、画像データのそれぞれ領域に施される強調処理の強度をそれぞれ決定する。したがって、強調処理が施されない領域は強度が0ということになる。そして、高さ決定部104は、それぞれの領域に施される強調処理の強度に応じて、それぞれの領域の高さを決定してもよい。このとき、強度が0の領域は高さが0となる。また、(5)上記変形例(1)〜(4)を任意に組み合わせた態様であってもよい。
【0034】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0035】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施の形態の画像形成装置100を示す。
【図2】変換パラメータ格納部105に格納されている、濃度強調処理の強度に対応した高さHgの一例を説明するためのグラフを示す。
【図3】変換パラメータ格納部105に格納されている、彩度強調処理の強度に対応する高さHcの一例を説明するためのグラフを示す。
【図4】変換パラメータ格納部105に格納されている、シャープネス強調処理の強度に対応する高さHsの一例を説明するためのグラフを示す。
【図5】高さ決定部104により決定された高さで、領域特定部102が特定した領域を盛り上げて画像を印刷したときの一例を示す。
【符号の説明】
【0037】
100 画像形成装置
101 画像取得部
102 領域特定部
103 処理強度決定部
104 高さ決定部
105 変換パラメータ格納部
106 変換パラメータ設定部
107 画像形成部
1031 シャープネス強調処理強度決定部
1032 濃度強調処理強度決定部
1033 彩度強調処理強度決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を取得する画像取得部と、
前記画像に対してシャープネス強調処理を施すべき領域を特定する領域特定部と、
前記領域特定部が特定した領域を盛り上げて、前記画像を印刷する画像形成部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記領域特定部が特定した領域に施すべき前記シャープネス強調処理の強度を決定する処理強度決定部と、
前記処理強度決定部が決定した強度に応じて、前記領域特定部が特定した領域を盛り上げる高さを決定する高さ決定部と
をさらに備え、
前記画像形成部は、
前記高さ決定部が決定した高さで該領域を盛り上げて、前記画像を印刷する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記領域特定部は、
前記画像に対して前記シャープネス強調処理、濃度強調処理、及び彩度強調処理のそれぞれを施すべき領域をそれぞれ特定し、
前記処理強度決定部は、
前記領域特定部が特定したそれぞれの領域に施すべき前記シャープネス強調処理、前記濃度強調処理、及び前記彩度強調処理の強度をそれぞれ決定し、
前記高さ決定部は、
前記処理強度決定部が決定したそれぞれの強調処理の強度に応じたそれぞれの高さを加算して、前記領域特定部が特定したそれぞれの領域を盛り上げる高さを決定する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記高さ決定部は、
前記処理強度決定部が決定したそれぞれの強調処理の強度に応じたそれぞれの高さをそれぞれ重み付けして加算することにより、前記領域特定部が特定したそれぞれの領域を盛り上げる高さを決定する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
コンピュータを、
画像を取得する画像取得部と、
前記画像に対してシャープネス強調処理を施すべき領域を特定する領域特定部と、
前記領域特定部が特定した領域を盛り上げて、前記画像を印刷する画像形成部
として機能させるプログラム。
【請求項6】
コンピュータが画像を印刷する方法であって、
前記画像を取得する画像取得工程と、
前記画像に対してシャープネス強調処理を施すべき領域を特定する特定工程と、
前記特定工程が特定した領域を盛り上げて、前記画像を印刷する画像形成工程と
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−280074(P2010−280074A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133033(P2009−133033)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】