画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
【課題】画像形成装置における処理をある時点と同一のジョブ順序、イベント順序で再現することを目的とする。
【解決手段】受信手段で受信されたジョブを時間情報と共に記憶装置に保存するジョブ保存手段と、受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、画像形成手段でジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に記憶装置に保存する保存手段と、操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、入力された時間情報に基づいて、記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定手段と、特定手段で特定されたジョブ及びイベントから逐次、記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生手段と、を有することによって課題を解決する。
【解決手段】受信手段で受信されたジョブを時間情報と共に記憶装置に保存するジョブ保存手段と、受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、画像形成手段でジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に記憶装置に保存する保存手段と、操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、入力された時間情報に基づいて、記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定手段と、特定手段で特定されたジョブ及びイベントから逐次、記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生手段と、を有することによって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に対して、ユーザー或いはオペレーターが複数のジョブ、或いは手続きを一定の手順で実行させる場合が多くある。例えば、ユーザー或いはオペレーターが毎朝画像形成装置を起動後、暖機運転を行う為のジョブを印刷する。その後に画像形成装置のキャリブレーションを実行、測定チャートを印刷して色味変動を確認してから定型ジョブを実行する、といったフローを、画像形成装置に対し毎日実行させる場合がある。更には、ユーザー或いはオペレーターが、ある時点で画像形成装置の色味が安定していたが、現時点では色味が変動してしまっているような場合においても、過去のある時点の良い色味の条件に戻してジョブを実行したいという要望が非常に高かった。
また、ユーザーやオペレーターのみならず、画像形成装置を管理する管理者や、メンテナンスを行うエンジニアについて考える。画像形成装置において、紙詰まり(ジャム)やエラー、色味変動等の問題が発生した場合、その原因を特定するため、問題が発生した時点の画像形成装置の動作をシミュレートする必要がある。
【0003】
この目的のため、画像形成装置のユーザインターフェイスの操作履歴を記録し、前記記録された操作履歴手順通りに複数のジョブを再実行させる画像形成装置が提案されている。
例えば特許文献1では、画像形成装置のジョブ履歴から、ジョブ設定を読み込んで、その設定手順を画像形成装置のユーザインターフェイス上に表示する技術が開示されている。また、特許文献2では、画像形成装置のユーザインターフェイスに対する入力とジョブをバッファリングし、その操作手順どおりにジョブを再実行させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−208440号公報
【特許文献2】特開2008−283468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の従来技術には以下のような問題がある。
近年、高機能化された画像形成装置では、ジョブの前後関係が非常に複雑である。
図1は、画像形成装置における複数ジョブ間の時間関係の例を表す図である。
先ずジョブAが投入され、印刷が開始されている。ジョブAの印刷途中、201で紙無し中断する。この後、ユーザー或いはオペレーターが割り込みジョブBを投入すると、ジョブAは中断され、ジョブBが印刷される。ジョブBの印刷が終了すると、ジョブAの印刷へと戻る。次に、ジョブCが投入されるが、ジョブAの終了後、即時にジョブCが開始されず、202において、例えば定着機の温度調整や、キャリブレーションが実行され、ジョブCの開始が遅れる。
特に、ジョブの割り込みが行われるタイミングは、既に該当するページの画像形成が行われているかどうかに依存する。割り込みジョブの例では、その時点での処理負荷や、メモリ容量に依存し、記録したユーザインターフェイスの操作を再実行するだけでは、所望のジョブ順序を再現することは難しかった。別の例では、画像形成装置の成果物の色味については、印刷物のデューティー(1ページに占めるインキやトナー等の色剤の使用率)や、キャリブレーションを行ってからどのくらい時間が経っているか、等の条件に依存して変動してしまう。更には、紙無しの給紙待ちや、定着機の温度調整中等のイベントも発生する。このような場合において、記録したユーザインターフェイスの操作を再実行するだけでは、同一条件での再現をすることは難しかった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、画像形成装置における処理をある時点と同一のジョブ順序、イベント順序で再現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、ジョブを受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存手段と、前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定手段と、前記特定手段で特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置における処理をある時点と同一のジョブ順序、イベント順序で再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置における複数ジョブ間の時間関係の例を表す図である。
【図2】画像形成装置の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置のコントローラ130等の一例を示す図である。
【図4】ソフトウェアモジュールの一例を示す図である。
【図5】画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、現在の状況を表示する画面を表す図である。
【図6】画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、過去の履歴状況を表示する画面を表す図である。
【図7】実施形態1に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図8】実施形態に係る画像形成装置100のコントローラ130によるジョブ再生処理を説明するフローチャートである。
【図9】実施形態1に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
【図10】実施形態1に係るコントローラ130のジョブ再生処理手順を表すフローチャートである。
【図11】実施形態2に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
【図12】実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図13】実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130によるサムネール表示処理を説明するフローチャートである。
【図14】実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図15】実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による画像デューティー算出処理を説明するフローチャートである。
【図16】実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による全面ハーフトーン画像生成処理を説明するフローチャートである。
【図17A】入力画像の一例を示す図である。
【図17B】全面ハーフトーン画像の一例を示す図である。
【図18】実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図19】実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130によるモザイク画像生成処理を説明するフローチャートである。
【図20】代替画像の一例を示す図である。
【図21】実施形態6におけるHDD604の構成を表す図である。
【図22】実施形態6におけるジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
【図23】実施形態7におけるバッファに記憶されているデータの待避方法について表すフローチャートである。
【図24】実施形態8における画像形成装置の処理手順を表すフローチャートである。
【図25】実施形態8における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
【図26】実施形態9における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0011】
<<実施形態1>>
<装置構成>
図2は、画像形成装置の一例を示す図である。
なお、本実施形態の画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置を用いて説明するが、このことは本実施形態を制限するものではなく、インクジェット方式やオフセット印刷等様々な画像形成方式を用いる画像形成装置でも成立する。
画像形成装置100は、現像ステーション101、定着ステーション102、給紙デッキ109から構成される。コントローラ130は、各々の装置の制御を司る制御部である。操作部150は、LCDとタッチパネルを兼ね備え、画像形成装置のユーザーが印刷状況を確認したり、各種設定をしたりすることができる。スキャナ160は、原稿を読み取り、画像情報としてコントローラ130に転送することにより、コピー機能が可能となる。CMYKそれぞれの現像器104〜107において、コントローラ130からの入力画像が、各現像器に内蔵される感光ドラム(不図示)に現像され、トナーが現像部に付着して感光ドラム上でトナー像が形成される。この現像されたCMYKそれぞれのトナー像が、中間転写ベルト108に転写された後、給紙デッキ109から給紙された用紙(記録媒体)に転写される。こうしてトナー像が転写された用紙は、定着ステーション102に送られ、定着ローラー110により熱と圧力が与えられる。これによりトナーが融解して用紙上に定着し、印刷が完了する。
【0012】
<コントローラ構成>
図3は、画像形成装置のコントローラ130等の一例を示す図である。
中央演算装置(CPU)601は、RAM603に展開されたプログラムを実行して、装置内の各部の制御、演算を司る。RAM603は、プログラムの格納領域、及び各種データの一時記憶領域、及びワークメモリとして利用される。ハードディスクドライブ(HDD)604は、大容量の記憶装置であり、CPU601により実行される各種制御プログラムをインストールしている。また、HDD604は、処理対象の各種データの一時的な記憶領域としても利用される。画像形成装置の電源がオンされるとHDD604のブートプログラムが起動されて、HDD604にインストールされているOSや制御プログラムが読み出されてRAM603に展開してロードされる。そしてCPU601は、そのRAM603に展開されたプログラムに従って処理を実行し、後述する各種情報処理を実行する。ネットワークインターフェイス(I/F)602は、外部ネットワークを介してクライアントコンピュータ630等の他の装置と通信を行う。エンジンインターフェイス(I/F)605は、プリンタエンジン608との通信及び制御を司る。プリンタエンジン608は、図2に示す現像ステーション101と定着ステーション102とを備えている。スキャナインターフェイス(I/F)606は、スキャナ609との通信及び制御を司る。システムバス607は、CPU601と上述した各部とを接続するバスで、制御信号やアドレス、データ等を伝達する。
クライアントコンピュータ630には、HDD651が装備され、プリンタドライバ650がインストールされている。プリンタドライバ650は、クライアントコンピュータの描画命令を、画像形成装置100が出力可能なPDLデータに変換する。また、プリンタドライバ650は、各種画像形成装置の設定を前記PDLデータに付与して、画像形成装置100に送信する。
【0013】
<ソフトウェアモジュール構成>
図4は、ソフトウェアモジュールの一例を示す図である。
各々のソフトウェアモジュールの機能は、RAM603に展開された制御プログラムをCPU601が実行することにより実現される。
コントローラ130は、画像形成装置の主幹制御を司るモジュールである。
PDLジョブ受信部501は、ネットワークインターフェイス(I/F)602を介して印刷ジョブを受信する。PDLジョブ展開部502は、前記受信した印刷ジョブを解析し、展開してPDLインタプリタ503に渡す。PDLインタプリタ503は、その印刷ジョブに含まれるPDL(ページ記述言語)データを展開し、中間データフォーマットに変換する。ここで、PDLデータは、例えば、PDFデータである。
RIP処理部504は、その変換された中間データフォーマットのデータを受け取り、RIP処理を行って画像データに変換する。
【0014】
一方、スキャンジョブ受信部531は、スキャナインターフェイス(I/F)606を介してスキャン画像を受信する。スキャン画像処理部532は、前記受信したスキャン画像に対し、例えばRBG−CMYK変換や色補正、斜行補正のような画像処理を施す。
ジョブ保存部510は、RAM603或いはHDD604に実装され、ジョブを保存するバッファを有する。ジョブ保存部510は、PDLジョブ受信部501、RIP処理部504、スキャンジョブ受信部531、及びスキャン画像処理部532と接続される。ジョブ保存部510は、受信したPDLジョブ、RIP処理を施した画像データ、受信したスキャン画像、及び画像処理を施されたスキャン画像を保存する。
ページ処理部505は、受け取った画像データの面付け処理等を行う。ジョブ送信部506は、こうして生成された画像データを、プリンタエンジン制御部540に送信する。
イベント・パラメータ保存部550は、RAM603或いはHDD604に実装され、前記各ソフトウェアモジュールと接続される。イベント・パラメータ保存部550は、各モジュールのイベント・パラメータを逐次保存する。
【0015】
<UI画面の構成>
図5は、画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、現在の状況を表示する画面を表す図である。
上から順番に、投入されたジョブと、その印刷状況と、が棒グラフで表示される。マーカー302は、現時点をあらわし、マーカー上にある棒グラフが、現在処理中のジョブを表わす。マーカー302よりも左側は、過去の履歴であり、図中の303のように、紙無し等の中断イベントが発生すると、そのイベントについても表示がなされる。一方、マーカー302よりも右側は、今後の予測を表わす。既にスケジューリングされているイベントは表示されるものの、前述の紙無し等のイベントは表示されない。
UI画面301は、左右にスクロールが可能であり、右にスクロールされると過去の履歴状況が、左にスクロールされると今後のジョブスケジュールが大きく表示される。
【0016】
図6は、画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、過去の履歴状況を表示する画面を表す図である。
再生マーカー401は、履歴画面のみに表示され、画面上を左右にスクロールすることが可能である。再生マーカーと交差するジョブには、ジョブのサムネール及びページ番号402が表示される。ユーザーは、再生マーカーを移動し、好きな時点を選択して再生ボタンを押下する。画像形成装置100は、選択された時点からジョブの再生を開始する。
【0017】
<実施形態1の印刷フロー>
次に、本実施形態1における画像形成装置100の制御について説明する。
図7は、実施形態1に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。なお、この処理を実行するプログラムは、上述したようにRAM603に展開されており、CPU601がこの制御プログラムを実行することにより、このフローチャートで示す処理が実行される。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS701で、PDLジョブ受信部501或いはスキャンジョブ受信部531が、ネットワークI/F602或いはスキャナインターフェイス(I/F)606を介してジョブを受信する。次にステップS702に進み、コントローラ130が、入力されたジョブがPDLジョブなのか、スキャンジョブなのか判定する。ここで、PDLジョブであると判定された場合、ステップS705で、ジョブ保存部510は、前記受信したPDLジョブを、時間情報と共にバッファに保存する。次に、ステップS706において、PDLジョブ展開部502がPDLジョブを展開する。そして、ステップS707において、PDLインタプリタ503がPDLから中間データを生成する。
ステップS708で、RIP処理部504は、前記生成された中間データに対しRIP処理を行い、ページ画像を生成する。
ステップS711において、ジョブ保存部510は、前記生成されたRIP済みページ画像を時間情報と共にバッファに保存する(ページ画像保存)。
【0018】
ステップS702において、入力されたジョブがスキャンジョブであると判定された場合、ステップS723で、ジョブ保存部510は、前記受信したスキャンジョブを時間情報と共にバッファに保存する。
ステップS724で、スキャン画像処理部532は、受信したスキャン画像に対し、RGB−CMYK変換や色補正、斜行補正のような画像処理を施す。
ステップS727で、ジョブ保存部510は、前記画像処理済みスキャン画像を時間情報と共にバッファに保存する。
ステップS731で、ページ処理部505は、面付け等のページ処理を行う。
ステップS734で、ジョブ保存部510は、前記ページ処理済み画像を時間情報と共にバッファに保存する。
ステップS735で、ジョブ送信部506は、前記ページ処理済み画像をプリンタエンジン制御部540に送信する。
ステップS736で、イベント・パラメータ保存部550は、プリンタエンジン608におけるイベント・パラメータを時間情報と共に保存する。ここで、イベントとは、例えば、紙無しや紙詰まり(ジャム)、キャリブレーション等のイベントであり、パラメータとは、例えば、トナー濃度やトーンカーブ、エンジン状態等のパラメータである。
ステップS737で、プリンタエンジン制御部540が、プリンタエンジンにより受信したジョブの印刷を行う。
ステップS738で、コントローラ130は、UI画面301を介して、ジョブ再生指示が行われているかどうか判定する。ここで、再生指示がない場合、ステップS701に戻り、新たなジョブを受信する。
ステップS738で、ジョブ再生指示が行われていると判断すると、ステップS799で次のフローへと移行する。
【0019】
図8は、実施形態に係る画像形成装置100のコントローラ130によるジョブ再生処理を説明するフローチャートである。
ステップS801で、コントローラ130は、再生マーカー401の入力を受けて、再生開始時間を特定する。
ステップS802において、コントローラ130は、ジョブ保存部510のバッファを検索し、ステップS803において、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能かどうか判定する。ここで、再生不可能であると判定した場合、コントローラ130は、ステップS810においてエラーメッセージをUI画面301に表示し、処理を終了する。
ステップS803において、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能であると判定した場合、ステップS821において、コントローラ130は、ジョブ保存部510或いはイベント・パラメータ保存部550を参照する。ステップS822において、コントローラ130は、前記参照したイベント・パラメータ・ジョブと、前記特定した再生開始時間と、から、再生開始するジョブを特定する。
ステップS823で、コントローラ130は、前記特定したジョブと、前記特定した再生開始時間と、から、再生開始ページを特定する。
【0020】
ステップS824で、コントローラ130は、前記特定した再生開始ジョブを用いて、前記特定した再生開始ページから順次、ジョブの再生を開始する。なお、この際、コントローラ130は、前記特定した再生開始時間から、図7のS711で保存したRIP済み画像を特定し、ジョブの再生に用いる。より具体的に説明すると、コントローラ130は、ジョブの再生において特定したRIP済み画像を用いて画像形成等を行う。
ステップS825で、コントローラ130は、UI画面301を介して終了イベントが通知されていないかどうか判定する。ここで、終了イベントが通知されていた場合、コントローラ130は、ステップS899で処理を終了する。
ステップS825で、終了イベントが通知されていない場合、ステップS826で、コントローラ130は、当該ジョブが記録されている最終ジョブかどうか判定する。ここで、最終ジョブであると判定した場合、コントローラ130は、ステップS899で処理を終了する。
ステップS826で、最終ジョブであると判定した場合、ステップS830に移行し、コントローラ130は、保存されている次のジョブを特定し、ステップS824において前記特定ジョブを再生する。
【0021】
ここで、ステップS705、S711、S723、S727、S734、及びS736にかかる、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理フローについて詳細に説明する。
図9は、実施形態1に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS900で開始し、ステップS901で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550が受信したデータのサイズを確認する。次にステップS902で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の有するバッファの容量を確認する。ステップS903で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、バッファへの格納ができないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS904に移行する。そして、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、バッファに格納されているデータのうち、時系列的に古いデータを、前記受信データサイズが入るまで削除し、ステップS905に移行する。
ステップS903で、バッファへの格納が可能と判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS905に移行する。
ステップS905で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。
【0022】
次に、ステップS824にかかる、コントローラ130の処理フローについて詳細に説明する。
図10は、実施形態1に係るコントローラ130のジョブ再生処理手順を表すフローチャートである。
ステップS1000で開始し、ステップS1001で、コントローラ130が、ジョブの入力を受ける。ステップS1002で、コントローラ130は、プリンタエンジン制御部540に対し、イベント・パラメータ保存部550に保存されているパラメータをセットする。
ステップS1003で、コントローラ130は、イベント・パラメータ保存部550より、ジョブ実行中に発生するイベントを判別し、時刻設定する。
ステップS1004で、コントローラ130は、ステップS823で特定した開始ページからジョブの実行を開始する。
ステップS1005で、コントローラ130は、前記設定したイベント時刻に到達したかどうか判定する。ここで、イベント時刻に到達したと判定した場合、ステップS1006において、コントローラ130は、プリンタエンジン制御部540に対してイベントを再生させ、ステップS1007に移行する。
ステップS1005で、イベント時間にはないと判定した場合、ステップS1007で、コントローラ130は、ジョブ終了まで印刷を継続する。
以上のように印刷を制御することで、全てのジョブを受信すると共にジョブ及びイベント、パラメータを保存し、かつ、保存されたジョブ手順どおりに画像形成装置における処理を再現することができる。
【0023】
<<実施形態2>>
実施形態1においては、バッファがフル状態である場合に古いデータを一律に破棄する手法について述べた。実施形態2では、古いデータの破棄方法を、データ量の大きなものから破棄する手法について述べる。
実施形態2において、画像形成装置100のコントローラ130による情報処理は、実施形態1における図7及び図8で説明されるフローチャートと同一の情報処理が行われる。
このうち、実施形態2にかかる、ステップS705、S711、S723、S727、S734、及びS736の、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理フローについて詳細に説明する。
一般に、受信したPDLジョブよりも、RIP処理を施した後の画像のほうが、データ量は大きい。スキャン画像に関しては、受信したスキャン画像と、画像処理を施したスキャン画像とは、データ量において大きな差は無い。一方、これらPDLデータやRIP処理後画像、スキャン画像に対し、イベントやパラメータは比較的にデータ量が小さい。
【0024】
図11は、実施形態2に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS900で開始し、ステップS901で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550が受信したデータのサイズを確認する。次にステップS902で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の有するバッファの容量を確認する。ステップS903で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データのサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、バッファへの格納ができると判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。
ステップS903で、受信データサイズを格納できないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1101に移行する。ステップS1101において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されているRIP済画像データのうち、時系列的に古いデータを削除する。
【0025】
次にステップS1102で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1102で、格納不可能と判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1103に移行する。ステップS1103において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されている画像処理済みスキャン画像データのうち、時系列的に古いデータを削除する。
次にステップS1104で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1104で、格納不可能と判定された場合、ステップS1105に移行し、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されているPDLデータのうち、時系列的に古いデータを削除する。
【0026】
次にステップS1106で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1106で、格納不可能と判定した場合、ステップS1107に移行し、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されている受信スキャン画像データのうち、時系列的に古いデータを削除する。
次にステップS1108で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定あいた場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1108で、格納不可能と判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1109に移行する。ステップS1109において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、イベント・パラメータ保存部550のバッファに格納されているイベント・パラメータのうち、時系列的に古いデータを削除し、ステップS905に移行する。
【0027】
ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。
以上のように印刷を制御することで、全てのジョブを受信すると共にジョブ及びイベント、パラメータを保存し、かつ、保存されたジョブ手順どおりに画像形成装置の処理を再生することができる。更には、バッファからデータ量の大きなものから破棄することにより、より長時間のイベント・パラメータ保存が可能となり、遡る事が可能な時間が大幅に向上する。これにより、ユーザーの利便性が更に向上する。
【0028】
<<実施形態3>>
実施形態1、2では、RIP後画像をジョブ保存部510に保存する手法について述べた。実施形態3では、RIP画像と共に、サムネール画像を作成して保存し、再生時間を選択する操作部150に表示されるUI画面上に表示する処理について述べる。
図12は、実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS711及びS727に至るまで、実施形態1と同一のフローを行う。ステップS2401で、コントローラ130は、前記生成したRIP後画像又は処理済みスキャン画像に対し、解像度変換処理を行う事でサムネール画像を生成する(サムネール画像生成)。ステップS2402で、コントローラ130は、前記生成したサムネール画像を、時間情報と共にジョブ保存部510に保存する(サムネール画像保存)。S731に移行し、以降、実施形態1と同一のフローを行う。
【0029】
次に、前記生成したサムネール画像をUI画面上に表示するフローについて詳細に説明する。
図13は、実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130によるサムネール表示処理を説明するフローチャートである。
ステップS2500で開始し、ステップS2501で、UI画面(又はUI画面を介してコントローラ130)は、ユーザーの入力による再生マーカー401の移動を検知する。ステップS2502で、コントローラ130は、UI画面から再生マーカー上の時間情報を取得する。ステップS2503で、コントローラ130は、ジョブ保存部510から、前記取得した時間情報に対応するサムネール画像を取得する。ステップS2504で、コントローラ130は、UI画面に前記取得したサムネール画像を時間軸に応じて表示する。
以上のように制御することにより、ユーザーはUI画面上で、これから再生仕様とするジョブのサムネール画像を確認しながら再生開始時間を設定することが可能となり、利便性が向上する。
【0030】
<<実施形態4>>
実施形態2においては、バッファがフル状態である場合にデータ量の大きなものから破棄する手法について述べた。しかしながら、PDLデータや、入力された画像データについては、個人情報等の機密情報が含まれている事が多々あり、それを保存して後で再生することが可能となると、第三者が機密情報を見る事が可能となり、セキュリティ上の問題となりうる。一方で、画像形成装置における色味変動のような、ジョブのデューティー(1ページに占めるインキやトナー等の色剤の使用率)に左右されるようなケースで、ジョブの再生を行う場合、ジョブの印刷内容をある程度再現する必要がある。
実施形態4では、PDLデータや画像データを保存せずに、代替画像を生成することによりジョブの再生をする手法について述べる。
【0031】
図14は、実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS701で、PDLジョブ受信部501或いはスキャンジョブ受信部531が、ネットワークI/F602或いはスキャナインターフェイス(I/F)606を介してジョブを受信する。次にステップS702に進み、コントローラ130が、入力されたジョブがPDLジョブなのか、スキャンジョブなのか判定する。ここで、PDLジョブであると判定された場合、ステップS706において、PDLジョブ展開部502がPDLジョブを展開する。そして、ステップS707において、PDLインタプリタ503がPDLから中間データを生成する。ステップS708で、RIP処理部504は、前記生成された中間データに対しRIP処理を行い、ページ画像を生成する。
ステップS702において、入力されたジョブがスキャンジョブであると判定された場合、ステップS724で、スキャン画像処理部532は、受信したスキャン画像に対し、色補正や斜行補正のような画像処理を施す。
【0032】
ステップS1201で、コントローラ130は、受信したRIP後画像、或いは画像処理後のスキャン画像に対し、画像デューティーを算出する。次にステップS1202で、ジョブ保存部510は、前記算出された画像デューティーの値を時間情報と共にバッファに保存する(平均値保存)。
ステップS731で、ページ処理部505は、面付け等のページ処理を行う。
ステップS735で、ジョブ送信部506は、前記ページ処理済み画像をプリンタエンジン制御部540に送信する。
ステップS736で、イベント・パラメータ保存部550は、プリンタエンジン608におけるイベント・パラメータを保存する。
ステップS737で、プリンタエンジン制御部540が、プリンタエンジンにより受信したジョブの印刷を行う。
ステップS738で、コントローラ130は、UI画面301を介して、ジョブ再生指示が行われているかどうか判定する。ここで、再生指示がない場合、ステップS701に戻り、新たなジョブを受信する。
ステップS738で、ジョブ再生指示が行われていると判断すると、コントローラ130は、ステップS799で次のフローへと移行する。
【0033】
ここで、ステップS1201にかかる、コントローラ130の画像デューティー算出フローについて詳細に説明する。
図15は、実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による画像デューティー算出処理を説明するフローチャートである。
ステップS1300で開始し、ステップS1301で、コントローラ130は、RIP後画像或いは画像処理後のスキャン画像の入力を受ける。ステップS1302において、コントローラ130は、前記入力した画像に対し、CMYKそれぞれの版に分離した画像を生成する。
次にステップS1303で、コントローラ130は、前記CMYK分離した画像を構成するピクセルの総数を判定する。ステップS1304で、コントローラ130は、前記画像を構成するピクセルの信号値の総和を計算し、その総和を前記ピクセル総数で除算し、平均値を算出する。
ステップS1305において、コントローラ130は、ステップS1303、S1304を、CMYKそれぞれの版に対して繰り返し、終了する。
【0034】
ジョブ再生処理については、実施形態1における図8で説明したフローと同一のフローが適用可能である。ここで、ステップS824にかかるジョブ再生処理について詳細に説明する。
図16は、実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による全面ハーフトーン画像生成処理を説明するフローチャートである。
ステップS1400で開始し、ステップS1401で、コントローラ130は、ジョブ保存部510よりジョブのデューティー値を入力される。ステップS1402で、コントローラ130は、画像のサイズの入力を受ける。ステップS1403で、コントローラ130は、前記デューティーの値を信号値とする画像を生成する(ページ画像生成)。次に、ステップS1404で、コントローラ130は、前記生成した画像を、ジョブ送信部506を介してプリンタエンジン制御部540に送信し、プリンタエンジン608により印刷を行う。
図17Aは、入力画像の一例を示す図である。図17Bは、全面ハーフトーン画像の一例を示す図である。全面ハーフトーン画像は、全面塗りつぶされたページ画像の一例を示す図である。
実施形態4によれば、図17Aを入力画像とすると、図17Bのような全面ハーフトーン画像が生成され、印刷される。
以上のように印刷を制御することで、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合にも、同様のデューティーのジョブを再生することが可能になる。更には、PDLジョブや画像データを保存する必要がないため、より長時間のイベント・パラメータ保存が可能となり、遡る事が可能な時間が大幅に向上する。これにより、ユーザーのセキュリティが脅かされることなく、画像形成装置の再生が可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0035】
<<実施形態5>>
実施形態4においては、ジョブのデューティーに応じた全面ハーフトーン画像を印刷する事で、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合にも、同様のデューティーのジョブを再生する処理について述べた。しかしながら、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合であっても、紙面上の信号値の分布により色味変動を起こす場合がある。この場合、前述の全面ハーフトーン画像ではシミュレートできなかった。
実施形態5では、全面ハーフトーン画像にかわり、モザイク画像を生成して保存し、印刷する手法について述べる。
【0036】
図18は、実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS701で、PDLジョブ受信部501或いはスキャンジョブ受信部531が、ネットワークI/F602或いはスキャナインターフェイス(I/F)606を介してジョブを受信する。次にステップS702に進み、コントローラ130が、入力されたジョブがPDLジョブなのか、スキャンジョブなのか判定する。ここで、PDLジョブであると判定された場合、ステップS706において、PDLジョブ展開部502が、PDLジョブを展開する。そして、ステップS707において、PDLインタプリタ503が、PDLから中間データを生成する。
ステップS708で、RIP処理部504は、前記生成された中間データに対しRIP処理を行い、ページ画像を生成する。
ステップS702において、入力されたジョブがスキャンジョブであると判定された場合、ステップS724で、スキャン画像処理部532は、受信したスキャン画像に対し、色補正や斜行補正のような画像処理を施す。
【0037】
ステップS1601で、コントローラ130は、受信したRIP後画像或いは画像処理後のスキャン画像から、モザイク画像を生成する(モザイク画像生成)。次にステップS1602で、ジョブ保存部510は、前記生成されたモザイク画像を時間情報と共にバッファに保存する(モザイク画像保存)。
ステップS731で、ページ処理部505は、面付け等のページ処理を行う。
ステップS735で、ジョブ送信部506は、前記ページ処理済み画像をプリンタエンジン制御部540に送信する。
ステップS736で、イベント・パラメータ保存部550は、プリンタエンジン608におけるイベント・パラメータを時間情報と共に保存する。
ステップS737で、プリンタエンジン制御部540が、プリンタエンジンにより受信したジョブの印刷を行う。
ステップS738で、コントローラ130は、UI画面301を介して、ジョブ再生指示が行われているかどうか判定する。ここで、再生指示がない場合、ステップS701に戻り、新たなジョブを受信する。
ステップS738で、ジョブ再生指示が行われていると判断すると、ステップS799で、コントローラ130は、次のフローへと移行する。
【0038】
ここで、ステップS1601にかかる、コントローラ130のモザイク画像生成フローについて詳細に説明する。
図19は、実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130によるモザイク画像生成処理を説明するフローチャートである。
ステップS1700で開始し、ステップS1701で、コントローラ130は、RIP後画像或いは画像処理後スキャン画像の入力を受ける。ステップS1702において、コントローラ130は、前記入力した画像に対し、CMYKそれぞれの版に分離した画像を生成する。次にステップS1703で、コントローラ130は、前記CMYK分離した画像に対し、予め定められた縦横のピクセル数から構成される格子で分割を行う。ここで、格子のサイズは、UI画面301を介して設定することが可能で、例えば縦横100ピクセルのように指定される。この格子サイズが大きければ大きいほど、画像の判別が不可能となる。
ステップS1704で、コントローラ130は、前記分割した各格子に対し、格子内の全てのピクセルについて、平均値を算出する。ステップS1706で、コントローラ130は、前記算出した平均値で、前記分割した格子内のピクセルを塗りつぶす。コントローラ130は、この処理を全ての格子に対して適用する。ステップS1705において、コントローラ130は、CMYKそれぞれの版に対してステップS7103からS1706までの処理を繰り返すことにより、モザイク画像を生成する。
【0039】
ジョブ再生処理については、実施形態1における図8で説明したフローと同一のフローが適用可能である。ここで、ステップS824において、コントローラ130は、前記生成したモザイク画像を印刷する。
図20は、代替画像の一例を示す図である。
実施形態5によれば、図17Aを入力画像とすると、図20のようなモザイク画像が生成され、印刷される。
以上のように印刷を制御することで、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合にも、モザイク画像を用いて画像形成装置を再生することが可能になる。更には、モザイク画像は比較的高圧縮が適用可能なため、保存するデータサイズが小さくなり、より長時間のイベント・パラメータ保存が可能となり、遡る事が可能な時間が大幅に向上する。これにより、ユーザーのセキュリティが脅かされることなく、画像形成装置の再生が可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0040】
<<実施形態6>>
実施形態1〜5では、ジョブの実行時にジョブ・イベント・パラメータをバッファに保存し、そのバッファから読み出して再生する処理について述べた。しかしながら、バッファのサイズは有限であり、バッファがフルになると、古いデータから削除されてしまう。したがって、後から再生しようとしてもバッファから消されてしまい、再生できない場合も発生する。
実施形態6では、予め定められたイベントに応じて、バッファに格納されたデータを記憶装置の別領域に待避する手法について述べる。
図21は、実施形態6におけるHDD604の構成を表す図である。
HDD604は、2つのパーティションに分割されている。各々のパーティションは、ジョブ及びイベント・パラメータのバッファリング用パーティション2201と、ジョブ及びイベント・パラメータの待避用パーティション2202と、から構成される。
【0041】
図22は、実施形態6におけるジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS700で開始し、ステップS737に至るまでは、実施形態1と同一のフローをたどる。
ステップS1801において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、予め定められた特定のイベントが発生したかどうかを判定する。ここで、予め定められた特定のイベントは、紙詰まりや色味変動等である。ここで、特定イベントが発生していないと判定した場合、ステップS738に移行し、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、通常の処理を行う。
ステップS1801で、特定イベントが発生している場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1802に進む。ステップS1802において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記ジョブ及びイベント・パラメータのバッファリング用パーティション2201に格納されているデータを、待避用パーティション2202にコピーする。
以上のように制御することにより、イベントが発生するとバッファに記憶されているデータを待避する事が可能となり、バッファがクリアされることなく、イベントに応じた画像形成装置の再生が可能となる。ユーザーはバッファの枯渇を心配することなく、かつ、イベントに応じて自動的にデータを待避できるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0042】
<<実施形態7>>
実施形態6では、イベントの発生に従って無条件にバッファに記憶されているデータを待避する方法について述べた。実施形態7では、発生したイベントの内容に従い、待避するデータの取捨選択を行う手法について述べる。
実施形態7では、実施形態6における図22と同一のフローが適用される。ここで、実施形態7におけるバッファに記憶されているデータの待避方法について詳しく説明する。
図23は、実施形態7におけるバッファに記憶されているデータの待避方法について表すフローチャートである。
ステップS1900で開始し、ステップS1901で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、イベントの入力を受ける。ステップS1902で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記入力されたイベントが、入力画像の保存が必要なイベントかどうか判定する。ここで、入力画像が必要であると判定した場合、ステップS1903で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、入力された画像データを待避させる。ステップS1902で、入力画像が必要でないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、そのままステップS1904に移行する。
ステップ1904で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、実施形態6に記載のイベント・パラメータの待避を行う。
以上のように制御することにより、発生したイベントに応じて、待避するデータを取捨選択することができるため、待避先データ容量が少なくて済む。ユーザーはより多くの再生可能なデータを保存することが可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0043】
<<実施形態8>>
実施形態6及び7では、画像形成装置の有する記憶装置に対して、バッファに記憶されているデータを待避させる手法について述べた。実施形態8では、イベントの発生に従って、バッファに記憶されているデータをネットワークに接続されたコンピュータ上の記憶装置に対して送信する手法について述べる。
図24は、実施形態8における画像形成装置の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS700で開始し、ステップS737に至るまでは、実施形態1と同一のフローをたどる。
ステップS1801において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、予め定められた特定のイベントが発生したかどうかを判定する。ここで、予め定められた特定のイベントは、紙詰まりや色味変動等である。ここで、特定イベントが発生していないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS738に移行し、通常の処理を行う。
ステップS1801で、特定イベントが発生している場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS2001に進む。ステップS2001において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、バッファに記憶されているデータを、ネットワークに接続されたクライアントコンピュータ630上のHDD651に対して送信し、時間情報と共に保存させる。
【0044】
図25は、実施形態8における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
ステップS801で、コントローラ130は、再生マーカー401の入力を受けて、再生開始時間を特定する。
ステップS2201で、コントローラ130は、HDD651から、待避されているデータを、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の有するバッファにダウンロードする。
ステップS802以降、実施形態1と同一の処理を実行することにより、実施形態1と同様に画像形成装置の再生処理が実行可能となる。
以上のように制御することにより、イベントに応じてバッファの内容をネットワークに接続されたコンピュータ上の記憶装置に対して送信することが可能となる。ユーザーは遠隔地で実行されたジョブを、身近画像形成装置で再生することが可能となる。更にはネットワーク上のより大容量の汎用記憶装置をデータの格納先として利用することが可能となり、利便性が向上する。
【0045】
<<実施形態9>>
実施形態1〜8で、画像形成装置の再生処理において、再生させるイベントに、例えば紙無しや、トナー切れ等の消耗品に関するイベントが存在する場合について考える。例えば給紙されている紙が、再生しようとする過去の時点よりも多い場合、紙無しのイベントが発生した時点で、実際には紙は給紙段に存在したままとなる。一方給紙されている紙が、再生しようとする過去の時点よりも少ない場合、紙無しのイベントが発生するよりも前に、実際には給紙段に用紙が存在しなくなり、画像形成装置の正確な再生が困難となる。
実施形態9では、画像形成装置の再生前に、紙やトナー等の消耗品の状態を判定し、再生が可能となるような制御方法について述べる。
【0046】
図26は、実施形態9における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
ステップS801で、コントローラ130は、再生マーカー401の入力を受けて、再生開始時間を特定する。
ステップS802において、コントローラ130は、ジョブ保存部510のバッファを検索する。そして、ステップS803において、コントローラ130は、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能かどうか判定する。ここで、再生不可能であると判定した場合、コントローラ130は、ステップS810においてエラーメッセージをUI画面301に表示し、終了する。
ステップS803において、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能であると判定した場合、ステップS821において、コントローラ130は、ジョブ保存部510或いはイベント・パラメータ保存部550を参照する。
【0047】
ステップS2301で、コントローラ130は、ジョブ保存部510或いはイベント・パラメータ保存部550を参照し、再生するジョブ中に、消耗品に関係するイベントが発生するかどうか判定する。ここで、消耗品に関係するイベントが発生しないと判定さした場合、コントローラ130は、ステップS822に移行し、以降、実施形態1と同一の再生手順で再生を行う。
ステップS2301で、消耗品に関係するイベントが発生すると判定した場合、ステップS2302で、コントローラ130は、画像形成装置100の消耗品の残量を確認する。次にステップS2303で、コントローラ130は、前記消耗品の残量が、再生しようとするジョブを出力するのに十分な残量であるかどうか判定する。つまり、コントローラ130は、前記消耗品の残量で再生を開始するジョブを処理可能か否か判定する。ここで、十分な残量があると判定した場合、コントローラ130は、ステップS822に移行し、以降、実施形態1と同一の再生手順で再生を行う。
ステップS2303で、消耗品の残量が十分で無いと判定した場合、ステップS2304で、コントローラ130は、UI画面に対し、残量の十分で無い消耗品の補給を促す表示を行う。次にステップS2305で、コントローラ130は、前記表示後、前記消耗品が補給されるまで待機する。
以降、コントローラ130は、ステップS822に移行し、実施形態1と同一の再生手順で再生を行う。
【0048】
以上のように制御することにより、画像形成装置の再生前に、紙やトナー等の消耗品の状態を判定し、消耗品が補給されるまで再生処理を待機することにより、画像形成装置の再生が可能となる。ユーザーにとっては、予め消耗品のセットを画像形成装置が通知してくれることにより、より正確な画像形成装置のジョブ再生が可能となる。
【0049】
<<その他の実施形態>>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0050】
以上、上述した各実施形態によれば、ジョブデータと、ジョブの順序やイベント、エンジンの内部パラメータ等をバッファに保存する。そして、一時保存したジョブデータと順序、イベント等とを用いて、一定時間を遡ってジョブ・手順で実行することができる。
つまり、画像形成装置における処理をある時点と同一のジョブ順序、イベント順序で再現することができる。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に対して、ユーザー或いはオペレーターが複数のジョブ、或いは手続きを一定の手順で実行させる場合が多くある。例えば、ユーザー或いはオペレーターが毎朝画像形成装置を起動後、暖機運転を行う為のジョブを印刷する。その後に画像形成装置のキャリブレーションを実行、測定チャートを印刷して色味変動を確認してから定型ジョブを実行する、といったフローを、画像形成装置に対し毎日実行させる場合がある。更には、ユーザー或いはオペレーターが、ある時点で画像形成装置の色味が安定していたが、現時点では色味が変動してしまっているような場合においても、過去のある時点の良い色味の条件に戻してジョブを実行したいという要望が非常に高かった。
また、ユーザーやオペレーターのみならず、画像形成装置を管理する管理者や、メンテナンスを行うエンジニアについて考える。画像形成装置において、紙詰まり(ジャム)やエラー、色味変動等の問題が発生した場合、その原因を特定するため、問題が発生した時点の画像形成装置の動作をシミュレートする必要がある。
【0003】
この目的のため、画像形成装置のユーザインターフェイスの操作履歴を記録し、前記記録された操作履歴手順通りに複数のジョブを再実行させる画像形成装置が提案されている。
例えば特許文献1では、画像形成装置のジョブ履歴から、ジョブ設定を読み込んで、その設定手順を画像形成装置のユーザインターフェイス上に表示する技術が開示されている。また、特許文献2では、画像形成装置のユーザインターフェイスに対する入力とジョブをバッファリングし、その操作手順どおりにジョブを再実行させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−208440号公報
【特許文献2】特開2008−283468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の従来技術には以下のような問題がある。
近年、高機能化された画像形成装置では、ジョブの前後関係が非常に複雑である。
図1は、画像形成装置における複数ジョブ間の時間関係の例を表す図である。
先ずジョブAが投入され、印刷が開始されている。ジョブAの印刷途中、201で紙無し中断する。この後、ユーザー或いはオペレーターが割り込みジョブBを投入すると、ジョブAは中断され、ジョブBが印刷される。ジョブBの印刷が終了すると、ジョブAの印刷へと戻る。次に、ジョブCが投入されるが、ジョブAの終了後、即時にジョブCが開始されず、202において、例えば定着機の温度調整や、キャリブレーションが実行され、ジョブCの開始が遅れる。
特に、ジョブの割り込みが行われるタイミングは、既に該当するページの画像形成が行われているかどうかに依存する。割り込みジョブの例では、その時点での処理負荷や、メモリ容量に依存し、記録したユーザインターフェイスの操作を再実行するだけでは、所望のジョブ順序を再現することは難しかった。別の例では、画像形成装置の成果物の色味については、印刷物のデューティー(1ページに占めるインキやトナー等の色剤の使用率)や、キャリブレーションを行ってからどのくらい時間が経っているか、等の条件に依存して変動してしまう。更には、紙無しの給紙待ちや、定着機の温度調整中等のイベントも発生する。このような場合において、記録したユーザインターフェイスの操作を再実行するだけでは、同一条件での再現をすることは難しかった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、画像形成装置における処理をある時点と同一のジョブ順序、イベント順序で再現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、ジョブを受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存手段と、前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定手段と、前記特定手段で特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置における処理をある時点と同一のジョブ順序、イベント順序で再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置における複数ジョブ間の時間関係の例を表す図である。
【図2】画像形成装置の一例を示す図である。
【図3】画像形成装置のコントローラ130等の一例を示す図である。
【図4】ソフトウェアモジュールの一例を示す図である。
【図5】画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、現在の状況を表示する画面を表す図である。
【図6】画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、過去の履歴状況を表示する画面を表す図である。
【図7】実施形態1に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図8】実施形態に係る画像形成装置100のコントローラ130によるジョブ再生処理を説明するフローチャートである。
【図9】実施形態1に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
【図10】実施形態1に係るコントローラ130のジョブ再生処理手順を表すフローチャートである。
【図11】実施形態2に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
【図12】実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図13】実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130によるサムネール表示処理を説明するフローチャートである。
【図14】実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図15】実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による画像デューティー算出処理を説明するフローチャートである。
【図16】実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による全面ハーフトーン画像生成処理を説明するフローチャートである。
【図17A】入力画像の一例を示す図である。
【図17B】全面ハーフトーン画像の一例を示す図である。
【図18】実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
【図19】実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130によるモザイク画像生成処理を説明するフローチャートである。
【図20】代替画像の一例を示す図である。
【図21】実施形態6におけるHDD604の構成を表す図である。
【図22】実施形態6におけるジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
【図23】実施形態7におけるバッファに記憶されているデータの待避方法について表すフローチャートである。
【図24】実施形態8における画像形成装置の処理手順を表すフローチャートである。
【図25】実施形態8における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
【図26】実施形態9における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0011】
<<実施形態1>>
<装置構成>
図2は、画像形成装置の一例を示す図である。
なお、本実施形態の画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置を用いて説明するが、このことは本実施形態を制限するものではなく、インクジェット方式やオフセット印刷等様々な画像形成方式を用いる画像形成装置でも成立する。
画像形成装置100は、現像ステーション101、定着ステーション102、給紙デッキ109から構成される。コントローラ130は、各々の装置の制御を司る制御部である。操作部150は、LCDとタッチパネルを兼ね備え、画像形成装置のユーザーが印刷状況を確認したり、各種設定をしたりすることができる。スキャナ160は、原稿を読み取り、画像情報としてコントローラ130に転送することにより、コピー機能が可能となる。CMYKそれぞれの現像器104〜107において、コントローラ130からの入力画像が、各現像器に内蔵される感光ドラム(不図示)に現像され、トナーが現像部に付着して感光ドラム上でトナー像が形成される。この現像されたCMYKそれぞれのトナー像が、中間転写ベルト108に転写された後、給紙デッキ109から給紙された用紙(記録媒体)に転写される。こうしてトナー像が転写された用紙は、定着ステーション102に送られ、定着ローラー110により熱と圧力が与えられる。これによりトナーが融解して用紙上に定着し、印刷が完了する。
【0012】
<コントローラ構成>
図3は、画像形成装置のコントローラ130等の一例を示す図である。
中央演算装置(CPU)601は、RAM603に展開されたプログラムを実行して、装置内の各部の制御、演算を司る。RAM603は、プログラムの格納領域、及び各種データの一時記憶領域、及びワークメモリとして利用される。ハードディスクドライブ(HDD)604は、大容量の記憶装置であり、CPU601により実行される各種制御プログラムをインストールしている。また、HDD604は、処理対象の各種データの一時的な記憶領域としても利用される。画像形成装置の電源がオンされるとHDD604のブートプログラムが起動されて、HDD604にインストールされているOSや制御プログラムが読み出されてRAM603に展開してロードされる。そしてCPU601は、そのRAM603に展開されたプログラムに従って処理を実行し、後述する各種情報処理を実行する。ネットワークインターフェイス(I/F)602は、外部ネットワークを介してクライアントコンピュータ630等の他の装置と通信を行う。エンジンインターフェイス(I/F)605は、プリンタエンジン608との通信及び制御を司る。プリンタエンジン608は、図2に示す現像ステーション101と定着ステーション102とを備えている。スキャナインターフェイス(I/F)606は、スキャナ609との通信及び制御を司る。システムバス607は、CPU601と上述した各部とを接続するバスで、制御信号やアドレス、データ等を伝達する。
クライアントコンピュータ630には、HDD651が装備され、プリンタドライバ650がインストールされている。プリンタドライバ650は、クライアントコンピュータの描画命令を、画像形成装置100が出力可能なPDLデータに変換する。また、プリンタドライバ650は、各種画像形成装置の設定を前記PDLデータに付与して、画像形成装置100に送信する。
【0013】
<ソフトウェアモジュール構成>
図4は、ソフトウェアモジュールの一例を示す図である。
各々のソフトウェアモジュールの機能は、RAM603に展開された制御プログラムをCPU601が実行することにより実現される。
コントローラ130は、画像形成装置の主幹制御を司るモジュールである。
PDLジョブ受信部501は、ネットワークインターフェイス(I/F)602を介して印刷ジョブを受信する。PDLジョブ展開部502は、前記受信した印刷ジョブを解析し、展開してPDLインタプリタ503に渡す。PDLインタプリタ503は、その印刷ジョブに含まれるPDL(ページ記述言語)データを展開し、中間データフォーマットに変換する。ここで、PDLデータは、例えば、PDFデータである。
RIP処理部504は、その変換された中間データフォーマットのデータを受け取り、RIP処理を行って画像データに変換する。
【0014】
一方、スキャンジョブ受信部531は、スキャナインターフェイス(I/F)606を介してスキャン画像を受信する。スキャン画像処理部532は、前記受信したスキャン画像に対し、例えばRBG−CMYK変換や色補正、斜行補正のような画像処理を施す。
ジョブ保存部510は、RAM603或いはHDD604に実装され、ジョブを保存するバッファを有する。ジョブ保存部510は、PDLジョブ受信部501、RIP処理部504、スキャンジョブ受信部531、及びスキャン画像処理部532と接続される。ジョブ保存部510は、受信したPDLジョブ、RIP処理を施した画像データ、受信したスキャン画像、及び画像処理を施されたスキャン画像を保存する。
ページ処理部505は、受け取った画像データの面付け処理等を行う。ジョブ送信部506は、こうして生成された画像データを、プリンタエンジン制御部540に送信する。
イベント・パラメータ保存部550は、RAM603或いはHDD604に実装され、前記各ソフトウェアモジュールと接続される。イベント・パラメータ保存部550は、各モジュールのイベント・パラメータを逐次保存する。
【0015】
<UI画面の構成>
図5は、画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、現在の状況を表示する画面を表す図である。
上から順番に、投入されたジョブと、その印刷状況と、が棒グラフで表示される。マーカー302は、現時点をあらわし、マーカー上にある棒グラフが、現在処理中のジョブを表わす。マーカー302よりも左側は、過去の履歴であり、図中の303のように、紙無し等の中断イベントが発生すると、そのイベントについても表示がなされる。一方、マーカー302よりも右側は、今後の予測を表わす。既にスケジューリングされているイベントは表示されるものの、前述の紙無し等のイベントは表示されない。
UI画面301は、左右にスクロールが可能であり、右にスクロールされると過去の履歴状況が、左にスクロールされると今後のジョブスケジュールが大きく表示される。
【0016】
図6は、画像形成装置100の有する操作部150及び、クライアントコンピュータ630の画面に表示される、UI画面の構成のうち、過去の履歴状況を表示する画面を表す図である。
再生マーカー401は、履歴画面のみに表示され、画面上を左右にスクロールすることが可能である。再生マーカーと交差するジョブには、ジョブのサムネール及びページ番号402が表示される。ユーザーは、再生マーカーを移動し、好きな時点を選択して再生ボタンを押下する。画像形成装置100は、選択された時点からジョブの再生を開始する。
【0017】
<実施形態1の印刷フロー>
次に、本実施形態1における画像形成装置100の制御について説明する。
図7は、実施形態1に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。なお、この処理を実行するプログラムは、上述したようにRAM603に展開されており、CPU601がこの制御プログラムを実行することにより、このフローチャートで示す処理が実行される。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS701で、PDLジョブ受信部501或いはスキャンジョブ受信部531が、ネットワークI/F602或いはスキャナインターフェイス(I/F)606を介してジョブを受信する。次にステップS702に進み、コントローラ130が、入力されたジョブがPDLジョブなのか、スキャンジョブなのか判定する。ここで、PDLジョブであると判定された場合、ステップS705で、ジョブ保存部510は、前記受信したPDLジョブを、時間情報と共にバッファに保存する。次に、ステップS706において、PDLジョブ展開部502がPDLジョブを展開する。そして、ステップS707において、PDLインタプリタ503がPDLから中間データを生成する。
ステップS708で、RIP処理部504は、前記生成された中間データに対しRIP処理を行い、ページ画像を生成する。
ステップS711において、ジョブ保存部510は、前記生成されたRIP済みページ画像を時間情報と共にバッファに保存する(ページ画像保存)。
【0018】
ステップS702において、入力されたジョブがスキャンジョブであると判定された場合、ステップS723で、ジョブ保存部510は、前記受信したスキャンジョブを時間情報と共にバッファに保存する。
ステップS724で、スキャン画像処理部532は、受信したスキャン画像に対し、RGB−CMYK変換や色補正、斜行補正のような画像処理を施す。
ステップS727で、ジョブ保存部510は、前記画像処理済みスキャン画像を時間情報と共にバッファに保存する。
ステップS731で、ページ処理部505は、面付け等のページ処理を行う。
ステップS734で、ジョブ保存部510は、前記ページ処理済み画像を時間情報と共にバッファに保存する。
ステップS735で、ジョブ送信部506は、前記ページ処理済み画像をプリンタエンジン制御部540に送信する。
ステップS736で、イベント・パラメータ保存部550は、プリンタエンジン608におけるイベント・パラメータを時間情報と共に保存する。ここで、イベントとは、例えば、紙無しや紙詰まり(ジャム)、キャリブレーション等のイベントであり、パラメータとは、例えば、トナー濃度やトーンカーブ、エンジン状態等のパラメータである。
ステップS737で、プリンタエンジン制御部540が、プリンタエンジンにより受信したジョブの印刷を行う。
ステップS738で、コントローラ130は、UI画面301を介して、ジョブ再生指示が行われているかどうか判定する。ここで、再生指示がない場合、ステップS701に戻り、新たなジョブを受信する。
ステップS738で、ジョブ再生指示が行われていると判断すると、ステップS799で次のフローへと移行する。
【0019】
図8は、実施形態に係る画像形成装置100のコントローラ130によるジョブ再生処理を説明するフローチャートである。
ステップS801で、コントローラ130は、再生マーカー401の入力を受けて、再生開始時間を特定する。
ステップS802において、コントローラ130は、ジョブ保存部510のバッファを検索し、ステップS803において、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能かどうか判定する。ここで、再生不可能であると判定した場合、コントローラ130は、ステップS810においてエラーメッセージをUI画面301に表示し、処理を終了する。
ステップS803において、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能であると判定した場合、ステップS821において、コントローラ130は、ジョブ保存部510或いはイベント・パラメータ保存部550を参照する。ステップS822において、コントローラ130は、前記参照したイベント・パラメータ・ジョブと、前記特定した再生開始時間と、から、再生開始するジョブを特定する。
ステップS823で、コントローラ130は、前記特定したジョブと、前記特定した再生開始時間と、から、再生開始ページを特定する。
【0020】
ステップS824で、コントローラ130は、前記特定した再生開始ジョブを用いて、前記特定した再生開始ページから順次、ジョブの再生を開始する。なお、この際、コントローラ130は、前記特定した再生開始時間から、図7のS711で保存したRIP済み画像を特定し、ジョブの再生に用いる。より具体的に説明すると、コントローラ130は、ジョブの再生において特定したRIP済み画像を用いて画像形成等を行う。
ステップS825で、コントローラ130は、UI画面301を介して終了イベントが通知されていないかどうか判定する。ここで、終了イベントが通知されていた場合、コントローラ130は、ステップS899で処理を終了する。
ステップS825で、終了イベントが通知されていない場合、ステップS826で、コントローラ130は、当該ジョブが記録されている最終ジョブかどうか判定する。ここで、最終ジョブであると判定した場合、コントローラ130は、ステップS899で処理を終了する。
ステップS826で、最終ジョブであると判定した場合、ステップS830に移行し、コントローラ130は、保存されている次のジョブを特定し、ステップS824において前記特定ジョブを再生する。
【0021】
ここで、ステップS705、S711、S723、S727、S734、及びS736にかかる、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理フローについて詳細に説明する。
図9は、実施形態1に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS900で開始し、ステップS901で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550が受信したデータのサイズを確認する。次にステップS902で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の有するバッファの容量を確認する。ステップS903で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、バッファへの格納ができないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS904に移行する。そして、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、バッファに格納されているデータのうち、時系列的に古いデータを、前記受信データサイズが入るまで削除し、ステップS905に移行する。
ステップS903で、バッファへの格納が可能と判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS905に移行する。
ステップS905で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。
【0022】
次に、ステップS824にかかる、コントローラ130の処理フローについて詳細に説明する。
図10は、実施形態1に係るコントローラ130のジョブ再生処理手順を表すフローチャートである。
ステップS1000で開始し、ステップS1001で、コントローラ130が、ジョブの入力を受ける。ステップS1002で、コントローラ130は、プリンタエンジン制御部540に対し、イベント・パラメータ保存部550に保存されているパラメータをセットする。
ステップS1003で、コントローラ130は、イベント・パラメータ保存部550より、ジョブ実行中に発生するイベントを判別し、時刻設定する。
ステップS1004で、コントローラ130は、ステップS823で特定した開始ページからジョブの実行を開始する。
ステップS1005で、コントローラ130は、前記設定したイベント時刻に到達したかどうか判定する。ここで、イベント時刻に到達したと判定した場合、ステップS1006において、コントローラ130は、プリンタエンジン制御部540に対してイベントを再生させ、ステップS1007に移行する。
ステップS1005で、イベント時間にはないと判定した場合、ステップS1007で、コントローラ130は、ジョブ終了まで印刷を継続する。
以上のように印刷を制御することで、全てのジョブを受信すると共にジョブ及びイベント、パラメータを保存し、かつ、保存されたジョブ手順どおりに画像形成装置における処理を再現することができる。
【0023】
<<実施形態2>>
実施形態1においては、バッファがフル状態である場合に古いデータを一律に破棄する手法について述べた。実施形態2では、古いデータの破棄方法を、データ量の大きなものから破棄する手法について述べる。
実施形態2において、画像形成装置100のコントローラ130による情報処理は、実施形態1における図7及び図8で説明されるフローチャートと同一の情報処理が行われる。
このうち、実施形態2にかかる、ステップS705、S711、S723、S727、S734、及びS736の、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理フローについて詳細に説明する。
一般に、受信したPDLジョブよりも、RIP処理を施した後の画像のほうが、データ量は大きい。スキャン画像に関しては、受信したスキャン画像と、画像処理を施したスキャン画像とは、データ量において大きな差は無い。一方、これらPDLデータやRIP処理後画像、スキャン画像に対し、イベントやパラメータは比較的にデータ量が小さい。
【0024】
図11は、実施形態2に係るジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS900で開始し、ステップS901で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550が受信したデータのサイズを確認する。次にステップS902で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の有するバッファの容量を確認する。ステップS903で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データのサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、バッファへの格納ができると判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。
ステップS903で、受信データサイズを格納できないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1101に移行する。ステップS1101において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されているRIP済画像データのうち、時系列的に古いデータを削除する。
【0025】
次にステップS1102で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1102で、格納不可能と判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1103に移行する。ステップS1103において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されている画像処理済みスキャン画像データのうち、時系列的に古いデータを削除する。
次にステップS1104で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1104で、格納不可能と判定された場合、ステップS1105に移行し、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されているPDLデータのうち、時系列的に古いデータを削除する。
【0026】
次にステップS1106で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定した場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1106で、格納不可能と判定した場合、ステップS1107に移行し、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ジョブ保存部510のバッファに格納されている受信スキャン画像データのうち、時系列的に古いデータを削除する。
次にステップS1108で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記確認したバッファの容量が、前記確認した受信データサイズを格納することができるかどうかを判定する。ここで、格納可能と判定あいた場合、ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。ステップS1108で、格納不可能と判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1109に移行する。ステップS1109において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、イベント・パラメータ保存部550のバッファに格納されているイベント・パラメータのうち、時系列的に古いデータを削除し、ステップS905に移行する。
【0027】
ステップS905において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記受信データを時間情報と共にバッファに格納し、処理を終了する。
以上のように印刷を制御することで、全てのジョブを受信すると共にジョブ及びイベント、パラメータを保存し、かつ、保存されたジョブ手順どおりに画像形成装置の処理を再生することができる。更には、バッファからデータ量の大きなものから破棄することにより、より長時間のイベント・パラメータ保存が可能となり、遡る事が可能な時間が大幅に向上する。これにより、ユーザーの利便性が更に向上する。
【0028】
<<実施形態3>>
実施形態1、2では、RIP後画像をジョブ保存部510に保存する手法について述べた。実施形態3では、RIP画像と共に、サムネール画像を作成して保存し、再生時間を選択する操作部150に表示されるUI画面上に表示する処理について述べる。
図12は、実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS711及びS727に至るまで、実施形態1と同一のフローを行う。ステップS2401で、コントローラ130は、前記生成したRIP後画像又は処理済みスキャン画像に対し、解像度変換処理を行う事でサムネール画像を生成する(サムネール画像生成)。ステップS2402で、コントローラ130は、前記生成したサムネール画像を、時間情報と共にジョブ保存部510に保存する(サムネール画像保存)。S731に移行し、以降、実施形態1と同一のフローを行う。
【0029】
次に、前記生成したサムネール画像をUI画面上に表示するフローについて詳細に説明する。
図13は、実施形態3に係る画像形成装置100のコントローラ130によるサムネール表示処理を説明するフローチャートである。
ステップS2500で開始し、ステップS2501で、UI画面(又はUI画面を介してコントローラ130)は、ユーザーの入力による再生マーカー401の移動を検知する。ステップS2502で、コントローラ130は、UI画面から再生マーカー上の時間情報を取得する。ステップS2503で、コントローラ130は、ジョブ保存部510から、前記取得した時間情報に対応するサムネール画像を取得する。ステップS2504で、コントローラ130は、UI画面に前記取得したサムネール画像を時間軸に応じて表示する。
以上のように制御することにより、ユーザーはUI画面上で、これから再生仕様とするジョブのサムネール画像を確認しながら再生開始時間を設定することが可能となり、利便性が向上する。
【0030】
<<実施形態4>>
実施形態2においては、バッファがフル状態である場合にデータ量の大きなものから破棄する手法について述べた。しかしながら、PDLデータや、入力された画像データについては、個人情報等の機密情報が含まれている事が多々あり、それを保存して後で再生することが可能となると、第三者が機密情報を見る事が可能となり、セキュリティ上の問題となりうる。一方で、画像形成装置における色味変動のような、ジョブのデューティー(1ページに占めるインキやトナー等の色剤の使用率)に左右されるようなケースで、ジョブの再生を行う場合、ジョブの印刷内容をある程度再現する必要がある。
実施形態4では、PDLデータや画像データを保存せずに、代替画像を生成することによりジョブの再生をする手法について述べる。
【0031】
図14は、実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS701で、PDLジョブ受信部501或いはスキャンジョブ受信部531が、ネットワークI/F602或いはスキャナインターフェイス(I/F)606を介してジョブを受信する。次にステップS702に進み、コントローラ130が、入力されたジョブがPDLジョブなのか、スキャンジョブなのか判定する。ここで、PDLジョブであると判定された場合、ステップS706において、PDLジョブ展開部502がPDLジョブを展開する。そして、ステップS707において、PDLインタプリタ503がPDLから中間データを生成する。ステップS708で、RIP処理部504は、前記生成された中間データに対しRIP処理を行い、ページ画像を生成する。
ステップS702において、入力されたジョブがスキャンジョブであると判定された場合、ステップS724で、スキャン画像処理部532は、受信したスキャン画像に対し、色補正や斜行補正のような画像処理を施す。
【0032】
ステップS1201で、コントローラ130は、受信したRIP後画像、或いは画像処理後のスキャン画像に対し、画像デューティーを算出する。次にステップS1202で、ジョブ保存部510は、前記算出された画像デューティーの値を時間情報と共にバッファに保存する(平均値保存)。
ステップS731で、ページ処理部505は、面付け等のページ処理を行う。
ステップS735で、ジョブ送信部506は、前記ページ処理済み画像をプリンタエンジン制御部540に送信する。
ステップS736で、イベント・パラメータ保存部550は、プリンタエンジン608におけるイベント・パラメータを保存する。
ステップS737で、プリンタエンジン制御部540が、プリンタエンジンにより受信したジョブの印刷を行う。
ステップS738で、コントローラ130は、UI画面301を介して、ジョブ再生指示が行われているかどうか判定する。ここで、再生指示がない場合、ステップS701に戻り、新たなジョブを受信する。
ステップS738で、ジョブ再生指示が行われていると判断すると、コントローラ130は、ステップS799で次のフローへと移行する。
【0033】
ここで、ステップS1201にかかる、コントローラ130の画像デューティー算出フローについて詳細に説明する。
図15は、実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による画像デューティー算出処理を説明するフローチャートである。
ステップS1300で開始し、ステップS1301で、コントローラ130は、RIP後画像或いは画像処理後のスキャン画像の入力を受ける。ステップS1302において、コントローラ130は、前記入力した画像に対し、CMYKそれぞれの版に分離した画像を生成する。
次にステップS1303で、コントローラ130は、前記CMYK分離した画像を構成するピクセルの総数を判定する。ステップS1304で、コントローラ130は、前記画像を構成するピクセルの信号値の総和を計算し、その総和を前記ピクセル総数で除算し、平均値を算出する。
ステップS1305において、コントローラ130は、ステップS1303、S1304を、CMYKそれぞれの版に対して繰り返し、終了する。
【0034】
ジョブ再生処理については、実施形態1における図8で説明したフローと同一のフローが適用可能である。ここで、ステップS824にかかるジョブ再生処理について詳細に説明する。
図16は、実施形態4に係る画像形成装置100のコントローラ130による全面ハーフトーン画像生成処理を説明するフローチャートである。
ステップS1400で開始し、ステップS1401で、コントローラ130は、ジョブ保存部510よりジョブのデューティー値を入力される。ステップS1402で、コントローラ130は、画像のサイズの入力を受ける。ステップS1403で、コントローラ130は、前記デューティーの値を信号値とする画像を生成する(ページ画像生成)。次に、ステップS1404で、コントローラ130は、前記生成した画像を、ジョブ送信部506を介してプリンタエンジン制御部540に送信し、プリンタエンジン608により印刷を行う。
図17Aは、入力画像の一例を示す図である。図17Bは、全面ハーフトーン画像の一例を示す図である。全面ハーフトーン画像は、全面塗りつぶされたページ画像の一例を示す図である。
実施形態4によれば、図17Aを入力画像とすると、図17Bのような全面ハーフトーン画像が生成され、印刷される。
以上のように印刷を制御することで、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合にも、同様のデューティーのジョブを再生することが可能になる。更には、PDLジョブや画像データを保存する必要がないため、より長時間のイベント・パラメータ保存が可能となり、遡る事が可能な時間が大幅に向上する。これにより、ユーザーのセキュリティが脅かされることなく、画像形成装置の再生が可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0035】
<<実施形態5>>
実施形態4においては、ジョブのデューティーに応じた全面ハーフトーン画像を印刷する事で、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合にも、同様のデューティーのジョブを再生する処理について述べた。しかしながら、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合であっても、紙面上の信号値の分布により色味変動を起こす場合がある。この場合、前述の全面ハーフトーン画像ではシミュレートできなかった。
実施形態5では、全面ハーフトーン画像にかわり、モザイク画像を生成して保存し、印刷する手法について述べる。
【0036】
図18は、実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130による情報処理を説明するフローチャートである。
ステップS700で、コントローラ130による処理が開始され、ステップS701で、PDLジョブ受信部501或いはスキャンジョブ受信部531が、ネットワークI/F602或いはスキャナインターフェイス(I/F)606を介してジョブを受信する。次にステップS702に進み、コントローラ130が、入力されたジョブがPDLジョブなのか、スキャンジョブなのか判定する。ここで、PDLジョブであると判定された場合、ステップS706において、PDLジョブ展開部502が、PDLジョブを展開する。そして、ステップS707において、PDLインタプリタ503が、PDLから中間データを生成する。
ステップS708で、RIP処理部504は、前記生成された中間データに対しRIP処理を行い、ページ画像を生成する。
ステップS702において、入力されたジョブがスキャンジョブであると判定された場合、ステップS724で、スキャン画像処理部532は、受信したスキャン画像に対し、色補正や斜行補正のような画像処理を施す。
【0037】
ステップS1601で、コントローラ130は、受信したRIP後画像或いは画像処理後のスキャン画像から、モザイク画像を生成する(モザイク画像生成)。次にステップS1602で、ジョブ保存部510は、前記生成されたモザイク画像を時間情報と共にバッファに保存する(モザイク画像保存)。
ステップS731で、ページ処理部505は、面付け等のページ処理を行う。
ステップS735で、ジョブ送信部506は、前記ページ処理済み画像をプリンタエンジン制御部540に送信する。
ステップS736で、イベント・パラメータ保存部550は、プリンタエンジン608におけるイベント・パラメータを時間情報と共に保存する。
ステップS737で、プリンタエンジン制御部540が、プリンタエンジンにより受信したジョブの印刷を行う。
ステップS738で、コントローラ130は、UI画面301を介して、ジョブ再生指示が行われているかどうか判定する。ここで、再生指示がない場合、ステップS701に戻り、新たなジョブを受信する。
ステップS738で、ジョブ再生指示が行われていると判断すると、ステップS799で、コントローラ130は、次のフローへと移行する。
【0038】
ここで、ステップS1601にかかる、コントローラ130のモザイク画像生成フローについて詳細に説明する。
図19は、実施形態5に係る画像形成装置100のコントローラ130によるモザイク画像生成処理を説明するフローチャートである。
ステップS1700で開始し、ステップS1701で、コントローラ130は、RIP後画像或いは画像処理後スキャン画像の入力を受ける。ステップS1702において、コントローラ130は、前記入力した画像に対し、CMYKそれぞれの版に分離した画像を生成する。次にステップS1703で、コントローラ130は、前記CMYK分離した画像に対し、予め定められた縦横のピクセル数から構成される格子で分割を行う。ここで、格子のサイズは、UI画面301を介して設定することが可能で、例えば縦横100ピクセルのように指定される。この格子サイズが大きければ大きいほど、画像の判別が不可能となる。
ステップS1704で、コントローラ130は、前記分割した各格子に対し、格子内の全てのピクセルについて、平均値を算出する。ステップS1706で、コントローラ130は、前記算出した平均値で、前記分割した格子内のピクセルを塗りつぶす。コントローラ130は、この処理を全ての格子に対して適用する。ステップS1705において、コントローラ130は、CMYKそれぞれの版に対してステップS7103からS1706までの処理を繰り返すことにより、モザイク画像を生成する。
【0039】
ジョブ再生処理については、実施形態1における図8で説明したフローと同一のフローが適用可能である。ここで、ステップS824において、コントローラ130は、前記生成したモザイク画像を印刷する。
図20は、代替画像の一例を示す図である。
実施形態5によれば、図17Aを入力画像とすると、図20のようなモザイク画像が生成され、印刷される。
以上のように印刷を制御することで、ジョブ内容を保存・印刷することができない場合にも、モザイク画像を用いて画像形成装置を再生することが可能になる。更には、モザイク画像は比較的高圧縮が適用可能なため、保存するデータサイズが小さくなり、より長時間のイベント・パラメータ保存が可能となり、遡る事が可能な時間が大幅に向上する。これにより、ユーザーのセキュリティが脅かされることなく、画像形成装置の再生が可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0040】
<<実施形態6>>
実施形態1〜5では、ジョブの実行時にジョブ・イベント・パラメータをバッファに保存し、そのバッファから読み出して再生する処理について述べた。しかしながら、バッファのサイズは有限であり、バッファがフルになると、古いデータから削除されてしまう。したがって、後から再生しようとしてもバッファから消されてしまい、再生できない場合も発生する。
実施形態6では、予め定められたイベントに応じて、バッファに格納されたデータを記憶装置の別領域に待避する手法について述べる。
図21は、実施形態6におけるHDD604の構成を表す図である。
HDD604は、2つのパーティションに分割されている。各々のパーティションは、ジョブ及びイベント・パラメータのバッファリング用パーティション2201と、ジョブ及びイベント・パラメータの待避用パーティション2202と、から構成される。
【0041】
図22は、実施形態6におけるジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS700で開始し、ステップS737に至るまでは、実施形態1と同一のフローをたどる。
ステップS1801において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、予め定められた特定のイベントが発生したかどうかを判定する。ここで、予め定められた特定のイベントは、紙詰まりや色味変動等である。ここで、特定イベントが発生していないと判定した場合、ステップS738に移行し、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、通常の処理を行う。
ステップS1801で、特定イベントが発生している場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS1802に進む。ステップS1802において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記ジョブ及びイベント・パラメータのバッファリング用パーティション2201に格納されているデータを、待避用パーティション2202にコピーする。
以上のように制御することにより、イベントが発生するとバッファに記憶されているデータを待避する事が可能となり、バッファがクリアされることなく、イベントに応じた画像形成装置の再生が可能となる。ユーザーはバッファの枯渇を心配することなく、かつ、イベントに応じて自動的にデータを待避できるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0042】
<<実施形態7>>
実施形態6では、イベントの発生に従って無条件にバッファに記憶されているデータを待避する方法について述べた。実施形態7では、発生したイベントの内容に従い、待避するデータの取捨選択を行う手法について述べる。
実施形態7では、実施形態6における図22と同一のフローが適用される。ここで、実施形態7におけるバッファに記憶されているデータの待避方法について詳しく説明する。
図23は、実施形態7におけるバッファに記憶されているデータの待避方法について表すフローチャートである。
ステップS1900で開始し、ステップS1901で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、イベントの入力を受ける。ステップS1902で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、前記入力されたイベントが、入力画像の保存が必要なイベントかどうか判定する。ここで、入力画像が必要であると判定した場合、ステップS1903で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、入力された画像データを待避させる。ステップS1902で、入力画像が必要でないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、そのままステップS1904に移行する。
ステップ1904で、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、実施形態6に記載のイベント・パラメータの待避を行う。
以上のように制御することにより、発生したイベントに応じて、待避するデータを取捨選択することができるため、待避先データ容量が少なくて済む。ユーザーはより多くの再生可能なデータを保存することが可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0043】
<<実施形態8>>
実施形態6及び7では、画像形成装置の有する記憶装置に対して、バッファに記憶されているデータを待避させる手法について述べた。実施形態8では、イベントの発生に従って、バッファに記憶されているデータをネットワークに接続されたコンピュータ上の記憶装置に対して送信する手法について述べる。
図24は、実施形態8における画像形成装置の処理手順を表すフローチャートである。
ステップS700で開始し、ステップS737に至るまでは、実施形態1と同一のフローをたどる。
ステップS1801において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、予め定められた特定のイベントが発生したかどうかを判定する。ここで、予め定められた特定のイベントは、紙詰まりや色味変動等である。ここで、特定イベントが発生していないと判定した場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS738に移行し、通常の処理を行う。
ステップS1801で、特定イベントが発生している場合、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、ステップS2001に進む。ステップS2001において、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550は、バッファに記憶されているデータを、ネットワークに接続されたクライアントコンピュータ630上のHDD651に対して送信し、時間情報と共に保存させる。
【0044】
図25は、実施形態8における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
ステップS801で、コントローラ130は、再生マーカー401の入力を受けて、再生開始時間を特定する。
ステップS2201で、コントローラ130は、HDD651から、待避されているデータを、ジョブ保存部510及びイベント・パラメータ保存部550の有するバッファにダウンロードする。
ステップS802以降、実施形態1と同一の処理を実行することにより、実施形態1と同様に画像形成装置の再生処理が実行可能となる。
以上のように制御することにより、イベントに応じてバッファの内容をネットワークに接続されたコンピュータ上の記憶装置に対して送信することが可能となる。ユーザーは遠隔地で実行されたジョブを、身近画像形成装置で再生することが可能となる。更にはネットワーク上のより大容量の汎用記憶装置をデータの格納先として利用することが可能となり、利便性が向上する。
【0045】
<<実施形態9>>
実施形態1〜8で、画像形成装置の再生処理において、再生させるイベントに、例えば紙無しや、トナー切れ等の消耗品に関するイベントが存在する場合について考える。例えば給紙されている紙が、再生しようとする過去の時点よりも多い場合、紙無しのイベントが発生した時点で、実際には紙は給紙段に存在したままとなる。一方給紙されている紙が、再生しようとする過去の時点よりも少ない場合、紙無しのイベントが発生するよりも前に、実際には給紙段に用紙が存在しなくなり、画像形成装置の正確な再生が困難となる。
実施形態9では、画像形成装置の再生前に、紙やトナー等の消耗品の状態を判定し、再生が可能となるような制御方法について述べる。
【0046】
図26は、実施形態9における画像形成装置の再生処理手順を表すフローチャートである。
ステップS801で、コントローラ130は、再生マーカー401の入力を受けて、再生開始時間を特定する。
ステップS802において、コントローラ130は、ジョブ保存部510のバッファを検索する。そして、ステップS803において、コントローラ130は、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能かどうか判定する。ここで、再生不可能であると判定した場合、コントローラ130は、ステップS810においてエラーメッセージをUI画面301に表示し、終了する。
ステップS803において、前記特定した再生開始時間に対応するジョブが残っていて再生可能であると判定した場合、ステップS821において、コントローラ130は、ジョブ保存部510或いはイベント・パラメータ保存部550を参照する。
【0047】
ステップS2301で、コントローラ130は、ジョブ保存部510或いはイベント・パラメータ保存部550を参照し、再生するジョブ中に、消耗品に関係するイベントが発生するかどうか判定する。ここで、消耗品に関係するイベントが発生しないと判定さした場合、コントローラ130は、ステップS822に移行し、以降、実施形態1と同一の再生手順で再生を行う。
ステップS2301で、消耗品に関係するイベントが発生すると判定した場合、ステップS2302で、コントローラ130は、画像形成装置100の消耗品の残量を確認する。次にステップS2303で、コントローラ130は、前記消耗品の残量が、再生しようとするジョブを出力するのに十分な残量であるかどうか判定する。つまり、コントローラ130は、前記消耗品の残量で再生を開始するジョブを処理可能か否か判定する。ここで、十分な残量があると判定した場合、コントローラ130は、ステップS822に移行し、以降、実施形態1と同一の再生手順で再生を行う。
ステップS2303で、消耗品の残量が十分で無いと判定した場合、ステップS2304で、コントローラ130は、UI画面に対し、残量の十分で無い消耗品の補給を促す表示を行う。次にステップS2305で、コントローラ130は、前記表示後、前記消耗品が補給されるまで待機する。
以降、コントローラ130は、ステップS822に移行し、実施形態1と同一の再生手順で再生を行う。
【0048】
以上のように制御することにより、画像形成装置の再生前に、紙やトナー等の消耗品の状態を判定し、消耗品が補給されるまで再生処理を待機することにより、画像形成装置の再生が可能となる。ユーザーにとっては、予め消耗品のセットを画像形成装置が通知してくれることにより、より正確な画像形成装置のジョブ再生が可能となる。
【0049】
<<その他の実施形態>>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0050】
以上、上述した各実施形態によれば、ジョブデータと、ジョブの順序やイベント、エンジンの内部パラメータ等をバッファに保存する。そして、一時保存したジョブデータと順序、イベント等とを用いて、一定時間を遡ってジョブ・手順で実行することができる。
つまり、画像形成装置における処理をある時点と同一のジョブ順序、イベント順序で再現することができる。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、
ジョブを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、
前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定手段と、
前記特定手段で特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記生成手段で生成されたページ画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するページ画像保存手段を更に有し、
前記特定手段は、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブとページ画像とイベントとを特定し、
前記再生手段は、前記特定手段で特定されたジョブの再生における画像形成において前記特定手段で特定されたページ画像を用いて画像形成を行い、逐次、前記記憶装置に保存されているジョブの再生における画像形成において対応するページ画像を用いて画像形成を行う請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保存手段は、前記イベント、及びパラメータを時間情報と共に前記記憶装置に記憶し、
前記特定手段は、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブとイベント及びパラメータとを特定し、
前記再生手段は、前記特定手段で特定されたパラメータに基づいて前記特定手段で特定されたジョブ及びイベントを再生し、順次、前記記憶装置に保存されている対応するパラメータに基づいて前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記パラメータは、トナー濃度又はエンジン状態である請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ジョブ保存手段、及び前記保存手段は、前記記憶装置の空き容量と保存しようとしているデータの容量とを比較し、前記空き容量が前記データの容量よりも少ない場合、前記保存しようとしているデータが入る空き容量ができるまで、前記記憶装置に記憶されているデータの時間情報に基づいて、前記記憶装置に記憶されているデータのうち古いデータから削除する請求項1乃至4何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジョブ保存手段、及び前記保存手段は、前記古いデータのうちデータ量の大きいものから順に削除する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記生成手段で生成されたページ画像に対し、解像度変換処理を行い、サムネール画像を生成するサムネール画像生成手段と、
前記サムネール画像生成手段で生成されたサムネール画像を前記記憶装置に保存するサムネール画像保存手段と、
前記UI画面に、前記記憶装置に記憶されているサムネール画像を時間軸に応じて表示する表示手段と、
を更に有する請求項1乃至6何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保存手段は、前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存した後、予め定められた特定のイベントが発生したか否かを判定し、予め定められた特定のイベントが発生したと判定した場合は、前記記憶装置の一の記憶領域に記憶されているデータを前記記憶装置の前記一の記憶領域とは異なる記憶領域に待避させる請求項1乃至7何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記保存手段は、前記予め定められた特定のイベントの内容に応じて、前記記憶装置の一の記憶領域に記憶されているデータのうち、前記記憶装置の前記一の記憶領域とは異なる記憶領域に待避させるデータを選択する請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記再生を開始するジョブ中に消耗品に関係するイベントが含まれる場合、前記消耗品の状況を確認する確認手段と、
前記確認手段で確認された前記消耗品の状況に基づいて、前記再生を開始するジョブを処理可能か否か判定する判定手段と、
前記判定手段で前記再生を開始するジョブを処理可能でないと判定された場合、前記UI画面に前記消耗品を補給するメッセージを表示する表示手段と、
前記表示手段で前記メッセージを表示後、前記消耗品が補給されるまで前記再生を開始するジョブの再生を待機する待機手段と、
を更に有する請求項1乃至9何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、
ジョブを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像のピクセルの信号値の平均値を時間情報と共に前記記憶装置に記憶する保存する平均値保存手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、
前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりページ画像のピクセルの信号値の平均値及びイベントを特定する特定手段と、
前記特定手段で特定されたページ画像のピクセルの信号値の平均値より全面塗りつぶされたページ画像を生成するページ画像生成手段と、
前記ページ画像生成手段で生成されたページ画像を画像形成すること及び前記特定手段で特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項12】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、
ジョブを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像からモザイク画像を生成するモザイク画像生成手段と、
前記モザイク画像生成手段で生成されたモザイク画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するモザイク画像保存手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、
前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりモザイク画像及びイベントを特定する特定手段と、
前記特定手段で特定されたモザイク画像を画像形成すること及び前記特定手段で特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項13】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像のピクセルの信号値の平均値を時間情報と共に前記記憶装置に記憶する保存する平均値保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりページ画像のピクセルの信号値の平均値及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたページ画像のピクセルの信号値の平均値より全面塗りつぶされたページ画像を生成するページ画像生成ステップと、
前記ページ画像生成ステップで生成されたページ画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項15】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像からモザイク画像を生成するモザイク画像生成ステップと、
前記モザイク画像生成ステップで生成されたモザイク画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するモザイク画像保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりモザイク画像及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたモザイク画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
操作部と記憶装置とを有するコンピュータに、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項17】
操作部と記憶装置とを有するコンピュータに、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像のピクセルの信号値の平均値を時間情報と共に前記記憶装置に記憶する保存する平均値保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりページ画像のピクセルの信号値の平均値及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたページ画像のピクセルの信号値の平均値より全面塗りつぶされたページ画像を生成するページ画像生成ステップと、
前記ページ画像生成ステップで生成されたページ画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
操作部と記憶装置とを有するコンピュータに、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像からモザイク画像を生成するモザイク画像生成ステップと、
前記モザイク画像生成ステップで生成されたモザイク画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するモザイク画像保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりモザイク画像及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたモザイク画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、
ジョブを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、
前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定手段と、
前記特定手段で特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記生成手段で生成されたページ画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するページ画像保存手段を更に有し、
前記特定手段は、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブとページ画像とイベントとを特定し、
前記再生手段は、前記特定手段で特定されたジョブの再生における画像形成において前記特定手段で特定されたページ画像を用いて画像形成を行い、逐次、前記記憶装置に保存されているジョブの再生における画像形成において対応するページ画像を用いて画像形成を行う請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保存手段は、前記イベント、及びパラメータを時間情報と共に前記記憶装置に記憶し、
前記特定手段は、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブとイベント及びパラメータとを特定し、
前記再生手段は、前記特定手段で特定されたパラメータに基づいて前記特定手段で特定されたジョブ及びイベントを再生し、順次、前記記憶装置に保存されている対応するパラメータに基づいて前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記パラメータは、トナー濃度又はエンジン状態である請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ジョブ保存手段、及び前記保存手段は、前記記憶装置の空き容量と保存しようとしているデータの容量とを比較し、前記空き容量が前記データの容量よりも少ない場合、前記保存しようとしているデータが入る空き容量ができるまで、前記記憶装置に記憶されているデータの時間情報に基づいて、前記記憶装置に記憶されているデータのうち古いデータから削除する請求項1乃至4何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジョブ保存手段、及び前記保存手段は、前記古いデータのうちデータ量の大きいものから順に削除する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記生成手段で生成されたページ画像に対し、解像度変換処理を行い、サムネール画像を生成するサムネール画像生成手段と、
前記サムネール画像生成手段で生成されたサムネール画像を前記記憶装置に保存するサムネール画像保存手段と、
前記UI画面に、前記記憶装置に記憶されているサムネール画像を時間軸に応じて表示する表示手段と、
を更に有する請求項1乃至6何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保存手段は、前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存した後、予め定められた特定のイベントが発生したか否かを判定し、予め定められた特定のイベントが発生したと判定した場合は、前記記憶装置の一の記憶領域に記憶されているデータを前記記憶装置の前記一の記憶領域とは異なる記憶領域に待避させる請求項1乃至7何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記保存手段は、前記予め定められた特定のイベントの内容に応じて、前記記憶装置の一の記憶領域に記憶されているデータのうち、前記記憶装置の前記一の記憶領域とは異なる記憶領域に待避させるデータを選択する請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記再生を開始するジョブ中に消耗品に関係するイベントが含まれる場合、前記消耗品の状況を確認する確認手段と、
前記確認手段で確認された前記消耗品の状況に基づいて、前記再生を開始するジョブを処理可能か否か判定する判定手段と、
前記判定手段で前記再生を開始するジョブを処理可能でないと判定された場合、前記UI画面に前記消耗品を補給するメッセージを表示する表示手段と、
前記表示手段で前記メッセージを表示後、前記消耗品が補給されるまで前記再生を開始するジョブの再生を待機する待機手段と、
を更に有する請求項1乃至9何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、
ジョブを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像のピクセルの信号値の平均値を時間情報と共に前記記憶装置に記憶する保存する平均値保存手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、
前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりページ画像のピクセルの信号値の平均値及びイベントを特定する特定手段と、
前記特定手段で特定されたページ画像のピクセルの信号値の平均値より全面塗りつぶされたページ画像を生成するページ画像生成手段と、
前記ページ画像生成手段で生成されたページ画像を画像形成すること及び前記特定手段で特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項12】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置であって、
ジョブを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像からモザイク画像を生成するモザイク画像生成手段と、
前記モザイク画像生成手段で生成されたモザイク画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するモザイク画像保存手段と、
前記生成手段で生成されたページ画像をジョブとして構成する構成手段と、
前記構成手段で構成されたジョブを画像形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存手段と、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりモザイク画像及びイベントを特定する特定手段と、
前記特定手段で特定されたモザイク画像を画像形成すること及び前記特定手段で特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項13】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像のピクセルの信号値の平均値を時間情報と共に前記記憶装置に記憶する保存する平均値保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりページ画像のピクセルの信号値の平均値及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたページ画像のピクセルの信号値の平均値より全面塗りつぶされたページ画像を生成するページ画像生成ステップと、
前記ページ画像生成ステップで生成されたページ画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項15】
操作部と記憶装置とを有する画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像からモザイク画像を生成するモザイク画像生成ステップと、
前記モザイク画像生成ステップで生成されたモザイク画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するモザイク画像保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりモザイク画像及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたモザイク画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
操作部と記憶装置とを有するコンピュータに、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを時間情報と共に前記記憶装置に保存するジョブ保存ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりジョブ及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたジョブ及びイベントから逐次、前記記憶装置に保存されているジョブ及びイベントを実行する再生ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項17】
操作部と記憶装置とを有するコンピュータに、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像のピクセルの信号値の平均値を時間情報と共に前記記憶装置に記憶する保存する平均値保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりページ画像のピクセルの信号値の平均値及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたページ画像のピクセルの信号値の平均値より全面塗りつぶされたページ画像を生成するページ画像生成ステップと、
前記ページ画像生成ステップで生成されたページ画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
操作部と記憶装置とを有するコンピュータに、
ジョブを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信されたジョブを展開し、ページ画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像からモザイク画像を生成するモザイク画像生成ステップと、
前記モザイク画像生成ステップで生成されたモザイク画像を時間情報と共に前記記憶装置に保存するモザイク画像保存ステップと、
前記生成ステップで生成されたページ画像をジョブとして構成する構成ステップと、
前記構成ステップで構成されたジョブを画像形成する画像形成ステップと、
前記画像形成ステップで前記ジョブを画像形成する間に発生したイベントを時間情報と共に前記記憶装置に保存する保存ステップと、
前記操作部に表示されたUI画面を介して時間情報が入力されると、前記入力された時間情報に基づいて、前記記憶装置よりモザイク画像及びイベントを特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定されたモザイク画像を画像形成すること及び前記特定ステップで特定されたイベントを実行することで順次、再生を行う再生ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−28141(P2013−28141A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167354(P2011−167354)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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