説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】液体現像剤を用いても、転写後に転写ベルトからの転写材の剥離を確実に行いつつ、より一層良好な画像形成を行うとともに、装置を可能な限りコンパクトに形成する。
【解決手段】感光体と、感光体の潜像を液体現像剤で現像して感光体に像を形成する現像部と、感光体の像が転写される中間転写ベルト8と、転写材33が当接するとともに転写材33を把持するグリッパ18を備え、中間転写ベルト8との間に形成される二次転写ニップ13aで、転写バイアスの印加により中間転写ベルト8の像を転写材33に転写させる二次転写ローラー14とを有し、二次転写ローラー14の回転中心を通る仮想鉛直線ιより二次転写ニップ13a側で中間転写ベルト駆動ローラー9の回転中心を通る仮想水平線より上方に、転写材33が二次転写ローラー14から剥離される剥離位置を有する画像形成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形分トナーとキャリアー液とからなる液体現像剤を用いた電子写真方式の画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体現像剤を用いた湿式画像形成装置では、紙等の転写材のトナー像側の転写面が中間転写媒体に圧接されるため、転写後に転写材は中間媒体に張り付き易い。そこで、従来、転写後の転写材の先端に空気を吹き付けて転写材を転写ローラーから剥離させる画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この特許文献1に記載の画像形成装置では、転写材の先端部に空気を単に吹き付けているだけであるため、転写材の剥離を確実に行うことは難しい。
【0003】
一方、乾式現像剤を用いた画像形成装置において、転写ドラムのグリッパで転写材の先端部を把持した状態で感光体のトナー像を転写材に転写する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このように、転写材の先端部を把持した状態で転写を行うことで、転写後に転写材を感光体から剥離させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3128067号公報。
【特許文献2】特開平3−4241号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の湿式画像形成装置には、弾性ベルトからなる転写ベルトおよび転写ローラーを用いて転写を行う湿式画像形成装置がある。この湿式画像形成装置に特許文献1に記載の転写材先端部の剥離技術を適用しようとすると、転写ベルトは転写ローラーより転写材の剥離が難しいという問題がある。そこで、転写ベルトおよび転写ローラーを有する湿式の画像形成装置に、特許文献2に記載の把持による転写材先端部の剥離技術を適用することが考えられる。しかし、特許文献2に記載のグリッパである転写材把持部材は転写材を把持した状態では、転写ドラムの外周面の外周面から突出している。このため、転写材把持部材が、感光体と転写ドラムのニップ部に来ると、転写ドラムの回転が乱れたり、圧接力が変動したりして、バンディングが生じてしまう。したがって、転写ベルトおよび転写ローラーを用いて転写を行う湿式画像形成装置に特許文献2に記載の転写材の剥離技術を適用して、良好な画像形成を行うことは難しい。
【0006】
また、グリッパの把持による転写材先端部の剥離技術を用いた場合、転写材への転写後に転写材先端部の把持を解放する必要がある。しかも、転写材が静電吸着等により転写ローラーに密着していることから、転写材先端部の把持解放後に転写材を定着部の方へ確実に搬送する必要がある。そのためには、転写材を定着部の方へ搬送する転写材搬送部を設けることが望ましいが、この転写材搬送部を設けた場合、装置全体が大型になる問題がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体現像剤を用いても、転写後に転写ベルトからの転写材の剥離を確実に行いつつ、より一層良好な画像形成を行うとともに可能な限りコンパクトに形成することのできる画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置および画像形成方法では、転写材把持部材が転写材を把持しながら、転写ベルトに転写された液体現像剤の像を転写材に転写させている。したがって、転写後に、転写材を転写ベルトからより一層確実に剥離することが可能となる。
【0009】
また、転写ローラーの回転中心を通る仮想鉛直線より転写ニップ側でベルト巻掛けローラーの回転中心を通る仮想水平線より鉛直上方に配設される剥離位置で、転写後の転写材を転写ローラーから剥離させている。したがって、第2の転写後に転写材を、転写ローラーの回転中心を通る仮想鉛直線より転写ニップ側に移動させることが可能となる。これにより、転写材が転写ローラーの回転中心を通る仮想鉛直線より転写ニップ側と反対側に移動しないので、装置をコンパクトに形成することが可能となる。その結果、装置の設置スペースを削減することが可能となる。
【0010】
しかも、第2の転写後に転写材に対して行う次の処理のための、例えば転写材搬送部や定着部等の処理部を設ける必要がある。本発明の画像形成装置および画像形成方法では、これらの処理部の配置のために、転写ベルトの上方の空間を有効利用することが可能となるので、この処理部の配置がレイアウトし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】(a)は図1に示す例の画像形成装置の二次転写部の部分斜視図、(b)は(a)におけるIIB部の拡大図、(c)は(a)における部分右側面図である。
【図3】二次転写部の部分拡大図である。
【図4】(a)はグリッパの一例を示す右側面図、(b)は突き出し爪の一例を部分的に示す部分右側面図である。
【図5】グリッパ制御カムおよび突き出し爪制御カムを示す図である。
【図6】転写時におけるグリッパによる転写材の先端部の把持を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、固形分トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤を用いて画像形成を行う。画像形成装置1は、水平またはほぼ水平にタンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の第1ないし第4の像担持体である感光体2Y,2M,2C,2Kを備えている。ここで、各感
光体2Y,2M,2C,2Kにおいて、2Yはイエローの感光体、2Mはマゼンタの感光体
、2Cはシアンの感光体、2Kはブラックの感光体を表す。また、他の部材についても同じように、部材の符号にそれぞれ各色のY,M,C,Kを添えて各色の部材を表す。
【0013】
各感光体2Y,2M,2C,2Kの周囲には、それぞれ、帯電部3Y,3M,3C,3Kが設けられている。また、各帯電部3Y,3M,3C,3Kから、それぞれ、各感光体2Y,2M,2C,2Kの回転方向αに向かって、順に、露光部4Y,4M,4C,4K、第1ないし第
4の現像部である現像部5Y,5M,5C,5K、一次転写部6Y,6M,6C,6K、および感光体クリーニング部7Y,7M,7C,7Kが配設されている。
【0014】
また、画像形成装置1は、転写ベルトである無端状の中間転写ベルト8を備えている。
この中間転写ベルト8は、各感光体2Y,2M,2C,2Kの上方に配置されている。そし
て、中間転写ベルト8は各一次転写部6Y,6M,6C,6Kで各感光体2Y,2M,2C,2Kに圧接されている。
【0015】
図示しないが、中間転写ベルト8は、例えば樹脂等の可撓性の基材と、この基材の表面に形成されたゴム等の弾性層と、この弾性層の表面に形成された表層とを有する3層構造の比較的柔らかい弾性ベルトに形成されている。もちろん、これに限定されることはない。そして、中間転写ベルト8は図示しないモーターの駆動力が伝達されるベルト巻掛けローラーである中間転写ベルト駆動ローラー9、巻掛けローラー10および中間転写ベルトテンションローラー11に巻き掛けられている。
【0016】
その場合、一次転写部6Kを通過した中間転写ベルト8は、中間転写ベルト駆動ローラー9に上方に向かうとともに折り返されるようにして巻き掛けられる。また、中間転写ベルトテンションローラー11はテンションローラーとして構成されている。したがって、中間転写ベルト8はこのテンションローラーにより緊張されるとともに、このテンションローラーによる緊張が解除されるようになっている。この中間転写ベルト8の緊張解除は、図示しないベルトテンション解除部により中間転写ベルトテンションローラー11を制御することにより行われる。そして、中間転写ベルト8は、矢印で示す方向β(図1において反時計回り)に回転するようにされている。
なお、各色Y、M、C、Kに対応する感光体等の部材の配置順は、図1に示す例に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0017】
各一次転写部6Y,6M,6C,6Kより中間転写ベルト8の回転方向に進んだ各一次転
写部6Y,6M,6C,6Kの近傍の中間転写ベルト8の位置には、それぞれ、中間転写ベ
ルトスクイーズ装置12Y,12M,12C,12Kが配設されている。更に、中間転写ベ
ルト8の中間転写ベルト駆動ローラー9側には二次転写部13が設けられている。
【0018】
二次転写部13は、二次転写ローラー14および二次転写ローラークリーニング部15を備えている。二次転写ローラー14は、基材14bの円弧部の外周面に巻かれたゴムシート等の弾性部材14cを有している。なお、弾性部材14cは基材14bの円弧部の外周面に貼着することもできる。この弾性部材14cにより二次転写ローラー14の円弧部の外周面に抵抗層が形成されているとともに、二次転写ローラー14が弾性ローラーに形成されている。この二次転写ローラー14の回転軸14aはアーム16に回転自在に支持されている。アーム16は図示しない装置本体に支持された回転軸16aを中心に回転揺動するとともに、図示しないスプリングにより、矢印で示す方向γ(図1において反時計回り)に付勢されている。このスプリングの付勢力で、二次転写ローラー14は中間転写ベルト8を中間転写ベルト駆動ローラー9に圧接している。
【0019】
また、図3に示すように巻掛けローラー10により、中間転写ベルト8は二次転写ローラー14に部分的に巻き掛けられている。したがって、中間転写ベルト8と二次転写ローラー14との二次転写ニップ13aは、二次転写ローラー14が中間転写ベルト8を駆動ローラー9に押圧することで生じる押圧ニップ13bと、中間転写ベルト8が二次転写ローラー14に巻き掛けられることで生じる巻掛けニップ13cとを含む。すなわち、中間転写ベルト8と二次転写ローラー14との二次転写ニップ13aは押圧ニップのみの場合に比べて、長いロングニップとして構成されている。二次転写ニップ13aは、二次転写ローラー14の回転中心を通る仮想鉛直線ιより巻掛けローラー10側に位置するとともに、二次転写ローラー14の回転中心を通る仮想水平線κより鉛直下方で中間転写ベルト駆動ローラー9の回転中心を通る仮想水平線(不図示)より鉛直上方に位置している。
【0020】
また、二次転写ローラー14は、中間転写ベルト8に転写されたトナー像を、転写紙等
の転写材に転写させる転写バイアスが印加される。そして、二次転写ローラー14は、中間転写ベルト8のβ方向の回転につれて矢印で示す方向δに回転するとともに転写バイアスが印加されることにより、二次転写ニップ13aで中間転写ベルト8のトナー像を転写材に転写する。
【0021】
更に、二次転写ローラー14は本発明の転写材把持部材収納部である凹部17を有している。図2(a)に示すように、この凹部17は、二次転写ローラー14の軸方向に延設されている。また、二次転写ローラー14は、基材14bの円弧部の外周面に貼着された弾性部材14cを有している。この弾性部材14cにより二次転写ローラー14の円弧部の外周面に抵抗層が形成されている。その場合、この弾性部材14cの両端部14d,1
4eは基材14bに形成された凹部17内の壁面に取り付けられている。したがって、二次転写ローラー14の凹部17は、基材14bの凹部と弾性部材14cの両端部14d,
14eとで形成されている。
【0022】
凹部17内には、本発明の転写材把持部材であるグリッパ18およびグリッパ18が着座するとともに、本発明の転写材把持部材受け部材であるグリッパ支持部19が配設されている。図2(a)および(b)に示すように、グリッパ18は、二次転写ローラー14の軸方向に沿って10個配設されている。もちろん、グリッパ18は10個に限定されることはなく、任意の個数設けることができる。各グリッパ18は金属の薄い帯状板から同じ形状で同じ大きさに形成される。一例として、図4(a)に示すようにグリッパ18はクランク状に折り曲げられて形成される。その場合、グリッパ18の一端部(図4(a)において、右端部)は回転軸20に固定される固定端部18aであり、また、グリッパ18の他端部(図4(a)において、左端部)は、グリッパ支持部19に着離座する把持部18bである。この把持部18bはグリッパ支持部19との間に転写材35の先端部35aを挟圧して把持する。更に、グリッパ18は、固定端部18aと把持部18bとの間に形成された段部18cを有する。
【0023】
各グリッパ18は回転軸20に、この回転軸20と一体に回転するように設けられている。この回転軸20の両端部は、二次転写ローラー14の凹部17に対向する位置に立設された支持板21,22に相対回転するように支持されている。図2(a)ないし(c)
に示すように、回転軸20の両端部は支持板21,22を貫通して二次転写ローラー14
の軸方向に延設されている。
【0024】
ところで、二次転写ローラー14の周長は、この例の画像形成装置1に使用される転写材33の種類のうち、転写材移動方向の長さが最大である転写材33の転写材移動方向の長さより大きく設定されている。より詳細には、凹部17の二次転写ローラー回転方向幅を除く二次転写ローラー14の周長が、前述の転写材33の転写材移動方向の最大長さより大きく設定されている。これにより、前述の転写材移動方向の最大長さを有する転写材33にも、中間転写ベルト8のトナー像が確実に転写されるようになる。
【0025】
更に図2(a)に示すように、二次転写ローラー14の一端には、当接部材支持部23が二次転写ローラー14と一体回転するように設けられている。この当接部材支持部23は、円弧状部23aと弦状に形成された平坦な支持面23bとを有している。円弧状部23aは、二次転写ローラー14の円弧状外周面の円と同心円の円弧に形成されている。また、支持面23bは、二次転写ローラー14の軸方向と直交する方向の支持面23bの中心は、二次転写ローラー14の円周方向の凹部17の中心と一致またはほぼ一致されている。そして、二次転写ローラー14の軸方向と直交する方向の支持面23bの長さは、二次転写ローラー14の円周方向の凹部17の長さ(幅)より大きく設定されている。図示しないが、二次転写ローラー14の他端にも当接部材支持部23と同じ当接部材支持部が、当接部材支持部23と同様に設けられる。この当接部材支持部も、当接部材支持部23
とまったく同じ形状で同じ大きさに形成される。そして、二次転写ローラー14の軸方向と直交する方向の直線に関して、線対称に設けられる。
【0026】
支持面23bには、当接部材である転写ベアラー24が立設されている。同様に、二次転写ローラー14の他端の当接部材支持部の支持面にも転写ベアラー25が立設されている。その場合、各転写ベアラー24,25は、二次転写ローラー14と一体回転する。こ
れらの転写ベアラー24,25は、二次転写ローラー14の円弧状外周面14gの円と同
心円の円弧状の外周面24a,25aを有している。これらの転写ベアラー24,25は、それらの凹部17が中間転写ベルト駆動ローラー9に対向する位置(中間転写ベルト8との押圧ニップの位置)に対向するとき、中間転写ベルト駆動ローラー9の回転軸に直接的または間接的に当接する。これにより、二次転写ローラー14の中間転写ベルト駆動ローラ−9に対する相対位置が、二次転写ローラー14の円弧状外周面14gが中間転写ベルト8に当接した状態での、二次転写ローラー14と中間転写ベルト駆動ローラ−9との相対位置とほぼ同じに保持される。
【0027】
支持板21,22を貫通した回転軸20の各端部は、更にそれぞれ転写ベアラー24,25を相対回転するように貫通している。転写ベアラー24,25を貫通した回転軸20の
両端部には、それぞれ、第1のアーム26および第2のアーム27の一端部が回転軸20と一体回転するように取り付けられている。第1および第2のアーム26,27は、図示
しないスプリングにより、グリッパ18がグリッパ支持部19に着座する方向(図2(c)において反時計回り)に常時付勢されている。第1および第2のアーム26,27の他
端部には、それぞれローラー状の第1のグリッパ制御カムフォロワー28および第2のグリッパ制御カムフォロワー29が第1および第2のアーム26,27と相対回転するよう
に設けられている。
【0028】
図2(a)および図5に示すように、二次転写部13には、更に二次転写ローラー14の一端側に第1のグリッパ制御カム30が配設されている。また、図示しないが二次転写ローラー14の他端側に第2のグリッパ制御カムが配設されている。第1のグリッパ制御カム30および第2のグリッパ制御カムは同じ形状で同じ大きさに形成されるとともに、二次転写ローラー14の中心軸線と直交する直線に関して対称に配設されている。これらの第1のグリッパ制御カム30および第2のグリッパ制御カムは、図2(c)に示すように二次転写時に各グリッパ18が二次転写部13に供給される、例えば紙等の転写材33の先端部33aをグリッパ支持部19との間で把持するように各グリッパ18を制御する。
【0029】
更に二次転写部13には、二次転写ローラー14の一端側に第3のグリッパ制御カム31が配設されている。また、二次転写ローラー14の他端側に第4のグリッパ制御カム32が配設されている。これらの第3および第4のグリッパ制御カム31,32は同じ形状
で同じ大きさに形成されるとともに、二次転写ローラー14の中心軸線と直交する直線に関して対称に配設されている。第3および第4のグリッパ制御カム31,32は、各グリ
ッパ18によって把持された転写材33の先端部33aが二次転写ニップ13aを通過後に、各グリッパ18が転写材33の先端部33aを解放するように各グリッパ18を制御する。
【0030】
図5に示すように、第1のグリッパ制御カム30は、第1のグリッパ制御カム面30aと、第2のグリッパ制御カム面30bとを有している。そして、第1のグリッパ制御カムフォロワー28は第1および第2のグリッパ制御カム面30a,30bに当接することで
制御される。
【0031】
第1のグリッパ制御カム面30aのカムプロファイルは、直線またはほぼ直線状に形成
されたプロファイルとされている。その場合、第1のグリッパ制御カム面30aは、開始側(第2のグリッパ制御カム面30bと反対側)から終了側に向かって二次転写ローラー14の回転軸14aの中心から連続して遠ざかるようにされている。第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第1のグリッパ制御カム面30aの開始側に当接した時点では、グリッパ18の把持部18bがグリッパ支持部19に着座した図2(c)に二点差線で示す把持位置に設定されるとともに、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第1のグリッパ制御カム面30aの終端に位置した時点では、グリッパ18の把持部18bがグリッパ支持部19から最大に離間した図2(c)に実線で示す解放位置に設定される。なお、把持位置にあるグリッパ18は、図2(c)では二点鎖線で示されているが、図2(a)および(b)では、実線で示されている。そして、グリッパ18の把持部18bが把持位置に設定された状態で、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第1のグリッパ制御カム30に接近するときは、この第1のグリッパ制御カムフォロワー28は第1のグリッパ制御カム面30aの開始側に当接する。
【0032】
第2のグリッパ制御カム面30bのカムプロファイルは、湾曲形状のプロファイルとされている。その場合、第2のグリッパ制御カム面30bは、曲率半径が第2のグリッパ制御カム面30bの開始側(第1のグリッパ制御カム面30a側)から第2のグリッパ制御カム面30bの終了側に向かって連続して小さくなる湾曲形状とされている。第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第2のグリッパ制御カム面30bの開始端に位置した時点では、グリッパ18が解放位置に保持されるとともに、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第2のグリッパ制御カム面30bの終端に位置した時点では、グリッパ18が把持位置に設定される。
【0033】
詳細な説明を省略するが、他方の第2のグリッパ制御カムも、第1のグリッパ制御カム30とまったく同じに形成される。すなわち、第2のグリッパ制御カムも、第1のグリッパ制御カム面30aと同じ第3のグリッパ制御カム面を有するとともに、第2のグリッパ制御カム面30bと同じ第4のグリッパ制御カム面を有する。そして、第2のグリッパ制御カムフォロワーが第3および第4のグリッパ制御カム面に当接することで制御される。
【0034】
一方、第3および第4のグリッパ制御カム31、32は同じ形状で同じ大きさに形成されるとともに、二次転写ローラー14の中心軸線と直交する直線に関して対称に配設されている。
図5に示すように、第3のグリッパ制御カム31は、第5のグリッパ制御カム面31aと、第1のグリッパ解放位置保持カム面31bと、第6のグリッパ制御カム面31cとを有している。そして、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が、第5のグリッパ制御カム面31a、第1のグリッパ解放位置保持カム面31b、および第6のグリッパ制御カム面31cに当接することで制御される。
【0035】
第5のグリッパ制御カム面31aのカムプロファイルは、直線またはほぼ直線状に形成されたプロファイルとされている。その場合、第5のグリッパ制御カム面31aは、開始側(第1のグリッパ制御カム30側)から終了側に向かって二次転写ローラー14の回転軸14aの中心から連続して遠ざかるようにされている。第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第5のグリッパ制御カム面31aに当接した時点では、グリッパ18が把持位置に設定されているとともに、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第5のグリッパ制御カム面31aの終端に位置した時点では、グリッパ18が解放位置に設定される。そして、グリッパ18が把持位置に設定された状態で、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第3のグリッパ制御カム31に接近するときは、この第1のグリッパ制御カムフォロワー28は第5のグリッパ制御カム面31aの開始側に当接する。
【0036】
第1のグリッパ解放位置保持カム面31bのカムプロファイルは、二次転写ローラー1
4の回転軸14aと同心円の円弧に形成されたプロファイルとされている。第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第1のグリッパ解放位置保持カム面31bに位置するときは、グリッパ18の把持部18bは、第5のグリッパ制御カム面31aによって設定された解放位置に保持される。
【0037】
第6のグリッパ制御カム面31cのカムプロファイルは、直線またはほぼ直線状に形成されたプロファイルとされている。その場合、第6のグリッパ制御カム面31cは、開始側(第1のグリッパ解放位置保持カム面31b側)から終了側に向かって二次転写ローラー14の回転軸14aの中心から連続して接近するようにされている。第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第6のグリッパ制御カム面31cの開始側に位置している時点では、グリッパ18が解放位置に設定されるとともに、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第6のグリッパ制御カム面31cの終端に位置した時点では、グリッパ18が把持位置に設定されている。そして、グリッパ18が把持位置に設定された状態で、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第3のグリッパ制御カム31から遠ざかるときは、この第1のグリッパ制御カムフォロワー28は第6のグリッパ制御カム面31cから離間する。
【0038】
詳細な説明を省略するが、第4のグリッパ制御カム32も、第3のグリッパ制御カム31とまったく同じに形成される。すなわち、第4のグリッパ制御カム32は、第5のグリッパ制御カム面31aと同じ第7のグリッパ制御カム面、第1のグリッパ解放位置保持カム面31bと同じ第2のグリッパ解放位置保持カム面、および第6のグリッパ制御カム面31cと同じ第8のグリッパ制御カム面を有する。そして、第2のグリッパ制御カムフォロワーが、第7のグリッパ制御カム面、第2のグリッパ解放位置保持カム面、および第8のグリッパ制御カム面に当接することで制御される。
【0039】
図2(a)に示すように、グリッパ支持部19は二次転写ローラー14の軸方向に沿って8個配設されている。なお、グリッパ支持部19は8個に限定されることはなく、グリッパ18に対応した個数設けることができる。図2(c)に示すように、これらのグリッパ支持部19は二次転写ローラー14の回転方向δで後側の凹部17の後方側壁17a側に設けられている。その場合、すべてのグリッパ支持部19は、図2(c)に二点鎖線で示すようにグリッパ18の把持部18bが転写材33の先端部33aを把持した状態で、グリッパ18の全体が二次転写ローラー14の弾性部材14cの外形線14fより内側に退避するように設けられている。また、グリッパ18が図2(c)に実線で示す解放位置にあるときは、グリッパ18の把持部18bが二次転写ローラー14の弾性部材14cの外形線14fより外側に突出するようにされている。
【0040】
また、8個のグリッパ支持部19のうち、二次転写ローラー14の両端部側に位置する2つのグリッパ支持部19aは、二次転写ローラー14の軸方向の長さが他のグリッパ支持部19より長く設定されている。そして、これらのグリッパ支持部19aには、それぞれ2つのグリッパ18が着座するようになっている。これにより、二次転写ローラー14の軸方向の転写材33のサイズに対応するようにされている。その場合、この例では、長さの長いこれらのグリッパ支持部19aに着座する2つのグリッパ18の間隔は、他のグリッパ18の間隔より小さく設定されている。なお、長さの長いこれらのグリッパ支持部19aは、それぞれ、他のグリッパ支持部19と同じ2つのグリッパ支持部19で構成することもできる。この場合には、2つのグリッパ支持部19の間隔は、2つのグリッパ18の狭い間隔に対応して他のグリッパ支持部19の間隔より小さく設定する。
【0041】
更に、凹部17内には、本発明の転写材剥離部材である突き出し爪34が配設されている。図2(a)および(b)に示すように、突き出し爪34は、二次転写ローラー14の軸方向に沿って9個配設されている。もちろん、突き出し爪34は9個に限定されること
はなく、任意の個数設けることができる。隣接する突き出し爪34間に、グリッパ支持部19,19aのいずれか1つが位置するように配設されている。各突き出し爪34は金属
の薄い帯状平板から同じ形状で同じ大きさに形成されている。図示しないが、各突き出し爪34は連結部で一体に連結されて櫛歯状に形成されている。
【0042】
図2(a)および(b)に示すように、支持板21,22には直線状のガイド孔21a,22aが設けられている。このガイド孔21a,22aには、それぞれ、二次転写ローラ
ー14の最も両端側に位置する突き出し爪34の一側縁に突設されたガイド部(不図示)が支持板21,22に対して摺動するように嵌合されて設けられている。したがって、各
突き出し爪34は、ガイド孔21a,22aにガイドされて一体に直線運動する。
【0043】
また、支持板21,22には回転軸35が相対回転するように支持されている。図示し
ないが、回転軸35の両端部には押圧レバーが回転軸35と一体回転するように設けられている。これらの押圧レバーの回転により、各突き出し爪34がガイド孔21a,22a
に沿って直線運動されるようになっている。押圧レバーの回転運動を各突き出し爪34の直線運動に変換する運動変換機構は、従来周知の機構を採用することができるので、その説明は省略する。そして、各突き出し爪34は、図1および図2(a),(b)に示す退
避位置と、図5に示す突き出し位置との間で移動するようになっている。その場合、各突き出し爪34は退避位置にあるときは各突き出し爪34の全体が外形線14fより内側つまり凹部17内に位置するとともに、突き出し位置にあるときは突き出し端34aを含む先端部34bが外形線14fより外側、つまり凹部17から外に突出する。
【0044】
そして、突き出し爪34は、退避位置にあるときは転写材33の背面に当接しないとともに、突き出し位置にあるときは転写材33の背面に当接して転写材33を突き出して二次転写ローラー14の外周面14gから剥離する(つまり、転写材33の背面を二次転写ローラー14の外周面14gから離間させる)。
【0045】
更に、図4(b)に示すように、突き出し爪34の突き出し端34aは湾曲形状に形成されている。このように、突き出し爪34の突き出し端34aが湾曲形状に形成されることで、突き出し端34aが転写材33の背面をスムーズに突き出すとともに、突き出し端34aが何らかの原因で中間転写ベルト8に接触したとき、中間転写ベルト8が損傷するのを抑制している。
【0046】
図2(a)に示すように、支持板21,22を貫通した回転軸35の各端部は、転写ベ
アラー24,25を相対回転するように貫通している。転写ベアラー24を貫通した回転
軸35の端部には、アーム37の一端部が回転軸35と一体回転するように取り付けられている。アーム37は、図示しないスプリングにより、突き出し爪34が退避位置となる方向(図2(a)において反時計回り)に常時付勢されている。アーム37の他端部には、ローラー状の第1の突き出し爪制御カムフォロワー38がアーム37と相対回転するように設けられている。転写ベアラー25を貫通した回転軸35の端部にも、アーム37と同じアームが同様に回転軸35と一体回転するように取り付けられるとともに、スプリングにより常時付勢されている。また、このアームの他端部にも、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38と同じ第2の突き出し爪制御カムフォロワーがアームと相対回転するように設けられている。
【0047】
図5に示すように、二次転写部13には、更に二次転写ローラー14の一端側に第1の突き出し爪制御カム39が配設されている。また、図示しないが二次転写ローラー14の他端側に第2の突き出し爪制御カムが配設されている。その場合、第1の突き出し爪制御カム39は、二次転写ローラー14の軸方向で転写ベアラー24と第3のグリッパ制御カム31との間に配設されるとともに、第2の突き出し爪制御カムは、二次転写ローラー1
4の軸方向で転写ベアラー25と第4のグリッパ制御カムとの間に配設される。
【0048】
第1の突き出し爪制御カム39および第2の突き出し爪制御カムは同じ形状で同じ大きさに形成されるとともに、二次転写ローラー14の中心軸線と直交する直線に関して対称に配設されている。これらの第1の突き出し爪制御カム39および第2の突き出し爪制御カムは、二次転写部13の二次転写ニップ13aを通過した転写材33の先端部33aを各グリッパ18が解放したとき、各突き出し爪34が転写材33の先端部33aを突き出して二次転写ローラー14の外周面14gから剥離するように各突き出し爪34を制御する。
【0049】
第1の突き出し爪制御カム39は、第1の突き出し爪制御カム面39aと、第1の突き出し爪突き出し位置保持カム面39bと、第1の突き出し爪退避制御カム面39cとを有している。そして、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が、第1の突き出し爪制御カム面39a、第1の突き出し爪突き出し位置保持カム面39b、および第1の突き出し爪退避制御カム面39cに当接することで、制御される。
【0050】
第1の突き出し爪制御カム面39aのカムプロファイルは、直線またはほぼ直線状に形成されたプロファイルとされている。その場合、第1の突き出し爪制御カム面39aは開始側(第1のグリッパ制御カム30側)から終了側に向かって二次転写ローラー14の回転軸14aの中心から連続して遠ざかるようにされている。第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が第1の突き出し爪制御カム面39aの開始側に位置した時点では、突き出し爪34が退避位置に設定されるとともに、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が第1の突き出し爪制御カム面39aの終端に位置した時点では、突き出し爪34が突き出し位置に設定される。そして、突き出し爪34が退避位置に設定された状態で、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が第1の突き出し爪制御カム39に接近するときは、この第1の突き出し爪制御カムフォロワー38は第1の突き出し爪制御カム面39aの開始側に当接する。
【0051】
第1の突き出し爪突き出し位置保持カム面39bのカムプロファイルは、二次転写ローラー14の回転軸14aと同心円の円弧に形成されたプロファイルとされている。第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が第1の突き出し爪突き出し位置保持カム面39bに位置するときは、突き出し爪34は第1の突き出し爪制御カム面39aによって設定された突き出し位置に保持される。
【0052】
第1の突き出し爪退避制御カム面39cのカムプロファイルは、直線またはほぼ直線状に形成されたプロファイルとされている。その場合、第1の突き出し爪退避制御カム面39cは、第1の突き出し爪退避制御カム面39cの開始側(第1の突き出し爪突き出し位置保持カム面39b側)から終了側に向かって二次転写ローラー14の回転軸14aの中心に連続して接近するようにされている。第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が第1の突き出し爪退避制御カム面39cの開始側に位置するときは、突き出し爪34が突き出し位置に保持されるとともに、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が第1の突き出し爪退避制御カム面39cの終了側に位置するときは、突き出し爪34が退避位置に設定される。
【0053】
説明を省略するが、第2の突き出し爪制御カムも、第1の突き出し爪制御カム39とまったく同じに形成される。すなわち、第2の突き出し爪制御カムは、第1の突き出し爪制御カム面39aと同じ第2の突き出し爪制御カム面、第1の突き出し爪突き出し位置保持カム面39bと同じ第2の突き出し爪突き出し位置保持カム面、および第1の突き出し爪退避制御カム面39cと同じ第2の突き出し爪退避制御カム面を有している。そして、第2の突き出し爪制御カムフォロワーが、第2の突き出し爪制御カム面、第2の突き出し爪
突き出し位置保持カム面、および第2の突き出し爪退避制御カム面に当接されて制御される。
【0054】
ところで、グリッパ18の解放位置および突き出し爪34の突き出し位置は、転写材33の先端部33aが二次転写ニップ13aを通過した直後の位置に設定されている。つまり、画像形成装置1は、グリッパ18の解放位置および突き出し爪34の突き出し位置を、いずれも仮想鉛直線ιより二次転写ニップ13a側で中間転写ベルトローラー9の回転中心を通る仮想水平線(不図示)より上方に位置する中間転写ベルト8の上方に配設している。その場合、図3に示すようにグリッパ18の解放位置および突き出し爪34の突き出し位置を、いずれも仮想水平線κより下方に有するのがより好ましい。
【0055】
二次転写ローラークリーニング部15は、クリーニングブレード15aと液体現像剤回収容器15bとを有する。クリーニングブレード15aは、二次転写ローラー14の弾性部材14cの外周面14gに当接してこの弾性部材14cに付着する液体現像剤を除去する。液体現像剤回収容器15bは、クリーニングブレード15aで除去された液体現像剤を回収して貯留する。
【0056】
図3に示すように、二次転写ローラークリーニング部15は、二次転写ローラー14の仮想鉛直線ιに対して二次転写ニップ13aが転写される側と反対側で二次転写ローラー14の仮想水平線κより下方側に配設されている。
【0057】
図1に示すように、画像形成装置1は、二次転写部13に転写材33を供給するゲートローラー40および転写材供給ガイド41を備えている。ゲートローラー40は従来公知のゲートローラーと同様に、転写材33を中間転写ベルト8によって搬送されるトナー像に同期して二次転写部13に供給する。また、転写材供給ガイド41はゲートローラー40によって供給される転写材33を二次転写部13に確実に供給されるようにガイドする。
【0058】
更に、画像形成装置1は気流発生装置42を備えている。この気流発生装置42は、中間転写ベルト8と二次転写ローラー14との二次転写ニップ13aより中間転写ベルト8および二次転写ローラー14の各回転方向β,δに向かった近傍位置に、配設されている
。そして、気流発生装置42は、グリッパ18の把持から解放された転写材33の先端部33aに向かって送風部材42aからエアーをε方向に吹き付ける。これにより、転写材33の先端部33aが中間転写ベルト8と一緒に巻掛けローラー10および中間転写ベルトテンションローラー11の方へ連れ動くことが防止される。特に、薄紙等の腰の弱い転写材33等に対して、転写材33の中間転写ベルト8との連れ動きが効果的に防止される。
【0059】
更に、画像形成装置1は、転写後転写材ガイド43、転写材背面搬送部44、定着前転写材ガイド45、および定着部46を備えている。転写後転写材ガイド43は、気流発生装置42の送風部材42aより二次転写ローラー14の回転方向δに向かった近傍位置に、配設されている。この転写後転写材ガイド43は、吸引部材43aおよび気流発生装置43bを有している。図示しないが、吸引部材43aのガイド面43a1には、多数のエ
アー流通孔(転写材吸引孔)が設けられている。この吸引部材43aは、二次転写ローラー14から搬送されてきた転写後の転写材33を気流発生装置43bによる方向ζのエアー吸引によりガイド面43a1に引き寄せる。これにより、転写材33が二次転写ローラ
ー14から転写後転写材ガイド43に受け渡される。すなわち、二次転写ローラー14と転写後転写材ガイド43の間を含む領域が転写材33の受け渡し部となっている。そして、転写材33は、吸引部材43aにより引き寄せられながらガイド面43a1に沿って転
写材背面搬送部44の方へ搬送される。
【0060】
ところで、この例の画像形成装置1では、グリッパ18の解放位置および突き出し爪34の突き出し位置が、転写材33の先端部33aが二次転写ニップ13aを通過した位置に設定されている。つまり、画像形成装置1は、グリッパ18の解放位置および突き出し爪34の突き出し位置を、いずれも仮想鉛直線ιより二次転写ニップ13a側に有している。その場合、図3に示すようにグリッパ18の解放位置および突き出し爪34の突き出し位置を、いずれも仮想水平線κより下方に有するのがより好ましい。したがって、二次転写ローラー14から転写後転写材ガイド43への転写材33の受け渡し部も、仮想鉛直線ιより二次転写ニップ13a側に設けられる。その場合、この受け渡し部も仮想水平線κより下方に設けるのが好ましい。
【0061】
転写材背面搬送部44は、転写後転写材ガイド43より転写材33の移動方向に向かった隣接位置に、配設されている。この転写材背面搬送部44は、多数のエアー流通孔(転写材吸引孔)を有する無端状の転写材背面搬送ベルト等の転写材搬送部材44a、転写材搬送部材ガイド44b、および吸引部材44cを有している。転写材搬送部材44aは、転写材搬送部材駆動ローラー44d、転写材搬送部材張架ローラー44e、および転写材搬送部材張架ローラー44fに巻き掛けられている。その場合、転写材搬送部材44aは、転写材搬送部材張架ローラー44eによりテンションが付与されているとともに、転写材搬送部材駆動ローラー44dにより矢印δ方向(図1において時計回り)に回転するようになっている。この転写材背面搬送部44は、転写材搬送部材44aによってガイドされてきた転写材33の背面側を吸引部材44cによる方向ηのエアー吸引により転写材搬送部材44aに引き寄せながら、転写材33を転写材搬送部材44aの回転によって定着前転写材ガイド45の方へ背面搬送する(つまり、転写材33のトナー像転写面と反対側の面を転写材搬送部材44aに当接させて転写材33を搬送する)。
【0062】
定着前転写材ガイド45は、転写材背面搬送部44より転写材33の移動方向に向かった隣接位置に、配設されている。この定着前転写材ガイド45は、ガイド部材45aおよびエアーファン等の気流発生装置45bを有している。図示しないが、ガイド部材45aのガイド面45a1には、多数のエアー流通孔(転写材吸引孔)が設けられている。この
ガイド部材45aは、転写材搬送部材44aによって背面搬送されてきた転写材33を気流発生装置45bによる方向θのエアー吸引によりガイド面45a1に引き寄せながら、
定着部46の方へガイドする。
【0063】
定着部46は、例えば加熱ローラー46aと加圧ローラー46bとを有する従来公知の定着器である。この定着部46により、転写材33のトナー像が加熱加圧されて定着される。
【0064】
なお、図示しないが、この例の画像形成装置1は、二次転写を行う従来の一般的な画像形成装置と同様に、ゲートローラー40より転写材搬送方向で手前側に転写材を収納する転写材収納装置を備えているとともに、定着部46より転写材搬送方向に向かって排転写材トレイを備えている。
【0065】
この例の画像形成装置1による画像形成動作について説明する。
各感光体がタンデムに配設された従来公知の画像形成装置と同様に、画像形成動作開始により、各感光体2Y,2M,2C,2Kは各帯電部3Y,3M,3C,3Kにより一様に帯電される。次に、各露光部4Y,4M,4C,4Kにより、各感光体2Y,2M,2C,2Kに静電潜像が書き込まれる(第1ないし第4の書き込み工程)。次に、各現像部5Y,5M,5C,5Kにより、各感光体2Y,2M,2C,2Kの静電潜像がトナーとキャリアー液を含む液体現像剤で現像されてトナー像が形成される(第1ないし第4の現像工程)。
【0066】
各感光体2Y,2M,2C,2Kのトナー像は、各一次転写部6Y,6M,6C,6Kにより中間転写ベルト8に転写される(第1の転写工程)。その場合、図1に示す例では、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの順に色重ねされて転写される。こうして、中間転写ベルト8にフルカラーのトナー像が担持される。次いで、中間転写ベルト8に担持されたトナー像は、ゲートローラー40から搬送されてくる転写材33に二次転写部13により転写される(第2の転写工程)。
【0067】
この二次転写部13でのトナー像の転写材33への転写についてより詳細な説明する。
中間転写ベルト8が回転開始すると、二次転写ローラー14も回転する。このときには、第1のグリッパ制御カムフォロワー28は、第3のグリッパ制御カム31の第6のグリッパ制御カム面31cを過ぎて第1のグリッパ制御カム30の第1のグリッパ制御カム面30aに到達する前に位置している。第2のグリッパ制御カムフォロワー29も同様である。第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29のこの位置では、第1のグ
リッパ制御カムフォロワー28が第1および第3のグリッパ制御カム30,31に制御さ
れないとともに、第2のグリッパ制御カムフォロワー29が第2のグリッパ制御カムおよび第4のグリッパ制御カム32に制御されない、したがって、グリッパ18の把持部18bはグリッパ支持部19に着座している。
【0068】
また、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38および第2の突き出し爪制御カムフォロワーは、第1のグリッパ制御カムフォロワー28および第2のグリッパ制御カムフォロワーの近傍位置にあり、第1の突き出し爪制御カム39および第2の突き出し爪制御カムに当接していない。第1および第2の突き出し爪制御カムフォロワーのこの位置では、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38が第1の突き出し爪制御カム39に制御されないとともに、第2のグリッパ制御カムフォロワーが第2の突き出し爪制御カムに制御されない。したがって、突き出し爪34は退避位置に設定されている。
【0069】
中間転写ベルト8に担持されたトナー像が二次転写部13に接近するにつれて、図6に示すように第1のグリッパ制御カムフォロワー28は、第1のグリッパ制御カム30の第1のグリッパ制御カム面30aに接近した位置(a)に到達する。第2のグリッパ制御カムフォロワー29も同様である。更に、二次転写ローラー14が回転することで、第1のグリッパ制御カムフォロワー28は第1のグリッパ制御カム面30aの開始側に当接する。第2のグリッパ制御カムフォロワー29も同様である。二次転写ローラー14の更なる回転で、第1のグリッパ制御カムフォロワー28が第1のグリッパ制御カム面30aによって二次転写ローラー14の回転軸14aの中心から離れる方向に制御される。第2のグリッパ制御カムフォロワーも同様である。すると、第1および第2のアーム26,27が
回転し、各グリッパ18がグリッパ支持部19から離座開始する。第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29が第1および第2のグリッパ制御カム面の第1および
第2の解放位置設定部に到達すると、グリッパ18は解放位置となる。
【0070】
解放位置に設定されたグリッパ18は、二次転写ローラー14の回転によりゲートローラー40からの転写材33の供給位置に接近する。一方、ゲートローラー40から転写材33が二次転写ローラー14の方へ供給されるとともに、中間転写ベルト8に担持されたトナー像が二次転写部13の方へ接近してくる。中間転写ベルト8の回転、二次転写ローラー14の回転、ゲートローラー40の回転は、中間転写ベルト8のトナー像が二次転写ニップ13a部で転写材の所定位置に転写されるように同期制御されている。このとき、二次転写ローラー14の周速(つまり、グリッパ18の移動速度)は、ゲートローラー40から搬送されてくる転写材33の移動速度より小さく設定されている。したがって、転写材33の先端がグリッパ18とグリッパ支持部19との間に進入してグリッパ18の段部18cに当接する。そして、第1,第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29が位置(b)に到達すると、二次転写ローラー14の周速と転写材33の移動速度との速度差に
より、転写材33の先端が段部18cの角部に当接してグリッパ18に対して位置決めされるとともに、転写材33の先端部33aが撓む。
【0071】
第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29が位置(c)に到達するまで
には、転写材33の一部は二次転写ローラー14の外周面に当接するとともにこの外周面に沿って湾曲する。第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29が第1およ
び第2のグリッパ制御カム面の第1および第2の把持位置設定部に到達すると、第1および第2のアーム26,27が前述と逆方向に回転し、各グリッパ18がグリッパ支持部1
9に接近開始する。そして、第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29が
第1および第2の把持位置設定部の終端位置(d)に到達した時点では、各グリッパ18は転写材33の先端部33aをグリッパ支持部19に押圧して把持した状態となる(転写材把持工程)。こうして、転写材33が二次転写ローラー14に対して位置決めされるとともに、二次転写ローラー14の回転とともに確実に二次転写ニップ13aの方へ移動する。このとき、第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29は、第1および
第2のグリッパ制御カムから離脱する。また、この間、第1および第2の突き出し爪制御カムフォロワーは、第1および第2の突き出し爪制御カムには当接しないので、突き出し爪34は退避位置に保持される。
【0072】
中間転写ベルト8のトナー像は二次転写ニップ13aで転写材33に転写される。グリッパ18による転写材33の先端部33aの把持部が二次転写ニップ13aを通過すると、第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29は第3および第4のグリッパ
制御カム31,32に接近し、第3および第4のグリッパ制御カム面に当接する。二次転
写ローラー14の更なる回転で、第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,2
9は二次転写ローラー14の回転軸14aの中心から遠ざかる方向にガイドされる。すると、グリッパ18がグリッパ支持部19から離れる方向に移動開始し、転写材33の先端部33aが解放開始される。次いで、第1および第2の突き出し爪制御カムフォロワーが第1および第2の突き出し爪制御カムに接近し、第1および第2の突き出し爪制御カム面に当接する。二次転写ローラー14の更なる回転で、第1および第2の突き出し爪制御カムフォロワーは二次転写ローラー14の回転軸14aの中心から遠ざかる方向にガイドされる。
【0073】
二次転写ローラー14の更なる回転で、グリッパ18が解放位置に設定されるとともに、図3に示すように第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29が第3およ
び第4のグリッパ制御カム31,32の第1および第2のグリッパ解放位置保持カム面に
当接してグリッパ18が解放位置に保持される。次いで、突き出し爪34が突き出し位置に設定されるとともに、図3に示すように第1および第2の突き出し爪制御カムフォロワーが第1および第2の突き出し爪突き出し位置保持カム面に当接して突き出し爪34が突き出し位置に保持される。
【0074】
一方、グリッパ18による把持から解放された転写材33の先端部33aは、図3に示すように気流発生装置42からのエアー吹き付けにより二次転写ローラー14側に軽く押し付けられるとともに、突き出し爪34により二次転写ローラー14の外周面14gから離れる方向に押し付けられる。以後、転写材33が、突き出し位置にある突き出し爪34により二次転写ローラー14の外周面14gから剥離される(転写材剥離工程)。この剥離位置は、二次転写ローラー14の回転中心を通る仮想鉛直線ιより転写ニップ13a側で中間転写ベルト駆動ローラー9の回転中心を通る仮想水平線より上方に位置している。
【0075】
二次転写ローラー14から剥離した転写材33の先端部33aは、転写後転写材ガイド43の吸引部材43aの方へ誘導される。中間転写ベルト8および二次転写ローラー14のニップ部で挟圧されている転写材33は、中間転写ベルト8および二次転写ローラー1
4の更なる回転で吸引部材43aに移動する。すなわち、転写材33が二次転写ローラー14から転写後転写材ガイド43に受け渡される。このとき、中間転写ベルト8のトナー像が転写材33に二次転写されながら、転写材33の転写終了部分の剥離が行われる。なお、弾性復元力が小さく腰の弱い転写材33の場合には、気流発生装置42のエアー吹き付けを省略することもできる。
【0076】
吸引部材43aに移動した転写材33は、気流発生装置43bのエアー吸引により吸引部材43aのガイド面43a1に引き寄せられてガイドされながら、転写材背面搬送部4
4の方へ移動する。すると、転写材33の先端部33aの背面が転写材搬送部材44aに当接するとともに、転写材搬送部材44aとともに移動する。そして、転写材33が転写材搬送部材ガイド44bに到達すると、転写材33は転写材搬送部材ガイド44bのエアー吸引により転写材搬送部材44aに引き寄せられながら、転写材搬送部材44aにより背面搬送される。
【0077】
転写材33の先端部33aが転写材搬送部材ガイド44bを通過すると、この先端部33aは転写材搬送部材ガイド44bにより吸引されなくなり、転写材搬送部材44aから離間し易い状態となる。転写材33の先端部33aが転写材搬送部材駆動ローラー44dの付近を通過すると、転写材33はガイド部材45aの方へ誘導される。ガイド部材45aに誘導された転写材33は、気流発生装置45bのエアー吸引によりガイド部材45aのガイド面45a1に引き寄せられながらガイドされて、定着部46の方へ移動する。
【0078】
定着部46に移動してきた転写材33のトナー像は、従来の定着部と同様に加熱加圧されて転写材33に定着される。定着後、転写材33は排転写材トレイに搬送されて収容される。こうして、画像形成動作が終了する。
【0079】
一方、転写材33が剥離された二次転写ローラー14の外周面14gおよび転写材33が当接しなかった二次転写ローラー14の外周面14gには、残留した液体現像剤(主に、キャリアー液)が付着するとともに、液体現像剤が凹部17内に進入して滞留する。この状態で、二次転写ローラー14が更に回転すると、前述と同様に、第1および第2のグリッパ制御カムフォロワー28,29が第3および第4のグリッパ制御カム31,32の第6および第8のグリッパ制御カム面を通過して、各グリッパ18はグリッパ支持部19に着座する。また、第1の突き出し爪制御カムフォロワー38および第2の突き出し爪制御カムフォロワーが、第1および第2の突き出し爪制御カムの第1および第2の突き出し爪退避制御カム面を通過して、各突き出し爪34は退避位置となる。
【0080】
この状態で、二次転写ローラー14が更に回転すると、凹部17が仮想水平線κより下方に位置するとともに、凹部17がクリーニングブレード15aを通過する。このとき、すべてのグリッパ18およびすべての突き出し爪34が二次転写ローラー14の外形線14fより突出していないので、凹部17のクリーニングブレード通過時、二次転写ローラー14は安定してスムーズに回転する。その後、二次転写ローラー14の外周面14gに付着した残留した液体現像剤がクリーニングブレード15aによって除去されるとともに、液体現像剤回収容器15b内に回収される(第1のクリーニング工程)。
【0081】
二次転写ローラー14が更に回転して、図3に示すように凹部17が二次転写ニップ13aに対向する位置となる。このとき、凹部17の幅w1が二次転写ニップ13aの幅w2より大きく設定されているため、凹部17と二次転写ニップ13aとにオーバーラップしない部分が存在する。すなわち、凹部17の開口端17dが二次転写ニップ13aの中間転写ベルト8で閉塞されないとともに、中間転写ベルト8が凹部17を構成する二次転写ローラー14の部分に当接しない。
【0082】
二次転写ローラー14がこの状態から更に1回転して、再び図3に示すように凹部17が二次転写ニップ13aに対向する位置となって、二次転写ローラー14の回転が停止する。この回転の間、二次転写ローラー14の液体現像剤がクリーニングブレード15aによって除去される。そして、このように二次転写ローラー14の回転が停止した状態では、凹部17の開口端17dが鉛直方向斜め下方に向くとともに、凹部17の後方側壁17aが斜め上方に向くように傾斜する。この状態で、二次転写ローラー14の回転が停止することで、凹部17内に進入した液体現像剤の一部が、後方側壁17aに沿って凹部17外に流動開始する。
【0083】
これにより、凹部17内に進入したほとんどの液体現像剤が開口端17dから凹部17外に流動するとともに自然落下して液体現像剤回収容器15b内に貯留する(第2のクリーニング工程)。
【0084】
この例の画像形成装置1によれば、グリッパ18により転写材33の先端部33aを把持しながら、中間転写ベルト8に転写された液体現像剤の像を転写材33に転写させている。したがって、転写後に、転写材33を中間転写ベルト8からより一層確実に剥離することができる。
【0085】
また、二次転写ローラー14の回転中心を通る仮想鉛直線ιより二次転写ニップ13a側で中間転写ベルト駆動ローラー9の回転中心を通る仮想水平線より上方に配設される剥離位置で、二次転写後の転写材33を二次転写ローラー14から剥離させている。したがって、二次転写後に転写材33を、二次転写ローラー14の回転中心を通る仮想鉛直線ιより二次転写ニップ13a側に移動させることが可能となる。これにより、転写材33が仮想鉛直線ιより二次転写ニップ13aと反対側に移動しないので、画像形成装置1をコンパクトに形成することが可能となる。その結果、画像形成装置1の設置スペースを削減することが可能となる。
【0086】
しかも、二次転写後に二次転写ローラー14から剥離された転写材33を定着部46に搬送するための転写後転写材ガイド43、転写材背面搬送部44、および定着前転写材ガイド45と、転写材33の像を定着する定着部46とを、中間転写ベルト8の上方に配設している。これにより、中間転写ベルト8の上方の空間を有効利用することが可能となるので、これらの転写後転写材ガイド43、転写材背面搬送部44、定着前転写材ガイド45、および定着部46の配置がレイアウトし易くなる。
【0087】
更に、グリッパ18で転写材33の先端部33aを把持しながら転写材33への転写を行うとともに、グリッパ18による転写材33の先端部33aの把持解除時に、突き出し爪34で転写材33を中間転写ローラー8から離間させている。このように、機能の異なる2つのグリッパ18および突き出し爪34を用いることで、中間転写ベルト8からの転写材33の剥離を確実に行うことができるとともに、転写材33を中間転写ローラー8から次の処理部である転写後転写材ガイド43へ良好に搬送することができる。
【0088】
更に、転写後の転写材33の像を定着部で定着することで、グリッパ18によって転写材33の把持部が若干へたっても、定着部46の加熱加圧により転写材33のへたりをある程度矯正可能となる。
更に、中間転写ベルト8の像を転写材33に転写しながら、転写材33を中間転写ベルト8から剥離するようにしている。これにより、画像形成時間を短縮することができる。
【0089】
更に、転写後転写材ガイド43を二次転写ニップ13aの終端の近傍位置に配設するとともに、転写材背面搬送部44および定着前転写材ガイド45を転写後転写材ガイド43に隣接して設けている。これにより、画像形成装置をより一層効果的に小型コンパクトに
形成することが可能となる。
【0090】
なお、本発明の画像形成装置および画像形成方法は、前述の実施の形態の例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…感光体、5Y,5M,5C,5K…現像部、6Y,6M,6C,6K…一次転写部、8…中間転写ベルト、9…中間転写ベルト駆動ローラー
、10…巻掛けローラー、11…中間転写ベルトテンションローラー、13…二次転写部、13a…二次転写ニップ、14…二次転写ローラー、14f…外形線、15…二次転写ローラークリーニング部、15a…クリーニングブレード、15b…液体現像剤回収容器、17…凹部、17a…後方側壁17b…開口端、18…グリッパ、19,19a…グリ
ッパ支持部、20…回転軸、21,22…支持板、21a,22a…ガイド孔、24,25
…転写ベアラー、28…第1のグリッパ制御カムフォロワー、29…第2のグリッパ制御カムフォロワー、30…第1のグリッパ制御カム、31…第3のグリッパ制御カム、32…第4のグリッパ制御カム、33…転写材、33a…先端部、34…突き出し爪、34a…突き出し端、34b…突き出し爪の先端部、35…回転軸、36…液体現像剤ガイド部材、37…アーム、38…第1の突き出し爪制御カムフォロワー、39…第1の突き出し爪制御カム、40…ゲートローラー、41…転写材供給ガイド、42…気流発生装置、43…転写後転写材ガイド、44…転写材背面搬送部、45…定着前転写材ガイド、46…定着部、ι…仮想鉛直線、κ…仮想水平線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の前記潜像をトナーとキャリアー液とを含む液体現像剤で現像する現像部と、
ベルト巻掛けローラーに巻き掛けられるとともに、前記像担持体に現像された前記像が転写される転写ベルトと、
転写材と当接するとともに前記転写材を把持する転写材把持部材を備え、前記転写ベルトとの間に形成される転写ニップで、転写バイアスの印加により前記転写ベルトに転写された像を前記転写材に転写させる転写ローラーと、
を有し、
前記転写ローラーの回転中心を通る仮想鉛直線より前記転写ニップ側で前記ベルト巻掛けローラーの回転中心を通る仮想水平線より鉛直上方に、前記転写材が前記転写ローラーから剥離される剥離位置を、
有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記剥離位置が、前記転写ローラーの回転中心を通る仮想水平線より鉛直下方に配設される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写ベルトの鉛直上方で前記仮想鉛直線より前記転写ニップ側に、前記転写材に定着された像を定着する定着部を有する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記剥離位置と前記定着部との間に、前記転写材を前記定着部に搬送する転写材搬送部を有する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
像担持体に潜像を書き込む書き込み工程と、
前記潜像を液体現像剤で現像して前記像担持体に像を形成する現像工程と、
前記像担持体に現像された前記像を転写ベルトに転写する第1の転写工程と、
前記転写ベルトとの間に転写ニップを形成するとともに転写バイアスが印加される転写ローラーに配設された転写材把持部材で、前記転写材を把持する転写材把持工程と、
前記転写ベルトに転写された前記像を、前記転写ローラーに把持された前記転写材に転写する第2の転写工程と、
前記転写ローラーの回転中心を通る仮想鉛直線より前記転写ニップ側で前記転写ベルトの鉛直上方で、前記転写材を前記転写ローラーから剥離する転写材剥離工程と、
前記転写材に転写された像を定着する定着工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−181794(P2010−181794A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27393(P2009−27393)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】