説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】凹部を有する転写ローラーを用いても、トナー像を転写材の一定の所定位置(見当位置)に精度良く転写する。
【解決手段】露光部で露光された潜像を液体現像剤で現像した像を担持する中間転写ベルトと、中間転写ベルト駆動モーター30と、周面に凹部を有しかつ中間転写ベルトに転写材を圧接して中間転写ベルトに担持された像を二次転写ニップで転写材に転写する転写ローラーと、二次転写ローラー駆動モーター31と、転写材を二次転写ニップに搬送するゲートローラーと、転写ローラーの回転位置を検出するエンコーダー28と、エンコーダー28で検出された二次転写ローラーの回転位置に基づいて、露光部の露光開始信号の出力およびゲートローラーの転写材搬送信号の出力を制御するメカ制御部33aとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー粒子とキャリアー液とを含む液体現像剤で形成された像を転写紙等の転写材に転写することで画像を形成する電子写真方式の画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、転写ローラーに設けられた凹部に転写材把持部材を配設するとともに、この転写材把持部材により転写紙等の転写材の先端部を把持する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の画像形成装置では、転写材の先端部を把持しながら、トナー粒子とキャリアー液とを含む液体現像剤を用いた中間転写部材のトナー像を転写紙等の転写材に転写する。
【0003】
また、転写ローラーを中間転写ベルトに圧接させて転写ニップを形成するとともに、転写ローラーと中間転写ベルトとの間に転写材を挟圧する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の画像形成装置では、液体現像剤で形成された中間転写ベルトに担持されたトナー像を、前述のように挟圧された転写材に転写ニップで転写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−513883号公報。
【特許文献2】特開2009−36943号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、転写材の先端を把持して転写を行う特許文献1に記載の画像形成装置に、特許文献2に記載の転写ベルトを用いて画像形成を行うことが考えられる。その場合、露光、現像および一次転写の画像形成プロセスを経て中間転写ベルトに担持されたトナー像は、常に、把持部材で把持された転写材の一定の決められた所定位置(見当位置)で転写されることが望ましい。
【0006】
しかし、特許文献2に記載のタンデム方式の画像形成装置のように中間転写ベルトの比較的長いベルト長や凹部を有する転写ローラーの回転精度を考慮した場合、回転速度むらや捩れ等によって、転写材の所定位置に転写されないことが想定される。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、凹部を有する転写ローラーを用いても、トナー像を転写材の一定の所定位置(見当位置)に精度良く転写することのできる画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置および画像形成方法では、制御部が転写ローラー位置検出部で検出された凹部を有する転写ローラーの回転位置に基づいて、露光部の露光開始信号の出力および転写材搬送部の転写材搬送信号の出力を制御する。したがって、像担持体に担持されたトナー像の位置と転写材搬送部から搬送される転写材の搬送位置とを、これらの位置を互いに関連つけて制御することが可能となる。これにより、凹部によって転写ローラーが回転むらを有しても像担持体のトナー像の位置と転写材の位置との見当合わせを精度良く行うことが可能となる。その結果、像担持体のトナ
ー像を転写材の所定位置に高精度に転写することができる。
【0009】
また、像担持体が像担持体駆動部により移動位置が調整されるとともに、転写ローラが転写ローラーー駆動部により回転位置が調整される。これにより、像担持体に担持されるトナー像と転写材との位置合わせ(見当合わせ)を更に一層精度良く行うことが可能となる。
【0010】
更に、像担持体が転写ベルトで構成される。これにより、長い転写ベルトを用いることによる、転写ベルトの捩れ等の影響を抑制でき、像担持体に担持されるトナー像と転写材の位置との見当合わせを更に一層精度良く行うことが可能となる。
【0011】
また、第2の潜像が形成される第2潜像担持体を有するとともに、第2潜像担持体を露光して第2の潜像を形成する第2露光部を有し、露光部で形成され潜像をトナー粒子及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像し、第2露光部で形成され第2の潜像を第2のトナー粒子及びキャリアー液を含む第2液体現像剤で現像し、液体現像剤で現像された像が転写された像担持体に第2液体現像剤で現像された第2の像が転写されるとともに、露光部による潜像担持体への露光位置から転写ニップ位置までの潜像担持体及び前記像担持体の周面長さL1(cm)が、転写ローラーの凹部を除く周面の周面長さL2(cm)よりも長くしている(L1>L2)。これにより、転写ローラーが複数回回転して凹部が転写ニップを複数回通過しても、像担持体のトナー像の位置と転写材の位置との見当合わせを精度良く行うことが可能となる。
【0012】
更に、凹部が転写ニップに対向するとき、像担持体と転写ローラーとの間の距離を規制する位置規制部材を有する。この位置規制部材により、像担持体が凹部に配設された転写材把持部材との接触を効果的に防止でき、転写材把持部材により像担持体が損傷するのを防止することが可能となる。
【0013】
更に、凹部に配設されて転写材把持部材を駆動する把持部材駆動部を有する。そして、制御部は転写ローラーの回転位置に基づいて(つまり、凹部の位置に基づいて)把持部材駆動部を駆動させる把持部材駆動信号を出力する。この把持部材駆動信号により把持部材駆動部が駆動されて転写材把持部材が転写材を把持する。これにより、転写材把持部材の把持動作および把持解除動作を転写ローラーの回転位置に基づいて自由にかつ高精度に行うことが可能となる。したがって、転写材搬送部から搬送されてくる転写材をより確実にかつ高精度の把持位置で把持することができるとともに、転写材把持部材と像担持体との接触をより一層効果的に防止できる。
【0014】
更に、転写ローラー位置検出部を転写ローラーに設ける。これにより、転写ローラー位置検出部が転写ローラーと一体的に回転するので、転写材把持部材による転写材把持部と転写ローラー位置検出部との相対位置が転写ローラーの回転に関係なく不変となる。したがって、検出される転写ローラーの回転位置の再現性を高くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第1を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】凹部が二次転写ニップから脱出して所定時間経過後を部分的に拡大して示す図である。
【図3】(a)はグリッパーの把持解除位置を示す図、(b)はグリッパーの把持位置を示す図である。
【図4】第1色目の露光位置から二次転写ニップ位置までの長さと二次転写ローラーの円弧部の周方向の長さとの関係を説明する図である。
【図5】露光開始のタイミングと転写材搬送開始のタイミングの制御のためのブロック図である。
【図6】露光開始のタイミング、転写材搬送開始のタイミング、およびグリッパーの作動開始タイミングを示す図である。
【図7】二次転写ローラー位置検出器を示す斜視図である。
【図8】本発明の画像形成装置の実施の形態の第2例を部分的に示す、図3(a),(b)と同様の図である。
【図9】本発明の画像形成装置の実施の形態の第3例を示す、図6と同様のタイミングを示す図である。
【図10】本発明の画像形成装置の実施の形態の第4例を示す、図4と同様の図である。
【図11】第4例のタイミングを示す、図6と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第1例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
この第1例の画像形成装置1は、固形分のトナー粒子とキャリアー液とを含む液体現像剤を用いて画像形成を行う。図1に示すように、画像形成装置1は、水平またはほぼ水平にタンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の潜像担持体である感光体2Y,2M,2C,2Kを備えている。各感光体2Y,2M,2C,2Kは、それぞれ回転方向αに回転する。ここで、各感光体2Y,2M,2C,2K
において、2Yはイエローの感光体、2Mはマゼンタの感光体、2Cはシアンの感光体、2Kはブラックの感光体を表す。また、他の部材についても同じように、部材の符号にそれぞれ各色のY,M,C,Kを添えて各色の部材を表す。第1例の画像形成装置1では、感
光体2Yが潜像が形成される潜像担持体であり、感光体2M,2C,2Kの少なくとも1つが第2の潜像が形成される第2潜像担持体である。
【0017】
各感光体2Y,2M,2C,2Kの周囲には、それぞれ、帯電部3Y,3M,3C,3Kが設けられている。また、各帯電部3Y,3M,3C,3Kから、それぞれ、各感光体2Y,2M,2C,2Kの回転方向αに向かって、順に、レーザーあるいはLEDヘッドによる露光部4Y,4M,4C,4K、現像部5Y,5M,5C,5K、一次転写部6Y,6M,6C,6K、
図示しない除電部、および感光体クリーニング部7Y,7M,7C,7Kが配設されている
。第1例の画像形成装置1では、感光体2Yに潜像を形成する露光部4Yが露光部であり、露光部4M,4C,4Kの少なくとも1つに第2の潜像を形成する第2露光部である。また、現像部5Yが露光部4Yにより形成された潜像を現像して像を形成する現像部であり、現像部5M,5C,5Kの少なくとも1つが第2の潜像を、現像部5Yで使用されるトナー粒子と異なる第2のトナー粒子とキャリアー液とを含む第2液体現像剤を用いて現像して第2の像を形成する第2現像部である。
【0018】
そして、各帯電部3Y,3M,3C,3Kでそれぞれ一様帯電された各感光体2Y,2M,
2C,2Kを、それぞれ各露光部4Y,4M,4C,4Kにより露光することで、各感光体2Y,2M,2C,2Kに静電潜像が形成される。各感光体2Y,2M,2C,2Kの静電潜像は、それぞれ各現像部5Y,5M,5C,5Kにより液体現像剤を用いて現像されてトナー像
とされる。
【0019】
また、画像形成装置1は、転写ベルトであるとともに像担持体である無端状の中間転写ベルト8を備えている。この中間転写ベルト8は、各感光体2Y,2M,2C,2Kの上方
に配置されている。そして、中間転写ベルト8は各一次転写部6Y,6M,6C,6Kで各
感光体2Y,2M,2C,2Kに圧接されている。
【0020】
図示しないが、中間転写ベルト8は、例えば樹脂等の可撓性の基材と、この基材の表面に形成されたゴム層等の弾性層と、この弾性層の表面に形成された表層とを有する3層構造の比較的柔らかい弾性ベルトに形成されている。もちろん、中間転写ベルト8はこれに限定されることはない。この中間転写ベルト8は図示しない駆動モーターの駆動力が伝達される中間転写ベルト駆動ローラー9、スプリング10により付勢される中間転写ベルトテンションローラー11、および従動ローラー12に張架されている。
【0021】
そして、中間転写ベルト8は中間転写ベルトテンションローラー11でテンションを付与された状態で、中間転写ベルト駆動ローラー9により回転(移動)方向βに回転するようにされている。これにより、各色の液体現像剤で現像されたトナー像が各一次転写部6Y,6M,6C,6Kで中間転写ベルト8に色重ねされて転写され、中間転写ベルト8に担
持される。
なお、各色Y、M、C、Kに対応する感光体等の部材の配置順は、図1に示す例に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0022】
中間転写ベルト8の中間転写ベルトテンションローラー11側には二次転写部13が設けられている。二次転写部13は二次転写ローラー14を備えている。
図1および図2に示すように二次転写ローラー14は、その外周面に二次転写ローラー14の軸方向に延設された凹部15を有するとともに、凹部15を除く基材14aの円弧部の外周面に巻かれたゴム等で形成されるシート状の弾性部材14bを有している。その場合、弾性部材14bの両端部は凹部15の側壁に固定されている。この弾性部材14bにより二次転写ローラー14の円弧部の外周面に弾性層(例えば、ゴム層等)の抵抗層が形成されている。
【0023】
そして、中間転写ベルトテンションローラー11でテンションが付与された中間転写ベルト8が、二次転写ローラー14の円弧部の外周面(つまり、弾性部材14bの外周面)のほぼ全体に圧接(当接)されるようになっている。これにより、中間転写ベルト8と二次転写ローラー14の弾性部材14bとの間に二次転写ニップ13aが形成される。このとき、中間転写ベルトテンションローラー11はバックアップローラとして機能する。
【0024】
更に、二次転写ローラー14には転写バイアスが印加される。そして、二次転写ローラー14は、中間転写ベルト8の移動方向βの移動時に回転方向γ(二次転写ニップ13aで二次転写ローラー14の周速度の向きが中間転写ベルト8の周速度の向きと同じ向き)に回転するとともに転写バイアスが印加される。これにより、二次転写ニップ13aで、中間転写ベルト8に担持されたトナー像が転写紙等の転写材16に転写される。
【0025】
図3(a)および(b)に示すように、二次転写ローラー14には、転写材把持部材であるグリッパー17、およびグリッパー17が着座する転写材把持部材受け部材であるグリッパー支持部18がそれぞれ凹部15内に位置して配設されている。図示しないが、グリッパー17は二次転写ローラー14の軸方向に沿って所定数配設されており、各グリッパー17は櫛歯状に構成されている。また、グリッパー支持部18は各グリッパー17に対応して配設されている。グリッパー17はクランク状に形成されるとともに、二次転写ローラー14の基材14aに回転軸19を中心に回転可能に支持されたV字状のレバー20の一方のレバーに取り付けられる。
【0026】
レバー20の他方のレバーの先端には、ローラー状のカムフォロワー21が回転可能に取り付けられている(なお、カムフォロワー21はレバーの先端に回転不能に取り付けることもできる。)。更に、二次転写ローラー14には、横断面楕円状のカム22が設けられている。このカム22は偏心して設けられた回転軸22aを中心に偏心回転する。その
場合、カム22は二次転写ローラー14に設けられたカム駆動部であるカム駆動モーター23により回転される。カム22およびカム駆動モーター23により、本発明の把持部材駆動部が構成される。
【0027】
V字状レバー20は図示しないスプリング等の付勢手段で、グリッパー17がグリッパー支持部18に着座する方向に常時付勢されている。このV字状レバー20の付勢により、カムフォロワー21はカムプロファイルを形成するカム22の外周面22bに常時当接している。そして、図3(a)に示すようにカムフォロワー21がカム22の回転軸22aより最も離間した位置のとき、グリッパー17はグリッパー支持部18から最も離間した把持解除位置となる。このグリッパー17の把持解除位置では、転写材16の先端部16aはグリッパー17によって把持されない。また、図3(b)に示すようにカムフォロワー21がカム22の回転軸22aに接近してグリッパー17がグリッパー支持部18に着座したとき、グリッパー17は把持位置となる。このグリッパー17の把持位置では、グリッパー17は転写材16の先端部16aを把持することが可能となる。
【0028】
更に、画像形成装置1は、転写材を二次転写ニップ13aの方へ搬送する転写材搬送部であるゲートローラー24および転写材をガイドする転写材搬送ガイド25を有する。中間転写ベルト8に担持されたトナー像が二次転写される際に、ゲートローラー24は作動して転写材16を二次転写ニップ13aの方へ搬送する。
【0029】
そして、凹部15が二次転写ニップ13aに到達する直前に、グリッパー17はグリッパー支持部18に向かって回転してゲートローラー24から搬送方向δに搬送されてくる転写材16の先端部16aを把持位置でグリッパー支持部18との間に把持する。また、グリッパー17は二次転写ニップ13aを通過した後、グリッパー支持部18から離間する方向に回動して転写材16の先端部16aの把持を解放し、把持解除位置となる。更に、図示しないがグリッパーによる転写材把持の解放に相前後して、二次転写ローラー14に凹部15内に位置して設けられた突き出し爪が凹部15の外部の方に突き出される。これにより、転写材16の先端部の背面(転写材のトナー像の転写面と反対側の面)が突き出されて、転写材16が二次転写ローラー14から剥離される。その後、突き出し爪は凹部15内に戻る。二次転写ローラー14から剥離された転写材16は、図示しない定着部に搬送されて転写材16に転写されたトナー像が定着される。
【0030】
図1および図2に示すように、二次転写ローラー14の両端側には、支持部材26が二次転写ローラー14と一体回転するようにして配設される。支持部材26は二次転写ローラー14の回転中心を中心とする円の円弧状の外周面からなる支持面26aを有する。その場合、支持面26aの半径は、二次転写ローラー14の円弧部の外周面(弾性部材14bの外周面)の半径より長く設定されている。したがって、支持面26aは、二次転写ローラー14の円弧部の外周面より外方に突出している。また、支持部材26は二次転写ローラー14の軸方向から見て凹部15を覆うようにして設けられる。したがって、支持面26aの周方向の長さは、凹部15によって二次転写ローラー14の円弧部が形成されない部分の周方向の長さより長く形成される。
【0031】
一方、中間転写ベルトテンションローラー11の回転軸11aには、円板状の当接部材27が回転軸11aと同心状にかつ中間転写ベルトテンションローラー11と別体で回転するように設けられる。その場合、当接部材27は支持部材26に対向する位置に設けられる。そして、図1に示すように凹部15が二次転写ニップ13aの位置に対向するときは、支持部材26が当接部材27に当接して、中間転写ベルトテンションローラー11が二次転写ローラー14から離間する方向に押圧される。これにより、中間転写ベルトテンションローラー11が移動して中間転写ベルト8が二次転写ローラー14の円弧部の外周面に対応する位置(二次転写ローラー14の円弧部の外周面の凹部15における仮想外周
面εの位置)から離間する。すなわち、凹部15が二次転写ニップ13aに対向するとき、中間転写ベルト8と二次転写ローラー14とが互いに接触しないようにこれらの相対位置が規制される。したがって、支持部材26は中間転写ベルト8と二次転写ローラー14との相対位置、つまり中間転写ベルト8と二次転写ローラー14との間の距離を規制する位置規制部材として構成される。また、図2に示すように支持部材26が当接部材27から離間したときは、中間転写ベルトテンションローラー11が二次転写ローラー14の外周面(弾性部材14bの外周面)に圧接されて、二次転写ニップ13aが形成される。
【0032】
図4に示すように、この第1例の画像形成装置1では、転写第1色であるイエローの露光部4Yによる感光体2Yへの露光位置ζから二次転写ニップ始端位置ηまでの感光体2Yの表面の周長と中間転写ベルト8の転写面の周長との和の長さL1(cm)が、二次転写ローラー14の円弧部の周長と支持部材26の支持面26aの周長との差の長さL2(cm)よりも長くなるように設定されている(L1>L2)。なお、長さL1(cm)は、より詳細には感光体2Yへの露光位置ζから一次転写部6Yの一次転写ニップの中心までの感光体2Yの表面の回転方向αの周長(周面長さ)と一次転写ニップの中心から二次転写ニップ始端位置ηまでの中間転写ベルト8の転写面の回転方向βの周長(周面長さ)との和の長さである。また、L2(cm)は二次転写ローラー14の凹部15を除く周面の周方向の周面長さである。
【0033】
図1および図2に示すように、二次転写ローラー14の一端側には、二次転写ローラー14の回転位置を検出する二次転写ローラー位置検出器が設けられている。この二次転写ローラー位置検出器は、二次転写ローラー位置検出部であるエンコーダー28およびコードホイール29を有している。エンコーダー28は画像形成装置1の装置本体(不図示)に、二次転写ローラー14の回転中心の鉛直方向真上に位置して設けられている。また、コードホイール29はスリット(切欠)29aを有する円板から構成され、二次転写ローラー14の回転軸(不図示)に二次転写ローラー14と一体回転するように設けられている。これらのエンコーダー28およびコードホイール29は従来公知のものを用いることができる。
【0034】
そして、エンコーダー28はコードホイール29のスリット29aが二次転写ローラー14の回転中心の鉛直方向真上に来たとき、このスリット29aを検出して二次転写ローラー位置信号を出力する。すなわち、二次転写ローラー14の回転方向の基準位置が検出される。その場合、凹部15は二次転写ローラー14に一体に設けられることから、二次転写ローラー14の回転位置と凹部15の回転位置とは相対的に変化することはなく、両回転位置は一義的に決まる。したがって、エンコーダー28が出力する二次転写ローラー位置信号は凹部15の凹部位置信号であり、これらのエンコーダー28およびコードホイール29は凹部15の回転位置を検出する凹部位置検出器となっている。
【0035】
前述の二次転写ローラー位置信号は、この第1例の画像形成装置1のすべての画像形成要素における作動開始タイミングの基準となる基準信号(Vsync)を構成している。したが
って、エンコーダー28から基準信号(Vsync)が出力されたときは、支持部材26の支持
面26aが二次転写ニップ13aを通過して、中間転写ベルト8が二次転写ローラー14の弾性部材14bに当接して二次転写ニップ13aが形成された直後の図4に示す状態となっている。
【0036】
なお、二次転写ローラー位置検出器は前述のエンコーダー28とコードホイール29とに限定されることはなく、二次転写ローラー14の回転位置(つまり、凹部15の位置)を検出することができる位置検出器であれば、公知のどのような位置検出器も用いることができる。
【0037】
ところで、この第1例の画像形成装置1では、二次転写ローラー14の凹部15の回転位置の情報を基準にして、各露光部4Y,4M,4C,4Kの各露光開始信号の出力、ゲー
トローラー24による転写材16の搬送開始信号の出力、およびグリッパー17の作動開信号の出力がそれぞれ制御されている。つまり、各露光部4Y,4M,4C,4Kの各露光
開始のタイミング、ゲートローラー24による転写材16の搬送開始のタイミング、およびグリッパー17の作動開始タイミングがそれぞれ制御される。このようにこれらのタイミングが制御されることで、中間転写ベルト8に一次転写されたトナー画像が二次転写部13でゲートローラー24から搬送されかつグリッパー17で先端が把持された転写材16の所定位置に二次転写される際に、転写材16に対する転写位置精度がより一層向上されている。
【0038】
図5は、二次転写ローラーの凹部の位置を基準とした露光開始のタイミングと転写材搬送開始のタイミングの制御のためのブロック図である。
図5に示すように、各露光部4Y,4M,4C,4K、エンコーダー28、カム駆動モー
ター23、像担持体駆動部である中間転写ベルト駆動モーター30、転写ローラー駆動部である二次転写ローラー駆動モーター31、およびゲートローラー駆動モーター32は、いずれも画像形成装置1の電子制御部(制御部)33に電気的に接続される。
【0039】
制御部33は、メカ制御部33a、露光制御部33b、位置制御部(モータードライバー)33c、および位置制御部(モータードライバー)33dを有する。メカ制御部33aはエンコーダー28から基準信号(つまり、露光開始信号)(Vsync)入力されると、所
定のタイミングで露光制御部33bに露光制御信号を出力する。また、露光制御部33bは露光制御信号が入力されると、各露光部4Y,4M,4C,4Kの発光素子にそれぞれ発
光素子制御信号(Hsync信号)39Y,39M,39C,39Kを出力する。各露光部4Y,4M,4C,4Kは発光素子制御信号(Hsync信号)39Y,39M,39C,39Kが入力され
ると、それぞれ露光(つまり、潜像の形成)を開始する。更に、位置制御部(モータードライバー)33cは、基準信号(Vsync)がメカ制御部33aに入力されると、所定のタイ
ミングで二次転写ローラー駆動モーター31にモーター駆動信号を出力し、二次転写ローラー駆動モーター31が回転駆動する。更に、位置制御部(モータードライバー)33は、基準信号(Vsync)が制御部33に入力されると、所定のタイミングで中間転写ベルト駆
動モーター30にモーター駆動信号を出力し、中間転写ベルト駆動モーター30が回転駆動する。
【0040】
また、中間転写ベルト駆動モーター30および二次転写ローラー駆動モーター31は、それぞれ回転位置制御可能な駆動部であるACサーボモータが用いられる。なお、カム駆動モーター23とゲートローラー駆動モーター32は回転位置制御可能なACサーボモーターを用いることもできるが、必ずしもこれに限定されることはなく、他のモーターを用いることもできる。したがって、中間転写ベルト8は中間転写ベルト駆動モーター30により移動位置が調整されるとともに、二次転写ローラー14は二次転写ローラー駆動モーター31により回転位置が調整される。
【0041】
そして、メカ制御部33aは、エンコーダー28からの基準信号(Vsync)に基づいて、
各露光部4Y,4M,4C,4Kの各露光開始のタイミング、中間転写ベルト8の回転開始
のタイミング、ゲートローラー24による転写材16の搬送開始のタイミング、グリッパー17の作動開始タイミング、およびそれらの作動を電気的信号により制御する。なお図示しないが、制御部33は、画像形成装置1の他の構成要素も制御するようになっている。
【0042】
図6は、二次転写ローラーの凹部の位置を基準とした露光開始のタイミング、転写材搬送開始のタイミング、およびグリッパーの作動開始タイミングを示す図である。
図6に示すように、この第1例の画像形成装置1では、時間t1時で基準信号(Vsync)が出力(オン)されると、所定時間経過後のt2時で第1色目のイエローの露光部4Yに
よる感光体2Yの露光が開始される。すなわち、基準信号Vsyncに基づいて感光体2Yの
露光のタイミングが制御される。基準信号(Vsync)は、スリット29aの周方向の幅に
対応する時間が経過するとオフになる。感光体2Yの露光は所定露光時間経過後のt3
で終了する。感光体2Yの露光が終了して第2所定時間経過後のt4時で次の露光部4M
による感光体2Mの露光が開始される。この感光体2Mの露光は所定露光時間経過後のt5時で終了する。このとき、t5時と同時にまたはほぼ同時に凹部15が二次転写ニップ13aに進入開始される。以下、感光体2Cの露光および露光終了がそれぞれt6時,t7
で実行され、また、感光体2Kの露光および露光終了がt8時,t9時で実行される。そし
て、凹部15は感光体2Cの露光中のt10時に二次転写ニップ13aから脱出する。また、凹部15が二次転写ニップ13aから脱出してから一定時間t0が経過した後に、スリ
ット29aが図4に示すエンコーダー28の位置となり基準信号(Vsync)がオンする。
【0043】
感光体2Kの露光が終了した後のt11時でゲートローラー24が駆動されて、転写材16が搬送開始される。すなわち、転写材16の搬送開始タイミングがt1時での基準信号(Vsync)に基づいて制御される。また、転写材16の搬送開始後のt12時でカム駆動モーター23が駆動され、把持解除位置にあるグリッパー17が把持位置の方へ移動開始される。つまり、メカ制御部33aはカム駆動モーター23を制御することで、把持解除位置にあるグリッパー17を駆動する。グリッパー17の移動開始後のt13時で凹部15が再び二次転写ニップ13aに進入開始される。更に、凹部15の二次転写ニップ13aへの進入開始後のt14時でカム駆動モーター23が停止される。このとき、グリッパー17が図1に示す把持位置となり、転写材16の先端部16aを把持した状態となる。また、このカム駆動モーター23の停止時であるt14時とほぼ同時にまたは若干後にゲートローラー駆動モーター32が停止される。
【0044】
カム駆動モーター23およびゲートローラー駆動モーター32の各停止後のt15時で、凹部15が再び二次転写ニップ13aから脱出する。このt15時の後で二次転写ニップ13aの形成後に、中間転写ベルト8のフルカラーのトナー像とゲートローラー24によって搬送されてグリッパー17で把持された転写材16とがタイミング良く同時に二次転写ニップ13aに進入する。そして、中間転写ベルト8のトナー像がグリッパー17で把持された転写材16に二次転写ニップ13aで転写開始される。
【0045】
凹部15の二次転写ニップ13aからの脱出後の一定時間t0経過後に、基準信号(Vsync)が再びオンし、その後オフとなる。基準信号(Vsync)がオフになった後のt16時で
カム駆動モーター23が再び駆動され、グリッパー17が把持解除位置の方へ移動開始される。そして、t17時でカム駆動モーター23が停止され、グリッパー17が図3(a)に示す把持解除位置と同様の解除位置になる。
【0046】
こうして、各露光部4Y,4M,4C,4Kの各露光開始のタイミング、ゲートローラー
24による転写材16の搬送開始のタイミング、グリッパー17の作動開始タイミングが、二次転写ローラー14の回転位置を表す基準信号(Vsync)に基づいて制御される。
【0047】
この第1例の画像形成装置1によれば、中間転写ベルト駆動モーター30および二次転写ローラー駆動モーター31に、それぞれ回転位置制御可能なACサーボモータを用いている。また、二次転写ローラー14の凹部15の位置を基準にして、各露光部4Y,4M,4C,4Kの各露光開始のタイミングとゲートローラー24による転写材16の搬送開始
のタイミングを制御している。したがって、グリッパー17が配設された凹部15を有する二次転写ローラー14の回転位置と中間転写ベルト8の回転位置とを、これらの回転位置を互いに関連つけて制御することが可能となる。また、中間転写ベルト8に担持された
トナー像の位置とゲートローラー24からの転写材16の搬送位置とを、これらの位置を互いに関連つけて制御することが可能となる。これにより、中間転写ベルト8のトナー像の位置と転写材16の位置との位置合わせ(見当合わせ)を精度良く行うことが可能となる。その結果、中間転写ベルト8のトナー像を転写材16の所定位置に高精度に転写することができる。特に、カム駆動モーター23によるグリッパー17の作動タイミングも、同様に二次転写ローラー14の凹部15の位置を基準にして制御することで、中間転写ベルト8のトナー像の位置と転写材16の位置との見当合わせを更に一層精度良く行うことが可能となる。更に、比較的長い中間転写ベルト8を用いても、この中間転写ベルト8の捩れ等の影響を抑制でき、中間転写ベルト8に担持されるトナー像と転写材16の位置との見当合わせを更に一層精度良く行うことが可能となる。
【0048】
更に、転写第1色目のイエローの露光位置ζから二次転写ニップ始端位置ηまでの長さL1(cm)を、二次転写ローラー14の円弧部の周長と支持部材26の支持面26aの周長との差の長さL2(cm)よりも長くしている(L1>L2)。これにより、二次転写ローラー14が複数回回転して凹部15が二次転写ニップ13aを複数回通過しても、中間転写ベルト8のトナー像の位置と転写材16の位置との見当合わせを精度良く行うことが可能となる。
【0049】
更に、凹部15が二次転写ニップ13aを通過するとき、中間転写ベルト8が凹部15に配設されたグリッパー17に当接しないように中間転写ベルト8の位置が支持部材26により規制される。このように中間転写ベルト8と二次転写ローラー14との相対位置が規制されることにより、グリッパー17と中間転写ベルト8との接触を効果的に防止でき、グリッパー17により中間転写ベルト8が損傷するのを防止することが可能となる。
【0050】
更に、グリッパー17の把持作動および把持解除作動が基準信号(Vsync)に基づいてメ
カ制御部33aが出力する電気的信号である把持部材駆動信号により制御される。これにより、グリッパー17の把持動作および把持解除動作を基準信号(Vsync)に基づいて(つ
まり、凹部15の位置に基づいて)自由にかつ高精度に行うことが可能となる。したがって、ゲートローラー24から搬送されてくる転写材16をより確実にかつ高精度の把持位置で把持することができるとともに、グリッパー17と中間転写ベルト8との接触をより一層効果的に防止できる。
【0051】
なお、二次転写ローラー位置検出器は前述のエンコーダー28とコードホイール29とに限定されることはなく、二次転写ローラー14の回転位置(つまり、凹部15の位置)を検出することができる位置検出器であれば、公知のどのような位置検出器も用いることができる。例えば、図7に示すように前述のエンコーダー28に代えて、装置本体に設けられた光を発する発光器と発光器からの光を受光する受光器とを有する位置検出センサーである光センサー34と、二次転写ローラーに一体回転可能にかつ光センサー34の発光器と受光器との間を通過可能に設けられるフラッグ35とからなる、光学式位置検出器を用いることもできる。その場合、フラッグ35が発光器と受光器との間を通過するとき発光器からの光が遮られて受光器が受光しないことで、二次転写ローラー14の位置が検出される。
【0052】
図8は、本発明の画像形成装置の実施の形態の第2例を部分的に示す、図3(a),(
b)と同様の図である。
前述の図3(a),(b)に示す第1例では、グリッパー17が、V字状のレバー20
、カムフォロワー21、カム22、およびカム駆動モーター23により作動される。これに対して、図8に示すようにこの第2例の画像形成装置1では、グリッパー17が、直線状のレバー36および電磁ソレノイド37により回転軸19を中心に回転する。その場合、前述の第1例と同様に、グリッパー17はばね38によりグリッパー支持部18に着座
する方向に常時付勢されている。また、電磁ソレノイド37は第1例のカム駆動モーター23と同様にメカ制御部33aからの電気的信号によって制御される。
この第2例の画像形成装置1の他の構成および他の作用は、第1例と同じである。また、この第2例の画像形成装置1の効果も第1例と実質的に同じである。
【0053】
図9は、本発明の画像形成装置の実施の形態の第3例を示す、図6と同様のタイミングを示す図である。
二次転写ローラー14の凹部15が二次転写ニップ13aを通過するときと、二次転写ローラー14の凹部15以外の円弧部が二次転写ニップ13aを通過するときとで、二次転写ローラー14の回転トルクにトルク差が生じる場合がある。このトルク差が生じると、二次転写ローラー14の回転に変動(回転むら)が生じるため、基準信号(Vsync)が本
来正規に出力する時間からずれた時間で出力される可能性がある。
【0054】
そこで、この第3例の画像形成装置1では、このように時間がずれて基準信号(Vsync)
が出力されたときは、二次転写ローラー14の凹部15の位置を補正している。この凹部15の位置の補正について説明する。
【0055】
例えば、図9に示すように基準信号(Vsync)が点線で示す本来のtA時で検出されるのが、このtA時より時間Δtだけ前にずれたtB時で検出されたとする。この場合には基準信号(Vsync)が検出されたtB時から、凹部15が二次転写ニップ13aを通過しない間の時間tR経過後のtC時で次に凹部15が二次転写ニップ13aに進入開始するようになる。したがって、凹部15が本来二次転写ニップ13aに進入開始するtD時(t13時)より
時間Δtだけ早く二次転写ニップ13aに進入開始する。しかし、このように凹部15が本来のtD時より早く二次転写ニップ13aに進入開始した場合、二次転写ローラー14
が本来の回転速度で回転すると、凹部15が本来二次転写ニップ13aから脱出するt15時より前に二次転写ニップ13aから脱出してしまう。そこで、凹部15がtC時で二次
転写ニップ13aに進入開始したとき、メカ制御部33aの位置制御部(モータードライバー)33cは二次転写ローラー駆動モーター31を制御して、凹部15が本来のt15時で二次転写ニップ13aから脱出するように二次転写ローラー14の回転速度(つまり、周速度)を本来の回転速度より遅い回転速度にする。このようにして、基準信号(Vsync)
が本来の時間からずれて出力されたとき、二次転写ローラー14の凹部15の位置が補正される。したがって、次の基準信号(Vsync)が本来の正しい時間で出力される。
【0056】
この第3例の画像形成装置1によれば、基準信号(Vsync)がずれた時間で出力されても
、二次転写ローラー14の凹部15の位置を補正することにより、中間転写ベルト8のトナー像を二次転写ニップ13aで転写材16の所定位置に正しく転写することが可能となる。また、このように補正することにより、次の基準信号(Vsync)を本来の正しい時間で
出力させることができる。したがって、基準信号(Vsync)がずれた時間で出力されても、
次の画像形成時に本来の基準信号(Vsync)に基づいて画像形成を行うことが可能となる。
この第3例の画像形成装置1の他の構成および他の作用は、前述の第1および第2例と同じである。また、この第3例の画像形成装置1の効果も前述の第1および第2例と実質的に同じである。
【0057】
図10は、本発明の画像形成装置の実施の形態の第4例を示す、図4と同様の図であり、図11は、第4例のタイミングを示す、図6と同様の図である。
前述の第1ないし第3例では、いずれも、4色の感光体2Y,2M,2C,2Kがタンデ
ムに配設された画像形成装置1であるが、図10に示すようにこの第4例の画像形成装置1は1色の感光体2を備える。その場合、第4例では前述の長さL1(cm)と長さL2(cm)との関係に関して、感光体2が第1ないし第3例の第1色の感光体2Yに相当する。なお、図10に示されないが、感光体に対応して配設される他の構成要素も配設され
る。
【0058】
そして、図11に示すようにこの第4例の画像形成装置1においても、メカ制御部33aが基準信号(Vsync)に基づいて、露光部4による感光体2の露光開始のタイミング、ゲ
ートローラー24による転写材16の搬送開始のタイミング、凹部15内のグリッパー17の作動開始タイミング、およびそれらの作動を電気的信号により制御する。なお図示しないが、制御部33は、画像形成装置1の他の構成要素も制御するようになっている。
この第4例の画像形成装置1の他の構成および他の作用は、前述の第1ないし第3例と同じである。また、この第4例の画像形成装置1の効果も前述の第1ないし第3例と実質的に同じである。
【0059】
なお、本発明の画像形成装置および画像形成方法は、前述の実施の形態の各例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…感光体、4Y,4M,4C,4K…露光部、5Y,5M,5C,5K…現像部、6Y,6M,6C,6K…一次転写部、8…中間転写ベルト、9…ベルト駆動ローラー、13…二次転写部、13a…二次転写ニップ、14…二次転写ローラー、14b…弾性部材、15…凹部、16…転写材、17…グリッパー、20…V字状のレバー、21…カムフォロワー、22…カム、23…カム駆動モーター、24…ゲートローラー、26…支持部材、26a…支持面、27…当接部材、28…エンコーダー、29…コードホイール、29a…スリット(切欠)、30…中間転写ベルト駆動モーター、31…二次転写ローラー駆動モーター、32…ゲートローラー駆動モーター、33…制御部、33a…メカ制御部、33b…露光制御部、33c…位置制御部(モータードライバー)、33d…位置制御部(モータードライバー)、34…光センサー、35…フラッグ、36…直線状のレバー、37…電磁ソレノイド、38…ばね、39Y,39M,39C,39K…発光素子制御信号(Hsync信号)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体を露光して前記潜像を形成する露光部と、
前記露光部で前記潜像担持体に形成された前記潜像を、トナー粒子及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像する現像部と、
前記現像部で前記潜像担持体に現像された像が転写される像担持体と、
前記像担持体を駆動させる像担持体駆動部と、
周面に凹部を有するとともに、前記像担持体に担持された前記像を前記像担持体と当接して形成される転写ニップで転写材に転写する転写ローラーと、
前記転写ローラーを駆動させる転写ローラー駆動部と、
前記転写材を前記転写ニップへ搬送する転写材搬送部と、
前記転写ローラーの回転位置を検出する転写ローラー位置検出部と、
前記転写ローラー位置検出部で検出された前記転写ローラーの回転位置に基づいて、前記露光部により前記潜像担持体へ前記潜像の形成を開始させる露光開始信号の出力、および前記転写材搬送部により前記転写ニップへ前記転写材の搬送を開始させる転写材搬送信号の出力を制御する制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体は前記像担持体駆動部により移動位置が調整されるとともに、前記転写ローラーは前記転写ローラー駆動部により回転位置が調整される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体は転写ベルトである請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
第2の潜像が形成される第2潜像担持体と、
前記第2潜像担持体を露光して前記第2の潜像を形成する第2露光部と、
前記第2露光部で前記第2潜像担持体に形成された前記第2の潜像を、前記トナー粒子と異なる第2のトナー粒子及び前記キャリアー液を含む第2液体現像剤で現像する第2現像部と、を有し、
前記第2現像部で現像された前記像が転写された前記像担持体に前記第2現像部で現像された第2の像が転写されるとともに、
前記露光部による前記潜像担持体への露光位置から前記転写ニップ位置までの前記潜像担持体及び前記像担持体の周面長さL1(cm)が、前記転写ローラーの前記凹部を除く周面の周面長さL2(cm)より長い請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記凹部が前記像担持体と対向するとき、前記像担持体と前記転写ローラーとの間の距離を規制する位置規制部材を有する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記凹部に配設されて前記転写材を把持する転写材把持部材と、
前記転写材把持部材を駆動させる把持部材駆動部と、を有し、
前記制御部は、前記把持部材駆動部を駆動させる把持部材駆動信号を出力する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写ローラー位置検出部は前記転写ローラーに配設される請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
転写ローラーを回転させて前記転写ローラーの回転位置を検出し、
検出された前記転写ローラーの回転位置の情報に基づいて、潜像の形成を開始させる露光開始信号を出力し、
出力された前記露光開始信号に基づいて露光部により前記潜像の形成を開始し、
前記露光部により潜像担持体に前記潜像を形成し、
形成された前記潜像をトナー粒子及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像し、
現像された像を像担持体に転写し、
検出された前記転写ローラーの回転位置の情報に基づいて、転写材の搬送を開始させる転写材搬送信号を出力し、
出力された前記転写材搬送信号に基づいて前記転写材の搬送を開始し、
前記像担持体に転写された前記像を、前記像担持体と前記転写ローラーとの当接により形成された転写ニップで搬送された前記転写材に転写することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−232663(P2011−232663A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104784(P2010−104784)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】