画像形成装置
【課題】第1と第2のシャッタ部材をオーバラップして退避位置に回動可能として、退避位置での第1と第2のシャッタ部材の収容空間を小さくする。
【解決手段】感光体ドラム21を有する感光体ユニット20と、現像スリーブ41を有する現像ユニット40と、が画像形成装置本体2に着脱可能に設けられていて、感光体ユニット20は、感光体ドラム21の遮蔽位置から退避位置まで回動可能に設けられたシャッタ部材を有している。このシャッタ部材は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2から抜き出した状態で、感光体ドラム21の下方を覆う第1のシャッタ部材23と、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側2Aを覆う第2のシャッタ部材24とを有している。第1のシャッタ部材23は、遮蔽位置から退避位置に回動する途中で、第2のシャッタ部材24とオーバラップして退避位置に一体的に回動する。
【解決手段】感光体ドラム21を有する感光体ユニット20と、現像スリーブ41を有する現像ユニット40と、が画像形成装置本体2に着脱可能に設けられていて、感光体ユニット20は、感光体ドラム21の遮蔽位置から退避位置まで回動可能に設けられたシャッタ部材を有している。このシャッタ部材は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2から抜き出した状態で、感光体ドラム21の下方を覆う第1のシャッタ部材23と、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側2Aを覆う第2のシャッタ部材24とを有している。第1のシャッタ部材23は、遮蔽位置から退避位置に回動する途中で、第2のシャッタ部材24とオーバラップして退避位置に一体的に回動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、或いはこれらの機能を併有した複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、画像形成装置本体から取り出したときに感光体ドラムの露出する部分を覆い、また、画像形成装置本体に装着したときに退避位置に移動するシャッタ部材を備えた感光体ユニットと、作像部である現像スリーブ(マグネットローラ)を有する現像ユニットとが別体で構成されたものがある。この種の画像形成装置は、画像形成装置本体内に、感光体ユニットと現像ユニットとが着脱自在に設けられるようになっている。
【0003】
前記シャッタ部材は、感光体ユニットと現像ユニットの交換時等に感光体ドラム面や現像スリーブ面を保護する目的で設けられているが、このようなシャッタ部材により、感光体ドラムの底部(転写装置側)と前面側(感光体ドラムと現像スリーブとの対向側)を保護するように2枚構成とした技術として、特許文献1と特許文献2に開示された技術が公知である。
【0004】
【特許文献1】特開平9−292818号公報(第9−10頁、図3)
【特許文献2】特開平10−105019号公報(第6−7頁、図3−図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1と特許文献2に開示されたシャッタ部材は、いずれも2枚構成のシャッタ部材がヒンジ軸により連結されており、略一体的に感光体ドラムの周囲を回動するのみであるため、感光体ドラムを開放する方向にシャッタ部材を回動させるときには、シャッタ部材を収容するための大きな空間を必要とし、これでは、省スペース化により装置の小型化を図る要請に反するものであった。
【0006】
そこで、本発明は、第1と第2のシャッタ部材をオーバラップして退避位置に回動可能として、退避位置での第1と第2のシャッタ部材の収容空間を小さくし、装置の省スペース化を図ることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の画像形成装置は、(1)感光体ドラムを有する感光体ユニットと、現像スリーブを有する現像ユニットと、がそれぞれ画像形成装置本体に着脱自在に設けられ、(2)前記感光体ユニットは、前記感光体ドラムの幅方向の左右端側でドラム軸に対して回動自在に取り付けられたリンク部材と、前記リンク部材に枢着され前記感光体ドラムを保護するシャッタ部材と、を有し、前記シャッタ部材が前記感光体ドラムを覆う遮蔽位置から露出させる退避位置まで回動自在に設けられ、(3)前記現像ユニットは、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとが適切な現像ギャップを保って対向配置されている。
【0008】
また、この画像形成装置において、前記シャッタ部材は、前記感光体ユニットを前記画像形成装置本体から抜き出した状態で、前記感光体ドラムの下方にて前記感光体ドラム表面のトナー像を記録材に写し取る転写装置側を覆う第1のシャッタ部材と、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとの対向側を覆う第2のシャッタ部材と、を有し、
前記第1のシャッタ部材は、前記遮蔽位置から前記退避位置に回動する途中の前記対向側にて、前記第2のシャッタ部材とオーバラップして一体的に回動する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを、前記画像形成装置本体に装着した状態では、前記現像ユニットが前記リンク部材に押圧力を付与して、前記第1と第2のシャッタ部材を前記退避位置に回動させて保持し、
前記現像ユニットを抜き出して前記押圧力を解除すると、前記第1と第2のシャッタ部材はオーバラップしたまま前記退避位置から前記対向側まで回動する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記リンク部材と前記第1のシャッタ部材との間に、前記第1のシャッタ部材を前記感光体ドラムを覆う方向に付勢する弾性部材を装着した、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1のシャッタ部材が、前記対向側にて前記第2のシャッタ部材とオーバラップするように、前記第2のシャッタ部材に前記第1のシャッタ部材を案内するガイド部を設け、
前記ガイド部に、前記第1のシャッタ部材を係止する係止突起を設け、
前記係止突起により、前記第1と第2のシャッタ部材が前記退避位置から前記対向側まで回動する時に、前記第1のシャッタ部材を係止する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、感光体ドラムを保護するシャッタ部材は、感光体ユニットを画像形成装置本体から抜き出した状態で、感光体ドラムの下方を覆う第1のシャッタ部材と、感光体ドラムと現像スリーブとの対向側を覆う第2のシャッタ部材とを有し、第1のシャッタ部材は、遮蔽位置から退避位置に回動する途中で第2のシャッタ部材とオーバラップして回動するようにしたので、第1と第2のシャッタ部材の退避位置での収容空間を小さくすることができ、装置の省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態の画像形成装置について説明する。
(画像形成装置の概略構成)
図1は、本実施の形態の画像形成装置の側面断面図である。
【0014】
同図において、画像形成装置1は、画像形成装置本体2内に、シート状の記録材Pを給紙トレイ3から送り出す給紙部4と、この給紙部4から送り出された記録材Pを用紙搬送路Rに沿って搬送する用紙搬送部5と、この用紙搬送部5によって搬送された記録材Pにトナー像を転写する画像形成部6と、この画像形成部6によってトナー像が転写された記録材Pにトナー像を定着させる定着装置7と、この定着装置7でトナー画像が定着された記録材Pを排紙トレー8上へ排出する排出部10と、を備えて概略構成されている。ここで、記録材Pは、例えば、紙、プラスチックフィルム、布、OHPシート等を適用することができる。
【0015】
なお、画像形成部6は、感光体ドラム21を有する感光体ユニット20と、現像スリーブ41を有する現像ユニット40と、感光体ドラム表面のトナー像を記録材に写し取る転写ローラ11等を備えてなる。また、感光体ユニット20と現像ユニット40は、それぞれ別体で構成されていて、これらは画像形成装置本体2内に対向して形成された一対の案内レール(図示せず)により案内されて所定位置に支持されるようになっている。
(感光体ユニットの構成)
図2乃至図4は、シャッタ部材23,24が感光体ドラム21を覆う遮蔽位置にある状態を示す図である。
【0016】
同図2乃至図4に示すように、感光体ユニット20は、現像ユニット40と対向する対向面20A側の下部に感光体ドラム21を備えている。この感光体ドラム21の上方には、該感光体ドラム21の表面を一様に帯電する帯電器22が配置されている。感光体ユニット20における感光体ドラム21の周囲には、上記帯電器22の他に、帯電器22よりも回転上流側に向けて、図示しないが残留電荷を除去する除電器、感光体ドラム21の表面に残ったトナーを除去するクリーナ装置等が配置されている。更に、感光体ドラム21には、帯電器22よりも回転方向の下流側で、図示しない露光器からレーザ光等が入射可能となっている。
【0017】
感光体ユニット20は、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側で、ドラム軸21aに対して回動可能に取り付けられた第1のリンクレバー25及び第2のリンクレバー26と、この第1と第2のリンクレバー25、26に枢着されて感光体ドラム21のドラム面を覆う第1のシャッタ部材23及び第2のシャッタ部材24を備えている。前記第1と第2のリンクレバー25,26は、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側において、通紙の邪魔にならないように配置されている(図4参照)。
【0018】
第1のリンクレバー25は、図2(及び図13)に示すように、ドラム軸21aに対して回動可能に遊嵌された軸受部25aと、この軸受部25aの外径側に形成されたフック部25bと、これら軸受部25a及びフック部25bを補強するように該軸受部25a及びフック部25bを連接する平板状の段差部25cと、を有している。また、この段差部25cにおけるフック部25bと反対側部分の内側には、第1のシャッタ部材23に枢着される枢着部25dを有している。更に、段差部25cにおけるフック部25bと反対側部分の端面には、当接面25eが形成されていて、この当接面25eからストッパ部25fが突設されている。この第1のリンクレバー25は、図示しない捩りばねにより、第1と第2のシャッタ部材23,24が感光体ドラム21を覆う方向(図2の矢印方向)に常時付勢されている。
【0019】
そして、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入した後、現像ユニット40を挿入した時、前記段差部25cに現像ユニット40の現像突起部42が入り込むようになっている。このとき、前記フック部25bは、現像ユニット40の挿入方向の前部の現像突起部42(図16参照)に当接して該現像突起部42を下方に押し付ける役目をなす。また、前記当接面25eは、画像形成装置本体2内に感光体ユニット20を挿入する際、装置本体2側の当接部材15(図7参照)に当接して、第1のリンクレバー25が図2の反時計方向に回動する構成となっている。更に、前記ストッパ部25fは、感光体ユニット20の本体側に形成されたリブ31に当接して、第1のリンクレバー25の回動量を規制している。
【0020】
第2のリンクレバー26は、図4(及び図14)に示すように、ドラム軸21aに対して回動可能に遊嵌された軸受部26aと、この軸受部26aから延びるアーム部26bの先端側に形成され、第1のシャッタ部材23に枢着される枢着部26cと、を有している。この第2のリンクレバー26は、第1のシャッタ部材23を介して第1のリンクレバー25と一体的に回動するようになっている。
【0021】
第1と第2のシャッタ部材23,24は、例えば合成樹脂や金属等から成るもので、感光体ドラム21のドラム軸21aの幅方向と略同じ幅寸法を有し、感光体ドラム21のドラム面の損傷を防止したりドラム面をゴミの付着等から保護するために配置されている。第1のシャッタ部材23は、図3及び図4に示すように、感光体ドラム21の幅方向に延びるシャッタ部23aと、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側でかつ回動方向の一端側に設けられたボス状の連結部23b、23bと、を有している。この左右側の連結部23b、23bは、ピン30、30を介して第1と第2のリンクレバー25,26の枢着部25d、26b(図13及び図14参照)にそれぞれ接続されている。
【0022】
同様に、第1のシャッタ部材23の回動方向の他端側で、幅方向の左右両端側には、膨大状(断面略円形状)に形成された嵌合部23c、23cを有していて、この嵌合部23c、23cが、第2のシャッタ部材24の左右側の案内部24b、24bに形成されたガイド部としての案内溝24c、24cにスライド自在に嵌合されている。なお、第1のシャッタ部材23の膨大状(断面略円形状)の嵌合部23cの断面の径は、案内溝24c内で容易にスライドできるように、かつ後述する係止突起24dと係合後の解除が容易なように、案内溝24cの溝幅よりも適度に小径に形成されている。
【0023】
また、第1のシャッタ部材23における前記連結部23bの幅方向の内側には、凹部23d(図13及び図14参照)が設けられている。そして、この凹部23dには、前記ピン30と連結部23bとの間に捩りばね(弾性部材)34が設けられ、この捩りばね34の付勢力により、第1のシャッタ部材23は感光体ドラム21を覆う方向(遮蔽方向)に付勢されている。
【0024】
第2のシャッタ部材24は、図3に示すように、感光体ドラム21の幅方向に延びるシャッタ部24aと、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側に設けられた前記案内部24b、24bと、を有している。また、この案内部24bに、第1のシャッタ部材23を回動方向にスライド自在に案内する前述した案内溝24cを有している。この案内溝24cの溝方向の終端側(図3の上端側)には、該案内溝24c内に突出するように係止突起24dが設けられている。前記案内溝24cには、前述した第1のシャッタ部材23の嵌合部23cがスライド自在に嵌合している。
【0025】
そして、第1のシャッタ部材23が、感光体ドラム21の下面側を露出させる方向に回動するに従い、膨大状(断面略円形状)の嵌合部23cが前述した案内溝24cに沿って図3の上方にスライド移動する。このスライド移動に伴い、前記嵌合部23cが係止突起24dの位置を通過し、案内溝24cの頂部に当接する。ここで、図2乃至図4に示すように、第2のシャッタ部材24は、その上端部をリンクアーム27によって回動自在に支持されている。このリンクアーム27は、感光体ドラム21の幅方向の左右側に延びるリンク部27aと、その左右端側で略直角方向に折曲されたアーム部27bとを有し、アーム部27bが感光体ユニット20の側面壁に回動自在に支持されている。
【0026】
これにより、第1のシャッタ部材23が、感光体ドラム21を覆う遮蔽位置から露出させる退避位置に回動する途中で、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aにて、第2のシャッタ部材24と前後にオーバラップ(図11、図15等参照)し、それ以後は第1と第2のシャッタ部材23、24が一体となって感光体ドラム21を露出させる方向に回動するようになっている。
【0027】
本実施の形態では、第1のシャッタ部材23が、前述した遮蔽位置から退避位置に回動する際、該第1のシャッタ部材23は、第2のシャッタ部材24の内側(感光体ドラム21に近い側)に入り込んで前後に重なった状態でオーバラップする。このように、第1と第2のシャッタ部材23、24が、オーバラップした状態で一体的に退避位置に移動するため、該退避位置での、第1と第2のシャッタ部材23、24の収容空間を小さくすることができる。よって、第1と第2のシャッタ部材23、24が相対的にスライドすることなく回動する場合に比較して、その分だけ装置の小型化を図ることができる。
【0028】
なお、後述するように、第2のシャッタ部材24の係止突起24dは、第1と第2のシャッタ部材23、24が、感光体ドラム21を露出させる退避位置から遮蔽(覆う)する方向に回動する際、第1のシャッタ部材23の嵌合部23cに引っ掛けられて、途中まで第1と第2のシャッタ部材23、24が一体的に移動するように設けられたものである。
【0029】
以上により、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入することで、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側及び対向側20Aを覆う遮蔽位置(図2乃至図4の状態)から、第1と第2のリンクレバー25、26が回動中心軸(ドラム軸21aと同軸)を中心として回動することに従い、感光体ドラム21の下方側と前記対向側20Aの略半分を露出させる中間退避位置(図10乃至図15の状態)に回動する。
【0030】
更に、第1と第2のシャッタ部材23,24が、この中間退避位置にある状態で、後述するように現像ユニット40が画像形成装置本体2内に挿入されると、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側と前記対向側20Aを完全に露出させた退避位置(図16乃至図19の状態)に至るまで回動するようになっている。
【0031】
すなわち、前記遮蔽位置では、第1のシャッタ部材23は感光体ドラム21の下方の転写ローラ11側を覆うように位置し、かつ第2のシャッタ部材24は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aを覆うように位置する。また、前記中間退避位置では、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側を露出させ、かつ前記対向側20Aの略半分を露出させた状態に位置する。更に、前記退避位置では、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側を露出させ、かつ前記対向側20Aを完全に露出させた状態に位置する。
【0032】
ところで、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際は、図2に示した感光体ユニット20のドラム軸21aとガイド軸38を、図5に示すような、画像形成装置本体2に形成した案内レール13,14に沿って案内・支持する。
【0033】
この際、感光体ユニット20のドラム軸21aが、画像形成装置本体2の幅方向の両側の装置本体フレーム12に形成した一対の下部レール13、13に沿って案内、支持され、また、感光体ユニット20のガイド軸38が、装置本体フレーム12の上部レール14に沿って案内、支持されるようになっている。更に、下部レール13の挿入方向の終端側には、感光体ユニット20の最終的な位置決めポイント13aが形成されている。また、下部レール13の幅方向の両側には、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際に、第1と第2のリンクレバー25、26に係合する当接部材15,15が設けられている。
(現像ユニットの構成)
図6は現像ユニットの外観斜視図である。同図に示すように、現像ユニット40の現像スリーブ41は、該現像ユニット40を画像形成装置本体2に装着した状態で、感光体ドラム21と所定の現像ギャップを保って対向するように、感光体ユニット20との対向側20Aの現像ユニット40の下部に配置されている。また、現像ユニット40の装置本体2への挿入方向の前部には、第1のリンクレバー25のフック部25bに当接する現像突起部42が設けられている。更に、現像ユニット40の装置本体2への挿入方向の後部には、トナーを補給するトナー補給部43とトナーホッパ44が設けられている。また、現像ユニット40には、装置本体2への挿入方向の前方から後方に向けて、順に3本の突出軸45,46,47が側方に突設されている。
【0034】
この現像ユニット40を画像形成装置本体2内に挿入する際は、まず2本の突出軸45,47を、図5における画像形成装置本体2の幅方向の両側に形成した左右一対の上部レール14に沿って案内、支持すると共に、1本の突出軸46を、図示しないレールに沿って案内、支持するようになっている。なお、現像ユニット40は、画像形成装置本体2内に挿入された状態では、図示しないばね等の付勢手段により感光体ユニット20側に押圧されている。
[画像形成装置の作用・動作]
図7乃至図10は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際の、第1と第2のリンクレバー25、26と、第1と第2のシャッタ部材23,24の動きを示す図である。以下、同図7乃至図10に基づき、感光体ユニット20の挿入時の動作を説明する。
【0035】
図7において、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際、感光体ユニット20は、装置本体フレーム12に形成された下部レール13と上部レール14に案内されて挿入されるが、第1のリンクレバー25が当接部材15に当接する前の状態では、第1のリンクレバー25は、図示しない捩りばねの付勢力により図の時計方向に最大限回転して、ユニット本体側のリブ31にストッパ部25fが当接した状態に保持されている。このとき、第1のシャッタ部材23は感光体ドラム21の下方を覆うと共に、第2のシャッタ部材24は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aを覆う遮蔽位置にある。
【0036】
図8は、第1のリンクレバー25が当接部材15に当接した状態を示している。この状態では、第1のリンクレバー25の当接面25eが当接部材15の前面壁15aに当接し、第1のリンクレバー25は、図示しない捩りばねの付勢力に抗して30〜45度ほど図の反時計方向に回転した状態になっている。この状態では、第1のリンクレバー25の回転により、該第1のリンクレバー25とピン30で枢着された第1のシャッタ部材23も同方向(図の反時計方向)に回転する。このとき、第1のシャッタ部材23の回動方向の前端側の膨大状(断面略円形状)の嵌合部23bは、第2のシャッタ部材24の案内溝24cを移動する。この状態では、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21の下面側(転写ローラ11側)の略半分程度を露出させた位置に退避している。
【0037】
図9は、感光体ユニット20を更に画像形成装置本体2内に挿入した状態を示す。この場合、第1のリンクレバー25が当接部材15に乗り上げ、図8の状態よりも更に略90度ほど反時計方向に回転している。
【0038】
この状態では、第1のシャッタ部材23の回動方向の前端側の前記嵌合部23cが、第2のシャッタ部材24の案内溝24cに沿って更に移動し、その係止突起24dを越えて案内溝24cの終端側の頂部に当接している。このとき、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aに回動し、第2のシャッタ部材24と前後に重なった状態(オーバラップした状態)になっている。この状態では、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21の下面側(転写ローラ11側)を略完全に露出させた位置に退避している。
【0039】
図10は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入して、所定位置に位置決めされた状態を示している。
【0040】
この場合、ドラム軸21aが下部レール13の位置決めポイント13aに到達しており、第1のリンクレバー25の当接面25eの隅部25e’が、当接部材15の当接面に接した状態で位置決めされている。この状態では、図11乃至図15に示すように、第1のシャッタ部材23の回動方向の前端側の膨大状(断面略円形状)の嵌合部23cが、第2のシャッタ部材24の案内溝24cの終端側の頂部に当接して、かつその頂部を図の上方に若干押し上げる。このため、第2のシャッタ部材24(及び第1のシャッタ部材23)は、上方に押し上げられながら、リンクアーム27の基端側27cを中心として図11の反時計方向に向けて上方に若干回動する。
【0041】
これにより、第2のシャッタ部材24(及び第1のシャッタ部材23)は、上方に若干回動して、感光体ドラム21の現像スリーブ41との対向側20Aの略半分を露出させた位置に移動する。この状態では、図11及び図12に示すように、リンクアーム27は、その基端側27cを中心として略水平位置になるように回動し、第2のシャッタ部材24(及び第1のシャッタ部材23)は、前記対向側20Aの略半分を露出させた状態となっている(中間退避位置)。
なお、図13及び図14に示すように、第1と第2のリンクレバー25、26の枢着部25d、26bには、該枢着部25d、26bと、感光体ドラム21を露出させる方向に移動する第2のシャッタ部材24の案内部24bと、の干渉を避けるため、逃げ空間32,33が設けられている。
【0042】
図15は、中間退避位置における感光体ドラム21、第1と第2のシャッタ部材23、24、リンクアーム27の位置関係を示している。この中間退避位置では、リンクアーム27は基端側27cを中心として略水平位置に回転して、第1と第2のシャッタ部材23,24を持ち上げ支持している。そして、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の前記対向側20Aを半分露出させた状態で停止している。
【0043】
以上のように、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入することで、第1と第2のシャッタ部材23、24が、感光体ドラム21を覆う遮蔽位置から、感光体ドラム21の下方と前記対向側20Aを半分露出させた中間退避位置に回動する際、先ず第1のシャッタ部材23が第2のシャッタ部材24とオーバラップする位置(重なる位置)まで回動して、感光体ドラム21の下面側(転写ローラ11側)を露出させる。更に、感光体ユニット20を深く挿入するに伴い、オーバラップ状態の第1と第2のシャッタ部材23、24が、リンクアーム27の基端側27cを中心として、感光体ドラム21の前方(画像形成装置本体2への感光体ユニット20の挿入方向と反対方向)に移動して感光体ドラム21の前記対向側20Aの下方を露出させる。
【0044】
そして、第1と第2のシャッタ部材23、24が、感光体ドラム21の前記対向側20Aの下方を露出させる方向に回動する際、該第1と第2のシャッタ部材23、24は一体で画像形成装置本体2内を感光体ユニット20の挿入方向と反対方向に上方移動するので、感光体ドラム21側にゴミや塵等の異物が侵入するのを防止することができる。なお、図11乃至図15が、第1と第2のシャッタ部材23、24の中間退避位置を示している。
【0045】
図16乃至図19は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内の所定位置に位置決めした後、現像ユニット40を挿入した状態を示す図である。
【0046】
すなわち、図16及び図17に示すように、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内の所定位置に挿入した後(このとき、第1と第2のシャッタ部材23、24は中間退避位置にある)、現像ユニット40を挿入すると、この現像ユニット40が正規の位置まで挿入される手前で、第1のリンクレバー25の段差部25cに、現像ユニット40の前部の現像突起部42が入り込む。このとき、第1のリンクレバー25のフック部25bが、図示しない捩りばねの付勢力で現像突起部42を図の時計方向に付勢することで、該現像突起部42を下方に押し付け、これにより、感光体ドラム21と現像スリーブ41は所定の現像ギャップを保持した状態に維持される。
【0047】
更に、この現像ユニット40を挿入することで、現像突起部42が第1のリンクレバー25のフック部25bに当接し、このフック部25bを介して第1のリンクレバー25を図16乃至図19の反時計方向に増量分回動させる。この際、第1と第2のシャッタ部材23、24は、リンクアーム27の基端側27cを中心として、更に感光体ドラム21の前方(画像形成装置本体2への感光体ユニット20の挿入方向と反対方向)に移動する。こうして、第1のリンクレバー25が増量分回動する結果、第1と第2のシャッタ部材23、24も、中間退避位置よりも更に感光体ドラム21の前記対向側20Aを露出させる方向に上方に回動する(退避位置)。
【0048】
そして、このときの第1と第2のシャッタ部材23、24の位置が、感光体ドラム21のドラム面を最終的に露出させる退避位置となっている。なお、図16乃至図19は、第1と第2のシャッタ部材23、24が退避位置にある状態を示している。
【0049】
次に、感光体ユニット20及び現像ユニット40を画像形成装置本体2内に挿入した状態から、現像ユニット40を抜き出すと、図11乃至図15に示したように、第1と第2のリンクレバー25、26が、図11乃至図15の時計方向(感光体ドラム21を遮蔽する方向)に若干戻り回転する。これに伴い、第1と第2のリンクレバー25、26に枢着された第1のシャッタ部材23が感光体ドラム21を遮蔽する方向に同量回動する。更に、この第1のシャッタ部材23は、第2のシャッタ部材24の係止突起24dに係止されているため、この第2のシャッタ部材24も第1のシャッタ部材23と一体的に中間退避位置まで戻り回転する。
【0050】
こうして、画像形成装置本体2から現像ユニット40を抜き出して、第1と第2のシャッタ部材23、24が中間退避位置にある状態から、感光体ユニット20を抜き出すと、第1のリンクレバー25と画像形成装置本体2内の当接部材15との当接が解除され、該第1のリンクレバー25は、図8の位置まで時計方向に戻り回転する。そして、やがて図7の位置では、第1のリンクレバー25の回転は停止するが、図8から図7に至る途中で、第1のシャッタ部材23には、自重により重力方向に力が作用すると共に、第2のシャッタ部材24に対しドラム軸21aを中心として円周方向(時計方向)に回転しようとする。このため、第1のシャッタ部材23の嵌合部23cと案内部24bの係止突起24dとの係合が解除され、第1のシャッタ部材23の嵌合部23cは解放されてスライド自在となる。こうして、図2乃至図4に示したように、第1のシャッタ部材23は、第2のシャッタ部材24に対しスライドして感光体ドラム21の下面側を覆い、かつ第2のシャッタ部材24は感光体ドラム21の対向側2Aを覆う遮蔽位置となる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、或いはこれらの機能を併有した複合機等の画像形成装置の分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施の形態の画像形成装置の概略の断面側面図である。
【図2】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は遮蔽位置)。
【図3】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は遮蔽位置)。
【図4】感光体ユニットを下方から見た斜視図である(シャッタ部材は遮蔽位置)。
【図5】画像形成装置本体の本体フレームの斜視図である。
【図6】現像ユニットの斜視図である。
【図7】画像形成装置本体内に感光体ユニットを挿入するときの状態を示す図である。
【図8】画像形成装置本体内に感光体ユニットを挿入し、感光体ユニットが突起部に当接した状態を示す図である。
【図9】画像形成装置本体内に感光体ユニットを挿入し、感光体ユニットが突起部を乗り上げた状態を示す図である。
【図10】画像形成装置本体内に感光体ユニットを所定の位置に挿入した状態を示す図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図11】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図12】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図13】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図14】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図15】シャッタ部材が中間退避位置にあるときの側面図である。
【図16】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は退避位置)。
【図17】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は退避位置)。
【図18】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は退避位置)。
【図19】シャッタ部材が退避位置にあるときの側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1……画像形成装置、2……画像形成装置本体、20……感光体ユニット、20A……対向側、21……感光体ドラム、21a……ドラム軸、23……第1のシャッタ部材、23a……シャッタ部、23b……連結部、23c……嵌合部、24……第2のシャッタ部材、24a……シャッタ部、24b……案内部、24c……案内溝(ガイド部)、24d……係止突起、25……第1のリンクレバー、26……第2のリンクレバー、27……リンクアーム、34……捩りばね(弾性部材)、40……現像ユニット、41……現像スリーブ、P……記録材
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、或いはこれらの機能を併有した複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、画像形成装置本体から取り出したときに感光体ドラムの露出する部分を覆い、また、画像形成装置本体に装着したときに退避位置に移動するシャッタ部材を備えた感光体ユニットと、作像部である現像スリーブ(マグネットローラ)を有する現像ユニットとが別体で構成されたものがある。この種の画像形成装置は、画像形成装置本体内に、感光体ユニットと現像ユニットとが着脱自在に設けられるようになっている。
【0003】
前記シャッタ部材は、感光体ユニットと現像ユニットの交換時等に感光体ドラム面や現像スリーブ面を保護する目的で設けられているが、このようなシャッタ部材により、感光体ドラムの底部(転写装置側)と前面側(感光体ドラムと現像スリーブとの対向側)を保護するように2枚構成とした技術として、特許文献1と特許文献2に開示された技術が公知である。
【0004】
【特許文献1】特開平9−292818号公報(第9−10頁、図3)
【特許文献2】特開平10−105019号公報(第6−7頁、図3−図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1と特許文献2に開示されたシャッタ部材は、いずれも2枚構成のシャッタ部材がヒンジ軸により連結されており、略一体的に感光体ドラムの周囲を回動するのみであるため、感光体ドラムを開放する方向にシャッタ部材を回動させるときには、シャッタ部材を収容するための大きな空間を必要とし、これでは、省スペース化により装置の小型化を図る要請に反するものであった。
【0006】
そこで、本発明は、第1と第2のシャッタ部材をオーバラップして退避位置に回動可能として、退避位置での第1と第2のシャッタ部材の収容空間を小さくし、装置の省スペース化を図ることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の画像形成装置は、(1)感光体ドラムを有する感光体ユニットと、現像スリーブを有する現像ユニットと、がそれぞれ画像形成装置本体に着脱自在に設けられ、(2)前記感光体ユニットは、前記感光体ドラムの幅方向の左右端側でドラム軸に対して回動自在に取り付けられたリンク部材と、前記リンク部材に枢着され前記感光体ドラムを保護するシャッタ部材と、を有し、前記シャッタ部材が前記感光体ドラムを覆う遮蔽位置から露出させる退避位置まで回動自在に設けられ、(3)前記現像ユニットは、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとが適切な現像ギャップを保って対向配置されている。
【0008】
また、この画像形成装置において、前記シャッタ部材は、前記感光体ユニットを前記画像形成装置本体から抜き出した状態で、前記感光体ドラムの下方にて前記感光体ドラム表面のトナー像を記録材に写し取る転写装置側を覆う第1のシャッタ部材と、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとの対向側を覆う第2のシャッタ部材と、を有し、
前記第1のシャッタ部材は、前記遮蔽位置から前記退避位置に回動する途中の前記対向側にて、前記第2のシャッタ部材とオーバラップして一体的に回動する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを、前記画像形成装置本体に装着した状態では、前記現像ユニットが前記リンク部材に押圧力を付与して、前記第1と第2のシャッタ部材を前記退避位置に回動させて保持し、
前記現像ユニットを抜き出して前記押圧力を解除すると、前記第1と第2のシャッタ部材はオーバラップしたまま前記退避位置から前記対向側まで回動する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記リンク部材と前記第1のシャッタ部材との間に、前記第1のシャッタ部材を前記感光体ドラムを覆う方向に付勢する弾性部材を装着した、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1のシャッタ部材が、前記対向側にて前記第2のシャッタ部材とオーバラップするように、前記第2のシャッタ部材に前記第1のシャッタ部材を案内するガイド部を設け、
前記ガイド部に、前記第1のシャッタ部材を係止する係止突起を設け、
前記係止突起により、前記第1と第2のシャッタ部材が前記退避位置から前記対向側まで回動する時に、前記第1のシャッタ部材を係止する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、感光体ドラムを保護するシャッタ部材は、感光体ユニットを画像形成装置本体から抜き出した状態で、感光体ドラムの下方を覆う第1のシャッタ部材と、感光体ドラムと現像スリーブとの対向側を覆う第2のシャッタ部材とを有し、第1のシャッタ部材は、遮蔽位置から退避位置に回動する途中で第2のシャッタ部材とオーバラップして回動するようにしたので、第1と第2のシャッタ部材の退避位置での収容空間を小さくすることができ、装置の省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態の画像形成装置について説明する。
(画像形成装置の概略構成)
図1は、本実施の形態の画像形成装置の側面断面図である。
【0014】
同図において、画像形成装置1は、画像形成装置本体2内に、シート状の記録材Pを給紙トレイ3から送り出す給紙部4と、この給紙部4から送り出された記録材Pを用紙搬送路Rに沿って搬送する用紙搬送部5と、この用紙搬送部5によって搬送された記録材Pにトナー像を転写する画像形成部6と、この画像形成部6によってトナー像が転写された記録材Pにトナー像を定着させる定着装置7と、この定着装置7でトナー画像が定着された記録材Pを排紙トレー8上へ排出する排出部10と、を備えて概略構成されている。ここで、記録材Pは、例えば、紙、プラスチックフィルム、布、OHPシート等を適用することができる。
【0015】
なお、画像形成部6は、感光体ドラム21を有する感光体ユニット20と、現像スリーブ41を有する現像ユニット40と、感光体ドラム表面のトナー像を記録材に写し取る転写ローラ11等を備えてなる。また、感光体ユニット20と現像ユニット40は、それぞれ別体で構成されていて、これらは画像形成装置本体2内に対向して形成された一対の案内レール(図示せず)により案内されて所定位置に支持されるようになっている。
(感光体ユニットの構成)
図2乃至図4は、シャッタ部材23,24が感光体ドラム21を覆う遮蔽位置にある状態を示す図である。
【0016】
同図2乃至図4に示すように、感光体ユニット20は、現像ユニット40と対向する対向面20A側の下部に感光体ドラム21を備えている。この感光体ドラム21の上方には、該感光体ドラム21の表面を一様に帯電する帯電器22が配置されている。感光体ユニット20における感光体ドラム21の周囲には、上記帯電器22の他に、帯電器22よりも回転上流側に向けて、図示しないが残留電荷を除去する除電器、感光体ドラム21の表面に残ったトナーを除去するクリーナ装置等が配置されている。更に、感光体ドラム21には、帯電器22よりも回転方向の下流側で、図示しない露光器からレーザ光等が入射可能となっている。
【0017】
感光体ユニット20は、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側で、ドラム軸21aに対して回動可能に取り付けられた第1のリンクレバー25及び第2のリンクレバー26と、この第1と第2のリンクレバー25、26に枢着されて感光体ドラム21のドラム面を覆う第1のシャッタ部材23及び第2のシャッタ部材24を備えている。前記第1と第2のリンクレバー25,26は、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側において、通紙の邪魔にならないように配置されている(図4参照)。
【0018】
第1のリンクレバー25は、図2(及び図13)に示すように、ドラム軸21aに対して回動可能に遊嵌された軸受部25aと、この軸受部25aの外径側に形成されたフック部25bと、これら軸受部25a及びフック部25bを補強するように該軸受部25a及びフック部25bを連接する平板状の段差部25cと、を有している。また、この段差部25cにおけるフック部25bと反対側部分の内側には、第1のシャッタ部材23に枢着される枢着部25dを有している。更に、段差部25cにおけるフック部25bと反対側部分の端面には、当接面25eが形成されていて、この当接面25eからストッパ部25fが突設されている。この第1のリンクレバー25は、図示しない捩りばねにより、第1と第2のシャッタ部材23,24が感光体ドラム21を覆う方向(図2の矢印方向)に常時付勢されている。
【0019】
そして、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入した後、現像ユニット40を挿入した時、前記段差部25cに現像ユニット40の現像突起部42が入り込むようになっている。このとき、前記フック部25bは、現像ユニット40の挿入方向の前部の現像突起部42(図16参照)に当接して該現像突起部42を下方に押し付ける役目をなす。また、前記当接面25eは、画像形成装置本体2内に感光体ユニット20を挿入する際、装置本体2側の当接部材15(図7参照)に当接して、第1のリンクレバー25が図2の反時計方向に回動する構成となっている。更に、前記ストッパ部25fは、感光体ユニット20の本体側に形成されたリブ31に当接して、第1のリンクレバー25の回動量を規制している。
【0020】
第2のリンクレバー26は、図4(及び図14)に示すように、ドラム軸21aに対して回動可能に遊嵌された軸受部26aと、この軸受部26aから延びるアーム部26bの先端側に形成され、第1のシャッタ部材23に枢着される枢着部26cと、を有している。この第2のリンクレバー26は、第1のシャッタ部材23を介して第1のリンクレバー25と一体的に回動するようになっている。
【0021】
第1と第2のシャッタ部材23,24は、例えば合成樹脂や金属等から成るもので、感光体ドラム21のドラム軸21aの幅方向と略同じ幅寸法を有し、感光体ドラム21のドラム面の損傷を防止したりドラム面をゴミの付着等から保護するために配置されている。第1のシャッタ部材23は、図3及び図4に示すように、感光体ドラム21の幅方向に延びるシャッタ部23aと、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側でかつ回動方向の一端側に設けられたボス状の連結部23b、23bと、を有している。この左右側の連結部23b、23bは、ピン30、30を介して第1と第2のリンクレバー25,26の枢着部25d、26b(図13及び図14参照)にそれぞれ接続されている。
【0022】
同様に、第1のシャッタ部材23の回動方向の他端側で、幅方向の左右両端側には、膨大状(断面略円形状)に形成された嵌合部23c、23cを有していて、この嵌合部23c、23cが、第2のシャッタ部材24の左右側の案内部24b、24bに形成されたガイド部としての案内溝24c、24cにスライド自在に嵌合されている。なお、第1のシャッタ部材23の膨大状(断面略円形状)の嵌合部23cの断面の径は、案内溝24c内で容易にスライドできるように、かつ後述する係止突起24dと係合後の解除が容易なように、案内溝24cの溝幅よりも適度に小径に形成されている。
【0023】
また、第1のシャッタ部材23における前記連結部23bの幅方向の内側には、凹部23d(図13及び図14参照)が設けられている。そして、この凹部23dには、前記ピン30と連結部23bとの間に捩りばね(弾性部材)34が設けられ、この捩りばね34の付勢力により、第1のシャッタ部材23は感光体ドラム21を覆う方向(遮蔽方向)に付勢されている。
【0024】
第2のシャッタ部材24は、図3に示すように、感光体ドラム21の幅方向に延びるシャッタ部24aと、感光体ドラム21の幅方向の左右両端側に設けられた前記案内部24b、24bと、を有している。また、この案内部24bに、第1のシャッタ部材23を回動方向にスライド自在に案内する前述した案内溝24cを有している。この案内溝24cの溝方向の終端側(図3の上端側)には、該案内溝24c内に突出するように係止突起24dが設けられている。前記案内溝24cには、前述した第1のシャッタ部材23の嵌合部23cがスライド自在に嵌合している。
【0025】
そして、第1のシャッタ部材23が、感光体ドラム21の下面側を露出させる方向に回動するに従い、膨大状(断面略円形状)の嵌合部23cが前述した案内溝24cに沿って図3の上方にスライド移動する。このスライド移動に伴い、前記嵌合部23cが係止突起24dの位置を通過し、案内溝24cの頂部に当接する。ここで、図2乃至図4に示すように、第2のシャッタ部材24は、その上端部をリンクアーム27によって回動自在に支持されている。このリンクアーム27は、感光体ドラム21の幅方向の左右側に延びるリンク部27aと、その左右端側で略直角方向に折曲されたアーム部27bとを有し、アーム部27bが感光体ユニット20の側面壁に回動自在に支持されている。
【0026】
これにより、第1のシャッタ部材23が、感光体ドラム21を覆う遮蔽位置から露出させる退避位置に回動する途中で、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aにて、第2のシャッタ部材24と前後にオーバラップ(図11、図15等参照)し、それ以後は第1と第2のシャッタ部材23、24が一体となって感光体ドラム21を露出させる方向に回動するようになっている。
【0027】
本実施の形態では、第1のシャッタ部材23が、前述した遮蔽位置から退避位置に回動する際、該第1のシャッタ部材23は、第2のシャッタ部材24の内側(感光体ドラム21に近い側)に入り込んで前後に重なった状態でオーバラップする。このように、第1と第2のシャッタ部材23、24が、オーバラップした状態で一体的に退避位置に移動するため、該退避位置での、第1と第2のシャッタ部材23、24の収容空間を小さくすることができる。よって、第1と第2のシャッタ部材23、24が相対的にスライドすることなく回動する場合に比較して、その分だけ装置の小型化を図ることができる。
【0028】
なお、後述するように、第2のシャッタ部材24の係止突起24dは、第1と第2のシャッタ部材23、24が、感光体ドラム21を露出させる退避位置から遮蔽(覆う)する方向に回動する際、第1のシャッタ部材23の嵌合部23cに引っ掛けられて、途中まで第1と第2のシャッタ部材23、24が一体的に移動するように設けられたものである。
【0029】
以上により、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入することで、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側及び対向側20Aを覆う遮蔽位置(図2乃至図4の状態)から、第1と第2のリンクレバー25、26が回動中心軸(ドラム軸21aと同軸)を中心として回動することに従い、感光体ドラム21の下方側と前記対向側20Aの略半分を露出させる中間退避位置(図10乃至図15の状態)に回動する。
【0030】
更に、第1と第2のシャッタ部材23,24が、この中間退避位置にある状態で、後述するように現像ユニット40が画像形成装置本体2内に挿入されると、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側と前記対向側20Aを完全に露出させた退避位置(図16乃至図19の状態)に至るまで回動するようになっている。
【0031】
すなわち、前記遮蔽位置では、第1のシャッタ部材23は感光体ドラム21の下方の転写ローラ11側を覆うように位置し、かつ第2のシャッタ部材24は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aを覆うように位置する。また、前記中間退避位置では、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側を露出させ、かつ前記対向側20Aの略半分を露出させた状態に位置する。更に、前記退避位置では、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の下方側を露出させ、かつ前記対向側20Aを完全に露出させた状態に位置する。
【0032】
ところで、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際は、図2に示した感光体ユニット20のドラム軸21aとガイド軸38を、図5に示すような、画像形成装置本体2に形成した案内レール13,14に沿って案内・支持する。
【0033】
この際、感光体ユニット20のドラム軸21aが、画像形成装置本体2の幅方向の両側の装置本体フレーム12に形成した一対の下部レール13、13に沿って案内、支持され、また、感光体ユニット20のガイド軸38が、装置本体フレーム12の上部レール14に沿って案内、支持されるようになっている。更に、下部レール13の挿入方向の終端側には、感光体ユニット20の最終的な位置決めポイント13aが形成されている。また、下部レール13の幅方向の両側には、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際に、第1と第2のリンクレバー25、26に係合する当接部材15,15が設けられている。
(現像ユニットの構成)
図6は現像ユニットの外観斜視図である。同図に示すように、現像ユニット40の現像スリーブ41は、該現像ユニット40を画像形成装置本体2に装着した状態で、感光体ドラム21と所定の現像ギャップを保って対向するように、感光体ユニット20との対向側20Aの現像ユニット40の下部に配置されている。また、現像ユニット40の装置本体2への挿入方向の前部には、第1のリンクレバー25のフック部25bに当接する現像突起部42が設けられている。更に、現像ユニット40の装置本体2への挿入方向の後部には、トナーを補給するトナー補給部43とトナーホッパ44が設けられている。また、現像ユニット40には、装置本体2への挿入方向の前方から後方に向けて、順に3本の突出軸45,46,47が側方に突設されている。
【0034】
この現像ユニット40を画像形成装置本体2内に挿入する際は、まず2本の突出軸45,47を、図5における画像形成装置本体2の幅方向の両側に形成した左右一対の上部レール14に沿って案内、支持すると共に、1本の突出軸46を、図示しないレールに沿って案内、支持するようになっている。なお、現像ユニット40は、画像形成装置本体2内に挿入された状態では、図示しないばね等の付勢手段により感光体ユニット20側に押圧されている。
[画像形成装置の作用・動作]
図7乃至図10は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際の、第1と第2のリンクレバー25、26と、第1と第2のシャッタ部材23,24の動きを示す図である。以下、同図7乃至図10に基づき、感光体ユニット20の挿入時の動作を説明する。
【0035】
図7において、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入する際、感光体ユニット20は、装置本体フレーム12に形成された下部レール13と上部レール14に案内されて挿入されるが、第1のリンクレバー25が当接部材15に当接する前の状態では、第1のリンクレバー25は、図示しない捩りばねの付勢力により図の時計方向に最大限回転して、ユニット本体側のリブ31にストッパ部25fが当接した状態に保持されている。このとき、第1のシャッタ部材23は感光体ドラム21の下方を覆うと共に、第2のシャッタ部材24は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aを覆う遮蔽位置にある。
【0036】
図8は、第1のリンクレバー25が当接部材15に当接した状態を示している。この状態では、第1のリンクレバー25の当接面25eが当接部材15の前面壁15aに当接し、第1のリンクレバー25は、図示しない捩りばねの付勢力に抗して30〜45度ほど図の反時計方向に回転した状態になっている。この状態では、第1のリンクレバー25の回転により、該第1のリンクレバー25とピン30で枢着された第1のシャッタ部材23も同方向(図の反時計方向)に回転する。このとき、第1のシャッタ部材23の回動方向の前端側の膨大状(断面略円形状)の嵌合部23bは、第2のシャッタ部材24の案内溝24cを移動する。この状態では、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21の下面側(転写ローラ11側)の略半分程度を露出させた位置に退避している。
【0037】
図9は、感光体ユニット20を更に画像形成装置本体2内に挿入した状態を示す。この場合、第1のリンクレバー25が当接部材15に乗り上げ、図8の状態よりも更に略90度ほど反時計方向に回転している。
【0038】
この状態では、第1のシャッタ部材23の回動方向の前端側の前記嵌合部23cが、第2のシャッタ部材24の案内溝24cに沿って更に移動し、その係止突起24dを越えて案内溝24cの終端側の頂部に当接している。このとき、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21と現像スリーブ41との対向側20Aに回動し、第2のシャッタ部材24と前後に重なった状態(オーバラップした状態)になっている。この状態では、第1のシャッタ部材23は、感光体ドラム21の下面側(転写ローラ11側)を略完全に露出させた位置に退避している。
【0039】
図10は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入して、所定位置に位置決めされた状態を示している。
【0040】
この場合、ドラム軸21aが下部レール13の位置決めポイント13aに到達しており、第1のリンクレバー25の当接面25eの隅部25e’が、当接部材15の当接面に接した状態で位置決めされている。この状態では、図11乃至図15に示すように、第1のシャッタ部材23の回動方向の前端側の膨大状(断面略円形状)の嵌合部23cが、第2のシャッタ部材24の案内溝24cの終端側の頂部に当接して、かつその頂部を図の上方に若干押し上げる。このため、第2のシャッタ部材24(及び第1のシャッタ部材23)は、上方に押し上げられながら、リンクアーム27の基端側27cを中心として図11の反時計方向に向けて上方に若干回動する。
【0041】
これにより、第2のシャッタ部材24(及び第1のシャッタ部材23)は、上方に若干回動して、感光体ドラム21の現像スリーブ41との対向側20Aの略半分を露出させた位置に移動する。この状態では、図11及び図12に示すように、リンクアーム27は、その基端側27cを中心として略水平位置になるように回動し、第2のシャッタ部材24(及び第1のシャッタ部材23)は、前記対向側20Aの略半分を露出させた状態となっている(中間退避位置)。
なお、図13及び図14に示すように、第1と第2のリンクレバー25、26の枢着部25d、26bには、該枢着部25d、26bと、感光体ドラム21を露出させる方向に移動する第2のシャッタ部材24の案内部24bと、の干渉を避けるため、逃げ空間32,33が設けられている。
【0042】
図15は、中間退避位置における感光体ドラム21、第1と第2のシャッタ部材23、24、リンクアーム27の位置関係を示している。この中間退避位置では、リンクアーム27は基端側27cを中心として略水平位置に回転して、第1と第2のシャッタ部材23,24を持ち上げ支持している。そして、第1と第2のシャッタ部材23,24は、感光体ドラム21の前記対向側20Aを半分露出させた状態で停止している。
【0043】
以上のように、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内に挿入することで、第1と第2のシャッタ部材23、24が、感光体ドラム21を覆う遮蔽位置から、感光体ドラム21の下方と前記対向側20Aを半分露出させた中間退避位置に回動する際、先ず第1のシャッタ部材23が第2のシャッタ部材24とオーバラップする位置(重なる位置)まで回動して、感光体ドラム21の下面側(転写ローラ11側)を露出させる。更に、感光体ユニット20を深く挿入するに伴い、オーバラップ状態の第1と第2のシャッタ部材23、24が、リンクアーム27の基端側27cを中心として、感光体ドラム21の前方(画像形成装置本体2への感光体ユニット20の挿入方向と反対方向)に移動して感光体ドラム21の前記対向側20Aの下方を露出させる。
【0044】
そして、第1と第2のシャッタ部材23、24が、感光体ドラム21の前記対向側20Aの下方を露出させる方向に回動する際、該第1と第2のシャッタ部材23、24は一体で画像形成装置本体2内を感光体ユニット20の挿入方向と反対方向に上方移動するので、感光体ドラム21側にゴミや塵等の異物が侵入するのを防止することができる。なお、図11乃至図15が、第1と第2のシャッタ部材23、24の中間退避位置を示している。
【0045】
図16乃至図19は、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内の所定位置に位置決めした後、現像ユニット40を挿入した状態を示す図である。
【0046】
すなわち、図16及び図17に示すように、感光体ユニット20を画像形成装置本体2内の所定位置に挿入した後(このとき、第1と第2のシャッタ部材23、24は中間退避位置にある)、現像ユニット40を挿入すると、この現像ユニット40が正規の位置まで挿入される手前で、第1のリンクレバー25の段差部25cに、現像ユニット40の前部の現像突起部42が入り込む。このとき、第1のリンクレバー25のフック部25bが、図示しない捩りばねの付勢力で現像突起部42を図の時計方向に付勢することで、該現像突起部42を下方に押し付け、これにより、感光体ドラム21と現像スリーブ41は所定の現像ギャップを保持した状態に維持される。
【0047】
更に、この現像ユニット40を挿入することで、現像突起部42が第1のリンクレバー25のフック部25bに当接し、このフック部25bを介して第1のリンクレバー25を図16乃至図19の反時計方向に増量分回動させる。この際、第1と第2のシャッタ部材23、24は、リンクアーム27の基端側27cを中心として、更に感光体ドラム21の前方(画像形成装置本体2への感光体ユニット20の挿入方向と反対方向)に移動する。こうして、第1のリンクレバー25が増量分回動する結果、第1と第2のシャッタ部材23、24も、中間退避位置よりも更に感光体ドラム21の前記対向側20Aを露出させる方向に上方に回動する(退避位置)。
【0048】
そして、このときの第1と第2のシャッタ部材23、24の位置が、感光体ドラム21のドラム面を最終的に露出させる退避位置となっている。なお、図16乃至図19は、第1と第2のシャッタ部材23、24が退避位置にある状態を示している。
【0049】
次に、感光体ユニット20及び現像ユニット40を画像形成装置本体2内に挿入した状態から、現像ユニット40を抜き出すと、図11乃至図15に示したように、第1と第2のリンクレバー25、26が、図11乃至図15の時計方向(感光体ドラム21を遮蔽する方向)に若干戻り回転する。これに伴い、第1と第2のリンクレバー25、26に枢着された第1のシャッタ部材23が感光体ドラム21を遮蔽する方向に同量回動する。更に、この第1のシャッタ部材23は、第2のシャッタ部材24の係止突起24dに係止されているため、この第2のシャッタ部材24も第1のシャッタ部材23と一体的に中間退避位置まで戻り回転する。
【0050】
こうして、画像形成装置本体2から現像ユニット40を抜き出して、第1と第2のシャッタ部材23、24が中間退避位置にある状態から、感光体ユニット20を抜き出すと、第1のリンクレバー25と画像形成装置本体2内の当接部材15との当接が解除され、該第1のリンクレバー25は、図8の位置まで時計方向に戻り回転する。そして、やがて図7の位置では、第1のリンクレバー25の回転は停止するが、図8から図7に至る途中で、第1のシャッタ部材23には、自重により重力方向に力が作用すると共に、第2のシャッタ部材24に対しドラム軸21aを中心として円周方向(時計方向)に回転しようとする。このため、第1のシャッタ部材23の嵌合部23cと案内部24bの係止突起24dとの係合が解除され、第1のシャッタ部材23の嵌合部23cは解放されてスライド自在となる。こうして、図2乃至図4に示したように、第1のシャッタ部材23は、第2のシャッタ部材24に対しスライドして感光体ドラム21の下面側を覆い、かつ第2のシャッタ部材24は感光体ドラム21の対向側2Aを覆う遮蔽位置となる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、或いはこれらの機能を併有した複合機等の画像形成装置の分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施の形態の画像形成装置の概略の断面側面図である。
【図2】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は遮蔽位置)。
【図3】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は遮蔽位置)。
【図4】感光体ユニットを下方から見た斜視図である(シャッタ部材は遮蔽位置)。
【図5】画像形成装置本体の本体フレームの斜視図である。
【図6】現像ユニットの斜視図である。
【図7】画像形成装置本体内に感光体ユニットを挿入するときの状態を示す図である。
【図8】画像形成装置本体内に感光体ユニットを挿入し、感光体ユニットが突起部に当接した状態を示す図である。
【図9】画像形成装置本体内に感光体ユニットを挿入し、感光体ユニットが突起部を乗り上げた状態を示す図である。
【図10】画像形成装置本体内に感光体ユニットを所定の位置に挿入した状態を示す図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図11】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図12】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図13】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図14】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は中間退避位置)。
【図15】シャッタ部材が中間退避位置にあるときの側面図である。
【図16】画像形成装置を下方から見た斜視図である(シャッタ部材は退避位置)。
【図17】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は退避位置)。
【図18】感光体ユニットの側面図である(シャッタ部材は退避位置)。
【図19】シャッタ部材が退避位置にあるときの側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1……画像形成装置、2……画像形成装置本体、20……感光体ユニット、20A……対向側、21……感光体ドラム、21a……ドラム軸、23……第1のシャッタ部材、23a……シャッタ部、23b……連結部、23c……嵌合部、24……第2のシャッタ部材、24a……シャッタ部、24b……案内部、24c……案内溝(ガイド部)、24d……係止突起、25……第1のリンクレバー、26……第2のリンクレバー、27……リンクアーム、34……捩りばね(弾性部材)、40……現像ユニット、41……現像スリーブ、P……記録材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムを有する感光体ユニットと、現像スリーブを有する現像ユニットと、がそれぞれ画像形成装置本体に着脱可能に設けられ、
前記感光体ユニットは、前記感光体ドラムの幅方向の左右端側でドラム軸に対して回動自在に取り付けられたリンク部材と、前記リンク部材に枢着され前記感光体ドラムを保護するシャッタ部材と、を有し、前記シャッタ部材が前記感光体ドラムを覆う遮蔽位置から露出させる退避位置まで回動自在に設けられ、
前記現像ユニットは、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとが適切な現像ギャップを保って対向配置された画像形成装置において、
前記シャッタ部材は、前記感光体ユニットを前記画像形成装置本体から抜き出した状態で、前記感光体ドラムの下方にて前記感光体ドラム表面のトナー像を記録材に写し取る転写装置側を覆う第1のシャッタ部材と、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとの対向側を覆う第2のシャッタ部材と、を有し、
前記第1のシャッタ部材は、前記遮蔽位置から前記退避位置に回動する途中の前記対向側にて、前記第2のシャッタ部材とオーバラップして一体的に回動する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを、前記画像形成装置本体に装着した状態では、前記現像ユニットが前記リンク部材に押圧力を付与して、前記第1と第2のシャッタ部材を前記退避位置に回動させて保持し、
前記現像ユニットを抜き出して前記押圧力を解除すると、前記第1と第2のシャッタ部材はオーバラップしたまま前記退避位置から前記対向側まで回動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記リンク部材と前記第1のシャッタ部材との間に、前記第1のシャッタ部材を前記感光体ドラムを覆う方向に付勢する弾性部材を装着した、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1のシャッタ部材が、前記対向側にて前記第2のシャッタ部材とオーバラップするように、前記第2のシャッタ部材に前記第1のシャッタ部材を案内するガイド部を設け、
前記ガイド部に、前記第1のシャッタ部材を係止する係止突起を設け、
前記係止突起により、前記第1と第2のシャッタ部材が前記退避位置から前記対向側まで回動する時に、前記第1のシャッタ部材を係止する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
感光体ドラムを有する感光体ユニットと、現像スリーブを有する現像ユニットと、がそれぞれ画像形成装置本体に着脱可能に設けられ、
前記感光体ユニットは、前記感光体ドラムの幅方向の左右端側でドラム軸に対して回動自在に取り付けられたリンク部材と、前記リンク部材に枢着され前記感光体ドラムを保護するシャッタ部材と、を有し、前記シャッタ部材が前記感光体ドラムを覆う遮蔽位置から露出させる退避位置まで回動自在に設けられ、
前記現像ユニットは、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとが適切な現像ギャップを保って対向配置された画像形成装置において、
前記シャッタ部材は、前記感光体ユニットを前記画像形成装置本体から抜き出した状態で、前記感光体ドラムの下方にて前記感光体ドラム表面のトナー像を記録材に写し取る転写装置側を覆う第1のシャッタ部材と、前記感光体ドラムと前記現像スリーブとの対向側を覆う第2のシャッタ部材と、を有し、
前記第1のシャッタ部材は、前記遮蔽位置から前記退避位置に回動する途中の前記対向側にて、前記第2のシャッタ部材とオーバラップして一体的に回動する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ユニットと前記現像ユニットとを、前記画像形成装置本体に装着した状態では、前記現像ユニットが前記リンク部材に押圧力を付与して、前記第1と第2のシャッタ部材を前記退避位置に回動させて保持し、
前記現像ユニットを抜き出して前記押圧力を解除すると、前記第1と第2のシャッタ部材はオーバラップしたまま前記退避位置から前記対向側まで回動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記リンク部材と前記第1のシャッタ部材との間に、前記第1のシャッタ部材を前記感光体ドラムを覆う方向に付勢する弾性部材を装着した、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1のシャッタ部材が、前記対向側にて前記第2のシャッタ部材とオーバラップするように、前記第2のシャッタ部材に前記第1のシャッタ部材を案内するガイド部を設け、
前記ガイド部に、前記第1のシャッタ部材を係止する係止突起を設け、
前記係止突起により、前記第1と第2のシャッタ部材が前記退避位置から前記対向側まで回動する時に、前記第1のシャッタ部材を係止する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−3690(P2006−3690A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180753(P2004−180753)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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