説明

画像形成装置

【課題】 画像形成位置の検査時間を短縮して検査効率を向上させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 カラー画像を形成する画像形成手段と、調整用画像の形成指示を受付けた場合は前記画像形成手段に調整用画像を形成させる制御手段とを備え画像形成装置において、前記制御手段は、同じ色の線が交差している複数色の交差部及び異なる色の線の先端が突き当てられている突き当て部を有する調整用画像80C,80M,80Y,80Kを形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像を形成する画像形成手段と、調整用画像の形成指示を受付けた場合は前記画像形成手段に調整用画像を形成させる制御手段とを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機又は複合機などの画像形成装置の中にはカラー画像の形成が可能なものもあり、例えばC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の各色成分画像を重ね合わせてカラー画像を形成する。カラー画像の画質を良好に保つためには、各色成分画像の形成位置のずれ量を最小限に抑えることが重要になってくる。よって、C,M,Y,Kの各色成分画像の調整用画像を形成し、各色成分画像の色ずれの有無を検査し、色ずれがある場合は形成位置を補正することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−277599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
色ずれの有無の検査は、CCD(Charge Coupled Device)などを有する測定機で行ったり、検査員が目視で行っている。測定機を用いる場合は検査に時間がかかるが検査精度は高く、目視の場合は検査精度は低くなるが検査時間は短い。目視用の調整用画像としては、各色成分の格子状図形を重ねたものが多く用いられている。ただし、C,M,Y,Kの全色の格子状図形を重ねた場合、色ずれの有無が判定し難くなるため、K及びCを重ねたもの、K及びYを重ねたもの、K及びMを重ねたものを別々に形成して検査を行っているため、検査用の画像が3種類必要となり、検査に時間がかかるという問題がある。また、測定機用の調整用画像としては、C,M,Y,Kの検査用パターンを形成し、例えばKのパターンを基準にしたC,M,Yのパターンの形成位置を検出し、検出した位置に基づいて色ずれの有無を判定している。そのため、測定機による検査と目視による検査とを併用する場合、測定機用の調整用画像と目視用の調整用画像とを別々に用意する必要がある。調整用画像を別々に用意する場合、用意及び検査の手間が増えると共に、調整用画像の管理の手間が増えるという問題がある。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、同じ色の線が交差している交差部及び異なる色の線の先端が突き当てられている突き当て部を有する調整用画像を制御手段が形成させるように構成したことにより、検査時間を短縮して検査効率を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、前記調整用画像は、複数色の十字図形を含み、色の異なる十字図形の先端同士が突き当たるように配置、又は、複数色の十字図形及び直線を含み、色の異なる十字図形及び直線の先端同士が突き当たるように配置してあることにより、検査ポイントを容易に把握することができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
【0006】
また、本発明は、前記調整用画像が、前記十字図形を構成する直線と先端同士が突き当たるように配置してある前記直線と垂直な直線を含むことにより、直行する2方向の位置ずれの検査を容易に行うことができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
【0007】
また、本発明は、前記調整用画像が卍状図形又は田の字状図形を含むことにより、検査ポイントを容易に把握することができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
【0008】
また、本発明は、前記調整用画像は、十字図形を含む4色の単位画像を2行2列に並べたものを1ブロックとし、複数のブロックを並べた複数の列を交互に半ブロックずらしながら配置してあることにより、各色成分の検査ポイントを近接させて検査を効率よく行うことができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、前記調整用画像がシートの搬送方向と垂直に並べられた複数の十字図形を含むことにより、検査ポイントを容易に特定することができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、前記調整用画像が2つの四角形を各四角形の一方の対角線が同一直線上となるように配置した図形を含むことにより、検査ポイントを容易に把握することができる画像形成装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、カラー画像を形成する画像形成手段と、調整用画像の形成指示を受付けた場合に前記画像形成手段に調整用画像を形成させる制御手段とを備える画像形成装置において、前記制御手段は、同じ色の線が交差している交差部及び異なる色の線の先端が突き当てられている突き当て部を有する調整用画像を形成させるように構成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、前記調整用画像は、複数色の十字図形を含み、色の異なる十字図形の先端同士が突き当たるように配置、又は、複数色の十字図形及び直線を含み、色の異なる十字図形及び直線の先端同士が突き当たるように配置してあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像形成装置は、前記調整用画像は、前記十字図形を構成する直線と先端同士が突き当たるように配置してある前記直線と垂直な直線を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、前記調整用画像は、卍状図形又は田の字状図形を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、前記調整用画像は、十字図形を含む4色の単位画像を2行2列に並べたものを1ブロックとし、複数のブロックを並べた複数の列を交互に半ブロックずらしながら配置してあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、前記調整用画像は、該調整用画像が形成されるシートの搬送方向と垂直に並べられた複数の十字図形を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、前記調整用画像は、2つの四角形を各四角形の一方の対角線が同一直線上となるように配置した図形を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明においては、同じ色の線が交差している交差部及び異なる色の線の先端が突き当てられている突き当て部を有する調整用画像を制御手段が画像形成手段に形成させるため、CCDなどを有する測定機で交差部の位置ずれを検出できると共に、検査員などが目視で突き当て部における位置ずれを検出することができる。調整用画像には複数色の交差部及び突き当て部が含まれているため、全色に対する検査を1種類の調整用画像で行うことができ、検査時間を短縮することができる。また、交差部を測定機で検査し、突き当て部を目視で検査することにより、測定機による検査及び目視による検査を同一の調整用画像を用いて行うことができる。
【0019】
本発明においては、前記調整用画像は、複数色の十字図形を含み、色の異なる十字図形の先端同士が突き当たるように配置、又は、複数色の十字図形及び直線を含み、色の異なる十字図形及び直線の先端同士が突き当たるように配置してあるため、十字図形の中心(交差部)を測定機による検査に用いることができると共に、十字図形の先端(突き当て部)を目視による検査に用いることができ、検査ポイントを容易に把握することができる。
【0020】
本発明においては、前記調整用画像は、前記十字図形を構成する直線と先端同士が突き当たるように配置してある前記直線と垂直な直線を含んでおり、突き当て部が直角に折れ曲がっているため、直行する2方向(例えば主走査方向及び副走査方向)の位置ずれの検査を容易に行うことができる。
【0021】
本発明においては、前記調整用画像は卍状図形又は田の字状図形を含んでおり、測定機による検査を行う場合は、卍状図形又は田の字状図形の中心(十字の交差部)が検査ポイントとなり、目視による検査を行う場合は、卍状図形同士又は田の字状図形同士の隣接部(突き当て部)が検査ポイントとなるため、検査ポイントの把握が容易になる。
【0022】
本発明においては、前記調整用画像は、十字図形を含む4色の単位画像を2行2列に並べたものを1ブロックとし、複数のブロックを並べた複数の列を交互に半ブロックずらしながら配置してあるため、ある色の単位画像と隣り合うように他の3色の単位画像を配置することが可能であり、各色成分の検査ポイントを近接させて検査を効率よく行うことができる。また、複数ブロックのうちの任意のブロックの検査ポイントを検査することができるため、調整用画像が形成されたシートの任意位置に対して検査を行うことができる。例えば主走査方向又は副走査方向に沿う検査ポイントで検査を行うことができる。
【0023】
本発明においては、前記調整用画像はシートの搬送方向と垂直に並べられた複数の十字図形を含んでおり、前記十字図形を目盛りとして使用し、目視又は測定機による検査時の基準位置にして、調整用画像内の検査ポイントの特定を容易にし、検査効率を向上させることができる。また、シートの搬送方向と垂直方向(主走査方向)に延びているfθレンズは、中心のずれは小さいが、端部のずれは大きい傾向があるため、前記十字図形をfθレンズの検査に用いることも可能である。
【0024】
本発明においては、前記調整用画像は、2つの四角形を各四角形の一方の対角線が同一直線上となるように配置した図形を含んでおり、卍状図形又は田の字状図形と同様に、検査ポイントの把握が容易になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、全色に対する検査を1種類の調整用画像で行うことができ、検査時間を短縮して検査効率を向上させることができる。また、測定機による検査及び目視による検査を同一の調整用画像を用いて行うことができ、調整用画像の用意、管理及び検査の手間を低減することができる。
【0026】
本発明によれば、検査ポイントを容易に把握することができる。
【0027】
本発明によれば、直行する2方向の位置ずれの検査を容易に行うことができる。
【0028】
本発明によれば、各色成分の検査ポイントを近接させて検査を効率よく行うことができる。
【0029】
本発明によれば、調整用画像内の検査ポイントの特定を容易にし、検査効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の要部構成を示す模式図である。画像形成装置は、主要構成として、画像が形成される感光ドラム10と、レーザビームを出力するレーザダイオード42と、レーザダイオード42から出力されたレーザビームを感光ドラム10へ導く第1ミラー44、ポリゴンミラー40、及び第2ミラー46と、レーザビームによって感光ドラム10に形成された潜像を現像する現像ローラ24と、感光ドラム10に形成された画像が転写される転写ベルト30と、転写ベルト30に転写された画像を用紙(シート)50に転写する転写ローラ36と、用紙に転写された画像を定着させる定着ローラ38とを備える。
【0031】
感光ドラム10は、ブラック用の感光ドラム10Kと、シアン用の感光ドラム10Cと、マゼンタ用の感光ドラム10Mと、イエロー用の感光ドラム10Yとを含む。同様に、現像ローラ24は、ブラック用の現像ローラ24Kと、シアン用の現像ローラ24Cと、マゼンタ用の現像ローラ24Mと、イエロー用の現像ローラ24Yとを含む。また、レーザダイオード42は、ブラック用のレーザダイオード42Kと、シアン用のレーザダイオード42Cと、マゼンタ用のレーザダイオード42Mと、イエロー用のレーザダイオード42Yとを含む。
【0032】
また、第1ミラー44は、シアン用のレーザダイオード42C、マゼンタ用のレーザダイオード42M、イエロー用のレーザダイオード42Yの夫々から出力されたレーザビームをポリゴンミラー40へ導くシアン用の第1ミラー44C、マゼンタ用の第1ミラー44M、イエロー用の第1ミラー44Yを含む。また、第2ミラー46は、ポリゴンミラー40で反射されたレーザビームを、ブラック用の感光ドラム10K、シアン用の感光ドラム10C、マゼンタ用の感光ドラム10M、イエロー用の感光ドラム10Yの夫々に導くブラック用の第2ミラー46K、シアン用の第2ミラー46C、マゼンタ用の第2ミラー46M、イエロー用の第2ミラー46Yを含む。
【0033】
転写ベルト30はループ状であり、転写ベルト30の表面と対向するように各色成分の感光ドラム10K,10C,10M,10Yが並んで配置されている。また、転写ベルト30に転写された画像は、転写ベルト30に内接するベルト駆動ローラ32により、感光ドラム10に対して図中右から左へ移動する。また、転写ベルト30を挟んでベルト駆動ローラ32と対向するように転写ローラ36が配置されており、転写ローラ36を通過する用紙50に、転写ベルト30から画像が転写され、定着ローラ38によって定着される。
【0034】
図2は、画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。画像形成装置は、レーザダイオード42K,42C,42M,42Y及びポリゴンミラー40などを含むLSU(Laser Scanning Unit、画像形成手段)64と、感光ドラム10K,10C,10M,10Y及び現像ローラ24K,24C,24M,24Yなどを含む現像部72と、定着ローラ38及びヒータ76を含む定着部74と、感光ドラム10,ベルト駆動ローラ32,及びポリゴンミラー40などを駆動する駆動部66と、原稿画像を読取るイメージスキャナなどの画像入力部62と、上述したLSU64,駆動部66,画像入力部62,現像部72,及び定着部74を制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御部60と、制御部60に接続された画像メモリ34、表示部68及び操作部70とを備える。また、制御部60は、制御用プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)及び一時的なデータなどを記憶するRAM(Random Access Memory)を備える。操作部70は、スタートキー、キャンセルキー、テンキー、及びファンクションキーなどの各種操作用のキーを備える。また、表示部68は、液晶表示パネルを用いているが、例えばタッチパネルを用いることにより、表示部68を操作部70として使用することも可能である。
【0035】
画像形成装置は、複数の色成分画像を重ね合わせたカラー画像を用紙50に形成することが可能であるが、操作部4への操作に応じて、制御部(制御手段)60が画像メモリ34に各色成分の形成位置の調整用画像を準備し、準備した調整用画像を形成することも可能である。図3(a)〜(c)は、調整用画像を用いた各色成分の形成位置の検査の概要を示す図である。図3(a)に示すように、C,M,Y,Kの各色成分の十字パターン(単位画像)80C,80M,80Y,80Kを、先端同士が突き当たるようにして2行2列に並べた単位画像ブロックを形成する。図3(a)に対して、図3(b)においてはYの十字パターン80Yの形成位置が右方向にずれており、図3(c)においてはMの十字パターン80Mの形成位置が下方向にずれており、このようなずれの検査が行われる。
【0036】
図4(a)は本実施の形態で用いる調整用画像の単位画像ブロックの例を示す図であり、図4(b)は複数の単位画像ブロックの配置例を示す図であり、図5は調整用画像の形成領域の例を示す図である。図4(a)に示すように、単位画像ブロックは、C,M,Y,Kの各色成分の卍パターン(単位画像)82C,82M,82Y,82Kを、卍パターンに含まれる十字部分の先端同士及び卍パターンの先端同士が突き当たるようにして2行2列に並べたものである。図の例では、Kの卍パターン82Kの上隣にYの卍パターン82Yが配置され、Kの卍パターン82Kの左隣にMの卍パターン82Mが配置されている。各卍パターン82C,82M,82Y,82Kの線幅は1ドット(42μm)、縦幅及び横幅は共に61ドットである。調整用画像は、図4(b)に示すように、卍パターンに含まれる十字部分の先端同士及び卍の先端同士が突き当たるように並べられた複数の単位画像ブロックを含む。ただし、図4(b)に示すように、各単位画像ブロックは、上下方向に1単位画像分(半単位画像ブロック分)ずらして、Kの卍パターン82Kの右隣がCの卍パターン82Cとなるように配置されている。
【0037】
図5に示すように、調整用画像として、用紙90の右端に沿って複数の十字パターン94が配置され、用紙90の他の部分(形成領域92)に複数の単位画像ブロックが配置される。図6は十字パターン94(図の例ではブラック)の配置の詳細を示す要部拡大図である。十字パターン94Kは、線幅は1ドットであり、縦幅及び横幅が共に61ドットであり、Kの卍パターン82Kの中心点と十字パターン94Kの中心点の上下方向の座標が同一になるように、Kの卍パターン82Kから右方向に59ドットの間隔を空けて配置されている。また、十字パターン94Kは、Kの卍パターン82Kが4つ形成される毎(480ドット毎)に形成される。また、図7の十字パターン94の配置の詳細を示す要部拡大図に示すように、Kの十字パターン94K間に、Yの十字パターン94Y、Mの十字パターン94M、Cの十字パターン94Cを等間隔に配置することも可能である。
【0038】
図8は調整用画像を準備する際の複数の単位画像ブロックの配置処理の例を示すフローチャートである。なお、図5に示すように、単位画像ブロックを配置する形成領域92の右上を原点(X0,Y0)とし、下方向をX方向、左方向をY方向としている。また、シートの搬送方向は−Y方向であり、十字パターン94はX方向に並べられている。また、単位画像ブロック及び十字パターンは予めROMに記憶されている。制御部60は、RAMに記憶されている変数N,MをN=0,M=0にし(S10)、画像メモリ34に記憶されている調整用画像の形成領域92内の座標(X0+120N,Y0+120M)に単位画像ブロックを配置(S12)した後、RAMに記憶されているNに1を加算する(S14)。Nが所定値(用紙サイズに応じて決まり、図の例では54)を超えるまで同様の処理を繰返す(S16:NO、S12、S14)。Nが54を超えた場合(S16:YES)、制御部60は、RAMに記憶されているNを0にリセットすると共に、Mに1を加算する(S18)。
【0039】
続いて、制御部60は、画像メモリ34に記憶されている調整用画像の形成領域92内の座標(X0+60+120N,Y0+120M)に単位画像ブロックを配置(S20)した後、RAMに記憶されているNに1を加算する(S22)。Nが54を超えるまで同様の処理を繰返す(S24:NO、S20、S22)。Nが54を超えた場合(S24:YES)、制御部60は、RAMに記憶されているNを0にリセットすると共に、Mに1を加算する(S26)。Mが所定値(用紙サイズに応じて決まり、図の例では40)に達した場合(S28:YES)は調整用画像の準備を終了し、Mが40に達していない場合(S28:NO)は同様の処理(S12〜S26)を繰返す。
【0040】
画像メモリ34に記憶されている調整用画像に基づいて制御部60がLSU64などを制御して、調整用画像の各色成分が感光ドラム10K,10C,10M,10Yに形成され、転写ベルト30に転写され、用紙に現像される。調整用画像を用いて図4(b)に示すように、卍パターン82C,82M,82Y,82Kの中心部(交差部)PC,PM,PY,PKの位置ずれを測定機を用いて検査し、Kの卍パターン82KとC,M,Yの卍パターン82C,82Y,82Kの突き当て部QC,QM,QYの位置ずれを目視で検査することができる。突き当て部QC,QM,QYは卍パターン82Kの周辺に位置しているため、検査位置の把握が容易になり、目視検査を効率的に行うことができる。また、交差部PC,PM,PY,PKも含まれているため、測定機による検査も同一調整用画像を用いて行うことができ、検査効率が向上する。
【0041】
上述した実施の形態においては、卍状の単位画像を用いたが、基本画像は十字図形を含んでいればよく、例えば図9(a)の調整用画像の単位画像ブロックの他の例を示す図及び図9(b)の複数の単位画像ブロックの配置例を示す図に示すように田の字状の単位画像84C,84M,84Y,84Kを用いたり、図10(a)の調整用画像の単位画像ブロックの他の例を示す図及び図10(b)の複数の単位画像ブロックの配置例を示す図に示すように十字図形の4つの先端のうち、上側及び左側の先端をくの字状につなぎ、下側及び右側の先端をくの字状につないで、2つの四角形を各四角形の一方の対角線が同一直線上となるように配置した単位画像を用いることも可能である。
【0042】
上述した各実施の形態においては、卍パターン又は田の字パターンなどを例にして説明したが、調整用画像は、同色の線が交差する交差部と、異なる色成分の直線の先端同士が突き当てられた突き当て部とを少なくとも有していればよく、例えば各色成分の十字パターンと、該十字パターンと先端同士が突き当てられた異なる色の直線とで調整用画像を構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る画像形成装置の要部構成を示す模式図である。
【図2】画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】調整用画像を用いた各色成分の形成位置の検査の概要を示す図である。
【図4】(a)は本実施の形態で用いる調整用画像の単位画像ブロックの例を示す図であり、(b)は複数の単位画像ブロックの配置例を示す図である。
【図5】調整用画像の形成領域の例を示す図である。
【図6】十字パターンの配置の詳細を示す要部拡大図である。
【図7】十字パターンの配置の詳細を示す要部拡大図である。
【図8】調整用画像を準備する際の複数の単位画像ブロックの配置処理の例を示すフローチャートである。
【図9】(a)は調整用画像の単位画像ブロックの他の例を示す図であり、(b)は複数の単位画像ブロックの配置例を示す図である。
【図10】(a)は調整用画像の単位画像ブロックの他の例を示す図であり、(b)は複数の単位画像ブロックの配置例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10K,10C,10M,10Y 感光ドラム
24K,24C,24M,24Y 現像ローラ
30 転写ベルト
32 ベルト駆動ローラ
34 画像メモリ
38 定着ローラ
42K,42C,42M,42Y レーザダイオード
50 用紙
60 制御部
62 画像入力部
64 LSU
66 駆動部
68 表示部
70 操作部
72 現像部
74 定着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像を形成する画像形成手段と、調整用画像の形成指示を受付けた場合に前記画像形成手段に調整用画像を形成させる制御手段とを備える画像形成装置において、
前記制御手段は、同じ色の線が交差している交差部及び異なる色の線の先端が突き当てられている突き当て部を有する調整用画像を形成させるように構成してあることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記調整用画像は、複数色の十字図形を含み、色の異なる十字図形の先端同士が突き当たるように配置、又は、複数色の十字図形及び直線を含み、色の異なる十字図形及び直線の先端同士が突き当たるように配置してあることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記調整用画像は、前記十字図形を構成する直線と先端同士が突き当たるように配置してある前記直線と垂直な直線を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記調整用画像は、卍状図形又は田の字状図形を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整用画像は、十字図形を含む4色の単位画像を2行2列に並べたものを1ブロックとし、複数のブロックを並べた複数の列を交互に半ブロックずらしながら配置してあることを特徴とする請求項2乃至4の何れかひとつに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記調整用画像は、該調整用画像が形成されるシートの搬送方向と垂直に並べられた複数の十字図形を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れかひとつに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記調整用画像は、2つの四角形を各四角形の一方の対角線が同一直線上となるように配置した図形を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−15355(P2007−15355A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202158(P2005−202158)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】