説明

画像形成装置

【課題】定着装置において温度検出センサが定着回転体から離隔しても画像形成を続けることができ、温度検出センサが定着回転体から離隔した状態から定着回転体に接触したときでも、定着回転体自体の温度が正常であれば、画像形成を続けることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体Sに転写されるトナー像を、ヒータHで加熱される定着回転体91と加圧回転体92との間に該記録媒体を挟持しつつ通過させることで記録媒体Sに定着させることができ、定着回転体温度が温度検出センサ90の検出温度に基づく温調制御部Contによるヒータ制御により温調制御される画像形成装置A。センサ90が定着回転体91から離隔しているときは接触時温調制御とは異なる温調制御を行い、センサ90が離隔状態から定着回転体91へ接触すると、ヒータHを所定時間オフした後、センサ90の検出温度が所定温度以上であると異常状態と判断する画像形成装置A。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式等の複写機、プリンタ、フアクシミリ機、これらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式等の画像形成装置では、一般的には、静電潜像担持体の表面を所定電位に帯電させ、該帯電域に画像露光装置或いは静電記録装置などで形成しようとする画像に応じた静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該トナー像を中間転写体を介して、或いは直接、記録媒体に転写し、定着装置で加熱加圧下に該記録媒体に定着させる。
【0003】
かかる画像形成装置は、モノクロ画像形成装置と2色以上のトナーを用いて画像形成できるカラー画像形成装置(代表的なものはフルカラー画像形成装置)に大別できる。
モノクロ画像形成装置では、静電潜像担持体上に形成されるトナー像は、一般的には、直接記録媒体上に転写され、定着される。しかし、中間転写体を介して記録媒体に転写され、定着されることもある。
【0004】
カラー画像形成装置としては、所謂4サイクル型カラー画像形成装置やタンデム型カラー画像形成装置等が知られているが、静電潜像担持体上に形成されるトナー像は、通常、中間転写体に1次転写され、該中間転写体から記録媒体上へ2次転写され、該記録媒体に定着装置で加熱加圧下に定着される。
【0005】
このように、いずれにしても、記録媒体上に転写されたトナー像は、定着装置により記録媒体に加熱加圧下に定着される。
定着装置の一般的なものは、ヒータにより加熱される定着回転体(ローラ、無端ベルト等の形態の回転体)と該定着回転体にトナー像を保持した記録媒体を圧接させつつ通過させるための加圧回転体とを有しており、ヒータにより加熱される定着回転体は、トナー像定着に適する所謂定着温度へ向け温度調節制御(所謂温調制御)され、この温調制御のために定着回転体温度を検出する温度検出センサが設けられている。該温度検出センサは代表的には定着回転体に接触配置されるサーミスターである。
【0006】
ところで、画像形成装置では、定着装置において記録媒体の詰まり(所謂ジャム)が発生し、その処理においてサーミスターがユーザーに触れられて定着回転体から離されてしまったり、記録媒体粉(記録媒体が記録紙であるときは紙粉)やゴミがサーミスターに付着し、そのためにサーミスターが定着回転体から離れたり、或いは経時変化によりサーミスターが定着回転体から離れたりすることがある。
定着回転体に接触配置されることで定着回転体温度を検出するサーミスターがこのように定着回転体から離れると温調制御ができなくなる。
【0007】
この点、例えば特開2003−76177号公報では、サーミスターが何らかの原因(例えばジャム処理時のサーミスターヘの接触)で定着回転体から離れるとサーミスターで検出される温度の変化が、定着回転体の実際の温度変化とは異なってくることに着目し、ヒータによる定着回転体の加熱動作に伴ってサーミスターで検出される温度の変化状況に基づいて該サーミスターの定着回転からの離反を判断する技術が記載されている。
【0008】
また、特開平9−80963号公報には、定着回転体からサーミスターが離隔すると、該離隔によりサーミスターによる検出温度が急激に低下することや、定着回転体の温調制御や画像形成装置の電源オフ等においてサーミスターによる検出温度が低下するときの温度変化率がサーミスターが定着回転体に接触しているときと、定着回転体から離反しているときでは異なることに着目し、該サーミスターによる検出温度の急な低下や該検出温度の異常な降下状態に基づいてサーミスターの定着回転からの離隔を判断する技術が記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開2003−76177号公報
【特許文献2】特開平9−80963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特開2003−76177号公報や特開平9−80963号公報によると、サーミスターが定着回転体から離反したことが検出されると、異常状態が発生したとしてて画像形成が停止されてしまい、サーミスター離反後は画像形成動作を継続できない。
【0011】
また、何らかの原因で、例えばサーミスターに付着した記録媒体粉やゴミが剥がれて、離れていたサーミスターが再び定着回転体に接触するようになったとき、正常状態に戻ったのであるから、サーミスターが定着回転体に接触している状態における通常の温調制御をすればよいのであるが、サーミスターが離反から接触状態に復帰したとき、サーミスターによる検出温度が急激に上昇に、その温度上昇変化率が高温異常設定値を超えるときには、実際には定着回転体温度が正常である場合でも、高温異常と判断されて画像形成動作が停止される。
【0012】
そこで本発明は、記録媒体に転写されるトナー像を、ヒータで加熱される定着回転体と加圧回転体との間に該記録媒体を挟持しつつ通過させることで加熱加圧下に該記録媒体に定着させ、該定着回転体の温度が該定着回転体に接触配置される温度検出センサによる検出温度に基づいてトナー像定着に適する温度へ向け温調制御される画像形成装置であって、温度検出センサが定着回転体から離隔しても、そのことだけでは画像形成は停止されず、画像形成を続けることができ、該温度検出センサが定着回転体から離隔した状態から該定着回転体に接触したときでも、該定着回転体自体の温度が正常であれば、画像形成を続けることができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため本発明は、
記録媒体に転写されるトナー像を、ヒータで加熱される定着回転体と加圧回転体との間に該記録媒体を挟持しつつ通過させることで加熱加圧下に該記録媒体に定着させることができ、該定着回転体の温度が、該定着回転体に本来的には接触配置されるべき温度検出センサによって検出される温度に基づく温調制御部による前記ヒータ制御によりトナー像定着に適する温度へ向け温調制御される画像形成装置であり、
前記温調制御部は、
前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出する離隔検出部と、
前記温度検出センサが前記定着回転体から離隔した状態から該定着回転体に接触すると、該接触を検出する接触検出部とを含んでおり、
前記離隔検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出すると、該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御により該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御し、
前記接触検出部が、前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔状態から該定着回転体への接触への変化を検出すると、前記ヒータを予め定めた時間オフした後、前記温度検出センサによる検出温度が予め定めた温度以上であるか否かを判断し、該予め定めた温度より低いときは温調制御を再開し、該予め定めた温度以上であると異常状態と判断する画像形成装置を提供する。
【0014】
本発明に係る画像形成装置では、温度検出センサは本来的には定着回転体に接触配置されて定着回転体の表面温度を検出するのであるが、温度検出センサにトナーや記録媒体粉やゴミが付着する、ジャム処理においてオペレータがセンサに触れる等により、該センサが定着回転体から離隔することがある。
【0015】
しかし本発明に係る画像形成装置によると、そのように温度検出センサが定着回転体から離隔した場合でも、それを異常として画像形成の継続を禁止してしまうのではなく、そのように離隔した場合には、離隔検出部がその離隔を検出し、離隔検出部が離隔を検出すると、温度検出センサが定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御により定着回転体の温度がトナー像定着に適する温度へ向け温調制御され、画像形成を継続することができる。
【0016】
また、温度検出センサが定着回転体から離隔している状態から、センサに付着したゴミ等の剥がれなどにより定着回転体に接触することもあるが、その場合、温度検出センサによる検出温度は急激に上昇する。その場合、直ちに定着回転体の高温異常と判断してその後の画像形成を禁止してしまうのではなく、接触検出部が温度検出センサの定着回転体に対する離隔から検出への変化を検出すると、一旦定着回転体加熱ヒータが所定時間オフされた後、温度検出センサの検出温度が予め定めた温度より低ければ正常と判断され(ヒータをオフすれば通常は定着回転体温度は低下するので正常と判断できる)、温調制御が再開され、それにより画像形成の継続が可能となる。
【0017】
しかし、ヒータを所定時間オフした後の温度検出センサの検出温度が予め定めた温度以上であれば、異常状態と判断される。
このように本発明に係る画像形成装置によると、温度検出センサがトナー、記録媒体粉、ゴミ等の付着などにより定着回転体から離隔しても画像形成を続けることができ、温度検出センサが定着回転体から離隔した状態から定着回転体に接触して温度検出センサによる検出温度が急激に上昇したときでも、定着回転体自体に温度異常がなく正常であれば、画像形成を続けることができる。
【0018】
ヒータが所定時間オフされた後、温度検出センサの検出温度が予め定めた温度より低いか、該温度以上かを判断するための該基準温度は、正常か異常かを判断できる温度であればよく、例えば、温度検出センサが定着回転体に接触した時点の温度検出センサによる検出温度を挙げることができる。
【0019】
前記温調制御部は、例えば、前記温度検出センサが前記定着回転体に接触している状態で前記ヒータに通電したとき該温度検出センサで検出される昇温カーブを記憶させるセンサ接触時昇温カーブ記憶部と、現に該ヒータに通電する状態で該温度検出センサで検出される昇温カーブを求める現在昇温カーブ検出部とを含むことができる。
【0020】
この場合、前記離隔検出部は、該現在昇温カーブ検出部で求められた昇温カーブが前記センサ接触時昇温カーブ記憶部に記憶された昇温カーブと異なるときは、該温度検出センサが該定着回転体から離隔していると判断し、同じであるときは、該温度検出センサが該定着回転体に接触していると判断することができる。
【0021】
また、前記温調制御部は、前記離隔検出部により前記温度検出センサが前記定着回転体から離隔したと判断されると、該判断のために前記現在昇温カーブ検出部により求められた昇温カーブを記憶するセンサ離隔時昇温カーブ記憶部と、該センサ離隔時昇温カーブ記憶部に記憶された昇温カーブを前記センサ接触時昇温カーブ記憶部に記憶された昇温カーブに基づいて補正する昇温カーブ補正部とを含むことができる。
この場合、温調制御部は、該昇温カーブ補正部により、温度検出センサの定着回転体からの離隔距離に応じて補正された昇温カーブに基づいて該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御することで、該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御を行うことができる。
【0022】
また、前記接触検出部については、例えば、前記温調制御部が現に前記ヒータに通電する状態で該温度検出センサで検出される昇温カーブを求める現在昇温カーブ検出部を含んでおり(この現在昇温カーブ検出部は既述の現在昇温カーブ検出部と同じでもよい)、該接触検出部は、該現在昇温カーブ検出部で求められる昇温カーブが急激な昇温を示すと該温度検出センサが該定着回転体から離隔した状態から該定着回転体に接触したと判断する場合を挙げることができる。
【0023】
前記接触検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔状態からの該定着回転体への接触を検出したとき前記ヒータを予め定めた時間オフする該オフ時間としては、少なくとも、前記ヒータをオフした時点での該温度検出センサの検出温度が前記現在昇温カーブ検出部で昇温カーブを求め直すのに要求される温度まで降下するに要する時間を例示できる。
【0024】
いずれにしても、前記昇温カーブとしては、前記ヒータに通電する前の前記温度検出センサで検出される温度と該ヒータに通電開始後予め定めた時間通電後に該温度検出センサで検出される温度との差を該通電開始後の予め定めた経過時間で除して求められる単位時間当たりの温度変化量又は前記ヒータに通電中に前記温度検出センサで検出される温度と該温度検出後予め定めた時間通電後に該温度検出センサで検出される温度との差を該予め定めた経過時間で除して求められる単位時間当たりの温度変化量を例示できる。
【0025】
また、前記昇温カーブは、前記温度検出センサで検出される温度を前記ヒータに通電する前の温度から予め定めた温度まで上昇させるに要するヒータ通電時間で該通電開始前後の検出温度の差を除して求められる単位時間当たりの温度変化量又は前記温度検出センサで検出される温度を前記ヒータに通電中の温度からそれより高い温度まで上昇させるに要する通電時間で該両温度の差を除して求められる単位時間当たりの温度変化量であってもよい。
【0026】
また、いずれにしても、前記温度検出センサによる前記定着回転体の温度検出を、前記ヒータをオフしている状態から該ヒータへの通電開始後に行うときは、該ヒータへの通電開後、該ヒータによる加熱が該定着回転体表面に達するに要する遅延時間経過後に行うことが望ましい。
【0027】
また、前記接触検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔状態からの該定着回転体への接触を検出すると、前記ヒータを予め定めた時間オフした後、次の温調制御が開始されるまでの間は、新たな記録媒体供給を停止させてもよい。
【0028】
このように新たな記録媒体供給を停止させることで、ヒータをオフしている間の、定着回転体温度がトナー像定着に適する温度に保証され得ない状態での新たな記録媒体の供給によるトナー像未定着の記録媒体の排出や、トナーによる装置内汚れを防止することができる。
【0029】
また、本発明に係る画像形成装置においては、前記温度検出センサが前記定着回転体に接触している状態での温調制御において採用する、記録媒体種(厚い記録紙か、薄い記録紙か等)に応じたトナー像定着に適する定着回転体温度を前記温調制御部に設定してもよく、その場合、該温調制御部は、前記離隔検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出したときに該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御により該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御するとき、前記記録媒体種に応じて設定されたトナー像定着に適する定着回転体温度のうち最高温度より高い温度を高温異常検出温度として設定してもよい。
【0030】
このように高温異常検出温度を設定することで、温度検出センサが離隔状態から接触状態に転じたとき、偽高温異常を検出することが抑制される。
【0031】
また、前記温調制御部には、前記温度検出センサが前記定着回転体に接触している状態での温調制御において採用する、高温異常検出温度を設定しておくことができ、その場合、該温調制御部は、前記離隔検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出したときに該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御により該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御するとき、該高温異常検出設定温度以下の温度を高温異常検出温度として設定してもよい。
【0032】
このように高温異常検出温度を設定することで、離間時温調制御において、偽高温異常か、本来の高温異常かを検出できない領域で補正された温調制御がなされることを防ぐことが可能となる。
【0033】
いずれにしても、前記温度検出センサは代表例としてサーミスタを挙げることができる。サーミスタを採用する場合、前記定着回転体の検出温度は、前記サーミスタで検出する電圧に基づく温度とすることができる。
【0034】
また、いずれにしても、本発明に係る画像形成装置において、接触検出部が温度検出センサの定着回転体からの離隔状態から定着回転体への接触への変化を検出し、ヒータが予め定めた時間オフされて後、温度検出センサによる検出温度が予め定めた温度より低いときに再開される温調制御は、温度検出センサが定着回転体に接触配置されているときの温調制御であり、それはセンサが定着回転体に正常に接触している状態での温調制御としてもよいが、温度検出センサが離隔から接触へ転じたときの定着回転体への接触状態は、必ずしも過不足のない満足すべき正常接触状態とは限らない。そこで、該再開温調制御は、接触状態での温調制御ではあるが、正常接触状態での温調制御に基づいて補正された温調制御としてもよい。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように本発明によると、記録媒体に転写されるトナー像を、ヒータで加熱される定着回転体と加圧回転体との間に該記録媒体を挟持しつつ通過させることで加熱加圧下に該記録媒体に定着させ、該定着回転体の温度が該定着回転体に接触配置される温度検出センサによる検出温度に基づいてトナー像定着に適する温度へ向け温調制御される画像形成装置であって、温度検出センサが定着回転体から離隔しても、そのことだけでは画像形成は停止されず、画像形成を続けることができ、該温度検出センサが定着回転体から離隔した状態から該定着回転体に接触したときでも、該定着回転体自体の温度が正常であれば、画像形成を続けることができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1に本発明に係る画像形成装置の1例を示す。
図1に示す画像形成装置Aは、画像形成装置本体に着脱可能のプロセスユニット(作像ユニット)Uを備えている。プロセスユニットUは、静電潜像担持体としてドラム型の感光体1を有しているとともに、感光体1の周囲に順次配置された帯電装置2、現像装置3、転写ローラ4及びクリーニングブレード5も有している。感光体1は本例では負帯電性の感光体である。帯電装置2は本例では感光体1に接触配置されたブラシ帯電装置である。現像装置3は負帯電性のトナーを用いて現像ローラ31で感光体1上の静電潜像を反転現像するものである。
【0037】
図中、プロセスユニットUの左側には画像露光装置6が配置されており、該露光装置は図示省略のコンピュータ等から提供される画像情報に基づいて感光体1にレーザビームで画像露光を施すものである。
【0038】
プロセスユニットUの下方には記録媒体(本例では記録紙)Sを収容する給紙トレイ7が設けられており、上方には定着装置9が設けられている。定着装置9のさらに下流側には搬送ローラ対10、排紙ローラ11及び排紙トレイ12が設けられている。給紙トレイ7に収容された記録紙Sは所定のタイミングで給紙ローラ8により1枚ずつ引き出し、感光体1と転写ローラ4間の転写領域へ搬送することができる。
【0039】
この画像形成装置Aによると、図示省略の駆動部にて図中反時計方向回りに回転駆動される感光体1の表面が、図示省略の電源から電圧印加されたブラシ帯電装置2にて一様に所定電位に帯電され、その帯電域に画像露光装置6から形成しようとする画像に応じた画像露光が施され、感光体1上に静電潜像が形成される。
【0040】
この静電潜像は現像装置3にて反転現像されて可視トナー像となり、感光体1の回転に伴い転写領域へ搬送される。
一方、給紙トレイ7から給紙ローラ8にて記録紙Sが、感光体上のトナー像の転写領域への到来にあわせて該転写領域へ送り込まれる。転写ローラ4には図示省略の転写電源から転写電圧が印加され、該転写電圧のもとで感光体上トナー像が記録紙Sに転写される。
【0041】
トナー像が転写された記録紙Sは定着装置9へ送り込まれ、ここでトナー像が加熱加圧下に記録紙Sに定着される。トナー像が定着された記録紙Sはその後搬送ローラ対10、排紙ローラ11により排紙トレイ12へ排出される。
【0042】
定着装置9は、トナー像定着のために図示省略の駆動部により回転駆動される定着ローラ91とこれに対向する加圧ローラ(バックアップローラとも称される)92を含んでいる。加圧ローラ92は図示省略の押圧装置により定着ローラ91へ向け押圧されており、定着ローラ91の回転に従動して、或いは該両ローラ間を通過する記録紙Sの移動に従動して回転する。
【0043】
定着ローラ91には本例では加熱ヒータとしてハロゲンランプヒータHが内蔵されている。ハロゲンランプヒータHは、図2に示すように、その一端がサーモスタット14及びヒューズ15を介してAC電源PWに接続されているとともに他端がトライアック回路16を介して電源PWに接続されている。
【0044】
定着ローラ91に対しては該ローラの表面温度を検出する温度検出センサとして、ここではサーミスタ90が配置されている。ここでのサーミスタ90は本来的には定着ローラ91の表面に接触配置して用いるものであり、従って、画像形成装置Aがユーザに届けられ、セットアップされた初期段階では定着ローラ表面に接触配置されている。
【0045】
定着装置9の定着ローラ表面温度は、温調制御部Contにより、トナー像定着に適する温度へ向け温調制御されるようになっている。図2に示すように温調制御部Contは画像形成装置Aの動作を制御するコントロール基板13に接続されている。
【0046】
サーミスタ90による温度検出にあたっては、基板13に実装された抵抗Rを介してサーミスタに5Vの電圧が印加されるようになっており、抵抗Rにより分圧された電圧がサーミスタ出力電圧として温調制御部Contに入力され、アナログ/デジタル変換され、温調制御に供される。サーミスタ出力電圧は、定着ローラ表面温度の変化に伴うサーミスタの抵抗の変動に応じた電圧であって定着ローラ表面温度を示すものである。
【0047】
さらに言えば、温調制御部Contは、入力されたサーミスタ出力電圧からサーミスタ90の温度特性に基づいて定着ローラ91の表面温度を算出する。算出された表面温度がトナー像定着に適する一定温度(以下「定着温度」ということがある。)になるように制御部Contのヒータ制御出力HCを「HI」又は「LOW」に切り替える。
【0048】
ヒータ制御出力HCを「HI」又は「LOW」に切り替えることで、トライアック回路16をON又はOFFさせ、それによりAC電源PWからヒューズ15及びサーモスタット14を経由しハロゲンヒータランプHへAC電力を供給し、ヒータHを発熱させ、定着ローラ91を加熱することができる。
【0049】
サーモスタット14は、定着ローラ91の上方に該ローラと非接触で設置されており、定着ローラ温度が異常に上昇した場合に切れ、定着ローラ温度が前記定着温度に戻ると通電可能状態に復帰する。ヒューズ15は、非接触サーモスタット14と同様に、定着ローラ91の上方に設置されており、定着ローラ温度が異常に上昇した場合に切れ、切れると復帰しない。
【0050】
ところでサーミスタ90は、本来的には定着ローラ91に接触配置されるべきものであるが、サーミスタ90にトナー、紙粉、ゴミ等が付着したり、オペレータがジャム処理等において触れる等により定着ローラ91から離隔することがある。
【0051】
図3は、ここで使用しているサーミスタ90の特性を表している。図3に示すように、サーミスタ90が定着ローラ91に接触している状態(以下、この状態を単に「接触時」ということがある。)での温調制御における定着ローラ高温異常検出のためのサーミスタ出力電圧値は4.5Vであり、サーミスタ90が定着ローラ91から離隔している状態(以下、この状態を単に「離隔時」ということがある。)での温調制御における定着ローラ高温異常検出のためのサーミスタ出力電圧値は3.6Vである。
【0052】
図4はサーミスタ出力電圧の変化とヒータ制御の関係を示している。図4においてラインL1は、サーミスタ90が定着ローラ91に正常に接触配置されている状態での温調制御では、ヒータHをオンしてからの時間の経過とともにサーミスタ出力電圧が上昇し、使用する記録媒体種(厚紙か薄紙か等)に応じて予め温調制御部Contに設定された各記録媒体についての定着温度のなかで最も高い温度(接触時最高温度)に到達すると、その温度を保つようにヒータHを制御し、サーミスタ出力電圧が接触時高温異常検出温度以上になると高温異常と判断することを表している。図4において、「接触時最高温度」は換言すれば、接触時最高温度を示すサーミスタ出力電圧値であり、「接触時高温異常温度」は、換言すれば、接触時高温異常温度を示すサーミスタ出力電圧値である。
【0053】
サーミスタ90が、トナーやゴミ等の付着等により定着ローラ91から離隔している状態では、実際の定着ローラ91の表面温度が同じでも、接触時に対しサーミスタ出力電圧値が異なってくる。そこで、離隔時も温調制御を続行して画像形成を継続できるようにするため、温調制御部Contは、該離隔時の温調制御でも、定着ローラ91の実際の表面温度が接触時と同じになるように、且つ、定着ローラ91の高温異常を離隔時でも検出できるように、離隔時では、その判断のためのサーミスタ出力電圧設定値を補正する。図4においてラインL2はその例を示している。
【0054】
図4において、「補正後最高温度(離隔時)」は、定着ローラ91の実際の表面温度が使用する記録媒体種(厚紙か薄紙か等)に応じて予め温調制御部Contに設定された各記録媒体についての定着温度のなかで最も高い温度(接触時最高温度)(その温度に向け温調制御すべき温度)に到達すると、その温度を保つようにヒータHを制御できるように補正されたサーミスタ出力電圧設定値を示しており、「(離隔時)補正後高温異常温度」は、定着ローラ91が実際に高温異常温度以上になると、それを検出できるように補正されたサーミスタ出力電圧設定値を示している。
【0055】
また、定着ローラ91から離隔していたサーミスタ90が、付着していたゴミ等の剥がれ等により再び定着ローラ91に接触することもある。その場合、サーミスタ90の出力電圧は図4にラインL3で例示するように急激に上昇する。温調制御部Contはこの急激なサーミスタ出力電圧の上昇により、換言すれば、サーミスタ出力電圧で示される昇温カーブにおける単位時間あたりの昇温温度が急激に大きくなると、サーミスタ90が離隔状態から接触状態に変化したと判断する。そして、制御部Contは、その場合直ちに異常と判断するのではなく、図4の下段に示すように、ヒータHを一旦所定時間オフする。
【0056】
このようにヒータHを一旦オフするときの該所定時間は、少なくとも、前記ヒータをオフした時点でのサーミスタ90による定着ローラ91の検出出温度が、ヒータHオフ後のオーバーシュートによりなお定着ローラ91温度が上昇し、その後下降に転じ、昇温カーブを求めなおすのに要求される温度まで降下するに要する時間である。そのような時間は予め実験等により求めて制御部Contに設定しておけばよい。
【0057】
そしてこのようにヒータ制御をオフしているときに、次の印刷が要求された場合には、定着ローラ91の温度が保証されず定着不良が発生する場合があるので、温調制御部Contは、ヒータをオフしている所定時間と、後ほど図5のフローチャートを参照して説明する昇温カーブ(ステップS9の昇温カーブ)を算出するのに必要な時間が経過するまで、新たな給紙が行われないようにコントロール基板13に指示を出す。
【0058】
また、制御部Contは、ヒータHオフの所定時間の経過後も、サーミスタ90が示す定着ローラ91の温度がヒータオフ時点でのサーミスタ90による定着ローラ91の検出出温度以上であれば、高温異常と判断してコートロール基板13にその旨知らせる。
【0059】
図5は温調制御部Contによる、どのような温調制御を行うかを決定する等の動作を示すフローチャートである。
制御部Contは、自身が接触時の制御を行う状態にあるか、離隔時の制御を行う状態にあるかを図示省略のメモリに記憶している。
【0060】
そこでプログラムがスタートすると、先ず、メモリに保存されている制御状態が離隔時制御状態であるか接触時制御状態であるかを判断し(ステップS1)、接触時制御状態である場合は、サーミスタ90が接触状態から離隔状態へ変化したか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、定着ローラ91が十分冷めている状態でヒータHをオンし、サーミスタ90が所定の温度以上を示すようになると、その時の温度t1を記憶し、その後所定時間Tの経過後にサーミスタ90が示す温度t2を記憶し、先に記憶した温度t1と後に記憶した温度t2から昇温カーブを算出する。本例では、両温度差(t2−t1)を時間Tで除した単位時間当たりの温度変化量〔(t2−t1)/T〕を昇温カーブとして用いる。
【0061】
なお、制御部Contには、サーミスタ90が正規状態で定着ローラ91に接触している状態での接触時昇温カーブを同様に予め求め、記憶させてある。
このようにして求めた昇温カーブ(t2−t1)/Tと予め制御部Contに記憶させてある接触時昇温カーブとを比較し、昇温カーブ(t2−t1)/Tが接触時昇温カーブと一致するとサーミスタ90は定着ローラ91に接触していると判断し、接触時温調制御を行うこととする。しかし、昇温カーブが異なっているときは、サーミスタ90が定着ローラ91から離隔していると判断し、ステップS2で求めた昇温カーブ(t2−t1)/Tに沿った温調制御へ補正する(ステップS3)。
【0062】
ステップS1において離隔時制御状態であると判断すると、次いで、サーミスタ90が離隔状態から接触状態へ変化したか否かを判断する(ステップS4)。この判断はサーミスタ90の出力電圧が図4にラインL3で例示するように急激に上昇したか否かで判断する(スナップS4)。
【0063】
サーミスタ90が離隔状態にあると判断すると、離隔時温調制御を行うこととする。しかし、接触状態へ変化したと判断すると、ヒータHをオフし、タイマーをセットする(ステップS5)。従来は、この時点で温度異常トラブルとしていたが、ここではトラブルとしない。このタイマーでセットされる時間は、ヒータHオフ後のオーバーシュートによりなお定着ローラ91温度が上昇し、その後下降に転じ、昇温カーブを求めなおすのに要求される温度まで降下するに要するヒータオフ時間である。
【0064】
タイマーセット後、新たな給紙が行われないように指示を出す(ステップS6)、このように新たな給紙を行わないことで定着ヒータをOFFしている期間に給紙され未定着(定着不良)での排紙をさせないことで機内の汚れを防止できる。
【0065】
次いでタイマーの終了を待って(ステップS7)、サーミスタ90が示す温度がヒータオフの時点でサーミスタ90が示した温度より低下した否かを判断し、低下していない(従ってヒータオフ時点の温度以上)であると、高温異常と判断し、高温異常処理を行うが(ステップS12)、低下していると正常と判断し、昇温カーブを前記ステップS2における昇温カーブ検出と同様に検出し、該求めた昇温カーブに沿った温調制御へ補正し(ステップS9、10)、新たな給紙を許可する(ステップS11)。かくして、画像形成を続行できる。
【0066】
この画像形成装置Aでは、温調制御のために、サーミスタ90が定着ローラ91に接触している状態での温調制御において採用する、記録媒体種(厚い記録紙か、薄い記録紙か等)に応じたトナー像定着に適する定着ローラ温度を温調制御部Contに設定してある。そして、温調制御部Contは、サーミスタ90の定着ローラ91からの離隔を検出し、接触時温調制御とは異なる補正後の温調制御を行うにあたって、該記録媒体種に応じて設定されたトナー像定着に適する定着ローラ温度のうち最高温度より高い温度を高温異常検出温度として設定する。図6はその例を示している。
【0067】
このように高温異常検出温度を設定することで、サーミスタ90が離隔状態から接触状態に転じたとき、偽高温異常を検出することが抑制される。
【0068】
また、画像形成装置Aでは、温調制御部Contに、接触時温調制御において採用する高温異常検出温度を設定してある。そして、温調制御部Contは、サーミスタ90の定着ローラ91からの離隔を検出することで接触時温調制御とは異なる補正された温調制御を行うにあたり、該高温異常検出設定温度以下の温度を高温異常検出温度として設定する。
【0069】
このように高温異常検出温度を設定することで、離間時温調制御において、偽高温異常か、本来の高温異常かを検出できない領域で補正された温調制御がなされることを防ぐことが可能となる。図7は、補正後の高温異常温度が異常と判断する例を示す図である。
【0070】
以上、モノクロ画像形成装置Aに付いて説明したが、本発明は、他のタイプのモノクロ画像形成装置や各種カラー画像形成装置についても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、記録媒体に転写されるトナー像を、ヒータで加熱される定着回転体と加圧回転体との間に該記録媒体を挟持しつつ通過させることで加熱加圧下に該記録媒体に定着させることができ、該定着回転体の温度が、該定着回転体に本来的には接触配置されるべき温度検出センサによって検出される該定着回転体の温度に基づく温調制御手段による前記ヒータ制御によりトナー像定着に適する温度へ向け温調制御される画像形成装を提供することに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る画像形成装置の1例の概略構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置における定着装置の制御回路を示す図である。
【図3】サーミスタの特性を示す図である。
【図4】サーミスタ出力電圧の変化とヒータ制御の関係を示す図である。
【図5】温調制御部による、どのような温調制御を行うかを決定する等の動作を示すフローチャートである。
【図6】補正後(離隔時温調制御)の高温異常設定温度を示す図である。
【図7】補正後の高温異常温度が異常と判断する例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 感光体
2 帯電装置
3 現像装置
31 現像ローラ
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 画像露光装置
7 給紙トレイ
8 給紙ローラ
9 定着装置
91 定着ローラ
92 加圧ローラ
90 サーミスタ
H ハロゲンランプヒータ
10 搬送ローラ対
11 排紙ローラ
12 排紙トレイ
13 コントロール基板
14 サーモスタット
15 ヒューズ
16 トライアック回路
Cont 温調制御部
PW AC電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に転写されるトナー像を、ヒータで加熱される定着回転体と加圧回転体との間に該記録媒体を挟持しつつ通過させることで加熱加圧下に該記録媒体に定着させることができ、該定着回転体の温度が、該定着回転体に本来的には接触配置されるべき温度検出センサによって検出される温度に基づく温調制御部による前記ヒータ制御によりトナー像定着に適する温度へ向け温調制御される画像形成装置であり、
前記温調制御部は、
前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出する離隔検出部と、
前記温度検出センサが前記定着回転体から離隔した状態から該定着回転体に接触すると、該接触を検出する接触検出部とを含んでおり、
前記離隔検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出すると、該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御により該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御し、
前記接触検出部が、前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔状態から該定着回転体への接触への変化を検出すると、前記ヒータを予め定めた時間オフした後、前記温度検出センサによる検出温度が予め定めた温度以上であるか否かを判断し、該予め定めた温度より低いときは温調制御を再開し、該予め定めた温度以上であると異常状態と判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記温調制御部は、前記温度検出センサが前記定着回転体に接触している状態で前記ヒータに通電したとき該温度検出センサで検出される昇温カーブを記憶させるセンサ接触時昇温カーブ記憶部と、現に該ヒータに通電する状態で該温度検出センサで検出される昇温カーブを求める現在昇温カーブ検出部とを含んでおり、前記離隔検出部は、該現在昇温カーブ検出部で求められた昇温カーブが前記センサ接触時昇温カーブ記憶部に記憶された昇温カーブと異なるときは、該温度検出センサが該定着回転体から離隔していると判断し、同じであるときは、該温度検出センサが該定着回転体に接触していると判断する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記温調制御部は、前記離隔検出部により前記温度検出センサが前記定着回転体から離隔したと判断されると、該判断のために前記現在昇温カーブ検出部により求められた昇温カーブを記憶するセンサ離隔時昇温カーブ記憶部と、該センサ離隔時昇温カーブ記憶部に記憶された昇温カーブを前記センサ接触時昇温カーブ記憶部に記憶された昇温カーブに基づいて補正する昇温カーブ補正部とを含んでおり、該昇温カーブ補正部により補正された昇温カーブに基づいて該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御することで、該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御を行う請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記温調制御部は、現に前記ヒータに通電する状態で該温度検出センサで検出される昇温カーブを求める現在昇温カーブ検出部を含んでおり、前記接触検出部は、該現在昇温カーブ検出部で求められる昇温カーブが急激な昇温を示すと該温度検出センサが該定着回転体から離隔した状態から該定着回転体に接触したと判断する請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接触検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔状態からの該定着回転体への接触を検出したとき前記ヒータを予め定めた時間オフする該オフ時間は、少なくとも、前記ヒータをオフした時点での該温度検出センサの検出温度が前記現在昇温カーブ検出部で昇温カーブを求め直すのに要求される温度まで降下するに要する時間である請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記昇温カーブとは、前記ヒータに通電する前の前記温度検出センサで検出される温度と該ヒータに通電開始後予め定めた時間通電後に該温度検出センサで検出される温度との差を該通電開始後の予め定めた経過時間で除して求められる単位時間当たりの温度変化量又は前記ヒータに通電中に前記温度検出センサで検出される温度と該温度検出後予め定めた時間通電後に該温度検出センサで検出される温度との差を該予め定めた経過時間で除して求められる単位時間当たりの温度変化量である請求項2、3、4又は5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記昇温カーブとは、前記温度検出センサで検出される温度を前記ヒータに通電する前の温度から予め定めた温度まで上昇させるに要するヒータ通電時間で該通電開始前後の検出温度の差を除して求められる単位時間当たりの温度変化量又は前記温度検出センサで検出される温度を前記ヒータに通電中の温度からそれより高い温度まで上昇させるに要する通電時間で該両温度の差を除して求められる単位時間当たりの温度変化量である請求項2、3、4又は5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記接触検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔状態からの該定着回転体への接触を検出すると、前記ヒータを予め定めた時間オフした後、前記温度検出センサによる検出温度が予め定めた温度以上であると異常と判断する場合の該予め定めた温度は、該温度検出センサが該定着回転体に接触した時点の該温度検出センサによる検出温度である請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記温度検出センサによる前記定着回転体の温度検出を、前記ヒータをオフしている状態から該ヒータへの通電開始後に行うときは、該ヒータへの通電開後、該ヒータによる加熱が該定着回転体表面に達するに要する遅延時間経過後に行う請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記接触検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔状態からの該定着回転体への接触を検出すると、前記ヒータを予め定めた時間オフした後、次の温調制御が開始されるまでの間は、新たな記録媒体供給が停止される請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記温調制御部には、前記温度検出センサが前記定着回転体に接触している状態での温調制御において採用する、記録媒体種に応じたトナー像定着に適する定着回転体温度が設定されており、該温調制御部は、前記離隔検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出したときに該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御により該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御するとき、前記記録媒体種に応じて設定されたトナー像定着に適する定着回転体温度のうち最高温度より高い温度を高温異常検出温度として設定する請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記温調制御部には、前記温度検出センサが前記定着回転体に接触している状態での温調制御において採用する、高温異常検出温度が設定されており、該温調制御部は、前記離隔検出部が前記温度検出センサの前記定着回転体からの離隔を検出したときに該温度検出センサが該定着回転体に接触している状態での温調制御とは異なる温調制御により該定着回転体の温度をトナー像定着に適する温度へ向け温調制御するとき、前記高温異常検出設定温度以下の温度を高温異常検出温度として設定する請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記温度検出センサはサーミスタである請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記定着回転体の検出温度は、前記サーミスタで検出する電圧に基づく温度である請求項13記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−40401(P2008−40401A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218016(P2006−218016)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】